DIARY 2017年10月


10月3日 この声は小さすぎて君の元までは届かない、例えそれを知っていても叫ばずにいられない

ある若いミュージシャンが、大人に「邦楽を聴いちゃダメ」って言われて困ってる。どっちの言い分もわかるんだ。大衆音楽は言語よりも古くから人間の心を動かしてきた、何万年も続く伝承芸能だ。いまの日本では、雅楽や民謡じゃなくて、J-POPやアイドルやアニソンに訴求力がある。そのルーツを辿っていくと...少なくとも四半世紀前までは、欧米の最新のポップスを日本向けに加工することで、オリジナリティを生みだしてきた。でもいま日本のポップスは鎖国状態にある。若いミュージシャンが洋楽を聴かないで、小さな島の中で近親相姦で劣化してる。母数が1億人の中から出てきた音楽だけを聴くより、70億人の中から出てきた音楽も聴いた方が視野は広がる。
 でも聴いちゃダメって決めつけるのはどうなのか。やっぱり同じ日常を生きて同じ言葉で話す民族の音楽は、心に響くよね。

一般的に日本で音楽に興味を持つ経緯ってどうなんだろう。まずはテレビで流れてる音楽を聴いて好きになって、自分が好きなミュージシャンが聴いてきた音楽やお薦めする音楽を聴くんじゃないか。「星野源は "音楽の歴史" をつないでいく"」って記事。星野源さんは細野晴臣さんに、「未来をよろしく」って言われたことを重く受け止めてる。細野さんは、それこそ何万年もの世界の大衆音楽を発掘して、身につけてきた方だ。その続きを星野くんに託したよと。
 気づいたのは、多くの若者がYouTubeやSpotify、簡単に世界にアクセスできるから、気に入った音楽がなんなのか覚えないこと。好きなミュージシャンの聴いてきた音楽を辿れないこと。Wikipediaにもオフィシャルサイトにも、好きな異性のタイプや笑えるエピソードしか載ってない。情報がありすぎて、もう一歩踏み込むのは億劫なんだ。

タイムラインにスプーン打楽器奏者の動画が流れてきて、僕は興奮したんだ。こんな音楽があるのかよって。それで思い出したのが、動物の骨をパーカッションにして全米Top10に入ったミュージシャンのこと。でもそんなツイートに需要がないことはわかってる。アニソンの話題の方がウケる。音楽って海は果てしなく深く広い。僕も水辺でチャポチャポ遊んでるだけだ。でも海の存在にまるで気づかないで、磯の水たまりで遊んでる人が多すぎる。で、水たまりで遊んでる人の方が能動的だったりね。海はあまりに偉大で、畏怖の念に怯えてしまう。
 細野さんの青春時代のパートナー、大滝詠一さんも大変な研究家だ。大滝さんが1984年以降殆ど音楽活動をしなかったのは、こんな状態なのかなあと思う。インプットが膨大すぎて、アウトプットできないんだ。あまりにもおこがましい喩えだけど。

やりたいことが多すぎて、結局なんにも出来てないことに焦ってる。本当にやりたいひとつがいまだに見つからない。いろんなことを、最初から諦めてしまっているから。それは本当にすごい人をいっぱい見て打ちのめされてきたから。
 僕の置かれてる環境や病気や能力や性格の問題もある。トロい子として社会の隅っこに育って、人の輪から追い出されることをなにより恐れてきたんだ。僕の苦悩はなべて「孤独」ってキーワードで片付けられる。みたいなくすぶりやもどかしさをさ、美人女子大生のカウンセラーさんに話すプレイをして、頭の中がだいぶすっきりした。ハー、音楽の話から果てしなく遠くまで来たな!! なんだかんだで、ずっと寝込んでた十数年に比べて家を出られるようになったんで、いい方向に進んでるとは思ってる。善人にも葛藤があり、物語があるのだよ。

28日は、空気公団 / clammbon@渋谷Club Quattroへ。Quattroと言えばあの客席前方の柱で有名だけど、ドリンク1杯すごい少ない問題についてももっと語られていいのではないか。
 先攻はclammbon。ゆるふわなパブリックイメージと違って、タフでアヴァンギャルドなバンド。音楽のあるべき姿についていつも模索して、新しい試みをしてる。観るのは久しぶり。やっぱり最強のトリオだし、20年続けてきたアンサンブルだ。88鍵をぜんぶ使って右から左から飛び跳ねるキーボード、バキバキに尖って動き回るベース、ぜんぶをどっしり受け止めるドラムスがあって、初めて郁子ちゃんのボーカルは浮遊する。空気公団が主催だからか、おとなしめなセットリストだったように思う。これから盛りあがっていくのかな、と思ったら山崎ゆかりさん、中川理沙さんを招いてセッションしておしまい。

長い長い転換のあと、空気公団が登場。clammbonとの馴れ初めを語った。同じ音楽専門学校出身で、なんとなくの交流が30年近く続いた末の、初めての対バンだったんだって。空気公団は初期の作品を大好きな棚谷祐一さんがプロデュースして、同じく棚谷プロデュースのコルネッツってバンドを思った。だから初期の作品しか知らない。
 彼らの歌は日常を歌ってるがゆえに、日常みたいに淡々と流れて、J-POP的なサビやキメがなくてもポップに聴こえちゃうのがいい。演奏力はclammbonと比べるのは酷で、これが彼らの持ち味だ。山崎ゆかりさんは金髪の刈り上げで、イメージしてたのとだいぶ違う風貌だった。そしてよく喋る。中川理沙さんがサポートに入ってるなんて知らなかった。どうせならザ・なつやすみバンドと世代を超えた3マンも聴いてみたいっていうのは野暮だな。

29日はあーた@北参道ストロボカフェ。Gt.あんでぃこと安藤力さん、Ba.尾方準一さん、Dr.まーしーさんが入ったバンド編成。Key.がいない分あんでぃが弾きまくるギターポップ仕様だった。
 バンド編成のあーたは、日本の正統派ポップスの一番いい所をコンピレーションしたみたいなライブをしてる。キュートだったりソウルフルだったりエモだったり、バラエティ豊かな楽曲はどれもすごくいい。心地いいハイトーンボイスは、最近色気も感じるようになってきた。メンバーや会場に合わせた音のこだわりすべてが、本人のセンスでコントロールされてる。毎回の変化を見逃せない。もっと沢山の人に聴いて欲しいよ。対バンのVOLOMUSIKSは、Vo.、Key.の姉妹を中心にしたソウルバンド。ジャズの進行や昭和歌謡のテイストも混ぜながら、湿っぽくならないセンスとグルーヴにやられた。

その夜は眠れなかった。ライブの興奮もあるし、翌日が早起き (当人比) で...。病状的にだいじょばないまま花とポップスのオフ会、花ポフ会@西荻窪ARTRIONへ。僕は王様席、最前列でって言っちゃったんで寝落ちもできない。着ていったTシャツはギリギリのライン攻めすぎた。いや、Tシャツ芸人としてスベることを恐れてはならん。Nakanoまるちゃんが握ったおにぎりを食べたことは将来自慢できそう。つるうちはなちゃんが作った生姜焼きも美味しかった。
 あーた、まるちゃん、ヒナタとアシュリー、はなちゃんが3曲づつ演奏、飛び入りもありの楽しいライブ。みんなリラックスしたいい演奏だった。そしてオフレコだらけのトークやゲーム。彼女らはもちろん素晴らしい表現者で、それだけでもありがたいのに、そこまでしなくてもファンは充分に楽しいし嬉しいし幸せですってイベントだった。

花とポップスのメンバーは、つくづく愛に溢れて地頭がよくて芯が通って、気持ちのいい人たちだ。音楽を愛して愛されて、それを広めることに喜びを感じてる。僕は地頭が悪かったから、詰め込んだり失敗したりの繰り返しでなんとかなってるのかなってないのか。彼女たちに出会えてよかった。だいぶポジティブに変われたと思ってる。
 Nakanoまるちゃんは日本のポップスの扉を開けるだろう。"笑う女の子" のMV公開から数時間で、各音楽メディアからYahoo!ニュースにまで取り上げられた。ヒナタとアシュリーはototoyさんでロングインタビューが公開された。新譜 "longing E.P." のトレーラー。ototoy版にのみ収録されてる "虹 (demo ver) " は、美しくて強い名演。僕は滑舌悪いし変な名前なんで、サインを貰うときに「えっスキ? スキ?...なんですか?」って告白に失敗した中学生みたいになっちゃった。

電車で寝過ごして帰って寝落ちて、溜まってた事務作業を頑張った。偉い。あれから数日経って、この日記を書き上げてもまたやらなきゃな事務作業が溜まってきた。うーんしんどいな!! って時に、花とポップスのみんなの頑張りをまた思う。
 この日は運動会の子供が多かったみたいだ。さぼっちゃっていいんだぜ!! 逃げ出しちゃっていいんだぜ!! 周回遅れでゼーゼー走ってるところを無数のビデオカメラで追われる苦痛。運動会があるなら算数会もやれよって思ってた。大観衆の中で旅人算を華麗に解いて、クラスの優勝に貢献してチヤホヤされたかった。高校はものすごくでかかったんで、全員が出場できなくて、出たい人が出ればよかった。僕は当然なんにも出ないで、芝生に寝そべってウォークマンでPortable Rockを聴いてた。30年前のうっすらとした記憶。

1日はあーた@高円寺U-hAへ。3日連続であーたを観たことになる。U-hAのマスターは世界を巡った旅人で、例えばこんな音楽がかかってる。そしてカレーが美味い。
 最初の出演者がバラード歌いあげ系で、2番手に登場したあーたはホームのはずのU-hAでアウェイ感あるように見えた。珍しくギターも危なっかしい。そのぶん歌は気持ちよさそうに歌ってた。弾き語りの「語り」、今日は言葉を伝えることを意識して歌いますって。あーたは天才なのに努力しちゃって、地頭いいのに勉強しちゃって、いろんな意味でかなわないな。対バンの鮎牛蒡っていうVo./Key.とDr.デュオが面白かった。フリーな演奏で変拍子も絡めつつ、ちゃんと影を描きながら湿っぽくならない音楽性が、カンタベリーっぽいなって感じたんだけど、ご本人に聴かせたらピンとこなかったみたい。

2日はこの日記の最初にグダグダ書いたカウンセリングの後、下北沢で時間が空いたんで中国式マッサージに飛び込みで入ってみた。痛かったけど終わってみたら絶好調。
 そして田中ミズホ@下北沢WAVER。ミズホちゃんの曲はまっすぐで素直なようで、言葉が芯を突いてくる。胸の奥のドロドロをさらけ出す曲もある。けどステージで見せるキャラクターと歌の良さが楽しい。声質、声量、ビブラート、なにより音楽を、言葉を伝えてくる歌心に溢れてる。ギターに苦手意識があることを公言してるんだ。彼女の歌は全身を使って表現するから、ひょっとしたらギターを抱えることが、彼女の魅力を狭めちゃうのかもな。対バンの方々には...音楽の喜びを知って欲しいと思ってしまった。表現者が自分の居場所を見つけるのは大変だ。僕は逃げちゃったから何も言えない。

3日はよしなしごとを、よしなしよしなししてるうちに過ぎちゃった。Suicaのチャージって念力でできないかな、同じ財布に現金はあるんだ。そして買ったばっかのスーツ掛けてたら、袋の中に入って毛だらけにする猫。ああ、なにかとうまくいかないものよ。で、徹夜で日記書きなう。ちょっと寝てPeriod.のライブに行く。
 翌5日はPenguin Cafe、6日はJohn Cale、7日は鈴木博文 with Carnation、8日はRoy Ayers、9日はMount Kimbie、10日は古賀小由実さん、12日は師弟TUNE、14日はイナダミホさん、15日はあーたインストアからのわたしのねがいごと。大丈夫かおい。いま気になってるのは、この日記が終わる気配を見せないことだ。次の日記はたぶん11日になるでしょう。その間にまたもじゃもじゃ考え込んだり、世の中が動いたりして日記が長くなる。次の段落へ!!

政局がパズルみたいにめまぐるしく動いてる。安倍晋三独裁から小池百合子独裁に移行するかと思いきや、3日34時 (4日10時) 現在、枝野幸男氏が発足した立憲民主党が急速に支持を伸ばしてる。理由は枝野氏が、政治に関わる質問にすべて答えたこと、立憲主義を謳ったこと。それって政治家の本来の仕事だし、法治国家として当然の姿勢じゃないの。ところで山本メロリンキュー氏は、感情論で押し通そうとしたらダメだよ感満載だったけど、最近真っ当になってきた。
 「君の名は。」がハリウッドで実写化される。ぴったりだと思う。君たちこういう要素好きでしょ、面白いでしょって媚び方がハリウッド的だって感じたから。牧村憲一さん「音楽都市シブヤ、50年の歴史と変遷」。渋谷っていう記号みたいな街にも、歴史があり文化があり風情があった。牧村さんも僕も、渋谷出身なんだ。

Tom Pettyが亡くなった。Traveling Wilburysから遡って、ベスト盤とあと数枚しか聴いてないんだ。でもパワーポップから枯れた王道ロックに変化する過程に、Beach Boysとの音楽的邂逅もあったと思う。いろんなミュージシャンがトリビュート演奏をしたけど、Ron Sexsmithが自宅で撮った "Refugee" が染みた。
 St. Vincentの新曲 "Los Ageless" 。Tom Rogerson with Brian Enoのコラボアルバムから "Motion in Field" 。Mamas Gunの新作が出る。Grizzly Bearの新曲 "Losing All Sense" 、スタジオセッション音源もいっぱい公開してる。フランスの美メロエレポップバンドPetit Fantomeのデビュー作から "Ma Naissance" 。Apples in StereoのRobert SchneiderとOlivia Tremor ControlのWill Cullen HartのユニットThe Patientの音源 "Extension 9" 。Andrew Weatherallの新作がSpotifyで聴けるDigitalismの新曲 "Spektrum" 。バルカンロックバンドKriesの "Selo na okuke" 。鈴木慶一さんがShazamで発見したGaussian Curveの新作The xxのテレビ音源 "Dangerous" と "Say Something Loving" 。Juana MolinaスタジオライブとインタビューFleet Foxesのテレビ音源 "I Am All That I Need / Arroyo Seco / Thumbprint Scar" 、彼らは来日が決まってる。Brian Wilsonの名曲 "Love And Mercy" の新しいMV。ものすごくシンプルな曲なのに、なんでこんなに心を震わせる力があるかね。Father John Mistyが来日する。Daniel Johnstonの個展が開催される。Jad Fairの個展が開催される。カッパドキアの音楽フェス最高か!!

のんちゃんのEPを聴いた。B面のCHABOのアコギ1本の "I Like You" がやばい。CHAIの新曲 "N.E.O." 、初ワンマン観たのは近い将来自慢できるな。Buffalo Daughterの新曲 "L∞P" 。内橋和久さんがダクソフォンって楽器でアルバムを出す。22歳の矢野顕子さんのテレビ書き起こし。面白い。新作ではYUKIちゃんやフジファブリックをカバーする。konoreさんが初のソロ音源をリリースする。金子麻友美さんが作詞作曲活動に専念するためにSSW活動を終了する。またどこかで会えるよね。ASOBOiSMCMソングを書き下ろした
 いまはアイドルフェスと化してる湯会って、昔はアヴァンギャルド系のミュージシャンが出てたんだよね。それじゃ客は呼べなかったのかな。DeAGOSTINIのBeatles LPコレクションの質問のトップがこれで、各界に衝撃を与えた。僕も衝撃を受けた。

10月9日 石油女王と結婚して、明大前にスタジオつき一戸建てを建てて、お抱え運転手の運転でライブ行きたい

金木犀って普段は存在に気づかないのに、この季節になるとこんなところにも生えてたのってびっくりするね。

3日付の日記は実は10時間かけて書いた。僕にとって日記を書くってことは、頭の中を整理してまとめて、そのぶん空っぽにする作業なんだ。そうしないとずっともじゃもじゃを抱えて、考えなくていいことを考え続けてしまう。
 気温や気圧の変化、体力の消耗、数々のアクシデントがあって、鬱病が悪化してる。最近は「鬱病は心の風邪」って表現を使わない。一生つきあっていかなきゃいけない病気だから。それでも周囲の理解を得るのは難しい。鬱病に人権が与えられるのは、ハンセン病くらい時間のかかることだと思っている。生きているうちには回復されない。

起きたアクシデントは、既読スルーを連発されたこと。好きなミュージシャンにツイートの言葉尻をしつこく揶揄されたこと。彼の発言につく「いいね」やRTの数々。結局有名な人に媚びていた方が生きやすい。そしてやむを得ずフォローしていたネトウヨにブロックされたこと。安倍政権が不利になったらブロックされるだろうなとは思っていた。オタクはやっぱりネトウヨに陥る確率が高いと感じる。ここ数年、エレクトリックリボンの文化を受け入れて、心を開いてきたけど、やっぱり僕がドルオタになるのは無理な話だった。また居場所を失った。
 いまチケットを取ってる主なライブは、Mount KimbieBeckSparksCorneliusScritti PolittiHUNTZA細野晴臣ChieftainsPaul Wellerあーた札幌ツアーや日本のインディーズもいっぱい観る。今日のMount Kimbieは体調的に断念した。

唯一の味方だった父を12歳で亡くしてから孤独だったし、なんどか恋愛もしたけど偽物だったし、何を信じたらいいのかわからない。それは僕を大切に思ってくれる人に、失礼なことだとも思う。信じられる友達はヌカタシがいるけど、ここ数年すごく多忙なんで押し潰されそうな時に頼れない。スピッツの "チェリー" に「ズルしても真面目にも生きてゆける気がしたよ」っていうフレーズがある。周りを見回して、真面目に生きて幸せになった人はほんの一握りだよ。かつてユーモアと知性の塊だったあの人も、真面目に生きていまはとても不幸そうだ。まして何も持ち合わせてなかった僕が何をか言わんやだ。
 独りが羨ましいってよく言われる。でも僕の苦悩はすべて「孤独」でまとめられる。それはもうなってみないとわからない、異性になってみないと異性の気持ちがわからないくらいにわからないものだ。

上馬キリスト教会さんに相談してみた。日本では宗教は胡散臭いものとされてるけど、世界の大部分の人はなにかしらの宗教に救いを見出してる。上馬キリスト教会さんのアカウントはキリスト教のみならず、宗教って現象についてとてもフレンドリーなスタンスを取っていて、僕みたいなにわかにはとてもありがたい。
 自分のことを好きになるっていうのはとても大事なことで、とても難しいことだ。僕は社会の隅っこで怯えながら生きてきたから。花とポップスの人たちは、その問題に正面からぶつかってるから好きだ。彼女らとの出会いはとても大きかった。でも音楽家がいかに魂を削って音楽を奏でても、可愛い可愛いで消費する女性シンガーソングライターシーンが日本にはあって、残念なことだと思ってる。本当に音楽が好きなら、ジャンルを問わずいろんな音楽が楽しめるはずだ。

4日はくらげ (ex Period.) の入魂のワンマンバースデーライブ@原宿ストロボカフェへ。クラゲをイメージした舞台セット、プロジェクターに映し出されるクラゲの映像、深海をイメージしたSE。彼女の力の入れようが伺える。
 ライブはGt,、Key,、Ba.、Dr.、Cho./Per.にクラゲがリードボーカルを取る編成。途中アコースティックコーナーを挟んで、AG.、Vn,、くらげのトリオで何曲か演奏した。イントロで2回つっかえて、3回めに強引に歌った曲は、本来は6/8拍子で、それをくらげが4/4拍子の3連で解釈していたものと想像する。アンコール前にSaiさんの仕込みでサイリウムを振る演出。Saiさんは今回は出番が少なかったけど、才能のある音楽家だと思う。誕生日ってことで花束を渡した。最近ライブや舞台で、よく花束を渡す。昔の僕じゃ考えられなかったことだ。

実はこの日はBelle and Sebastianのライブで、チケットも取ってすごく楽しみにしてたんだ。音楽好きの仲間から、なんでスキルが来てないんだってLINEが届いた。タイムラインも絶賛の嵐だった。
 チケットを譲ったベースの師匠からは、「Lou Reedがリードボーカルを取って、スコットランドでパブ系ダンスバンドをやっているような素晴らしいライブだった。サウンド作りにはPrefab Sproutを、弦や管楽器にはPale Fountainsを感じた。Isobel Campbellのクールなイメージを抱いていたけれどまるで違った。できるなら本国で観たいくらいだ」と。あまりSNSで多くを語らない彼が、ライブに感動して興奮している様子が伺えた。義理と本来の嗜好を天秤にかけて、義理を選んだことを深く悔いた。次の来日は何年後だろうか。中秋の名月がゾッとするほど美しかった。眼に焼き付けた。

5日は見たことないどうぐをつかった。初めてなのよ、やさしくしてよ。ピッピッピッってなった。いたくは...なかった。どっちかというとくすぐったかった。これが気持ちいいってことなのかなあ?
 つまり今年何度めかの健康診断を受けた。診断のたびに新たな疾患が見つかって別の検査を受けてる。もう健診というよりは病気の連鎖を手繰るフェーズにあり、観念して行くしかない。内臓系はどうしても服薬の影響を受ける。向精神薬を17年も飲んでたら悪くなるに決まってる。朝からなにも食べられない (薬も飲んじゃいけない) のが辛かった。午後には訪問看護師さんがいらして、音楽にまつわるもじゃもじゃした気持ちを一気に吐き出した。カウンセラーさんは音楽を聴く方じゃないんで、僕の想いにピンときてないんだ。訪問看護師さんは音楽好きなんで、ある程度はわかってくれる。

夜はPenguin Cafeを観に行く予定だった。これもすごく楽しみにしてた。Penguin Cafe Orchestraの後継バンドで、親の七光りだと思ってたんだけど、聴いてみたら非常に素晴らしい。音楽の才能は遺伝が9割って説を思い出した。
 で、朝から健康診断、訪問看護を受けて、支度をして猫と遊んでるうちに寝落ちてしまった。ここ数日、睡眠障害で3時間睡眠が続いてたんだ。時計は開演時間を指していた。夕暮れ団地から向かってももう間に合わない。つまり2日連続で観たいライブを観そこねたんである。彼らも次の来日がいつになるかわからない。そして6000円のチケット代...。翌6日も酷い鬱。抗鬱剤をユンケルで流し込んで (医者が聞いたら卒倒するだろう) なんとか出掛けた。このままだと引き込もって、冬季鬱を布団で迎えそうな気がして。

John Cale@Blue Note Tokyoへ。一番安い席なのに、Cale先生まで3mの席に案内された。John CaleがVelvet Undergroundとして、プロデューサーとして、ポピュラー音楽の最前線に50年以上も居続けていることはご存知の方も多いと思う。その一方で、優れたシンガーソングライターであることも知って欲しい。会場で気づいた、偶然John CageのTシャツで来てしまった。John CaleとJohn Cageを勘違いしてるバカだと思われてしまう。ほんとに偶然なんだー!!
 過去の名作を封印して近作から、それもアルバムと違ったアプローチで挑んだことに本当に感動した。過去の作品にも、2017年のオルタナティブロックとして機能する斬新なアレンジがあった。特筆すべきは "Sunday Morning" と "I'm Waiting For The Man" を演ったこと。Lou Reedに対する彼の深い想いが伝わってきた。

何よりも彼自身の、ボーカルもキーボードもギターも感性も、まったく衰えてないばかりかますます鋭利に尖っていたことに驚いた。75歳、戦中生まれだよ。何世代も若い技巧派のバンドを引っ張って、今を生きてる姿勢がたまらなくかっこよかった。
 基本的に彼はボーカルとキーボードとシーケンサー、バンドはGt、Ba、Drっていうシンプルな編成。たまたまベーシストの前に座ったんで、ベースを眺めてた。基本的に堅実なプレイをしながら、時にエフェクターを使って、とてもベースとは思えない音を出したり、ボーイングしたり。反対側のギタリストも、おかしいことをしていることが音から伺えた。ドラマーは淡々とタイトなプレイ。風圧を感じる程の轟音の渦と、ミニマルに解体されて再構築された楽曲たちを、VUファンはもちろん全てのロックファンに聴いて欲しい。

7日は鈴木博文 with Carnation@下北沢FEVERへ。死ぬほど聴いた "Wan-Gan King" の再現ライブ。バックを務めるCarnationは、日本最強だった時のメンバーが15年ぶりに揃った。この編成のCarnationって、日本のロック史上Tin Pan Alleyと比べるくらいのバンドだったと思うんだよね。
 "Wan-Gan King" を聴いた15歳の頃、"Young Wise Men"を 聴いた16歳の頃、絶世の美少女とこの編成のCarnationに通っていた30歳の頃、そして45歳の今。想いが行き来して感無量だった。この編成最後のCarnationのライブの時はなんのアナウンスもなかった。ライブが終わって帰ったら、事務所から発表があったんだ。人数が減ったCarnationは、音が削ぎ落とされて荒々しくなったぶん、ロマンティシズムの入り込む余地がなくなって、僕は聴かなくなった。

この日の久しぶりの全員Carnationと、それを牽引する鈴木博文さんは、あの頃の熱量を今の形で蘇らせたと思う。曲目は "Wan-Gan King" からぜんぶ、"Young Wise Men" から "頭の中の傷" "ごきげんいかが工場長"、そして、Moonridersのナンバーから "工場と微笑" "ボクハナク" "さよならは夜明けの夢に"。"ボクハナク" は博文さんと直枝政広さんの掛け合いに、客席からも大きなシンガロングが起きた。
 大田譲さんが棚谷祐一さんに「あの頃の曲覚えてる?」って振って、棚谷さんが「これはよくやったね」って "Edo River" のイントロを弾いて、そのまま全員で1コーラス演奏する一幕もあった。あのイントロのピアノ、本物だって胸が熱くなった人は多いはず。これまでも、棚谷さんを除いた再結成は何度かあったから。これをきっかけに全員のCarnationが復活してくれれば...勝手な想いだ。

8日はRoy Ayers@Bilbord Live Tokyoへ。ジャズやファンクの世界で活躍してきたヴィブラフォンのレジェンドだ。古くはFela Kuti、アシッドジャズの文脈でErykah BaduRobert Glasperとの共演も話題になった。サンプリングネタにされることも数知れず。
 なんかの間違いで一番前の席 (洒落た叔父様が若いモデルみたいな娘を連れてるエリア) に入り込んでしまった。僕が独りなんで席の配分で揉めていた。現れたレジェンドは呆れるほどにお茶目だった。現物のヴィブラフォンは持ち込めなかったのか、電子ヴィブラフォン、それでも最上の演奏を堪能した。Royの軽妙なボーカル、そしてクールかつグルーヴィーなマレットさばき。プロデューサーとしても大活躍だった彼、ジャズでありながらクラブミュージックとしても通用しそうな洒落たサウンドに酔いしれた。

バンドがまた上手い。Key,、Ba,、Dr,との4人編成で、ゲストにホーンも交えてソロ回しを披露した。それを眺めるRoyの満足そうなこと。最後はRoyがマレットを握ってビシっと締める。いろんな音楽を楽しめる人に聴いて欲しいライブだった。ヴィブラフォンで50年、第一線で生きてく音楽家ってこういうことかと。
 それにしても洒落た叔父様方は、いいソロがあっても拍手も声援もなく、そもそも体が動くこともなかった。君たちは音楽を聴きにきたの? ヤリにきたの? 終演後、あるかなあるかなと思ってたサイン会、ほんとうは会場で買った商品を宛名なしでって規定だったんだけど、最前列で盛りあがってた僕が目立ったのか、「You are groovy!! I like you!!」って言って、持ち込みのアナログに宛名入りのサインをくれた!! これはもう家宝だね。

政局はますます混迷を極めてる。想田和弘さん。「僕は『人を騙した方が勝ち』などという社会には住みたくない。しかし橋下徹も安倍晋三も小池百合子も、そういう価値観の人だ。そこに前原誠司も加わった。枝野幸男が立憲民主党を立ち上げたのは、単に政治的立場がそうさせたのではなく、『正直に生きること』の価値を守りたいと思ったのだと思う」。立憲民主党のツイッターのフォロワー数が自民党を抜いて、自民党アカウントがフォロワーをあわてて買い集めた。
 各国はどう報じたか。「小池氏は保守的なナショナリストで憲法などで安倍首相とほとんど同じ意見を持っている。主要な中道左派政党の消滅は日本の政治システムに根本的なダメージを与える危険」。小池百合子が掲げたユリノミクス、英語ではurinomics「有機体の尿の成分の総体を識別すること」って意味。

全編油絵で作られた映画「ゴッホ 最期の手紙」のトレーラーが公開された。来年エッシャー展が開催される。混みそうだな。CMで金髪のウィッグをしたのんちゃんが神がかってる松岡茉優さんが飲み屋で中年男性とガバガバ飲んで、路上でハグして帰っていった。その中年男性は茉優さんの実父で、「娘に頑張れよって言ったら、お前もなって言われてハグしてもらいました」って。かっこよすぎる。
 ドイツでは休みをきちんと取らないと、健康保険が使えない。それだけ働いたら病気になるのは当たり前だからだ。かたや日本では、電通の違法残業事件で、罰金たった50万円の判決が言い渡された。出処不明の話だけど、海外の文献で「日本人は深く考えるのは得意じゃない」ので、レストランやスポーツの話題はできても、「幸せとはなにか」を語り合える友達を作るのは難しいって紹介されたらしい。

Burialが12inchシングルをリリースする。ここで試聴できるCaribouの別名義Daphniの新作が試聴できるSam Smithが新曲 "Pray" を公開した。St. Vincentのテレビ音源 "Los Ageless" 。日本でもこれくらいのライブがテレビで観れたらな。Mike Loveが新作をリリースする。新曲とリメークの2枚組。うまくリンクが貼れないんだけど、試聴したらいい感じだった。Beckの来日公演のゲストにCorneliusが出演する。サポートメンバーのJason Falknerの単独公演もある。Jerry Rossが亡くなった。60年代から活躍したアメリカのプロデューサーで、スマートなサウンドは日本のSugar Babeに強い影響を与えて、つまりは間接的に日本のポップスにも大きく貢献した方。
 モジュラーミュージックスタジオって楽器が面白い。電子デバイスを繋ぎ合わせてなんやかんやするみたい。

DAOKO×岡村靖幸の "ステップアップLOVE" が最高すぎる。新しいアンセムになるだろう。細野晴臣さんが2枚組の新作をリリースする。小沢健二さんが「SONGS」ってテレビに出演した。朗読も含めたいい番組だったみたい。前に観たライブにも朗読があって、頭が柔らかくなる新しい視点をくれた。田島貴男さんはNegicco仲良しで羨ましいし、Negiccoは田島さんがどれだけ偉大か知らない方が幸せ。
 3日の日記に書いた、若いミュージシャンが邦楽の井戸の中で近親相姦してる話について、「とっかかりが楽になって、掘らなくても何万曲でも聴けるから」「ナビに頼って移動してばかりで、迷い道での発見の体験がない」って意見を貰った。一方で岸田繁さん「自分の威厳を保つために教えることと、この人のその先を知りたいと思って教えるのでは雲泥の差」。ここは気をつけよう。

10月11日 生まれてこなければ本当はよかったの...?

映画「レオン」に「大人になっても人生は辛い?」「ああ」ってやり取りがあった。大人になっても人生は辛いな。

辛い出来事が重なっている。数年後の自分はもし忘れてたら、同じ日付に病院に提出した書類を見て欲しい。
 つるうちはなちゃんとネットで話した。スキルさんの未来像はどうなのかと。家族・親族に絶縁されているだけに、自分の家庭を持ちたい、その前段階として恋愛をしたい。でももともと極度な恋愛下手であるうえに、45歳という年齢、数え切れない病気、定職がないっていうまったく恋愛向きじゃない条件が重なって、諦めそうになってる。いままで交際した女性は2人だけ、もう叶わない夢だと思ってる。

はなちゃんはこう言ってくれた。「わたし、どんなに表面的に親切でも根本に愛のない人ってすぐ見透かしてしまうんだけど、スキルさんを見ると、愛の形をしてるなあと思うんだ」。すごく嬉しい。僕は自分でも愛と誠実さと優しさに溢れてると思うよ。若い頃から既婚の女性にはなぜかウケがいい。未婚の女子が僕に気づいてくれたらいいのに。そこに微かな希望とヒントがあると思う。
 「恋愛おじさん」って言葉が揶揄の意味で使われてるそうだ。人は時間の経過と共におじさんかおばさんになるって事実に気づかない人が多い。体ばっかり老いて心は15歳のままなんだよ。やっぱりこの国ではおじさんって生き物は存在自体が罪みたいだ。男の寿命が30歳だったらいい。それは既婚者でも。カマキリみたいに食べられちゃうの。その方がお互い幸せでしょう。女はその後は勝手に生きてくれ。

孤立死して訪問看護師さんに発見されて、無縁仏として多摩市に処理される未来が見える。これだけ病気を抱えていたら、それはそう遠くない話かも知れない。激太りも薬の副作用だし、鬱病によって運動量が極端に減った結果でもある。もうひとつの死の可能性、僕は主に障害者年金と、貯金を潰して生きてる。でも寂しさから浪費癖がある。まだ聴いてないCDの山。エレクトリックリボンにかけた常識と二桁違うアプリ内課金。たぶん貯金が尽きた時に、自ら命を絶つ。
 40歳までは、人生ここから逆転する気概があった。幸せな結婚をして、でもあいつとあいつは式に呼ばない、みたいな。見返してやるんだって。まだやる気は、実はほんの少しある。主治医に、あまりにも人が良すぎる、あまりにも素直すぎる、もっと意地悪になれって言われた。それが出来たらこんな不甲斐ない人生を送ってこなかった。

森泉岳土さんが、子供の頃は灯台守になりたかった、その原風景はムーミンかも知れないってツイートした。ああそうか、僕も同じだ。ムーミンの世界に住む人々の職業観と哲学に憧れる。
 若い頃は、メディアアーティストとして食うまであと一歩まで行った。数々の挫折や不運があって、その道が閉ざされてからも、サラリーマンとしてそれなりに仕事をしてた。でもいまは、対価を貰って奉仕するっていう責任を負うのがとても怖い。病状的に、決まった時間に決まった場所に行けないって問題もある。生活保護を受けるのはとても条件が厳しいと聞いている。パソコンや猫との同居は無理だろう。僕の「孤独」を和らげる意味で、パソコンと猫がなくちゃ生きていけない。猫は優しい。けどこの日記を書いてるいま、ぴったりくっついてほっぺた舐めて、暑いしザラザラ痛い。

そんなこんなで (どんなだ) 、11月に予定していた札幌行きをキャンセルした。ホテルはすぐにキャンセルできたけど、飛行機は代理店には航空会社に電話しろと言われ、航空会社には代理店に電話しろと言われ、結局代金は戻ってこないんで、当日空港に行かなければいいだけですって。空港の方にご迷惑がかからないのだろうか。
 10日は、古賀小由実さん×平田クミさん×ジャーマン山根ポテトさんのライブに行った。やっぱり古賀さんの透明な声、ジャジーで柔らかいピアノ、楽曲やアレンジのセンス、意外とお茶目なキャラクター、全部好きだ。でも平田クミさんVo./Gt.、ジャーマン山根ポテトさんDr./Cho.とのトリオの相性も抜群で、穏やかな時間にカサカサになっていた心が洗われた。ここ数日の辛さからずいぶん飲んだけど、音楽の力で浄化されてぜんぜん酔わなかった。

くだらない選挙がある。「『国難』強調する安倍政権 自衛隊からは疑問の声も」。「北朝鮮の脅威を前面に出せば、対応にあたる政府・与党に有利なのは明らかだ。政権交代しにくい世論形成につながりかねない」って指摘。緑のたぬき希望の党は相変わらず嘘八百。「原発事故訴訟 国と東電に賠償命じる」。あれだけのことをして賠償金は総額たった160億円だそうだ。イギリスのOLさん「私は1年間働いて一度も残業してないし、有給4週間半あって、初任給30万円位もらったよ。もっと好条件で働いてる友達も沢山いる。でもこれもイギリスの人達が真剣に考えて作った労働環境。日本人は死ななきゃいいの?」。
 深谷かほる先生の「夜廻り猫」が新聞に紹介された。「夜廻り猫」の「いいおんなセレクション」心優しき報われない女性たちと猫のお話。こんな女性と出会いたい人生だった。

Squeezeの新曲 "Innocence in Paradise" ますますかっこいい。ジャケもいい。The Go! Teamの新曲 "Semicircle Song" 。Belle and SebastianがE.P.三部作をリリースする。"I'll Be Your Pilot" 。Fleet Foxesが10inchiアナログをリリースする。イギリスのテレビ番組からBeck "Devils Haircut" 、Beck "Up All Night" 、St. Vincent "New York" 、何度も書いてるけど、このレベルのライブがテレビで聴けちゃう国には叶わない。Randy Newmanラジオ音源Father John Mistyインタビュー、わかりやすくて新しい視点。
 凄すぎて何をやってるのかよくわからないイランの伝統楽器トンバク。拳で叩く、擦る、押さえる、指パッチン、ロール...。

日本の音楽シーンについて否定的な日記が続いたけど、CHAIの "N.E.O." 、Nakanoまるちゃんの "笑う女の子" 、Okada Takuroさんの "Amorphae" なんかが注目を集めてるのを見ると、捨てたもんじゃないなあと思う。

10月13日 余談

不穏な日記のまま沈黙するのもどうかと思い。辛い出来事を振り払うようにライブ三昧の日々を送っている。12日から15日の間に6本のライブを観る。体力的に心配はある。でもよくライブを観て、感情を揺さぶってストレスを緩和するのは健康にいいっていう割と科学的な記事を読んだ。次の更新はたぶん16日です。

10月14日 生きるのが上手くなりたいが!?

生きるのが上手くなりたいが!? 心が生まれながらに弱く、育った環境的に弱く、病的に弱い。

11日は病院へ。普段主治医に相談事はしないんだけど、今週はカウンセリングがなかったんで近況を報告してみた。主治医の答えは「山下さんはあまりにも人が良すぎるんだよ、素直すぎるっていうか、もっと意地悪になりなさいよ」と。そんなことが出来たら、鬱病で17年も苦しむことはないわけで。翌12日は訪問看護師さんとお喋り。主治医の言葉に「そんなの無理ですよねえ」。
 夜は柴山一幸さんの新ユニット、師弟TUNEのデビューライブ@青山月見ル君想フ。対バンも大好きなバンドばっかり。ブッキングした方と話をしてみたい。

最初に登場したのはクララズ。同行のヌカタシとは30年来の親友だけど、音楽の好みがちょっと違う。彼が好きなのは混沌としてたり露悪趣味だったり、つまり聴いててメンタル的に辛いんである。そんな時僕は容赦なくストップボタンをぶちっと押す。それをヌカタシは「ゴングショー」って比喩する。日本のバンドでゴングショー的に素晴らしかったのがクララズだ。叙情的で楚々とした佇まいと、湿気のない洋楽的なポップネスに惹かれた。
 ステージに登場した彼女は、イメージと違ってなぜかフライングVを抱え、スリーピースバンドの編成でパワーポップを痛快に演奏した。その毒っぽさと甘酸っぱさのコンビネーションが素敵だった。サイトを読むと、バンド編成と弾き語り、並行して活動してるみたいだ。弾き語りのライブも観てみたい。

次に登場したのは師弟TUNE。音大の准教授でもある柴山一幸さん Vo. と、その生徒で4年生のデシベルさん Gt. / Prog. のユニット。一幸さんのポップロックスピリットが、よりカラフルにフレッシュにアップデートされた感じ。ライブでは矢部浩志さんを迎えたバンド編成で、打ち込みのリリース音源よりもパワフルな講義だった。デシベルさんは中学時代引きこもりで、これが人生初ライブだという。ほんとかよ、堂々としてかっこいい演奏だった。
 続いて野佐怜奈さん。高浪慶太郎さん周辺がブレーンになって、女の子を使って趣味性を打ち出してる印象だったけど、ライブを観ると、本人のトーンダウンしたキャラから、お茶目な悪戯心とユーモアセンスが溢れ出てた。リズム隊だけ生演奏で、それがすごく効果的だった。"ナイアガラ音頭" を飄々とカバーする姿に惚れた。

トリはThe Broken TV花とポップスのイベントで観てすごく気に入った、男女ユニゾンボーカルのポップバンド。サイトではJ-POP性を打ち出してるけど、ソウルや昭和歌謡の香りもして、幅広い音楽を吸収した強者達だってすぐにわかる。驚くべきは、リーダーが隅っこで小さくしていた、ベースのユカリチャンネルさんであること。で、ユカリチャンネルさん可愛い。2ショット写真を撮ってもらった。ホクホク。彼らはテレビをコンセプトにしてるんで、音源はなくてDVDのみのリリース。買った。矢部浩志さんも買ってた。
 っていうかほんとにこの日は素晴らしいバンドばっかりで、物販あれこれ買いすぎて翌日に駅まで出るバス代に困るほどだった。財布の中300円くらいだよ。PASMOでなんとか乗り切った。

13日はマッサージ屋さんへ。たまたま入って施術も人柄も気に入って、通い始めてもう何年になるのかな。この日は、お店のお姉さんたちと話してるうちに恋愛相談になっちゃった。相手を自分から追うんじゃなくて、まずは自分を磨くこと。それも悪いところを直すんじゃなくて、良いところを伸ばすこと。そうすれば幸せの方から寄ってくるからって。僕は生まれ育ちの経緯で、自分を好きになるのがとっても苦手なんだ。そこだわたぶん。
 なぎここと心温なぎさに、自分の趣味を大切にするよって話をした。前にこの日記にもよく引用してた、スーザン・ソンタグの「趣味は人生の選択である」って言葉を添えて。つまり、本当に好きなものがその人自身なんだよって。なぎこは「楽しい生き方しよう」って背中を押してくれた。あのなぎこに!! 嬉しかったし感慨深かった。

夜は小川剛と武蔵野ワルツ@千歳烏山TUBO。あんでぃこと安藤力さんのイベントで知ったミュージシャン。今後は「小川剛と」を取って、バンドとして活動していきたいそう。TUBOは初めて来たお店だけど、食べ物も美味しくて雰囲気もよくて気に入った。
 武蔵野ワルツは小川剛さんVo. / Ag.、Eg.、Pf.、Vn,、Dr.のベースレスな編成。前に剛さんの弾き語りを観たとき、関西フォークや中央線の香りがするって書いた。バンドの演奏は、フォークのルーツを辿るとアメリカへ、さらにはヨーロッパ移民の伝承音楽へと遡れる。ってことを感じるくらい、音楽的な背景が伝わってきた。剛さんの囁くようなボーカルは、人柄が滲み出てるな。対バンのCheap Cheapersは、音楽性は近いけれど、もっと熟練のお兄様お姉様たち。渋いボーカルと華やかなAcc.とSaxの対比、グルーヴィーな演奏が楽しかった。

その帰り道、抗鬱剤が効いてない状態で、花とポップスの複数のファンにブロックされてることに気づいた。花とポップスの皆さんの音楽や生き方に、深い敬意と興味があるだけに、発作的に抑鬱状態になって、輪から追い出されたような妄想に陥ってしまった。で、やったことは、予約してたすべてのライブのキャンセル、そしてクラウドファウンディング型ファンクラブからの退会。我ながら酷い。翌日はイナダミホさんの入魂のワンマンを経て、サトウトモミさんのライブに行くつもりだった。なんていうタイミングだ。
 今朝になって深く後悔した。花とポップスのみんなに、お詫びと状況説明のDMを送った。みんなからは、「体調がよくなったらいつでも戻っておいで」って暖かい言葉を貰った。僕よりずっと年下なのに、大人な対応だよな。かなわないなって思う。

安倍政権の数々の愚行、緑のたぬきの希望の党が掻き乱すくだらない選挙については割愛。ただ若い人の投票率がガッとあがったら、選挙の結果がどうであれ、政権運営は笑っちゃうくらい変わるはず。入院中の方は、院内投票って仕組みがあるそうだ。ぜひ投票へ。冷戦後に混乱してる思想や論理を整理したこの記事は一読の価値あり
 映画「この世界の片隅に」に関わったチーム一同が、菊池寛賞を受賞した。一同にはこうの史代先生、全てのスタッフ・キャスト、クラウドファウンディングに参加した方々が含まれる。「3月のライオン」のイベントで、着ぐるみの中に羽海野チカ先生が入ってた。衛生状態が悪くてたくさんの人が亡くなった南アフリカの貧民街で、石鹸の中におもちゃを入れたら子供たちが手洗いをするようになって、感染症が70%も抑えられたそう。

Teen Dazeの新曲 "Kilika" 。Sananda Maitreya (Terence Trent D'Arby) が新作をリリースした。CD盤はここで買える。ブラジルのSSW、Rafa Castroの新曲 "Fronteira" 。NgatariのJessicaと、Prefuse73ことScott Herrenが、クラシックを再生するプロジェクトを始めた。Nic Fanciulliの新曲 "Saying feat. Damon Albarn" 。森永泰弘さんのフィールドレコーディングシリーズがリリースされる。第一弾はベトナムのエデ族のゴング音楽。ミニマルミュージックだね。
 Gangway再結成ライブ映像が沢山アップされてる。John CaleMoe Tuckerが "I’m Waiting for The Man" で共演した。Tychoライブ映像が公開された。Sparksが "Unaware" に続くショートフィルム "Mr Grey" を公開した。The xxが来日する。サハラ砂漠の遊牧民のバンドTinariwenが来日する。

のんちゃんがレコードの日のイメージキャラクターになった。新米レコ屋店員を演じてる。彼女のシフト表はよ!! SOLEILのボーカルそれいゆちゃん14歳のインタビュー。「モノラルミックスは古臭い、とか思ったりはしなかった?」「片方のイヤホンでも同じ音が聞けるから便利だと思う」。そもそもPhil Spectorがモノラルサウンドに辿り着いたいきさつは、とかもじゃもじゃ書いてる僕より、ちゃんと歌って表現してる彼女のほうが1兆倍偉い。うるまでるびの "おしりかじり虫" がCMソングとしてお洒落にカバーされた。オリジナルの松前公高さんと同じく、カバーバージョンのアレンジもマニュエラGAK SATOさん。細野晴臣さんが新刊「映画を聴きましょう」を発売する。
 "Wan-Gan King" の時、鈴木博文さんは33歳だった。ってことはバックのCarnationはもっと若かった。"Long Vacation" の時の大滝詠一さんも33歳だった、に続く衝撃。

相変わらず波乱万丈だけど、取り敢えず花とポップスの誰かのライブに笑って行けたらいいな。

10月16日 ぶっちぎって光になる

というわけで。13日に、外出先で抗鬱剤を持ち合わせてない状態で、花とポップスの複数のファンにツイッターでブロックされてることに気づいて、人の輪から弾き出されたような妄想に陥っちゃった (僕のコンプレックスの象徴的な現象だ) 。で、なかば発作的に、すべてのライブ予約のキャンセルと、ファンクラブからの退会手続きをしちゃった。翌朝に深く後悔して、みなさんにお詫びのメッセージを送って、もう一度ファンでいさせてくださいってお願いをした。
 相手がどうでもいい人々だったらしょうがない。お願いをしたのは、花とポップスの皆さんを表現者として、人間として深く尊敬していて、これからを見届けたい想いが強くあったから。皆さんからは暖かいお返事を頂いた。ってとこまでは前に書いた。

問題はいつ戻るかのタイミングだ。どうしたもんかな。15日に起きてタイムラインを眺めてたら、あーたがめずらしく朝にブログを更新してたんだ。それは今日、TSUTAYA調布南口店さんで定例のインストアライブをやるよって内容だった。読んではっとした。戻るタイミング、今日じゃね? 長いスパンを置いちゃうと、ますます気まずくなる。急に行ったら驚かせちゃうんで、あーたに行きますよの連絡をした。おいでって言ってもらえた。その勢いで、ファンクラブにも再加入の手続きをした。みんなびっくりしたんじゃないかな。
 今回のことで、僕に対して警戒心を与えちゃったし、それは消えないと思ってるよ。対人関係の機微のわかってなさは、鬱病だけの問題じゃなくて、発達障害的な疾患があるんじゃないかと思う。

あーたのライブは相変わらず素晴らしかった。楽曲・演奏・ライブ向けじゃない環境の中での集中力。あーたのライブに通いまくって、今日の演奏はあれ? って感じたことはほんの数回しかない。定例のインストアライブでちびっこのファンも獲得したみたいで、楽しそうに演奏してる姿が印象的だった。でもさ、2ステージめで寝落ちちゃったんだ。最前列の真ん中の席で舟を漕いでる客がいると、ほかのお客さんから見てあーたとあーたの音楽に対する心象が悪くなる。申し訳ないことをした。で、ちゃんと謝れなかったな。
 僕がライブ中に寝落ちるのは、睡眠障害で夜に眠れないってこともあるけど、気持ちいい音楽に浸ってついってこともある。この日は両方だ。眠いって自覚がなくて、気づいたら寝落ちてた。あーたに体調の心配をされちゃって、お恥ずかしい限り。

この日のインストアライブのもう一人の出演者は水野谷みきさん。「弾いてもらい語り」でピアニカを吹きながら歌う。メロディラインは日本的なんだけど、コード感がユニークで楽しく聴けた。それはサポートギタリスト氏の、素晴らしい演奏にもよる。
 歌の内容は日常とシュールを行き来して、ときどき意外なパンチワードが繰り出された。「血みどろの」って言葉にはっとした。なんで日常風景の中に血みどろが登場するんだろう。終わってから聞いてみた。その歌は、原発廃炉の作業員とその家族を描いているんだって。うーん唸った。歌詞の中にもMCにも、原発を思わせるタームはまるで出てこないんだ。音楽にはクラシックから入って吹奏楽を経て、ジャズドラマーでもあるそうだ。独特の音楽性は、多様な経験の賜物であった。

その足で、わたしのねがいごと。の主催イベント、わたねがナイト vol.1@下北沢Basement Barへ。穏やかなわたねがの世界、スタンディングなんで立って寝ませんように。
 O.A.の稲見繭さんがよかった。少し鼻にかかった声の美しさ、演奏の間合いとグルーヴ、心地いいメロディライン。典型的なポップスの構成から外れてて、いわゆる1番2番がなくていきなり終わる曲が多かった。ちょっとだけお喋りしたんだけど、そこんとこ聞き忘れちゃったな。音楽はポップス全般、幅広く聴いてるそうだ。幅広いがどの程度の幅広さなのかはわからない。で、まだ音楽活動を始めたばっかりなんだって。言われてみれば、MCのとっ散らかりように初々しさはあった。演奏は堂々として、表現力に溢れてた。

わたしのねがいごと。はVo.、Ag, / Cho.、Key,の女性トリオ。前はひたすら穏やかな音楽だったけど、2ヶ月前からサポートのリズム隊を入れてバンド編成で演奏してる。3人の存在感が薄れちゃうんじゃないかって懸念したのは杞憂だった。リズム隊が入ることで3人の演奏もタフになって、むしろ輪郭がくっきりした。お馴染みのレパートリーも佇まいが変わって、アップテンポな新曲も素晴らしい。これからどう進化していくのか楽しみだ。ミニアルバムの発売とワンマンライブの開催も発表された。もちろんすぐにチケットを買った。
 わたねがの3人は普通にJ-POPを聴いてる。で、るなっこさんってブレーンがいる。ツイッターを見るに相当に幅広い音楽を聴いて、わたねがの音楽性を作ってる。ずっと気になってたるなっこさん、やっとお目にかかることが出来た。いつかじっくり音楽談義したいな。

若きミュージシャンの皆さん、僕の邦楽観と洋楽観、音楽という海の広さと深さについては、3日の日記の最初の3段落に書きました。目を通して頂けると嬉しいな。そして岸田繁さんの言葉、「自分の威厳を保つために教えることと、この人のその先を知りたいと思って教えるのでは雲泥の差」これは肝に命じておきます。
 ところで、ちびっこたちの様子が微笑ましかったんで、写真撮ってネットにあげたらNGで、慌てて削除した。子供たちが遊んでる写真集の傑作はネットにもたくさんあって、全員の親御さんの許可を取ってるとは思えない。ああいう作品もこれから消えていくんだろうか。権利問題に限らずに、ネットネイティヴ世代の知性と感覚の早さには脅威を感じてる。俺、老害になってるぞ。急がないと!!

今日は美人女子大生のカウンセラーさんに、人生途方に暮れて絶望感に打ちひしがれてることを告白するプレイ。日記にも書いてないことがいろいろあったんだよ!! 終わってiPhoneを開いたら、"ぶっちぎって光" を熱唱するつるうちはなちゃんの動画が。タイムリー過ぎた。私は生きてる、ぶっちぎって光になる!!
 焼き芋屋さんが観測される寒さの中、生脚を出してる女子高生におかれましては、ありがたいことだ、尊いことだと思ってる。ところで僕も今日は生腕を出してた。出がけに羽織るものが見つからなかったんだ。僕はおじさんなので、出しても不審者でしかない。誰かありがたがれ。お風呂って入ればあったかくて気持ちいいのはわかってるのに、服を脱ぐのが寒くて億劫だ。きゃりーぱみゅぱみゅさんは服を着たままお風呂に入って、絞って洗濯機に入れるらしい。

小島慶子さん「政治について考えたり語ったりするのは特別なことではなくて、こんなふうに暮らしたい、こんな不安をなんとかしたい、何が大事か、何が嬉しいか、何に怒っていて、どうしたいかっていう、生きることそのものの話なんだけどな」。前回の参院選では10代の投票率が46.78%で20代、30代を上回った。結果10代向けの政策がいくつか実現した。そういうことだよ選挙って。それでも46.78%じゃ代議制民主主義が機能してるとは言えない。みんな選挙行け。
 立憲民主党枝野幸男氏が、なんとele-kingのインタビューに答えた。前川喜平氏のインタビュー改憲を主張する人は、今の憲法は自主憲法でないなどと言いますが、民族性ではなくて、憲法9条は1928年のパリ不戦条約にある戦争の違法化など人類の知恵の積み重ねの中で生まれたもので、人類史の中で燦然と輝いているわけです」。

日本維新の会長谷川豊の言い訳、「選挙は本当にみんなが真剣に訴え真剣に戦っています。私は過去のブログも『炎上目的とはいえ大変稚拙で申し訳なかった』と十回以上謝罪してきました」。政治家の仕事は選挙じゃなくて政治だ。火をつけて謝って許すかどうかは被害者が決めることだ。気が滅入ってくる。音楽と猫のことだけ考えようぜ。
 僕が行けなかったイナダミホちゃんのワンマンライブについて、放送作家りんさんのライブレポートを読んだ。音楽の喜びってこういうことだよね。この話がみんなに届くといい。北欧のバイキングとイスラム教の関係について、興味深い発見があった。上野動物園が禁煙を検討してる。いままで禁煙じゃなかったことにびっくり。ほかの動物園も禁煙じゃないところが多いみたい。車のボンネットに猫が入り込む季節、車に乗る前に猫バンバンしよう。

Sondre Lercheの最新アルバムのリメイク盤から"Siamese Twin" 。リメイクに名盤なしって言うけど、弾き語りだそうで気になる。タイのバンドPhum Viphuritの新曲 "Sweet Hurricane" 。John FoxxHarold Budd楽曲のミックス音源を発表した。Stewart CopelandAdrian Belewの新バンド、Gizmodromeが来日する。Christian Fennesz&Jim O’Rourkeが単独ライブをする。
 のんちゃんのファーストシングルはA面高野寛さん作詞作曲、B面本人の作詞作曲だって。大原ゆい子さんの新曲 "煌めく浜辺" は鈴木慶一さん作編曲プロデュース。大原ゆい子さんは「大原由衣子さん」だった時代に、弾き語りのライブを追いかけてた。感慨深いな。

次のカウンセリングでは、音楽の喜びの話をしよう。

10月20日 デロンギの放射熱 × 猫の伝導熱 = 幸せ

のんちゃんは意外とおっぱいがあるのも素敵だと思う。巨乳好きってわけじゃなくてギャップ萌え的なニュアンスで。

ここ数日は平穏な日々。17日は健康診断へ。不健康は確定したんで経過診断というべきか。血液検査があるんで昼頃までなんにも食べられなかった。頭の中の8割はハラヘッツァ、2割は寒い。
 片手で数えられないくらい病気を持って、この1ヶ月で両手で数えられないくらい検査を受けて、結果を見た主治医に「いま一番の問題は肥満ですね」って言われた私は、ケンタッキーを3ピースとアップルパイとポテトを食べた。「骨なしチキンのお客様」うるさいわ!! いやもうほんと、次の恋のためだけじゃなくて、治療の一環としてダイエットしないとヤバいみたい。

翌18日は今季初の鍋会。我々にとって鍋とはピエンローであり。適当に作っても美味いからいいよね。ダイエット向きでもあるし。音楽を聴きながらお酒もちょっと飲んだ。
 鍋会中に田中ミズホちゃんのツイキャスつけたら、ミズホちゃんのお喋りと鍋会のお喋りがシンクロして、未来キタって思った。ミズホちゃんは風邪を引いてて歌は歌えなかった。聴きたかったけど、お喋りだけでも充分に楽しい。元気出る。一家に一人の逸材。こないだ聴いた水野谷みきさんのツイキャスも気に入ってる。ウクレレの弾き語りや詩の朗読や。素晴らしい感性とユーモアを持った表現者だ。面白い若い人が世の中にはいっぱいいるな。おじさんはおじさんである事実に罪悪感を持って、卑屈になっちゃう繊細な生き物だ。そして男はやむを得ずおじさんになる。くれぐれも優しく扱って欲しい。

で、19日はあーたわかちんからほい@恵比寿天窓.Switch。ラジオから派生したこのユニット、ライブで何をやるのかいつもわからない。わかちゃんから、持ち時間の5分を小籠包の話に充てる宣言があった。普通に音楽のライブイベントですよ。わかちゃんの本業はライブハウスのスタッフさんですよ。
 駅前のカフェに超可愛い店員さんが入ってから、店員さんが見える席はぎゅうぎゅう、奥はがらがらになった。おじいちゃんも特等席に座ってる。僕がおじいちゃんになってもたぶん座る。と思って眺めてたら、おじいちゃん店員さんに話しかけた。すごく嬉しそう (おじいちゃんが) 。やるな!! ところでここ数日は真冬並みの寒さ。マフラー女子の髪のモコってしたところの良さ。雪虫って長いこと、ケセランパサラン的なファンタジーの生き物だと思ってた。

ちんからほいのステージは、歌ありラップあり。内容はくだらないんだけど曲がいちいちいい。あーたが本気で書いてるのがわかる。ラジオ発のユニットだけに、お便りのコーナーや、箱の中身はなんじゃろなコーナーもあって、カオスだけど楽しい時間だった。コンセプトは大人のポンキッキなんだって。仕事で中国に行ってたわかちゃん、小籠包の話は一瞬で終わって上海蟹の話をした。で、PUFFYのカバー歌いますって言うからカニ食べ行こう、かと思ったら "アジアの純真" であった。今後はワンマンライブやミニアルバムの発売をガチでする。
 で、ちんからほいのステージが終わってまた寝落ちてしまった。最前列の席で。失礼にもほどがある。睡眠障害深刻だ。ほかの病気の数々の深刻さにまぎれてるな。午前中に用事がある日がきつい。これからも観に行くライブがいっぱいあるんで動画を作った

ここ数日のトピックは、カップヌードルの宣伝で、クライアントがデザイナーに無理難題を言うポスターのこと。僕はデザインの仕事をしてたんでぜんぜん笑えない。ってツイートしたらインプレッションが50万、バカに発見されてクソリプが止まらない。みんないい加減飽きて欲しい。クソリプあるある「萌え萌えアニメアイコン」「萌え萌えアイドルアイコン」「捨てアカ卵アイコン」。クソリプに論理的に説明してる方は立派だ。僕はスナック感覚でブロックしちゃう。
 ああいうクライアントさんに当たっちゃって、追加費用の請求どころか、会社をたたむ羽目になったり、鬱病を患ったり、失踪するデザイナーさんをたくさん見てきた。業界の闇だ。僕が発注者になったケースもあったけど、発注者と受注者は金銭の授受を介して対等だと思ってる。ってことが伝わらない。日本ですなあ。

ドキュメンタリー映画「すばらしき映画音楽たち」観たい。予告編がたくさん公開されてる。クストリッツァの新作も観たい。といいつつ久しく映画館で映画を観てない。あれもこれも観逃してる。「自動販売機のアナウンスのカラオケ」。林雄司さんとべつやくれいさんも理想の夫婦像のひとつだな。いわゆるインスタ映えのくだらなさが話題になった。僕はこの方のInstagramが好き。写真に物語がある。観たいもんしか観ないし聴きたいもんしか聴かーん。
 月の地下に巨大な空洞が発見された。まじか。放射線や気温差から逃れて月面基地として使えるかもらしい。「中性子星:合体で重力波」。話の規模がいちいち桁外れだ (内容はよくわかってない) 。「嘆きの壁」で古代ローマの建造物が発掘された。くだらん選挙は保守思想なき自称保守の人々の必死のdisが目立った。

St. Vincentの新譜、バラエティに富んでてどの曲もいいし、アルバムとしてのバランスもいい。いままでで一番好きかも。ラジオで "London Calling" をアコースティック編成でカバーした。St. Vincent、CHVRCHESBon IverElliott Smith...の未発表音源を集めたチャリティ7inchボックスが出る。悩むなあ!! Peter GallwayLaura Nyroへのトリビュートアルバムをリリースする。コンゴの民族音楽をクラブミュージック化したKonono N°1のリーダーAugustin Mawangu Mingiediが亡くなった。Sparksがショートフィルム第三弾 "The Guest" を公開した。
 Patti Smithがテレビでアコギ弾き語りで "Beneath the Southern Cross" を演奏した。すげえ、これがパンクだ。Thundercatラジオでセッションした。最高か!! 元Vampire WeekendRostamラジオでセッションした。元Vampire Weekendの人々、音楽性の違いはそう感じないんだけどもう戻れないのかな。Beckがテレビで "Up All Night" を演奏した。新作はグラミー取った前のやつより好きだけど、ポップ過ぎるアルバムを評価しちゃだめなこの空気。Arcade Fireがテレビで "Everything Now" を演奏した。Paul Heaton & Jacqui Abbottがテレビで "Happy Hour" "I Gotta Praise" を演奏した。彼らがいたBeautiful Southはイギリスの国民的バンドで、日本では呆れるほど売れなかったけど大好きだった。First Aid Kitスタジオライブした。
 Metallicaをオタマトーンで演奏した動画。音楽のムードを分析して似合うミックスジュースを作る機械。フェスのお客さん1人を選んで何も知らされないまま出演者と1対1で演奏を聴かせる夢のような企画、第一弾はBon Iver。The Smiths "The Queen Is Dead" デラックスエディションが気になってる。春に新譜を出して秋にデラックスエディションを出す商法が廃れたと思ったら、おじさんの青春デラックスエディション商法が流行り始めた。Kinksの "Sleepwalker" がアナログで再発される。70年代以降のKinksがずっと廃盤状態なのは権利的にめんどくさいのかしら。Nat King Coleの弟Freddy Coleが来日する。お兄さんがあまりにも有名だけどFreddyもいいんだよ。Ed Sheeranが骨折して日本を含むワールドツアーを中止した。はよ治ってください。

PolarisFishmansの "Season" のカバーを12inchでリリースする。フジファブリックが "Fab Step" を12inchでリリースする。「裏ブルーノート」の著者若杉実さんとPeter Barakanさんの対談。非常に面白い。牧村憲一さん「2017年に繋がる『都市型ポップス』の系譜」。「裸のラリーズ ハイジャックで北朝鮮へ渡った元メンバーが語る」。別の記事によると、いまはBabymetalを聴いてるらしい。
 MRIはテクノだって話で盛りあがった。気持ちいい爆音がするんだ。テクノのミュージシャンたちが録音したがって、でも金属を持ち込めないからどうしてもできなかった。その場だけの美学なの。

10月23日 「素晴らしい音楽」なる現象について

いつもみたいに音楽聴いててさ、かっこいいなって。音楽愛好家歴数十年にして、ふと疑問に思ったんだ。音楽がかっこいいってなんだ!? 科学的に説明がつくんだろうか。先天的な感覚なんだろうか。
 音階の成り立ちやハーモニーは科学的に説明がつく。オクターブは周波数比が1:2になる音程。で、周波数比が2:3になる音程は完全5度 (属音) と完全5度下の音 (下属音)。だ。つまり、世界のおおよその民族音楽には、ドとファとソがある。その合間にいくつ音を置くかで音階が決まる。で、話せば長くなるしつまんないからすっ飛ばすけど、心地いいとされるハーモニーや、その次にこのハーモニーに進むとほっとするコード進行は科学的に説明がつく。その通りのコード進行は飽き飽きして、多くの作曲家は意表をついて驚かせる。それをかっこいいと感じるかどうかは後天的な感覚だと思う。

均等なリズムを心地よく感じるのは、胎内で聴いた心音がルーツだったりするんじゃないか (憶測) 。でももっとこう、いろんな要素があるじゃない。グルーヴをかっこいいと感じる何かが。
 4ビートから8ビートに移行する時代のリズム楽器奏者って、シャッフル気味でジャストなリズムじゃない。っていうのは8ビートが突然発明された訳じゃなくて、4ビートの裏拍がだんだん強くなっていった経緯なんじゃないの。過渡期のドラマー、Ringo StarrCharlie Wattsのドラムに顕著だ。で、そこにほかの楽器が加わって、バンドのグルーヴが生まれる。癖のあるドラマーと、2人の優れたソングライターがいたから、BeatlesやStonesは特別なバンドになったと思ってる。BeatlesのカバーがBeatlesよりかっこいいことないもんね。これは、先天的な感覚に変化が起きて、楽しい気持ちになる魔法だ。

僕を音楽好きにした原因はいっぱいあって、中学の音楽の野田先生の影響は大きい。最初の授業で教科書を開いて、「音楽はメロディ・リズム・ハーモニーの三要素で成り立っている。これは間違いです」ってケチャの動画をかけたんだ。その衝撃ったらない。「音楽はリズムだけでも成り立ちます」。野田先生かっこいい。でもケチャのリズムにも当然揺らぎがある。これをかっちりさせちゃうとつまんないって例が、坂本龍一の "Neo Geo" だ。メロディの良し悪しは楽理では説明できない。たぶん後天的な体験で、好きなメロディの傾向が決まる。これは生まれ育った地域や環境に左右されそうだ。
 もし音楽に三要素があるとして、もうひとつ付け加えたいのは音色 (おんしょく) って要素。アンビエントやドローンは音色の変化だけで成立してる。歌の声質が人を動かす力は大きい。

みたいなことをもじゃもじゃ考えてた。めんどくさいな!!
 ところで牧村憲一さんが「街の偏ったレコード屋さん」は大事ってツイートをした。僕にとっても、無線技士の亡父が作った世界中のラジオが聴ける環境や、細野晴臣さんや鈴木慶一さんや野田先生と同じくらい大事。レコード屋さんに、ヒットチャートにない素敵な音楽をいっぱい教わった。僕が音楽の仕事に関わろうとした時、「街の偏った存在」でありたいと思った。いろんな人に相談した。敢えて名前を挙げる。Soup Stock Tokyoを経営してる、Smilesの社長と営業部長に失笑されたんだ。マスを狙いなさいよって。フジロッカーを自認する営業部長は、Green StageやWhite Stageの有名バンドを観ろ、Field Of HeavenやOrange Courtに行くやつの気が知れないって。Smilesの社長はいまは文化人ぶってるけど、音楽を愛してないな。

20日は鮎牛蒡主催「山田さんと宇宙ヲ切リ貼リ」@東新宿真昼の月夜の太陽へ。
 山田庵巳さんは8弦ギターを抱えて、少年みたいに透き通って大人らしい深みをもった、柔らかな声で歌う。ギターは時に繊細だったり時に荒々しかったり、ダイナミズムに溢れてる。そして描かれるのは優しい心の機微で、でも視座はシニカルなんだ。不可思議な音楽を奏でるのに、残った感触はとてもシンプルで普遍的な切なさだった。鮎牛蒡は女性Vo./Pf.と、男性Dr.のデュオ。彼らも楽器の概念を超えてる。ドラムスはリズムを刻むというよりエモーションを沸き立たせるSEで、ピアノは丸っこく柔らかかったり時には暴力的な不協和音を叩きつけたり。咲穂さんの歌声は、甘く可愛らしいようで、泣き出したい少女の胸の奥みたいに掻きむしるようで。

2組の音楽は、まったく違うけど方向性が似てる。アブストラクトでとっ散らかってて、たまらなくロマンティックだった。フリークショーの呼び込みみたいな、ハーメルンの笛吹きみたいなショーだった。美しくていかがわしい世界に引き込まれてしまう。
 最後はみんなでセッション、スピッツの「空も飛べるはず」をやります、なんてことはもちろんない。鮎牛蒡の2人と、山田さんがベースに持ち替えて、ガチで新バンド、綿毛工場を組んでた。エフェクトをかけながら、優しい優しいベースを奏でる。途中でブギャーって轟音が鳴り響いて、山田さんともなればあんな音を出してもPAさんに怒られないのかってびっくりしたんだけど、やっぱりトラブルだったみたい。そういうものだって言われれば信じちゃった。PAさんに怒られたかどうかは知らない。このイベント、続けて欲しいな。

21日は打って変わって花とポップスのイベント、Girl's Free vol.1@豪徳寺Leaf roomへ。花とポップスの音楽は、男女問わず受け入れられるはずなのに、ファンが男性ばっかりなのが気になってた。この日は女性、子供は無料。特に子供さんがたくさんいたのが、会場の優しい雰囲気を作っていた。お店も素敵な場所、穏やかそうなマスターの作るローストビーフのプレートが美味しくて、パンやサラダもちゃんと美味しくて、久しぶりに丁寧に作られたご飯を食べた。ダイエット中のはずなのに、胃もたれするほど食って飲んだ。
 イベントはライブを中心に、参加ミュージシャンの私物を持ち込んだフリーマーケットや、ulab.さんの手作りアクセサリーの販売もあった。おじさんもこんな素敵なものを身に着けてみたいと思った。笑顔のバッチを買った。いまも着けてる。

トップバッターはあーた。花とポップスイベントで、会場を暖める役が板についてきた。アコギ弾き語り、ホームでリラックスしたいい演奏だった。洒落た楽曲の良さが届く。セットリストは子供たちを意識してか、最近の定番の中でもポップな流れ。そしてやっぱり "スノードーム" は特別な曲だ。切ないこの曲の印象的な歌い出しで、子供の泣き声が聞こえたのは、この日のマジックのひとつだった。
 続いてやまはき玲さん。拝見するのは久しぶり。いつものひとちゃんこと今村仁美さんKey.と、Ag. (すみません男性の名前と顔を覚えられない) のトリオ編成。やまはきさんはすらっとした美人さんなのに、喋りだすとフレンドリーで頭おかしくて大好きだ。全身を使って優しい世界を丁寧に歌う姿は、とっても楽しそうだった。それを支えるひとちゃんも楽しそうだった。

Nakanoまるちゃんの登場で会場がまた輝く。ライブを観始めてそんなに経ってないのに、歌もギターも成長著しい。特にこの日は歌声が伸びやかに感じた。キラーチューン "笑う女の子" を最初に持ってきた。「かわいい!!」って歌う時の、いやあなたがかわいいです感。そして哲学的な言葉。ポップスの定石をはずれた名曲をどんどん繰り出す。ほかの素敵な曲も早くみんなに届くといい。
 そしてしゃちょさんつるうちはなちゃん。Key.弾き語り。ポップで楽しい音楽の中に秘めたロックスピリットが爆発して、興奮と感動に包まれる。"ぶっちぎって光" は新しい代表曲になるだろう。可愛い小曲を交えつつ、なんといっても "あいゆうえにい" 、時に立ち上がってパンキッシュに歌う問いかけの嵐、この日の演奏は特に力強く響いた。そして最後に叫ぶ「これでいいのだ!!」。

その勢いを引き継いだ青柳舞さん。本人Vo./Key.、Eg./Cho、Ba、Dr./Cho.、多幸感と名づけられたバンド編成で挑む。1曲め、"melody" にはなちゃんの "メロディ" を突っ込んでくる愛情とリスペクト。タフなバンドを引っ張るように、透明感のある声を張りあげてキーボードを叩いた。この日は舞さんの誕生日。アンコール前にバースデーケーキが登場した。ハグしあうはなちゃんと舞さん。愛に溢れたこのイベントでも特に愛に溢れた瞬間だった。
 終演後もビールをごくごく。隣の方が食べてたカレーライスがたまらなく美味しそうで、でも売り切れで「ご飯ものないですか?」って聞いたらローストビーフ丼が出てきた。ローストビーフとシャクシャクの野菜のバランスが美味い。パンプキンプリンも最高だったって。楽しかった。この日を作りあげた花とポップスの皆さん天晴。

22日は台風の中、投票を済ませて吉村かおり@高円寺U-hAへ。最初に登場したのはネス。Vo./Key.の女性とDr./Cho.の男性のユニット。ジャズが下敷きにあるのかな、洒落たコードワークで聴かせる優しい世界。そして琴声さん。ハープとピアノを行き来しながら、深い歌声で大人の世界を歌い、詩を朗読する。MCは一切なし、一遍の演劇を観るようなライブだった。クラシックの発声みたいで、クラシックにはないコブシが気持ちいい。ハープももちろん美しかった。
 そして久しぶりのババカヲルコさん。たぶん4年ぶりくらいに拝見したのかな。ピアノはジャズ的でもあって、アイデアと遊び心に溢れてた。そして声の伸びのよさ。日本的な世界観を乾いたポップスに昇華する。彼女も定石から大きくはずれたソングライターだ。いろんなものを見聞きしてる印象がある。また追いかけよう。

吉村かおりさんは、ピアノは弾かずにボーカルに徹して、坪光成樹さんがガットギターを弾いた。お二人は結婚式の帰りで楽器を持ってこれなかったんで、会場に来る途中で中古で1万4千円で買ったんだって。これがいい音。楽器は値段じゃないんだな。特に中古はどう育つかわからない。ピアノから離れた吉村さんは、のびのびと楽しそう。
 吉村さんの曲は、不思議な言葉使いで不思議なコードで、でもそれは音楽が求めてるものなんで、結果としてすごくポップ。この日のコードは坪光さんのセンス、その相性も抜群だった。最近推してる "ヘイミスター" なんて、ヒットも狙えるんじゃないか。って感じたのは、前の晩にスカートがカウントダウンTVに出演したんだ。CDTVをご覧の皆様に受け入れられてた。デブなのにかっこいいって。吉村夫妻も夫婦漫才なのにかっこいい。演奏もトークも相性抜群。心地よかった。

衆議院選挙は与党の大勝で終わった。デモクラシーが負けてファシズムが勝った。津田大介さん「こんな状況でも投票率が低いというのが本当の『国難』なのだろうな」。日本人に代議制民主主義は無理なのかもな。なんでもオカミ任せの独裁が似合ってるのかも知れない。次に気になるのは、改憲ラインぎりぎりの野党の再編だ。
 想田和弘さん、クソリプに丁寧に答えてるのほんと凄いと思うよ。読んでるとネトウヨの思考回路がわかるしファシズムが台頭した背景がわかる。「世の中には『多数派が正しく、少数派が間違っている』と信じているので、『選挙で勝った方はファシズム勢力だ』と言われると脳が止まっちゃう人がいるんですね。要はその人はファシズムを悪とみなしているわけですが、多数派が正しいという信憑そのものがファシズム的だとは気づかないんですね」。

Hiatus KaiyoteNai Palmの新譜から "Borderline with My Atoms" ネオソウルっていうのかな。すごく気持ちいい。Raymond Scottが現代に蘇ったみたいなGhost Train Orchestraの新譜から "Deep Forest" 。Mista Savonaがキューバとジャマイカの音楽を繋いだ "Havana Meets Kingston" プロジェクトが面白い。試聴できるんだけどなんでかここに貼れない!!
 Tony Bennettのテレビライブ "The Best is Yet to Come"。これ紹介したのは、歌声は往年に遠く及ばないけど、「粋」をキープしてリスペクト受けてんのかっこいいなあって。Daniel JohnstonのライブにWilcoのJeff Tweedyが参加して "You've Got To Hide Your Love Away" を演奏した。素敵すぎる。Daniel Johnstonのライブは一度観てみたい。Kraftwerkの "The Model" をOA機器で演奏した動画。似たような企画はいっぱいあるけどこれは再現度が高い。The Orbの初期作品がアナログ化される。僕の青春だ。アンビエントハウスだ。若い人がこんなの聴いたらどう感じるんだろう。Beckって去年も今年も来日の機会にPied Piper Houseでレコ買いしてるのかよ。凄い話だ。

鈴木慶一さんのアウトレイジシリーズのインタビューCorneliusの "あなたがいるなら If You are here" のMVの創作裏話高野寛さんの深夜の宅録ツイートがマニアックで面白い。きのうは神戸でライブして、台風で帰れない人のために終演後に1時間歌ってDJしたんだって。

高円寺でおじさんが女の子を泣かせてた。そんなおじさんやめて、こんなおじさんにすればいいのに。

今日はBeckを観に行く。武道館のアリーナって初めて。

10月28日 そこに音楽があるならば

今週はとにかくたくさんのライブを観た。僕は結局遠藤賢司さんのライブを観ることはなかったんだよ。何度も観る機会はあったはずなんだ。音楽はその日、その夜に奏でられる。そしてその瞬間に消えていく。だから僕は毎晩のようにライブに行く。
 雨にも負けて風にも負けて、暑い陽射しにも凍える夜にも負ける。熱がこもりやすいこの部屋、昼間はエアコンをつけて、夜には「窓をそっと開けてみる 冬の風の匂いがした」ってくらいには寒い。デロンギであったまった猫であったまるタイプの暖房器具だよ。お布団の中に猫が入ってくる。猫もヒューマンであったまってる。これは愛なのか!? たぶん今日の日記も長い。いまは140字のツイートをアホほどしてるけど、小学生の頃はたかが400字の原稿用紙が埋められなくて、改行して文字数稼いでたんだよな。

23日はBeck@日本武道館。ほんと急に決まったこの公演、みんなスケジュールが開けられなかったのか、なんの苦労もなく1Fアリーナ席のチケットが取れちゃった。武道館のアリーナは初めて。タイムラインには細野晴臣さんを見たって情報が。
 O.A.はなんとCornelius。数日後の単独公演のチケットも取ってたんである (後述) 。Corneliusのライブはいつも魔法で、最近にしてはアッパーなセットリスト、VJと完璧にリンクした素晴らしい演奏にもう汗だくだ。そしていよいよBeckの登場。本人はギターを取っ替え引っ替え、もう一人のギタリストはJason Falkner、キーボーディストはRoger Joseph Manning Jr.、かつてのJellyfishが2人揃った。黒人のごついベーシストにドラマー、ファンキーなコーラス隊。

大変なものを観た。呆然とした。スターってああいうことだ。圧倒的な演奏力は大前提として、とにかくセンスの良さで笑顔にさせて躍らせる人だった。幸か不幸かアリーナが満杯とは言い難かったんで、みんなどんどんテンションぶちあがって全身で踊り狂ってた。
 "Loser" なんて四半世紀前の曲でしょ。新曲と違和感なく踊れた。アップデートするセンスだよなあ。強靭なリズム隊はベースが床を震わせるほどで、ギターはおなじみのリフから熱いソロまでロックに弾きまくり、キーボードとコーラスとシーケンサーのアレンジは華やかで、今の音にしてた。ヒップホップのヒーローとして登場して、ルーツミュージックへの愛情を表明したり、グラミー賞を受賞した静かなオルタナティヴから新作のポップ性まで、すべてが一直線上にあった。

アンコールは "Where It's At" 、メンバー紹介にあわせて1人1人がカバー曲を挟む。Jason FalknerはCheap Trickを。"Live At Budokan" の大ヒットで、BeatlesよりもBob Dylanよりも武道館の名前を世界に知らしめたバンドだ。コーラス隊がTalking Headsの "Once In Lifetime" をBeckとコールアンドレスポンスしたのも嬉しかった。世界的にTalking Headsの再評価来てないか。
 Jellyfishのファンとしては、かつてAndy Sturmerとバンドを引っ張ったRoger Manningが後方に回って、バンドを追われる形だったJason FalknerがBeckと2トップでステージに並び、一緒に歌ってギターを奏でる姿が印象深かった。Jellyfishは本国でヒットはしなかったけど、みんなこういった形で音楽の最前線にいる。

24日はSparks@鶯谷東京キネマ倶楽部へ。70年代に一世を風靡したのが良かったのか悪かったのか、ずっと時代を見つめていい活動を続けてたのに過去の遺物にされてたこのバンド。Franz FerdinandとのFFSでもう一度注目を集めて、新作の "Hippopotamus" はその反動か、Sparksらしい癖とアイデアとユーモアが溢れんばかりの傑作になった。会場にはバンドの盟友岸野雄一さんがいらした。僕の体調の心配と、昔やっていたUstreamの音楽番組の話、ああいうのをまたやらないのって声をかけてくださった。なんとも光栄なことだ。
 前日のBeckは「有名だから観ておくか」みたいなお客さんが少なからずいたと思う。なんで最初は探り探りで、徐々に盛りあがっていくライブだった。それに対してSparksに来る人なんて、頭のおかしい熱狂的なファンしかいないんで、最初からぶち上がってた。

Russell Maelは70歳近いと思うんだけど、ぜんぜん衰えない歌声とアイドル感を放っていた。ステージを駆け回り、拳を振り上げジャンプして、観客を煽っていた。対するRon Maelは、ネクタイを締めて微動だにせず、無表情でキーボードを弾くいつものスタイル。それだけに、最後に丁寧にジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩めて踊りだした時の盛りあがりったらなかった。
 バンドはGt.×2、Ronともう1人のKey.、Ba.、Dr.の7人編成。演奏力はもちろん、コーラスワークが見事だった。惜しみない往年のヒット曲の中で、新曲もまったく引けを取らない。表面的なスタイルをどんどん変貌させながら、骨格はどうしようもなくSparks節を貫いてきた彼ら、Beckとは違った意味で時代を超えていた。Beckは最上質のエンターテイメント、Sparksはサイコーのドサ回りバンドだった。

翌25日、衝撃的なニュースが流れてきた。エンケンこと遠藤賢司さんが亡くなったというのだ。そのニュースはすぐに撤回された。その時僕はバスの中にいて、カレーの匂いがしてたんだよね。エンケンの最初のヒット曲、"カレーライス (リンクは弾き語りライブ) " を思わずにいられなくて、#頑張れエンケン ってハッシュタグでツイートしたんだけど、「頑張れよなんて言うんじゃないよ」だったって思い返してしらっと消した。でもニュースは本当だった。気高い純音楽家であり、愛猫家であった。ご冥福をお祈りします。
 エンケンは関東生まれだけど高田渡さん達と関西フォークシーンの中から登場して、でもそのスピリットは最初からロックだった。岸野雄一さんの証言によると、大滝詠一さんが「日本語でロックをやったのは遠藤君が最初だよ」って仰ったそうだ。

細野さんとは10代の頃からつきあいがあって、初期の作品ははっぴいえんどTin Pan Alleyがバックを担当した。はっぴいえんどが大活躍した "満足できるかな (リンクは弾き語りライブ) " は完全にロック。Tin Pan Alleyとの共演は例えば "Hello Goodbye" 、その後佐久間正英さんと組んで音楽の幅を広げていく。ポップな "不滅の男" 、パンクな "東京ワッショイ (リンクはライブ) " 、細野さんとのテクノポップ "オムライス" 、エモい "夢よ叫べ (リンクは弾き語りライブ) " 、歌謡曲からプログレからサイケから、遺作はピアノインストで、そのすべてに強烈なエンケン印があった。
 訃報が流れて、同世代はもちろん、何世代も若いミュージシャンたちから想いのツイートが相次いだ。どれも胸を打つものばかりだった。愛されてたんだな、エンケン。

容態が急変して駆けつけたのは、鈴木慶一さん、PANTAさん、遠藤ミチロウさんっていう、まさに "幾つになっても甘かあネェ!" で共演した3人だったそう。エンケンが亡くなってからの鈴木慶一さんのツイート。「遠藤賢司選手FW背番号99、病床で一生懸命呼吸をしている時に漏れる声は歌のように聞こえた。いや歌だったんだ。白鳥の歌だ。明日もサッカー場でみんなが待ってるよ。来てくれるよね。白線引きだけでいいからさ」。エンケン自身の死生観についてはこちらの記事「エンケンが歌に残した『俺が死んだ時』のメッセージ」。
 カレーライスのバスで向かった先は、荒木玲奈@中目黒楽屋であった。荒木さんは、あんでぃこと安藤力さんのイベントで知った若きシンガーソングライター。素晴らしいライブを2本観て、エンケンの訃報に触れた複雑な想いを抱えて、雨が冷たかった。

荒木さんのステージは素晴らしかった。曲もポップで美しい。前に観た時は風邪を引いていて、鼻にかかった声が色っぽくもあったけど、この日は素晴らしく透き通った声を堪能した。ギターも安定して、伸びしろを感じた。ペットボトルの蓋も閉められないほど緊張してたそうで、でも演奏にはそれを微塵も感じさせなかった。ライブ活動を始めて数ヶ月とはとても思えないし、それは言わないほうがいいかも知れない。食事も美味しくて、好きなお店。
 ほかの出演者さんについてはウーム。いわゆる「上手い」R&Bのシンガーが3人出て来てお腹いっぱいになった。音楽はスポーツじゃないし技巧じゃない。それも80年代に流行った様式美のモノマネなんだ。オリジナリティとリアルタイム感がない。それなら当時の本場のR&Bを聴くし、いまの本場のR&Bを聴きたい。

若いミュージシャンを観るときに立ちはだかる、対バンつまらなすぎ問題。ここから抜け出していい大人に発見されて欲しい。そう思うことが最近ままある。昔やってたライブイベントBelieve The Music Againをもう一度立ちあげて、若い面白いミュージシャンをみんなに聴いてもらいたい。いまの僕にどれだけ動員力があるかな。
 もうひとつ、ミュージシャンやライブハウスのお客さんと話してて驚くことは、音楽を聴いてないことだ。音楽好きじゃないんだろうか。いろいろお伝えしたいけど、上から目線にならないように心を込めたい。それから僕も曲を書きたい。実は細々と書いてるんだ。発表してないんじゃ書いてないのとおんなじ。SoundCloudにあるのは四半世紀前に書いて、MIDIファイルが生きてた記念にあげたもの。モノマネでも人前で表現してる人の方が、1兆倍偉い。

26日は素敵女子の訪問看護師さんと、映画の話で盛り上がった。一週間で癒される時間。音楽も映画も漫画も芸術も話が通じる女子最高。夜はCornelius@新木場STUDIO COASTへ。DonovanSyd BarrettConnie StevensSuzanne Cianiなんかが波の音に交じって聴こえてくる中、開演を待つ。
 そしてCornelius登場。小山田圭吾さんVo./Gt./Theremin、堀江博久さんKey./Gt./Tp./Cho.、大野由美子さんBa./Moog/Cho.、あらきゆうこさんDr./Cho.って編成。Corneliusバンドのベースはずっと大野さんだと思ってた。去年からの参加だって。じゃあ前のベースは誰だったっけ。堀江さん、あらきさんは20年来のメンバー、大野さんはその中に見事に溶け込んでいた。みんな今でもロックンロールキッズである片鱗が、そこここから溢れ出ちゃうのが微笑ましかった。

催眠術にかかったような、狐につままれたようなライブだった。"Mellow Waves" のモノトーンなエロティシズムは、いわゆる「盛りあがる」ライブを目指してない。淡々と、じんわりと、頭の中をくすぐっていく。事実上 "FANTASMA" から始まったCorneliusの音楽の冒険は抽象化を進めていって、でもライブでは完璧に同期したVJと生演奏で肉体化してきた。"Mellow Waves" で「うた」が帰ってきたけれど、それはもちろん初期とは遥かに遠い地平にいる。で、"Mellow Waves" っていう傑作の肉体化に、彼はまた成功したと思う。
 あのとち狂ったリズム、恍惚の音響を、たった4人の生演奏で再現する演奏力には感服した。特にコーラス、女性が2人いることで、モノトーンな世界に印象的な華を添えた。大切なのはユーモアだよな。ってカウベルをぶっ叩く堀江さんを観て思った。

27日は田中ミズホ@ときわ台CAVEへ。ときわ台ってどこね!? ミズホちゃんは素晴らしい声で、心に届く歌を全身で歌うシンガー。それだけに、ギターを持った時に彼女の表現力が制限されちゃう。
 この日は、普段弾き語りで音楽活動しているミュージシャンに箱バンをつけるイベントで、それってすげー発想だと思う。自分の演奏、自分のタイム感で歌うことを選んだ人達なわけでしょう。それがちゃんと様になってて、みんなすごく楽しそうで、なんだか観てて嬉しくなった。寄り添う演奏をするバンドもすごいけど、受け入れる側の本来は弾き語りさん達もみんな幸せそうってすごい。ミズホちゃんも、バンドと演奏できることが、本当に楽しそうだった。前に彼女のライブを観た時も、対バンつまらなすぎ問題を抱えてて、でも自分で自分の場所を見つけようとしてる姿が頼もしかった。

ハー、いろんな音楽を聴きすぎた。ちょっと前まで予定してたことの半分もこなせないで、そのもうちょっと前には殆ど引きこもりだったことを思うと頑張ったと思う。でも今日、サトウトモミさんのお昼のライブを予約してて、結局行けなかった。ごめんなさい。睡眠障害的な問題で、昼間に出掛けるのはハードルが高い。
 実は数日前から虫歯ではないかという疑念を持っている。歯医者さんは予約してない。だって歯医者さんこわ…めんどくさいじゃん。
 こわいもんか!!
 ulab.さんのアクセサリーをつけてると、女子が素敵って言ってくれる。スキルさん素敵とは言ってくれない。ダイエット頑張ってる僕は偉いし、痩せてイケメンになってのんちゃんに「抱いて」って言われるべき。罪の味がするな。

政治は崩壊状態。沖縄が独立したら亡命だな。大阪の公立高校が、生まれながらに茶髪の高校生を、校則に反するって黒く染めさせて、頭皮がボロボロになって心もボロボロになって不登校にさせたとして、大阪府が提訴された。学校側は「たとえ金髪の外国人留学生でも規則で黒染めさせることになる」と。僕も酷い癖っ毛で、両親が呼び出されたりずっといじめられてきた。多様性も人権もない国だ。
 「この世界の片隅に」が韓国のプチョン国際アニメーション映画祭でグランプリを獲得した。韓国の映画界の度量の大きさよ。川に沈めるだけの発電機が開発された。「ヒマラヤの山村に電気を届けたい」。ノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン」が、授賞式に被爆者3人が出席することを発表した。ペットとのキスは危険。まじかー猫しかキスする相手がいない僕はどうしたらいいんだ?

ロックの創始者の1人 (ニューオリンズ発) 、Fats Dominoが亡くなった。伝説の人物なんで、むしろご存命だったことに驚いた。Fatsは愛称、Dominoは本名、「太っちょドミノ」的な芸名だ。この間スカートがCDTVに出たとき、ハッシュタグを追ってたら「ロックなのにデブって斬新すぎる」って笑ってる人がいたけど、ロックは誕生した時点でデブだったんだよ。
 Brian Eno with Kevin Shieldsが "Only Once Away My Son" を公開した。tUnE-yArDsが新作をリリースする。新曲 "Look at Your Hands" を公開した。Franz Ferdinandが新作をリリースする。新曲 "Always Ascending" を公開した。で、来年来日する。Courtney Pineの新作が全曲Spotifyで聴けるGary Clark Jr.が "Come Together" をカバーした。First Aid Kitが新作をリリースする。新曲 "Postcard" を公開した。Sparksがショートフィルム第4弾 "Arise and Fall" を公開した。Fleet FoxesがTVで "Fool's Errand" を演奏した。Paul WellerがTVで "Long Long Road" を演奏した。Lisa Gerrardの新作はブルガリアンヴォイスとのコラボで、ライブ映像が公開された。Laibachが "Vor Sonnen-Aufgang" のライブ映像を公開した。Ron Sexsmithが自宅でAl Greenの "Let's Stay Together" をカバーした。

CHAIが "ほれちゃった" のMVを公開した。CHAIの1stフルアルバム、オリコンで20何位だか、スカートの1stメジャーアルバムもそれくらいで、まだこの国にもいい音楽が売れる可能性があるな。Perfumeコラボ映像の抜粋がたぶんけしからん経路で流れてる。なんらかの形で商品化して欲しい。入江陽さんが新作をリリースする。
 TOWER RECORDSのNO MUSIC, NO LIFE300回めに細野さんが登場した。添えられた言葉が重い。New York Times誌が「The Hidden History of Japan’s Folk-Rock Boom」って記事を公開した。いきなり慶一さんやエンケン、はっぴいえんどや金延幸子さんが登場する。奥田民生さんが提供曲のセルフカバーを宅録する様子を公開するプロジェクト、カンタンカンタビレを始めた。第1弾映像

細馬宏通さんの「うたのしくみ」はソングライティング論じゃないけど、すべてのソングライターが読んだらいいと思う。あとポール・ゾロの「インスピレーション」。長々とどうも。

10月31日 僕の音楽への貢献

神様を信じる強さを僕に 生きることを諦めてしまわぬように

若い頃「Believe The Music Again」っていうライブイベントをやってた。企画の動機は単純、対バンつまらなすぎ問題を解決するには、自分で自分の好きなミュージシャンを呼べばいいじゃん!! っていう非常に利己的なことだった。
 僕は音楽を愛していて、愛する音楽に貢献できる方法は、どうも作曲や演奏じゃないみたい。いい音楽、いいミュージシャンを紹介することなんじゃないか。で、いまだに岸野雄一さんに気遣って頂いてるネット配信をやったり、CD-Rを配ったり。でもネット配信は原盤権の問題があって、CD-Rはプレイヤーを持ってる人が減ってきた。ミックスまでこだわりたいからプレイリストじゃ再現できないんだ。

ってところでもう一度、「Believe The Music Again」を始動させたい気持ちがある。動機は前と違う。埋もれてる若い才能を耳の利く方々に紹介したいんだ。それが僕にできる貢献だから。
 2つ問題がある。ひとつは僕の動員力が当時と比べものにならないくらい低いこと。もうひとつは若いミュージシャンたちから「上から目線」って捉えられちゃうことだ。実際、殆どの若いミュージシャンに距離を置かれて、心を開いて貰えてない。それを感じさせないのはつるうちはなちゃんくらいだ。若さが絶対的に善とされるこの国で、僕はどんどん動きにくくなってる。僕自身は若い頃から、何十歳も年上の人々に心を開いてきたつもり。「おじさんはおじさんである事実に罪悪感を持って、卑屈になっちゃう繊細な生き物だ。そして男はやむを得ずおじさんになる。くれぐれも優しく扱って欲しい」。

29日はベースの師匠安部王子さん率いるNombres@渋谷BYGへ。BYGは1969年にオープンした伝説のロックバー。あんなセッションやこんなセッションで日本のロックの礎を築いた店。初めて行ったのは20歳の時で、劇団のロック好きと「行ってみよう」って。ものすごい緊張した。僕にとって東京の音楽シーンを象徴する場所。
 Nombresは、安部王子さん、窪田晴男さん、有近真澄さん、矢壁アツノブさん、小滝満さんっていう日本のロックを何十年も支えてきたツワモノたちのバンド。音楽に目覚めた思春期に何度もクレジットで名前を見た本物が目の前にいる。客席もミュージシャンや音楽関係者ばっかり。いると思った川村恭子さん、相席した方は渋さ知らズの命名者でギタリストだという。しかもこの日のゲストはPANTAさん+菊池琢己さんのデュオ。大変なことだ。

台風の夜、機材トラブルで押して開演。最初に登場したのはNombres。それぞれのミュージシャンが圧倒的に上手いのは当たり前だ。とにかく皆さん活き活きしてた。歴史を引きずったバンドじゃなくて、今を楽しんでるバンドだっだ。それはStewart CopelandAdrian Blewが在籍するGizmodromeが、単なる旧友の集まりじゃなくて今の音楽を奏でているみたいに。
 前半に演奏した曲は殆ど安部さんの作品だそう。変拍子の嵐なのはリズム楽器奏者ならでは、プログレ的なスノビズムに陥らないで、ロックとして痛快に聴けた。そして安部さんのベース、あのフレーズが、あのグルーヴが、あの音色が奏でられたらどんなに楽しいだろうと思った。僕はいろんな才能が足りないけど、圧倒的に「努力する才能」が足りない。そのもったいなさを、轟音の中で噛み締めた。

そしてPANTAさん、菊池琢己さんのデュオが登場。恥ずかしながら、頭脳警察やPANTAさんの音楽を殆ど聴いたことがなかった。反体制のパンクバンドのイメージを持っていた。歌詞の伝えるメッセージは確かに強いんだけど、作曲家・ギタリスト・シンガーとしてのPANTAさんはとてもポップ。そして「粋」って言葉が似合う佇まいだった。菊池琢己さんとのギターの絡みも心地良い。
 数曲演奏して、Nombresが参加した。PANTAさんのポップ性に寄り添うような演奏。イラク戦争でアメリカ軍の銃弾に撃たれた少年の話をするPANTAさんのMCは、ポエトリーリーディングのように美しかった。アンコール前の2曲は僕でも知ってる "つれなのふりや" そして "マラッカ" 。音楽スゲーってこういうことだよね。これがプロフェッショナルか。圧倒された。いいもん観ようぜ。

30日は、自分がこの世界で必要とされてない夢を見ておはよう。「夢だけど!!」「夢じゃなかった!!」。そのテンションでカウンセリングへ。音楽は言語より先にあった人類の文化で、それをいろんな人と共有したいって想いを語った。つまりはこの日記の最初に書いたようなこと。カウンセラーさんからは、初めて山下さんに会った頃は自分のことで精一杯だった、自分のことより音楽のことのために動こうとしてるのは、大きなステップアップだって言葉を頂いた。
 とり・みき先生がTwitterを辞めた。寂しいな。僕がTwitterを始めて最初にフォローしてくださったのはとり先生だった。とり先生は僕のタイムラインの最重要人物だったし、「とりったー」を描いたとり先生が辞められたことはTwitterの大きな潮目だと思う。僕には次に行くところがない。MastodonじゃないしFacebookじゃ絶対ない。

3つの用事をこなして最寄り駅へ。可愛すぎる店員さんが入った駅前のカフェで、結婚を前提としたサラダセットの注文。
 夜はあーた "あーちゃんって呼んで" @渋谷MI Tokyo HALL。今後このサイトにあーちゃんって人物が出てきたら、それはあーたのことなので。会場は音楽専門学校のステージ、企画は新星堂で、ライブというよりショーケース的なイベントなのかな。どう観ていいのか戸惑った。最初に言われたのが「飲食厳禁」、僕は自律神経失調症的にいつも水分取ってないとなんで、案の定体調が悪くなった。あーちゃんもベストなステージとは言い難かったと思う。2マンなんで持ち時間長いのかな、ちらっと聴かせて貰ったかっこいい新曲が聴けるかな、と思ったらどっちもはずれ。でもボーカルはばっちりで、楽曲の良さも相まって、対バンの杉恵ゆりかさんのファンにアピールできたんじゃないか。

杉恵さんは歌詞が売りだそうだけど、作曲家として、プレイヤーとして興味を持った。ご本人も仰っていた通り、テンションコードの嵐。リバーブの効いたキラキラした音色を選んで、中低音を中心にしたクローズドなヴォイシングで演奏するんで、音がぶつかってる感が引き立つ。軽いタッチで細かく刻むリズムは、往年のテクノポップ感もあった。そしてキュートな歌声。あーちゃんも杉恵さんも一見ガーリーなようで、職人的なミュージシャンだった。水分取れずにフラフラで、変な汗をかきながら撮って頂いたチェキがこちら。
 今日も精神的にやばい状況。用事が終わったらさっさと帰宅して、換毛期の猫のブラッシングに熱中した。猫はいいよ。癒やしてくれるのはいつも、音楽と猫と女の子。それでも心がふさいで、ハーゲンダッツを食べていいこととした。

久しく政治の話題を避けてきたけど、国会での野党の質問時間を削除する動きはいよいよやばい。国会が形骸化して司法ももう機能不全で、独裁国家への道を驀進してる。日本人の57%は「多様性は我が国をダメにする」って答えたって記事。さすが金髪の外国人でも校則で黒く染めさせる国だ。一般的に生物は、均質性が高いほど絶滅しやすい。アメリカではトランプ政権のロシアゲートへの摘発が始まった。トランプが批判を避けるために「戦争」ってカードを使う可能性がある。いま日本の平和は、アメリカの司法に依存してる。
 脳に薬を運ぶ超小型カプセルが開発された。アルツハイマーの治療に役立つ可能性があるんだそうだ。抗鬱剤や睡眠薬も効率よく届けてくれないかな。NASAが公開した素敵な映像を、Disturbedの "Sound Of Silence" に乗せて。

楽しい音楽の話をしよう。Beckインタビュー記事。彼の視点と言葉はいつも的確で興味深い。Gorillazが新曲 "Garage Palace" を公開した。Robert GlasperのBlue Note All-Starsが "Cycling Through Reality" を公開した。Simon Raymondeの新バンドLost Horizonsが新曲 "Score The Sky" を公開した。Aretha Franklinのボーカルテイクにオーケストラを加えたアルバムのティーザー映像が公開された。Trashcan Sinatrasがオリジナル全曲を演奏したライブのDVDとCDをリリースする。うげーお高いんでしょう?
 Fiona AppleがラジオでFats Dominoへの追悼として "Ain’t That a Shame" をカバーした。Steve Reichがオランダのフェスのライブ映像を公開した。Norah Jonesスタジオセッションの音源を公開した。Grizzly Bearスタジオセッションの音源を公開した。

東京新聞の社説に遠藤賢司さんの話題が載った。イギリス人による日本のポップス批評本「バンドやめようぜ!」が発売される。
 今日はハロウィン。The Tights "Halloween" 。日本のギターポップブームがイギリスより数年早かったのは、彼らやBOXや初期CarnationDebonaireの地道な活動があったからだと思う。