DIARY 2013年1月


1月1日 昔好きだったガールから「結婚しました」の年賀状が来る賀正

明けました、おめでとうございました。
 ヒトという生き物の群れのあり方が大きく変わろうとしています。産業革命から始まったひとつの社会システムの終焉です。恐竜の時代、シダの葉陰に私達の祖先が生きていたように、排外主義の台頭するこの時代、次の芽生えがもう始まっています。人間の最後のよりどころは真摯さで、それがなければ社会は成り立ちません。2013年、そしてこれからの日々が、愛と芸術に溢れたものでありますように。世界も日本もあなたもわたしも宇宙も犬も猫もみみずもオケラも。
 僕は2012年、なべて楽しく充実した年でした。どんどん良くなる気がしています。大人になったら人生落ち着くと思ったら大間違いでした。相変わらず悩みこむことも、ペシミズムとルサンチマンの罠に陥ることも、皆さんを困らせることもあると思います。これからもご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。

今年は巳年。コードでいうならCM7の省略形的な。十二支のサビはウーだよな、タツミーが余韻であとは長いアウトロ。巳年生まれの人が何万人ってニュース記事は誰をターゲットにしてるのか。テレビではダチョウ倶楽部がアツアツおでんをやったらしい。染之助染太郎に代わる正月の風物詩になるんだろうか。
 きのうきょう、星やばいし青空やばい。まさに「正月みたいな空」。東京は正月が一番空がきれいなんだよ。

谷川弥一文部科学副大臣が、武道をやってる人を先生にすればいじめ防止になるって言ったらしい。それに対する内藤朝雄さんのインタビュー記事がいい。「普遍的なルールではなく強い者が畏怖させることで秩序が成立するという、誤ったメッセージ」「世の中でもっとも陰惨なことをやりたい放題してきたのは、何をしても許されてきた人たちです」ほんとにそうなんです、ほんとにそうなんです。

きのうの夜は毎年恒例の音楽Ustream「茶番のない紅白歌合戦」やった。去年のいい曲をいっぱいかけた。この中から毎年恒例年間ベストMix CDを作る。欲しい方は名乗り出なさい。ただお送りする都合で住所を伺うことになる。もちろんよそには流さないしストーキングもしないけど、頼んでもいない別のMix CDがふと送られてくる、毎年僕から年賀状が届く、などの不具合が報告されてる。

1月3日 聞こえますか...いま、隣の席でヒバリのこころを聴きながらツイッター開いてるガールにタイムラインを通じて話しかけています...

2日は初詣→両親のロッカー式墓参り→ババ1に顔出し→ババ2に顔出しの正月巡回コース。なんだかんだで丸一日歩いた。
 リニューアルした調布駅でトラップにひっかかりながらも初詣は府中の大国魂神社。去年がいい年だったんでおんなじところに行った。ご利益は厄除けと縁結び。お社が北を向いてるんでどの写真も逆光になる。源頼義が東北地方に神威をみせるために、北向きに建てなおさせたそう。神社自体は1900年の歴史がある。やっぱり気分がしゃんとするね、神社は。
 おみくじは大吉キタ!! 「縁談 : 多くて困ることがあります。落ち着いて定める事です」キタキタ!! 落ち着けわたし。しかも安産だそうです、よしなに。たこ焼き食べて両親の墓へ。畳の部屋なんで、お参りというより座り込んで両親と世間話する。あー僕今年父親より年上になっちゃうよ。

さらに電車を乗り継いでババ1の老人ホームへ。ところが入院してていまここにはいない、個人情報云々で詳細はお伝えできない、ご家族と連絡を取ってくださいって僕がご家族なんだけど。絶縁されてる弟に電話できないんで間に人に入ってもらって伝言ゲーム。大事ではなさそう。
 京急でババ2のアパートへ。京急といえば去年「ダァシエリイェス」というフレーズがヒットしたが、本当は「ダァ,シメマー」なので。ドアは勝手に閉まらない、車掌さんが閉める。ババ2は相当ボケてるって話だったけど、ちゃんと会話が成立するレベルでひと安心。叔母と3人で食事に出た。15年前にサラリーマンしてた駅。5年も働いてたなんて信じられないね。久しぶりの対面にお喋りもお酒も進んだ。わたし、おばあちゃん子だったんである。記念写真撮ろうかと思ったけどやめた。喜びと少しの悲しみの帰宅→爆睡。

去年から今年にかけて、年賀状を巡って瑣末なトラブルが続いた。僕の年賀状はメッセージであり、祈り、光なのだが、続きをもっと聞かしてとは言われなかった。基本シャイなんで、物理的に残る形でお祝いの言葉といまの考えを書いて送りつけてる。その自意識とwebpoというサービスの性質上、限りなくSPAMに近い。来年は気をつけよう。届いた方、返信は強要いたしませんので、ことしも山下スキルをよろしくお願いします。

GHQの一員として日本国憲法の草案を書いたBeate Sirota Gordonさん、当時22歳が亡くなった。女性の権利を憲法に盛り込んで、両性の平等を定めた24条として結実した。日本政府が憲法を捨てようとしてるいま、無念の最期だったかも知れない。
 新年の社説では東京新聞がよかった。「年のはじめに考える 人間中心主義を貫く

しぶんぎ座流星群、ちょっと見上げたけど月が明るすぎて見当たらなかった。迷いながらも道は進む。

1月4日 recommend "FUTURE"

1ヶ月くらい前のこと、フォロワーさんに教えて頂いた素敵なラジオ番組があった。佐野元春さんと山口哲一さんが音楽の未来を語る番組。音楽は死んだとか音楽ビジネスは死んだなんて話は聞きあきた、この番組には希望が詰まってた。感動して、いつかお伝えしたいと思ってた。つまりはこういうこと。

CDが売れなくなった、これは事実。ヒットチャートの曲をみんなしらない、これも事実。じゃあ音楽は死んだのか、音楽ビジネスは終わったのか。そんなことはないでしょっていう話。
 リスナーは二極化しつつある。ひとつは音楽が人生の重要な位置を締めて、パッケージとしての作品性にこだわってる人々。彼らはいま、CDより音質がよくてガジェットとして魅力のあるアナログレコードを聴いている。ってことは僕も何度も書いてきた。もうひとつは音楽にあんまり関心がない人々。彼らはJASRACやレコード協会が言うように、違法ダウンロードを聴いてるドロボウなんだろうか。そんなことはない、いまは自分の必要な音楽に出会ってない、これから育つ可能性のある層なんだ。彼らを育てる努力をしてこなかったからいまがあるんだ。ってことも何度も書いてきた。でも彼らにアプローチする具体的で希望ある話を僕は知らなかった。

山口哲一さんが紹介した一例は、Pandoraっていう2000年からあるストリーミングサービス。Pandoraの面白いところは、この曲が好きならきっとこの曲も好きだよっていうレコメンドの精度がものすごく高いこと。仕組みは企業秘密だけど、ほんとうに音楽の好きなスタッフを揃えて手で紐付けしてるらしい。音楽の情報で一番信頼出来るのは口コミで、むかしはジャズ喫茶に通ったり、好きな評論家のお薦めをメモするしかなかった。それがネットでできる。でもPandoraは、2007年から日本の著作権法では使えなくなっちゃった。
 もうひとつの例はSpotifyっていうストリーミングサービス。もうすぐ日本に上陸するとも言われてる。基本的に無料で聴きたい曲を聴きたい時に聴ける。でも広告が入ったり、一曲の再生数の制限があって、有料会員になったら広告がなくなって、何度でも、オフラインでも聴けるようになる。で、ヨーロッパでは有料会員が500万人いる。Spotifyの面白いところは、SNSと紐付けできること。プレイリストを共有するアプリがある。これも口コミで、同じ趣味を持つ遠い国の見知らぬ人と繋がって情報をわかちあえる。

どっちも素敵なのは、性善説をベースにしたサービスだってこと。違法サイトより便利な合法サイトを作ってマネタイズしようよっていう。で、それが成功してる。つまり音楽にお金をかけたい人はいる。
 佐野元春さんが指摘したのは、ソーシャルネットで必要なスキルっていうのは表現力や気遣いみたいな人間力で、中高年に向いてるんじゃないかってこと。若い人もそうでない人も、もっともっと音楽を経験して伝えていくハブになろうよってこと。PandoraもSpotifyも、世界に広がった試聴機なんだよってこと。

僕自身のリスナー歴はCDの歴史30年と完全に一致してるから、CDっていうパッケージがなくなると困っちゃう。でもCDの売上に固執するレコード会社は、CDを買わない人々をドロボウ扱いするんじゃなくて、耳を育てて応援していったらいいんじゃないの。僕のUstreamも理念は一緒だけど、現状著作隣接権的にグレーなんだ。こういうサービスが使えるようになったら、合法的にどんどん活用したい。

今日の日記は殆どラジオの引用だけど、性善説と明るい未来を信じてる僕はどうしても伝えたかった、この話。

2015年追記 : ストリーミングサービスは、利益配分の公正さの点で、反対しているミュージシャンも多い。

1月4日-10日 だからいまも眠り続けている

久しぶりの日記です。楽しいことが少し、辛いことが雪崩を起こす年明け。まずは日々の備忘録を。

片道一時間半かけて祖母のお見舞い。正直もう長くない印象。家族を失うのも辛いけど、葬儀やその後の事務作業を通じて、親戚と顔を突き合わせなくちゃならないのが辛い。ふらふらしてる僕は一族の面汚しで、なかばいなかったことになってる。

高校時代の友人が肉を持って23年ぶりに会いに来てくれた。もう会うこともないと思ってたのにね、Facebookでつながった。23年を経て、一人はボカロPに、一人は音楽雑貨屋になっていた。音楽の話から社会の話へ、恋愛や家族の話へ。音楽ビジネスや社会システムが大きく変わることに、3人とも意識的だった。正直3人とも同世代より稼いでないけど不満はない。「貨幣」って概念は偉大な発明だ。でも幸せのすべてを代弁できる魔法の単位だって考えるのは夢見すぎ。呑んだくれて寝て起きたらボカロP氏の嫁からメッセージキタ。「旦那ご機嫌で帰宅しまして本当にありがとございました」云々。僕もたいへんご機嫌だ。また3人で飲もう。
 ボカロP氏がニコ動に公開してる作品。 (ボカロファンに人気がある似非インド歌謡) (MEW7声コーラスを駆使した似非ヨーロッパ民謡) (ソフトシンセの限界に挑んだ「ひいらぎかざろう」) 、そしてブログ。もうおひとり、音楽雑貨屋のネットショップ

2012年の気に入った曲を集めたMix CDできた。タイトルは「a soundtrack of our journey from despair to hope」絶望からの旅立ち、そのBGMにどうぞ。2012年ベストオブベストというよりは、コンピレーションとして聴きやすい選曲にした。メールくださった方、くださらなくても差し上げたい方には近日中に押しつける。

■ 音楽小ネタ集
採集した日常の音から音楽を作り出してくれるボトル。面白い。自分でプログラミングできるとなおいいな。
三度の脳梗塞を起こしたDurutti ColumnのVini Reillyを助けるための寄付運動がある。
ミュージシャンたちのライブ直後の写真。命削ってる。
トロンボーン奏者、ガチョーンと逆の発想でもギャグが成立する。
Cat PowerがColtraneやMilesを語る。いい映像。
■ 水木一郎「ちょんまげマーチ」。ファンク、かっこええ。こんな曲だったっけ。

■ 科学小ネタ集
たった5ドルで15億人を救える「重力ランプ
八丈島の電力の86%を地熱発電でまかなうことに。
アジアで巨大な「地下海洋」が発見された。
子供の絵を3Dプリンターで立体化するサービス。自分が子供の頃、どれだけ欲しかったか。でも手に入っちゃうと夢のゆくえはどこいくのかな?
「時間」はあと50億年で終わる。
ミドリムシを原料にしたプラスチック。いろんな意味ですごい可能性。
建て替え中のいせや公園店の地下から16000万年前の焼き場が見つかった。石器時代からいせやあったかも知れない。

■ いい話小ネタ集
中国の言論統制問題、ほかのメディアが暗号で当局に改竄された雑誌を応援
北京で日中の新成人による合同成人式。お隣さん仲良くしようぜ。
ヤマト運輸の「宅急便一個につき10円を被災地に寄付」って取り組みが純利益の40%にあたる142億円に達した。どっかの団体に丸投げじゃなくてちゃんと考えて寄付してる。
葛飾北斎が老いてからの作品がすごい。画家は年齢と共にアヴァンギャルドになるね。
原稿を編集者になくされた赤塚不二夫さんのひとこと
性的マイノリティに対する施策を訴えるデモが13日に銀座である。
島根の離島、海士町に志のある若者が集まってる

■ 恋愛小ネタ集
京大総長が「恋愛経験がある人には入試のバリアを下げる」と言った。おいおい、振られた方にだけ起こるんだぜ恋のマジックは。
女の子の存在そのものが素晴らしいっていうマンガ。ほんとうにそうなんです、ほんとうにそうなんです。
本田翼さんが出てるJR東日本のスキーのCMにキュンキュンくる。スキーに青春の思い出があるだけに、あのシチュエーションで脇役にすらなれない自分が容易に想像できて辛い。

1月5日 どんな壁も越えていけよ、小さなメロディ

5日は七尾旅人@渋谷公会堂。ここで旅人さんを観る日が来るとは。最初に旅人さんを観た時、お客さん8人くらいだった。「1人の前でも1億人の前でもやることは同じ」と言った旅人さん、半分本当で半分違う。
 本当なのは、旅人さんは渋谷公会堂のステージでも8人の観客の前と同じペースで、同じくらい命を削って歌を奏でていたこと。違うのは、旅人さんがいままで一度だっておんなじ歌をおんなじに歌ったことはないってこと。それから…プロの音楽家である限り、ご本人の気概は同じでも、仲間や家族やファンにとって大きな舞台に立つのは意味があって、とても素敵なことだ。

開演時間17:00、早い!! 彼がいま表現したいことを形にすると4時間弱になるんだってこと、後からわかった。演奏する彼も聴いてる僕らもすごい集中力で、4時間たってるって全然気づかなかった。
 客入れのMCはU-Zhaan、彼なりのユーモアの中に、「子どもたちの声を歓迎します」の言葉があった。実際子どもがものすごく多かった。綺麗なお姉さんが踊るでもない、優しいおじいさんが語りかけるでもない、あの4時間弱のステージの断片を切り取ったら決して「わかりやすく」はない。それでもあっちから聴こえる泣き声やこっちから聴こえる笑い声、「たびとくーん」の歓声から一緒に歌う歌声まで、子どもたちは会場全体にある音楽という現象を受け入れて、その一部になっていた。彼らはあの時、なにを感じていたのかな。これからもみんながいい音楽を感じて、体全体で表現できるようになるといい。

2枚のヒットアルバムがでて、DOMMUNEに出演すれば数万人のリスナーがつく今の彼。渋谷公会堂ではみんなが好きな曲をリハーサル通りに披露する選択肢もあっただろう。
 でも1人の観客の前でやるように、ラジオでかかる人気ナンバーも、ラジオでかかりそうだけど音源化されてないナンバーも、10代の頃に作った歌も、こないだ作った歌も、いまその瞬間の感覚で解体して再構築して、その核をここでしかできない方法で見せてくれた。素材はレコードに入っているのと同じ歌でも、リズムもコードもメロディも構造もどんどん変化して、いま目の前で歌が生まれて景色が広がっていくのを感じた。それは「自然」なんかじゃない、とんでもない創造の現場だった。彼が時おり口にする「ヒュッ」って音は、風なのかもしれないし魔法の呪文なのかもしれない。

この日の演奏は、人間的であるなと思った。過酷なツアーの中でトラブルがあったり体調を崩したりもした。この日も咳を押しころして、進行がスムーズでないところもあった。そんな大人が感じる緊張感の一方で、子どもたちが喜んで歌う弛緩もあった。エフェクトと叫び声、アルペジオと囁き。歌の崇高さとMCの下世話さ。前から振れ幅の広い彼のライブだけど、「リトルメロディ」というアルバムを携えて立ったこのステージは、ひょっとしたら福島で起きていることと関係があるのかも知れない。清濁併せ呑んだ「鎮魂」の時間だったのかも知れない。
 最後に歌った「リトルメロディ」どんな壁も越えていけよ 小さなメロディ、というフレーズは、混沌の4時間弱を希望と優しさに昇華させた。涙で演奏が止まった。「子供の時スイミングスクールサボって、父親にミニ四駆捨てられたこと思い出した」って照れ笑いして、彼は見事に歌いきった。そこで綺麗にまとめあげないのも彼で、ほんとうに最後に歌ったのは「物販の歌」であった。

4時間弱、終わってどっと疲れが出た。こっちも魂えぐり出されてたんだな。「世界の人たちが歌でお喋りしたらいいのに、そんな星を作りたい」って言いながら、「今年は誰にも理解されないことやる」とも言ってみせた。理解できるとか理解できないとかどうでもいいけど、音の魔法に惑わされたいから僕はまた七尾旅人のライブに行く。

1月10日 愛想笑いで生きるより、罵りの中で死にたい

数年前からぎくしゃくしてた西荻窪サンジャックさん (いままで名前を伏せてましたが、名指しのdisを頂いたことだし、ほかのライブハウスさんに誤解が及ぶのも嫌なので明記します) との確執が昨年末に確かになり、7日になって人を馬鹿にしたメールと、公開されたタイムライン上で「こいつ出禁な」の言葉と、考えうる汚い罵りを受けました。売り言葉に買い言葉で、僕も汚い言葉を使ってしまいました。
 サンジャックさんはミュージシャンにもファンにも信奉が厚く、特にマスターや女将さんは穏やかな笑顔で、おおよその方には信じ難いことだと思います。そんなマスターと「ふらふらしてトラブルメーカー」な僕の人望は月とスッポンで、サンジャックさんはいいブッキングをなさるので、素晴らしいミュージシャンの方々と縁が切れてしまったのはほんとうに残念です。
 僕の起こすトラブルが好きすぎる方々、僕の日記はつまらないけど悪口だけチェックしてる方々に、なにも思うところはありません。僕がトラブルメーカーである理由はわかっています。声が大きければ無理を通して道理が引っ込むこの国の、「普通」の感覚だったら「空気を読んで」、愛想笑いで黙認する不義理に対して、ダウトを言ってしまう。だから僕が笑う時、それは心からの笑顔です

ことの発端は、数年前にマスターが「俺は業者には強気に出るよ」と取引先の名前を挙げて、無理な発注をしたことを武勇伝のようにツイートしたのを見て疑問を持ったのです。お金を払う側と貰う側は、金銭契約を通じて対等なはずです。彼の嫌いな中国では、払う側が謝々を言います。客が一方的に偉いって感覚は、世界標準ではないんです。三波春夫さんの「お客様は神様です」の真意を再掲します。僕はかつて大きな企業に勤めて、取引先の方々が僕に必要以上に頭をさげることに疑問を持った経験もあります。
 それと同じように、僕がお店に対して偉ぶることは決してありません。当たり前のお金を払い、素敵な音楽や美味しい食事を楽しみます。マスターは音楽同好者としてではなく単なる金づるとして、僕にへつらった笑顔を見せていたのかもしれません。思うところをできるだけ丁寧に、非公開でお伝えしました。お返事はありませんでした。
 年末の25日と28日に久しぶりにお店に伺って、25日に出演者の皆さんと写真を撮ったことについて28日にお叱りを受けました。「出演者が怒っていた」と。もちろんネットにあげるところまで事前の了承済みでした。出演者の皆さんにお詫びのメールを差し上げたところ、全員から「あれは楽しかったよ」「写真を気に入ってシェアしたよ」「気にしない方がいいよ」との暖かいお返事を頂きました。マスターは沈黙、忘れた頃に逆切れを始めました。

20年来の親友は僕の度重なるトラブルについて、「強烈な愛や精神の純粋さと共に生きる人の、ある種宿命的な苦しみなのかも知れません」と言ってくれました。でも僕にも自分の言動に疑問や迷いがあります。翌朝まで電話につきあってくれた友人は「いろんなトラブルに巻き込まれながら山下さんは人を信じ続けますね」と言ってくれました。僕はよく人を信じ、音楽を信じ、ときに裏切られます。でもまた信じてしまう。
 僕のUstream番組のタイトル「believe the music again」は、かつて一緒に暮らしていた、いまでも交流のある女性がつけてくれました。音楽を囲む状況はよくないって言われてるけどもう一度信じようよって意味合いと、僕を近くで見て感じたことが重なってるのかも知れません。
 業者イジメをネットで自慢したり、事実無根の言いがかりをつけてくるようなお店には未練はありませんが、またしてもトラブルを起こしてしまったこと、タイムラインを汚してしまったことへの自責と、なにより望まない別離への無念で心が押し潰されそうです。しばらくは何もする気が起きません。それでも音楽を信じて不器用に生きるしかない。清志郎、ほんとの優しさってなんだろうか。

1月12日 冬へと走りだすお! を結局買った俺物語

40歳って名乗った途端に女子が距離を置く。自分で言うのもなんだけど、ダイエットして39の時より見栄えは良くなったはずなんだ。でも40なんで歳を聞かれたら40って応えるほかない。「男は40から」っていう女子もいるったって、そういう女子が40の男に求めるものを、なにひとつ提供できる気がしない。
 童貞の逆、今後一生セックスしないだろうなって状態に名前つけたい。ドラマー (既婚) がぽつり「無縁仏」。ああ、無縁仏。いろんな意味で、ね。

おとといまで寝込んでて、4日からの日記を一気に書いて、その文量と話題の振れ幅に、一番言いたかったことが霞んじゃった感ある。それは、ものすごい久しぶりに会った同級生が、素晴らしい音楽家になっていたということだ。
 まさか再会するとも思ってなかったし、変わった苗字じゃなければ忘れてたぐらいの縁なんで、彼が売れようが売れまいが知ったこっちゃない。ただ僕には、素晴らしい音楽を人に伝えたい欲望が渦巻いており、2012年のサンプラーCDを100枚配って、喋れもしないのにUstreamやってる。彼の楽曲を知り合いの音楽家の方々に聴いていただいた。皆さん興奮して感激して、まあそうでしょって感じだ。この日記を読んでる方々にもぜひ感激をおわけしたいので、いまいちど紹介する。

曲ごとに違う引き出し開けてくるんで、プレイリスト全部聴いてほしいところだけど、忙しい人のために掻い摘んで3曲。
 坂本美雨さんの声を素材にしたボーカロイドMewを活かして、7声コーラスで東欧のこぶしをつけた「effanineffable」これ一番好き。初音ミクを使った、ボカロファンに人気があるわかりやすい似非インド歌謡「インドインダスインデスト」。アレンジセンスとソフトシンセのプログラミングが光るクリスマスキャロル「ひいらぎかざろう」。で、本人はここにおる

咳が出て鼻水たれて関節が痛い。さもい、デロンギ。これって風邪じゃないの。一人暮らしで辛いことの上位に「調子悪くて寝こむ」がある。そういう時に限って薬のストックがない。体調悪いから家出れないのに家出ないと薬が手に入らない無限ループ。薬をネット販売できないかなってずっと思ってた。つまり薬剤師が対面しないと薬売っちゃいませんなんだけど、処方箋薬局だって数の確認と義理程度の「調子はどうですか」だけだよ。一般の薬局ではスーパーのレジとおんなじように風邪薬が買える。Skypeとかでなんとかならないかな、なんて話してたら、そういうのすっ飛ばして事実上解禁されたらしい。
 冬の語源は冷えるって意味の「ひゆ」。で、同じ言葉から増える、殖えるって言葉もできた。次の春に向けて命が殖えるってニュアンスも込められてるそうだ。

浜田雅功の母校、日生学園第二高等学校がマジキチ。いままさに蘇りつつある日本なりの軍国主義。校長が「精神」を語ってるけど、「精神異常」を自覚するべき。「無心」は心がないことじゃない。素手でトイレを掃除することに、苦痛以外の意味はない。
 デイリーポータルZ「早口言葉を大統領風に」腹抱えて笑った。この国の未来のために、こういう人材を育てたらいいよ教育者の皆さん。

インドネシアで歌が命を救った。パラグアイの貧困地域の楽団がゴミでつくった楽器、びっくりするほどいい音。

1月13日 リアルに生きてるか -美意識の多様性について-

僕は萌えが嫌いじゃない。でも痛車みたいに3Dの世界をなんでも萌えデコレーションしたり、代理店に言われるままに全国の自治体にゆるキャラができるのはどうかと思う。それは例えば、高度経済成長期やバブル時代に、日本中に同じ形の駅と同じ形のスーパーができたみたいな、右ならえ右で地方のカラーがなくなっちゃったことに対する違和感に似ている。

オタク的知識はすごいけど、見識が広くてクレバーだと思ってた人に、「なんでも萌えにするのは薄っぺらい気がするな」って話をした。彼の反応はこうだった。「オタクがやってるっていうだけで、いとも簡単に攻撃するのどうなの。自分のセンスと合わなかったら攻撃するの構わんけど、俺の見えない所でやれ、あんまりにも無神経すぎる。あたくしの考える美学に合わないわホホホってそりゃ攻撃だって、イヤミ極まりない攻撃」
 つまり全く通じなかったんである。オタクという言葉は、オタク同士が互いのアイデンティティを、知識や所有物を込めて認識してるがゆえに、二人称が「お宅」だったところから来ている。知識や所有物を共有することが、彼らの小さな世界のすべてなんだ。その外は滝になって象が支えており、たまにエイリアンがいじめにくる。日本全体にそういう空気があるから全体主義に走りやすい。中国人や韓国人は (直接知らないけど) 鬼畜。太平洋戦争時代は米英人が (直接知らないけど) 鬼畜だったわけで、オタクじゃない人が萌えについて語ることは「エイリアンが俺達の聖域を攻撃してきた」としか認識できない。

なんでも萌えじゃなきゃ済まないのなら「わたしの考える美意識に合わないわホホホ」って攻撃してるのはオタクだ。地方のジャスコにゆるキャラが来たらある程度の集客は見込めるだろう。でもその地方の個性は見る価値がないの? 日本中にシャッター街ができるのも、オタクが被害妄想の自家中毒おこすのも、根っこは同じことだ。僕は「けいおん!」が好きだけど、君たちは本宮ひろ志先生の描いた「けいおん!」に萌えられるかい? 僕には無理だ。かきふらい先生にはかきふらい先生の、本宮ひろ志先生には本宮ひろ志先生の個性がある。それと同じように、車には車の美意識がある。地方には地方の文化がある。ぜんぶ萌えとゆるキャラに塗り潰すのは暴力だ。萌えがひとつの文化であるように、萌え以外にもいろんな文化があり、蓄積がある。ってことを認めることで、相対的に萌えの文化がより深く理解できると思うんだ。
 この話は、「テクノしか聴かない人」や「クラシックしか認めない人」や「いまの音楽はつまらないとしか言わない人」にも当てはまるよ。20万年の人間の歴史のなかで、ある時期のある地域にしか価値がないと考える人達のことだよ。

楽しい話しようか。坂本九さんが「上を向いて歩こう」のヒットで渡米した時のドキュメンタリー映像が見つかった。近いうちになんらかの形で公開されるらしい。僕は九ちゃん大好きなんだ。彼は喜びを歌う、歌える稀有なシンガーだから。もともとPresleyのモノマネで人気が出て、リアルタイムな洋楽から日本の民謡、童謡まで歌いこなした。

体重計の進化がやばい。TANITAの「体組織計」ってやつを買った。かっこいい。まず生年月日と身長、住んでる地方を入力する (重力の補正をしてるらしい) 。で、体重、体脂肪率、内臓脂肪レベル、基礎代謝量、体内年齢、筋肉量、筋肉量スコア、推定骨重、肥満判定とその推移がわかる。まてまて、難しすぎて毎回マニュアルの分だけ重い表示出てる。

1月15日 白と黒

カーテン開けたらすごい雪!! タイムラインも雪の写真だらけ。「これくらいの雪で大慌てしてる東京www」って雪国の人々のツイート。日常的にぶたが降ってる地方の人々は「はれときどきぶた、普通www」って思ってる。雪は好き。静かで柔らかくて特別な日。クリスマスじゃないけどクリスマスソング聴きながら街を歩いた。真っ赤なダッフルコートのガールが恐る恐る歩いてるとこ、写真撮りたい気持ちによく耐えた。
 PHOTOを更新した。「愛猫親バカ日誌」と「YES,YES,YES!! Rock Festival!!」に2012年の写真を追加した。それからMix CDも更新。2012年の名曲で作ったMix CD「a soundtrack of our journey from despair to hope」の曲目紹介。で、今日はこれをもそもそ複製する作業。あと数日で発送して、今週末くらいには届くと思う。ご笑納ください。たぶん届かないけど欲しいって方は名乗り出なさい。

嫉妬による抗議として最近ベッドにおしっこすることがあるメイのために、Amazonでおねしょシーツを購入した。箱に商品名書くな。それにしても段ボールをくるむ透明の梱包テープは、輸入盤のシールと傘と網戸と台車の車輪と並んで人間の叡智の及ばなかった分野だ。

愛してる人も 愛されてる人も
泣いてる人も 笑ってる人も
平和な街も 闘ってる街も
大切な人も 離れてく人も
よく働く人も 働かない人も
うまくやれる人も しくじってる人も
お金のない人も ありあまってる人も
古い人達も 新しい人達も
教えてる人も 教えられてる人も
憂鬱な時も ひとりぼっちの時も
平和な街で 闘ってる街で
Tonight's gonna be alright...

1月16日 お祓いスター誕生

本厄なんである。今年は出だしからトラブル続きで参った。厄除け (と良縁祈願) のご祈祷に行ってきた。オカルト的なものを信じたい気持ちもあるけど、それは自分が浸かるより客観的に観察してるほうが面白い。神社に行ったりご祈祷を受けたりするのは、それによって自分の意識が変わるから。神社や信仰の場が持つ空気は好き。高校生に寺社仏閣みせたって意味ないし、この歳で修学旅行いって夜中に恋バナしたい ヽ(・ω・)ゝ☆
 呼吸器系弱いんでハァハァ言いながら歩いてたら、前を歩く女子が靴見るふりして僕を先に行かせた。靴どうにもなってないよ、靴は靴だよ (´-`) .。oO 。で結局、信号で一緒になる気まずさ。皆さん厄除けのご祈祷にきたみたいで、僕ひとりだけ大勢の前で良縁がありますようにっていわれて辛かった。「女の子はグループでノリで良縁祈願するけど、おじさんが一人でするとかガチすぎて引くよね」っていう街の声を、素晴らしきインターネッツで受け取りつつの挑戦でした。この神社では室町時代から歌垣っていう合コンをしてたらしい。男女が恋愛の句を詠んで、互いにぐっときたらカップル成立である。いいね、言霊は信じる。

Michel Jacksonのカバー。あまたある一人アカペラものでも凄いクオリティ。

大島渚、といえば「カリフォルニアの青いバカ

1月19日 Don't disturb

先月から日記の更新が滞ってる。たいした用事もないくせに、なんだか心にゆとりがない。きのう、きょうとずっと寝込んでた。佐川急便のピンポンで起きた。届いたのはAmazonで注文したDon't disturbのカードだ。
 ただでさえ寒い時期、心のゆとりがなくなると筋肉が萎縮して、ストレッチしたら危険なレベル。湿布貼ってまたネル。はーおじさんおじさん。
 ばあちゃん退院するかも。こないだのお見舞いの時、正直これが最後かなと思って、認知症で点滴のパイプとか抜かないようにつけられてた手袋はずして手を繋がせてもらったんだよ。まだしぶとく生き延びそう。借金の形に手放した実家の表札の拓本「ヌスル」を見せたい。

17日は中田真由美さんのライブを観にいった。色気づいて貰った香水つけようとしたらどばってでて、洗ってファブリーズかけたけど、つとめて客観的にみて臭かった。俺、臭かった。

音パフォーマンスパーカッションバンドotto & orabuがかっこいい。PV観て!! でもライブが絶対いいんだろうなあ。東京に来てくれないかしら。

だうへいきんかぶかー ヽ(゚〇゚*)/

ネル

1月20日 そしてわりとくじけてる

年末年始の数々のトラブルをきっかけに、鬱が完璧に再発した。ずっと寝込んでる。なにがどうにもならん。今度は病気平癒のご祈祷にいくか、という気概はあるが、気力がない。

大泉逸郎の孫っていま何歳くらいなんだろうか。自分をネタにボロ儲けしたおじいちゃんの相続を巡って、ほかの孫と喧嘩とかするんだろうか。...1994年生まれ、難しい年頃だ。センター試験受けてるかもしんないな。

Led ZeppelinとThe Beatlesのマッシュアップ「Whole Lotta Helter Skelter」ネタとして面白いレベルを超越して非常にかっこいい。
福島はいまどんな状況なのか。若い眼が内側からみた福島。すごくいい記事。
カピバラが柚子湯を満喫 (*´∇`*)

加湿器つけてあったかくしてよく寝るので、明日になったらばかがなおってるといいな (´-`) .。oO

1月22日 駅はどこですか

危うく人生を全うしそうだった婆さんに退院の目処がついて、見舞いの品をお願いしに出かけた。建物の表札をヌスル (拓本する) 活動をしてるイラストレーターのY.H.さんにヌスって貰った、いまは廃墟になってる我が実家の表札を額装するための買い出し。正直出かけられる体調じゃなかったんだけど、婆さんの体調はもっとそれどころじゃない。世界堂で買物して一息ついて、飲みに誘っても言葉がスムーズに出ない。筋肉が無駄に収縮して体全体がだるくて痛い。1時間ほどで失礼して、帰れんのかよこの状態で。京王線に寝台列車の導入が待たれる。直通電車に乗ったら座れない。リア充は針地獄の車両で火炎を浴びながら帰ったらいいと思いました。最寄駅から家まで救急車呼びたかったけどタクシーで我慢した。ほんとは階段だけでも担架でお願いしたかった。変わり果てた姿で無言の帰宅。この調子だと見舞いに行くまで生きてるかわかんない、僕が。
 心の病気に対する理解は昔から比べるとずいぶん進んだ。でも猫やガールや音楽で心が和んだら解決ってもんでもないんだ。それは、肺癌の人がタバコやめたら明日から元気になるわけじゃないのと同じで。

郵送したMix CDがそろそろ届いてるみたい。全部で119通出した。そのうち何通かには、再会した友人tamachangのサンプラーがついてる。最初の方に梱包したぶんには、和紙で作った花びらが入ってる。これ作るの大変で、その割に豪盛に入れたんで、結局途中で足りなくなっちゃったけど、封を開けたとたん部屋が散らかるんで入ってない人はラッキーだった。ぜひ聴いてください。届かなかったけど聴くって方はそのようにメールなさい。
 コンピ作りたい欲がまた出てきた。何枚か駄作があるんでそれを廃盤にして、同じテーマで作りなおしたい。好きなバンドの自分用プレイリストもCD化したい。で、年末にトラブルに巻き込まれてからベース触ってない。その間ずっと音楽聴いてて、どうしてもベースに耳がいってたんで、吸収したものが次の演奏につながるといいな。作曲したい欲もある。バンド向けの弾いて楽しい曲と、ソロ向けのちょっと重たい曲。これもイメージはできてる。あと形にするだけなんだけど、ここからが長いんだ、僕は。

阪神淡路大震災で燃え尽きた神戸の、行政による「復興」政策が二次災害になってる。「復興」という名の悪夢。大阪で女子中学生が中年の男から「駅はどこですか」って声を掛けられる事案が発生。こわいわねー。ねー。

The LettermenのオリジナルメンバーBob Engemannが亡くなった。ソフトロックブームに乗ってもよかったのに、有名すぎて入れてもらえなくていまや無名の、日本人のスノビズムに負けたグループ。本国ではいまも活動してる。

1月23日 ピタゴラスイッチ的展開でヒーターが逝った

大量に出荷したMix CD「a soundtrack of our journey from despair to hope」の反応が集まってきた。人によって気に入ってくれる曲が全然違うんで、そういう意味では成功だったと思う。僕はもちろん全曲好きで入れた。
 かつての僕はカフェDJの需要があったけど、いまはさっぱり呼ばれない。あるライターにあげたコンピのセットリストを、まるまるカフェDJに使われたことならある。いまラジオDJって面白そう。これ義務にするととたんにクオリティ下がる気もする。となると自前か。海賊放送は電波法の及ばない公海上から放送しなきゃだから、機材の調達にカネがかかる。海賊船は出物があった。

今朝は久しぶりに超大作の夢を見て、猫がメシくれ言ってんのちょっと待って、余韻に浸らせて。青春の甘くて苦い冒険活劇だった。構造がメタになってて、夢の中で撮影してる映画のストーリーとそれを取り囲む事象がだんだんシンクロしてくる。たぶん下敷きは藤子・F・不二雄のSF短編で、エピソードは実話。
 20日付けオリコンアルバムデイリーチャート7位「ラジオ体操」。冬なのに「ラジオ体操」。母数が少なすぎるからときどきこういう統計の誤差が起きる。本当に音奏でてるミュージシャンはネット社会に適応できそうだけど、周辺産業は潰し効かないかもね。ところで体がほぐれると脳もほぐれる。僕も話題盤チェックしようか。
 退院できそうだった婆さんが退院できない。病状が悪化したわけじゃない。病院のメシが不味くて食べないうちに衰弱してきた。食欲がないとかじゃなくて、不味いから食べない。犬や猫ではよく聞く事例だ。味を巡って祖母と亡母がトラブル起こしてばっかりだったの思い出した。いかにも祖母らしい。なんか好物を思い出せればな、療養メニューのヒントになるかも知れない。祖母の古い知人に連絡した。

Facebook中にAmazonの「ほしい物リスト」ボタンを押すと泣きたくなるから泣けない映画を見てる時とかにお薦め。
 人は瞬きすることで脳をリセットして情報処理してるらしい。
 今日の写真はうちの空気清浄機。

1月25日 与沢翼の七五三感

16年ぶりに健康診断を受けた。柄にもなく健康体であった。なにより169cmだと思ってた身長が171cmあったんでご機嫌だ。思えば市から健康診断の通知が来てから今日までに、体重20s、ウエスト26cm絞った。どうやって痩せたのって聞かれるけど、答えは「いろいろした」し「なにもしてない」。痩せようと思うこと、だ。なんかひとつやるんじゃなくて、例えば夕飯の一皿をラップして明日たべようとか、エスカレーターやめて階段つかおうとか、ちょっとした思いつきの積み重ねでなんの苦労もなく痩せられる (ほんとう) 。
 お医者さんが朗らかで痛快なおじいちゃんで、いまはなきよき町医者だった。ホームドクター的に、これからなにかあったらお世話になりたい。

郵便局で、隣のおばちゃんが局員さんに「このスケールに通らないサイズは別料金なんですよ」って言われて、無理やり通そうとしてスケールを破壊して、別料金+スケール代お支払いして憤慨して帰っていった。女性は怖いけど、女性を捨てたらもっと怖い。男性も男性を捨てたらおわりだな。
 僕は自分たちをおじさんバンドと呼ぶけど、オヤジバンドとは絶対に言わない。おじさんなのは事実だから認めよう、でもオヤジバンドって響きには、「オヤジだけど頑張るぞー」みたいな力ないガッツポーズや、「青春を取り戻せ」的な脂ぎった懐古趣味が漂う。老化は否が応でもするもので、これは意識した方がいい。でも、なにかを理解できないこと、なにかを感じられないことを老化のせいにしたくない。

腐れ縁からCDの感想が届いた。「あなたは芸術家なんだって考えたら、思想や言動やいろんな謎が一気に理解できた」って。そう言われて僕も自分が理解できた。
 僕は表現として選曲をしてる。SNSのデザインを統一して、そのデザインで年賀状送って、同じデザインでMix CDを送って。年賀状にはdespair to hopeについて書いてある。CDは「a soundtrack of our journey from despair to hope」って位置づけ。で、CDの封を開けると和紙で作った花が咲く。
 僕は文章をほめてもらうことが多くて、いまだにUstreamなんかやめてレビュー書けって言われるけど、自分で気に入ってる表現は選曲なんだ。それを見抜いてくれたのがnitoプロジェクトの発案者で、スキルくん音楽のソムリエになりなよって。でも人の巻き込み方間違えて、気づいたら原価率がどうこういう話になっちゃった。発案者の方も頭抱えて僕も頭抱えて、結局頓挫した。

腐れ縁からはよくSkypeくる。ヨースって声掛けて、回線つないだままお互い別のことしてることが多い。ときどき思い出したように話しかけたり。一緒に住んでた時と同じ空気だ。もはや隠すことがなにもないからできること。珍しい関係だと思う。

1月27日 愛のさざなみ

年明けに来た23年ぶりの旧友、こんどは嫁連れてきた。音楽雑貨屋社長、ボカロP、その嫁、そして僕。肉塊、酒、猫、お布団。23年間の報告から始まった前回より早めにくだけて酔いに入ったんで、どんな話をしたかあんまり覚えてない。ぽつりぽつり寝始めて起きたら翌日の予定の40分前だ。すいません予定変更の電話をして、客人たちにお引取り願って。我が家の客にあり得ないハイレベルな片づけぶりに感謝。楽しかった!! 次は本気出す。
 予定は駅ビルのマッサージ屋さん。いままで立派な東洋医学ぽいあれやこれを受けたけど、相性でたどり着いたのがここ。笑いのツボをわかってくれる施術師のお姉さんと大笑いしながらの数時間。リラックスしすぎて、帰ってきてから25時間ネタ。
 20歳くらいの人々のマスク着用率の高さ。僕は目元と同じくらい口元で人を見るんで、隠されると怖くて距離を置く。あれもう少しデザイン性出せないもんか。自分の口周りの写真撮ってマスクに貼るのはどうかな。

橋下徹が、昼休みの合図として市役所でかかっていた島倉千代子のご当地ソング「小鳥が来る街」を「変な音楽」だからやめにして、職員の意識改革のスローガンを流せって言ってるんだって。音楽は人によって好き嫌いがあるのは当たり前、だからこそ公の人が好き嫌いで排除しちゃいけない。それこそ風営法の拡大解釈によるダンスの規制であるとかね。法的に、ダンスをしたかしないかの基準はかかとがあがったかあがらないからしいよ。この国に文化は根づかない。
 僕は島倉千代子が好きで、CDも持ってる。戦後の歌い手として一番に名前があがるのは美空ひばりで、それは大病からの復帰と死、「壮絶な人生」の演出が上手かったように思う。リアルタイムに戦後を生きた人には、島倉千代子のほうが思い出深いって人も多い。揺らぐようなファルセットが美しくて、素晴らしいボーカリストだ。

嶋本昭三さん亡くなった。具体美術と呼ばれる、表現手法や素材をゼロから見直す運動に参加してた。アルフォルメルだとかアクションペインティングとシンクロする発想だ。絵具を爆発させたり落っことしたり、女拓を取ったりってことをしてた。とんがってるじいちゃん。

1月31日 男はつらくてきもくてくさいよ

大事件発生だ。僕が夕暮れ団地に越してもうすぐ3年、常々よきかなと思っていた薬局の看板娘の名札の苗字がかわってた (´-`) .。oO 頭の中をサルビアの花が流れた。僕の愛のほうが素敵なのに!!