DIARY 2010年05月

5月2日　天国はない、ただ空があるだけ

■ 忌野清志郎さんが亡くなって今日でちょうど1年だね。清志郎さんはトラブルメーカーだったけど、音楽関係者やロックファンで彼を悪く言う人を殆ど知らない。それは清志郎さんの言動や表現が全て大きな愛情をモチベーションにしてることを、説明するまでもなくみんな全身で感じてたからだ。もちろんソングライターとしてもパフォーマーとしても大変な才能でした。ロックに本物なんてものは必要ないけど、清志郎さんはニセモノを演じてみせる本物のロックスターだった。
　で、Will Owsley逝去。自殺か。Owsley名義で出したソロ1st「Owsley」はPower Popの至宝として聴き継がれるべき。それからPaul McCartneyのトリビュートアルバムにおける「Band On The Run」は名演でした。

■ きのうは我が家で飲み会。最近の飲み会および僕の各所での発言が音楽に偏っているために「ガールズと森おじさんの集い」をコンセプトに掲げたんだけど...そうですか、ガールズはゴールデンウィーク忙しいですか。結局いつもの音楽トーク炸裂、ぽつんと佇むMさんが楽しんでたか非常に気になったけど、それをフォローするのは僕の役目ではないムードもあった。懲りずに「ガールズと森おじさんの集い -そして伝説へ-」も企画してる。古来より村はコスモス森はケイオス、森おじさんは異界の主なので決して安全ではありません。
　誰も眼をつけない和モノコンピシリーズは好意的に受け入れられたものと解釈してる。どうでしょう。面白くないものを作る暇はあるけど気力がありませんので。

5月3日　去年から出しっぱなしだった扇風機なら先週かたづけた

■ 暑い。なんにもする気がしない。なーんにもする気がしない。でも引越しに向けて仕分けをしなきゃならない。蓮舫「この音源はアナログとCDどちらも必要ですか? リッピングすれば両方削減できませんか?」「このバンドはアルバム1枚しか出してないのになんで9枚組ボックスセットが出てるんですか?」。僕も元クラリオンボーイとして負けてられない。
　CDと本の収納のことばっかり考えてたけど、一番やっかいなのは亡父が作った船の模型であることに気づいた。全長1メートルくらいのが4隻ある。これ船体から全部自分で作ったんだよ。本物の船の骨格をベースに図面引いて、数ミリ幅の木の板をロウソクであぶって曲げて貼りつけてく。で、スチームエンジンがラジコンで動く。水面を煙を吐いてがしゅがしゅ走るのです。

■ 遊んでくれるガールがいないんで凛子と喋ってる。凛子、毎日のように「手、おっきいね」って言うけどきのうとそんなにかわらないよ。耳を開発したら耳攻めで腰砕けになるようになった。こんな動画が収録されてたのか。でも凛子のセリフはどっかのおじさんが書いてるんだよな。

5月4日　メシ喰った! / NEKO

■ タイムラインによると晴れてるようだ。連休はネット上に知り合いがいなくて寂しい。ふだん仕事で忙しい皆さんは遊びや里帰りで忙しいのだ。僕の忙しい観はここやここやここに書いた。
　日向ぼっこする猫のかたわらでスピーカーから流れてくる音楽に耳を傾けてる。きのうの夜は常盤響さんの「レコ部」と砂原良徳さんの「砂原DAT」のUstream放送がかぶって両方一緒に聴いた。意味の違う2つの「ラウンジ」が混ざりあって気持ちよかった。「砂原DAT」は1995年に砂原さんが作った伝説のMixテープ。これが伝播してインスパイアされたミュージシャンが96年頃に名盤を量産した。いま聴くと基本アイテムばっかりなのは、それだけこのテープの影響力が強かったってことかな。未知の音源を探るべく「レコ部」にシフト。MacBookから穏やかな音楽、その前で眠る老猫の兄弟。幸せってこういうことじゃないの。

5月5日　ピエロは誰だ

■ 宇宙が誕生したのも猫がウンコするのもディランの影響。

■ 少なからずショックを受けることがあった。わたくしという現象はとらえどころがなく、難解に見えるようだ。とっても簡単。通貨っていう架空の価値のために命を削る社会構造をおかしく思ってる。美しさ、愛しさ、楽しさを追い続け、でも今日のエサにありつくには通貨が必要なジレンマにいる。
　いまさら華の空中ブランコ乗りになりたいとは思わない、全てを見抜いてくれなんて言わないけど、どこかの誰かの「プライオリティ of 人 Top 40」くらいには入ってみたい。でもみんなには家族や親類や上司や同僚や1ダースの恋人や同じくらいの愛人や気のおけない仲間たちがいる。

5月6日　そして都市伝説へ

■ 昔は毎月のように飲み会をやっていた我が家。転居が急に決まって「最後」と名のつく飲み会をTodd Rundgrenのごとく繰り返し、主にガールズによる「あの日なら行ける、この日なら行ける」を全部聞いてたんですが、8日の「ガールズと森おじさんの集い -そして伝説へ-」は果てしなく都市伝説になりそうだ。

■ 今日はカネがないなりにカネのことをやった。うちじゅうにある身分証明になりそうな文書を持ち、ありったけの印鑑も用意し、捺印アフター捺印、待機アフター待機の2時間であった。
　あなたは反体制勢力ですか「はい」「いいえ」って記入欄があった。「反体制です、インダストリアから脱走してきました」って言えばよかった。「ハイハーバーでは...ハイハーバーでは戦闘員が制服を脱いで麦刈りを...」バシッ! かいつまんでいうと酷くつかれた。

5月7日　楽して楽しく生きるために

■ 楽しちゃいけないっていうのはどういう根拠があるんだろうか。高度経済成長期的は終わった。忙しいことが自己目的化してる人たちを見ると、新興宗教やマルチや詐欺で、最初の頃は配当があったけどここんとこ途絶えてる、でも信心を辞めない人たちに見える。シゴトダイスキいつか幸せになれる! 残念だけどなれません。幸せの形は人それぞれで、それは会社からは支給されないので、仕事してる暇があったら自分の幸せって何か気づくこと。ビジョンなんが立てても時代は激変してるんだから、それに対応する眼力を持つこと。
　給料と仕事量を自分で決められるといいね。貧乏でも音楽を聴く時間が欲しい。人間の根源的な欲求として。

5月8日　かっこいい携帯

■ きのうの夜は近所に勤めるガールから電話。焼き鳥屋で食って飲んで飲んで飲んで、そして僕は喋りすぎた。ちょっと前に携帯の充電器が外れなくなって携帯できなかったの、充電器ごと携帯すればいいじゃん! っていう大発見で乗り切ってたんだ。ガールに「僕の携帯はかっこいいぞ」って自慢げに見せたらプラグがちぎれてる。なんてことだ! もちろん笑いが欲しくて見せたわけだけど予想外の爆笑を頂く結果となった。
　今日は飲み会「ガールズと森おじさんの集い -そして伝説へ-」の予定だった。来てくれたのはガールでもおじさんでもない若き有能なミュージシャンHくんただ1人。で、彼が来たとき僕寝てた。ピンポンに気づかずHくん1時間ほど近所を散歩して帰宅。ああもう酷い話だ。さすがに人生これはなかった。どうしてこんなに眠いの。

■ 成海璃子さんが大変なロックマニアでギターもいけるらしいですね。璃子さんとバンド組みたいと思ったけど、やっぱりメンバー女の子で揃えて僕はプロデュースしたい。チャットモンチー (におけるいしわたり淳治) になりたい。

■ きのう書いたことがひろゆき氏のブログとシンクロしてる。ひろゆき氏メディアに出るようになった頃から好きだった。視野が広くて発想が自由で、根拠のある楽観性には刺激を受ける。でも喋り方で損してる。いじめっ子だったって過去にもアンチを唱えたい。

5月9日　腕を前から上にあげてベッドから降りる運動

■ 「日中でも眠いのはナルコ...」主治医「違います、MacBookが枕元にあるからです」

■ 久しぶりにブリーチかけた。15年前に渋谷にいそうな感じに仕上がった。別に洗面所でGがつく生き物なんて見てないし、あんなのはUMAだって先生いってたし、全然怖くない。ハハッばかじゃないの。

■ 運転免許証失効。どうせもうすぐ住所変更するんだけど新居を借りる身分証明に運転免許証が必要なジレンマ。そして失効した運転免許証を再発行するのに住民票がいるんだけど役所に行くのに車が必要なジレンマ。車手放すんで実害はそんなにないけど長年維持したゴールドが消えるのは痛い。ペーパーじゃないですよ、僕運転超ケアフリー。
　スチャダラ野音が凄かったらしいですね。アンコールでオザケン登場「今夜はブギーバック」。僕らじいさんになったら老人ホームでブギーバック歌うのかな? 介護士さん「ここからこちらの方はオザケン、こちらはボーズ、こちらはアニですよ、せーの!」とか。介護士さん「今日は『あの大きな心』です」「ええーっ」とか。宇多田ヒカルさんもブギーバック、ハナレグミもブギーバック、この曲でロックし続けるのさ!

5月10日　岡ちゃん証券

■ 今日は誰かを選ぶ日と聞いて僕も選ばれるかもと思い、文藝春秋社からの電話をじっと待ってたけど、竹内一郎的な意味で選ばれなかったようだ。
　ところで「孕んでも金」「参院比例でも金」って言ってる柔道選手が柔ちゃんと呼ばれ続けてることを、浦沢直樹先生はどう感じていらっしゃるのか。とにかく民主党がその柔ちゃんと呼ばれる人物を議員候補に擁立したそうです。僕は民主党支持者でもないけど、民主党に投票しておきながら踵を返す世論を非難するという長いけどわかりやすいスタンスなので、民主党はなんでいつもわざわざ非難を取りに行くのかと思う。

■ 出かけた。最近はお茶会やtwitterやSkypeやメールで心地いい情報環境を築いてるので、外に出ると理性じゃなくて感情でイライラしてる人に遭遇してびっくりする。僕がいまどきこの歳でブリーチかけてるのは、見ため品行方正じゃないから人には謙虚に丁寧に対応しなきゃって自分を追い詰めてるとこもあるんだ、3％くらいは。

■ Beach Boysを愛する美しい才能Kayla Williamsさん。結婚してください。

5月11日　恋の高齢者マーク

■ 免許の更新いってきた。講習を受けてよくわかったことは、講師の先生がゴールデンウィークに静岡に帰ったんだけど東名がそんなに混んでなかったこと。枯れ葉マークは本当は高齢者マークっていうこと。恋に奥手なだけなの / ちょっと出遅れちゃったの / 枯れ葉だなんて言わないで / 私は恋の高齢者マーク。なんて歌を秋元康が鼻くそほじりながら書きそう。
　安全運転ビデオを観てわかったことは、人をはねたのが鈴木さん、危なかったのが佐藤さん、可愛いかったのが橋本さん、でも結局佐藤さんも事故っちゃって次週橋本さんと僕がつきあうの。

■ 電車乗り継いで激しく疲れた。きのうから木曜日まで4日連続で外出の用事がある。しんどいし風邪ひいたので、いたわってくれる素敵女子を所望する。

5月12日　猫たちをケージに入れて背伸びの運動

■ 猫たちの健康診断、ワクチン接種、マイクロチップ埋込みに行ってきた。犬やら猫やら連れてって30年の獣医さんだけど今日で最後。そのうち15年は僕は別のところに住んでて、色んな獣医さんに通ったからさほど感慨もない。
　待合室に堀込泰行さんをPhotoshopで縦横比変換して指先ツールで残念に加工したみたいな人がいた。で、浅田美代子さん (本物) とTBSが来た。画角的に共演者と言えるくらい映り込んだけどギャラは出なかった。吉田拓郎でも歌ってやればよかった。オンエア日は教えてやらないしむしろ教えて欲しいし堀込泰行はADだったしむしろ米良美一だった。

■ 夜はPLASTICSのライブをUstream中継で観る2010年。屋敷豪太さんが叩いてんのに薄くて超かっこいい。PLASTICSのコピーバンドならいけそうな気がする。「COPY」だけをコピーコピー。みんなメモれーコピれー。ただ「懐かしい」ってtweetが多かったのが気になった。時代と音楽は切り離せないけど、かっこいい音楽は紀元前にも2010年にも生まれてる。これは「懐かしい」んじゃなくて「かっこいい」。
　日本のNew Wave期的な意味でのテクノを聴くならYMOよりPLASTICS聴けだし細野ソロ聴けだし、そもそも世界中の全ての時代のテクノ好きはKraftwerkをリマスターで買い直して100回聴けだし僕アガりすぎだし。

5月13日　可及的速やかに口で吸え

■ 転居の手続きしてきた。UR住宅 (公団住宅) に入居するんだけど、2時間の手続きでわかったことは、前回言われて用意した書類は殆ど不要だったこと、契約は今日で終わりじゃなくて次回までに2種類の書類と11ヶ所の署名捺印と猫の写真が必要なこと、たぶん次回持って行ったらいらないって言われること、担当者は今日が初仕事じゃなくておそらく毎日賃貸契約の仕事をしてること。
　いまURって公務員資格いらないのか。窓口業務があれで許されるなら僕にもできる。その「確認してきますのでしばらくお待ちください」っていうのをやってみたい。

5月14日　おはようございません勝つまでは

ハァファボられねぇ @もねぇ タイムラインも流れてねぇ
フォロワーねぇ リストもねぇ ガールを毎日ぐーるぐる
朝起ぎで 昼に寝で 二時間ちょっとで夜ご飯
電波がねぇ 文字数ねぇ Dは一日一度くる
　おらtwitterいやだー
　おらtwitterいやだー amebaなう行ぐだー
　アメバへ出たなら銭こぁ貯めて 他人をふぉろするだー

ハァ桃ラーねぇ リア充ねぇ 生まれてこのかた見だごたねぇ
オバマがねえ 修造ねえ まっだぐTL俺一人
ネタならば あるけれど ウケるところを見だごたねぇ
オフ会ねぇ リア友ねぇ たまに来るのは企業アカ
　おらtwitterいやだー
　おらtwitterいやだー amebaなう行ぐだー
　アメバへ出たなら銭こぁ貯めて ドロリッチなうするだー

■ twitter退会宣言じゃねぇ。amebaなう入会宣言じゃねぇ。そして激しく金がねぇ。入居費用は払えるが、引越代ってなにものだ。エアコンねぇ。洗濯機ねぇ。そもそも今夜、食うものがねぇ。

5月16日　ガンダムとエヴァは意地でも観ない

■ きのうはT.M.さん仕切りの飲み会@我が家。「人には音楽が必要じゃけー」という訳でいつもの彼なりの下ネタを交えながらも濃密な音楽の時間であった。リスナーはもちろんだけど、音楽関係者の間でも音楽の話をがっつりぶつけられる相手ってなかなかいないみたい。
　M.T.さんがUstream番組出演のため退席。「YMOの1st特集だってさ、俺聴いたことないんだよ」ってエエー! そもそもM.T.さんのレーベル名乗ってるのになんでM.T.さんにテーマの決定権がないの。「GangwayやMoonridersやりたいよ、Moonridersの時はゲストスキルくんな」無理っす。YMOの中の人たちが盛り上がるそばで、初めて聴いたM.T.さんの2010年の視点が新鮮で美味しいポジションだった。

■ 飲み会は明け方まで、ほんとに音楽の話しかしなかったな。でも宗教的なまでにマニアになることと、音楽を含む芸術や表現活動を愛することはまったく違う概念なんだって、M.T.さんのスタンスを観て改めて思った。YMOマニアは2010年になってもSnakeman Showの言葉で話すけど、細野さんも桑原茂一ももうずっと先の次元にいる。「次は引越し先で、日にち決めようか、段ボール開けるモチベーションになるじゃろ」うーそうですね、非常にそうですね。
　今日はなんにもしなかった。凛子に温水プールに誘われた。ビキニかよ! けしからん! 実にけしからん! といいつつスクール水着をどこかで期待してた自分に動揺。

5月18日　ウホッいらないか?

■ きのうは引越屋さんと打ち合わせ。見積りに仰天した。予想の3倍いった。綱渡りの金策を練った。引越屋さん所持品見て新居の見取り図見て「とても入りきらないですね (笑顔) 」。わかってるわかってる。雑誌やCDや美術書やいろいろ譲ります。大変なのは木のテーブルセット、カナダ製のいいものらしい。それから和箪笥二棹、これも亡母の嫁入り道具でいいものらしい。ウホッいらないか?
　それにしても完璧にハウスムーヴィング・ブルーだ。公団の要求する事務手続きが多すぎる。そして当たり前だけどかつては親戚だった人々の協力が得られない。

■ いつぞやの和モノコンピ、まずはミュージシャンやプロデューサーさんを中心にお配りしました。石川さゆりは評判上々。The Peanutsもまあまあで、問題はさだまさしだ。2ポスト280文字に渡ってdisる方もいらした。「ほんっと素晴らしい、びっくりした。楽理の基礎ができてる上にアメリカンポップスを消化したいいソングライターだし、作曲者の目がサウンドの隅々まで行き渡ってるんだよね。スキルくんオレにさだまさし聴かせるってどういうことって思ってたけど一本取られた」っていうご意見もあった。ほんとだよ。
　オレ頼んだけど届いてない、頼んでないけど届いてないって方、すみませんまだ送ってない。ほかの手続きに翻弄されちゃって。早ければ明日発送、遅ければ7月くらいにはね。

5月19日　今日オレ、なんかやりとげそうな気がする。そんな気がする。

■ ドラえもんの世界をうらやましいと思ったことはないけど、オリンピック睡眠・昼寝部門だけはうらやましいし、JOCやスポンサーから金をがっぽがっぽ貰って日々鍛錬する。

5月20日　Making Dying Illegal

■ 荒川修作さんが亡くなった。生と死に対して問いかけてきた芸術家だ。それは言い換えれば光と影であり、友と自分であり、過去と現在だったかも知れない。「私は、死ぬために明日へ向かおう」。彼の思想はパンクだ。社会への反抗にして宇宙への融合だ。そしてその作品は幾何学的に美しい。彼の代表作のひとつ、養老天命反転地に行くことはないだろう。それは僕のトラウマゆえに。ほかの作品とじっくり向きあいたいと思います。R.I.P.

■ 借金と言えども通貨という仮想の価値が動く場所には、金に取り憑かれたリアルなウジ虫どもが蠢く。もぞもぞもぞ。転居活動と、祖母の借金を土地で返す活動を同時に行わなくちゃならない。金のカラクリに応えるのは実にめんどくさい。たとえ乗り切っても、引越しの基本的な手続きをする余裕がない。段ボールの詰まった真っ暗な新居で猫がにゃあていう。にゃあて。
　いまさっき、酔っぱらいから聞き取れない罵倒の留守電が3分ほど入ってた。端々に僕が学生時代に呼ばれていた大嫌いな仇名があった。卒業生の行方や考え方はバラバラで、僕は辺境の鬼っ子なのでその埋めがたい溝を埋めるつもりもない。頭の中がぐるぐるしてる、いま。かいつまんでいうと、Won't You Please Please Help Me, Help Me, Help Me! oh...

5月21日　明日は名古屋だ

■ 明日も明後日も名古屋は名古屋だ。僕は東京にいるが。

■ イチローというしゃくれがNTTのCMで「レコ屋行くよりNTT回線でダウンロードした方がCO2が出なくてエコ」って言ってるらしい。NTTのサイトから当該CMが削除されたんで僕は見てない。野球なんて灯りをつけて大々的に中継するより、昼間に中島とした方がCO2が出なくてエコ。僕はスポオツそのものも苦手だけど、酒の席では野球の話をしなきゃいけないとか、がんばれニッポン言わない奴は非国民みたいな空気が怖い。
　きのうはT.M.さんご夫妻がやってきて、価値観についてお喋りした。芸術と金と報道と戦争と。自民党が負ければ民主党を叩き、フェミニズムが流行れば男性差別が始まり、黒人解放が進めば白人をdisる。世論や風潮のバランス感覚は大切。現在のスポオツ産業は戦争に似てる。

5月23日　ヤマト運輸は二度ベルを鳴らす

■ ものすごく調子悪い。からのもそもそ事務処理。エラーイ! これから提出したりまた宿題をもらったり。問題は役所も銀行も郵便局も公団も交通機関的にあり得ない場所にあることだ。TOKYOはもう江戸っ子の住める街ではない。
　祖母の使いの者が、のら猫シュロにご飯をあげるために、引き払った隣室に毎日来ていることが判明した。一方 孫はハラへであった。

5月24日　ワクワクさんにはワクワクしない

■ 今日はみんな大好き資源ゴミの日。分別してゴミ出し→郵便局で和モノコンピの発送→両親の墓参り→役所で証明書類の発行→銀行1から銀行2へ振込み→銀行2から公団に振込み。はい、預金残高2万円の僕が通りますよ。

■ 子供は子供扱いされることに敏感だ。「おかあさんといっしょ」や「ピンポンパン」観てるやつはお遊戯厨、文化系なら「セサミストリート」や「ポンキッキ」観るべきと思ってた幼年期、「できるかな」はスペシャルな番組だった。それは高見映さん演じる「ノッポさん」の存在によるところが大きい。
　ノッポさんはノッポでJimmy Pageっぽくて工作がうまかった。でも大人になってプロフィールを見ると、ダンサーで構成作家なのだ。身のこなしを鍛錬してテレビの使い方も心得えてるわけだ。ノッポさん作の短編ミュージカルを見ると、子供に敬意を持った方だとわかる。実は手先は不器用で、指切ってNGとかしょっちゅうだって。工作のプロじゃないノッポさんを起用したプロデューサー凄い。子供たち工作したくなる。

■ それに引き換えワクワクさんにはワクワクしない。ワクワク、お前は何者だ。日本の製造業の未来は暗い。NHKが本当に政府の言いなりなら、文部科学省は迅速にワクワクを解雇するべき。ノッポさんチルドレン飛べ飛べ!

5月25日　トランクスのまま出かけそうになった話

■ 笹生実久さんのライブに行ってきました。前回のひっさしぶりのライブ、私は歌いたいんじゃー! って衝動もよかったけど、今回はショーとして非常に完成度が高かった。サポートが入ったことでサウンドが安定した。その上をすべる実久さんの美しい歌声、景色が見える表現力。ポエトリーリーディングもよかったです。楽曲は楽理的にはシンプルだけど、自分のボーカルを理解した心に残る素晴らしいソングライターだと思う。Vashti BunyanのCDを渡してみた。気に入るかな。
　野本健太郎さん。本人Vo.Agで、ビオラとカホーンのサポートが入る。お2人とも素晴らしいプレイヤーだけど、演奏を引っ張ってるのはあくまで野本さんのグルーヴ感。興奮! 京都から来たピーポーインザプラネッツ。Vo.AgとPerのユニット。これもグルーヴの気持ちよさですね。1曲目のイントロが「Me And Jurio Down By The Schoolyard」で笑った。

■ 今日の公団びっくりニュース：管理人さんの子供さんの運動会が雨天順延されると、転居日に鍵を受け取れない。

5月26日　楽しい音楽。音楽楽しい。

■ レコ部が権利問題で向谷実氏に叩かれてる。音楽の才能が枯れた人たちは、他人の音楽を自分の贅肉にして生きる。JASRACに深く関わってても、現役でビビッドな音楽家である巻上公一氏は暖かく見守ってる。気にくわないのは向谷実がレコ部の違法性を指摘する手段が姑息だったこと。レコ部のTLに直接書き込んで、ファンの前で晒しあげたんだ。
　僕はレコ部で気に入った音源を正規のルートで買ってる。権利者がUstreamを宣伝媒体と認知してくれるといい。あるいは投げ銭でもなんでも、音楽は聴かれなくちゃ意味がない。法整備ができてないのに「違法」で「放送禁止」ってのがよくわからない。

■ 著作権という概念の背景には、キリスト教と仏教の布教方法の違いがあると思う。大雑把に仏教は経典を写経することで伝播した。だからアジアではオープンソース的な文化基盤があった。大雑把にキリスト教は聖書を一部の教役者だけが持ってて、説教によって伝播した。これは聖書が死ぬほど長くて写本が大変なこともあるけど、方針として教義の全貌を伏せていたところもある。聖書が一般に広まったのは印刷機の発明以降。だから「コピーライト」が生まれた。
　JR東日本が中央線の著作権を主張して向谷実を訴えたらいい。アジアの人にとって、著作権ってそれくらい突飛な発想だったと思う。でも植民地統治以来、ヨーロッパ的価値観が世界中に押しつけられてきた歴史は贖えない。馴染んでいくから時間をくれよ。

■ 音楽は楽しいもので、楽しい音楽に導いてくれるおにいさんの存在は必要。もっともっと音楽聴きたい! って身悶えさせる経験は、音楽産業の発展にも質的向上にも繋がるし、それは音楽人としての義務だと思うよ向谷さん。法律遵守は原則だけど、現場のムーヴメントが法律を変えることもある。まだ決まってないことを既存の法律で解釈して、幼稚な真似はしないで!

5月27日　要するに痩せてモテたいけど頑張りたくないんだ

■ 土地を売る契約の儀に行ってきた。黒スーツ13人の中でFUJI ROCK Tシャツ浮いてたかも知れない。みんなアメリカ映画に出てくる日本人みたいで吹いた。名刺交換→麩菓子なみにすっかすかな世間話→捺印の嵐→事務作業ギャグがあったらしいけどよくわからなかった。契約書には文字化けでしか見たことない字がいっぱいあった。死ぬほどねもかった。4時間目が体育で弁当食って5時間目窓際で古文くらいねもかった。

■ ロマンスの神様の音楽センスと無自覚な冒涜。彼女は音楽家として記事を書くにあたって、試聴するとかググるとかいう基本的な準備を全くしていない。Beach Boys講座で唯一取り上げている楽曲「Surfin' U.S.A.」はChuck Berryの大胆なカバーで、コーラスワークと歌詞はBeach Boysのものだけど、彼女が指摘するメロディはサーフィンを意識したものでもなんでもない。
　記事を何度読み返しても、メロディが上がったり下がったりする音楽は全てサーフミュージックで趣味はサーフィンなので、「One Note Samba」や「Witch Tai To」以外の殆どのポピュラーソングはサーフミュージックで趣味はサーフィンです。「Pet Sounds」聴かせてみようか。「ねえ、なんで画面の左上にPちゃんがいるの? ぴぴっぴぴっぴっぴー」

■ レコ部、常盤響氏の決意表明があった。今後も音楽番組として継続するそうです。なぜか? 「音楽が好きだから」そこだ! 懸案の権利問題はセットリストをある組織に提出して使用料を払うことでクリアした様子。僕もUstreamを宇宙船レオーノフ号から放送予定なんで興味がある。
　ところで僕の主催したライブイベントでもJASRACに楽曲使用料を払っているけど、セットリストを聞かれたことはない。ブランケット契約というやつだ。作曲者に支払われてないのは間違いない。あのお金が船村徹の金時計じゃなく、音楽文化の向上に使われているといい。

5月28日　パンがないなら死ねばいいのに

■ ついに金策が尽き、友人から100万円借りた山下スキルさん、「なあに、踏み倒してやりますよ」と不敵な笑い。
　お借りしたお金で税金とかいろいろ振り込んできた。表参道の並木道、陽の当たる舗道のベンチに佇む制服のカップルがいた。黒髪から覗くちっちゃな耳が実に好ましかった。さっさと登校しろ。

■ ゆとり世代圧倒的擁護派 -いま評価を下すのは早すぎる- の僕だけど、ビジネス・プライベート問わずメールや電話の返事をしないことと、喫煙率の高さについては民度の世代差を感じざるを得ない。
　KAGAMI逝去。33歳。過労死。電気グルーヴの仕事が印象深いです。

5月29日　ハッピーパウダーは名前からしてイリーガル

■ とても明日引越し屋さんが来るとは思えない惨状。猫が引越しの気配に気づいてピリピリしてる。前の引越しの時は前夜に逃走して、徹夜で捜索した。だって明日帰ってきたってここにはきみのうちはないんだぜ。
　30-31で詰め込み、31日の夜は七尾旅人さん、トンチさんのライブに行く余裕っぷり。1日が引越です。新居にはまだネット回線が来てないので野良電波が飛んでることを祈るけど、ダメだった場合しばらく更新がとぎれるかも。スキル連絡がつかん!と思ったら、携帯や携帯メールもお試しください。

■ 音楽ゲシュタルト崩壊あるある：歌モノをずっと聴いてると、なんで言葉を高い音や低い音や長い音や短い音で発声するのかわからなくなるときあるよね。あるあるあるある!

5月30日　今年はワクチンを打ったので五月病にかからなかった

■ 引越し屋さん荷造りにきた。バイトの兄ちゃんがくると思ったら美少女二人だった。どきどきした。おじさんどきどきした。しかも仕事すごいはやい。ちゃらい兄ちゃんだったらこっちも適当にやるんだけど、美少女なんで疲れたとか眠いとか言えないムード。
　勤労する美少女たちの汗、そして段ボールの山。本が半分CDが半分、あとはない。奥行きもあってジャングルジムくらいの大きさになった。段違いに組んでくれたら猫たちが喜んだのに。さてと、CDも本も段ボールの中なんですることがないぞ。

■ 宇川直宏のプロフィールがドクター中松なみに大風呂敷な件。この曲が頭にこびりついて離れない。