DIARY 2012年12月


12月3日 クリスマスの予定は決まったかな? そうだね、ツイッターだね!!

ふーん12月。なんだかんだで今年は楽しかったし充実してたんじゃないの。

もじゃもじゃ考える日々から手を動かす日々。オリジナル曲のアレンジとUstreamやった。
 バンドに投げた曲の皆さんの反応は、コードが難しい、デモの段階で作り込み過ぎ、キャッチーさが足りない…。ポップなフレーズの宝箱なのに全体的に難解っていうのもあった。比べるのもおこがましいけど、それMoonridersがよく言われてること。我々の世代ではMoonridersを聴くのは恥で (Moonridersが目の上のたんこぶだった渋谷系ミュージシャンたちからのdisが酷かった) 、ちょっと上の菊地成孔さんや高野寛さん、ちょっと下のクラムボンや高木正勝さん、20代の相対性理論やceroやERやスカートや柴田聡子さんが、やっと信仰を告白してるのはとっても心強い。
 でで僕の曲、コードと構成を簡略化してテンポを落とすことで、なんとか採用してもらえそうな雰囲気。やったー!!

Ustream相変わらず人気ない。僕いろんな活動してるけど、面白いですって自信もって言えるのはUstreamだけなんだよ。なにしろ選曲サイコー!! お喋りも最初と比べたら肩の力が抜けて聞きやすくなったと思う。次はぜひにね。23日にクリスマスソングを中心にした放送、大晦日は恒例の「茶番のない紅白歌合戦」をやりたい。2012年のいい曲ぜんぶかける。

Ustream終わってから加計呂麻島の画家A.K.さんと朝までSkype。酒飲み過ぎて二日酔いなうなう。

12月4日 なんにもないなんにもないまったくなんにもない

気圧が低いのかな、だるくて眠い。空から水が落ちてくるってみんな普通に受け入れてるけど大事件だよね。でもたぶん23世紀の人たちも傘使ってるね。
 こんな日はなんにもしないをしたくて完遂した。非常に満足してる。よく眠れそう。猫もかくれんぼして取っ組み合いして、気づいたら抱き合って寝てる。

今日のいい話。
 カンボジアの地雷原の村から義援金とお守りが届いた。お礼しようぜ、地雷原を綿畑にするんだ。地図に載ってた南太平洋の島が実在しないことがわかった。なにこの胸熱ニュース。本の書き出し集。はじめよければ全て良し。
 バンドのSoundCloudにコメントがついた。「Hey!…Hey!…Hey!…Wait a minute!…This song is one of my Talking Heads's favorites!…Hey Boys!…I like so much your cover!…Keep on Rocking!…Greetings from Spain!…」とかとか!!「Another great version of my loved The Velvet Underground!…Congratulations!…have managed to put the song on the sound of the album "White Light White Heat" !…that's a goal!…」とかとか!! ヤッター!!

今日のアレな話。猫DJうちではやってほしくない

12月6日 男は言うほどつらくない

今月に入ってからのやる気のなさすごい。なんにも焦る要素ないのに焦りが空回りしてる。今日はわりとがんばった。わりとがんばったけどがんばる順番を間違えた。人は (僕は) めんどくさくないことから手をつけるという気づきを得た。

グラミー賞のノミネートが発表された。 Frank Oceanが取っちゃったら痛快だよね。いろんなサイトで年間ベストが発表されてる。僕の年間ベストは大晦日恒例の「茶番のない紅白歌合戦」で発表する気概がある。ところでPSYが日本で売れなかったのは、プロモーションの問題や嫌韓の問題じゃなくて、歌って踊れるデブの座席がもう満杯だったからではないか。もちろんPSYはグラミーにも僕の年間ベストにも入ってない。韓国にはもっと素敵なポップミュージックがいっぱいある。
 どんな曲でもダンスミュージックに変換しちゃうサイトが話題。mp3を放り込めばいいんだって。これ始めたら1週間無駄にする自信あるんでやってない。

中村勘三郎さんが亡くなった。歌舞伎は生で観たことがないけど、子供の頃 現代劇のテレビドラマで観た愛嬌たっぷりで粋な兄ちゃんの印象がずっと残ってる。病室でも息子たち相手に女の話をして、奥さん入ってきたら慌てて寝たふりしてたらしいよ。ワタリウム美術館の和多利志津子さんも亡くなった。南青山の小さな、でも意欲的な美術館。
 ジャズピアニストのDave Brubeckが亡くなった。正直ご存命とは知らなかった。91歳。アルバム「Time Out」の「Take Five」って曲が大ヒットした。昔はインストのヒット曲がわりとあったらしい。どれくらいヒットしたかっていうと、そば屋の出前の兄ちゃんが自転車で口ずさむくらいヒットした。「Jazz Impressions of Japan」って不思議なアルバムが大好きだった。「Dave Digs Disney」はよく女の子にプレゼントしたな。僕が彼から学んだことは、素敵な音楽を知ってる男が必ずしもモテるわけではない、ということだ。

12月8日 EMERGENCY!!

自分の曲を無理やりバンドのレパートリーにねじ込んだはいいけど、そうとう簡略化したはずなのに難しい。あまりにも難しい。誰だよこんな曲書いたやつ…僕か。僕が弾いて歌うのか、明日までに。そもそもベース弾き語りなんてしたことないよ。緊急事態なのでハーゲンダッツのチョコレートブラウニーを食べていいこととした。
 今夜は日記どころではない。

12月9日 すべての女はおじさんにごめんなさいを言うために生まれてきた

バンドでスタジオ入り。きのう練習してた自分の曲はどうなったか。デケデケデケデケ (ドラムロール) 酷い出来だー!! (ドシャーンパンパンパン スタトン)
 きのう、ひょっとして明日がんばればいいのではないかと思ったのだ。気づいたら二度寝だ。それでもリカバーできると思った。まさかの三度寝だ。何度かセッションして構成とアレンジのアイデア出して、社に持ち帰って検討させて頂くこととした。

自民党が酷い。同性愛者についてのアンケートに「人権施策は必要ない」。改憲案については「そもそも国民に主権があることがおかしい (原文ママ) 」「宗教団体による政治上の権力行使を可能に」「公益及び公の秩序に反する表現行為を禁止 (判断するのは行政だから、この日記もいま読んどかないと検閲されちゃうかもよ) 」。
 「『永久に戦争を放棄する。人間は平等である。 世界の平和のために国として貢献する』日本の憲法第9条はまるでジョン・レノンのイマジンと同じことをうたっているのです (忌野清志郎) 」。

日本維新の会も酷い。石原慎太郎「パラオで面白いことが起こった。密漁してるシナの漁船を沈めて殺しちゃった。これは見事というか、うらやましい、という妙な話ですな」。幸福実現党も酷い。「スピリチュアル党首討論」降臨…というよりものまねで勝手なこと言わせてる。いろいろおかしい。
 政党政治は日本においては全く機能してない。全部の主張に同意できる政党なんてないわけで、政党を選ぶんじゃなくて政策ごとに選べるようにできないかな。政治家自身もそうだ。政党の政策に100%同意してるわけじゃないけど、椅子取りゲームに勝つためには有利な政党の公認が欲しい。

きのうは久しぶりに大きな地震があったね。1メートルくらいの津波もあったらしい。東北大地震の津波がすごかったから1メートルとか舐めてかかっちゃだめだよ、巻き込まれたら死亡率100%だってよ。

120年前に作られた、鳥の言葉を話す機械。そして機械の言葉を話す鳥

12月11日 ノンデライコ

ベースのレッスン。師匠にオリジナル曲を聴いてもらった。「いかにも打ち込みで作った曲だな、これ弾くの大変だよ」そうですよね…。もともとマッドチェスターをイメージして作ったんだけど、作曲者 (僕だよ) が弾けなくて模索中なんだ。「ベースこんなに動かなくていいよ、Rick Dankoのイメージで弾いてごらん」なるほど!!「In A Station」とかそんな感じになったらかっこいいね。

果樹園のまんなかに3棟だけ並ぶ、夕暮れ団地のわが棟の裏は選挙演説スポット。道路が行き止まりで路駐しやすいから。でも聞いてる人10人くらいしかいない。街で声掛けて訴えるとか何時代だよ、リイクニかよ。僕のくだらない日記だって600人読んでる。ネット選挙やろう。
 今度の選挙のことを考えると気が重くなる。ここ数日は語りすぎた。とりあえず憲法を変えるということについてこれ読んで。忌野清志郎さんと太田光さんのちょっといい話もあるよ。

12月13日 スイッチを入れなくてももうすでに音楽は流れてる

きのうは中田真由美さんのライブを観てきた。圧倒された!! 月並みな言葉だけど、存在自体が音楽みたいな方。日本の多くのシンガーソングライターは、感じたことを情念ってフィルターを通して曲にする。中田さんはその行程をすっとばして、そのまま歌声に、グルーヴにする。陥りがちな定石を軽くすり抜けて、ほんとうに楽しそうに歌う。だからこそ、聴き手に音で景色を見せてくれる。まいったな、やつは魔法を使う。
 終演後、お店のマスターと話してたら「昔アポロチームでドラム叩いてました」ギャース!! 伝説の名バンド。そしてなにより、ボーカル・ギターの久保雄一郎さんはいま我がバンドの遠距離メンバー。「アポロチーム好きだった、みんななにしてんのかな」ってブログを読んだことがある。お答えしましょう。久保雄一郎さんは教師をしながら曲を書いてる。小林功弥さんはguestってライブハウスのマスター。で、お2人はいまでも交流があるし、いまの仕事に誇りを持っていらっしゃる。
 話が盛りあがって終電逃して、中田さんと小林さんと朝まで飲んだ。楽しかったー。

Ravi Shankarが亡くなった。George Harrisonのシタールの師匠で、Philip Glassとアルバムを作ったり、映画音楽をたくさん手がけたり、インド音楽と西洋音楽の接点を作った方。Norah Jonesのお父さん。

今夜から明日の朝にかけてはふたご座流星群のピーク。中心はもちろんふたご座だけど、全天で見えるからできるだけ広いところで見あげるといいよ。今年はいい条件だよ。

12月14日 とんでもないのを選んでみないか

清志郎の言葉がまるで予言みたいだ。写真が見れない人のために書き起こすよ。

「地震の後には戦争がやってくる。軍隊を持ちたい政治家がTVででかい事を言い始めてる。国民をバカにして戦争にかり立てる。自分は安全なところで偉そうにしてるだけ。阪神大震災から5年。(中略) 復興資金は大手ゼネコンに流れ、神戸の土建屋は自己破産を申請する。これが日本だ。私の国だ。とっくの昔に死んだ有名だった映画スターの兄ですと言って返り咲いた政治家。弟はドラムを叩くシーンで僕はロックン・ロールじゃありませんと自白している。政治家は反米主義に拍車がかかり、もう後もどりできゃしない。そのうち、リズム&ブルースもロックも禁止されるだろう。政治家はみんな防衛庁が大好きらしい。人を助けるとか世界を平和にするとか言って実は軍隊を動かして世界を征服したい。
 俺は (中略) 好きな音楽をやっているだけだ。それを何かに利用しようなんて思わない。せこい奴らとはちがう。民衆をだまして、民衆を利用していったい何になりたいんだ。予算はどーなってるんだ。予算をどう使うかっていうのはいったい誰が決めてるんだ。10万円のために人を殺す奴もいれば、10兆円とか100兆円とかを動かしてる奴もいるんだ。一体この国は何なんだ。俺が生まれて育ったこの国のことだ。君が生まれて育ったこの国のことだよ。どーだろう、…この国の憲法第9条はまるでジョン・レノンの考え方みたいじゃないか? 戦争を放棄して世界の平和のためにがんばるって言ってるんだぜ。俺達はジョン・レノンみたいじゃないか。戦争はやめよう。平和に生きよう。そしてみんな平等に暮らそう。きっと幸せになれるよ」。

いまなんであなたがいないんだろうか。あなたにいまのこの国を誇れるだろうか。とっくの昔に死んだ有名だった映画スターの兄はきのうこう言った。「日本は核を持たなきゃだめですよ。持たない限り一人前には絶対に扱われない。日本が生きていく道は軍事政権をつくること。徴兵制もやったらいい」。元自衛官のたきさん (@takivictory) はこうtweetした。「元自衛官として、徴兵制には断固反対。五倍以上の難関を通り抜けても、ヤバい奴は混じる。徴兵制では、フィルターが効かずにそういうヤバいのが人殺しの技術を学び社会に出てくる。そいつが加藤みたいな事件起こしたらあの五倍は死ぬぞ? 本当に解ってるのかね?」。
 どんな考え方の人でも、たとえ君が戦争したくても、16日は投票に行こうぜ。なんで行くかは乙武洋匡さんのブログを読んで。誰を選んでいいかわからない人は迷える有権者.comを開いて、悔いのない選択を。

きのうはふたご座流星群のピークだった。1時間に40個くらいって予報だったけど、全然そんなレベルじゃなかった。あと数日は見れると思うよ。

12月15日 目覚まし時計は歌う

この国に生まれ育って40年、初めてついに戦争が起きる気がしてる。みんな選挙に行こうぜ。うちに届いた投票整理券を持って受付の人に渡せばやり方親切に教えてくれるよ、簡単だよ投票は。
 アメリカの小学校で銃の乱射事件。子供と容疑者を含めて27人が死亡した。銃を規制すればいいって単純な話じゃないけど、銃とともにあったアメリカの文化が、銃の使い方を忘れてきてるのは確かだ。平和憲法とともにあった日本の文化も、憲法の使い方を忘れてきてる。

マヤ暦では世界が滅亡するとかしないとか。世界滅亡説を特集してたムーに次号予告が載ってたとか。

12月16日 どこかには着くだろうねって

秋山羊子さんとmayulucaさんのライブを観てきた。お2人は忘れてるかもしれないけど、音楽業界のことなんかなんにも知らない僕が、お2人の対バンライブを企画したこともある。つまりは大好きなミュージシャン。乗り継ぎ乗り継ぎ白楽って街に行った。人が暮らしてきた軌跡が確かにある素敵な街。会場のnolla cafeも、板張りの小さな空間に黒猫が闊歩する素敵なお店。もうすぐ富山に引越しちゃうんだって。

最初に登場したmayulucaさん、ループサンプラーを使ってギターやピアニカや風鈴の音を重ねてく。ポップスとして成立するあの曲もこの曲も、ループサンプラーが映えるシンプルなコードの繰り返しであることに改めて驚かされた。最初に彼女の音楽を聴いた時、空気公団みたいな滑らかな手触りが印象的だったけど、そんなものに喩えられない魅力の秘密が紐解かれていった。ミニマリズムのクールさと、まるい歌声の暖かさのバランスが描き出す風景に引きこまれた。
 次に登場した秋山羊子さん。一時期病的に痩せていて、その頃僕も精神状態よくなかったんで、距離を置いてたとこあった。今日はお互い顔つきがずいぶん健康的になってた。あの頃は痩せた体から捻り出すような歌のパワーに圧倒されたけど、痛々しくもあった。今日はいい意味で弾き過ぎない、歌い過ぎない、確かな情熱をうちに秘めた気持ちいい演奏だった。ラストは二人でnolla cafeを送り出す意味で「出発」を。声の相性のよさにびっくり。それに実はグラスハープで参加してたマスターのお茶目さににっこり。

穏やかな空間。穏やかな時間。

12月17日 誰かに負けたとするならば

衆議院選挙は予想通りの、そして期待はずれの結果だった。日本は平和憲法を捨てて愚かな侵略戦争をするかもしれない。誰かがお金持ちになるためにコントロールしきれない原発に灯がともるかもしれない。
 さすがにこんなことは起こらない、は起こる。例えばおととし「マグニチュード9.0の地震が起きて21メートルの津波が押し寄せて原発がメルトダウンする」なんてSFのプロットを書いても、荒唐無稽すぎるって却下されただろう。人がすることだっておんなじだ。子供の頃、ベルリンの壁が一晩で開放されるとか、南アフリカに黒人の大統領が誕生するとか、ワールドトレードセンターに旅客機が突っ込むなんて、誰も想像してなかったんだぜ。

なにかに負けたとするならば、排外主義者に負けたというより無関心層に負けた。自民党の支持率は、前回大敗した時より低い21%だった。それでも今回大勝したのは、野田政権に対する失望がまずひとつ、戦後最低の投票率がもうひとつ。投票率が低ければ、組織票を持ってる党が勝つ。ナチス党の支持率も半分以下だったけど、投票率が低かったために正当な選挙に勝利して、結果としてあまりにも多くの命を奪った。ネット上にも「選挙に行けっていう同調圧力w」なんて嘲笑してる人がいた。そんな人々が戦争で死んでも原発事故で死んでも知ったことではないけど、とばっちりで僕が死ぬのは嫌だから未来を考えて欲しかった。
 政治や選挙結果に頼らないで自分で動けって人もいる。その通り、いま期待できるのは自分だけだ。でもこの国でもかつては言論統制や思想犯の処罰があり、また起きる気配がある。そうなる前にできることをとりあえず考えようか。あの政党に投票した人がどういう考え方なのか知ることから、自分の思考とほんとうの変革は始まる。

12月18日 なぜ日本の政治家は魚を振りかざすのか?

選挙の前に、選挙行け日記を繰り返したことについて、ちょっとした反省もある。もちろん投票するのは大事なことで、これからも選挙行けって言うと思う。でももっと大事なことは、普段から見て聞いて学んで、社会のことや自分について考えること。選挙の日だけしか考えないと、「違うのを試したけどだめだったから、前のに戻しましょう」みたいに、お醤油選ぶ感覚で投票することになっちゃう。
 思考するって実はすごく難しいことなのかもね。選挙ってなんなのか、未来を思考するヒント、みたいなのを義務教育でやってほしい。もちろん大人に対しても。池上彰さんがNHK時代にやってた「週刊こどもニュース」、いま起きていることの背景をちゃんと説明してくれる番組で、あれで学んだことは非常におおきかった。放送してたとき、僕立派なおじさんだった。問題の本質すっとばしたニュースを見てわかったつもりになってもだめだなー。

もうひとつ、選挙の結果と周囲の反応を見て痛感したのは、僕自身が似た考えの人としか交流してないってこと。僕のタイムラインでは開票速報を受けて失望のポストが並んだんだけど、探してみたらあったんだ、「今夜は酒が旨い」ってタイムラインが。タイムラインを構築するのは自分自身で、どうしても気の合う人が集まってしまう。幅広い意見を収集するのは難しい。オンラインでもオフラインでも。
 今回の選挙で自民党に投票した人の中にも、憲法改正や原発って観点じゃなくて、自民党の経済政策に期待して決断を下した人が少なからずいると思う。実際きょう、平均株価がずいぶんあがった。僕は経済っていう概念が、もう本来の「経国済民」って理念からかけ離れて形骸化してると思ってるんだけど。自公維に投票した人は (話したことないけど) 敵!! っていう人は、中国人や韓国人は (話したことないけど) 敵!! っていう人と逆のようで、よく似た思考停止に陥っている。違う考えの人を知ることから、自分の思考は始まる。

意見の違う政治家が当選したとしても、その人は自分たちの代表なわけで、その人に対して考えを伝えていったらいい。でで、こんなサービスがある。自分の意見を箇条書きにまとめてくれる。僕は僕の選挙区の当選者に出したよ。

体重計がつまらない冗談を言う。そういうのいいから。

12月20日 いますごい転調したこのバンドの名前を僕は知らない

18日は、twitterで知り合ったソフトロックバンドのボーカルさんと飲んだ。Monochrome SetやLotus EatersやTelevision PersonalitiesやFriendsのフロントアクトをやったことがあるとか。TVPの楽屋話は最高に狂ってた。楽しかったー。
 いまは実質解散状態で、なんでか我がバンドに参加したくて何度もメーラー立ちあげては閉じてたそう。あの轟音の中で彼女のウィスパーヴォイスをどう拾うかって技術的な問題はあるけど、バンドの次の方向性のヒントになると思う。

それにしてもtwitterで知り合った方と飲んで、イメージ違ったことない。隠すものがない状態でみんないる。僕もいる。Facebookじゃさらけださない。
 ネットの存在は若い人の面白さと関係がある。好奇心を共有できる人と出会いやすい。情報交換して触発して成長して。僕が音楽に出会った頃、一番有効なソースはレコード屋の店頭で、独りで試聴して誰とわかちあうこともなかった。音楽ビジネスは死んだかも知れないけど、音楽シーンはいま充実した状態にあって、小さい街からネットを通じでムーブメントが起きてる。もちろん一方では、今回の選挙結果の反応みたいに、違う考えに触れないまま育って自家中毒に陥る危険性もはらんでる。

週末に鍋会やるんでだらだら掃除してる。ルンバよ、僕にもこの状況で「仕事おわりました!!」って言える度胸があったら、まだサラリーマンやってたかもしんないな。

12月21日 風街のロマンティシズムとセンチメンタルな通り、そして失望について

僕は東京の西麻布という街に生まれ育った。地元の人は高樹町と言った。たぶん地方の人からみたら目のかたきみたいな街。でもその街の本当の姿を語る人は殆どいない。長渕剛的野心に追い出されて、もうそこにはその街の人は住んでないから。僕の先祖がこの土地にやってきたとき、ここは一面の桑畑でおそらく養蚕農家だった。たまたま100年後に地価があがり、人が死ぬたびに相続税が払えずに去っていったとして、それでもその街に罪があるだろうか。
 東京の資本が地方の商店街をシャッター街にしたとするならば、その東京の企業で旗を振っていたのは本当に東京の人だろうか。東京の資本と呼ばれる地方の野望は、東京の商店街をも死の街に追いやった。東京はもともと徳川幕府が沼地を埋め立てて、地方の職人を集めて形作られたキメラだった。夜になるたびに死んで、朝になるたび息を吹き返してきた場所。それでも数世代を過ごした我が家にとって、ここはふるさとだった。ひとつだけ確かなことは、僕の実家を買い取った金沢の商人が、その権利をお金の遊びに使い、幸か不幸か廃墟としてまだ建っていること。

今日は、建物の表札を「ヌスル」活動をしているイラストレーターのY.H.さんに、我が実家の表札をヌスってもらった。彼が表札の拓本を始めた時、なんでもない街の情景を美術館に押しこむのがひとつのコンセプトだったと思う。でもそれにひとつつけくわえるとするならば、そこには確かに人の営みがあったということだ。
 そのあと、麻布や広尾を闊歩するモデルたちが知る由もない、でもいまでも確かにある麻布や広尾の原風景を彼に見てもらった。それは細野晴臣さんが、鈴木慶一さんが歌い続けた風景。もうレコードの中でしか思い出されることもない風景。Y.H.さんと飲んで恋を語って夕暮れ団地に向かう帰り道、大きな声でmoonridersの歌を歌った。鈴木慶一さんの美意識を目の上のたんこぶと思ってた世代、そのリスナーたちに聴かれることのなかった音楽。小西康陽にはとても書けない音楽。いま、20代のミュージシャンたちにやっと再発見されてる音楽。それは地方都市としての東京から生まれたからこそ、世界に通じている。

12月24日 君、まだサンタはいないなんて思ってんの!?

22日は我が家で鍋会、バンドのメンバーや古い友達が集まってくれた。全員を知っている人が僕しかいない状況で、うまく会話を回すべきだったんだけど、基本ひきこもりなんでそんな器用なことはできなくて、自分の話してしこたま飲んで酔っ払った。その代わり猫たちが皆さんの御機嫌伺いしてくれた。と思う。
 きのうは音楽Ustream「おふとんの中からお送りするbelieve the music again」やった。タイムラインに流れてくるみなさんの年間ベストを見て初めて知った今年の名曲と、クリスマスソングをかけた。連日の飲酒で会話のポテンシャルが尽きて、テンション低いサンタ帽のおじさんが映った。

今日は公用に近い私用で外出。ガールに「薬局の看板娘がサンタコスで『来ちゃった』ってピンポン鳴らさないかな」って言ったら「絶対来ないし寒気したし山下さん現実見たほうがいいよ」って返されて少し凹んだ。なら君が来ればいいじゃんか。クリスマスプレゼントに香水を頂いた。おまえ臭いよのサインかしら。
 それにしてもサンタコスは生地を厚手にするべき。サンタ服の上からコート羽織られちゃうと…いやそれもまたよし。

ここ数日、星と月がもうやばい。

12月27日 スクリュー式耳かきってこういうことか!! もしくは紳士同盟の皆さんへ

25日は秋山羊子さんのバースデーライブに行った。ゲスト梅津和時さん、多田葉子さん。一曲目に持ってきた新曲で、なにか素敵なことが (また) 始まる気がした。16日に観にいった時も書いたけど、秋山さんが病的に痩せてた時は演奏に悲痛な力があった。体調が戻って音楽に無理がなくなって、もっと生物的な快感、グルーヴに安心して浸れるようになった。ブラスアレンジも秋山さん。ブラス奏者が書かないようなフレーズを吹きこなす強者おふたりも楽しそう。音から景色がどんどん広がっていった。最高の友人であると同時に、天才音楽家としての秋山さんが大好き。幸せな夜だった。
 恒例のバースデーライブなのにプレゼントらしいプレゼントしたことなくて、花束と朝崎郁恵さんのCDを差し上げた。花束は駅の花屋さんの出来もの。次は本気で選ぶので覚悟しやがれ。自分へのプレゼントはスクリュー式耳かき400円。Instagramのケーキとチキンのタイムラン見てダメージを受けたけど命には別状ないとの見解。

その夜、親友のお父様が亡くなったことを知った。心筋梗塞でほんとに急なこと。年末で大変だと思う。年末じゃなくても親の生きてきた痕跡を消していく事務作業は大変だ。悲しんでる余裕ない。これからはこういうことも増えるのだろうな。彼に年賀状出しちゃった後だった。
 webpoってサービスを知ってから、毎年自己満足のために年賀状出してる。twitter経由で送った方々はおおよそ面識がないけど「ありがとう、手続きしました!!」って言ってくれる。Facebook紳士同盟の皆さんまじで怖い (´-`) .。oO「今後こういうことはやめてくれ」「個人情報ネットに流したくない」「事務所通せ」皆さん面識ある。その割には怪しいアプリを嬉々として使って、そっから個人情報モレロって思いました。さらにFacebook側のチョンボでやむなくメッセージを連投するはめになり、そのFacebookに「お前メッセージ使いすぎだサービス停止にするぞ」って脅されて心が折れた。バンドを宣伝する目的がなければすぐにでも辞める。

そんなときは猫抱いて音楽聴いて。今年のお気に入りアルバムを聴き直してる。ここから年末のUstream「茶番のない紅白歌合戦」や、来年皆さんに配るMix CDが選ばれる。その前に俺的レコード大賞を発表する所存。

12月29日 Smile Again

きのうは中田真由美さんのライブを観にいった。彼女がソウルメイトと呼ぶ原名蕗子さんとのデュオ。2人でギター持って並んで、交互に歌う。一緒には歌わない。おふたりのプライベートな忘年会の隅っこにお邪魔させて頂いてる気分。
 中田さんは本当に楽しそうに歌う。自分の言葉と自分のグルーヴを持ってる方。ピレネー山脈からアメリカに渡ったような、でも時に島唄のようなこぶしと、どこまでも伸びていくまっすぐな歌声のタペストリーが描き出す景色に浸った。原名蕗子さんはフォークのマナーに法ってるみたいで、でもそこから飛び出しちゃう個性が光るシンガー。丸っこい鼻声が気持ちよくて、でもときどき演歌みたいなデス声が気持ちよさそうで。家を出るときに台所のリンゴが目について、これ中田さんが食べるべきじゃないかなと思ってふっとお渡ししてみた。
 で。某ライブハウスのマスターとの確執が決定的になった。マスターはいつも穏やかな笑顔で、でも眼が笑ってないことには通い始めてすぐ気づいてた。一介の客としては素敵な音楽と美味しい食事を頂ければ満足だけど、事実無根の言いがかりをつけられるようだと怖くてとても通えない。僕はよくも悪くもストレートだから、不誠実なものごとにはすぐダウト! を言って人とぶつかるし、それでたくさん失ってきた。

Fontella Bassが亡くなった。クラシックソウルの大歌手だけど、僕はThe Cinematic Orchestraで知った。お葬式にはすごく暑いかすごく寒い記憶しかない。つまりたとえ病室にいたとしても、暴力的に暑かったり寒かったりすると、体も心も弱るわけだ。年の瀬になってあれ? ってことが立て続けに起きて、胸にぽっかり穴が開いた。
 きのうは独り自責の夜。でも関係者の皆さんから暖かい言葉を頂いて、少しだけ救われた。中田さんの歌では「Smile Again」が好きだ。

12月30日 2012年QUIET LIFE的レコード大賞

Song Of The Year
01 : Jhameel "How Many Lovers" YouTube / amazon
02 : Cero "Cloud Nine" YouTube [LIVE Ver.] / amazon
03 : Regina Spektor
 "Don't Leave Me [Ne Me Quitte Pas]" YouTube / amazon
04 : tofubeats "水星 Young & Fresh mix feat. 仮谷せいら" ototoy
05 : Esperanza Spalding "Black Gold" YouTube / amazon

Popular Album
01 : Bobby Womack
 "THE BRAVEST MAN IN THE UNIVERSE" YouTube / amazon
02 : Quantic & Alice Russell with The Combo Barbaro
 "LOOK AROUND THE CORNER" YouTube / amazon
03 : Jhameel "CONTRAST" YouTube / amazon
04 : Hospitality "HOSPITALITY" YouTube / amazon
05 : Cat Power "sun" YouTube / amazon
06 : Regina Spektor
 "What we Saw from the Cheap Seats" YouTube / amazon
07 : Computer Magic "SCIENTIFIC EXPERIENCE" YouTube / amazon
08 : Dirty Projectors "SWING LO MAGELLAN" YouTube / amazon
09 : The Narcoleptic Dancers "NEVER SLEEP" YouTube / amazon
10 : The Producers
 "MADE IN BASING STREET" YouTube [LIVE] / amazon

Electronica Album
01 : Mala "IN CUBA" Album Of The Year YouTube / amazon
02 : Carlos Nino & Friends "AQUARIUSSSSSSS" YouTube / amazon
03 : Frank Ocean "channel ORANGE" YouTube / amazon
04 : Clark "IRADELPHIC" YouTube / amazon
05 : The Orb Featuring Lee Scratch Perry
 "THE ORBSERVER in the star house" YouTube / amazon

Japanese Album
01 : Cero "My LoSt City" YouTube / amazon
02 : トンチ "おたから" YouTube / amazon
03 : 石橋英子 "imitation of life" YouTube / amazon
04 : camera-stylo "coup d’Etat" amazon
05 : ECD "DON'T WORRY BE DADDY" YouTube / amazon

Jazz Album
01 : Vijay Iyer Trio "accelerando" YouTube / amazon
02 : Esperanza Spalding "RADIO MUSIC SOCIETY" YouTube / amazon
03 : Najponk / Honzak / Fishwick "THE REAL DEAL" YouTube / amazon
04 : Robert Glasper Experiment "BLACK RADIO" YouTube / amazon
05 : Ahmad Jamal "BLUE MOON" YouTube / TOWER

World Album
01 : Amadou & Mariam "FOLILA" YouTube / amazon
02 : TriBeCaStan "new deli" YouTube / amazon AMERICA
03 : Balkan Beat Box "GIVE" YouTube / amazon
04 : New York Gypsy All Stars "ROMANTECH" YouTube [LIVE] / amazon
05 : Mory Kante "la guineenne" YouTube / amazon

Classic Album
01 : Peter Broderick "http://www.itstartshear.com" YouTube / amazon
02 : Jherek Bischoff "COMPOSED" YouTube / amazon
03 : Icebreaker with BJ Cole "APOLLO" YouTube [LIVE] / amazon
04 : Sundog "INSOFAR" YouTube / amazon
05 : Hilary Hann & Hauschka "SILFRA" YouTube / amazon

Soundtrack Album
01 : John Brion "THIS IS 40" YouTube / amazon
02 : Samite "Trust" YouTube / amazon
03 : Air "LE VOYAGE DANS LA LUNE" YouTube / amazon
04 : Badly Drawn Boy "Being FLYNN" YouTube / amazon
05 : Bob Marley "Marley" YouTube / amazon

Live Album
01 : Paul Simon "LIVE IN NEW YORK CITY" YouTube / amazon
02 : 奇妙礼太郎トラベルスイング楽団
 "LIVE GOLDEN TIME" YouTube / amazon
03 : 小沢健二 "我ら、時" YouTube [告知Ustream] / amazon
04 : Wire "The Black Session" amazon
05 : Caetano Veloso & David Byrne
 "Live at Carnegie Hall" YouTube / amazon

Tribute Album
V.A. "MOJO presents Pet Sounds Revisited" YouTube / amazon

Christmas Album
V.A. "HOLIDAYS RULE" YouTube / amazon

Remix Album
Philip Glass "REWORK_" YouTube / amazon

Reissue Album
My Bloody Valentine "loveless" YouTube / amazon

Best Live
01 : Narasirato / 朝霧アリーナ [朝霧JAM] 10.7
02 : Seun Kuti & Egypt 80 / 苗場スキー場 [FUJI ROCK FESTIVAL 7.28
03 : 小沢健二 /
 初台オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル 3.30
04 : The Beach Boys / 幕張QVCマリンフィールド 8.15
05 : 片想い / 苗場スキー場 [FUJI ROCK FESTIVAL] 7.29
06 : Fleet Foxes / 新木場Studio Coast 1.20
07 : チャットモンチー × 七尾旅人 / 赤坂BLITS 6.26
08 : Open Reel Ensemble / 朝霧アリーナ [朝霧JAM] 10.6
09 : 電子たくあん / 秋葉原Club Goodman 1.6
10 : The Shins / 苗場スキー場 [FUJI ROCK FESTIVAL] 7.29

功労賞
ご過労 : Damon Albarn YouTube / amazon
ご長寿 : The Beach Boys YouTube / amazon
ご臨終 : Dave Brubeck YouTube / amazon

期待はずれで賞
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