DIARY 2002年2月


2月1日 言ってみリゃボディブロー

ここで「2chか山下さんの掲示板にでも書き込んでおけばいい」って言われてる山下さんです。JASRACがファイルローグにいちゃもんをつけてるって話。JASRACのやることにはいちいち納得できないが、理事長が「不正コピーは著作権者の将来の夢を摘むことになる」って言っちゃうのはアウト。著作権者の将来の夢って...出来合いの作品で食ってくシステムのこと? やっぱりポップミュージックは衰退産業なんだろう。
 著作権と言えば引用ソングライターの小沢健二さん、Flipper's GuitarがBeach Boysネタをやらなかったら僕がBeach Boysを聴くこともなかった。文化の伝承ってそういうもんじゃないの? ダメ?

最近掲示板がオザケンファンサイトの様相を呈してきました。今月末に発売される5年半ぶりのニューアルバム、よさそうな手ごたえ。彼はずっと創作のモチベーションを無くしてしまったのかと思ってたけど、世間のイメージを払拭して本性を現すための沈黙だったのかも知れない。彼のキャリアは引用ソングライターの先輩の大滝詠一さんによく似ています。伝説のバンドからソロ活動へ → ポップに変身してブレーク → 長い沈黙期に入っても別に生活には困ってない様子だ。
 ところで最近の写真を拝見しましたが、おでこがだいぶ広がっているようにお見受けした。生え際のほうは大丈夫でしょうか。

あと何か書くことあったっけ。ウクレレ教室でレッスンを受けていたら関口和之さんが無言のまま入ってきて、ごそごそ荷物を置いて無言のまま帰っていきました。驚くほどオーラのない方でした。今週はそれ以外に外出らしい外出なし! 朝から晩までふさぎこんでる。時にパニック。バッドタイミングなボディブロー。

2月2日 日記だし

宇多田ヒカルさんと同じソフトを使っているのに芽が出ない山下です。
 日記と名乗っている以上、もうちょっと頻繁に書いてもいいのかなあと思った。2月から始めるっていうのも中途半端でいいじゃないの。毎日は書きませんよ。面倒くさいから。

日記の更新頻度があがると必然的に踏み込んだ状況説明をすることになるわけだが、実は来週の12日までにかなりヘビーな書き物をしなくてはなりません。そのプレッシャーもあって最近どうもアレだ。予期せぬボディブローも食らったしな。
 今日は今年初めてのプールに行ってきました。冷たい水の中で、自分の体がひどく上気しているのがわかった。別に風邪ひいてるわけじゃないよ。神経系に刺激が行き渡って、体の中に蓄積していたダメの元みたいなのが熱とともに発散されてるような気がした。というわけで現在非常に心地よい疲れの中にいる。今月は書き物をしつつ、プールに通おうなどと思う。

2月3日 老化は静かに

体力維持の為に医者に散歩を奨められてる山下です。
 きのう久しぶりにプールに行った反動で終日ぐったり、というのはまがりなりにも20代の青年としては問題だ。ほんと今日は寝てただけ。日刊化3日目にして早くもネタ切れかと思ったら、オー思わぬところで悲しい発見をしてしまったよ。犬や猫を飼ったことがある人ならわかると思うんですが、彼らは歳とともに顔がだらしなくなってくる。だんだん鼻の頭が白くなって、舌をしまうのが面倒くさくなる。うちの猫も今年で9歳。ぼんやり眺めてたら舌でてるじゃん。さすがに本人もやばいと思ったらしくて慌ててしまってました。

子猫の頃っていうのは成長を見るのが楽しくてしょうがない。自分がご飯を与えて一緒に遊んで、それが彼らの体っていう具体的な結果になる。自分が彼らの人生に関われたことを誇りに思うわけです。これからは彼らがものぐさになっていく姿を眺めるのか。それもまた人生だ。
 僕もちょっと泳いだぐらいで疲れてる場合じゃありません。明日またプールに行って、じっくり基礎体力作りに励もうと思った。これって現実逃避だろうか。自戒のために12日までにやらなきゃいけないことをリストアップします。
・原稿を2点 (A4用紙に10枚以内)
・資料用CD-ROMとジャケット各1点
・資料用画面スキャンと解説6点
・郵便局で手続き3件
・推薦状をもらうこと

やばいんじゃないの。

2月4日 ラブコメ

とにかく手をつけないことには何も始まらない。というわけで放り投げられるやつを放り投げてみました。前の会社の上司に推薦状のお願い。
 2つ前の会社にいた時、前の会社に仕事を発注したことがある。どう考えても無理な仕事で、最初に担当した人は発狂して群馬の山奥にこもり、次に担当した会社は夜逃げして、そのあと10数社に断わられた作業を唯一引き受けてくれたのが前の会社だったんです (本当) 。発注する側から見ればとてもありがたい存在。こういう会社を大切にするか、都合よく利用するかは発注者の人格次第。退職しておきながらノコノコと推薦をもらいにいく僕は、ひょっとしたら都合のいい発注者なのかも知れない。

行き掛けに新宿でCDを購入。Stock, Hausen & Walkmanのメンバーの新ユニットなど馬鹿なやつを数枚。あとレターセットを買って、テリヤキバーガーを食べながら久しぶりにアナログ手紙を書きました。別にラヴレターじゃないのに、アナログ手紙というメディアそのものにすごいラヴが込もってる (もちろん電子メールを書く時もラヴを込めるよう努力してます) 。もうすぐ誰かのうちに、テリヤキ風味のラヴレターじゃないけどラヴを込めた手紙が届きます。帰りしなプールでひと泳ぎ。心地よく疲れた。明日へこたれてないといいなあ。
 ところでこんな感じで日記を書き続けようと思うんだけど読んでて楽しいですか。

2月6日 みのもんたという存在

ずっと家にこもって書き物。をしなくちゃいけないんだが本を読んだりネットを見たりして過ごしてます。調べものをして事が進んでるような気になっている。ときどき思い出したように、みのもんたの番組でやっていた体操。絶対人には見せられない姿だ。日本中の専業主婦がこれやってんのかなあと思うと、みのもんたの波及力に震えあがります。宗教に近いものがある。両腕を挙げてお祈りのポーズ。
 カーテンを開けたら近所の猫が遊びに来た。この子、自分が可愛いってわかってそう。

4日の日記で「テリヤキバーガー」を「テキヤキ」と打ってしまいました。試しにgoogleで「テキヤキ」を検索したら14件もヒットした。よくあるタイプミスみたい。これは興味深いぞ。アカサタナ...って口にしてみるとわかると思うんだけど、カ行とラ行を発音する時だけ口の奥の方を使うんですね。「リ」と「キ」は発声の仕組みがよく似てるんです。ってことは、文章をタイピングする時、脳はお喋りする時と同じ回路を使っているんじゃないか。発声の仕組みを調べたら、打ち損じの少ないキーボードが作れるかのも知れない。
 原稿一文字も進まず。明日できることは明日やろう。

2月7日 21世紀の子供達

現実逃避もそろそろやることが尽き、なんとか原稿に取り組もうとしているわけだが君よ、書けない時には本当に書けないものだ。結局昔の没ネタをリメイクして使い回すことに決定。はぁ、こんなんでうまくいくのかなあ。
 コンビニに行く途中のおもちゃ屋で撮影。21世紀の子供達はツーカーも使うけどケン玉もやる。今のケン玉はやっぱり光ったり音がしたりするんでしょうか。ネット対戦型とかね。うちの前の道路は袋小路になっていて、ちっちゃな子供達が「ダルマさんが転んだ」や「かごめかごめ」をやってます。かごめかごめって...。僕らの時代にもなかった。でも彼らもツーカーかもよー。ショック!

2月12日 締切は創造の母

少なくとも僕は締切がなければ何も作りません。

原稿の提出期限が迫ってきたので、家にこもって机の前に座るだけ座ってみても、ああもう焦って不安でなんとも冴えないのだよ。薬をもりもり食った。うんうん唸った。前日になって友達に草稿を送りまくり、ダメだしのお願い。読んだみんなもやばいと思ったのか、時間をかけて一緒にうんうん唸ってくれました。
 こんなヘッポコでどんくさくい欠陥人間なのに助けてくれる友達がいっぱいいる。本当に不思議だけど本当に幸せだと思う。感謝してます。愛してます。

そんなわけで自分の作業をなんとか終わらせ、推薦状のお願いをしていた前の会社の上司の元へ。すべての提出物を揃えてミッション完了。
 その後、せめてもの罪滅ぼしというか、前の会社に行って突貫仕事のお手伝いをしてきた。この会社はいつも忙しそうで大変そうで苦しそう。でもみんな大人の対応で黙々と仕事をこなしているのです。僕も彼らみたいに、笑顔を絶やさぬ精神力というか、せめて歳相応の社会性が欲しいと思った。と同時に、らくして楽しく生きる仕組みを考えたほうがいいとも思った。

2月13日 大好きなシャツ -2002 乾燥作戦-

プレッシャーから解放されてテンション上がるかと思いきや、疲れがどっとでて非常にだるーい。うちでゆっくり本を読んでいたらお届け物がひとつ。いい知らせがひとつ。猫がにゃあ。そんな冬の日でした。
 夜から頑張ってウクレレ教室へ。久しく弾いてなかったんでなかなか勘が戻らなかった。先生と向い合せで弾くとめちゃくちゃ緊張することが判明。運指とかチェックされてんのかなあと思うと冷や汗が出ます。普段はもっと上手いのに! レッスン終了後、ウクレレトリオ「だめポロン」の3人で遅い夕飯。だめポロンガールズ行きつけのカレー屋さんへ。「マイルド」を注文したにも関わらずスーパー辛くてまた汗が出た。

普段はだめポロンが集まると無条件に楽しいんだけど、今日は結局テンション上がらず。うまく言葉が出てこなくて、ひたすら2人のお喋りを聞いていた。長袖シャツの干しかたに個人差があることがわかった。袖の裏側を乾かすために、1人は袖を肩にかける「夢見る乙女型」、もう1人は袖を襟首にいれる「ウッキー型」にするという。2人が干してる形を真似してくれた。馬鹿だなあ。だめポロンのメンバーを知ってる人は、どっちが乙女でどっちがウッキーが想像してみてください。

このサイトがYahoo! Japanに載せて頂けることになりました。Yahoo! Japanという組織についてはいろいろ思うところあるんだが、基本的には歓迎する方向で。

2月14日 I may not always love you

久しぶりに体脂肪計に乗って軽いショックを受けました。なんにでもマヨネーズをかけるのはもうやめよう、と強く誓ったわけでもないんだが、そういえばここ最近マヨネーズに対する愛情が薄れてきてるような気がします。体が「そろそろマヨネーズはよせ」と言ってるのだと思う。
 で、いまさっきふと思い立ってピザにモミ海苔をかけてみたら泣きそうに旨かった。サクサクとした軽やかな食感よ。母なる海の香りよ。安っぽいミリンの風味よ。日本人に生まれてよかった。試しにスパゲティにもかけてみたらやっぱり旨かった。マヨネジストの道を捨ててモミ海苔に乗り換えるかな。そういえば学生の頃、餓死しそうな時に海苔をむしゃむしゃ食ってました。

今日はニ子玉川園の美味しい鳥料理屋で飲み会、の予定だったんだけどドタドタとキャンセルが続いて結局中止。この店で飲もうとすると必ず何かしらの妨害が入る。だから実は本当に美味しいかどうか知らないのです。いつか絶対行ってやる。
 ところでYahoo! Japanに騙されてやってきた皆さん。ご期待に添えましたでしょうか。ディスクレビューをやるばかりが音楽サイトじゃないんだってば。ミュージックとはすなわちウェイ・オブ・ライフなのです。モミ海苔や猫のことを書いてる時でも心には音楽がある。ほんとだよ。

2月16日 Strange Days

著しく凹 (へこ) 。おへその下から背中を抜けて首のほうまで絶望の雲が広がっている。灰色の雲。生ぬるい雲。だからまたシーツをかぶって、自分だけ取り残される夢を見る。夢から覚めてそれが夢じゃないことに気づく。
 いつまでこんなことを続けてるんだろう。不機嫌な猫もぼくをにらみつけた。

2月17日 よっしゃ

途方に暮れている時間もないのでとりあえずやることを書き出してみました。国民の義務レベルから願望レベルまで。確定申告。調べもの。部屋の掃除。Brian Wilsonのライブ。ウクレレ用曲作り。なんだ、これで2月は乗り切れる。よっしゃと力ないガッツポーズ。
 そういえば子供の頃、すぐ裏に住んでたおじいちゃんが毎朝通りに出て、力ないガッツポーズを繰り返しながら「でたー、でたー」って唸ってたの。しかもその声が駐車場の壁に反響して風呂場みたいにエコーがかかってた。彼は結局どこの筋肉を鍛えてたんだろうか。そもそも何が「出た」んだろうか。今となっては知るよしもない。力ないガッツポーズをする度に、彼のジャージ姿を思い出します。

某有名音楽プロデューサー氏から質問のメールを頂戴した。ひどく恐縮しつつも私見を書いてお返ししておきました。Yahoo! Japan効果だろうか。インターネットって恐ろしいなあ。とは言え彼が本人である確証はどこにもないのだが。
 原田泰造さんのモルツのCMが泣きそうにいい。なーんかトクしたな、トークしちゃったのかな。なーんかトクしたな、トークしちゃったのかな。ささやかな幸せを噛み締める原田さんの姿を見る度に、ペシミスティックな自分が恥ずかしくなる。軽快なハンドクラッピンで乗り切れ。秀逸なアレンジは野澤美香さん。

2月19日 ネガチョフ&ポジコフ

毎日日記を書くようになって辛いのは、例えネガチョフな日々を送っていたとしても、せめて2日に1度くらいはそれなりに楽しく暮らしてる風を演じなくちゃならないことだ。辛いなら辛いと素直に書いてもいいんだけどさ、あんまりくどいと読んでるほうはつまんないでしょ。
 正直な話、1月の下旬から今まで、僕の現実は2月16日の日記をなぞっている。パジャマからパジャマに着替える生活を送っていると声を出す機会がなかなかなくて、コンビニで「暖めますか」と聞かれた時の「はい」の返事がかすれたり裏返ったりする。

とにかく誰かと喋りたくなって、久しぶりに英会話教室に行ってきました。先生はもちろんお喋りのプロだからいつも楽しくて聞き上手。大抵もう一人生徒さんがいて、僕の絶望的な英語力につりあうような中学生や高校生と同席する。僕は断じてロリコンではないんだが、例えば松浦亜弥さんと同い歳の美少女と対等にお喋りする機会ってレアだと思わない?
 今日の課題は相手のスケジュールを聞き出す練習。ほかの男からの誘いを断わらせてデートの約束を取りつけるという無茶苦茶な設定だった。僕の中に眠る中学生の僕がちょっとドキドキした。これはノスタルジーなの。

いつもの仲間とは微妙なすれ違いが続いてなかなか会えそうにない。みんなと飲んだり語ったりだらしなく雑魚寝したい。お誘いのメールをいっぱい書いた。
 これ以上誤解やすれ違いで胸を痛めることのないよう。僕や僕と関わる全ての人に。君や君と関わる全ての人に。

2月21日 still find another day to SMILE

相変わらずベッドの底から抜け出せないまま、友達の些細な言葉に動揺したりうずくまったり。そんな最悪の精神状態の中で、Brian Wilson 3年ぶりの来日公演を見てきました。1曲目は、Barenaked LadiesがBrianのことを歌った名曲「Brian Wilson」のカバー。Lying in bed like Brian Wilson did. この印象的なフレーズを、彼はどんな気持ちで歌っているのかな。

3年前の僕らは、ベッドの縁から立ち上がったBrianを遠くからおそるおそる見守っていました。パラノイアの果てから唐突に帰ってきた「ロックの伝説」を、どう扱っていいのかわからなかった。あれからたくさんのステージをこなして遥かにタフになった彼は、全盛期のヒットナンバーから不遇期の隠れた名曲、そして最新アルバムまでを俯瞰して、軽やかに歌いつないでみせた。今夜は伝説でもなんでもない、優れたエンターテイメントの夕べでした (何を演ったかはまだ教えてやらない) 。

客席には、やっぱりベッドの底に沈んだ過去を持つ鈴木慶一さんの姿が。なんだか知らないが楽しそうに笑ってました。今まさにベッドの中にいる僕も、今日を意地で乗り越えて明日に、明日を意地で乗り越えて明後日にしなくちゃ心の底から笑える日がこない。
 僕は明日も見に行きます。「行くよ」って人はメールくれ。場所は東京国際フォーラム、19:00にシーユー。

2月22日 そうだ! We're ALIVE

久しぶりの病院ディ、医者に近況の報告。みごとメジャー再デビューを勝ち取った。いや、別にメジャーでやっていきたいと希望したわけじゃないんだが (本当は引退したい) 。

薬を貰って適当に時間をつぶして東京国際フォーラムへ。Brian Wilson東京公演2日目。もうセットリストを公開してるサイトもあるようですが、うちではまだ内緒ね。いずれレポート書きます。かいつまんで言うと「今日もよかった」と。彼が持つ内向宇宙の美しさと、ヒットメイカーとしての発散方向の楽しさが、ラブとマーシーとユーモアを媒介にステージに結実していた。
 きのうあんなことを書いたせいか、会場で思いのほかたくさんの方と会うことになってしまった。加えてOUTDEXのムネカタさんがモー娘。周辺の業の深そうな方々を連れてきて、結局総勢13名で飲み。誰が誰だかよくわかりませんでした。すまん。

特殊モー娘。マニアとしてSPA!にも紹介されたといううたか氏から「Kago Apres-midi」の綺麗な名刺を頂きました。実際に同名のコンピを作って加護ちゃんに手渡したそう。普通に面白い方でした。これもひとつのラブとユーモアの内向宇宙と言えよう。
 iMac DVでミニモニ。の十二単姿を鑑賞しながら、香山リカさんやタモリさんや花粉症について語る。僕の「チャゲ&飛鳥はブルーアイドソウルを目指している」説は、理解していただける方とそうでない方がいるようです。残念。

今日は父の命日。いま自分が生きていること。

2月24日 Test Patterner

デイジーワールド界隈の若者達が我が家にやって来て、男だらけの鳥鍋大会。遅れてきた人を携帯で誘導したら道に迷わせてしまいました。申し訳ない。電話の向こうでパニック気味の彼の目に映る景色をマピオンで検索して、なんとか正しいルートに引き戻す。5年前なら出来なかった芸当。技術の進歩に感謝するとともに、「駅を出て左に進む」という概念について改めて考えさせられる出来事でした (右図) 。
 美味しい酒。美味しい鍋。そして音楽とお喋り。デイジー界隈の人々はやっぱりストイックなのか、またしても真摯なレコード鑑賞会になってしまった。とはいえ前回よりはだいぶリラックスしたムードで、ルーズなジャズからキュートなテクノまで聴きまくった。日付がかわった頃、細野晴臣のレア映像が登場。70年代のTin Pan Alleyはビジュアル的に非常に不健康な感じ。やっぱりジャンキーだったのかなあ。

家主として計算外だったのは、宴が翌朝まで続いたこと。学生時代を思い起こせば、誰かのうちで鍋を囲んだらそのまま朝まで飲み明かすのが当然の流れだった。歳をとるに従ってそれぞれに抱える事情も増えて、みんな程々に切り上げて自分の生活に戻るようになる。ライブの準備を控えていた某氏は、本当は始発で帰りたかったんじゃないかなあ。療養中の僕もメジャートランキライザーの力を借りてぎりぎり踏ん張ってた。見送りの時、ちょっと無愛想な感じになってしまった。反省。
 ネットで知り合った仲間というのは、お互いの趣味嗜好を知ってる割には素性や生活パターンを知らないもので、その辺を自覚して人間関係を構築する訓練が必要だと思いました。新聞の投書欄レベルの日記ですまん。

友人と食事する約束をしていたんだけど体力的な事情でキャンセル。でもどうしてもこの時期に会っておきたいので、我がままを言ってもう1回アポイントをとった。今週はいろんな人と会う予定です。

2月26日 クールな僕らが話をしたのは

男同士のお喋りは得てして具体的で即物的で、共通の知識がないと入り込めない世界だよなあと初めて思った。女の子とお喋りしたほうが圧倒的に楽しいのは、僕の中に眠る獣の本能かと思ってたんだけど、それだけではどうも説明がつかない。会話の広げ方が根本的に違うんです。
 男同士で喋ってると、「なんで話がそっちに転がっちゃうかなあ」っていうストレスを感じることがままある。例えば「お姉さんの旦那さんと二人で焼肉を食べにいったんだよ」っていう話題が提示された場合、僕は登場人物の作り出す空気や間 (ま) に関心が行くんだよ。みんなはどうなのよ?

オザケンのニューアルバムを買った。たぶん今日・明日中に、日本中のネット批評家達がものすごい量のテキストを生産するでしょう。

2月27日 こんな海に閉じ込めよう、男性と女性とを

「爆発するモナール」から5年、クールダウンしたオザケンを繰り返し聴いてます。いいんじゃないのこれ。地味だけど清潔に透明にエッチなアルバムです。

きのうの日記、他所のサイトでも反響があったんで続きを書いときます。
 僕は男子文化も女子文化もそれぞれに閉息感を抱えてると思うのね。同性が群れると同性の会話パターンに終始して排他的なオーラを醸し出す。男女がバランスよく共存すれば、群れの嫌らしい連帯感が中和されて人との距離が取りやすくなるんだ。僕にはね。男同士で喋るより女の子と喋ってるほうが楽しいっていうのはそういうことです。逆に男の子と喋ってるほうが気が楽っていう女性の意見もあった。みんながみんなそうって言うわけじゃないよ。群れの中に入ってしまえば居心地がいいのは知っている。

女の子のお喋りって、ゴシップがいつの間にか一般論になってたり、「例えば」で始まる思考遊びが概念を導き出したり、話してる話題は思いつきでコロコロ変わっていくんだけど辿り着く結論が新鮮で面白い。男の子のお喋りはどっちかっていうとテーマや枠組みががっちり決まっていて、その中で意見や感想を言い合うみたいなとこない?
 きのうはいわゆるアキバ系の人達と一緒にいて、彼らがメカやアニメにかける情熱について行けなかったんです。行き過ぎた男子トークは共通の知識を前提にしないと成立しないんだ。仲良くしようぜ。

今日はお稽古ディ。トキメキ英会話からトキメキウクレレ教室へ。「Crazy G」という曲は簡単なわりに見栄えがするので我がバンドのレパートリーに決定。「うめマヨネーズ」なる魅力的な調味料を頂いた。なめてみた。ウママママーッ!
 近所で「迷子猫を探してます」のポスターを発見。猫探しノウハウを伝授できないかと思って電話してみた。あちらのほうが猫の生態に詳しかった。