DIARY 2003年3月

3月3日　Camera Talk

■ 実家の改装の打ち合わせ。いい感じで進んでいます。街として住みやすい場所ではないので、せめて部屋だけは居心地のいい空間にしたいと思う。16日に引越す予定。リビングを広くとったのでみんな遊びに来てね。
　その足で下北沢のNoah Lewis' Recordへ。この店は客の動きを見てBGMを替えてるような気がする。しばらくレコードを探していると、BGMがだんだん自分の好きな音に近づいてきて、お会計の時につい「今かかってるやつください」と言ってしまうシステムなのです。今日のお会計レコードはBob DorohghがプロデュースしたBlossom Dearieの73年のアルバム。

■ そしてomo*8のTさんがレギュラー出演しているWidescreenへ。特に盛り上がるでもなく、ゆったりとお喋りを楽しむ感じ。T.P.さんとA.A.さんが文具を巡る女の子トークを繰り広げている側で、F.T.氏とN夫がカメラを巡る男の子トークを繰り広げているのが可笑しかった。僕はTさんに今日の戦利品を自慢。
　Tさんとは何度かニアミスしているのだが、今日初めて顔と名前が一致しました。すみません。初期のomo*8はすごい切れ味だった。ご本人は物腰おだやかな方で、今のomo*8のイメージに近いのかな。また是非ゆっくりと。

■ で、雰囲気に乗ってF.T.氏とT.P.嬢が我が家に流れてきた。今日ゲットしたレコードを聴きながらポツポツお喋り。
　Blossom Dearie『BLOSSOM DEARIE SINGS』は隠れた名盤です。Dearieのフェンダーローズにスウィートソウルなベースが絡んでいく。必要最小限の音で聴かせるセンスはさすが。いつもの癖をちょっと押さえたボーカルも最高で、夜明け前のけだるい空気にぴったりでした。意外な拾いものはLena Zavaroni『MA! HE'S MAKING EYES AT ME』。スコットランドの10歳くらいの女の子。ジャケットはロリータ趣味なんだけど、Jackson 5のようにファンキーでソウルフル。こんな発見があるからレコード探しはやめられない。

3月5日　大田区友の会

■ 寂しがりなので部屋に人が来るのはわりと好きだ。今日はたぶんこの部屋での最後の飲み会。大田区のご近所さんが集まってくれました。ああ大田区、心のふるさと。23歳から30歳までの7年間をここで過ごしたので、街のそこかしこにOmoide In My Headが隠れている。一度離れたら通りかかる度に思い出すのだろう。現実と残像はくりかえし、気がつくとそこに!
　今日のメンバーはI.M.嬢、相川くん、N夫。結果として2月22日と全く同じ顔ぶれになってしまった。

■ 最初は仕事の話とか音楽の話とかしてたんだけど、お酒が進むに連れて友情の話とか恋愛の話にシフト。相川くんが「こういう雰囲気って久しぶりだなあ」って。僕はいつもこんな雰囲気だよ。やっぱり歳相応に経済の話とかしたほうがいいのだろうか。竹中大臣は田村亮子に似てます!
　それにしてもN夫はモテだ。僕が振って相川くんがつないでN夫がオチをつけてI.M.嬢が笑う。もしくはN夫が先輩様であるこの僕をネタにしてみんなが笑う、という構図。しかし素敵なお土産をくれたので許す。はーこれからはネタにされないようにポーカーフェイスの特訓をしなければ。

3月6日　Give Peace A Chance

■ こういうイベントを教えてもらいました。
「フセイン政権下での人権侵害を憂慮し、その独裁政権に問題があることを認めたとしても、攻撃で傷つくのは、まさにその独裁政権で苦しんでいる市民」「査察を継続することで問題解決の道を探るべきであり、戦争では真の解決はない」との主旨でデモンストレーションを行うそうです。
　僕は友達の結婚式の打ち合わせがあるので行けないけれど、このサイトを見てる人、誰か一人でも興味を持ってくれたらいいと思って。

3月7日　意味なんてない。

■ 探しものをしていたら日記評サイトにぶちあたり、うちが「特に中身のない日記」と紹介されていた。笑った。中身、ないです。

3月8日　大きなのっぽの某

■ いつもなら寝てる時間の待ち合わせに一番で着いた。誰か誉めてくれ。
　今日はY.I.氏の結婚パーティの最終打ち合わせ。マクドナルドで話し合いをしたあと会場で最後の確認。そしてまたマクドナルド。実動6時間ほどだったか、引きこもりとしては辛かった。菊地成孔氏が「マリファナのようだ」と形容するレキソタンを計12錠。それでも足りずにメジャーを投入。ところで関西人はマクドナルドのことをマクドと言う。マッキントッシュはやっぱりマッキンなのでしょうか。

■ 深夜になってT.N.がパソコンの調子を見に来てくれました。モニターとCPUのお喋りがうまくいってないのかと思ったら、CPU自体が起動する時としない時があるという。ボードを抜き差ししてはウーム。今アクセラレーターカードがバキって言ったぞ。
　というわけでG3にアップグレードしていた我がマッキンは7300に逆戻りしました。そっちのほうが安定してるからまあいいや。ポーンという起動音が、「いつまでも古いパソコンに手をかけてないで、そろそろ新しいのを買いなさい」と言ってるような気がした。お別れの時が来たのを僕に教えたのか。

■ ところでT.N.は今日のWorld Peace Nowに参加したそう。ゲストに喜納昌吉さんを呼ぶのはわかるが、PANTA & 制服向上委員会ってどうなのよ。それでもパレードの参加者は4万人を超えたんだって。日本の反戦運動としては頑張ったのではないか。僕も参加したかった。きっと世界は変わらないけど。

3月14日　段ボール体操

■ いやもうね、引越しですよ引越し。準備が間に合わなくてうーってなってます。CDだけでこんなになった (写真) 。8箱に見えるかも知れないけど、裏にもう一列あるので16箱です。CDはね、いっぱい持ってるってわかっててもまた買ってきちゃう。最近は再発で高田渡さんとか聴いてます。
　これからパソコンをしまうのでしばらく通信できなくなります。急用の方は携帯によろしく。メールも掲示板も落ち着いたら返事書きます。

■ 引越し屋さんが来た時に荷物ができてなかったらどうなるんだろう! というわけで半泣きアデュー。

3月17日　Cat Flap

■ ここんとこいろいろありすぎ! 要するに。生まれ育った家に引越しました。「実家に帰った」って感じじゃないのは、今はここに住む人がほかにいないから。
　荷造りの時点で既にヘタレ気味だったんだけど、引越し前夜の27時になって猫が逃げ出すハプニング。家猫という生き物は、逃げ出す時はほんの好奇心で、でもいざ外に出ると恐怖でパニック状態に陥ってしまう。だからとにかく探して連れ戻さなくちゃいけないのです。そもそも例え自力で戻ってきても、君の家は明日にはそこにないのだよ。

■ そんなわけで、丑三つ時に人を呼びまくって猫捜索隊を結成。集まってくれたみんな、心からラヴ。懐中電灯で車の下や人んちの生け垣を覗き込み、携帯で連絡を取り合いながらの捜索活動。4時間後にようやく発見・捕獲しました。いやー朝日がまぶしいぜ。
　ほっと一息ついて辺りを見わたせば、中途半端に梱包された荷物の山。捜索隊はそのまま荷造り隊になって、バタバタバタっと片付けてくれました。またしてもの他力本願ぶり。こんなじゃダメ神様。

■ 引越先はかなりのボロ家で、陥没した床を修理するついでに部屋の間仕切りをとっぱらってしまった。やり過ぎたかな。一人には広すぎる部屋の隅っこに寄っかかってしばし呆然。そして家財の山よ。遠い昔、ここに4人家族が暮らしていた痕跡と、僕が13年間ため込んできた想い出が一緒になって、手のひらからこぼれ落ちてしまう。
　ベッドの隙き間で怯えてた猫たちが、ようやく新しい部屋の散策を始めました。改装の時にお願いして作ってもらったキャットフラップ、もう使いこなしている。僕もここを自分の場所にしよう。

3月21日　アニマル・クラッカーズ

■ Y.I.氏の結婚パーティのDJ仕込みで煮詰まりデイズ。
　気分転換にいとうまさみさんのライブを見てきました。Shirley Templeちゃんの「Animal Crackers in My Soup」に日本語の歌詞をのせた「たべっ子どうぶつ」が可笑しかった。最近Maria Muldaurも歌ってたね、この歌。終演後、割烹着ユニット モゴに遭遇。意外と普通の方々でした。「モゴさんですか」と声をかけた僕のほうが胡散臭かった。

■ で、T.P.さんとY.K.さんとジョナサン。T.P.さんとジョナサン。Y.K.さんとジョナサン。T.P.さんとY.K.さん。とジョナサン (意味なし) 。ふたりは仲良しで、Y.K.さんはT.P.さんのうちにお泊まりに行った。

3月22日　あなた自身が決めること

■ Y.I.氏の結婚パーティDJ本番。実は新郎新婦がうちに遊びに来た時のお喋りや、みんなからの「おめでとうメッセージ」を募ってサンプリングしていたのでした。メッセージを集めてることは二人には内緒で、驚かして新婦を泣かせてやろうくらいの意気込みだったのだが、パーティのお喋りに負けた。歓談の邪魔をするだけだと気づいて途中からは控え目にした。
　みんな音楽を聴きに来てる訳じゃないからね。二人で部屋で聴いたらいいと思うんで、後で音源をプレゼントするつもり。

■ セットリストはこんな感じで。
01 Surprise Guest / Opening Message
02 Fantastic Plastic Machine /
　Behind The Mask (F.P.M's Sweet Soul Bossa Nova)
03 Elektel / Midnight Samba
04 The Sea And Cake / Sound & Vision
05 Bossa Bros. / Pelo Ar
06 Senor Coconut / Autobahn
07 Alzo & Udine / Hey Hey Hey, She's O.K.
08 Linda Lewis / Spring Song
09 Pizzicato Five / Baby Love Child (MADE in USA Ver.)
10 サントリー烏龍茶CMソング / 春一番
11 Styrofoam / Altogether
12 Sketch Show / Cue
13 The Grace Period / My Girlfriend
14 The Drifters / 盆回り

■ 最初のメッセージは2歳の女の子。「Behind The Mask」は結婚式向きじゃないんだけど、新郎のお気に入りなので、F.P.M.がラヴソングに仕立てたリミックスをかけた。最後は「８時だヨ! 全員集合」の場面転換の曲。スタッフはこれをきっかけに次のイベントの準備をする。 そんなわけで。Y.I.くんY子さんおめでとうー。ご協力頂いた皆さんありがとうー。
　T.N.がビンゴゲームで貰ったマグカップをくれました。山下さんのうちに置いてあるところを見たいからって。「『それ』が幸せかどうかはあなた自身が決めることですよ」。うーん。そして新郎新婦からは焼酎を頂いた。うーん。

3月23日　戦争の味

■ 久しぶりにネットを巡ってみると、例のアレについての記述が非常に目立ちます。世界情勢よりも目の前に立ちふさがる段ボールの山のほうが今現在深刻な問題であり。それくらい無知で無能な僕でも、たまたま人より少し早くWorld Peace Nowというイベントの存在を知ったので、バナーを貼ってみた次第です。後は賢明な読者の皆様がそれぞれの視座で判断して頂けば結構。
　戦争がものすごーくしたい人はほんの一握りだと思うのですが、無関心または反対の立場の人々が、それぞれの無関心ぶりや反対ぶりについて言い争っているのが不思議でならない。World Peace Nowに行ったやつバカ、とか。ヒステリーのドミノ倒しの末端に僕らはいるね。

■ 遠い国で人がたくさん死んでいるかも知れない今日は、お好み焼きを食べに行きました。前の会社の社長が「お好み焼きの小麦粉を薄めた感じは戦争の頃を思い出して嫌だ」と言っていたことをふと思い出しました。

3月29日　ペイパードライヴァーズミュージック

■ ここ数日は引越しの後片付けをしてました。70箱近くあった段ボールを開けて綺麗に分類 (うわべ) 。なんとか人が呼べる状態になった。荷物って段ボールに積めるとなんであんなに体積が膨らむのかと思う。片付けようとすれば意外と片付いちゃうものだ。
　部屋の作りによって必要な日用品も違ってくるもので、欲しいものをリストアップしてお買い物。しかし港区の物価に敗北。そんなに立派なのじゃなくて、プラスチックのでいいのですが...。ああ、そういうのは置いてないんですか。というわけでわざわざ車に乗って、遠くのイトーヨーカドーまで買い出しに行ってきた。

■ 実家に残されたオンボロのホンダシティはカセットテープしかかけられません。ドライブ用にカセット作ろうかな。それにしても都内の道は車線の幅が狭い。そしてせわしない。ペイパードライヴァーとしてはドキドキもんです。
　買ってきたのは壁一面のCDラック。んーこれぞWall Of Sounds。満足。そして突っ張り収納グッズ各種。現在、家中で突っ張りまくっている。突っ張ることが男の、たったひとつの勲章なので。

■ 今日は久しぶりにいっぱい人に会いました。昼間はY.I.氏の結婚披露パーティのお疲れ会。汐留の再開発地域に初めて行った。すげえ未来都市! もうすぐアトムが生まれても全然不思議じゃないね。
　夜は母方の親戚が集まって焼肉モリモリ。この一族はみんなよく食べる。従兄弟は焼肉をたらふく食った後に高さ20cmはあろうかという巨大パフェを注文してました。胸焼け気味の週末。

3月30日　Glasses And Ashes And Bottles And Cans

■ 実家帰還記念、というか僕の誕生日がどうのこうのいう話が盛り上がって我が家でお茶会。今どき誕生日パーティなんて西田ひかるくらいしかやんないじゃないですか。ここ数年、彼女の歌を聴いたことがあるか。演技を見たことがあるか。それでも毎年のように豪勢なパーティを開催する誕生日芸人西田ひかる、と同い年の僕だ。
　集まってくださったのは実に21人もの方々。みんなほんとにありがとね。

■ 誕生日っぽく、ケーキのロウソクを吹き消すパフォーマンスなどを披露してひとしきり照れる。と同時に、「山下スキルさん　Don't Trust Over 31」なるメッセージを書くはめになったケーキ屋さんの心に浮かんだクエスチョンマークについて思いを馳せた。びっくりしたプレゼント。天井まで届く猫タワー。でかい! そしてミラーボール。これをどうしろと!
　14時ごろにルーズに始まったパーティは、23時ごろまでゆったりと続きました。局地的にいろんなお喋りが広がり、時にあちらこちらから響く笑い声や感嘆の声が僕の耳にも届いた。みんながリラックスして楽しんでくれたならよい。そして発案者のT.P.さんとM.H.さんにスペシャルサンクス。これからも仲良くしてください。

■ 備忘録。余った洗濯機をN夫くんにあげる。今度ムネカタアキマサさんに会ったら中島みゆき道のレクチャーを受ける。僕があと5回「寂しい」と言ったらF.T.氏と部屋を交換する。