DIARY 2008年12月


12月1日 楽しげ

CD-R焼きながら地図帳をパラパラめくってたら、たのしげな地名を見つけた。大楽毛 (おたのしげ) 。釧路の近く。超たのしげだね。

「3月のライオン」2巻やっと読みました。うーんそうきたか。竹本祐太の不器用が故の苦悩は共感できるんだけど、桐山零の天才が故の叫びは僕とは程遠い。ネタバレになるので以下略、いろいろ考えさせられました。将棋を描いているようで人間を描き、人間を描いているようで猫を描いているマンガだなあ。「ハチミツとクローバー」は犬、「3月のライオン」は猫。普通は逆に置きそうなところだけど、この人 犬のことも猫のこともよくわかってる。その辺のバランス感覚やコマ割りの妙、重なり合う言葉のセンスは直感なのか計算なのか、どっちにしろ羽海野チカさんは天才です。こんなマンガがバカ売れしちゃう日本はまだまだ捨てたもんじゃないぜ。両方とも必読課題です。

12月2日 FUN FUN FUN -たのたのたのしい-

定例ミーティング。いつものY.N.さんのほかに、K.K.さん、O.C.さんにも参加して頂いた。もうね、一刀両断。「400万で厨房つくれたとしても現状復帰に倍かかるよ、食事で儲けたいならもっといい手がある。つまんなくない? そもそもあなた、楽しいことがしたかったんじゃなかったの?」そうだった。僕がやりたいのはカフェのマスターじゃないのだよね。なんだか流されて、そういう話になっていた。僕がやりたいのは音楽だった。
 保健所の審査に通るカフェを作るなら400万かかります。それを現状復帰するのに400万かかります。ランチでペイするには何食つくればいいんだろう。それって僕の得意なこと? 僕はそれで楽しいの? 残念ながら、僕はカレーを何皿盛っても楽しくないんだ。お客さんも僕もにっこりがいい。一度リセット! 最初の企画はもう決まってる。みんながあっと驚くこと。マテ次号!

鈴木慶一さんの「ヘイト船長とラヴ航海士」がレコード大賞の優秀アルバム賞を受賞したそうです。浮き具合が凄いです。

12月3日 愛があればだいじょぶ

影でこそこそ悪口を言って、でも僕の今のラッキーな環境を利用している人がいるって聞きました。いやいや、そんな関わり方では楽しくないし、あなたのメリットにならないよ。僕は信頼できる、一緒に楽しめる人と過ごしたい。
 僕のこの仕事に対しての関わり方を何度も書いてきたけど、もうひとつ補足するね。僕は新設キャンパスの1期生として入学して、周りはおかしなやつらばっかりだったし、先生方も大変な意気込みで、僕らは「未来からの留学生」って言われてた。楽しかったです。でも卒業して現実の会社社会を見て、みんな戸惑い悩んだ。僕もサラリーマンやったけど馴染めなくて、長い鬱病の時間を過ごした。未来からの留学生は自力で未来に帰らなきゃいけない。僕の仕事の進め方が現実的でないって人もいるけど、僕は未来の仕事のありかたは愛だと思ってる。きれいごとじゃなくて、愛がなくちゃやってけないってことだよ。厳しい時代だよ。

今日は、僕のFUJI ROCK仲間で仕事を手伝ってくれてるY.N.さんと、僕のサラリーマン時代の上司、2人の女性の出会いの場を作りました。この人達、絶対意気投合すると思ったから。2人とも自分をしっかり持ってて、それぞれの立場で世界をちゃんと見てる。上司はバックパッカーの走り、Y.N.さんは無国籍で複雑な家庭環境の中で、世界と自分を確立した人。予想を遥かに上回る意気投合ぶりで、たぶん年齢差20歳くらいあると思うんだけど、お互いがお互いを認め合ってるのがよくわかりました。僕は話題に加われなかったけど、もう僕の頭を飛び越えて、熱く語り合ってました。そういうのがとても嬉しい。

12月5日 オオ塗壁隊!

きのうは店に飾るポスターとロゴをお願いする、菅野一成さんと初顔合わせ。僕より6つも年下なんだけど、明確なビジョンと自信に溢れていて、とっても気持ちのいい方でした。それであんなに素敵な絵が描けるんだから有名にもなるわな。アナログレコードと古き良きハリウッド映画の胡散臭さの合間に、僕の好きなミュージシャンの似顔絵を散りばめたポスターをお願いした。
 夜は思いつく限りの専門家と友人を現場にお呼びして、顔合わせ&着地点を見つけようの会。前々から考えていた、土壁を作りたいっていう話を本格的にした。なぜ作りたいか。吸音に優れているから。土の持つ力を信じたいから。ガラス張りの建物に土っていうミスマッチ感が面白いから。何より僕が土壁を塗りたいから! そう、最初のイベントは塗壁です! もう立ち上げの段階からイベントにしちゃいます。住宅街の真ん中でさ、土壁塗ってたら相当面白いじゃん。みんなで泥だらけになって塗ろうぜ。ちゃんと指導してもらえば、素人でも塗れるんだって。で、貝殻とかビー玉とかタイルとか好きなもの塗り込むの。

12月6日 音楽産業、そして鈴木慶一さんとあーたくし

売れるものがすべていいものとは思えないし、売れることが悪いこととも思わないし、売れないことが悪いことともいいこととも思わないという、長いけど単純な心境なんだ (鈴木慶一) 」。そんな慶一さんが売れてない素晴らしいアルバム「ヘイト船長とラヴ航海士」でレコード大賞だもん。日本のヒットチャートは竹針からダイヤモンドになり、レーザー光線になり、ダウンロードするようになって、いい音楽を拾う機能がどんどん衰えていった。だから若い頃は邦楽より洋楽の方が偉いと思ってました。でも日本にも、ヒットチャートが拾わない素敵な音楽家がたくさんいる。
 今日はゆっくり音楽を聴く日。菅野一成さんに頂いたコンピを聴き、秋山羊子さんの新譜を聴きなおしてライナーノートの草稿を送った。夜はmayuluca@池ノ上Bobtail。つい2ヶ月前まで「私の動員力は5人くらいです」って言ってたのにワンマンでソールドアウト、キャンセル待ちまでいるのかよ! ツアーを終えたmayulucaさん、前原孝紀さん、田辺玄さんっていう2人の音響派ギタリストを従えて、堂々と飄々ぶりを披露してました。一番いいところで歌詞が飛んで、「あれ? しばしご歓談ください」ってそういうとこも好きよ。

写真は慶一さんと初めて会った2002年のもの。僕、思いっきり緊張して子鹿のように震えてます。後日じっくりとお話をする機会があって、なんだか穏やかに包み込むようなオーラを持った方でした。買ってきたばっかりのCDをむしゃむしゃ開けて、「おお! このストリングスの感じがいいねー!」なんて。ああなんだ、この方は偉大なロックンローラーでありながら、一介のミュージックフリークなんだって。びっくりしたのは、慶一さん観に行きたいライブのチケットを普通に予約して買ってるの。「えーっ招待じゃないんですか!」「それってロックじゃないじゃん」。
 もうひとつ、今年のFUJI ROCKで慶一さんのステージとRoger Manningのステージがバッティングして、どっち行くか迷ったのね。Roger Manningの方はベースがLinus Of Hollywoodだし、きっとJason Falknerがサプライズで出てJellyfishの曲やるんだろうなって。でも結局慶一さんをかぶりつきで観た。終演後30分くらいした頃に慶一さんからメールが来た。「来てくれてありがとう。僕も自分のステージほっぽりだしてRoger Manning観たかった」。ぎゃふん。夜になって「Sparksもうすごい!」。ぎゃふん。このひと普通にFUJI ROCK楽しんでるよ! かっこいいなあ。

ライブカフェプロジェクト、凄い剣幕で脱退した方がいまして。いわく山下スキルは自分本意で攻撃的で威嚇的だと。そんなこと36年の人生で初めて言われたよ。とっても悲しかった。伝わってなかったことが。あのね、僕みたいな素人が好きなお店を構えられるなんてこの上ない幸運で、それは糸のように細い、神様がくれた縁のなせる技で、この幸運をみんなにお裾分けしなきゃって思ってたの。だから楽しんでくれなきゃ意味がない。脱退したその子は山下が心配だから義務感で参加してたんだよね。お仕事として関わる方にはもちろん対価を支払うよ。お友達には毎回ビールサービスじゃダメかな。
 みんなそれぞれのお仕事を持った身でご意見をくださるのなら、コミュでの議論は有効だと思ってたんだけど、やっぱり顔を見て話さないとわからないことが圧倒的にある。こないだK.K.さんやO.C.さんと話して、実戦踏んで修羅場をくぐってる人に、机上の空論ではとてもかなわないと痛感しました。みんな楽しくやろうね。お願いだ。

12月7日 nito

いま僕が立ち上げようとしているライブカフェの名前、さんざん悩んでアンケートをとったりもしたけど、今朝ふっと決心がついて「nito」に決めました。由来はマユコが放った名言「トゥーラビットを追うものノンラビットですよ!」。それをK.C.が面白がって、「nito」って名前を考えてくれた。店名を見てロゴが2匹のウサギだったら、気づく人はふふって笑うかもしれない。ユーモア大事です。このイラストはイメージ映像。ピーター・ラビット周辺は権利関係うるさいからね。ロゴのデザインは菅野一成さんにお任せします。気づかなかった人、意味はどうでもいいんですよ。きっかけがたまたまそうだっただけで。響きがかわいいでしょう。将来レーベル展開する時は、もちろん「nito records」です。いいね。実にいい。
 今日は凹むことがあって、横になってたら老猫のネモが背中に乗ってきて、ますますうなされました。秋山羊子さんのもうすぐ出るアルバム、「ピラニアの棲む湖」をまた聴いた。まさに今の僕のためにあるような曲が入ってる。

水分
作詞:秋山羊子
作曲:秋山羊子

大きくなったらそれなりになれると思ってた
どうやらそうでもないってうすうす気づいていたんだ
 遠くでラッパの音が聞こえたらためらうことなくスタートするんだ
 一気に走り走りきるんだ
 ちょっとでも後ろのなんかふり向くなちらっとでも隣気にするな
 でも水分だけはしっかりとるんだ
 いつか君のスタートが誰かの背中を押すかも
 時には傷つけるかもしれない
 過去でも未来でもなくて今の君に会えることを
 ずっとずっとここで待ってるよ
ゆく手をはばむのは怖い顔した怖い人じゃなくて
最大のやっかいはめちゃくちゃ高い自分の理想
 遠くでラッパの音が聞こえたらためらうことなくスタートするんだ
 一気に走り走りきるんだ
 ちょっとでも後ろなんかふり向くなちらっとでも隣気にするな
 でも水分だけはしっかりとるんだ
 いつか君のスタートが誰かの背中を押すかも
 時には傷つけるかもしれない
 いろんなものが出てくるたくさんの汗とか涙とか
 自分の弱さを知るだろう
 けどそれは土に還って全て土にもどって
 やがては雨となって降るだろう
 全て土に還って全て土にもどって
 やがては雨となって降るだろう
 降るだろう降るだろう降るだろう降るだろう

アルバムのライナーノートを秋山さんに送って、返事が来た。
泣かせないで
ありがとう

ヤター! この改行がいいよね。秋山さんと秋山さんの音楽にもらった色んなことの、ほんの少しでもお返しができたかな。
 菅野一成さんがヤナギコーヒーのために選曲したMix CD「YANAGI COFFEE elegant lunchitime side」をすごく気に入ってる。レコード針のプチ音に彩られたオールドタイミーな1枚。Mix CDかくあるべしってくらい完璧な構成。僕もMix CD作るけどこれには到底かなわない。作ってて楽しかったろうなあ。

12月8日 日向ぼっこ、そして谷川史子に出会う

こんな日記ばっか書いてるから乙女って言われちゃうんだな。僕はおじさんですので! 男子校で育ったくせに友達は女の子ばっかりで、でもいま思えばみんなさっぱりした性格だった。お互い中性的なところでいい友情ができてたのかも。mixi日記をご覧の方ならご存知と思うけど、2日前の日記のコメント欄、ああいう女性的な激情ってぶつけられたことなくて、だからびっくりしたんだ。
 今日は淡々と事務。その合間に日向ぼっこしながら谷川史子さんを読んだ。くすぐったいラヴストーリーを微笑ましく眺めてたら、「積極」って短編に胸撃ち抜かれた。やばい! 最後に「くらしのいずみ」って短編集を読んだ。全部やばい! そっか「くらしのいずみ」は青年誌に掲載してたんだね。ほかにお薦めあったら教えてください。そんでお昼寝。メガネをなくす夢を見た。メガネメガネ。で、起きたらメガネがない。正夢だ。いい加減ピリっとした男になりたいと思ってる。思ってない。まいっかこのままでとほんとは思ってる。

12月9日 真剣に遊ぶということ

菅野一成さんの今日の日記はポンキッキのスポットアーカイブ。古今東西のリフを巧みにミックスして、音楽センスの高さにいま見ても感心しきりです。映像も素晴らしい。僕の映像作品を観たことがある人、これ観ると僕がどんだけ「ポンキッキ」に影響されてたかわかるはず。僕は「おかあさんといっしょ」でも「ロンパールーム」でもなく、圧倒的に「ポンキッキ」派でした。幼児期の刷り込みはものすごーく大きいと思う。
 時は過ぎて就職し、時計代わりにつけてたのが「ポンキッキーズ」でした。安室奈美恵と鈴木蘭々とBOSEとピエール瀧が出てた。安室はあの仕事が大嫌いだったって言ってる。蘭々の方がずっと歌が上手くて可愛くて活き活きしてた。彼女はわかってたと思う、子供に対して真剣に遊ぶってことを。うちのネモも「ポンキッキーズ」が好きで、「元気!」「にゃあ!」「勇気!」「にゃあ!」「ポッポポッポポンキッキーズ!」「にゃあ!」ってコール&レスポンスしてました。ほんとほんと。

今日は定例ミーティング。「スキルくん厨房のことではリセットしたけどまだ発想がリセットしきれてないなあ、僕は遊び場所を提供してるんだよ、周りが真面目すぎるんじゃない? 上がってくる数字の表見てスキルくん楽しい? リスクなしで行けるんだよ、最初はあるもんだけでとにかくすぐにでもここを使って真剣に遊ぼうよ」。「はい、じゃあ再来週の鍋会をこの場所で!」 ってことでnito最初のイベントは鍋会になりました。その次がたぶん壁塗り。
 写真は今日の寒さを象徴する1枚。お前低温やけどするぞ。

12月10日 きのうの打ち合わせ、ぼく鼻毛でてたや

nitoの話ばっかでごめんね。きのうの打ち合わせですごくほっとしたんだ。そもそも発端は、オーナーさんから「場所が余ってるから遊ぼうよ」って言われたことだったの。 僕はそれをビジネス用語としての遊ぶ、つまりは楽しみながらもあの物件を運用して収益を生むことだって解釈してた。でもオーナーさんはビジネス抜きで、本当に遊ぶことを考えてたんだ。つまり僕に求められていたのは、ビジネスプランを立てることじゃなくてイベント表の中身を埋めていく作業だったんです。あの環境をタダで使えるっていうとてつもない幸運、リスクを負わないでできる範囲でできることをやってみて、手応えのあった企画を2010年7月に移転する新店舗でビジネスとして展開していけばいい。もちろん移転資金は蓄える決意で。
 なので、ライブはもちろんやるし、サイレントディスコやるし、ボックスショップやるけど、例えばこんなことをしたい。まずは鍋会。土壁塗り。音楽PVのネット配信 (オーナーさん映像作家) 。ウゴウゴルーガを懐かしむ会。少女マンガ夜話会。流しそうめん。鍋会から始まるライブスペースってくっだらないよね。みんな来てくれ。

そうそう、僕しばしば鼻毛でてます。首都高沿いに住んでるんで仕方がないんだよ。気づいたら突っ込んでいいです。

12月11日 ウキウキ通りをタプタプ歩いてく

建築士さんと打ち合わせ。あの事務所は居心地がよくて好きだ。建築事務所が居心地悪かったらその建築士さんのセンスを疑いますが。土壁のイメージを見せて頂いて、非常によかったんだけど、乗り越えるべき壁もあり。
 そしてY.N.さんにつきあってもらって買物。デジカメとメガネを買った。メガネ屋は当たり前だけど鏡だらけで、アゴのタプタプが我ながら気になった。長澤まさみさんのアゴのタプタプはあんなに愛おしいのに、自分のはなんでダメなんでしょう。そして12年前からお気に入りの飲み屋。CDラックを初めてじっくり見た。洋邦音楽好きの基本アイテムが揃ってる。おっ篠田昌已さんのアルバムがあるじゃないですか。店長さんに、篠田さん9日が命日で、生きてらしたら8日が50歳の誕生日でって話したらかけてくれた。

12月13日 メイがものすごく長いうんこをした

びっくりした。そのあと何事もなかったようにカリカリを食べた。きのうは凹むことがあり、粛々と凹んだ。今日はnito以外のお仕事。たまってた事務処理をいっぱいやった。えらーい僕! BGMはJames Taylor。この人の凄いところは、売れてる時も売れてない時も40年間ブレがない、駄作がないことだ。最近いっつも帽子をかぶってるけど、中身はどうなってるのか。
 夜は三木千夏@lete。クリスマしい下北沢の喧噪が、leteに入ったとたん静寂に変わる。そして千夏さんが登場すると、とたんに空気が暖かくなる。千夏さんものすごくちっちゃくて若いのに、大人の女性のたおやかさがある。Joseph Beuysがフェルトを愛したように、僕は千夏さんの歌声と間合いを愛する。楽しい夜でした。会場で会ったS.N.さんとLa Canaで飲み。マスター僕のこと忘れてるなーと思ったら、「あっギネスの飲みっぷりで思い出した!」ってあはは。S.N.さん「この界隈のシーン面白いよね、世の中に紹介したいな」協力してなんかやりましょう。S.N.さんみたいな目利きにそう言ってもらえると、僕の目のつけどころも間違ってなかったな、なんつてな。

12月14日 MacBook買っちゃった!

外見はオタクのようだけど情熱面でオタクになりきれなかった僕にとって、秋葉原はアウェイなんです。辛かった。狭苦しい。そしてどの店も暖房が暑い。なんででしょう。片手に傘、片手に買った荷物を持って、さらにコート持って次の買い物はできないじゃん。コート着たまま熱風に晒されてぐったり疲れた。で、買うつもりなかったのになぜか買ってしまいましたMacBook。僕の周りはMacユーザーが多いんだけど、世の中ではマイノリティであることを思い知らされた。Macはスペック表に載らない部分で人間工学的によくできてる。僕はかつてWindowsブームの牽引役とも言える大手パソコンメーカーに勤めていたけど、部署の半分近くの方が自社製品じゃなくてMac使ってました。
 どこで何をいくらで買ったかとか、スペックがどうだとか、メモリーを何ギガ増設しただとか、そういうコメントがつきそうな予感ですが、あんまり関心がないので聞かないでください。今やりたいことをこなせる機種を、妥当な値段で買いました。それよりこれが、経費で落ちるかどうかが気になる。

12月15日 あったかい僕、そして芸術のこと

僕はあったかい人間なので、夜ベッドに入ると猫たちがお腹に乗ってあったまります。重さに耐えかねてうなされます。辛いです。変温動物に生まれればよかった。
 空白の日。きのう買ったMacBookを触ったり、領収書を整理したり、谷川史子さんを読んだり、猫をからかったり、メールで芸術を語り合ったり。僕の芸術の定義ってものすごく長いけど単純なんだ。世界は平らだとみんなが思ってて、でも実はところどころに穴ぼこが開いてる。身近にあるのに普通の人は気づかない。芸術家っていうのはその穴ぼこを見つけて、あなたのすぐ側にこんなに面白い穴ぼこがあるよっ覗かせてくれる人だと思う。公園のベンチに枯れ葉があって、そこに木の影が落ちてたとする。なんてことはないよね。でもそれを上手に写真に撮ると、季節や空気や、太陽や宇宙が見えてくる。それが人の気づかない穴ぼこ。そういう意味で、WWWって環境を提示されて、日常の日記を書き始めた遠山緑生くんも芸術家だと思うの。それを覗き込んで普通の人が面白いって思ったんだから。

ところで君は、サンタをいくつまで信じてた?

12月16日 ライブイベントの理想形

きのうの日記、伝わらなかった。遠山緑生くんがWeb上でおそらく世界で初めて日常の日記を書いた、それがなんで芸術なのって声が多かった。Webってのはそもそも論文の閲覧と共有のために開発された仕組みで、だからみんな研究論文と「ごあいさつ」で始まる自己紹介を書いてたんです。そんな中で、今日も眠いとかどうでもいいことを書き始めたのが衝撃的だったの。こんな贅沢な環境でなにやってんのっていう。
 僕は遠山くんと親しかったけど、全然知らない人も彼の日記を読んでた。河原温さんって現代芸術家がいますね。毎朝起きたら誰かにハガキを書いて、日付をキャンバスに描いて、歩いた場所を地図になぞってってことをしてる。彼の作品を見ると、ある時間・ある空間に河原温っていう人間が存在してたって事実が、無機的な記録のすきまから胸にドスンと突き刺さってくる。知らない人の他愛のない日記っていうのはそういう力があった。

mixi年賀状やってみました。うまい商売だなあ。今まではWeb上にプライベート情報があるのはただ危険なこととされてきた。でもそれを逆手にとった賢いサービスだ。みんなほんとはアナログの年賀状を出したいんだけど、めんどくさくて電子メールになっちゃう。でもこれなら簡単だし出そうって気になる。
 今日はnitoの定例ミーティング。僕らが土壁塗りとか着ぐるみパーティとか企画してる時点で、オーナーさんはちょっと困った様子。西麻布の贅沢な環境でなにやってんのっていう。遠山くんの日記と同じです。nitoのコンセプトとずれてないと思う。音楽を中心とした楽しいこと全般をやりたい。それから数字の苦手な僕のために、おこずかい帳の感覚でアホでも書ける出納帳を作ってもらった。領収書をなくさないように頑張るよ。オープニングパーティは鍋会。何人かの人が歌ってくれそう。僕もウクレレ持ってくんで、「Beach Boys Party!」のノリでみんなで歌おうよ。サイレントディスコもやりたい。

ふるんさんていう音楽愛好家がいまして、彼が厳選したミュージシャンを集めた「ふるんナイト vol.2」っていうイベントに行ってきた。
 お目当てはwater water camel。斎藤キャメルさんのボーカルにやられて、バンドではいったいどうなるんだろうかと。皆さん非常に上手くてかっちり構成されて、主張し過ぎずに同じ方向に世界をぐぐーっと広げていた。優しくて美しいんだけど、ただ流れずに何か心に引っかかった。素晴らしいバンドです。2番手のありましのさんはとにかく歌が上手くて丁寧で、守備範囲も広い。一番びっくりしたのがトリのシーナアキコさん。なんじゃこりゃ! ポップスにあり得ない難しいコードを自然に使いこなして、ちゃんと元気にポップスしてた。野暮な例えをするなら矢野顕子さんなのかも知れないけど、あっこちゃんよりずっと弾けてた。ライブイベントの理想形だ。音楽愛好家魂、見習いたい。

12月17日 コソ練を暴露する

寝てる間に猫がお腹に乗ってきてうなされるって話、今日みたいに寒いと深刻な問題です。デロンギがもうちょっと大きければ3匹ともデロンギであったまってくれると思うんだけど。どうしても1匹あまっちゃって僕の上であったまるんです。こんなふうにアンプの熱であったまってくれると助かる。
 ライブスペース、nitoのオープニングパーティっていうかただの鍋会なんですが、それに向けて皆さんいろいろ出し物を準備してるみたい。新曲を作ってる方、カバーをする方、早朝の河原で練習してる方。気合い入ってるなあ。僕も新曲を出さなきゃまずいだろうか。ウクレレやマックで作った曲はいっぱいあるんだけど、お聴かせできるレベルにない。「ジャスコの歌」はコードブックとにらめっこして作ったんで、実は洒落たコード進行なの。でもそうすると自分で弾けないっていう。あんだけ四畳半フォークを否定しておきながら、自分じゃ四畳半フォークしか作れない。希望の歌を作りたい。希望の歌を。

12月18日 レレレと伯父さん

mixi年賀状っていうのを出しました。こういうデジタルとアナログをつなぐ発想って大好きで、僕はすぐに飛びついたんですが、みなさんの日記を読むに非常に評判が悪いですね。住所を登録したくないって。僕のセキュリティ意識が低いのかな。むしろ「Mix CD差し上げます」って日記に書いただけで、見ず知らずの僕に住所を教えてくれる方がたくさんいて、みんなこんな無防備でいいのーってびっくりした。nitoのオーナーさんとも1通のメールが繋いだ偶然の出会いで、お互いの素性は知らないけど信頼してる。そういうの、性善説でいきたいんだ。でもそれを強要するつもりはないんで、それぞれの考え方でね。
 今日はひがな1日ウクレレレのレを触ってました。チューニングが安定しない。よっぽど弾いてなかったんだな、かわいそうに。毎日15分でも触るのがいいって高木ブー師匠が言ってたな。これから鍋会の日まで、みっちり練習しよう。それでも! 下手だよ! まじで!

Sparks紙ジャケ再発。初心者ならどのアルバムが買いですか? NRBQはどうしようかな。大好きなバンドなんだけど、ライブの楽しさに勝てるアルバムがないんだよね。War Childのコンピが凄い。「Leopard-Skin Pill-Box Hat」をBeckが、「Wonderful-Song For Children」をRufus Wainwrightが、「Victoria」をThe Kooksがカバーするみたい。Robert WyattとHot Chipの共演っていうのも誰が考えたんだか、ぜひ聴いてみたい。邦楽だとイルリメが楽しみ。

12月21日 DNA

日記の更新があいちゃった。親戚行脚の日々でした。水曜日には母方の祖母と叔母と死ぬほど旨いブリを食べた。こういう家庭料理って一人暮らしだとなかなか食べられないから嬉しいね。そんで話の流れで金曜日には焼肉もりもり。
 土曜日は父方の親戚の家へ。大の音楽好きで酒飲みの伯父さんに会いに。いま適当に伯父さんって書いたけど、血のつながりから言うとかなり遠いんだ。だから損得勘定なしで客観的な意見が聞ける。弟夫妻との不和について相談した。もうすぐ非常にお世話になった伯母さまの1周忌がある。義妹に「娘たちに会わせたくない」って言われちゃった兄として、行ったもんかと。かつては盲導犬だったゴールデンレトリバーのアイネスと、猫のミータがお出迎え。アイネスかつての仕事姿が想像できないほど甘えん坊。かわいいね。カボチャの煮物と味噌汁が旨かった。で、日本酒飲みながら音楽談義。Sidney Bechet「Bechet In Brussels」をCD-Rにしてくれないかって頼まれた。かなりの貴重盤らしくて酔いが醒めた。

12月22日 覚えたての歌を歌う

きのうはDaisy Worldのイベントに行きたかったんだけど、あっという間に整理券がなくなったとかで行きませんでした。細野さんクリスマスソングを歌ったらしいね。
 そして「M-1」を見逃す大失態。YouTubeで観てもわくわくしないんだよ。パソコンチェアに座って小さい画面で映像を観るのに飽きちゃった。最近のテレビ事情やタレントさん、全然わかりません。そういえば「あの人は今」的なネットアンケートでオザケンが3位に入ってた。彼は今ワークショップに力をいれてるのだよ。自分から表舞台を退いたんだ。大事マンブラザーズバンドとかと同じ括りにしないで欲しい。

ほんとはサプライズにしようと思ってたんだけどハードル下げるために暴露しますね。鍋会用の新曲ができた! XTCとか意識したつもりなのに、歌い出しが C Am G7 C って時点で負け。そんなんでも弾き語りは難しい。右手で三角を、左手で四角を描きながら、回らないお寿司をどの順番で頼むか想い巡らすくらいの才能がいる。ほんと酷いよ。普通の羞恥心があったらやらないよ。

猫たちが行方不明の幼児を保護する。超いい話。猫は情に厚い生き物です。15年一緒に暮らしてつくづくそう思う。

12月24日 期待は失望の母

きのうはウクレレと格闘する日。で、結局ダメだー! ブランクがありすぎて。鍋会で僕のウクレレ演奏はありません。それでいいんだそれで...。だってたかが鍋会だもの。でも秋山羊子さんと辻睦詞さんと水島敬之さんが歌ってくれます。mayulucaさんも来れたらギタレレ持ってくるって。なんだかリアクション薄くて、一人で事務所に行って鍋食べて歌って帰るのは寂しいな。

今日は全国的にクリスマスイヴです。細野晴臣 / Ann Sally@恵比寿ガーデンホールという、なんともクリスマしいライブに行ってきます。で、僕はチケット予約する時は大抵2枚買っちゃうのだよ。おじさん2人で行ってもいいけど、せっかくならステキ女子といい音楽をわかちあいたいじゃないですか。しかしステキ女子は得てしてクリスマスイヴにはやんごとなき用事があるのだ。
 なんてぼやいてたら。なんであなたみたいなステキ女子がイヴに一人なの! って子を発見。恋とかじゃないけど、ほんのり嬉しいじゃない。サンタの帽子をかぶっていっちゃおうかしら。そんな時に耳に入ってきたあのナンバー「きっと君はこない」、そして大瀧詠一さんの名言「期待は失望の母」。きてね、ステキ女子! 頼むよ。一人で事務所で鍋と、一人で恵比寿ガーデンホールでサンタ帽子とどっちが切ないだろうか。

12月25日 クリスマスの歌い手たち。

イヴはR.M.さんと、細野晴臣 / Ann Sally@恵比寿ガーデンホールに行ってきました。Ann Sallyは、はぁ歌が上手いってのはこういうことなんだなあと。ごく自然で丁寧な発声なのに、耳で聴いてるというより体全体の細胞を風が通り抜けてくような感覚を覚えました。細野さんと対バンってことで「ガラスの林檎」を歌ったんだけどこれがまたよかった。昭和の香りのするお茶目さも素敵でした。細野さんはライブパフォーマーとして、とりわけボーカリストとして、今こそ脂が乗り切ってるんじゃないか! 甘くて渋い響きにやられました。あのハイドパークフェスの、食洗機の中にいるような大雨があがって星空の下で聴いた細野さんもよかったけど、あれからどんどんよくなってる。古いフォークやブルースから定番のオリジナル曲、カントリー調「Jingle Bell」やドゥワップ調「White Christmas」なんかも聴けました。堪能した!
 終演後は渋谷に移動してお気に入りの韓国料理屋へ。この店おいしいのにいっつもガラガラで、さすがにイヴは混んでるかと思ったらまたしても貸し切り状態。「クリスマスはみんな韓国料理食べないよーチキン食べるよー」って馴染みのオモニ。キュートなR.M.さんを前にちょっと飲み過ぎて、明石家サンタを見逃したけど全然気にしない。

今日はさとこ@Starbucks麻布十番。MySpaceでキャラメルのような歌声にやられて、ライブを観るのは初めてです。前日まで「テンパってます!」なんてメールが来てたのに、落ち着いた雰囲気で本当に幸せそうな顔をして歌う。ああ、大人のための童謡なんだと思いました。「次の曲はトラディショナルさんって方のカバーで」にズキュン。ほかの人ならただの天然かなって思うけど、彼女には音楽の力と芯の強さがあるから、そういうとぼけた発言が実に魅力的で。音楽バカじゃない音楽ラヴァー。
 夜は秋山羊子ワンマン。去年のこの日は僕の前にマイクが立ってて、なんでかなーと思ったらいきなり歌うはめになった。今日はマイクもないし普通に聴いてたら、「梅津さん私のこと好き?」「ブホー!」「スキルさん私のこと好き?」って! そういうスリルも含めて秋山さんのライブは楽しい。後で梅津さんにサインをお願いしたら、「秋山さんをよろしく!」ってコメント、なにをどうよろしくと? ピアノ1台の自由な秋山さんも最高に面白いけど、百戦錬磨のミュージシャンとの駆け引きも最高に面白い。背筋がぞぞっとした。2日で4人のライブを観て、全部素晴らしかったなんて本当に幸せ。

菅野一成さんからnitoのロゴデザインが届きました。コンセプトの説明がいろいろと書かれてたんだけど、とにかく僕はデザインを見て爆笑。この笑いには力がある。nito、いい方向に進んでます。発表は27日の鍋会にて。

12月26日 僕と演歌と梅津さん

今日は明日の鍋会の準備。ジャスコに行ってきました。ジャスコにはカゴが1つ載る小型のカートと、2つ載る大型のカートがある。今日は初めて大型を使った。なんだかこれ押してると不遜な気持ちになる。Hummerに乗る成金みたい。結局大型車2台分の買い物をしました。

きのうの秋山羊子さんのライブに、梅津和時さんのソロコーナーがありました。100万個のアイスクリームが空から降ってくるって歌を即興で歌って、サックスで演歌をぶりぶり吹いたの。うわーかっこいいなあと思って。僕は演歌には馴染みがない。郷愁を憶えることもない。小節 (こぶし) には興味があります。でもそれはR&Bの小節だったりアイリッシュだったりアラブなんだ。
 演歌の何が嫌って、苦節何十年を売りにしてるくせにヒットが出れば成金趣味で、設定が破綻してるのが嫌。で、梅津さんの演歌はそういうの抜きに、ワールドミュージックとしてかっこよかった (演歌は西洋楽理だけど) 。で、買ってしまった「UMEZU KAZUTOKI PLAYS THE ENKA WOOD WIND SOLO.」。今日一日ずっと聴いてました。いいわ演歌。万人にお薦めできるアルバムではありません。演歌好きなおばあちゃんへのお年賀には向かないと思う。どうかな。伝わっちゃったりしたら痛快だ。

12月28日 nito、かなり危ういTake Off

きのうはnitoのプレオープンっぽい鍋会。正直なところ失敗だったと思います。最初のイベントだけに気負うものと現実のギャップが大きすぎた。回数を経るごとに良くなっていくと信じたい。あのアーバンな環境で敢えて鍋会をやるっていうのは面白いと思ったんだけどね。
 まずは鍋会と命名したのが失敗でした。22人のお客さんを招いて鍋会が成立するのはうちだからだってこと。うちの鍋会はだらだらと好きな時間に来て好きな時間に帰ってもいい。でもお店でみんなを楽しませるには鍋以外の焦点がないと難しい。辻睦詞さんのライブとサイレントディスコを核にして、打ち上げ的鍋会にすればよかった。ライブだったら開演時間に遅れる人はそういないでしょう。僕がイメージしていたのは「Beach Boys Party」っていうレコードで、パーティの合間合間に誰かが楽器を持って歌い始めたりやめたりっていう雰囲気だったんです。それをやるにはもっと場所を知り尽くしてないと。

もうひとつは僕のメンタル面の問題。見苦しい言い訳をするならば、お手伝いしてくださるはずの皆さんが、ことごとく「行けない」だったんだ。焦ったな。なんとか笑顔で仕切ろうとしたんだけど、乾杯の挨拶が遮られたり皆さんの紹介が遮られたり、色んなアンラッキーが重なってメンタルにきた。ソファーに倒れ込んだ時点でホストとして最低でした。ギターの音が聴こえてきてもう一度頑張った。ミュージシャンをちゃんと紹介しようと思った。でも今度は喋り過ぎて、エド・サリバンって言われちゃった。オーナーさんに不安を与えたと思う。
 あとあの場所、やっぱり音響的にきついです。自然なリバーブがいいって方もいたけど、お酒を飲んで大きくなった声にもリバーブがかかる訳で、それが精神的にきつかった。あの神経の図太いメイですら、最後は怯えて帰りたがってた。居心地のいい空間にするにはやっぱり吸音しなきゃだ。

そんな訳で。さりげなく歌おうとした鍋会のテーマソング、「二兎を追いかけてく」を全員の前で歌うはめになって、近くYouTubeにもアップされるらしいよ。1番は緊張して2番は調子に乗って、譜割りを間違えまくったけどまあいいか。こんな歌でした。

二兎を追いかけてく
作詞・作曲 : 山下スキル

きのうまでの僕は死んでた Brian Wilsonのように倒れてたんだ
僕はcork on the ocean あるいはrock in a landslide ただ消えたいと願っていた
ある日目の前に君が現れた Joseph Beuysのフェルトをまとってたんだ
僕は目が覚めた 生きることを覚えた 5月の青い風の夜だった
 さあ早くさあ早く出かけよう 月に兎を見に行こう
 つまんない顔しないで 歌っていようよ このガラスの箱から飛び出すんだ
東京の喧噪の中で 風街の残像を見つけたんだ
起き抜けの路面電車 路地はひっそり閑 12月の寒いこの夜さ
 さあ早くさあ早く出かけよう 月に兎を見に行こう
 つまんない顔しないで 笑っていようよ このガラスの箱から飛び出すんだ
二兎を追いかけていくよラララ 君とまた会う日の楽しみ待ちながらラララ
二兎を追いかけていくよラララ ピラニアの棲む湖泳ぎながらラララ
二兎を追いかけていくよラララ あしたもし悲しくても君は笑うならラララ
nitoを追いかけていくよ

最後はみんなでラララを歌ってくれて嬉しかった。キーボード&コーラス秋山羊子さん、ギター水島敬之さん、ありがとうございました。素敵なライブを聴かせてくださった辻睦詞さんありがとうございました。それから駄目な僕を見かねて手伝ってくださったヌカタシさんとY.N.さん、疲れ果てた僕の背中をずっとさすってくれたT.K.さん、ほんとにほんとにありがとうございました。場所を提供してくださった大原勲さん、来てくださった皆さん、この次はモアベターよ。

12月29日 Music Non Stop.

風邪ひいた。しばらく寝てます。浜崎あゆみが「本人の強い意向」で右手の怪我を乗り越えて紅白に出演するそうで、マイク左手で持てばいいじゃん! とかマイクスタンド使えばいいじゃん! とかいう突っ込みを誰もしないのが不思議でならない。とんだ茶番だ。

Kraftwerkっていうテクノユニットがいます。1970年のデビューから38年間シンセサイザーの可能性を追求してきた、僕が本当に本当に大好きな方々です。電話もない事務所で毎日音楽の実験をしてるらしい。反復の美しさとグルーヴ、ドイツならではのユーモアに溢れてて、少なくとも1983年までの彼らの音楽は魔法だった。
 「Tour de France」って曲とそのパロディ、電気グルーヴの「ツルっとフランス子守唄」って曲をDJで繋いだ事があるんだけど、Kraftwerkのリズムってジャストじゃないのね。手弾きでかなり揺らぎがあるんです。そういうところが彼らのファンクネスの秘密なんだろう。で、そのKraftwerkの中心メンバーFlorian Schneiderが脱退したって噂が出ています。公式サイトには載ってないけど気がかりだ。情報求む。

12月30日 寝る寝る寝るね、あるいは波乱の忘年

久しぶりに酷い風邪でした。熱と喉の痛み。風邪薬が尽きて買出しに出かけるも、どこも27日から休業で、祖師ケ谷大蔵ほどじゃなくていいから身近にドラッグストアが欲しいと思った。やっと見つけたお店でプレコールと栄養ドリンクを買った。風邪薬ってのは対症療法でしかなくて、結局体力つけて免疫力で治すしかないんです。これから部屋を片付ける。鍋会で出たゴミ、お店で捨てると事業ゴミ扱いになっちゃうんで全部持ち帰ったんです。でも今年の収集は終わってるのでゴミと一緒に年越しだ。

今年は波乱の一年でした。ほんの偶然が繋いだ、Joseph Beuysのフェルトをまとった女性との出会いが2006年のFUJI ROCK、彼女のおかげでようやく今年、長い長い療養生活から立ち直ることができた。ライブスペースを作るっていう新しい目標、これも本当に神様の紡いだいたずらで、そもそもはフェルト嬢がネットで見つけてきた話が紆余曲折の末にこうなったんです。FLIP SIDE of muisc businessの成功も後押ししてくれた。その間にはフェルト嬢との別離があり、友人との間にも出会いと別れと出会い直しがいっぱいあった。フェルト嬢とはもう完全に友情ベースの関係が構築されたんで、お互い次の春を探したい。心配なのはフェルト嬢、男を見る目がないんだ。そもそも僕と付き合った時点でどうかしてる。
 僕はやっぱり音楽や表現活動が好きだし、いい音楽や表現活動を紹介するのが好きだ。この大不況の中で、希望を持ってます。拡大再生産の時代はもうすぐ破綻して、世の中がゆっくりになると信じてる。だから敢えて港区に緩いライブスペースを作る。You may say I'm a dreamer, But I'm not the only one。立ち上げはバタついたけどさ、なんとかなるべな。

12月31日 酔いお年を

きのうの脳天気な日記の補足。「拡大再生産の時代はもうすぐ破綻して、世の中がゆっくりになると信じてる」って書いたのは本気で、じっさい破綻はもう始まってるよね。音楽にとってそれはいいことだと思うんです。メジャーにお伺いをたてて自分を曲げなくても、MySpaceから出てきてるミュージシャンが既にいる。nitoも、小さいからできることがあると思うし小さい店でありたい。ニッチなブランド性を手に入れたい。
 今日もまだ咳と関節の痛みがあって、カラオケ歌い納めはキャンセルしました。鍋会出席者の中に風邪ひきがいっぱい出て、あそこ寒かったな。営業始めてからこんなに病人出しちゃったらまずい。バブル期に考案されたものって殆ど役に立たないね。少しずつ手直ししながら使っていきます。今夜は我が家でFUJI ROCK仲間にしてnito仲間の2人と、蕎麦と焼酎でほろ酔い気分。紅白歌合戦を観てます。という訳でアディオスフェアウェル2008年。来年も皆様に頼りまくります。ちょっとずつお返しするからね!