DIARY
2018年1月
1月1日 地球が太陽の周りをひとまわり
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いま、日本は政治が腐敗し、国が没落する過程を見せる社会実験の場になっています。また、私自身も両手に溢れるほどの病気と、それによる弊害を受けて、果てしない孤独の中にいます。未熟なままの精神と、リアルに老化する肉体のギャップを痛感しています。
生きるとはなぜこんなに苦しいのか。神はなぜ「命」を作ったのか。
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尊敬する音楽家の細野晴臣さんは仰いました。人を癒やすことができるのは猫と音楽だけだと。猫はとても優しい生き物です。いま私は2018年を迎えられるのか、という病状にありますが、猫のために生きなくては、と決意しています。
そしてみなさんでこの2018年を生き抜いて、無事に2019年を迎えられますよう、未来が愛と平和と音楽に包まれていますよう、こころよりお祈りいたします。
1月7日 寝正月フォーエヴァー
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振り袖を着てる新成人の女の子たちはみんなノーブラ。なんて素敵な話だろう、こんな確かなことがいまもそばにあるなんて。
勘のいい方はお気づきかも知れない。今年からこのサイトのデザインが変わった。文字も写真も大きくなった。構造上スマホに対応できないせめてものあがきであり、昔と比べてネット回線が太くなったことへの回答であり、僕自身の老眼っていうやむを得ない事情だ。現在Macで見ると本文の方がボタンより文字が大きい。
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年賀状は送るのも貰うのも好きだ。ネットで作っちゃうからぜんぜん手書きじゃないんだけど、手元にのこるでしょ。お返事はくださってもくださらなくてもいいです。みなさん忙しかったりそれぞれに考え方があるから。
相変わらず寝正月。っていうのは脳の自己治癒として。年末に降り注いだ厄災の傷が治る気配を見せない。法的措置も辞さない考えだったけど、見逃す大人と固執する大人とどっちがかっこいいか、とふと考え直してる。猫を抱いてキンキンに冷えた果物くって、それで幸せじゃないの。メイはおじいちゃんになった。子猫・子犬の可愛さはあるけど、老猫・老犬の優しいオーラというのもまたあって、味わい深いものです。
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5日は久しぶりにエレクトリックリボン@新宿LOFTへ。airiちゃんの騒動があってからなんとなく行きづらくて。もつ煮を食ったら暑かった。
突然行く気になったのは、エリボンの持ち時間が長かったのと、対バンのシバノソウさんを観たかったの。YouTubeでライブを観て、”水星” のカバーなんてオリジナルより好き。曲の良さ、演奏の安定感はだから知ってた。けど生で観ないとわからないことがあるね。地声とファルセットを行き来する透明で力強い歌声にぐいぐい引き込まれた。若いのに3年のキャリアがあってステージ慣れしてる。曲をぶった切って「いまSSWシーンはこうで、私も変な喋り方とかした方がいいですかね」なんて笑わせる。もちろん彼女にそんな気はない。サブカル的視点で語られすぎなんだ。音楽そのものにすごく魅力があるんだから、正統派に進んで欲しい。ああ、僕が高校生の頃とか死ぬほどアホだったな。
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エレクトリックリボンはなんだかんだでむちゃくちゃ楽しい。充分な持ち時間で名曲の数々を堪能した。asCa曲に対抗できるのはあーちゃん曲しかないな。その後の数々の「新曲」たちが姿を消して、この日はあーちゃん作の “Twinkle in you” 、ラストに “アイライン” を持ってきた。”アイライン” はもうエリボンの代表曲って言っていいんじゃないか。春になったらまた “春色ドロップ” 聴けるのかな。新しい衣装も素敵だし、若手3人が髪型を大きく変えたのも全面的に支持。
この日僕が「墾田永年私財法」のパーカーを着ていることに気がついたのは、意外にもぴっぴだけであった。「そういうバンドなの?」って聞かれた。いやべつにレキシのグッズじゃないよ。翌日も着たけど誰も気づかなかった (気に入ってる) 。
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テレビで「魔女の宅急便」やってたみたいで、タイムラインはその話題でもちきり。あのニシンのパイ美味いと思う。食べてみたい宮風ソ理のひとつ。ウルスラ (絵描き) は宮父qロインの中で二番目に好きな子。一番はフィオ。一番めんどくさそうなのはラナだな。ところで宮撫xさんのざきは「普vなので。
うちからバス停まで結構な距離で、一部私道だったの。で、この子 ↓ がくつろいでたの。でで、私道を潰してビルを建てますと。この子に会えなくなっちゃった。どこ行ったかな。寒くしてないかな。ででで、もうひとつ先のバス停を使うことを余儀なくされた。
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6日はサトウトモミ@高円寺U-hAへ。僕は電車の椅子暖房が苦手だったの、キャンプ用品の防熱シート買って持ち歩くと楽。トートバッグにすっと入るよ。
トモミさんは滝廉太郎先生の “お正月” テクノカバーに始まり、名曲の数々を軽やかに歌い弾いた。最近の代表曲 “静かにループ” はなしで、”まるで魔法” 、“甘いオレンジ” 、“脳波” 、“アイロニー” 、ポップめのセットリスト。ただ残念なのが、マスターが年末にベースアンプを売って、新しいのを買い忘れちゃったそうで、ラインに直接つないでたのかな。ノイズが入ったのとリミッターでボリュームが不安定だった。彼女は声もルックスも可愛らしいんでアイドルSSW枠に入れられがちだけど、楽曲もベースプレイも非常に素晴らしい。特にこの日は楽曲の「詩情」を強く感じた。
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対バンは白いベランダ。大変失礼ながら母子ユニットかと思ってしまった (夫婦ユニットであった) 。楽曲も童顔な彼の作で、大人な心理描写とジャジーなギタープレイ、息のあったコーラス、でも全体に漂う穏やかな空気に浸った。最近はボサノヴァを聴くことが多いんだって。また音楽も変わっていくのかな。
そして流転の竪琴弾きさん、初めて見るオートハープって楽器を抱えて、影も含めたファンタジーの世界を歌った。普段はもっと深い世界に潜り込むそうだけど、この日は客層を見て、時に気さくなMCや軽い小曲も挟んだ。すごく考え込まれたステージなのは観ててわかった。ハーメルンみたいに一遍のショーに引き込まれた。
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終演後はマスターと竪琴弾きさんとお喋り。竪琴弾きさんのルーツがGSにあって、ダイナマイツや寺内タケシさんに始まり、外道やはっぴいえんどやSmall Facesが好きなことに驚いた。共通点は、ほかの文化への憧れを自分なりに解釈して取り入れていくプロセスなんだって。なーるほど。マスターも竪琴弾きさんも、ものすごい引き出し持ってそうで、これからもいっぱいお喋りさせて頂きたい。
なんで音楽って現象があるのか、なんで人は音楽って現象に引きつけられるのか。女の子のことめちゃくちゃ好きだけど、気が狂うほど好きだけど、やっぱり音楽だよねって話を共有できてとっても嬉しかった。
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また自分の音楽やりたいな。人間関係めんどくさいんで、サトウトモミさんにならって打ち込み + ベースボーカルのスタイルで。曲は実は結構作ってる。Soundcloudにあげてるのはほとんど学生の頃に作ったやつだ。もうちょっとましなのがたくさんある。これから作っていく気概もある。音楽!! 音楽!! 音楽!!
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行きたいライブがことごとく1月27日にかぶる病に侵されてる。
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将棋と囲碁の棋士が揃って国民栄誉賞を受賞する。日本では勝負のつかない国民は栄誉がないので、手塚治虫さんも小津安二郎さんも宮撫xさんも岡本太郎さんも小澤征爾さんも筒美京平さんも国民栄誉賞を取ってない。秋元康が取りそうだな、安倍晋三の子飼いだから。さすがに黒澤明さんや服部良一さんは取ってる。
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昭和生まれで平成時代に未婚のまま新年号を迎える人を「平成JUMP」と呼ぶ。
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我らが安倍晋三は「憲法『あるべき姿示す』首相、改憲原案提示に意欲」。この人はいろいろわかってないけどまず立憲主義をわかってない。憲法は権力者の暴走を食い止めるためにある。その権力者が都合よく変えていいはずがない。あるべき姿を示すのは国民で、どの世論調査を見ても多くの国民は改憲を望んでいない。
もうひとつ。インフラを民営化しやすくするそうだ。1989年に水道を民営化したイギリスでは料金が値上がりして水質が悪化して、漏水で何百万人の水道が止まった。世界で上水道はどんどん公営に戻されてるそうだ。安全な水を安定して供給しなきゃいけないからね。ちょっと古い記事だけど「『民営化』から『再公営化』へ。パリ、市民参加で45億円のコスト削減、ウェールズ、非営利法人による運営」。
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浜田雅功が大晦日に顔を黒塗りにする笑いで国際的に問題になった。松本人志はウヨになっちゃうし、ダウンタウン世代としてはがっかり。ちょっと調べたら、南北戦争前にジム・クロウっていう白人が黒塗りした姑息なキャラクターが人気になったんだって。その影響で、奴隷解放後100年も黒人のイメージが悪いままで権利が奪われた歴史があって、その名もジム・クロウ法って名前で1964年まで差別されてた。
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France Gallが亡くなった。"Jazz a gogo" や "Attens ou va t'en" や “Baby pop“ や “Teenie weennie boppie” が好きでした。日本の歌謡曲から渋谷系にかけて、大きな影響を残した。フレンチロリータのムーブメントを脱してからも、本格的なシンガーとして長い間活躍した。テレビの企画でLioと “Be My Baby” を歌ったり、80年代の隠れ名盤から “Tout pour la musique” 。もう大人の声と歌い方になってるね。
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Justin Timberlakeが新曲 “Filthy” を公開した。The New Mastersoundsが新曲 “Groovin' On The Groomers” を公開した。Snow Patrolが7年ぶりの新作を出す。Elvis Costello、Ry Cooder、Dr.Johnが中心になった大晦日の番組が公開された。Ravi ShankarとPhilip Glassの共作 “Passages” をAnoushka Shankarが演奏した。Franz Ferdinandがラジオでオンエアしたミックスが公開された。Ron Sexsmithが自宅で Ringo Starrの “Photograph” 、The Kinksの ”Have A Cuppa Tea” をカバーした。彼にカメラの使い方を教えてあげたい。
”Smells Like Teen Spirit” をメジャーキーにしたら笑えた。BeckのInstagramが面白い。ストーリーズのバックに戦前のジャズがかかってたり、James Taylorのライブを間近で撮影してたり、去年を振返るイラストも話題になった。
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世界一クリーンなフェスって言われたFUJI ROCKのマナーが悪化して、オフィシャルがアナウンスを出した。Teen Dazeが来日してる。きのうは俺のレコードラックことパイドパイパーハウスでミニライブ、12日はKATA + TimeOut Cafe&DinerでDJをする。吉高由里子さんPeter Broderick聴いてるみたい。なんでジャニとつきあってるのかしら。
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明日はControversial Sparkに行く。対バンのトリプルファイヤーも楽しみ。
1月4日 Blue...外は正月みたいな空
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Moonridersの名曲 “青空のマリー” から。こういう感覚は東京者のもんだろうか。この曲は10年後にThe Cureに “Friday、I'm In Love” としてパクられた。タイトルは秋元康に "青空とMARRY" としてパクられた。
のんフェスで去年に重荷をぜんぶ置いてきたつもりだったのに、そんなに簡単にはいかないもんだな。生活のリズムどころか日にちの感覚もないほどの寝正月。っていうのはおそらく自己治癒の一環として。
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大晦日。シャンプーが泡立たない。まるで間違えてコンディショナーに詰め替えたように。1年間を総括しなきゃいけない雰囲気。今年が底だと思いつづけて45年、もう特に未来に期待もしてないよ。夜になって友きたる。音楽をかけて猫をもんで年越しそばを食べた。「来年は猫年って聞いてきたんですけど」って猫にも特別のちゃおちゅーるをあげた。蕎麦湯は世界一美味い飲み物だな。
David Crosbyのアルバムがかっこいい。曲も粒ぞろいで演奏も快適。雑誌の年間ベスト企画には載らないタイプの名盤だ。そしてGizmodrome、ベテランの同期会と思わないで、ちゃんと今のかっこいいロックだ。
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元旦。猫がずっと腕枕してて腕がしびれて起きる、幸せなんだか辛いんだかよくわからない目覚め。明けましておめでとうございます。正月はみかんだね。ここから果てしない、絵に描いたような寝正月。
初夢は1日の夜の夢ってさ、おおむかし日をまたぐ前にみんな寝てた時代の話だよね。おめでとう言ってから寝てそのあと昼寝もした僕はどれが初夢なの? 一富士二鷹まではわかる。三なすびって。なすびは夢のレギュラーキャラじゃないだろう。
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皆さんからの年賀状嬉しかったけど、中嶋春陽さんからの丁寧な手描きの年賀状が特に嬉しかった。子役時代から15年所属した事務所と12月31日付で契約終了。自分で決めたことです、普通の女の子に戻りますって。でも表現者として必ず戻ってくるだろう。まず間違いなく今度の湯会で会える。
2日。また箱根まで走っていくとか冗談みたいな人たちが。小田急線で行きなさい。猫もんでるうちに眠くなって寝落ちて、起きてタイムライン見て猫をもむ。
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3日。さすがに出掛けようと、大國魂神社へ初詣。この「國」は安倍政権でも国家神道でもなく、2000年前の武蔵の國。でもいまは忌まわしき神社本庁の支配下にある。もう7年? 8年? 諸災防除と病気平癒と良縁祈願のご祈祷まで受けてるのに、ぜんぜんご利益を実感できない。信心が足りないのだろうか。
この神社では江戸時代まで合コンをやっていたそうだ。相手を讃える歌を詠んで、気が合ったらカップル成立。明治政府に不謹慎だって止められた。再開を切望。つまり、ここは良縁祈願の神様。縁結びの神様とは違う。縁結びはリア充が結婚できますように、良縁祈願はぼっちが出会いを求めてお祈りするの。
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三ヶ日に行ったのは初めて、晴れ着のお姉さんがいっぱいいるかと思ったら、じじばばとエホバの証人がいた。じじばば60%、家族連れ38%、カップル2%、ぼっち僕だけ。きみたちは良縁あったでしょ、もう帰りなさいよ。可愛い巫女さんならたくさんいらっしゃるんだけど、神様的にはそういうご縁はどうなのか。
今年もご祈祷を受けた。気持ちが引き締まる。僕がここまで必死なのは、年末の日記でも紹介した「孤独に慣れたようなつもりになっても、40を過ぎると麻酔が切れたみたいに痛みが戻ってくる」現象による。
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おみくじは小吉。甘酒と熱燗と焼きそばと鶏皮とたこ焼き。さすがに食べすぎた。宝物殿も堪能して熱燗2杯め。20代前半の可愛い女子4人組がいた。声をかける勇気はなかった。だって俺45だしデブだしキモいし。
ででん、これが大國魂神社入魂のモテグッズ。モテせんべいを食べてモテ酒を3号飲んだ。縁結びのお守りが赤2つ、安産御守まで入ってるね。今年なにが起こるの。平凡で平和な恋愛がしたい。
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テレビでは映画「君の名は。」をやったらしい。誘われて劇場に行く数日前まで、昭和の「君の名は」のリメイクだと思ってた。映画は面白かった。いかにもマーケティングして、こういうの好きでしょ、こういうの好きでしょの押し売りで。はー面白かったって映画館を出て、胸に残るものはなにもなかった。
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今日4日は、訪問看護師さん (おじいちゃん) がいらっしゃるんで資料を作ったんだけど、どう考えても僕の人生ハードモードすぎ。笑って生きていければ。
Zimmerman氏からの罵倒のLINEについて法的措置が取れることがわかって、それならと一族の家長から届いたメールを法律の専門家に見せたら、「これは酷い。損害賠償請求はもちろん、自殺教唆罪と傷害罪に充分に問える」。ただ家長は明らかな人格障害で僕は鬱病で、裁判は大きな精神的負担になるよと。カウンセラーさんと相談しよう。
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ローマ法王が、長崎原爆の被爆写真の配布を指示した。元TBSの山口敬之がレイプした事件について、海外では連日のように大きく報じられてる。ニューヨークタイムズの詳細な記事。日本の報道はだんまりだ。山口敬之が安倍晋三の子飼いだから。「復興への思い新たに 被災地で初日の出」。宮城県のお正月。
「『無駄なモノを作って稼ぐ』24歳女子がたどり着いた、新しい生き方」。藤原麻里菜さんの記事がガチで感動を呼んでいるのは、藤原麻里菜さん的にはありなのか? ゲルハルト・リヒター展行きたいな。
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ローリングストーン誌が20 Best Avant Albums of 2017を発表した。バラク・オバマ氏がObama’s Favorite Songs of 2017を公開した。
Elvis Costelloが映画に新曲 “You Shouldn’t Look At Me That Way” を提供した。Sigur Rosがライブ映像を公開した。Animal Collectiveが “Sung Tongs” の再現ライブを公開した。Rideがライブ映像を公開した。Youssou N'Dourがしたライブ映像を公開した。Mavis Staplesがテレビで “The Weight” を演奏した。Gorillazが来日する。Bella UnionレーベルのSimon Raymondeのインタビュー「ビーチ・ハウスらレーベル象徴する10枚とコクトー・ツインズへの甘苦き想い」。Coachella 2018のラインナップが発表された。The Weeknd、Beyonce、Eminem, David Byrne, St. Vincent, Fleet Foxes, Jamiroquai, Kamasi Washington. First Aid Kit...といったそうそうとした顔ぶれの中に、なぜかX Japanが入ってる。恥ずかしいからちゃちゃっとやってさっさと帰ってきなさい。
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韓国のシンガーイ・ランが “イムジン河” を日本語で歌った。Negiccoの新曲 “カリプソ娘に花束を” はconnieさん作・Your Song is Good演奏。aireziasが新曲 “SLINGER LAND” を発表した。「長野の渋温泉フェスに行ったら、旅館の若旦那がDJにハマって面白いことになってる」。タイアップ記事だけど、温泉フェスには関心があるよ。
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明日は久しぶりにエレクトリックリボンを観に行く。airiちゃんの解雇によるあれこれと政治的な思想の違いで、ボンクラさんたちに会うのがちょっと怖い。
1月13日 猫の優しさに泣きそうだ
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そもそも生命が誕生したのは、有機物が代謝と遺伝と増殖を始めてしまった偶然の悪戯からだ。生命が進化して自意識を持ってしまったのも偶然の産物だ。
だからそれぞれの生命に、持って生まれた才能の違い、生まれ育った環境の違い、そして「運」が存在するって考えるのは、科学的に見て合理的じゃないだろうか。狡をして生きてきた人にいつか罰があたったり、正直に生きてきた人にいつか幸せが訪れるなんて、そんなシンプルな話だったら誰も苦悩はしない。
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僕は45年前、日本という当時のぼり調子だった「クニ」に生まれた。名家の端くれで、経済的に苦労したことはただの一度もない (この経済という概念も、進化した有機物の塊が勝手に考えだしたにすぎない) 。
持って生まれた才能という面では、特に肉体運動能力が著しく劣っていて、精神的にはあまりにも繊細すぎて、生まれ育った家庭環境は特殊すぎた。そして「運」は絶望的にない。「幸せ」だと感じたこともない。
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僕は両手に数え切れない病気を抱えていて、一番の苦しみは鬱病だ。かつて「心の風邪」と言われたこの病気、今は「心の癌」と呼ばれている。
「母親を癌で亡くした山下に、簡単に『癌』って言葉を使って欲しくない」って言われたことがある。母親は鬱病で癌だった。圧倒的に苦しんだのは鬱病だ。早く亡父の元へ行きたいと言った。あまりにやつれてきたんで「内科の検査を受けなさい」って促して、自分で車を運転して検査に行ったら末期癌だった。その11日後に死去した。最期の30分前まで癌では苦しまなかった。
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鬱病の苦しみは、身近な例で言うならばそれくらいのもんだ。ってことが理解されないのも知っている。鬱病にもいろんな重みがあるだろうけど、僕が抱えるような重度の鬱に対して偏見がなくなるのは、何度も書いている通り、ハンセン病の抱えてきた差別の歴史くらいに長い時間がかかるだろう。
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...僕は何の話をしてるんだろう。猫は優しいって書きたかっただけなのに。特に同居人の心の痛みに対して、猫は驚くほど敏感だ。そしてその優雅で怠惰な生態と、柔らかい毛並みが、同居人の心を癒やすことをよく知っている。だからヒトが辛い時に寄ってきて頬をなめ、私を触りなさいとお腹を晒す。
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日記を書こう。8日は成人の日だった。Twitterの人々は、成人式に行かなかった話を喜々として綴り始めた。僕も成人の日には、学校でレポートを書いてた。成人になり損なったまま四半世紀。その一方で、いままさに離陸した飛行機を背景に振り袖の女性が満面の笑みを浮かべる写真が回ってきた。僕にはこの発想はできないわ。
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寒いから風呂入りたいけど寒いから風呂入りたくなくて3時間。出掛けたのはControversial Spark恒例の新年ライブ@新代田FEVER。電車の椅子暖房が熱い。今日あげる約束してるレコードが曲がる。
最初に登場したのはamiinA。コンスパのイベントには毎回アイドル枠があって、どこで見つけてくるのか絶対に外さない。「私たち静かな曲もあるんですけど今日は攻めていきます」の言葉どおり、ヘビーな楽曲が続いた。でもその圧に、圧倒的なセンスがあった。彼女たちもシャープなダンスと確かな声量で歌いこなした。かっこええな!! 終演後、amiinAのCDを買い占めてチェキ列に並んじゃった。
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そしてMoonridersの盟友、武川雅寛さんのステージ。一時は病に倒れ、1ヶ月意識をなくして蘇った彼は、声がすっかりハスキーに変わっていた。「いまはこの声を楽しんでます」。こんなにも心を揺るがす声があるだろうか。
近年の "俺はそんなに馬鹿じゃない" 、1stのソウルバラード "頬うつ雨" 、そして冬の名曲 "A Frozen Girl, A Boy In Love" 。サポートの夏秋文尚さんが「Frozen girlをやってる時、かしぶちさんが降りてきてビックリした」ってツイートした。たぶんかしぶちさんいらして、祝福してたと思うよ。新曲もカバーも素晴らしく、今年はソロアルバムも考えてるそうだ。今の声で武川さんはなにを描き出すだろうか。
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トリプルファイヤーは楽しみにしてた。澤部渡さんが新譜を大絶賛してて僕もグッときたし、吉田靖直さんがなにをしでかすんだろうと。
バンドは圧倒的なファンク。Slyの名前を挙げちゃっていい。それをソリッドにまとめたような。ぶっといベースがぶんぶん回ってるだけで最高。グルーヴに揺られながら、吉田さんが恵まれてるとは言えない声でいとうせいこうさん + 尾上文さんなラップを重ねる、その微妙なズレがクセになる。どこまで計算なのかわからない。コンスパ地蔵がすみません。クリトリック・リスさんに「下がってもええんやで」って言われても気づかなかった人たちだから。後ろのほうは盛りあがってたよ!!
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そして主催者のControversial Spark登場。いまだにFacebookにしかオフィシャルサイトがない。Moonriders関連のほかのサイトも更新の気配がない。僕がタダでぜんぶやるよ。音楽的にそれだけの恩は受けた。
去年のコンスパ新年会は、メンバーそれぞれがソロで演奏するスタイルだったから、バンドとしては2年ぶり。もったいない!! 矢部浩志さん、年末も拝見した岩崎なおみさんの鉄壁のリズム隊の上を蠢く3本のギターアンサンブル。ギター3本って難しいと思うよ。でもそれぞれにちゃんと意味があり役割があり演奏を高める3本だった。近藤研二さん、konoreちゃん、そして御大鈴木慶一さん。
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初期は慶一さんとkonoreちゃんのツインボーカルが多かったけど、この日のフロントマンは完全にkonoreちゃん。リードボーカルを殆ど取って、カウントを取る曲もあって、アンコールはkonore弾き語りの “tziro” 。
慶一師匠はもっと全体を見ていて、トリプルファイヤーの “Jimi Hendrix Experience” のフレーズを引き継いで「君はトリプルファイヤーを聴いたことがあるか!!」ってシャウトするフレキシビリティ、そして若手へのリスペクト、すべての存在がかっこよかった。年配の人を尊敬するように、若い人を尊敬できなくなったら人間ダメと思う。僕が慶一さんをリスペクトしてるのはその壁がないところだ。
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どうでもいいけど帰りの井の頭線の中で、ヤンキーが電話で「なあ俺のこと好き? 俺のこと好き?」言ってて笑った。
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帰ってきて疲れ果てて寝落ちて起きて、布団でちゃんと寝ようとすると眠れない夜がここ半年くらいすごく多い。
翌朝も疲れてて、いいもん食って機嫌よくした。猫たちにも特別なちゃおちゅーるあげた。ちゃおちゅーるそんなに美味いかよ。僕も食べてみようかな。平沢進さんの黄ヴェピヲン、本名テビンが隣接次元に漏れた。つまり猫が亡くなった。虹の橋で会った人だろ。無機質な芸を極める平沢さんにとって、テビンの存在はあの完璧なスタジオを牛耳る有機体であり、ずいぶんと和まされた。金井宣茂宇宙飛行士が宇宙で身長が9cm伸びたという。最終的に何メートルになるのか楽しみだ。
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翌9日は田中ミズホ / あーた@東新宿真昼の月夜の太陽へ。気温差があって服に迷い、一番可愛いやつで行った。墾田永年私財法のパーカー。おっさんだけどな。この電車で寝落ちると我孫子まで行くのだ。学生時代、我孫子に住んでるだけで我孫子ってあだ名の人がいた。それほど見果てぬ地の果てで、パライソや天竺みたいに思ってた。
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ミズホは “ハチミツレモン” から。名曲をたくさん持ってる彼女だけど、季節に結びついてる歌が多い。闇と痛みを見せる ”Weak Point” はアコギを置いてジャジーなオケで。ミュージカルに出演した時に書き下ろした曲は珍しいバラード。この日のミズホは「弾き語りが苦手で」って言わなかった。大きな成長と思う。聴き手にとっても演じ手にとっても。全身で歌うミズホにギターを持たせるのは枷になるかなって思った時期もあったけど、この日はギターと一緒に音楽を奏でてる感じがした。
やっぱり歌声を誉められることが多いみたい。確かに素晴らしい歌声だ。でも最低の悪声で最高のボーカリストって言われるElvis Costelloみたいな人もいるわけで、持って生まれた声でどれだけ表現できるかは鍛錬だ。だからそれもミズホの力と思う。
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あーちゃんはしばらく観ないうちにますます黒く重いグルーヴに包まれてた。色気のある “行き止まりの夜” に始まり、“Walk On The Wild Side” を思わせる “Blowing” 、バラード “スノードーム” “Iに生まれて” とかぶせてきた。もう元気で無邪気なあーちゃんはそこにはいない。大人の女性の表現になっていた。どんどん変貌していく姿が頼もしい。
また痛快なポップソングも書いてほしいけどね。
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対バンのジャンたなかヘヴンさんは、自分で描いたと思われる油絵を持って現れた。犬のぬいぐるみが出てきて、ナンセンスを歌ったりファンタジーを歌ったり日常を歌ったりつぶ団子を歌ったり。ハイコードを多用するのは声域とのバランスだろうか。こういう面白い人々を、メジャーの目に晒してみたい欲求がある。ファンがつくんじゃないだろうか。みんなこんなシーンがあることを知らないだけで。
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翌10日。完全に風邪を引いた。ここまで風邪らしい風邪はひさしぶりだ。精神科の通院があったんでついでに風邪薬も出してもらった。なんだかんだでものすごく安い。あとは寝てた。猫っていう怠惰で賢くて優しい生き物と同居させて頂いて光栄ですよ。猫たちが布団に対して斜めに寝てるんで僕も斜めに寝なきゃなんないんだけど。
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11日も風邪。訪問看護師さん (代理の所長さん) 来たる。相変わらず話が噛み合わない。彼は自分が環境に合わないと思ったら、家を飛び出る勇気と時代背景があって、僕は環境に合わなくても無遅刻無欠席を貫いて、噛み合うわけがない。「うちで抱えてる28人の患者さんの中で、山下さんは一番生きるのが困難な状況にいます」って言われても。それこそ37億年前からの生物の歴史の上に僕はいるんだし。
吉村かおりさんの大傑作アルバム “新未来” をピアノ弾き語りで演奏するライブのチケットを買ってたんだけど、病状的にごめんなさいしちゃった。無念。その吉村かおりさんが “新未来” から “ballon” のMVを公開した。
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12日も風邪。風邪の時にコーラを飲みたくなるのは理にかなってる。ヨーロッパでは風邪薬としてそのまま、あるいはあっためたり生姜を入れて飲むそうだ。つまりコーラを飲みたくて久しぶりにごくごく飲んだ。
多摩シティは夜は-5℃、昼は7℃で、きついのは気温より気温差だ。寝てる時猫がカーテンを開くと寒気がきゅーって入ってくる。開けたら閉じなさい。お布団の中で猫であったまってる。猫もヒューマンであったまってる。野良猫はあったまってるかな?
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センター試験の前日にテレビでは「ゲド戦記」をやったらしい。その元ネタのひとつ、親父作の「シュナの旅」は面白いよ。
心ををなににたとえよう
鷹のようなこの心
ってもう2行目で答え出ちゃってるよね。たとえちゃってるよね。来週は「カリオストロの城」。息子の駄作の後に親父の大傑作。酷だ。
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今日、13日も風邪。加湿器が水をよく飲む。ミズホのツイキャス観て元気でた。あの娘はすごいな。大スターになるぞ。1月27日問題の次に1月31日問題というのがあり、どれを観に行っていいのかわからない。
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宮撫x原作・脚本・監督の短編映画「毛虫のボロ」が三鷹の森ジブリ美術館で上映される。実はジブリ美術館に行ったことがなくて、宮賦ト督がジブリ美術館のために作った作品は1本も観てない。「ゴールデン・グローブ賞でスターの衣装を『黒」に染めた『TIME'S UP』とは?」。性差別や性的嫌がらせの撲滅を訴える俳優が、揃って黒いドレスやスーツを纏って授賞式に出席した。
田島貴男さんの写真がいい。場数だけではどうしようもならない視点の鋭さ。これがモチーフになり得るんだっていうさりげない光景を、丁寧に俊敏に切り取る。近藤研二さんの猫の写真もいい。みんな愛されてる猫の顔してる。
今川宇宙さん「良いとか悪いとかいう話じゃ全くなく、ユーチューバーとかでクラスの人気者属性の人がネットでも人気者をやり始めた時、我々の秘密基地としてのインターネットは終わったのだなと実感した」。
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「ライバルの飲み物に禁止薬物 カヌー日本代表候補が混入」。このニュースに為末大がツイートした。「誰かから渡された飲み物は飲むな。ペットボトルはかならず開けた時に音がするか確かめろと言われたな」。つまりこれはそんなに珍しい話じゃなくて、まさにスポーツマンシップなのだ。
日本で一番多い名前は「田中実」さん。数学教師にいた。そのあと3人に会った。「アルコールとがんの関係が明らかに」。うーむ深刻な問題だ。「はやぶさ2 : エンジン連続噴射 6月下旬リュウグウ到着へ」。宇宙を巡る夢のあるニュースが続いた。
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自民党の「名目GDP5年で50兆円増」の主張にはからくりがあった。実際GDPは民主党政権時代の1/3しか伸びてない。つまり、実質GDPの基準年をすりかえた、算出基準を1993SNAから2008SNAに切り替えた (ここ意味わかってない) 、1994年にまで遡って数値を書き換えた。1990年代の数値をかさ下げした。数々の疑惑を「国民に丁寧に説明する」って言ってたはずが、首相の出席を大幅に削減する。ガチウヨ津川雅彦と、米倉涼子を飯で釣った。でも「あと10年で自民党員の9割が他界する」そうだ。
星田英利さん「同じ地球人としてどの国とも仲良くしようよ! っていう、まずはしごく当然の理想を描いてそこからスタートができない人間に、友達とか仲間なんてできるかよ。自分の身を見てみな」。
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David Byrneが14年ぶりにソロアルバムをリリースする。”Everybody’s Coming to My House” 。御年65歳、14年の間も活発に活動してたけど、このエッジはやばい。ずっと追いかけてきてよかった。
Tune-Yardsが新曲 “Heart Attack” を公開した。They Might Be Giantsが新曲 “Dr. Sy Fly” を公開した。で、なんとこの曲もうする出るアルバムに入ってない。Sigur Rosがドラマのために新曲 “Match” と “End” を公開した。これもサントラにしか収録されない。去年公開したクリスマスMixをSoundcloudにも公開した。Rhyeが新曲 “Song for You” を公開した。Mouse on Marsがニューアルバムをリリースする。Justin Vernonが参加してる。
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David Bowieの誕生日にあわせて、”Let’s Dance” のデモバージョンが公開された。Post-Punk,comはBowieのレア曲を中心にしたMixを公開した。
Elvis Costelloがテレビで ”Alison“ を演奏した。First Aid Kitがテレビで “It's A Shame” を公開した。The Wombatsがスタジオセッションを公開した。Style Councilが1984年のライブ音源を公開した。Newton Faulknerがスタジオセッションを公開した。BjorkがMix音源を公開した。Ron Sexsmithが自宅でZombiesの “This Will Be Our Year” と、Badfingerの “Without You” をカバーした。珍しくピアノ弾き語り。
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Hazel Englishが来日する。名盤のジャケットをたくさん手掛けたデザイン集団ヒプノシスの全集が発売される。インドネシアではパンクが取締の対象になって、ファンが丸刈りにされた。坊主頭のパンクスもいっぱいいるがな。
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「鈴木慶一 羽田から見たロックの転換期。東京ローカル文化漂流記」。のんちゃん「楽しくて仕方ない音楽の世界」。澤部渡さん「Year in Music 2017」。
仮谷せいらさんがビルボードライブ東京で初めての生バンドライブをする。高野寛さん × 宮沢和史さん × おおはた雄一さんがビルボードライブ東京でライブをする。Plasticsが中西俊夫さんの1周忌にあわせて、中西さんの最後のステージを中心にしたライブアルバムを発売する。「山下達郎のサンデー・ソングブック」とBRUTUSがコラボして、サンデーソングブックの特集を組む。
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Zeebra氏がラジオで、「以前と比べて作り手が同時代のUSのヒップホップをあまり聴いてない。USのものよりいいもの作ろうとしたら、聴かざるを得ないでしょ。他の国も全部そうだけど、その国だけ独自にいいヒップホップが生まれるなんてあり得ない」。って語った。それはヒップホップに限らず僕がずっと懸念してるところ。ほんとに聴いてない。激しく余談だけどZeebra氏と僕は幼馴染で、いまでも交流があるよ。
LP用インデックスプレート生産中止。細々と作ってきてアナログが伸びてきたこのタイミングで。痛いなあ。AmazonでググるとLPガス用のグッズが出てくるのも一興。8cm短冊CDが便乗して1200円に値上げしてる。で、これをかけるアダプターがすごいプレミアついてんだ。Teen Dazeが来日の時にパイドパイパーハウスに寄って、佐藤博さんの “Awakening” を買っていったっていうほっこり話。さすがナイスチョイスだわ。
1月18日 不幸の連鎖を去年に置いてきたと思い込みたかった
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僕が日記を書くのは人生のセーブをしてるのだな。
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特殊な家庭に生まれて特殊な育ち方をして、厄災が雨あられのように降ってくる。こんな人生は想像してなかったし、我ながらよく耐えてると思うよ。相談に乗ってくれる人は誰もいなかった。誰もいなかった。誰もいなかった。誰にでも同じように幸運と不運が巡ってくるなんて嘘だ。
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14日にはあーちゃんのライブチケットを取ってて、体調的に無理でもないんだけど...どうしても気が進まなかった。心から楽しみなライブしか行かないのがいい。
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15日はなんだかんだで1ヶ月ぶりのカウンセリング。なんとしてでも行かなくちゃって、タクシー代4000円払って行った。溜まっていた心のわだかまりを開放して、すっきりするかと思ったら逆効果だった。去年に置いてきたはずの一連の厄災を説明してるうちに、辛さがフラッシュバックしてきた。話は大雑把に13日の日記に書いたようなこと。たかが有機物である生命の意味とその末裔にすぎない人間の、思いあがりと理不尽に対する怒り。怒りというか、諦念だ。諦念プシガンガだ。
10000回ダメでも10001回目はうまくいくかもって歌があるじゃん。それ運が良くて成功した人の言葉だよね。10000回ダメだったら10001回目もダメなの。それが運命なの。美人と不細工で人生が違うようなもんで、避けられないの。
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帰って辛くなって寝込んだ。猫によしよしされた。翌日健診なのに、ピザ1枚とコーラ1.5リットルを摂取した。結局夜は眠れないまま、酷い鬱とめまいの中で健診に行った。当然数値は悪かった。主治医に「僕の中で、内科の病気 (割とヘビーなのを持ってる) より鬱病の方が遙かにプライオリティが高いんです」って言ったらわかってくれた。わかってくれそうだからいまの主治医を選んだ。
鬱病や精神病への偏見は、医療関係者の方が強い。縄張りがあるんだろうか。同じ病院でも高齢の医師に、鬱病なんて怠け病だって言われたことがある。
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血液検査のためにご飯我慢してたんで、ご褒美にケンタッキーに入った。ムーミンボウルがついてくるセットができた。通うぞ。1皿目はミイだった。嬉しい。
帰ってきてBillboard Live東京に予約の電話待ち1時間。いまどき電話でしか予約できないライブハウスに疲れた。彼らの夢見るTOKYOのイメージは「電話」なんだろうか。それなら回線増やして欲しいよ。そしてプリンターとの格闘でエプソンに電話3回。我が家のWi-Fiの電波が弱いみたい。
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夜、田中ミズホのツイキャス観たら元気出た。いつも救われてる。あれだけの元気を振りまく彼女の強さと苦悩を思う。僕は弱音ばっかりだな。メイが怖い夢見たみたい。うんうんうなされてにゃあって起きて、ベタベタに甘えてきた。いつもベタベタに甘えてるけど甘えの種類がちょっとずつ違う。
アイドル系DJイベントの主催者の、「新しい楽しみを見つけてくれれば」ってツイートが引っ掛かった。新しい楽しみっていうのはもっと根源的に新しくて、また太古へと続いているのだよ。あれで新しい楽しみとは言ってほしくない。
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17日は阪神淡路大震災の日。「『あの日』を胸に祈りの朝」。3.11の前までは、震災と言えば阪神のことだった。忘れられる悲しみを思う。死者6434人、行方不明者3人、負傷者43792人、住宅被害 639686棟。大切なのは数字じゃない。そのひとつひとつの生活だったり、あれから23年の復興だったり。
僕は大学生だった。早朝の地震だったのに、午後に研究室に行くまで知らなかった。テレビ画面を観てハリウッド映画かと思った。友達の実家が全壊してお姉さんがタンスの下敷きになって、目の前の線路で脱線した電車から降りてきたお客さんに助けてもらったっていう、話のパーツひとつひとつが豪快な出来事があった。
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阪神大震災でボランティアに行かなかったことが僕の中でずっとわだかまりとしてあって、だから東日本大震災には行った。自分のためだった。
大友良英&阿部芙蓉美「その街のこども」。阪神淡路大震災のドキュメンタリー番組のエンディング曲だ。美しい。震災復興のシンボルと銘打って木を殺して売り物にした糸井重里は、この日震災について一言も語らなかった。彼を尊敬してただけに、この件ほんとうに残念だし幻滅した。ところで阪神淡路大震災の時に高速道路が倒れたんで、首都高や主要道路の耐震工事して、東日本第震災の時に倒れなかったことはもっと知られてもいい。 行政もたまには国民の命を守る。いまの政権が守るかは知らんよ。
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辻林美穂@渋谷O-nestへ。最近レコードプレーヤーを買ってアナログに目覚めた彼女のために、お土産のレコードをたくさん持ってった。何十年もミュージックフリークやってると、気づけばレコードが1000枚くらいあって、よく同じのを買っちゃうんだ。しかし雨の日にあの重さはかえって迷惑だったな。
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ライブは素晴らしかった。1曲目 “No More 速度制限 feat. 満員電車” 。スマホの速度制限勘弁してよって内容を、ちょっと聴くとエロい話みたいに聴かせる歌だ。初見の人にはアダルティなSSWのイメージを植え付けちゃわないかなってちょっと心配になった。あとスネアの音が硬かったんだよな。
2曲目にまったく方向性の違う “bora zoo” を持ってきて、この曲は人気あるのかな、僕は大好きなんだけど、彼女らしくて可愛らしい世界観に持っていった。2曲目の頃にはPAもまとまって、極めて快適なサウンド&演奏。やっぱり彼女はバックをバンドに任せて、ボーカルに徹した方がいいライブになる。
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ゲームのために書き下ろした曲や、”pignon” “紡いでいくこと” を歌いつなぐ素敵なライブの隙間、隙間にリラックスしたMCが聴けた。前までは、彼女のソフィスティケートされた音楽と、実際に話す印象と、Twitterでのキャラに大きな乖離があった。それが噛み合ってきたな、同一人物っぽくなってきたなって印象。
オリジナルキャラのきんたま太郎はきらりんた君って名前になったそうで、でもMCできんたま太郎って発言して失笑を買ってた。それも受け入れる舞台度胸がついたなあって感慨深かった。そんな余裕が演奏にも出てたライブと思う。惜しむらくはきんたま...きらりんた君グッズが売り切れて買えなかったことだ。
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対バンで気になったのはall about paradise。ボーカル・キーボードのサトーカンナさんがSt. Vincentみたいで、でもほかのメンバーはいなたいファンクディスコで、そのギャップのまま轟音で突っ走るところがかっこよかった。曲をグラサンとヒゲのギターのおっちゃんが書いてたら面白いのにな。カンナさんが書いてドラマーがトラックを作ってるそうだ。で、カンナさんやっぱりSt. Vincent大好きであった。
それから大比良瑞希さん。ハスキーな歌声もシャープなギターも、サポートDJ氏も快適なプレイ。何より曲とグルーヴがいい。ほかは…R&B系のシンガーがルー大柴英語で歌うの苦手なんだ。ルー大柴さんはルー大柴さんだから芸になり笑いになるんだよ。メロディに乗る日本語を探す努力から逃れるために英語を使っても、何にも響かない。
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楽しい一日だったのに、夜になって激しい鬱と不安に押し潰されそうになった。なにも喉を通らずに、せめてもと飲んだ野菜スムージーも戻した。抗鬱剤も飲んでそのまま流れていく状態。極度の不安感の中でTwitterにヘルプを出すも、まるで返事がない。
病状はいまも続いてる。不安定な気圧の弊害と、胃腸系の風邪が一緒に来たかな。半年前から楽しみにしてたFleet Foxesの来日公演、当然行けなかった。チケット代7800円。そして間違いないに決まってる演奏よ。
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まだ!! 今年を諦めない!!
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ヤマザキマリさんのエッセイ「あがるイタリア『自分で自分をとことん愛する。生まれてきてありがとう、自分』」。スゲーなこれは。イタリアの子供は愛されて育つから、辛い自分を慰めてくれる頼もしい自分がいるってメンタリティの持ち主が多いそうだ。僕は愛されないで育ったから、辛い自分は辛い自分、ザッツオール。
「超新星爆発が『生命の元素』を拡散」。「DNA分子を作るのに必要なすべての元素が見つかったことになります」ってNASAが声明を出した。最近命について考える僕にとってはタイムリーな話題。虹色の恐竜が見つかった。昔、恐竜は悲しそうな暗い色で塗られていた。虹色でもいいじゃないかって声が現実になった。
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へーって思った話。お茶が北京発、シルクロード経由で伝わった国では北京読みの「Chai」、福建発、海路で伝わった国では福建読みの「Tea」って呼ぶそうだ。「中国の要塞住宅『福建土楼』」。こんな建物と生活があるなんて知らなかった。南極探検隊に連れられて、越冬した猫がいる。写真がある。凛々しいな。
Nintendo Laboなるガジェットのトレーラー映像が話題になった。やっぱ任天堂さんは発想が面白い。Jordan Hammondさんってアマチュア写真家の風景写真が美しい。その続き。Instagram。くらもちふさこ先生といくえみ綾先生の原画展がある。「3月のライオン」のスクールダイアリーが出る。ファン層広いんだから、カンパニーダイアリーやセルフエンプロイドダイアリーやノージョブダイアリーも出して欲しい。
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今日は北野武さんの誕生日。「『夢をもて、目的をもて、やれば出来る』。こんな言葉に騙されるな、何も無くていいんだ。人は生まれて、生きて、死ぬ。これだけでたいしたもんだ」。そうありたい。
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イギリスで「孤独担当相」が新設された。タイムラインは失笑の嵐。でも僕の抱える苦悩は突き詰めれば孤独だから。なんらかの行政の援助が得られるのなら、藁をもつかむ思いで欲しい。いまの政権には望むべくもないけど、いつか日本にも頼む。
核兵器廃絶国際キャンペーンの事務局長が「日本は国際社会の仲間はずれになる」って指摘した。そらそうだろう。いまでも仲間はずれじゃないと言えるだろうか。
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我らが安倍晋三が、東洋のシンドラーこと杉原千畝記念館を視察して、「同じ日本人として本当に誇りに思う」って言った。アホか。戦前の日本の罪を反省せずに、歴史を捏造してる人間が言う言葉じゃない。杉原千畝さんを外務省から追放して、死ぬまで名誉回復をしなかったのがこの国だ。そしていまの政権とそれに忖度してる官僚たちとはまったく逆の価値観で、命をかけて行動したのが杉原千畝さんだ。で、安倍晋三は演説の中で杉原千畝を読めなかった。スギハラチウネさんです。
ホームレスはビッグイシュー売ってないでバイトしたらいいんじゃないのって声があるらしい。ホームレスの厳しいバイト事情について詳しく説明している記事が、まさにビッグイシューにあった。
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The CranberriesのDolores O’Riordanが亡くなった。学年的には同い年だ。軽快なポップソングからヘビーなメッセージソングまで、素晴らしい音楽を奏でた。メッセージ路線の代表曲 “Zombie (Camel's Hump Mix) by The Orb” リミックスも一世を風靡した。去年の湯会で中嶋春陽さんが "Dreams" に日本語つけて歌ったんだよね。
BRIT Awards 2018の各部門のノミネートが発表された。SUMMER SONICの第1弾アーティストが発表された。Noel Gallagher、Beckほか。SONICMANIAはNine Inch Nails、My Bloody Valentineほか。いい加減世代交代した方がいい。
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George Harrisonのトリビュートライブのボックスセットが出る。ティーザー映像。なんて豪華メンバーかよ。でもお高いんでしょう? The Sea And Cakeが新作をリリースする。Paul Von Mertensが参加してる。"Any Day" 。Common、Robert Glasper、Karriem Rigginsが新バンドAugust Greeneを結成、"Optimistic feat.Brandy" を公開した。Tracey Thornが新作をリリースする。”Queen” 。もう在庫切れってどういうことだ。Tune-Yardsの新作のトレーラーが公開された。Ealsが新作をリリースする。”The Deconstruction“ 。Yo La Tengoが新作をリリースする。トレーラー映像。of Montrealが新作をリリースする。”Paranoiac Intervals / Body Dysmorphia” 。Femi Kutiが新曲 "One People One World" を公開した。
Mavis Staplesがテレビで “Build a Bridge” を演奏した。St. Vincentが "New York (Kelly Lee Owens Remix)" を公開、また眠りにつくためのミックス音源を発表した。Yumi Zoumaが “ (WHAT'S THE STORY) MORNING GLORY? ” のまるごとカバーアルバム出してたなんて知らなかった。日本じゃ手に入らないだろうな。
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The PoguesのShane MacGowanが60歳になった。たいていのミュージシャンは「もうそんな歳なの?」って驚くけど、彼はアル中でヨボヨボだから「まだそんな歳なの?」と。Harry Nilssonが亡くなって24年。享年52歳。だんだん好きなミュージシャンが亡くなった歳に近づいてきた。Ron Sexsmithが追悼のカバーをした。”Turn on Your Radio” 。彼が毎日更新してる弾き語りカバー大好きなんだけど、再生数があまりにも少ない。
程璧が、鈴木惣一朗さんプロデュースの新作リリースに合わせて来日する。”Tree” 。ワールドミュージックブームの時代に一世を風靡したブルガリアンポリフォニーのThe Bulgarian Voices ANGELITEが来日する。
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「大貫妙子×Seiho|生活と音楽の美学 -異ジャンルの2人の価値観が〈交差〉する場所-」。大貫妙子さんとSeihoさんを対談させた編集者もすごいけど、基本的な美意識や価値観で話が噛み合ってるのがますますすごい。いまの日本を生きる上ですごく大切なヒントがいっぱい語られてる。
鈴木慶一さんが「アウトレイジ最終章」で日本アカデミー賞優秀音楽賞を受章した。最優秀音楽賞の発表はまだ。「座頭市」で最優秀音楽賞を受賞してる。その慶一さんが、LIBRARY誌で特集と表紙を飾っている。慶一さんがここまで評価される日が来るとは、不当なdisを食らってた時代を思い返すと感慨深い。CHAIの1stアルバムがUSインディーズレーベルからリリース、それにあわせてUSツアーもする。スゲー。ほんのちょっと前まで下北の地下の小さいライブハウスでブッキングライブに出てたのに。
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のんちゃんのインタビュー「テレキャスを愛し、GarageBandで作曲するギター女子」。わたしのねがいごと。のインタビュー「普段はOL、わたしのねがいごと。等身大の歌が人気 素顔に迫る」。歌詞に共感している同世代の女性ファンが多いって指摘に驚いた。僕は3人の奏でる音楽そのものや、バランスと佇まいに感銘を受けたので。確かにライブ会場には、ガールズバンドなのに若い女性ファンが多い。
CHAIが売れたら次はわたねが。の時代が来ると思ってる。その次に田中ミズホの時代が来たら痛快だな。
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古賀小由実さんが活動拠点を佐賀に移した。で、軽井沢観光協会に楽曲を提供した。”美しい村” 。Controversial Sparkのイベントに出演していたamiinAはVRライブなんてことをやってるんだな。ますます興味深い。
さとうもかちゃん「バイトで薄暗い倉庫に1人こもってる時、なんかふと小学校のとき「おい、ちょっとまてよ」っていう怖い話あった気が…とおもって 頭の中で「おい、ちょっとまてよ」と繰り返し言ってたら、それは怖い話ではなくキムタクの口癖だったことに気づいた」。この娘がバイト中にネリケシ作りに執念を燃やすきゃのんと出会ったのは奇跡だ。キャラクター的にも音楽的にも。
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ところでFranz Ferdinandのチケット買い忘れてたよ。当然完売よ。Fleet Foxesも行き損ねたし散々だ。元気出せ、俺。
あっるっこー!
あっるっこー!
わたっしはースキルー!!
1月20日 おかしいのは僕なのかな
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食べ物が食べられない状態からは脱したけれども、鬱は相変わらず。根拠のない漠然とした不安の中で猫を抱いている。
タイムラインを流れてきた、カワウソがくちゃくちゃ飯を食ってる動画を何度も観てほっこりした。猫たちと、巨樹・巨木botさんと、たまに流れてくる癒やしの動画。猫を揉んでぼんやり。猫は揉まれてぼんやり。共依存だ。
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きのうは大きなトピックが流れてきた。小室哲哉が不倫疑惑の報道を受けて、芸能活動から引退するという。小室哲哉がまだ芸能活動をしていたことにびっくりした。実業家だと思ってたし、事実上は実業家で余業のひとつを捨てただけだと思ってる。
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小室哲哉の不倫疑惑は、どうやら重い障害を持った奥さんの介護を巡る誤解で、引退の理由も介護疲れみたいだ。タイムラインは、不倫疑惑を流した週刊文春に対する激しいdisりと、小室への同情で溢れた。
怖いなって思った。週刊文春のいわゆる「文春砲」は政治の不正も暴いてきたし、今回はすれ違いがあったとしてもだよ、もっと叩かれるべきメディアはたくさんある。例えば最近、新潮45までもがガチウヨ雑誌になった。汚い差別の言葉が並んでる。出版不況にあえぐなかで、生き残る方策として読者を馬鹿に育て上げ、幼稚な憎悪を煽るほうが簡単に商売になりやすい。まともな議論の場がこの国からどんどん消えていく。
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介護の問題はとても難しい。「介護を家族1人の力でできると思っている、想像力が著しく欠落している人々」への激しいdisに、多くの賛同が集まった。確かにその通りだ。だけどちょっと待ってほしい。
僕には家族が1人もいないんだ。つまり僕は、18年間の鬱病と両手に数え切れない病気を抱えた僕を、自分で介護してるんだ。この発言者はそういう存在への「想像力が著しく欠落して」いないだろうか。先日イギリスで「孤独担当相」が新設されたことに対して、失笑が巻き起こったことは前にも書いた。孤独であることに対してタイムラインの論調はあまりにも軽視し、矛盾してはいないだろうか。
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僕は人間関係が酷く苦手なうえに長い病気をして、家庭を持つことがままならなかった。生まれ育った家族、親族もまったくいない。定職がないから仲間もいない。最初に入院した時になにより救われたのは、診察じゃなくて毎朝看護師さんに「おはようございます」が言えることだった。「山下は独り身で気楽でいいね」なんて言われることもある。結婚生活の苦労は聞いてきたし、結婚=幸せでないことくらい知ってるよ。だけど統計上、生涯独身者と既婚者では寿命が8年違う。独りでいるってそういうことだ。
誰もいない状態を想像するのはとても難しいと思う。空気は当たり前のように存在して、空気のない状態を想像するのが難しいようなもんだ。だけど空気がないと人は死ぬ。そしてZimmermanに「グロテスク」とさえ罵倒される。
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もうひとつ、僕のミュージックフリークとしての想いで、小室氏の音楽や商法が大嫌いだった。僕はヒステリックで暴力的なもの、こと、ひと、表現が苦手なんだ。「ドドーレレ レレードド ドドーレレドレレードドー」なんて単純なメロディ、中学生レベルのコード進行にちょっとsus4やdimを加えて、サビをガガッとトランスポーズして、異様な高音で歌わせて。それは音楽的に必要な音域じゃない。カラオケで原曲キーで叫んでストレス解消するための音域だ。CDだけじゃなくてカラオケでも稼ぐための音域だ。それはとてもヒステリックに聴こえた。そんな音楽家に憧れようがない。
小室哲哉が、奥さんの介護に筆舌に尽くしがたい苦労をしたことは理解したい。だけどそれによって、いままで長いこと音楽を舐めてきた経歴や、だらしない女性遍歴がすべてチャラになるわけでは決してない。
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19日は夜にN氏が様子を見に来てくれた。本当はもっと心の話をするつもりだった。だけど黙って音楽かけて鍋食べて猫を眺めてる状態が、いまの我々にとっていいのかも知れないな。心地良い時間だった。
N氏は、見返りをまったく求めずに人に奉仕する。時には引越屋だったり電装屋だったり、ほかになにをしているのかわからないけど、彼の生活を聞いてると彼の人権はどこにあるかとも思う。といいつつ僕も、溜まりに溜まって途方に暮れていたダンボールの処理をお願いしてしまった。ほんとうに助かった。
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かけたレコードは、France GallやThe Cranberriesといった最近なくなった方々、Ravi Shankar and Philip Glassといった静かな現代音楽、ずっと聴こうと思って封を開けてなかったRostamなどなど。
Rostam好きだな。どうしてもVampire Weekendと比べられちゃうんだろうけど、アフリカンなリズム、ポストロックなエッジ、なにより存在がキュートで僕の好きな要素がてんこ盛り。50年後くらいに発掘されないかしら。
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そのころテレビでは「カリオストロの城」をやってたらしい。「カリオストロの城」と「未来少年コナン」は大人になってから観返したほうがいい。自分が感情移入する世代が変わると、まるで違う景色が見えてくる。
どっちも宮撫xさんが30代の頃の作品だ。まだ自分の城を持たず名声もなく、葛藤する青年の描いた物語。そして痛快な大塚アクション。
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今日は、お見合いパーティーで柴犬とカップル成立する夢で起きた。おはよう。観に行くつもりだったライブが演者の体調不良でキャンセルになって、残念だけどいまの僕の体調ではいい休養の時間ができた。
YouTubeがやたらとポリデントを推してくる。ビッグデータを利用した広告の精度って意外と低いのではないか。忘れてた、雪見だいふくプロジェクト。雪見だいふくについてツイートを繰り返してれば、タイムラインやネット広告が雪見だいふくに包まれて幸せなんじゃないかっていう。いやわかんないよ。
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近藤那央さんの研究に対する真摯な姿勢と、悩みのレベルが高すぎる。何度も書くけど僕が大学生の頃は果てしなく馬鹿だった。やっぱ大学生は勉強した方がいいと思うんだよね。その世界のトップにいる人と話す機会なんて社会人になったらなかなか作れないし、学びの機会を放棄することは視野をせばめることに繋がる。
僕の担当教授の坂根巌夫先生は、評論から教職の世界に移ってきたばかりだった。あるゼミ生が完全に舐めた卒業制作を提出したんだ。たぶん制作時間は30分以内だと思う。それでも卒業させないとかわいそうだからって先生は単位を与えた。彼はいまどんな人生を送っているだろうか。坂根先生に感謝しているだろうか。
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「皇帝ネロの暴挙、焼け果てたローマに黄金宮殿を建てる」って記事が気になった。ネロの実情について諸説紛々であることはほとんど書かれていなかった。
歴史の正しさって誰がどうやって証明するんだろうか。73年前の戦争を巡っても、こんなに歴史修正主義者がはびこっているのに。人はどんなに善意で生きても「雰囲気」で嫌われることは、僕が僕の人生で証明してる。ネロは本当に暴君の一言で片付けられる人物だったんだろうか。ヨーロッパの人口の半分を亡くしたといわれる14世紀のペストの大流行の犯人が、ネズミではないことが証明されたのは、21世紀になってからだった。
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子供の頃、近所の子供たちの間で「がま池」って池が存在するって都市伝説が流れた。それは事実で、規模は小さくなっても私有地の中に残っていた。数年前に、同郷の松本隆さんががま池を見に行く企画記事を読んだ。テレビでも取りあげられてちょっとした話題になった。なんと今日、U-hAのマスターががま池を見に行ったそうだ。場所も教えて貰った。近いうちに墓参りがてら見に行こう。
アメリカでバナナの形をしたBluetooth受話器、バナナフォンなるものを開発した人がいる。収入の一部は、ゴリラの保護に寄付される。僕は電話を使うことが少ないんで買わないけど、素敵なアイデアだと思う。みんなどうかな。
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Belle & Sebastianが、ラジオで “I’ll Be Your Pilot” を演奏した。また、レコード屋で好きなレコードを紹介する企画に参加した。Franz Ferdinandがテレビで “Always Ascending” を演奏した。チケット取り損なったの本当に残念だ。
Instagramでレコードジャケットの世界に入り込む写真を投稿してる人がいる。面白い。さっそくフォローした。
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Corneliusが、”Mellow Waves” のアナログ、カセットテープのティーザー映像を公開した。彼は隅々まで美意識を貫いてるなあ。
たぶん30年くらい前を舞台に、お小遣いをためてCDを買って、自宅に走って帰って聴く少年のマンガが話題になった。音楽ってそういうものだったんだよ。本当に特別なものだったんだよ。僕も帰りにマックに寄ってキャラメル包装むいて、開いてみたって音が聴けるわけじゃないのにね。あの頃の情熱を取り戻したい。
1月24日 若者のすべて - 僕らの街に今年も雪が降る
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去年の暮れにのんちゃんのフェスに感激してさ、2017年極めて辛かったけどいい締めくくりができた、2018年は行けるぞって。で、2018年にControversial Sparkのイベント観て、鈴木慶一さんのトリプルファイヤーに対する粋なリスペクトの表明に、これだって。若い方々すごいですってことをもっと言っていこうと。
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先週のカウンセリングは1ヶ月ぶりだったんで、去年の辛い話をしなきゃだった。結果フラッシュバックが起きて、先週1週間を布団にこもって過ごした。あらー今年もだめなのか。不幸の連鎖は止められないのかと思った。
で、今週のカウンセリングは意図的に楽しい話をすることにした。のんちゃんがいかに素晴らしいか、CHAIがいかに素晴らしいか、慶一さんとトリプルファイヤーの話。それはカウンセリングなのか。カウンセリングなのだ。
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年上の尊敬できる方はいっぱいいる。神様みたいな世界の音楽家たち、画家や映画監督やマンガ家たち。細野晴臣さん、慶一さん、牧村憲一さん。
身近なところでは (あまりにも早逝だったことをのぞけば) 父、中学のペロ先生、坂根巌夫教授、2番めの会社の社長の宮島将郎さん。僕の価値観を作ってきた方々だ。
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最近若い尊敬できる人がたくさん出てきた。例えば近藤那央さん。大学の後輩なんだけど、ゼミを掛け持ちしてインターンでいろんな研究所に出入りして、卒論を出したけどこれを学会に提出するレベルに持っていきたい。いま院に行ってもモラトリアムにしかならないから自分のため、社会のためにまずできることを先にしたい。
僕なんてモラトリアムを延長するために院に行こう、研究したいことなんてなにもなかったもんね。新しい学部で教授陣は熱意を持って、僕たちはそれに応えられなかった。彼女の熱意と賢さと自分に対する厳しさにはほんと感銘してる。
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ほかにもスゲーなーって尊敬してる若い方々がたくさんいる。よく日記に出てくるライブ観に行ってる若いミュージシャンに対する気持ちは、尊敬なんだよ。
で、僕も46歳が近づいてきてさ、何をしたいか考えたら、若くて尊敬できる方々に尊敬してますって表明することなんだ。ってことをカウンセリングを受けてて気づいたの。それこそ慶一さんが、トリプルファイヤーの「君はジミ・ヘンドリックスを聴いたことがあるか」のシャウトを引用して、「君はトリプルファイヤーを聴いたことがあるか」ってシャウトしたみたいに、粋に彼らを紹介したい。
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やっぱ老若男女問わず、尊敬できる人がいるって素敵だ。今年の、あるいは人生の、ひとつの指針ができた。
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21日はエレクトリックリボン@新宿OREBAKOへ。昼間のライブだからいまのぐちゃぐちゃな生活リズムで行けるか不安で、朝まで眠れなくて寝落ちて、起きたら目覚ましから3時間後だった。対バン観れなかった。ごめんなさい。エリボンのステージには間に合った。やっぱ楽しい。僕は端っこでニコニコ眺めてるだけだけど、楽しんでるんだよ。
ところでみんなチェキのコメント書いてもらう時に何を喋ってるんだろう。僕は共通の話題を見出だせなくて、「ありがと、じゃっ」ってバイバイしちゃう。
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ボンクラさんたちのお酒の席にお邪魔して、夜はnombres@新宿御苑スタジオへ。かっこ良かった。今の日本で考えられる最高のプレイヤーが揃った奇跡のバンド。もう少し知られてもいいんじゃないの。
Ba./リーダー安部王子さん。Gt./Vo.窪田晴男さん。Vo.有近真澄さん、Dr.矢壁アツノブさん。Key.小滝みつるさん。日本の音楽を支えてきた強者たち。リズム隊の力強いグルーヴ、窪田さんのカッティングと泣きのチョーキング、小滝さんのカラフルな味つけ、有近さんの色気溢れるボーカル、世界の音楽を聴き倒した上でのクールな楽曲たち。
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10年くらい前に川村恭子さんに連れられて、窪田晴男さんの弾き語りを観に行ったことがあった。窪田さんが僕のことを覚えていてくださったのが嬉しかった。
窪田晴男さんといえばパール兄弟、坂本龍一や矢野顕子ちゃんとの一連のワークス、数知れぬプロデュース作品やセッションワークス。高校生の時からずっと憧れてた。あっこちゃん最近がパール兄弟の “世界はGo Next” をカバーしてたのも感慨深かったな。とても気さくなお兄さんだった。いままたパール兄弟で演ってるのが嬉しい。僕にとってパール兄弟は窪田さんのバンドだったから。
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冬は嫌いじゃない。オリオン見ながらサムサム帰って猫だいてミカン食べて。なにかホッとするものが待ってるのが冬だ。
で、翌朝窓を開けたらおはようございま雪!? 「北から目線」を恐れずに言うなれば豪雪だ。人類は大きく2つに大別できる。雪が好きな人種と、雪が嫌いな人種である。僕は雪好き。この雪で生脚だしてる女子高生はもう尊さしかない。で、さっき書いたカウンセリングへ。その足で美容院へ。縮毛矯正→カラーリング→カットをするんでいつも疲れる。美容師さんはもっと疲れる。この日はお客さんいなくて、カットするのもドライヤーあてるのもアイロンあてるのも左右から2人づつ、半分の時間で済んだ。
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バスの来なさ可愛い。あのお姉さんと体を温めあいたいし、あのお姉さんも僕と体を温めあいたいと思ってるはずって思うくらいには寒い。夕暮れ団地は駅前からさらに積もって30cmくらいか。仲良しの野良猫たちは今夜の寝床を確保しただろうか。なんだかんだで雪道を歩いてへんなとこが筋肉痛になった (どこかは教えてやらない) 。
燃え殻さんと大槻ケンヂさんの古い対談を読んだ。過去を肯定すること。痛い過去に囚われた時には指を1本前に出して「フューチャー」って叫ぶんですと。アホらしいと思うかもだけど、ネガティブな人間にはそれくらいのおまじないが必要だ。
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23日。チャイがゴロゴロいいながらこっちを見つめてる。照れる。ヨシヨシヨシ。いまは2匹の力関係が拮抗してるけど、だんだんメイが老いてバランスが変わってくるんだろうな。2匹はいま、喧嘩するでもなくひっつくでもない微妙な距離感。
雪があがって快晴だけど気圧は下がり続けてて、体調が優れなくて楽しみにしてたPaul Wellerのライブ行けなかった。海外のミュージシャンが来日するにはギャラはもちろん、メンバーやスタッフや機材を持ってきてそれなりのチケット代を取るわけで、でも世界レベルの演奏をちゃんと聴かせてくれる。最近、洋楽のライブに限って行けない病が続いてる。チケット取るの躊躇ってしまう。
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#映画で印象に残ってる別れの挨拶 ってハッシュタグが流れてきた。「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」って書いた。このツイート、みんなの感動を呼んでファボやRTがザクザク、素敵女子が「抱いてー!!」って叫ぶかと思ったら0ファボだった。なんだよ。僕は映画の素晴らしさを淀川長治さんに教わったんだよ。
生まれながらに鼻が悪いメイがしゅんしゅん言ってる。彼は拾ったその日に今夜が山ですって言われて、それから15年元気だけどどこか心配が捨てきれない。
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今日、24日は体のメンテナンス。またバスが来ない。きのうは運休だったことを思えばまあまあ。もっとガシガシ走ってみんなが乗って、採算取れる乗り物になるといいよね。あるいは新しい地域交通システムを考える。リフトいいと思うんだけど。駅前から緻密なリフト網を組んでフラフラ帰る。もちろんフードつきで。
mona recordsでパンケーキフェアやってるのか。行きたい45歳男子。帰宅。サムサム。寒すぎて猫たち迎えにこないもんね。デロンギの前でニャーて!! やっと来たと思ったらびとーってくっついてる。空気も寒いけど猫の鼻が冷たい。僕はデロンギか。どっちかと言えばだるまストーブか。今夜は-7℃までさがる。
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また「夜廻り猫」に感涙。読者の人生体験と結びついて、初めて完成するマンガだ。押しつけがましくなく、心の奥底をくすぐる。
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Macintoshの誕生日。スティーブ・ジョブズの伝記を描いたヤマザキマリ先生が、Macの衝撃的な誕生の瞬間を公開した。
谷川俊太郎展行きたい。谷川さんは教科書に載るほどわかりやすくて、でも表現はとてもエッジが効いて、幅広い人に愛されてるけど大衆に迎合してない。30年森を撮り続ける上田義彦さんの写真展行きたい。「ゲド戦記」のル=グウィンさんが亡くなった。なんでジブリの「ゲド戦記」は吾郎さんが撮ったかね。駿さんが「ゲド戦記」マニアで、グウィンさんも駿さんに撮って欲しかった、吾郎さんのはがっかりしたと。
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裕木奈江さん「芸能界では有名になりたい人&その利権で食べたい人、なるべくものを考えずに買ってくれるお客さんを増やしたい人等が富を作り権力を持ってしまうけれど、エンタメのお客様が観たいのは作品。作家さんや俳優がコツコツ地味に作っているのも作品。そしてお客様とは作品を購入してくださる方のことです」。この人も好きだったな。のんちゃんと一緒で、芸能界のヤクザな仕組みでハリウッドに押し出された。
日比谷線にクラシックを流すらしい。やーめーてー。こういう企画をする方は「うるさい日本の私」って本を読んだほうがいい。
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海上自衛隊の護衛艦を空母に改造して日米で共同使用するという。これがなんで大変かっていうと、アメリカ軍が北朝鮮を攻撃したら、日本は自動的に参戦することになる。いまアメリカの大統領は痴呆のトランプ、日本の首相は戦争大好き安倍晋三。
地方議員のヘイト気質が次々に明らかになってる。奈良県安堵町の増井敬史が涙ながらに記者会見した。「反日勢力が今回の騒動を拡散させている」「日本のために、フェイスブックもやっていたつもりで...議員を辞職して責任を取るという方法もあるが、それだったら左翼の思うつぼなので」。救いようのないアホだ。
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南アフリカのサックス奏者、Hugh Masekelaが亡くなった。タイムラインは驚くほど静かだ。初期の代表曲 “Grazing In The Grass” は、黒人ミュージシャンで初めてBillboard No.1を取った。ワールドミュージックブームの頃はみんな聴いてたし、ポップファンに馴染みがあるところではPaul SimonやThe Byrdsのレコーディングにも参加した。ボーカルもいいんだ。”Ha le se le li khanna” 。
Argentでデビューして、Zombies、Kinksなんかを渡り歩いたベーシストのJim Rodfordが亡くなった。僕が観に行ったZombiesのライブもJimの演奏だった。かっこよかった。76歳、いいお歳だけど事故とは。
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RIDEが新曲 “Pulsar” を公開した。彼らが活動してたのはたぶん5,6年で、それから20年の沈黙の後にこのクオリティの新曲をガンガン出してくるんだから、ほんとバンドって生き物はわからない。来日公演のチケット買っちゃった。体調的に不安は残る。
Franz Ferdinandが新曲 “Feel The Love Go” を公開した。Nils Frahmの新作が全曲試聴できる。John Cageの “Electronic Music for Piano” をTania Chenがアルバム化する。Thurston Mooreが参加してる。ティーザー映像。
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St. Vincentのアコギ1本の演奏。いまの天才の1人。サウンドメイキングの斬新さで語られるけど、弾き語りでこのかっこよさ。Tune-Yardsが新作のリリースに併せてテレビにラジオに出まくってる。セッションをまとめて観るならここ。
Grateful Deadのライブベスト盤がリリースされる。キューバ音楽のドキュメンタリー “Cu-Bop across the border” が公開される。それに併せてOmara Portuondoが来日する。Gangpol & Mitが来日する。Rhyeが来日する。アカデミー賞作曲賞にRadioheadのJonny Greenwoodがノミネートされてる。中国でヒップホップが禁止された。反体制文化だからだと。どんどん息苦しい国になってるな。
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さとうもかちゃんが1stアルバムをリリースする。プロデュースは入江陽さん。のんちゃんの新曲のインタビュー。大貫妙子さんの久しぶりのPure Acousticライブが近づいてる。呆然とするほど美しく強い。
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某有名ミュージシャンと話してて、ポップスで本当に必要なコードって実はすごく少ないんですよと。でもそれじゃ音楽学校や教則本が成り立たないから使わなくていいコードを教える。だから日本のポップスはやたらコードに凝ってると。海外のヒット曲と比べると異様だもんね。みんな冨田ラボみたいで。
1月28日 ララ歌声あわせよ足並そろえよ今日は湯会だ
もしくはECDさんと新しい文化のこと
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ラッパーのECDさんが亡くなった。日本にヒップホップを根づかせた大偉人だ。癌を公表してたから覚悟してたとはいえ、ショックは大きい。でっかい体を揺らして不器用にラップする彼は最高にかっこよかった。Illicit Tsuboiさんとのセッションが特に印象深い。2人とも狂ってた。川勝正幸さんを最後にお見かけしたのも彼のライブだったはず。
去年の7時間DOMMUNEドネーション番組も引き込まれた。もう体調を崩されて、ライブシーンは録画だったけれども。彼に関しては、とにかくライブを観ろとしか言いようがない。でももう彼はライブをしない。寂しいです。”Rock in My Pocket” 。リリースされたライブ映像は2004年の “ECDVD” だけ、あれからますます進化した彼を観て欲しい。
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タイムラインを見ると、彼の政治活動に絡めたツイートが多かった。大衆音楽は政治と切り離せないもので、彼は誠実だからそういう活動に積極的に参加した。だけど彼は政治活動家ではない。どうしようもなく表現者だった。若い頃は演劇をやったり、それこそパール兄弟と近いところでリーマンズって活動をやったり、DJをやったり。だから広く音楽や表現文化に造詣の深い方だった。そんな中で生まれたばかりのヒップホップと出会い、音楽は、表現は自由だってことを体現された。
最後のツイートは18日のRT。その前日の、岸野雄一さんの「ECDに捧げる舞ウェイ」もご覧になってる。よかった。
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ECDさんとも交流の深かったZeebraさんが、きのうこんなツイートをした。「昔はテレビでちょいちょい洋楽番組やってたけど、なんで今は無いのかな?今USのチャート番組あったら超ヒップホップ掛かるのに」。
なんども書いてる通り、いろんなジャンルの若いミュージシャンが洋楽を聴かないで、日本はいま音楽的な鎖国状態にある。非常に由々しき事態だ。ヒップホップしか聴かないヒップホップミュージシャンも由々しき事態。新しい文化は、文化と文化がぶつかった時に起きる。いまはみんな自分の周りにしか興味がない。だからレイシズムが流行るんだと思うよ。ECDILLREME "The Bridge 反レイシズムRemix" 。
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25日は田中ミズホ@赤坂CLUB TENJIKUへ。初めて行く小屋。出掛ける時間は気温2℃、帰る時間には-6℃。寒すぎるよ!!
冬にぴったりな可愛い “ハチミツレモン” から、アダルトな影が漂うジャジーな “Week Point” へ。彼女が声質と声量に恵まれてることは誰もが認めるところだけど、感情を歌に乗せる表現力が素晴らしい。個人的なフェチポイントとしては、コブシとヴィブラートと、声を出し切って息を抜く瞬間が好き。ギターって楽器ともどんどん仲良くなってる気がする。チケット代が妙に安いんで心配だったんだけど、ほかの出演者さんも素敵な演奏だった。若いミュージシャンに対する敬意については24日の日記に書きました。あの日記、アクセス少なかったのなんでかな。
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26日はミチノヒ@神楽坂神楽音へ。新しい小屋。フードも美味しいし音もよかった。遊佐春菜さんの幅広い活動の中で、ソロとミチノヒしか拝見してないのだよな。
ミチノヒは曲の構成は限りなくミニマル。どの曲も無駄がなくてサクッと終わる。その中で、Gt、Key、Dr.の3ピースでどう色をつけてくかってアレンジのアイデアが楽しいバンド。詩的な言葉から広がるイメージと、音が彩る風景が美しかった。こんなバンドなかなかいないよ。対バンでは無人島レコードを気に入った。70年代っぽいファッションで、サニーデイをもっとグルーヴィーにしたようなバンド。ほかのバンドも非常に素晴らしくて、特にシューゲイザー2連発にやられた。
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27日は行きたいライブがいっぱいあったんだけど、すべてをかなぐり捨てて湯会@古代の湯へ。気になってたNegiccoと、なによりも中嶋春陽さんが出演するから。
前の日なんだか眠れなくて、寝落ちて大寝坊。駅までタクシー飛ばした。地球の端っこって滝になってるじゃん、その先の新小岩ってところに行かなきゃなんない。しかもハルちゃんの出演は1番目。中嶋春陽&ゆけむりDJsのセットリストは、”TOKIO” “さらばシベリア鉄道 (太田裕美さんバージョン) ” “チェリーブロッサム” “Penguin (ハルちゃんオリジナル曲) ” “リ・ボ・ン” “サウスポー (Nachuさんと踊る) ” “Zoo (Nachuさんリクエスト) ” “Dreams (ハルちゃん日本語詞) ” っていう世代のわからない選曲。ハルちゃん楽しそうに歌い踊って、会場も盛りあがって幸せな時間だった。
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ハルちゃんに会う時はよくレコードを差しあげる。彼女はレコード好きで昭和歌謡好きなので。まずは追悼シリーズでFrance Gallの日本盤セカンド、いい曲しか入ってないレアなアルバム、もう1枚はまさにハルちゃんが歌った “Dreams” が入ってるCranberriesのアルバム。びっくりして喜んでくれた。と思う。それからハルちゃんの好きな谷山浩子さんの弾き語りアルバム。これがいいんだ。続編を切望。Nachuさんに追悼シリーズで “ECDのロンリーガール” のEPあげるつもりだったの忘れてきた。
チェキを撮ってもらった。太った生き物とショートの女の子。完全にトトロとサツキだわ。痩せよう。カニカマを作る技術があるのなら、高カロリーでウマウマで、食べるとみるみる痩せる食べ物も簡単に作れそうなのにな。
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湯会ってもともとはすごくアヴァンギャルドなミュージシャンが出てたんだよね。いつのまにアイドルイベントになった。その中でも、Controversial Sparkのイベントにも出てたamiinAは、北欧ポストロックの香りもして音楽的に楽しめた。それから高浪慶太郎さんの長崎人脈が関わってる脇田もなりさん。
もうひとつのおめあてのNegiccoは僕、勘違いしてた。音楽的に大好きでアナログも集めてて、本人たちは人柄の良さ、いなたい親しみやすさがいいんだと思ってた。初めて観た彼女たちは、品の良さはイメージ通りだけど、美貌とオーラとキレの良さに参った。特にシャープに首を振った時にファサッと揺れるぽんちゃの髪の動きの美しさよ。
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加湿器がぶーんって言うようになった。湿風を出しているかも甚だ疑問。お手入れすれば直るのはわかってる。問題はフタの外し方を忘れるくらいお手入れしてなかったことだ。空調関係ぜんぶやらないとだな。今日は用事ないし、耳栓して寝るっていうプリミティブな解決方法を取った。猫は平然と寝てるからだいじょ...ねこーねこー!! 怖い夢みたのぅ (頭ポンポンして起こしてもらいました) 。概念っていう概念について考える夢を見た。
猫から強烈な眠み光線が。異様なだるさ。だるさしか症状はないんだけど。猫たちは「パパ病気...ではなさそうだな」ってそれぞれの時間を楽しんでた。Instagramのお薦めの精度があがって、タイムラインはますます猫だらけになった。Twitterに雪見だいふくが出てくる気配はない。ところで「クリハマ」ってなんかエロいよね。
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24日の日記に書いた、東京メトロが電車にBGMを流すことについて、岸田繁さん「公共施設にしろ、飲食店にしろ、BGMはちゃんと考えて機能させないと、機能しない。音楽をなんかのついでにすると音楽の神様多分おこる」。
障害をお持ちの方が、わずかな音を頼りに移動するので非常に困るって意見も出た。それは知らなかった。ほんとどういう発想で誰が喜ぶのかまるでわからない。利権が絡んでそのうち秋元康がかかるようになるのかな。
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梅ジャムが製造終了。最後の作り手がご高齢で辞めるそう。最後に食べたのは初詣のソースせんべい。美味しかった。お疲れ様でした。出版不況の中でも売れ続けてたマンガが、海賊サイトの横行で売上激減だそう。僕も古本屋で買うことが多いんで偉そうなことは言えない。木星探査機ジュノーがとらえた、雄大な木星の様子。
結婚38年のニュージーランドのカップルの夫が、アルツハイマーで結婚してることを忘れて妻に恋してもう一度プロポーズした。答えは「もちろん!」。そして2度目の結婚式へ。ミャンマーで貧困の中、小学校を中退した青年が、「返さなくていい図書館」を設立して話題になった。動機は、「お金なんていつ使えなくなるかわからない。でも、知識はずっと頭に残る」っていうお祖父さんの言葉。
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フランスで空港反対運動から、空港の建設予定地に実験的な生活共同体が生まれた。300人が自給自足の生活をしてるそうだ。思想も含めて面白い。沖縄戦で集団自決が起きた「チビチリガマ」を心霊スポットとして荒らした少年たちが、場所の意味を学んで遺族たちと仏像を作った。なんと素晴らしいかよ。
「PC内臓カメラでストレス計測 パナソニック働き方改革を支援」。内蔵カメラで社員の顔を写して、緊張で顔がこわばった時の脈拍の変化なんかをリアルタイムで解析してストレスの強さを6段階で評価するそうだ。ディストピアとしか言いようがない。むかしのSFに出てきた、機械に支配される労働者の姿だ。
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米軍のヘリコプターの事故が繰り返される中で、松本文明が「それで何人死んだんだ?」ってヤジを飛ばした。逆に聞きたい。何人死んだら基地を封鎖するんだ。沖縄に犠牲を押しつけないんだ。落ちぶれた国の落ちぶれた人々。
野中広務氏が亡くなった。彼が部落出身であることを明らかにして政治活動をしてたこと、反戦を訴えて安倍政権に批判的だったこと、沖縄の人々のために尽力していたことをぜんぜん知らなかった。Ry Cooderが沖縄音楽のアルバムを作った時、その歴史や戦争にまるで触れずに南の楽園として描いたことにがっかりしたんだ。
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東京都がオリンピック関連事業でさらに8100億円を負担する。全体の支出は1兆4000億円になる。そのお金、もっと有効に使えないの? なんども言うとおり、たかが運動会だ。いま、この国には困ってる人がほんとうに、ほんとうにたくさんいる。その何十分の1、何百分の1のお金で救われる人が。
「地球最後の日まで残り2分 終末時計冷戦期と並ぶ」。んー。これに関する記事をいくつか読んだけど、核武装の危機について北朝鮮が北朝鮮が言ってる割に、アメリカが後押ししてるイスラエルについては一言もいわんな。日本もお先真っ暗だけど、世界もお先真っ暗で、若い人たちにはスマンというほかにない。
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James Blakeが久しぶりの新曲 “If The Car Beside You Moves Ahead” を公開した。Franz Ferdinandが新曲 “Lazy Boy” を公開した。BeckがVelvet Undergroundの “I'm Waiting For The Man” をカバーした。これ好き!!
現代美術作品を素材にしたレコードジャケットを集めた本 “Art & Vinyl” が発売される。おもちゃなのに本格的なシンセBLIPBLOXが発売される。ノルウェーの放送局がBlossom DearieとKarin Krogのアーカイブを公開した。
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Corneliusが “未来の人へ Dear Future Person” のPVを公開した。”Mellow Waves” のアナログ盤の情報が少しづつ公開されて、彼らしいアイデアに溢れた作品になりそう。tricoが新曲 “ブームに乗って” を公開した。
DOMMUNEが29日に遠藤賢司さんの追悼番組を放送する。Carnationの野音ライブで全盛期のメンバーが揃う。雪解けは大歓迎だ。のんちゃんの1stの1曲をのんシガレッツでレコーディングした。
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「Kダブシャインぽい口調で桃太郎を語る」。「ポプテピピックの画像をアップすると近い構図の電気グルーヴの画像が送られてくる」。電気グルーヴの汎用性!!
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