DIARY 2010年04月


4月1日 新宿ララバイ

きのうはhajimepopさん、笹生実久さんのライブをハシゴしてきました。どっちも東新宿のライブハウスだったんで。hajimepopさんはtwitterで知り合った方。楽曲のクオリティの高さと甘いボーカルは前から知ってた。ライブ観たらイケメンで、モテちゃうんじゃないの。ただイベント全体が高校の学園祭ノリで、僕の高校時代は黒歴史なんで学園祭がどんなもんか知らないけど、hajimepopさんのバンドだけクオリティが段違いだった。
 それでもミュージックラヴァー歴の長さで思うところは伝えました。音色とかコンビネーションとか。ベースは最高だから手放さないでとか。そしたらそのベースの方、川本真琴さんのニューアルバムに参加したとかで、つまりCarol Kayeとクレジットが並んでるわけか。川本真琴さんのアルバムを頂戴して笹生実久さんのライブへ。

笹生実久さんはずっと気になってるシンガーソングライター。音楽の才能はもちろん、大変な美人さんで、本業のほかに声優やったりアニソン歌ったり、それも楽しいけど今あなたが奏でたい音楽はなに?って思ってた。で、3月21日の辻睦詞さんのライブにお誘いしたの。なにか感じてくれればいいなって。そしたら帰り道に「やっぱりライブやりたいし自分の音楽やりたい」って。それから10日で実現しちゃう行動力にびっくりした。事務所通してなかったみたいだけど。正直ちょっと荒い部分もあったけど、ああこれ笹生実久の音楽だなあって。
 帰り道に好きな音楽の話。「Ziggy Stardust」笑った。あのブリッティッシュトラッド感はその辺から来てるのかもなあ。それからNico。わはは。笹生実久をディレクションしたい。彼女の大スターへの道を奪ってしまいそうだけど。

4月2日 超ひも理論

Album Leafのチケット取ったのに体調悪くて行けなかった。ライブは観たいけど気軽にもっとこうなんとかならないもんか。
 明日の飲み会をだらだらUstreamしたい気持ちがある。のでネットで調べて今日テスト放送しましたよ。テストと言えどもここまで酷い放送があるかと。マイクとiTunesから華麗にミックスされた音声が、かわいい猫の仕草とともに流れるはずだったんだけど、Ovalっぽい轟音とおじさん (僕) の顔がだらだら流れたらしい。言い訳をさせて頂けば電気ひも! 電気ひもが好きすぎる人は、ひもを差すがためにひもを作ってるのではないか。要するにケーブルの接続がわかんなくてCATV回線に繋げなかった。AirMacの野良電波からお送りしました。もうひとつ、誰かが試したミックスのマニュアルたぶん間違えてる。自分でモニタリングできなかった。お騒がせしました。明日から本気だす。

4月4日 っち

きのうは我が家のさっさと引越しパーティであった。T.M.さんとM.T.さんが連れてらした音楽業界の方々、ごく最近twitterで知り合った方々。twitterで面白いキャラ、みなさん実際にお会いするとやっぱり素敵です。mixiも最初はそうだった。twitterは有吉弘行いうところの「バカに発見される」フェーズにまだ入ってない。

それにしても右を向いたら音楽トーク、左を向いたらガールズトークが繰り広げられて、とんだどっちの料理ショーだった。バースデーケーキまで出てきちゃって、プレートには「おたおめスキルっち」
 ただUstreamが...音楽関係のトークを放送しようと思ったんだけど放送できない内容で、具体的には音楽の良心の話題だったんですよ。でも中継するって言っちゃったんで、カメラの前で猫抱えて踊ったりしました。懸案はコンテンツを事前に練ること、それから音声ですね。こっちでモニタリングできるように勉強する。2日連続の放送事故におつきあい頂いた皆さん、申し訳ありませんでした。次はベッドの中から中継で。事前テストしてばっちりお送りします。ほんとだよ。パーティは朝まで続いた。音楽の話はグルーヴからコード進行、ベースライン、KraftwerkとBrian Wilsonが偉大すぎること。人生観と職業観の話や、明け方のエロトークも楽しかった。

鈴木慶一さんは年に4回高校の同窓会を、週に4回サッカーの試合をしてる。

4月5日 ひねもす寝たり、寝たりかな

凛子とデート中にDSが固まって、再起動したら「セーブしなかったでしょ」って怒られた上に遅刻扱い。踏んだり蹴ったりです。

彼 (→) は低反発マットレスの上に硬い板が乗った状態が好きらしい。フタを閉めればいいんだけどつい閉め忘れて、気がつくと「こんな画面見たことないよ」っていうの開いて、システム環境どんどんおかしくなってる。
 今日も寝てた。こんなんでいいのか解らないけれど、どんなものでも君にかないやしない。失敗してもやりなおせばいいと思い続けて38年、経済的には逼迫してるけど危機感はない。いま真剣に人生設計とかしてるやつの方がお気楽と思う。パラダイムがこんなに変わってるのに。あなたに読めると思ってるの。大沢たかおさんもこう言ってるよ

4月6日 青い海を紙に描いて、白い卵をなげつけてたい

twitterのまんが家さんのやりとりが面白い。個人的に思い入れが強いのはとり・みきさんやゆうきまさみさんやその周辺。彼らはかつて江古田に住んで、古き良き漫画喫茶に集まって原田知世さんの話をしてた。で、誰かが気づくんです。有名になったら知世さんに会えるかもって。当時そういうエッセイを読んで、いまtwitterで知世さんと仲良くお話してるのを見て、よかったなあって。知世さんをモチベーションにしたもうひとつのトキワ荘物語です。もっとよかったのは、今でも知世さんが素敵女子であることだ。彼らが天地真理のファンだったら美談にならない。
 原田知世さんも永作博美さんも深津絵里さんも緒川たまきさんも素敵女子でいられるのは、本人の努力や気持ちのあり方はもちろんだけど、生々しさを出しすぎないせいだと思う。僕は男性らしさ、女性らしさの強要を嫌うんで、中性的な存在でありたいし中性的な女性は好きだな。

4月7日 プータローの朝は早い...

起きて暗くて午前か午後かわからない日々を「暮らし」とは呼ばない。地球の自転と自分のBPMを同期させるべき。
 今日は4月7日シーナの日ということで、シーナアキコさん入魂のイベントに行く気概がある。シーナさんの社会性でよくぞここまでこぎつけた。やればできる子。

...数時間後の追記。スペースシャトルとISSのドッキングをUstream中継してたの。超未来じゃん! うっとり眺めてたら頭の中を美しき青きドナウが滔々と流れて寝落ち。電話で起きたときにはドッキングも終わってるしシーナさんのイベントは佳境に入ってるしでどうしてくれよう。
 石原慎太郎がつけた「たちあがれ日本」って党名、転んでること前提だよね。まま、すわりなさい日本。あかあげて日本。あかさげて日本。あかあげないでしろあげて日本。しろあげちゃったよ日本。

4月8日 働くために生きているあなたへ

根性論で頑張るあなたは僕を酷く疲れさせる。あなたの人生を、人間の可能性をどうか狭めないで。あなたの「忙しさ」からほんのちょっと時間を割いて、この映像を観て考えて

4月9日 ぼくらは薄着で笑っちゃう

きのうの続き。皆さん本当に忙しい。生物として異常事態だ。この危機について考える暇もなく本当の終了が来る。資本主義という仕組みの終焉。地球温暖化や核戦争の前に、人類は資本主義で滅亡します。
 僕は別に共産主義者じゃないよ。一介の生物としてどういう「群れ」を形成するべきか、自由に自由に広く広く考えなおさないとまずい。僕が子供の頃からいろんな生き物と一緒に暮らしてきたからそう思うのかな。通貨っていうあやふやな価値のために命を削らなくても気高く暮らしてる人々がいる。人間って想像もつかない生き方ができるんだ。いま見えてる小さな世界で悩むのはばからしいこと。

moonridersのコンピ発送したよ。ファイル保管サービスにzipあげれば金もかかんないしすぐ終わるけど、敢えてCDでお送りしてる。よしなに。
 新学期を迎え、僕と凛子は進級しないことが判明した。恋愛と結婚は別ものとはいえ、これから共に年を重ねる可能性がないとわかると醒めるね。

4月11日 weekender

クルトンを発明した人にノーベルクルトン賞を差し上げたい。

きのうはT.M.さんがひょっこりいらして朝まで16時間オンガクトーク。CD聴きながらあれはどうだこれはどうだ。やっぱりドラマー出身だけあって、グルーヴの気持ちよさにこだわりがある。その大前提にいい曲ありきで。僕はミニマルミュージックやテクノも聴くんでメロディやハーモニーがなくてもいいんだけど。T.M.さんの好きなテクノはKraftwerkやThe Orbみたいに景色が見える丁寧に作り込んだものだ。
 そして僕のイベントのダメ出し。もうなあなあで、打ち上げで酔っ払ってしまったのだよね。っていうのは心の貧しい人々とのトラブルから人間不信になってて、あの頃は酒がないと家を出られなかった、会場入りの前から酔っ払ってたんです。今日中止にしますってアナウンス出す寸前だった。次はちゃんとしたい。次があればの話ですが。

猫も出てきてオンガク聴いてました。普段はメイしか出てこないんだけど3匹とも出たり入ったり。人間だけがオンガク楽しいってのもおかしな話で、よきグルーヴがあれば猫も気持ちいいのではないか。

4月13日 髪の毛をおろす瞬間のやわらかなため息と

ぱられるぱられるぱられるぱられる。

起きてるんだか寝てるんだか生きてるんだか死んでるんだかわからない日々。なんでってもう音楽に対する愛情が溢れてコントロールできないんだよ! YouTube巡回したりUstream聴いたりCD聴いたり聴きながら次にかけるの選んだりしてるうちに朝になり夜になり次の朝になってさすがにネルかと。
 僕は楽器を殆ど弾けないし、作曲はすごく遅くて音楽欲のじれったさにかなわない。で、音楽聴いて好きな曲をみつけるとみんなに教えたい、並べて揃えたい、つまりコンピを作りたいんです。もういっぱいイメージできてる。名刺がわりにハイって手渡せるCDの即物感が好きなんだ。
 今日のDOMMUNEのL?K?O凄かったな。ワールドミュージックで世界一周、チャイルドものから山城新伍の口上を経てメタルへ。でもグルーヴにぶれがない...カオスすぎるし音楽的に神がかってる。

篠原ともえさんすごい綺麗になりましたね。最初はバラエティタレントとして、ハイテンションなトークと瞬発力で日本中を唖然とさせた。でも中学からギターやってたし、石野卓球さんがレコ屋に連れてったり曲作りの現場を見せたりってことをしてたんだよね。
 で、卓球を離れて作った2ndアルバムは半分自分で作詞作曲してる。初期の作品はさすがにいびつです。でもそれがBuffalo DaughterやCibo Matto、ya-to-i、さかなの演奏によって奇妙な異化作用を起こした。そのあとミニアルバムとシングルを何枚か出すんだけど、「Love Love あいしてる」が終わったり台湾でデマが流れたり喉を痛めたりでテレビから遠ざってた。

今日ブログ遡って驚いた。この娘フジロッカーでマカーだな! そんで音楽とコンテンポラリーダンスやライブペインティングを絡める試みをしてる。僕は芸術っていう「売りものにも何にもならない、戦争になっても持って逃げれない」ものが人間の心に訴えかける事実、その感覚を共有できない女子を好きになれない。人として好きになれても異性として夢が広がらない。つまりは篠原ともえさん、よき30代女子認定。
 ブログに坂本龍一との2ショットがあって、かの中村獅童もまた動き出したとかで、日本の2大色魔に狙われてる。異性の人格が不在のまま色欲だけで動く奴は好かん。2人ともブーブークッション破裂しろ。

4月14日 このグルーヴを捕まえて

DOMMUNEの七尾旅人ライブすごかった。最後は「パソコンの前のみんな、電気を消して眼をつぶって想像してみて。広場に風が吹いてる。ひゅー。Viewerの5000人がレジャーシートに座ってる。空には白い雲、突き抜けて、また突き抜けて、見えるのは、星」。で「What A Wonderful World」。それが宗教じみてなくて、エンターテイメントとして成立してた。Ustream使いこなしてるなー。また音楽の魔法に触れた。
 Twitterには野口聡一さんの宇宙からのつぶやき。星と宇宙船。彼の写真がこのくだらないTLに普通に溶け込んでることがImagine all the people sharing all the worldだ。

4月15日 Jim O'roukeを邦楽の棚に移すだけの簡単なお仕事

Wordに変なキャラがでてきて「何を調べますか」「お前の消し方だ!」リターン!

ライブ三昧の日々。Jim O'roukeのBacharachトリビュートライブに行ってきた。最初はぐちゃぐちゃでどうなることかと思ったけど (Glenn Kotcheは最近のJimをどう思ってるんだろう) 、だんだんかみ合ってきた。Jim O'roukeのギターとにかく音がいい。
 日本人ゲストで光ってたのは坂田明さん、さすがのコンビネーション。Saxはもちろんだけどボーカルも味があっていいなあ。音楽たのしんでます。青山陽一さん、乾いたJimと泥臭い青山、タイプの違うギタリストの絡みが面白かった。今後の展開があったらいいな。細野晴臣さん、ベースが最高なのは当たり前だけどボーカリストとして絶頂期にいる。で、カヒミが歌へたすぎてびっくりした。あのポジションは速攻やくしまるえつこさんにとって代わられるだろう。まるえつ上手いしかわいいし上手いしかわいいしかわいい。

鈴木慶一さんがいらしたのでご挨拶。あしたCarole King / James Taylor行きますって言ったら「ええー、The Sectionが来るなら僕も行くけど」。

4月16日 don't let me be lonely tonight

Carole Kingってミュージシャンがいまして。歌手としてデビューするも挫折して、ソングライターとして10年潜伏。70年代にやっと自分の名前のアルバムを出して2枚目の「Tapestry」が2500万枚売れた。あなたのお父さんもきっと持ってる。James Taylorってミュージシャンがいまして。デビューするもバイク事故やレーベルのトラブルに巻き込まれて挫折、療養所生活の末に出した2枚目の「Sweet Baby James」が売れた。
 この2人、お互いのアルバムに参加したりカバーしたり、Danny Kortchmarってギタリストを中心としたThe Sectionってバンドを起用したりと仲がよかった。で、時は流れて2010年、ついに実現したジョイントライブ with The Section。武道館公演のチケット予約した! さて!

...なるほど、e+さんは僕がもうチケットの発券を完了したと仰りたい訳ですか。うんうんAlbum Leafのチケットと一緒に発券したと。4月2日...ひょっとして僕、チケット...捨てた?
 姉さん、音楽鑑賞歴25年目にして初めて紛失したチケットがいままでで一番高価なチケットだった訳で。「かわいそうに、私の胸でおやすみ」っていう素敵女子を募集する。

James Taylor好きでね。初期のスタイルにこだわる人には評価の低いアルバムもあるけど駄作はない。ボーカル・ギターの音色とグルーヴ、そう優しいグルーヴだ。はーマタキテクダサイ。

4月17日 心を亡くしたあなたへ衛星から愛を込めて

寒くてもお日様があるので猫たちは日向ぼっこ、僕はパジャマでお茶飲んでる。トウキョウは「忙しい」らしいね。うちだけ時空が歪んでる。江戸の街はいくさもないのに武士だらけで暇だったらしいよ。町人も仕事のあと蕎麦屋で引っ掛けて歌舞伎とか観て、長屋の門限は10時頃だからたいして働いてない。この土地の使い方として、僕は正しい。
 忙しい自慢が寝てない自慢と同じくらい格好悪い世の中が来ればいいな。いまは忙しくないことが罪悪みたいになってる。諄いけど人類は遠からず忙しさで絶滅する。「地球に生息する群れをなす一介の生物」として間違った方向に行ってるんだ。宇宙飛行士の野口聡一さんは無茶苦茶忙しいはずなのにポストに余裕がある。「宇宙から見ればどうでもいいし」的視点を獲得してる。ぴぴぴ。あなたは誰ですか? ぴぴぴ。それはなりたいあなたですか?

4月18日 YAKINIKU

下を向いて食べよう肉汁がこぼれないように。

遠方より友きたる。「どこ行くべー」「動物園!」「いいねー!」の末、待ち合わせ時間にベッドの中に僕はいた。もちろん友には会いたいんだけど上野って山手線的にちょうど反対側なんですよ。友が長距離バスで来てることもわかってる、わかっているけどうーまだときどき外に出るのが億劫になる。結局渋谷で焼肉mogmog。肉らしい肉を食ったのはもう記憶の彼方で、旨いよ! 牛角の大焼肉祭り商品限定でも旨いよ!
 で、国立新美術館に行く予定もパスして、うちで猫と戯れて友は帰っていった。申し訳ない。いろんなことがかみ合わない日だ。友の作ったおにぎりがぽつん。

4月20日 初恋の子

初恋と飯くってきた。いや厳密には僕の初恋は小学校の朋子ちゃんなんだけど、で、この話は岩井俊二さんが映画化したほうがいいんだけど、初めておつきあいを意識して告白した子と飯くってきた。「お友達でお願いします」を真に受けて幾星霜、ますますの美貌とお茶目なキャラクターです。「よく食べるな」「こども連れて母乳あげてると全然太らないの! 先輩もおっぱい出せばいいのに!」。こどもなついた。1歳半くらいまでの赤ちゃんの扱いは猫と同じなんです。喋りだして自我が出てくると難しくなる。「先輩のこと大好きみたい、嫁に貰って!」初恋が義母に? 聖母たちのララバイ的な? 20年後に58と20か。僕的にはありだけどアグネス的にどうかな。
 火山噴火でUK盤の輸入が遅れてるのか。Johnの叫びより大いなるマザーアースを感じる話だ。

4月21日 僕らはエースの陰でラケット磨く為にだけ、生まれて来たんじゃないんだぜ!

冷蔵庫にカルピスの原液とカクテル用のソーダがあったんで「これ混ぜたら旨そうじゃね? 特許でがっぽがっぽじゃね?」ってわくわくしたんだけど普通にカルピスソーダだった。
 大概のものは既に誰かに発見されてる。僕だってアフリカ大陸の西側と南アメリカ大陸の東側が似てることを発見したし、ゼノンのパラドックスを発見したし、海岸線の長さが無限なのも発見した。昔の人は狡い。僕だって手柄が欲しい。

電子レンジでスパゲッティ茹でる容器を発明した人、まだまだ改良の余地があるけど発想は評価されるべき。

4月22日 私は如何にして心配するのを止めてさだまさしを愛するようになったか

和モノコンピ作ってます。さだまさし (海は死にますか編・山は死にますか編)、石川さゆり、The Peanuts。石川さゆりさんの歌唱力は定評あるし、Peanutsは宮川泰さんのアレンジがお洒落でクラブでかける人もいるね。問題はさだまさしさん。ミュージックフリーク生命というものがあるならこの名前を出したら終わりだ。僕は死にますか。
 さださんの悲劇は最初のヒットが「精霊流し」だったことだ。四畳半フォークブームに乗って、彼自身ドメな世界も嫌いじゃない。でも根はクラシックみっちりやった上でPaul SimonのギタープレイとDavid Gatesのヴォイシングに影響を受けたポップフリークなんです。シングルではドメな期待に応えつつ、アルバムでポップスやってる。同世代でさださんの音楽性に気づいてたのは小田和正さんだけです。上の世代では服部克久さんや加山雄三さん、下だと草野正宗さんや小沢健二さん。喫茶ロック的再評価もないね。

もうひとつわかりにくいのが彼の政治的スタンスだ。親戚がロシアや中国に住んでたり長崎で被爆したりっていう家庭に育って、徹底的な平和主義者だしアジアに対する憧憬も強い。そしてアジアの一国としての日本に愛情がある。特定のイデオロギーに所属するんじゃなくて、自分で感じて考える。で、散々叩かれて「国を語れば "left" からブーイング 平和を歌えば "right" からクレーム」なんて歌詞にしてる。このへん理解して面白がってるのは糸井重里さんくらいです。タレントとしてトータルに評価してるのは北野武さんと宇多田ヒカルさんくらいしかいない。とにかく敵が多い。
 そんな訳で啓蒙活動の一貫として、アルバムにポツポツあるいい曲をセレクトしました。石川さゆりさんとPeanutsとセットで欲しい方はメールを、メールない人にも送りつける。じゃっ。

4月23日 腹が減ったがイクサも怖い

来たるべき転居に備えてパソコンをMacBook 1台にするべくもぞもぞしてる。データ移行のために配線を変えるところから始めてるんだけど、電気ひもとはどうしても仲良くなれない。そんでこっちじゃSoundEdit動かないのか。EZ VisionとSoundEditでオンガクしてた頃が一番のびのびできた。Rei HarakamiさんはいまでもOS9.1でEZ Vision使ってる。シンプルで軽くて人間工学的に優れたアプリほど廃れていく。
 金曜の夜はネットからいい音楽が溢れて、なれないのに聖徳太子になってしまう。甘いバラードとアヴァンギャルドなエレクトロニカがコンクレートして最高に気持ちよかった。

野口さん日本の上空を通過するところをUstream中継してくれないかな。僕はノートブック持って出てISSを探す。2010年のロマンってそういうイメージ。

4月26日 凛子の耳を開発した

更新の間が空きました。風邪ひいた。そして飲食物の枯渇。素敵女子が看病にきてくれるに越したことはないけど、僕は自分をわきまえてるのでデリバリーを注文した。いまも風邪中なので、「平日でも行ってあげる!」っていう素敵女子の来訪を拒むものではない。
 で、ベッドの中で和モノコンピ作ってました。女の子を部屋に呼んだときも聴けるさだまさしと、DJの飛び道具にぴったりの石川さゆりを集めた。The Peanutsもご期待あれ。

さだまさしさんの音楽的背景は22日の日記に書いたけど、その特異性について補足しておきたい。彼はBob Dylanを通過してない。伝承音楽の探求やプロテストソングのムーブメントにいない。彼のフォークはPaul Simonなんです。Paul Simonはもともとポップスでデビューして、潮流に乗って「エレキからアコギに」乗り換えた。その後も音楽性をどんどん変化させてる。で、さださんはBeatlesも通過してない。イギリスも、R&B的なるものも聴いてないんです。ひたすらアメリカの白人中産階級ポップスを聴いてた。
 いまの彼の立ち位置はPaul Simonに似てる。フォークのイメージとイデオロギーへの不理解。Paul Simonのソロはこの国では呆れるほど聴かれていない。それはひとえに保守的なフォークファンおよび中村とうよう先生の影響と思われる。もうひとつのルーツBreadは、ソフトロックの範疇に収まらないためにそういう再評価もなかったし、その後のDavid Gatesを追ってる人も少ない。

石川さゆりさんは昔から演歌らしからぬ楚々とした雰囲気とボーカルが気になってた。杉真理さんが書いた「ウイスキーが、お好きでしょ」がお好きでした。ポップスのアルバム出さないかな。
 で、彼女は91年から毎年1枚、20世紀の名曲を歌うアルバムを出していた。これをまとめた10枚組ボックスセットが激安で落ちてたんで回収しました。収録曲の6割はいわゆる演歌なんだけど、残りが昭和の「和製ポップス」で、前田憲男さんを中心としたジャジーなオケが素晴らしい。さゆりさんのボーカルも軽く素直な発声で、ときどき垣間見えるコブシがソウルフルでゾクゾクする! 彼女の代表曲も持ってるんだけどどうにも居場所がなかったんで未収録。「ウイスキーが、お好きでしょ」とスカパラとのセッションを入れました。くるりとのセッションは音源になってないのかな。The Peanutsの話はまたいずれ。ネル。

4月27日 Soap Bubble's Holiday

ときどきMacがぽよんていう。

The Peanutsのコンピできたー! ふと思い立って作った和モノコンピシリーズ一通りできました。あとはジャケデザインと印刷、CDプレスに発送か...。データをファイルアップローダーに上げれば一瞬で配布できるのはわかってる。正直これやるには時間も金も相当かかってるんだけど、郵便物として送りたいし直接会える人にはハイって渡したい。名刺がわりにちょうどいいんだよ、こんな音楽聴いてる人ですって。
 僕は音楽をよく聴いて、でもそれに対するアウトプットとして作曲したりレビューを書くのはいまは気分がのらない。Ustreamに興味がありつつも放送事故を2連発して萎えた。という訳でしばらくはコンピ作りに精を出す。勝手に送り付けられた人ごめんなさい。

The PeanutsはSidney Bechetが書いたJazzのスタンダード「Petite Fleur」でデビューした洋楽カバーユニット。シングルがどんどん歌謡曲化していく中で、アルバムでは63年の「Popular Standards」、70年の「Feelin' Good」といったカバーの名盤を残してます。
 コンピに収録したシングルヒットは「ふりむかないで」だけ、あとは洋楽カバーです。それと全曲宮川泰アレンジ作品に統一した。宮川さんはご自身の代表作を「宇宙戦艦ヤマト」だと思ってたそうだけど、だんぜん一連のPeanutsワークスが素晴らしい。クラブでがんがんいける。ライブで「Epitaph」を歌う音源も持ってるんだけどカオスすぎるんでオミット。ただ機械のようにユニゾンする双子の少女を思うと胸が痛むな。「人」が見えてこない。あの時代ならではのスターですね。

4月29日 ああ空はこんなに青いのに、風はこんなにあたたかいのに

キテレツはクオリティの低い名曲の宝庫だな。

おとといの夜に寝落ち8時間睡眠→眠い→寝落ち11時間睡眠→眠い→寝落ち9時間睡眠→眠い→寝落ち8時間睡眠の末現在に至る。おはよう諸君。酷く謙虚なホリエモンが次々と繰り出すアイデアに感嘆する夢を見たけど、夢の作者は僕なので全てのアイデアの知的財産権は僕に帰属する。
 寝る間を惜しまず作った、音楽誌が書かないなんとかも書かない和モノコンピシリーズできました。さだまさしと石川さゆりとThe Peanuts。なんでこうなったかは過去ログ読んで。意外と反響があってびびってるけど、気に入ってるので皆さんにも気に入って頂けると嬉しい。メール頂いた方にはデフォで、頂いてない方にも勝手に送りつける予定。

今日は掃除をする気持ちがないでもない。

4月30日 IN/OUT

山下家解散に伴う転居先がやっと決まった。公団でペット可物件を検索したんだけど、現地の営業所のお姉さんが「既に入居してる方にペット可にしてもいいかアンケートをとってて」っていうのを実に2ヶ月半待った。都合半年くらい部屋が空いてた訳だけど痛くも痒くもないのが公団だ。お役所すげえ。
 場所は都心から私鉄を乗り継いで1時間、さらに山道20分、緑が溢れるでもない普通の新興住宅地。無職・保証人なし・猫3匹・CD10000枚・マンガと美術書無尽蔵という、不動産業的に誉める場所がひとつもない僕でも転居はできる。

森達彦さんと藤井丈司さんのUstream面白かった。森さんフリーダムすぎる。でも「10時間働いたら20時間聴け」名言きました。機材マニアすぎて表現することを知らない、もっと言えば音楽の楽しみを知らない音楽関係者が多すぎる。音楽に限らず全ての仕事や表現には、時代を見据える眼力と感性で、いいインプットと蓄積をすることが必要と思う。

ところで凛子が前髪ぱっつんにしてきた。