DIARY 2017年9月


9月1日 ガラスみたいに突き刺して、フィルムみたいに忘れない

暑いのが苦手な僕も、夏の終わりには感傷的な気分になる。きのう今日は涼しいを通り越して、朝晩は寒いくらいだ。「ほんとのこと知りたいだけなのに、夏休みはもうおわり」。
 子供の自殺は9月1日が多い。上野動物園。「学校に行きたくないと思い悩んでいるみなさんへ。アメリカバクは敵から逃げる時は、一目散に水の中へ飛び込みます。逃げる時に誰かの許可はいりません。脇目も振らず逃げて下さい。もし逃げ場所がなければ、動物園にいらっしゃい。人間社会なんぞに縛られないたくさんの生物があなたを待っていますから」。僕は学校に行きたくなかったけど、行かないって選択肢を思いつかなかった。死にたい子供には、学校がすべてじゃなくて、大人になると自分で居心地のいい環境を作れるって言いたい。生きてりゃいいことあるとは限らないが、死んだらいいことないのは確か。

斉藤騎一さん。「子供の頃にイジメにあってきた人間は『○○するから、皆おいでー』みたいな誘いの場合、意思を表示したときの『おめぇには聞いてねぇよ』と言われるあの心臓ギュンってなる恐怖があるから言えなくて、なので、初めから『みんな』の中に自分は入っていないのだと思いながら生きている」。そんな話をイナダミホさんとしてたら、「わたしはね、集団の中で『その他』でも、自分にとっては世界の中心は自分にあるから大丈夫になった。親友が1人いるだけで幸せ。親友ごっこはいっぱいあるもんねー」。目が覚める思い。
 そういえば僕は夏休みの宿題をしない子だった。明日やればいいと思ってるうちに夏休みが終わっちゃったから。で、僕の現状を鑑みるに、宿題やったらどうですかね。宿題やらなかったのに立派な大人になった人はいるけど、ならなかった人はもっといる。

30日はたなまちゃんのASOBOiSM@四谷天窓へ。天窓っていったらインディー女性SSWシーンのメッカ。たとえ命を削って歌っても、音楽そのものより身近なアイドル的な癒やしが求められてる小屋で、ヒップホップやるたなまちゃんの勇気にまず驚いた。
 ところでケンタッキーってセットが5系統くらいある上に、時間によって組み合わせが変わったり、カウンターの下から別のメニューが出てきたりするよね。どれを買っていいかわからなさでは、携帯屋、プロバイダー、保険屋に匹敵する。同じもの頼んで店員さんによって値段が違うよなあなんてもじゃもじゃしてたら、隣にすごい可愛い女の子が座ったので文句はない。1ミクロンもない。むしろ神様ありがとう。やっぱり美味しいし。って気分で高田馬場へ (四谷と言いながら高田馬場にある。昔は四谷にあった) 。

たなまとはアコギ弾き語りのSSWとして出会った。だんだんリズムへの興味を深めていって、ついに結成したのがヒップホップユニットASOBOiSM。大きな決断だったと思う。デビューライブ観に行った。その翌日に相方が辞めて、いまは大きい箱ではサポートDJを入れて、小さい箱では1人でぜんぶやってるんだって。
 僕は1人ASOBOiSMを観るのは初めて。新しい機材を導入したとかで悪戦苦闘して、でも失敗を笑いに変えちゃうところにたなまのショーマンシップを見た。楽曲もトラックもパフォーマンスも素晴らしいし、なにより楽しい。SSW時代のたなましか知らない方には戸惑いもあったみたいだけど、僕は数年みててこれは自然の流れだと思った。たなまの人間性も、音楽の核も変わってない。それをキーワードにするならば、Don't worry, be happyってことなんだろう。

この日はブッキングが素晴らしかった。全組楽しく聴けた。特に気になったのが、たなまがMCで「楽屋で脇がきれいって話で盛りあがって」って話してたGIVE ME OWさん。たなま的なお笑い系を想像してたらすごい美人さんが出てきて、ノースリーブの脇にどうしても目がいった。でもMCは気さく!! 普段はChelsyってバンドで活動してるそう。片想いや失恋の歌が多いんだけど、情念に流れずにポップソングのマナーで切なく聴かせるところ、なによりその歌声に惹かれた。
 そしてaroさん。山中湖村で実家の旅館の女将をしながら、年間200本のライブをこなすタフなミュージシャン。暮らしてる環境からか、大地や星や、自然への畏怖を痛感してるのがひしひしと伝わってきた。それはプログレ的でもあり民族音楽的でもあり、音楽って現象の原始の姿さえ思い起こさせるパフォーマンスだった。

31日は素敵女子な訪問看護師さんと楽しくお喋り。音楽のこと、美術のこと、写真のこと。こういう話ができる相手でとても嬉しい。そして美容院へ。外に出て涼しさに驚愕。うちは陽当たりがよすぎて、いつでも暑いんだよ。美容院の鏡の前に座って、屈辱を感じない程度には痩せた気がする。実際体重も体脂肪率も順調に減ってる。問題は気づいてくれるガールが少ないことだ。美容師さんに後頭部の絶壁を隠せないか相談したら、「絶壁の部分の髪の生えてる向きがぐちゃぐちゃだから、ボリュームの出しようがないんですよね。やるならドレッド」。美容師さんが頑張ってくれて、ドレッドはまぬがれた。セットの時に、髪の向きと逆にブローするっていう荒技ではあるが。
 今日は溜まってた疲れで1日寝込んでた。猫たちが察してぴったりくっついてくれた。優しい生き物だ。

音楽の悲しいニュースがあった。日野皓正が、指導してた中学生バンドのライブの本番中に、ドラマーを叱って往復ビンタをした。理由はその生徒のソロが長すぎたから。この件について皆さん喧々諤々、色んな意見が出た。情報が断片的だから、責任の所在はわからないよ。でもこれ、いろんな意味でダメだと思う。
 音楽は決められた小節だけ演奏すればいいものではない。なまものでいくらでも変容していく。ってことと、いずれにしろ体罰で止めるものではない。演奏者にとっても、指導者にとっても、観客にとっても。1番の被害者は、殴った殴られたの外にいる観客だ。そのあとライブはどうしても変な空気に盛りさがるし、観客はモヤモヤを抱えたまま帰ることになる。観客の心情を無視しても演奏のクオリティを上げたいのなら、それはただのマスターベーションだ。

もうひとつ、botで流れてくるたびにやるせない気持ちになるトータス松本の言葉。「俺、ちっちゃい声でもの言う奴って伝えたい事がないと思うねや」。声がでかい人が正義って社会の不条理に苦しんできたし、僕は小さい声の持つ大きな想いを受け取れる人でありたい。それから、美輪明宏さんの、評判の道徳論に微かな違和感。大衆芸能ダメですか。シャンソンは歌謡曲だっていち早く見抜いた方なのに。
 「映画人として、語ることがある―大林宣彦監督に聞いた長岡花火、そして戦争のこと」。必読。細馬宏通さんという方を、「うたのしくみ」まで存じ上げなかったんだけど。あまりの論評の新しさとわかりやすさ、活動範囲の広さに、いまだに何者なのかわからない。大島弓子さんが70歳の誕生日を迎えた。24年組。いま読んでも素晴らしい作品たち、何世代もの人たちを感動させるのは大変なことだ。

Franz Schubertいったい本当に陽気な音楽というものがあるだろうか? そんなもの、僕はひとつも知らない」。大抵の人は悲しみを背負って陽気に振る舞う。その悲しみが見えない音楽はない。ときどき悲しみを情念のまま吐き出す音楽があって、個人的にそれは苦手なんだよ。Glenn Gouldのボックスセットが出る。悩ましい。重量5kg!! 箸より重いものは持てないので買わないこととする。
 Sparksの新曲 "Edith Piaf (Said It Better Than Me) " 。今度のアルバムは特にいいんじゃないか。Deradoorianの新曲 "Mountainside" 。Courtney Barnett & Kurt Vileのデュオ "Over Everything" 。Squeezeの新曲 "Innocence In Paradise" 。CMにSt. Vincentがカバーした "All You Need Is Love" が使われた。ハンドパンを進化させたみたいなロシアの楽器Rav DrumRobert Glasperが来日する。

Sony Musicが、リミックス曲で使われてる原曲を検出するMixBankを作ってるDubsetと提携した。Sonyの曲を勝手にリミックスしてSpotifyにアップして、原曲の権利者にもお金が入る仕組みになるらしい。レコードの日の第一弾参加タイトルが発表された。
 Nakanoまるちゃんのクラウドファンディングのリターンが追加された。矢野顕子さんがファンと作るMV "Soft Landing" の第三弾が公開された。上白石萌音さんが「La La Land」の "AUDITION" を歌った。彼女はメインの活動は俳優さんでしょう。素晴らしい歌。

いけもこちゃんのアー写、大人っぽくなった。いけもこさんと呼びたい。僕の愛は変わらないけどな。ってツイートしたらファボを2つもくれた。結婚も秒読みだな。

9月4日 君は太陽

2日3日はあーた生誕祭2days@新代田crossing。ほんとの誕生日は3日で、ファンミーティング的な企画があったんだけど、そのために札幌からくるふーみんこと河鰭文成さんのために前日に企画されたのが、プチワンマンライブ「ずーっとあーたのターン!」。

雨模様の朝から開始時間が近づくにつれて穏やかに晴れて、秀逸なタイトルに相応しい和気藹々とした楽しいライブになった。ライブは曲名が書かれた紙を観客がくじ引きで引いて演奏するもの。ノベルティソング "得意料理はゆで卵" の次に新曲 "Cloudy" 、メッセージ色の強い "Iにうまれて" 、ファンキーな "pinhole" が続くなんでミラクルも。"Cloudy" は素晴らしいラブバラード、ソングライターとしてますます絶好調な様子が伺えた。終わってみればアンコール含めて16曲、プチワンマンというにはあまりにも充実した内容だった。そしてギネスを飲みすぎる欲望に忠実な私。いい音楽といいお酒。しあわせ。
 帰宅してラジオ「あーたとわかの23時にちんからほい!」を聴いた。毎回僕のメールしか読まれないんだけど、メール来てないのかしら。聴取率的に大丈夫なのかしら。番組が終わってすぐに書いた次回の放送へのメール、滑った気がする。

タイムラインを開いたら、あーたが「ぜんぜん明日の準備おわってないのに、すんごいねむい」ってツイートしてた。「明日できることは明日!!」ってレスを送った。翌朝、予想通り準備にてんてこ舞ってたみたい。あーたは「アリとキリギリス」って本を読んだほうがいい。
 生誕祭は夜の開催。人生初のくす玉を割ってスタート。あんでぃこと安藤力さん、ふーみん、つるうちはなちゃんのサポートを受けて、代表曲とも言える7曲を演奏した。合間合間にメンバーとの出会いや秘蔵写真にちなんだフリートーク、ファン垂涎の賞品が当たるビンゴ大会、似顔絵のケーキも登場して、穏やかで愛に溢れた夜だった。すべてはあーたの人徳と思う。ほんとだよ。ひとりひとりにあーた手作りのコースターと、丁寧な手紙が渡された。家に帰ってじっくり読んで、少なからず感動した。あーた一色の2日間だった。

今日はカウンセリングから役所へ...行くはずが二日酔いで寝込んでた。久しぶりだな二日酔い!! それだけ楽しく飲みに飲んだってことだ。あーたは5日6日にもライブがある。観客がこれだけ疲れてるんだから、準備に奔走してステージに立ったあーたの疲労はどれほどかと思う。秘密の動画を見てもっと痩せなきゃいかんと思った。猫の腹のたぽたぽをたぽたぽした。
 「かほく市ママ課『独身税』提案 財務省主計官と懇談」。ママ課ってネーミングセンスから突っ込みたいけど、こっちは好きで独身やってる訳じゃないんだよ。もーてーなーいーの!! 小田嶋隆さん「独身税は非モテ補助金とワンセットで運用すれば機能するかもしれないぞ」。ブサイクとかネガティヴは立派な障害で、人生に少なからずダメージを与えるので、それなりの補助をするべき。

タイムラインを驚くべきニュースが駆け巡った。Walter Beckerが亡くなった。67歳。「真夜中に流れるラジオからのスティーリー・ダン、遠い街の物語話してる」。Steely DanのフロントマンはDonald Fagenかも知れない。でもSteely DanにとってWalter Beckerがどれだけ大切かを、長文の原稿にしたことがある。Walter Beckerはギタリストで、決して歌が上手いとは言えないけど、ソロアルバムはなんとも言えない味がある。そして彼がプロデュースした、Rickie Lee Jonesの "Flying Cowboys" を聴いて欲しい。残念です。
 Mount Kimbieの新曲 "Delta" 。相変わらずかっこいい。来日公演のチケットも取った。Gregory Porterの新作はNat King Coleへのトリビュートで、"Smile" が聴ける。Daughterの新作はゲームのサントラで "All I Wanted" が聴ける。

日野皓正の児童虐待について、彼ほどの大物になると迂闊に批判できない空気が怖い。その中で「日野皓正児童虐待事件について元ジャズミュージシャンが考えてみた」って記事は興味深い。その反応に対するレスがここ。つまり、殴られたプレイヤーはジャズの持つ「逸脱」って美意識から外れてなかったんじゃないかって話。
 小沢健二さんの新曲 "フクロウの声が聞こえる" は、ポップでヒット性があると思ったら、SEKAI NO OWARIとのコラボだった。米津玄師さんとのコラボが話題になったDAOKOさんの新曲は、岡村靖幸さんとのコラボ。konoreさんのソロがやっと音源になる。リリースライブもある。絶対行く!!

もじゃもじゃ考えることがあって、いまの精神状態はSo-so。あんまり書かないけど僕にも嫌いな音楽がたっくさんあるし、嫌いな音楽があってよかったと思ってる。人間関係もまたしかり。

9月9日 for better or worse

鬱と感動と。波乱の日々。鬱の理由は簡単、僕の苦悩はすべて「孤独」で説明できる。家族が生きてるのか死んでるのか知るよしもない状況、ちょっとした人間関係のほつれを気にしすぎて話を大きくする性格。猫たちが僕の心を読んで慰めてくれる。こいつらがいなくなったら僕はどうなっちゃうんだろうかと思う。
 「相手のことを思って、優しい気持ちでいてくれる人ばかりじゃないってわかってはいるんだけど、でも心のどこかでいつもそうあってほしいなって思っちゃうんだよな」ってツイートの主が優しくなかった。僕もみんな優しい気持ちでいたらいいと思ってる。でもそうじゃない人に出会うことがままある。自分の中に攻撃的な一面を発見することもしょっちゅうあるよ。で、ますます自己嫌悪に陥って、詫びて詫びきれるもんじゃないけど取り敢えず詫びて、また寝込む。

奈良美智さんの大ファンで、豊田市美術館で開催されてるfor better or worseを観に行きたかった。強く薦めてくれた遊佐春菜さんと、車を出すよって言ってくれたN氏に背中を押されて、会期終了間近についに観に行った。運転はぜんぶN氏任せ、助手席に座ってるだけの楽ちんモードだけど。高速道路から海が見えた。何年ぶりに見たかな。ずっと見たかった。カウンセリングで受ける箱庭療法でも、いつも海を作ってた。いつか砂浜に座ってぼんやり海を眺めてみたい。その時は女の子が一緒だといいな。
 何回かの休憩を挟んで愛知県豊田市へ。豊田市美術館は、公立美術館とは思えないほど大きくてきれいだった。さすがトヨタのお膝元、潤沢な資金があるところにはある。美術館のレストランが混んでたんで、向かいのハンバーガー屋さんへ。美味しかった。

奈良さんの絵をKawaiiとして消費するのは簡単だ。でも実物を眼の前にすると、自分と対話するような感覚に包まれる。子供は無垢であるがゆえに、残酷だったり狂気を秘めてたり矛盾を抱えてる。奈良さんの描く絵も、柔らかくて強い。奈良さんは今でもあの眼をした、怒り迷い苦悩するロック「少年」なのだと思った。なぜなら僕もいまだにロック少年だから。会場に入って真っ先に目に入る壁一面のLPジャケットや、唐突に置かれたbloodthirsty butchersのギターケース。特にレコードのチョイス、バンドの代表作でもない、むしろ世間の評価は低くても、これいいんだよねって盤が並んでニヤリとした。
 作品がこれほど大切に活かされた展示はない。愛に溢れた展覧会だった。音楽好きにぜひ観て欲しい。ポピュラー音楽家は得てして歳と共に枯れる。画家は歳と共に尖る。奈良さんは尖るロッカーだ。

8日はめんどくさい市役所ツアーをして (偉い!!) TWEEDEES@渋谷O-Westへ。ベース・作編曲の沖井礼二さんがかつて在籍していたCymbalsに、若い頃すごく憧れてた。O.A.はなんと辻林美穂さん。牧村憲一さんが紹介した辻林さんのSoundCloudを聴いて、速攻ファンになった。最初はライブも荒削りで危なっかしかった。それがいまや「異世界食堂」の音楽を担当したり、作曲家として曲提供したり。
 35分もの持ち時間、お馴染みの曲から新曲、提供曲、Negiccoの大名曲 "愛は光" のカバーまで披露してみせた。トイポップ的な側面、シティポップ的な側面、作曲家としての技量と可愛らしい歌声は、お目が高いTWEEDEESファンにも伝わったんじゃないだろうか。最後の2曲はTWEEDEESバンドが入って、オイー、沖井さんのベースで歌う辻林さんが観れる日がくるとは感慨深い。

TWEEDEESはポップスの鏡。沖井さんの太くうねるベースに乗せて、清浦夏実さんの透明な歌声がキラキラと輝く。サポートのキーボード、ドラムスももちろんばっちり、主役の2人を立てながら堅実なプレイを聴かせてくれた。キャッチーでセンスが良くて、圧倒的なグルーヴにもう踊るしかない。
 楽曲も演奏もお洒落!! なのにMCになると突然笑いに包まれる。清浦さんが沖井さんのギャグをさらりとかわす姿に時代を感じた。かつての「通好み」なバンドは、徹底的にクールに演出されてたから。本当にかっこいいポップバンドに求められていたのは、このフレンドリーさじゃない? 演奏がこんなに洗練されて楽しいんだから、ライブそのもので笑顔を引き出すのは当然の帰結だ。Shiggy Jr.CHAIが作ろうとしてる空気を、とっくに先取りしてるように感じた。

小沢健二さんとSEKAI NO OWARIのコラボが、大きな反響を呼んでる。彼らの邂逅と大衆音楽について、誤解を招く過激なツイートが出回って悲しくなった。ツイート主の若い女性はわかっているのだ。でも拡散されたツイートひとつだけを読むと、「世代論」「老害」にまとめちゃってる印象を与える。彼女は文脈から離れて、意図的にひとつだけ過激なツイートを炎上させた。そこに良心を感じるのは難しい。大衆音楽の歴史は何万年も前から断絶がないものだと思ってる。
 癌で闘病中のECDさんのドネーションのために、DOMMUNEが7時間の特番を組んだ。最後の2時間は、2015年のECDさんのライブ。かっこよかった。終わってからもしばらくドキドキしてた。スタイルとしてのヒップホップじゃなくてスピリットとしてのヒップホップで、社会への怒りの中に自由への渇望が見えた。

今日、9月9日は、「この世界の片隅に」のゼロ号試写が行われた日だそうだ。もう歴史的名作の風格があるのに、1年前までは誰もあの映画を観たことがなかった。制作に追われていた片渕須直監督の唯一の楽しみは、ゆうきまさみ先生の「白暮のクロニクル」を読むことだったんだって。映画はいま、どんどん世界に出ていってる。まさに「ありがとう、この世界の片隅にうちを見つけてくれて」だな。
 猫白血病のため隔離された子猫の遊び相手はネズミだよって話。リカオンは狩りにでかけるかどうか群れの中でくしゃみをする数で決めるんだって。つまりは投票行動だ。ものすごく大きな太陽フレアが起きて、極地では鮮やかなオーロラが見えたそうだ。で、札幌でも観察されたんだって。なんでも太陽フレアのせいにする人がいっぱい出てきて笑った。殆どネタだけど、ときどきガチな人がいた。

ドイツのメルケル首相は、北朝鮮の挑発的について「平和的外交による解決しかありえない」って発言した。日本以外の殆どの国、トランプ氏までそう言ってる。日本政府はイギリスへの原発輸出事業に全額の政府補償を打ち出した。失敗したら2兆円の税金が投入される。
 自民党の長尾敬って議員がヤバい。無根拠なネットのデマを拡散したり、「南京大虐殺はありませんでした。これが私の理解です」ってツイートしたり。ドイツで政治家が「ホロコーストはありませんでした」なんていったらどんな騒ぎになるかわからない。歴史家、磯田道史さんの連載がまた興味深い。今回は「公文書を隠蔽すれば『国家が死ぬ』」。「『音楽に政治を持ち込むな』の声に違和感」って記事。大衆音楽と政治には密接な関係がある。

Vampire WeekendRostamの新曲 "Half-Light" 。もうVampire Weekendは活動停止しちゃったと思っていいのかな。大好きなバンドだった。ライブ観れてよかった。Teen Dazeの新作から "Echoes" 。St. Vincentの新作から "Los Ageless" 。ますます楽しみ。Alabama ShakesのBrittany Howardの新プロジェクトBermuda Triangleの "Rosey" 。Lali Punaの新作がSpotifyで聴ける。Morrレーベル追っかけてた頃は自分が若者の気がしてた。Pato Fuのおもちゃの楽器だけで作った新作から "Palco" 。Stewart CopelandAdrian Belewが組んだ新バンドGizmodromeの "Man In The Mountain" 。Gary Clark Jr.が "Come Together" をカバーした。Brian Wilsonのベスト盤に入る未発表曲 "Some Sweet Day" 。いわゆるAndy Paley Sessionsの1曲と思われる。正直どうなのかこれは。

Walter Beckerが亡くなったことを受けて、細馬宏通さんが、BeckerとDonald Fagein"Deacon Blues" についての会話と、Rickie Lee JonesBeckerへの哀悼を翻訳した。ColdplayのChris Martinが、BBCでPaul Simonの "Graceland" をカバーした。The xxが、BBCでJustin Timberlakeの "My Love" をカバーした。こんな風に普通にテレビから素敵なセッションが聴こえてきたら耳も肥えるよね。羨ましい。いい音楽たくさん知りたい。
 Tycho2時間のDJセットを公開した。Beckが来日する。Sparksが来日する。どっちも観たい。Massive Attackの来日公演にエスパー伊東さんが出演する。なんで!? 糸井重里さんと鈴木慶一さんがBeatlesについて公開対談する。Holger Czukayが亡くなった。79歳。僕にとっては "スネークマン・ショー" に入ってた人。

Nakanoまるちゃんの全国デビュー盤の情報が解禁された。まじで売れそう。あーたの傑作EP "HAPPY TAPES" のトレーラーが発表された。世間的にまだ無名のミュージシャンが作る音楽のレベルじゃない。魔神ピッピ "そんなんちゃうねん" 何も考えずこれを最後まで観て欲しい。Ahh! Folly Jetが大滝詠一さんのカバーをEPでリリースする。仲井戸麗市さんが "雨あがりの夜空に" をセルフカバーする。rei harakamiさんの "暗やみの色" がアナログ化される。
 星野源さんのファンどうなのか。源さんが好きなら源さんの聴いてきた音楽、お薦めする音楽を買った方が理解につながるし、音楽シーンも盛りあがる。源さんにソロ活動を薦めた細野晴臣さんも、YMOでうっかり売れちゃった時、YMOが好きならYMOが聴いてきた音楽を聴いて欲しいって仰ってたような気がする。長文御免!!

9月13日 明日に辿り着けるか?

生きるのは辛い。ふと気を抜くと、死ぬ苦しみは一瞬、「孤独」の苦しみは数十年、だなんて天秤にかけてしまう。生命はなぜ誕生したんだろう。こんなに苦しむために存在する理由はなんだ。いまの僕は猫のためだけに生きている。猫のことは何がなんでも幸せにする。

10日は毎月恒例の、あーたインストアライブ@TSUTAYA調布南口店へ。決してライブ向きじゃない会場でも全力で歌う集中力に、毎度感服する。それにしてもこの日のワンピースは丈が短くて、アンプを操作してる時に見えちゃいけないものが見えちゃいそうで、言ったもんか迷った (見えませんでした!!) 。1stセットはインストアの場所柄と、お客さんに子供たちが多かったんでアップテンポなナンバーが中心。2ndセットはミドルテンポからバラードを中心にしっとりと。あーたの誠意が伺い知れるバラード "Iにうまれて" を歌いあげたところで子供のお客さんがやってきて、急遽アンコールって形で子供にも親しみやすい "ドラマチック" を歌う優しさと瞬発力!!
 この日は珍しく対バンがいらした。シュールな歌詞とドメスティックな楽曲に、1stセットでは???ってなった。2ndセットで、これは笑って聴くもんだってようやく理解した。ただ音楽も笑いも嗜好品だと思ってて、そういう意味ではピンとこなかった。

僕が最近あーたあーた言ってるのには訳がある。あーたの楽曲は極めてハイクオリティなのに誰にでも楽しめる親しみやすさがあって、歌声は耳に心地いいのに胸をかきむしって離さない。最新E.P. "HAPPY TAPES" と、収録されてる "スノードーム" が好評みたいだ。ライブでは、アップテンポなポップナンバーも、ソウルフルだったりロックなナンバーもガシガシ演る。僕は、古くはSPITZKirinji、最近ではSAKEROCK (星野源さん) や水曜日のカンパネラを、動員数十人の頃から観てきた。あーたは来る。やなやつだったらどうでもいいけど、あーたはほんとにいいやつなんだよなー。
 ほんとはみなさんにライブを観に来て欲しい。CDをここで買うこともできる。iTunes、Apple Music、Spotify、LINE MUSICですべての楽曲を配信してる。

でもまず簡単なことを!! あーたのツイッターをフォローしてはくれないか。フレンドリーなお喋りの合間に、未来のポップソングが聴こえてくるはずだよ。

その足で吉村かおり@新代田crossingへ。アコギ、エレアプ、パーカッションの編成によるワンマンライブだ。行く前から最高の予感しかなかったけど、最高の最高だった。吉村さんの楽曲は、ヒット性とセンスの良さを非常に高いクオリティで兼ね備えてる。
 初めてに拝見した時は、ピアノとギターの坪光夫妻のコンビネーションに息を飲んだ。今回は吉村さんは主にボーカルで、その表現力に酔いしれた。吉村さんの言葉は時に重く痛い。でもどんな言葉もいいグルーヴに乗ると、僕は自然に笑顔になって体が動いてしまう。客席には違う経路で知った音楽家がたくさんいらした。音楽に打ちのめされて鍛錬して、自身も素晴らしい音楽を奏でる方々は、自然に繋がっていくんだな。物販でCDぜんぶ買った。Tシャツに書かれていたのは「HAIRY AUK IS ROOM.」、YOSHIMURA KAORIのアナグラムだ。

11日は這うようにしてカウンセリングへ。恥ずかしい悩み事を、美人女子大生に話すってプレイを毎週してる。最近僕に起こったことやその苦悩は、僕の人生と病気の核になるっていうコンセンサスができた。つまり、人に敵意を向けられることに弱いのだ。
 僕は3月30日生まれで、幼稚園や小学校の中でトロくて周りをイライラさせてきた。リーダータイプの弟と比較されて、家族や親族の中でもイライラさせてきた。だから隅っこで、気づかれないように怯えて生きてきた。自分が愛されたり認められるなんて考えたこともない。ただひとつ、カウンセラーさんに「それができたらこんな病気になってないです」って返したらカウンセラーさんがびっくりして、「数年前の山下さんならそう返せる力はなかったです」って。いま、カウンセラーさんと訪問看護師さんには心を開ける。

その足でN氏に車で拾って貰って、Fくんと合流して横浜中華街へ。Fくんお薦めの山東ってお店。名物の水餃子は、ココナッツのタレで食べる。これがうまうま。帰ってきてすぐにまた食べたいって思うくらいには旨かった。ほかの料理もお酒も美味しかった。料理の写真をあげただけでお店を特定されるツイッターすげえ。人は独りでは生きていけなくて、友達とカウンセリングと猫に感謝してる。いま親友って呼べる貴重な存在。2人にも心を開いてお喋りができる。だけど僕が一方的にお世話になってる引けめも感じてるんだよ。
 きのう、今日は事務作業の日。夕焼けの美しさ。ネットは空の写真でいっぱいだ。ある方が、空の写真をタイムラインにあげるのは、誰かに見せてあげたい気持ちを昇華する行為、「空が綺麗だよ」って一番伝えたい人に伝えられない切なさも含んでるんだよって。

ヴォイニッチ手稿なる15世紀に書かれた奇書があって、何が書いてあるのか誰にも解けなかった。オカルトマニアの間では、解いた人は発狂して消されるなんて伝説になってた。ついに解かれて読んでみたら「健康のためにお風呂に入りましょう」とかそんな内容だったらしい。オカルトマニアはそれこそ発狂しそう。
 「霊園 : ペットと飼い主一緒の墓に 葬祭業が続々参入」。そういう施設があるってことにほっとした。いまの僕の本当の家族は猫たち、人間の家族は離散状態で、いままで同居してきた犬猫の遺骨はぜんぶ我が家にあるんで、みんなで一緒に眠りたい。「犬にも感情がある、MRIで確認」。「動物が感情を持つという概念は、科学者にとっては受け入れにくいものですが、イヌと暮らしている人の大半はこれを直感的に理解しています」。科学者には受け入れにくいことに驚愕した。

Linus Of Hollywoodが来日してたの知らなかった。観たかった。Sparksの新作 "Hippopotamus" が大評判でU.K. 6位だそう。Mavis StaplesJeff Tweedyプロデュースの新作を出す。このコンビの作品はみんな好き。タイトル曲 "If All I Was Was Black" 。Marc Almondが新作でYoung Rascalsの "How Can I Be Sure" をカバーした。The xxの "On Hold" をJamie xxがリミックスした。
 Hermeto Pascoalの1976年のスタジオセッションが発売される。"Viajando Com O Som" 。Neil Youngの “Hitchhiker” はなんでお蔵入りになってたのかね。って言い出すと、ほかのバンドにもお蔵入りになってる素晴らしい音源がいっぱいあって、西新宿とかで売ってるわけだけども。ナイジェリアのイボ族の楽器Ogeneが、シンプルなのに宇宙が開けるくらい素晴らしい

Nakanoまるちゃんのクラウドファンディングがあと少し!! 素晴らしい才能を紹介するのが趣味なんで、ぜひ試聴して気に入ったらパトロンになって欲しい。ハナレグミが新譜を出す。満島ひかりさんがEGO-WRAPPIN'プロデュースでリリースした "群青" がアナログ化される。Corneliusが "HELIX / SPIRAL" のライブ映像を公開した。こんど観に行くんで楽しみ。
 The Metersを聴きながら田島貴男さん。「演奏に合わせて踊るとなんかかっこ良く踊れる気がした。実は演奏に合わせて踊るのではなく、踊るのに合わせて演奏するんだよな」。「肘から先、膝から先、太ももの付け根から先をゆったり動かせば振り子運動になる。一小節のリズムにおいて振り子的な時間の経過はシャッフルになる。つまり跳ねたタメた演奏になる」。なるほどなあ。

9月17日 おやすみカッシーニ

Negiccoのじゃんけんに負けた娘と恋愛したい。少年みたいに心が揺れ動くまま、老眼きてる事実。

訪問看護師さん来たる。訪問看護師さんといいつつ、医学の勉強をちゃんとしてる訳じゃないみたい。音楽療法士さんなんだな。だから大抵は、音楽や映画や芸術にまつわる世間話をして終わる。それはそれで楽しい時間だ。それから悩みごとの相談。カウンセラーさんと並んで、僕の恥ずかしい話を全部知ってる素敵女子。
 体重計が冗談を言う。痩せてイケメンになるので。健康的にもやばい。1日2度ペースでお風呂に入ってる。昔お風呂に入りすぎて、ガスの検針の人に、一人暮らしで使う量じゃない、節約しなさいって怒られたことがある。はー、秋刀魚たべたいな。

15日はあーた@高田馬場天窓.comfortへ。僕はあーたのライブに行き過ぎだ。あーたの音楽も人柄も大好きで、なによりライブのたびに進化してるから見逃せない。この日は特に集中力が半端なくて、彼女自身も手応えがあったんじゃないか。迫真の演奏だった。"スノードーム" と並んで、最新曲の "行き止まりの夜に" もライブの定番になった。切なさに胸がざわつく。けどそろそろポップナンバーも書いて欲しい。やっぱさ、音楽に打ちのめされて衝動的に楽器持ったミュージシャンと、たまたま楽器を習ってたから惰性でやってるミュージシャンって違うと思うんだ。音楽に対して畏怖の念を持ってるかどうか。
 この日のPAはラジオ「あーたとわかの23時にちんからほい!」の相方わかちゃん。ちゃんとお喋りするのは初めて。ちんからほいのライブチケットにサインを貰った。激レア!!

16日はShiggy Jr.@赤坂BLITZ。僕の音楽趣味からすると、Shiggy Jr.はメジャー感ありすぎて意外に感じるかも知れない。でもこれが売れるバンドの楽曲か!! 売れるバンドの演奏力か!! 売れるバンドの演出力か!! って圧倒されて、多幸感に舞いあがる。
 この日は新曲の嵐、5曲を披露した。本人たちもしきりに話してた通り、大人のバンドへの階段を登ってるのを感じた。特にリード曲は洒落てて大好き。それからアコースティックコーナー。いつかこういう企画アルバムを出して欲しいくらい素敵な時間だった。そしてボーカルに徹してたいけもこちゃんがついにギターを持った。もうね、両腕振ってジャンプして、踊り狂って汗だくになった。アンコールのいけもこちゃんの長い感謝のMCには涙が出そうになった。いい娘だ。僕と結婚すればいいのにと思う。

多摩シティはレインでブルー。インターナショナル・クライン・ブルー。僕もハラヘッツァけど猫もハラヘッツァって言ってる。動物って不便だな、光合成したい。それにしても猫はなんでiPhoneの上で寝るかな。あったかいからかな。それアラームが聞こえなくなるパターンのやつだからやめてほしい。
 今週は忙しい。事務作業→病院→ライブ→事務作業→病院→ライブ。ライブは行かないと、病院の頻度が増えると思う。ライブの頻度が増えると、お酒飲んじゃうから病院の検査結果に響く。そうこうしてるうちに、大切な事務作業が疎かになる。Roy AyersPaul WellerSparksScritti PolittiJohn CaleHUNTZAのチケットを買った。今年は何年だ。最近の来日ラッシュなんとかして。来日公演の方が告知が早いから、日本人のライブになかなか行けない。

13年に渡って土星を観測していた探査機カッシーニが、役割を終えて土星に突入した。おつかれさま。ドイツの映像作家が、日本っていうSF幻想世界を動画にした。2年ぶりに飼い主の声を聞いた猫の話。パンダは1日の50%を食事、45%を睡眠、5%を徘徊に使ってるそうだ。俺かよ。俺も世界中に愛されて保護されたいよ。
 ブロガーのはあちゅうがNHKに出演して、InstagramやFacebookは平和な世界、Twitterは荒んでるって紹介したらしい。僕にとってはFacebookやInstagramはマウンティングの場。僕自身はInstagramで世界の人々の日々の生活や風景や猫の寝顔を楽しんでるよ。はあちゅう、番組終了後に「自分の」Instagramのアカウントについた好意的なコメントと、Twitterをエゴサーチした懐疑的なコメントを比較して、どうだとばかりに紹介した。アホか。バイアスかかりすぎ。

北朝鮮が日本を威嚇して、実際にミサイルを発射した。日本が「属国としてアメリカの代わりに的になりますハイ!!」って言っちゃったんだから、こっちが的かって思われるのは当然だ。正恩とトランプと安倍のトリオ相性よすぎる。サントリーがハーフのファッションモデル、水原希子さんを使ったCMに、人種差別の声が飛んだ。サントリーのコメントがピント外れ過ぎる。人種差別に反対して、水原さんを守るくらいの声明を出しなよ。
 ガーディアン誌が、東京五輪招致は買収だったって報道した。内田樹さんの翻訳。つまり、東京の街を殺し、日本の経済を殺し、おそらく熱中症で死者が出るだろうオリンピックの開催権を金で買ったわけだ。自分たちの利権のために。で、小池百合子が8000万円かけてユニフォームを作り直させた結果がこちら

Cut Copy新譜が試聴できるBurialが新曲 "Rodent" を公開した。Suso Saizが新譜を出す。R.E.M.が "Automatic for the People" の25周年ボックスを出す。またおっさんホイホイな商品だな。Tegan and SaraのトリビュートアルバムにChvrchesGrimesCyndi Lauperが参加する。Steve Reichの "Different Trains" をLondon Contemporary Orchestraが演奏した。
 亡くなったWalter Beckerに続いて、Donald Fagenも体調を崩して、各国の単独公演や日本のBlue Note JAZZ FESTIVALが中止になった。ゆっくり回復して欲しい。頼むよほんと。The Shinsが来日する。ところで、元は1枚だったLPを、リイシューの時に2枚組にするのはどうなのか。音質的には良くなるのかもしれないけど、片面23分くらいの収録時間も、LPの魅力のひとつだった。

くどいけどNakanoまるちゃんがクラウドファンディングしてる。"笑う女の子" のデモをぜひ聴いて欲しい。ここ数年、日本の若者の中にとてつもない才能が増えてきた。ゆとり教育が成功だったか失敗だったかなんて、あと何十年もたたないとわかんないよ。
 小沢健二さんがNHKの「SONGS」に出演して、歴代の名曲から新曲まで披露する。Polarisfishmansの "SEASON" をカバーする。北中正和さんがロックの入門書を出版する。"およげ! たいやきくん" とカバー、アンサーソングを集めたコンピが出る。大滝詠一さんの "泳げカナヅチ君" が入ってない!! やり直し!! 音大の准教授でもある柴山一幸さんが、学生と新ユニット師弟TUNEを結成して、"恋のQ&A" を公開した。Les 5-4-3-2-1のE.P.が出る。僕は「レス・ごーよんさんにーいち」って読んでる。間違ってるのは気づいてる。

9月18日 見知らぬあなたにHappy Birthday

台風の中、天野花@新宿御苑MERRY GO ROUNDへ。ずいぶん前にあーたの対バンで観て印象に残ってたんだ。でもなんでこの日を選んだのか自分でも覚えてない。結果としてすごく特別な夜になった。
 ライブハウスに入ったら、関係者が15人くらいで盛りあがってる中で客は僕1人。Oasisがかかってるなあ、なんてぼんやりしてたら、花さんが気づいて話し相手になってくれた。助かったよ、おじさん寂しがり屋なんで!! 7組出演で全員持ち時間が30分って聞いて、最後まで気力が持つかな、なんて心配したけど、もう興奮しちゃうくらい気力が持った。出演するミュージシャンは花さん以外初見。だけどどなたも詩情に溢れて、素晴らしいミュージシャンばかり。その中でアップテンポなナンバーを、ユーモア溢れるセンスで聴かせたシンタローさんが気に入った。普段はバンドで活動してるそうだ。

で、途中で把握した。この日は信奉を集める主催者さんの31歳の誕生日であり、そもそも内輪のイベントであることと、僕が断然最年長であること。みんなで「ハッピーバースデーあまのくん」って歌ったんだけど、あまのくんって誰ね!? (花さんと同姓だけど、血縁関係も婚姻関係もないらしい) 。
 花さんは八丈島出身のギター弾き語りSSW。穏やかそうなルックスでエッジの効いた歌を歌う。この日も痛快に飛ばしてた。借金を持った彼氏と暮らした実話をアップテンポなポップナンバーに仕立てたり、上司のセクハラに悩んだ実話を粋なファンクに仕立てたり。トリの主催者amano yasuhiroさんは、トーキングブルースみたいに語りと歌が一体になって、ロマンティシズム溢れるバラードを歌った。自分をさらけ出す姿は、一遍の優れた映画を観るようだった。

会場ではミュージシャン仲間がビーフシチューを振る舞ってた。このビーフシチューにも素晴らしいエピソードがあった。ところでデブってビーフシチューをこぼすと腹にかかるんだよ、知ってた? この日のイベント、そしてamanoさんのステージを観て、彼の人望の理由が少しわかった気がする。音楽と人生と愛情について、想いをはせる夜になった。何気ない顔でみんな頑張ってる。
 家に帰ってamanoさんのTwitterアカウントをフォローしてびっくりした。音楽関係で知り合った方は、たいてい5人、10人は共通の知り合いがいるのに、彼には7000人近いフォロー・フォロワーがいながら、共通の知り合いがほぼゼロだった。違う世界線を垣間見た。新宿御苑は昔の職場で、あのビルの中華料理屋によく行ってたのに、ライブハウスがあることすら知らなかった。SSWシーン、広いなあ。

今日は行きたいライブやイベントが重なってたんだけど、事務作業をやらなきゃでうちで過ごした。台風一過で、きのうは18℃までしかあがらなかった気温が34℃にまであがった。台風一過、飽きた。南西向きの僕の部屋はただでさえ暑い。いつもみたいに猫たちがくっついてきて、ものすごく暑かった。Tシャツがピチピチで乳首が浮いて、つくづく痩せなくちゃと思いながらおせんべ食べた。
 衆議院解散のニュース。臨時国会召集っていう憲法上の義務に違反して、やっと召集したところで解散するらしい。政権にとって、国会が開いてるとろくなことがないのだ。支持率が下がって、「アメリカの金魚のフンとして一緒に北朝鮮と戦う」って宣言して、ミサイル自分で呼び寄せて支持率あげてから解散するタイミングもあざとい。プロの言葉は朝日新聞の社説でも読んで。

Bjorkが新曲 "The Gate" を発表した。Gorillazライブ映像をどんどん更新してる。Beckの来日の内容はまだ発表されてないのだな。ただのプロモーションかも知れん。STAXレーベル60周年のボックスが出る。Milton Nascimentoのデビュー前の音源が出る。これがなんなのかわからない。"Musica Popular Brasileira em EXPANSAO" でググって。500年前の楽器の即興演奏と、20世紀初頭の自動演奏楽器
 ずっと応援してたNakanoまるちゃんのクラウドファンディングが目標を達成した。まだまだ協力よろしく。矢野顕子さんの新曲 "Super Folk Song Returned" 、矢野さんが電車移動なのにも驚愕した。ロシアのRav Drumって楽器が話題になったけど、日本にも波紋音ってやばい楽器がある。倍音がすごい。

個人的に、Tony Kosinecのアナログ落札して嬉しいです。

9月21日 あの夜に

ふふっ...いっぱい出たね (段ボールゴミが) 。
 19日は血液検査。採血までなんにも食べちゃいけない。待合室のテレビで料理番組やってるタイプの拷問受けた。結果は悪かった。

田中ミズホちゃんのツイキャスを観た。あーたのライブで物販のスタッフやっててちょっとお喋りした娘。
 ツイキャス開いたら操作に困ってるみたいで素の顔だ。しばらくして放送が始まってることに気づいて、身振り手振りを交えて凄いハイテンションでギャグを飛ばしてきた。コメントへのレスも早い。ギターに愛着持たなきゃって「正吉」って名前をつけたけどダメだったって、もっと可愛い名前つけなよ。で、歌がとにかく素晴らしい。心地いい声質と圧倒的な表現力がある。でで、すごくクレバーな娘だ。売れるんじゃないだろうか。ライブ行きたいよ、すぐ予約した。

20日はTelefon Tel Avivのチケット取ってたのを蹴って、さわひろ子さん主催「あの夜 vol.2」@水道橋Wordsへ。僕の大好きなミュージシャン達が、珍しい組み合わせのユニットで演奏するライブ。
 最初に登場したのは、角谷奈緒子さんVn、坪光成樹さんAgのインストユニット、ウネリ。淡々と透明に響く坪光さんのアコギに、角谷さんのバイオリンが空を舞うようだった。やがてキーボードとリズムマシンとルーパーが登場して、音を重ねたりシーケンスパターンを重ねたり、変拍子やポリリズムまで出てきて、イメージの海に揺れた。続いてオガワマユさんVo Key、まぁびぃさんDrの東の魔女。オガワさんの転がるようなキーボードと、まぁびぃさんの弾けるようなドラムの疾走感、そして美しい歌声と楽曲のポップさよ。やっぱり変拍子やキメがあって、一筋縄ではいかなかった。

3組目は平井ミエさんとミヤザキナオコさんのジャポネ。ガーリーな装いなのに、テーブルいっぱいの電子楽器を駆使して、エレクトロニカからハードな4つ打ちまで聴かせる。トラックの良さも然ることながら、2人のボーカルの上手さと声量がやばい。掛け合いやハーモニーのアイデアに溢れてた。クラブイベントでバカうけしそう。ほんとうは踊って聴きたかったな。
 4組目は吉村かおりさんVo、坪光成樹さんEgのモニカアンドメアリー。ウネリの時とは違って、坪光さんのギターもバキバキのロック仕様、吉村さんのボーカルも力強い。吉村さんの曲作りは、ポップミュージックにあんまりない語彙を使って、音楽が本当に求めてる言葉の響きを選び取ってくる。意表のつきかたが心地良い。もちろん2人の相性は抜群だった。これも踊ってききたかった!!

トリは古賀小由実さんVo, Key、さわひろ子さんVo.のボンノーズ。2人の掛け合いやハーモニー、パートナーソングは、真っ白な衣装によく合った穏やかさ。圧巻は童謡メドレー。古賀さんらしいジャジーなアレンジがかっこいい。"石焼き芋" を入れられた時はやられた!!って。四半世紀前、アンビエントハウスでカバーしようと思って放置してたんだ。美メロだし、コード次第で表情が変わる隠れた名曲だ。
 アンコールは全員でセッション "今夜はブギーバック" 。ボーカリスト中心なんで、小沢健二さんのnice vocalバージョンだったけど、スチャダラパーのsmooth rapバージョンには、ベースソロがあるのだよね。坪光フリークとしては、坪光さんのベースソロも聴いてみたかったような気がする。涼しい日、椅子席だったのに汗だくになるほど興奮した!! あの夜の輝きは、さわひろ子さんの人徳だと思う。

家に帰ったら猫たちがハラへを主張してた。すまん。あんなに長丁場のライブだったんだな。ほんと楽しくて全然気づかなかった。花とポップスから嬉しいお届けものがあった。一人一人にプレゼントやらメッセージ動画やら、採算は取れてるのかしら。でもどうしても写真がピンぼけになる。iPhone 6手放すタイミングだろうか。MacBookも新しくしたいしそんなに金はない。少しはある。少しは。
 今日はアチいな!! 訪問看護師さんと映画の話で盛りあがって、午後は遥か坂の上の市役所へ。幼稚園バス通ってる。おじさん45歳だけど乗せてくれないかな。〇〇課に行ったら〇〇課に行ってくださいのたらい回し、住所何回書いただろう。ハンコ何回押しただろう。そのあとスーツ買わなきゃいけない。汗だくで試着するの申し訳ない。この日記を書いたら、内緒の用事があるよ。

のんちゃんのマンガ評、視点が面白くて楽しみにしてたのに最終回かよ。その次の仕事、「ヒーローになりたい」はいかがなものか...。僕も観に行った、豊田市美術館での奈良美智さんの個展、for better or worthを最初に観たのは、実はのんちゃんなんだって。中嶋春陽さん、高校生とは思えない達観には畏怖の念を持ってるんだけど、おとといのブログは解脱の域だった。片渕須直監督と細馬宏通さんの対談、「『この世界の片隅に』の、そのまた片隅に」が面白い。
 ツイッターのアカウント凍結が話題になった。内田樹さん「そういえばツイッター社って、どうやって収益上げてこんなシステム維持しているんだろうという話になりました。ツイッターは個人情報の宝庫ですから、そこから無数のカテゴリーのビッグデータを吸い出して、それを情報として売っているんじゃないですかという説に一同納得」。

安倍晋三が北朝鮮問題について「必要なのは対話でない」って演説した。彼は戦争が大好きだしこの国はアメリカの属国だし、でもアメリカもほかの国々も対話の窓口を残してる。ミサイル飛んできた方が支持率あがるもんなあ。石破茂氏は「ミサイルは我が国の領空にも領土にも一切侵入してない」と。そう、遥か彼方の宇宙空間を通過しただけなんだ。想田和弘さん「『必要なのは対話ではない』っていう安倍晋三首相の姿勢は、よく考えるとなにも北朝鮮に対してだけではなく、野党に対しても、広く日本の主権者に対しても一貫してみられます。対話よりも恫喝や圧力や無視といった手法に依拠するのは、安倍さんという人間の根っこの部分にある基本姿勢なんでしょうね」。
 両陛下が渡来人をまつる高麗神社を参拝された。発表されたのは、小池百合子が朝鮮人虐殺犠牲者追悼式への追悼文を拒否した直後だ。

Brian Wilsonが "Heroes And Villains" のMVと、新曲 "Some Sweet Day US" を発表した。悪くない。ChvrchesTegan and Saraのカバー "Call it Off" を発表した。新機軸!! Black Marble "Woods" 。今の音なんだけど80年代のノスタルジーを掻き立てる。My Bloody Valentineが来年新作をリリースする。前作2013年だっけ!?
 Stone FoundationPaul Wellerと "What's Going On" をカバーした。Matthew Sweetスタジオセッション、おじいさんになっても音楽は胸キュン。Beckの来日、ただのプロモーションじゃないのって書いたけど、ちゃんとライブするみたい。元XTCのColin MouldingとTerry Chambersがユニットを組んだ。Colinの曲、好きなんだよね。XTCが分裂しちゃったのは残念だけど、2人のフロントマンが同じタイミングで動き出そうとしてる。

安室奈美恵さんが引退する。彼女についてはポンキッキーズの仕事が嫌だったって言ったことと、刺殺事件のことくらいしか印象にない。子供番組で歌うって尊い仕事だと思う。わかってないな。相方の鈴木蘭々さんの方が可愛くて歌が上手くて楽しそうだった。蘭々さんの1stアルバムは全曲筒美京平楽曲の名盤。
 コトリンゴさんがアルバムを出す。魔神ピッピ "上下" 普通にかっこよくて、僕が求めてたのはこれかも知れない感。仲井戸麗市さんが清志郎への想いを語ったECDさん「僕はアスリートじゃなくてアーティストが観たいのです」。スタンスにブレがなくてかっこいい。復活してスゲーライブ聴かせて欲しい。スピッツ企画「新木場サンセット」の面子がやばい。抽選申込した。小田和正さん70歳。いまでも少年のようだ。スカートのアー写が角度の魔法でかっこいい。デブの星だ。

ある小学校で、卒業式の歌の練習の時に、先生が「ボーカロイドは機械だから心がなくて人を感動させることはできない、みなさんは人だから気持ちをこめることが云々」って話があったらしい。僕が若い頃は、打ち込みには心がないって言われてた。DAWやボカロには、楽器や歌唱の技能がなくても伝えたい音が伝えられる一面がある。そしてそれは、作者の心により近いかも知れない。

9月27日 音楽を楽しむ力

「スキルさんは音楽を楽しむ力がある」って言われてびっくりしたんだ。背景を知ってると楽しみ方が広がる音楽、があるのはなんとなくわかる。みんなが普通に聴いてるJ-POPだって、文化の違う国の人が聴いたら奇怪で難解に聴こえるかも知れないんだよ。
 僕の父親は無線技師で、屋根の上に5mくらいのアンテナつけて世界のラジオをエアチェックして、コンピテープ作ってた。父を亡くしてからは細野晴臣さん、鈴木慶一さんっていうものすごく視野の広い音楽家に夢中になって、彼らがインタビュー記事で挙げる音楽やミュージシャンの名前をメモして、図書館や六本木WAVEで試聴した。まだインターネットもYouTubeもSpotifyもなかった時代。若い頃に幅広い音楽を聴いたことと、幅広い世代の人に可愛がって貰ったことは僕の財産だと思ってる。教授と飲みに行ったりね。

で、大学はメディアアートで卒業したんだけど、最初の半年だけは (アカデミックな) コンピューターミュージックのゼミにいて、楽典を読んで楽理の基礎をやってたんだ。でも課題が難しくてギブアップして逃げちゃった。バンドを組んだ時も、「完全アマチュア志向」でメンバー募集して遊んでた。
 だからさ、音楽を真剣にやってる人には敬意しかない。たとえその音楽が僕の趣味じゃなくても。音楽の海は果てしなく広くて深いですよ。音楽の才能は遺伝が9割って記事を読んだ。父親は世界の音楽を聴いてたし、母親は雅楽をやってたんだけど、2人とも才能がなかった (申し訳ない) 。両親は同窓生として出会って、同窓会で歌ったデュエットの下手さが伝説になった。その同窓会に出席した先生に、「ご両親は家で鼻歌うたったりするの?」ってさりげなく聞かれた。

22日はエレクトリックリボンのエリボンフェス4@渋谷asia。この日のエリボンは水着で出演ってことで、もうおじさんも水着で行っちゃおうかなみたいな、スマホのレンズ磨いて行くくらいな、あれ歯磨き粉で磨くときれいになるんですよ、凄いモチベーションで行った。
 対バンで気に入ったのは、Tincyっていう沖縄のユニット。Ryukyudiskoプロデュースなのか。"安里屋ユンタ" を歌った。歌詞よりリズムに揃えた振付も好きだった。もっともっと沖縄色を出していった方が僕の好みなんだけど、いろいろ難しいのかもね。ほかの多くのアイドルは、もう数十年もユーロビートやってて、差別化を図らないと抜け出せないだろうなあと思う。そういう意味で、生演奏で質のいいポップスをやるNegiccoや、可愛さを残しながらアイデアに溢れた機軸を打ち出してくる3776は、聴いてて非常に面白い。

エリボンは...素敵女子の水着姿の写真を堂々と撮れる機会なんてあんまりないじゃん、おじさんはだいぶ写真を撮りすぎたな。あーた作の "Twinkle in you" に始まり、盛りあがったところで "アイライン" 、主催イベントで7曲中2曲もあーた曲が入るのは嬉しい。ただあーたのデモと聴き比べちゃうと、コード進行の美味しいところにオブリガードが入ってたり、そもそもコードが差し替えられてたりする。あーたがソングライターとして売れたら、竹内まりやさんの "REQUEST" 的な提供曲アルバムを作って欲しい。エリボン歌もダンスもばっちり、人を楽しませる魔法を持ったグループだ。次のワンマンの告知があって、遠足つきっていう魅力的すぎるチケットを買った。
 もちろんメンバー全員とチェキを撮ったんだけど、なんとゆうちゃんとのチェキを紛失した。本当にごめんなさい。無念。

23日は凪沙の出演する夜次元CarnivaL旗揚げ公演「れでぃお・へっど」@上野ストアハウス。なぎことは半年ぶり。TLに流れてた写真を見て、ずいぶん大人びたと思ったら自撮りのマジックだった。内容は笑わせて最後に泣かせるシンプルなお話、伏線回収して大団円、素直に楽しく観れた。惰性の日常から脱出せざるを得ない状況でどう振る舞うのか、それも「家庭」と「芸能」ってテーマは、彼らが実際に直面してる問題なのかな。なぎこ元気に頑張ってて安心した。
 そして終演後、なぎこから新しいグループに所属するって発表があった。賛否両論あるみたいだけど、表現の可能性も表現者の可能性もどんどん進化して変化していくものだし、あの歳でひとつにびっちり焦点合わせなくてもいいと思う。演技の経験と歌の経験がどっちも活かせるんじゃないかな。僕は応援するよ。

24日は花とポップス主催、花とホップス3杯目@新宿Marble。+1,000円でビール飲み放題。魔神ピッピ様につるうち家のチーズケバブを作って貰った。最高に旨かった。
 つるうちはなちゃんがトップバッター。鍵盤を叩き、悲しみや苦しみを突き抜けた大きな喜びを高らかに歌いあげる。新曲 "ぶっちぎって光" は、そんなはなちゃんの新しい代表曲になるんじゃないか。「元気いっぱい汗かいてるスキルさん見てるとまるで夏休みの子供みたいだなって思う (はなちゃん) 」。夏休みの子供...。続く工藤ちゃんは初見。もっとエキセントリックな娘かと思ってた。TLに下着の写真をあげるのは、痩せてきれいになった姿を共有したいから。セットリストもTPOに合わせてきて、名曲揃いで参った。CD2枚とアナログまで買っちゃった。違う一面も観てみたいな。

そして減々色シアター。アイドル+V系+プログレ的な。轟音の中で真っ白い衣装を着た少女が歌い踊る神々しさ。飄々と出てきたのはサトウトモミさん。打ち込み+ベース弾き語りでポップに日常を歌う。楽曲の良さは圧倒的。可愛らしさの中に芯の強さを感じた。暗闇の中から抜け出せるのは音楽だ、自分を救うつもりはないのに救われたって話して歌った新曲「静かにループ」は、その楽曲の構成も内容も、Tokyo No.1 Soul Setに胸焦がしてた頃を思い出させる名曲だった。
 そしてまたバンドが登場。The Broken TVは男女ユニゾンボーカルのモッズバンドだ。ポップでわかりやすい軽妙なステージ。そんですごく趣味なサウンド。踊るしかない。トリはNakanoまるちゃん。プレッシャーで泥酔してる。ぐちゃぐちゃのチューニングを直してもらって、泣きながらたどたどしく歌った。悔しかっただろうな。

25日はあんでぃこと安藤力 presents ささぶね追いかけて@下北沢Bar?CCO。普段はサポートに徹するあんでぃのMCが微笑ましい。
 最初に登場したのはあーた。全曲あんでぃがサポートに入って、抜群の相性を見せつけた。あんでぃが選曲したセットリストはポップ、そしていまのあーたのポテンシャルを最大限に引き出した。続いて初見の荒木玲奈さん。6月にライブを始めたばっかりとはとても思えないクオリティ。鼻にかかった声が色っぽいなと思ったら、風邪ひいて鼻声なんですって。ギターも安定感があって、とにかく楽曲がいい。彼女の旅立ちを見届けられて光栄だ。そして初見の小川剛さん。あんでぃは中央線の香りって表現したけど、往年の関西フォークの香りもする、人柄がにじみ出た優しい音楽。囁くような歌声とギター、フィンガースナップに口笛。時に溢れるダイナミズムとロマンティシズム。

アンコールはなんとあんでぃ作詞・作曲であーたが歌う「ささぶね」と、同じくあんでぃ作詞・作曲で小川剛さんが歌う「あたらしいはじまり」、どっちもいい曲でびっくりした。この素晴らしい夜は、あんでぃの人柄と思う。ただの客なのに出演者、関係者の皆さんに交じってお喋り。はっぴいえんどから高田渡さん、Elliott Smith。そして終電を逃す初歩的なミス。ご迷惑おかけしました。
 4日連続で夜遊びして、さすがに疲れてきのう今日は寝込んでた。田中ミズホちゃんのツイキャス聴いて元気でた。彼女の歌もお喋りも好き。一家に一台ほしいキャラ。ところで物心つく前から動物と暮らす人生だったけど、メイよりも人懐っこい (≒甘えん坊) な動物と暮らしたことはないし、今後出会うこともないだろうなあ。っていま、2匹の猫に挟まれてこの日記を書きながら思った。

書きたくない世の中の記録。安倍晋三解散・総選挙を正式に表明した。「国難突破」だと。この解散がいかに酷いかは何度も書いた。で、いまが国難ならそれは安倍が自分で招いたものだ。内田樹さんは、今度の選挙の争点は「戦争に巻き込まれるか/巻き込まれないか」だって指摘した。安倍はそれをやる人物だって。
 麻生太郎副総理が、北朝鮮の難民対策について、「警察か防衛出動か射殺か」って言った。そもそも北朝鮮が武装した難民を送り込む意味がわからない。想田和弘さん「関東大震災で朝鮮人虐殺が起きた頃から日本社会は変わっていないのだということを痛感させる。小池都知事が虐殺の事実を隠蔽しようとしているのも、それが過去の話ではなく今日的な問題だからである」。かつての日本は、ベトナム戦争のボートピープルを何万人も受け入れた。

Sananda Maitreya (a.k.a.Terence Trent D'Arby) の新曲 "It's Been A Long Time" 。Kamasi Washington新E.P.が全曲聴けるBathsの新曲 "Yeoman" 。Residentsの新曲 "Frank’s Lament" 。Belle and Sebastianの新曲 "We Were Beautiful" 。ニューアルバムのレコーディングを生配信したEsperanza Spaldingハイライト映像新曲。テレビでアコースティックで演奏するChance The RapperPaul McCartney, The Roots "Wonderful Christmastime" 。こういう誰でも知ってる曲のレアバージョンはDJでウケるけどいま僕にDJとしての需要がない。Tahiti 80のXavier Boyerのソロ "Stockholm Syndrome" 来日もするみたい。Shigetoの新曲Detroit Part IIMichel Legrandボックスセットが全曲聴けるSlowdiveが来日する。Trevor Hornインタビュー

Ametsubが逮捕された。ドラッグとかじゃなくて事務所に空き巣で。エレクトロニカでは食っていけないのだろうか。Joe Meekを題材にした舞台とかニッチ過ぎる。The BeatniksがNHKの番組のテーマ曲を書き下ろす。CorneliusがシングルB面 "Inside a Dream" のMVを発表した。わたしのねがいごと。のメンバーは普通にJ-POPを聴いてて、あの音楽性のルーツはブレーンのlunaccoさんのヨーロッパ趣味みたいだ。坪光成樹さんの「リサイタル」最高のフライヤー。チラシって言うべきか。これは観に行かねば。

NegiccoのNao☆ちゃんの描くご飯の絵がちっとも美味しそうじゃなくて、たまらなく愛おしい。