DIARY 2008年4月


4月1日 お客様の都合

お客様の都合により電話が止められてしまい、パソコンメールが使えません。山下スキルにご用のあるかたは、携帯メールもしくはmixiメッセージまで。
 これはエイプリルフールネタではありません。

4月1日 馴染みの焼き鳥屋にて

おとといまで35だったんだけどダメかなあ。

4月2日 ウキウキ通りはサクラの香り

パソコンネットが復帰するまでしばらくかかりそうです。こうしてる間にもYouTubeやニコ動に、面白い動画が載っては消え載っては消えしてるのかと思うと...そういうことが実に馬鹿馬鹿しく思えてくるね! もともと携帯を打つのは得意じゃないうえに、この携帯パコパコ開くタイプじゃないので、キーが小さくて打ちにくい。ネット勝者の皆さんはSO902iWP+でググってください。
 今日は、Amazonで購入したきり防犯登録をしてなかった自転車に乗って、坂をくだり登ってまたくだり、自転車屋さんに登録をしに行った。サクラの香りがした。サクラ餅を食べる時以外でサクラの香りを実感したのは初めてかも。昔はサクラの狂い咲きっぽさが苦手だった、花の生々しさ自体ちょっと苦手だったけど、いつの間にかその儚さを、愛せるようになってきた気がする。さてと帰りは…登ってくだり、また登るのか。明日からこの自転車で、遠出をしてみようと思う。それと昨日から腹筋してる。いつまで続くかな。

4月5日 ヘイトとラヴと電波の城

きのうは鈴木慶一@渋谷duoに行ってきました。ミュージックフリーク人生二十余年にして初めて、家にチケットを忘れてきた。ヘイタクシー! 家まで大急ぎ、そんでここに戻ってきてください! 人の念とは凄いもので、祈れば間に合うんですね。同行のOさんに申し訳なかった。Oさん、人気バンドCのMさんと意気投合して朝まで飲んでたとかで、お互い冴えない顔に苦笑い。
 ライブは曽我部恵一さんの「スカンピン」弾き語りからスタートする意表をついた演出。途中でメンバーが登場して一礼。曽我部さんはいつになく楽しそうに弾き歌ってた。いつの間にか雄々しくなった歌声に胸掻きむしられた。ソロで歌った「浜辺」って曲が気に入りました。それを暖かく見守るもう一人のケイイチは、楽器としてのボーカルじゃなくて、ストーリーテラーとしての表情豊かな歌声に景色が浮かんだ。「月にハートを返してもらいに」は上野洋子さんのコブシが冴え渡って、やがて手弾きアンビエントへ。アンコールは「煙草路地」「センチメンタル通り」「塀の上で」。狡い。本当に素晴らしいライブでした。

今日はドッグアドバイザーの学校。内容はコミュニケーショントレーニング「聞く」。自分の話に聞き手が全く反応しなかったら、どんだけ喋りにくいかの実験とかする。いや難しい。相手の言ってることをオウム返しにしたり要約したりするだけで、相手の頭の中はだいぶ整理されるものだ。コミュニケーションは相互理解であると同時に、インフォメーションプロセシングというか、それぞれの情報処理機能の内面の変化だよ、とのご指摘。
 ところで次長課長の河本さんが骨折しましたね。「ぬるぬる相撲」で怪我っていうのもどうかと思うけど、全治4週間を押して収録に臨む姿を芸人根性だって言っちゃう空気もどうなのか。あれ以来テレビで河本さんを観るたびに、怪我の前の収録なのか後なのかが気になります。ふざけてるように見えて本当は骨折してる、バラエティ番組の虚構があらわになったような、「電波の城」を読んでいる時のようなもやもや感に襲われます。

4月6日 1年生になったら

Y夫妻のお宅にお呼ばれ。ブラジルからベトナムまで、世界各国の料理が並ぶ楽しい会でした。誕生日プレゼントに小学一年生を貰った。フロクはドラえもんどこでも指ピアノ (大山のぶ代) 。5本の指にさしこんで、机を叩くとあらふしぎ。音が出ます。5本の指でたりない音は、本体についたボタンを押せばいいといういい加減な発想。
 お喋りは、M.K.さんとK.M.氏のオヤジギャグの応酬に、腹筋がよじれるほど笑った。「わいはプロや! 猿ゴルファープロや!」 猿ゴルファーにもプロとアマがいる。ディズニーの「ファンタジア」に釘付けになってる子供たちを引き離して、「これからは大人の時間」ってかけたのがPerfumeのライブDVD。Perfumeは、ニューウェイヴ、渋谷系を通過した我々の世代を相手に勝負してるな。そうそう、外飼い半ノラのニャンコがいました。南野陽子と同じ位置にホクロがあるので陽子ちゃん。いい名前。

4月7日 ア○ルみたいな

頂いた小学一年生より、ア○ルみたいなアナトティタン。いわゆる空目です。改行の位置に注意したいウルトラマンコスモスに近い。
 整体に行ってきました。ずいぶん久しぶり。ちょっと痩せたんじゃないのと言われた。「体の調子はだいぶいい、でも春にしては縮こまってる。もっと体が開いてくる季節なの。浅い眠りがダラダラ続くでしょう」。はいその通り。夜中に目が覚めて2-3時間眠れなかったり、昼間に眠くなってお昼寝しちゃうこともしょっちゅう。肩を後ろに伸ばすように気をつけることと、寝る前に足をあげること。運動で体を疲れさせること。二度寝はできるだけしないこと。二度寝は頭皮が緩んで、その反動がどっかに出ちゃうんだって。とにかく眠りの質をあげるように言われた。書いとかないと忘れちゃうからな。いい睡眠を。グッナイ。

4月9日 イヌネコにしか心を開けない人たち

きのうまでの雨があがって春うらら。近所の公園までお散歩。今年のサクラはあっという間に散ったな。季節の移り変わりに心を傾けるようになったのは歳のせいだろうか。カメラ持ってきゃよかった。
 ドッグアドバイザーの学校。今日はグルーミングの授業。先生がロンブー淳にそっくりだったのはおいといて、僕の担当はラブラドール。「爪を切ってみてください」「保定ができません! 」「肛門腺を絞ってください」「しっ絞れません! 」。先生が絞ったらドピュって出た。珍味系の凄い匂いがした。あれ嗅ぎながらビール行けそう。子供の頃から家にいたのは小型犬で、大型犬には慣れてないんだよ。こんなんでドッグアドバイザーになれるんでしょうか。

香山リカさんの「イヌネコにしか心を開けない人たち」って本が面白い。著者自身が相当な動物好きであることを告白した上で、対人間以上にペットを溺愛する人たちの例を取り上げて紹介している。まだ半分しか読んでないけど、これから話をどう展開するのかな。

4月10日 タマネギ1玉10円

朝7時に起きて、ちょっと遠めのドライブ。人を送っていったんですが。帰ってきて11時半、速攻昼寝。久しぶりに金縛りにあった。霊っぽい要素ゼロ、恐怖感こそないものの辛いことに変わりはない。そのままぐったり夕方まで起きれなかった。
 夜は彼女の作る、鮭とキノコのホイル焼き。タマネギ1玉10円だった。偉大過ぎるジャスコ。いったいどんなトリックを使ってるんでしょうか。ホイル焼きっていうのはイベント性があっていいね。もちろん美味でした。残り汁はバターライスに。アルコールも出てきてウホー。

きのう読みかけた「イヌネコにしか心を開けない人たち」は、本来ヒューマニズムの延長線上に動物愛があるべきなのに、ヒューマニズムが欠如してる人ほど動物にすがって、動物の本能による行動を自分に都合よく解釈しがちであるよっていう本でした。お薦め。

4月11日 チャーリーと僕

快晴。自転車のチャーリーに乗って図書館へ。10年くらい前まではよく通ってて、平日でも受験生が寝てたり、カップルがイチャイチャしてる姿が見られたんだけど、久しぶりに入ったらおじさんおばさんばっかりで驚いた。これが少子化ってやつなのか、くつろぎの空間がチェーンカフェに変わったのか、それとも情報機関としての図書館の役割が終わったのか。写真は図書館の最上階からの眺めです。東京にしては緑が深いでしょう。メンヘラ界ではよく名前を聞く「いやな気分よさようなら」っていう本を初めて手に取った。数ページ読んで飽きた。こんなコロコロコミックみたいに分厚い本を読む気力があったら鬱なんて治ってます。
 帰り、公園の中を通り抜けようとしたら階段でチャーリーごとずっこけた。まだチャーリーの扱いに慣れてない。車道から歩道にあがる時に冷やっとします。次はどこに行こうか。

4月12日 I am the walrus

今日は朝から富士急ハイランド! って意気込みだったんですが夕方まで寝てしまい、今から行けるとこはどこだってことで八景島シーパラダイスに行ってきました。水槽の中にエスカレーターが通ってたり、海の上をローラーコースターが走ってたりっていうのは、開業当時話題になって、いつかは行ってみたいと思ってた。いざ行ってみたら...テーマパークっていうのは常に新しく夢を生み出さなきゃダメですね。土曜の夕方だっていうのに人影まばら、悲しくなってきた。けど。
 憧れの海上コースターは怖くて楽しくて、素敵じゃないかシーパラダイス。待ち時間ゼロ、係員より客の方が少ないのを気にしなければ。そしてフリーフォール。なめてました。絶叫マシンなんてもんじゃない、3・2・1・あっ....。って感じ。絶叫出ない。怖さだけで比べたらタワー・オブ・テラーなんか全然目じゃないです。

そしてお楽しみのアクアミュージアム。これが充実した水族館で、入ってすぐにアザラシとラッコ。次の部屋はホッキョクグマにセイウチにペンギン。横たわるセイウチを見て僕のようだと言われたけど、でぶでぶと眠る自分の写真と見比べるに反論の余地もない。そして海の美味しそうな魚たち。アジとかキンメダイとかイワシとかカニとか。イワシの群れは目を引きました。それを全然食べようとしないサメも。写真はウツボです。かわいいね。クマノミやサンゴを見て、昼間だったらイルカのショーも見れたらしい。水族館だけでも充分楽しめました。
 二度三度と行きたいとは思わないけど、無くなる前に一度は行ってみることをお薦めします、恋する遊び島、八景島シーパラダイス。

余談 : Niagara Calendar '78を初めて聴きました。81年ミックスは愛聴してたけど、78年ミックスのアバンギャルドな音にびっくりした。これでなんで売れないんだろうと思ってた若き日の大滝さん、ちょっとずれてる。

4月14日 Drifter、もしくは検察側の証人

Drifter
作詞・作曲:堀込高樹

交わしたはずのない約束に縛られ
破り棄てようとすれば後ろめたくなるのは何故だ
手巻きの腕時計で永遠は計れない
虚しさを感じても手放せない理由がこの胸にある
 たとえ鬱が夜更けに目覚めて獣のように襲いかかろうとも
 祈りをカラスが引き裂いて流れ弾の雨が降り注ごうとも
 この街の空の下あなたがいるかぎり僕は逃げない
人形の家には人間は棲めない
流氷のような街で追いかけてたのは逃げ水
いろんな人がいていろんなことを言うよ
「お金がすべてだぜ」と言い切れたならきっと迷いも失せる
 みんな愛の歌に背つかれて与えるより多く奪ってしまうのだ
 乾いた風が吹き荒れて田園の風景を砂漠にしたなら
 照りつける空の下あなたはこの僕の傍にいるだろうか?

 僕はきっとシラフな奴でいたいのだ子供の泣く声が踊り場に響く夜
 冷蔵庫のドアを開いてボトルの水飲んで誓いをたてるよ
 欲望が渦を巻く海原さえムーン・リヴァーを渡るようなステップで
 踏み越えて行こうあなたと
 この僕の傍にいるだろう?

いろんな人がいていろんなことを言うよ。それに振り回される僕らじゃないだろう。

4月16日 ポリリズムポリリズム

Perfumeのニューアルバムを買いました。渋谷の街中爆音でかかりまくってた。今度こそ売れてしまうんでしょうか。
 きのうは彼女と大酒飲み大会。まず入ったのがカタカムナ。去年の4月もここにいたね。そして祭りばやし魚や、シダックスで火がついた。2人で4時間Perfume歌いまくり。ポリリズムポリリズム。最後はどの店入ったか覚えてない。今日は当然二日酔いです。
 東京ディズニーランドが25周年だそうで、もうそんなになるのか。開園前はテレビやマンガ雑誌で特集しまくって、当時のちびっこはみんな行ったこともないのに園内の地図が描けた。

4月17日 I do

豆腐屋のラッパの音が響きわたる曇った午後です。きのうのドッグアドバイザー講座のアニマルセラピーの授業は凄かった。

犬や馬の世話をすること、それは例えば自閉症や引きこもりの人にとってはコミュニケーションのスキルアップに繋がるし、生活が規則正しくなる。そしてなにより「自分が必要とされてる感じ」を体験できる。ニューヨークにグリーンチムニーズっていう団体があって、そこで何をしているかっていうと、虐待を受けた子供たちを預かって、虐待を受けた動物の世話をさせてるんだって。社会に受け入れられなかった子供たちは、同じような体験をした動物たちに「無条件に」愛されてる実感を持つことができる。人間の世界にもう一度戻ろう、っていう意識がめばえる。
 得てして人が人を理解したり評価したりするときは、「条件つきの好き」だったりする。この人は元気だから、勉強ができるから、友達がいっぱいいるから。犬はそういうのを飛び越えて、無条件に飼い主を信頼して愛してくれる。動物の姿と自分を重ねること、それを医学的に「投影」というそうです。ひょっとしたら虐待した親も、自分が愛情を受けて育ってこなかったかも知れない。そういう生きるもの同士の相互理解がうまれるんだって。

僕が老人ホームに実習に行った時に、犬を抱いたとたんに昔のことを語り始めるおじいさんがいました。一般的に老人ホームは、介護が必要な老人が人生の最期を送る場所だよね。ひょっとしたら家族の顔や名前を忘れてる人もいるかも知れない。でも動物の暖かさは、その人の輝ける日々の記憶を蘇らせることがある。動物に触れること、そして触れられること。それは動物を受け入れることだし受け入れられることだ。それが無条件の受容に繋がってくる。
 そういう心理的効果、生理的効果に加えて、社会的な効果も期待できる。動物の世話をしたり触れることによって、人間のエゴが薄れていくんだって。それは僕が猫と暮らしてても実感できます。つまり人間も自然の一部なんだと。満月や新月の日は特別なことが起こる生きものなんだと。そしてその小さな命の終わりに触れることは、自分の生き方を考える大きなきっかけになる。

ところで、Perfumeは無機質さとトークのいなたさのギャップがいいので、「エレクトロワールド」や「ポリリズム」より「マカロニ」が好きになってきた。

4月19日 よーしよしよし

嫌犬家の皆さんこんばんは! ドッグアドバイザーの学校に通っているので週に2回は犬の話題です。すみません。なんでいちいち学校で学んだことを日記に書いてるかというと、とにかく刺激的で面白いことと、それから書くことによって復習になるんです。嫌犬家じゃない方は、もうしばらくおつきあいください。

きのうは模擬レベルチェックの見学。アドバンスコースに進むと1人1頭犬を与えられて、期間内にトレーニングをしなくちゃいけない。その模擬試験です。おすわりをしたまま飼い主が30秒間部屋の外に出るとか、ほかの犬とすれ違うとか、あとはおすわり、伏せ、立て、ヒールポジションがコマンド1回で自在にできればオーケー。
 これがなかなかきついんだよ。周囲の注目の中でトレーナーも緊張していて、普段通りにコマンドを入れられない。最初の方なんか殆どなにもできなくて、会場は重苦しい雰囲気に。思わず息を飲んだ。僕も数ヶ月後アドバンスコースに進むんで、犬をあてがわれることになる。他人事じゃない。はぁ。

ポイントとしては、犬の集中力をキープすることが大事なのかなと思った。犬が指示を聞いた時のおやつをあげるタイミング、クリッカーを鳴らすタイミング、それと指示の明確さ、声の緩急。集中力が途切れたときは、会場内を一緒に走るとかしてモチベーションをあげるのもいいそう。待てとアイコンタクト、信頼関係が出来てれば、後の項目は自然についてくるって。まあそうだろうなあと思う。アイコンタクトが出来なくちゃ、コマンドが入らないもんね。うちの犬たちは一般的な家庭犬の芸しかできなかった。実際に街で役立つしつけはちょっと違う。写真は学校の犬、ボーダーコリーのクーラ。しっかり待てができてる。
 今日はきのうの反動でぐったり。毎日が緊張のプロの世界でやっていけるのか、体力をつけなきゃいかんなあ。

4月20日 MY BLUEBERRY NIGHTS

今週で終わる映画をレポートする、日本一役に立たない映画コーナーです。今回はウォン・カーウァイ監督の「マイ・ブルーベリー・ナイツ」。ノラ・ジョーンズ主演、ライ・クーダー音楽と聞けば、映画館で観るしかないでしょ。最後の日曜日の最終回なのに、劇場はがらがらでした。
 物語の始まりはニューヨーク。あるレストランでの別れと出会いと、毎日売れ残るブルーベリーパイ。失恋の痛手を振り払うようにアメリカ中を旅するノラ・ジョーンズと、ニューヨークでブルーベリーパイを作り続けるジュード・ロウの距離を強調した演出なんだけど、ウォン・カーウァイが撮るとニューヨークもメンフィスも、香港みたいに見えちゃうのが残念でした。最後はご想像の通り。ノラ・ジョーンズの唇が色っぽくて、そういう意味では観る価値があります。

全く関係ないけど、松井秀喜は鬱陶しそうで、彼女の親父にしたくないと牛丼屋の看板を見て思いました。

4月21日 新しいパラダイムが

また学校の話。コミュニケーショントレーニングの最終回。今回のテーマは「伝える」ってこと。ある写真のイメージを、言葉だけで伝えて相手に絵を描いてもらうっていうワークをした。難しい。自分がイメージしている物を相手も同じようにイメージしてるとは限らないんですね。そういう錯覚は、日本人の島国根性によるものらしい。例えば日本人に太陽の絵を描かせると、8割がた赤かオレンジで描くそうです。それは朝日や夕陽を愛でる日本の文化が、誰に教わったでもなく擦り込まれてるからなんだって。これが枠組み、パラダイムです。
 動物の世界に足を踏み入れるのは、僕のパラダイムからいうと少しずれてて、正直不安もありました。でもそういうもんなんだって。自然界の中では生き存えることがなにより大事で、そのためにパラダイム、縄張りというものがある。何かに不安を感じたら、いままで持っていたパラダイムの端の方にいるってこと。次のチャンスに繋がってると考えるといいらしい。

あとはIメッセージとYouメッセージの話。ストロークの大切さ。自己開示の話。これは具体的にはプロになって自分の話をしてあげること、飼い主さんと同じ目線に立つこと。僕も昔、こんな失敗をしましたよでもいい。悩んでる人は「私だけ?」って思いがちなんだって。これはよくわかる。あなたもそうだったんですかっていう発見が、解決に繋がるケースもある。例えば死にたいと思ってる人は、ある目的地に辿り着く道をひとつしか想定できてないことがある。その道が断たれてしまったら、もう死にたい。でも同じ目的地に向かって、回り道があることを教えてあげるだけで救われる場合がある。
 昔の日記に、「止まない雨はないっていうけど、コンゴにヘヴィー・スモーカーズ・フォレストっていう一帯があって、霧が晴れなくてずっと衛星写真が撮れない」って書いたけど、ヘヴィー・スモーカーズ・フォレストってフィクションなんだって。お恥ずかしい。雨は必ずあがる。そして見えるのは完璧な虹だろう。

4月22日 はじめてのおつかい

今日はいい天気で、あっついくらいでしたね。彼女の出社中に初めてのひとりジャスコ。いろいろ切らしてるものがあったんで。買い物ぐらいひとりでできるもん! 困ったら、隠しカメラを持ったスタッフがさりげなく手助けしてくれるはず。チンザノの場所を教えてくれたあの店員さんもきっと。それにしても平日の昼間のジャスコで、さぬきうどんの天かすにむせる三十路男の背中は、周りの目にどう写っただろうか。どうもこうも見たまんまなんですが。
 行きのBGMはCafe Jacques、帰りはPerfume。Perfumeの「GAME」はかなりチャレンジングなアルバムだ。「Take me Take me」みたいな抽象的なテクノが平然と入ってる。こんなアルバムがオリコン1位になっちゃうなんて世の中捨てたもんじゃないです。

4月24日 佐川急便とあーたくし

佐川急便のトラックが今日も走る。薄汚れた都会のグレーを身にまとって。佐川急便が走ったあとは、街に冷たい風が吹く。ほら、日記に張りつけただけでこんなにも画面が寒々しくなった。デザインは永井裕明。意図するところを教えて欲しい。僕がちびっこの頃、都バスが一気に毒々しいまっ黄色になって、数年後に改められたことを思い出しました。

学校が休みだとすることがない。去年のこんな日は、頭かかえてベッドに籠ってたんだ。雨の縫い間をみてお散歩。彼女がふと「はくさいしいたけにーんじん、季節のお野菜いかがです」っていうサッポロ一番のCMソングを口ずさんだ。いま冷蔵庫に白菜・椎茸・人参があるじゃん! ってことでラーメンを作りました。彼女に、炒め物をするときのフライパンを手前に返す技を教えて貰った。3回に1回くらいできるようになった。料理の上でどういう効果があるのか知りませんが。
 きのうは猫のメイの寝言が酷くて、あーうーあーうー言ってました。どんな夢を見てるんだか。ネモは風呂場の前で、アウェイアウェイって鳴くのが癖です。ここはお前のホームだ。

4月25日 硫化水素とメディアマリオネットのミー

今日は天気がよかったのになぜかぐったりでした。元気を装ってると、ときどきこういう反動が来る。明日は彼女の会社の方々とバーベキュー。緊張するぜ。あの子がこんなデブで無職のおじさんとつきあってるなんて想像できないんじゃないか。
 それにしても硫化水素です。22日のカップル自殺、23日の女子中学生自殺、24日の自動車内での男性自殺、滋賀県のホテルでの男性自殺、25日の自動車内での男性自殺、工場内でのガス発生、都心ホテルでの男性自殺未遂。明日の長野の聖火リレーのテロ予告も硫化水素だよね。簡単に作れちゃうことを知って使った人がいるんじゃないだろうか。マスコミに踊らされなくてもそういう人は自殺するんだろうけど。なんてメディアマリオネットの僕が書いても説得力ないけど。

いまだにPerfumeの「GAME」聴いてます。素晴らしいな。ほかに聴くべき音楽がいっぱいあるのはわかってるんだけど。日刊ゲンダイごときに取り上げられたらもうブームは終焉かな。デビューアルバムの初動って500枚だったの? それ買ったうちの1割は僕のマイミクのような気がする。
 今夜はたこ焼きでした。

4月26日 mocha mocha

モチャモチャじゃありません、モカモカです。今日は彼女の職場の方々とバーベキュー。お幾つですか、とお仕事は何をされてるんですか、を聞かれなくてよかった。それともおおよそ想像がついたのかな。
 主催者さんの飼い犬、ミニチュアダックスのモカが可愛かった。最初は人見知りだったけど、お腹を出して服従のポーズをしてくれました。バーベキュー場の隣のブースにもそっくりなミニチュアダックスがいて、名前もおんなじモカだって! ダックス界ではポピュラーな名前なんだろうか。2次会は北関東中のヤンキーが集まるという巨大ゲーセンでカラオケ。ノンアルコールでカラオケはかなりきつい。帰りは大渋滞で、今日は疲れました。色んな意味で。

4月27日 キティの下僕

今日は母方の親戚の集まりでした。明日がばあちゃんの81歳の誕生日だって、全然気づかないで姪っ子のマナにシールのお土産買ってっちゃった。写真はロウソクを吹き消そうとする姪っ子。おいおいお前の誕生日じゃない。みんなばあちゃんに花とかプレゼントとか用意してて偉いな。
 それから従兄弟のパシリだった一番下の子が来月結婚するんで、婚約者つれてよろしくどうぞと挨拶にきた。お前に先を越されるとは思わなかった。そんで豪華な食器セットを貰ってた。でも従兄弟は食器には目も暮れずにプチプチをプチプチしてた。「高級品のプチプチは張りが違う」。やらせて貰った。確かに違う。それから今日知った事実。キティちゃんって猫飼ってるんだって? お前も猫だろ。奴隷ってこと? 教育上どうなの?

4月28日 MOTHER牧場よりテレグラム「泣くんじゃない」

我が家では空前のMOTHERブームです。誰が誰のマザーだって? 20年前のファミコンゲーム、糸井重里プレゼンツ・鈴木慶一音楽の、「エンディングまで、泣くんじゃない」のMOTHERです。数年前にGame Boy版が出たの、買ったっきりやってなかったんだ。いまマジカントを抜けて、サンクスギビングでロイドにあったところです。マジカントを抜けるのは大変だった。どうやって抜けたかは教えてあげない。なぜならライバルがこの日記を読んでるからだ。
 で、エンディングまでに泣けるかどうかは微妙なところかも。根本的なアイデアはドラクエシリーズの踏襲だし、その後のドラクエシリーズの呆然とするような壮大なストーリー展開を知ってるからね。20年前だったら泣けたかも。それともこれから泣けるような展開がまっているんでしょうか。

4月30日 メゾン

我々の世代でメゾンと言ったら一刻なのであるが。実に今さらながら、ファミコンやって焼肉行って、「メゾン・ド・ヒミコ」を、知ってる女の子とレンタルのDVDで観てる。素晴らしい。まるで南仏かイタリアか、地中海沿いの良質の文学映画を観ているような。それでいて嫌みがなくて、ひとつひとつのシーンが美しく、静寂で、人間や景色が丁寧に描かれているんです。
 家庭を捨ててゲイとして生きてきた父親と、それを許せなかった娘。やがて父親は体を患って、店をたたんで海沿いにゲイのための老人ホームを作る。ゲイはゲイとして老後を過ごしたい。そんな夢のような世界がいつまでも続く訳もなく、その現実を見据えた娘は...。っていうお話。音楽は細野晴臣さんで、静寂と風景を彩る素晴らしい音をつけています。

犬童一心監督の映画を順に観ていこうと思う。ジョゼも眉山もグーグーも観てないんだよ。高校生の頃は孤独な映画・音楽青年だったんだけど、大学が郊外だったんで映画観なくなっちゃったんです。CDは東京さ行ぐ時にまとめて買ってた。だから話題作のサントラだけはちゃんと持ってる。