DIARY 2002年3月


3月1日/2日 (予告編) 弱気な週末

1日は午後からトキメキ英会話スクール。自分をお喋りモードにして、夕方の新幹線で旅に出ます。自分を試しに、いや試されに、いややっぱり試しにいく旅。2日の午前中には慣れない筆記用具を持って文章を書いていることでしょう。午後にはたくさんの偉い人に囲まれて質問攻めにあっていることでしょう。今からナーバスだ。こんなじゃダメ神様。

僕の携帯のメールアドレスを知っている人は応援メッセージを送ろう! そうでない人は心の中でお祈りしてくれると嬉しいな。だめかな。ドキドキ。

3月1日/2日 あの大きな心

旅というほどの旅でもない旅から帰ってきました。要するに試験を受けに行ったんですね。受験番号から想像するに、たぶん先月の作品審査で1/4くらいに絞られて昨日の面接でまた1/4くらいに絞られるみたい。厳しい。
 僕は本当に人見知りで緊張しいなんだけど、携帯にたくさんの応援メールを貰って、意外な人からも応援を貰ってほんと助かりました。祈りや応援という行為が科学的にどれくらいの作用を及ぼすのか知らないけど、生活の中でふと僕の事を思い出してくれる人がいるっていう事実がとてもありがたかったし自信になった。

僕も普段から漠然といろんな人の事を思い出している。いま何してんのかなあとか飯くってんのかなあとかそんな他愛のないこと。でもそれはほんの一瞬の思いで、「いま何してんの」なんて電話をかけたりメールを書いたりはしないからその人は気づかない。よく「自分が気にするほど人は自分の事を見てないもんだよ」って言うでしょ。あれ間違いだよな。確かに自分のことをじっくり観察してる人はいないかも知れないけど、誰かの頭の中を自分の存在がよぎることはままあって、それを丁寧に拾い集めれば結構なパワーになるんじゃないかと思う。そういう囁かな思いを受けてたぶん僕は生きている。君だってそうだ。

それにしても日本ってでかいと思ったのは、さんまがやってるローカル番組のクイズのルールを最後まで理解できなかったこと。中川家とかも出てたんだけど東京の番組とは笑いの切り口が違ってて、何が面白いのかさっぱりわからない。スタジオはそれなりに沸いていたんで現地の人には面白いんだろう。それと数年ぶりに宮前真樹というタレントを見た。
 電車に乗るルールなんかも微妙に違ってて、名古屋駅では電車が来る前に発車ベル (ルルルルル) が鳴る。出発する時はルルルとブーが同時になる。あと、席を詰めて欲しい時に「お願いします」って言う。最初なにをお願いされてるのかわかりませんでした。

3月3日 悲しい歌

「ひな祭り」の歌はなんであんなに悲しいのかと思う。ドナドナより悲しい。
 近所の商店街でシンコペーションをつけたノリノリの「ひな祭り」がかかってて、それはそれで悲しかった。黄色くなった蛍光灯の匂いがした。

3月5日 窓を開けてムーンライト

ひきこもりの日々。太陽より月を見る機会が多い。昼間はパジャマを着たまま、音楽を聴いたりファイルを整理したり本を読んだり猫をからかったり。明日からちゃんと生きるよ。と昨日も思った。
 外に出るともう冬って感じじゃないですね。凛とした冬の空気はどこへいってしまったのか。冷たい雪の雫が電柱から落ちてきたりしてほしい。喘息のフクロウのような小沢健二の声が僕の今年の冬の風景です。

そんな中で久しぶりのイベントは、マユコさんに連れられて焼酎二人会@下北沢。焼酎と泡盛だけでリッター飲んでしまった。思えば彼女が結婚してから初めての二人会。構図的にこれって不倫かしら、といった大人のムードは微塵もなく、例によって恋愛話に終始する。上下関係の不明瞭な後輩と一緒にいるのは楽しい。これは男女問わず。人生にちょっとダメ出しされるくらいが居心地いいんです。

3月6日 See how the world goes round

透けシャツを着たマッチョなおじさんに「金利120%確約」って言われて信じる人が4万人もいるのかこの国は。食品の偽装問題もなんだか、みんながあのラベルを全面的に信じてたのかと思うとびっくりします。嘘をつく人が圧倒的に悪いしもうコテンパンにしちゃいなさいだが、騙される側のリテラシー能力もそうとう問題です。「われわれ消費者は騙されていた」なんて威張ってる場合じゃないと思う。
 井筒監督の毒舌映画評は本当にそんなに正しいのか? 蛭子能収の気弱な一言が映画の真実を突いていることはないのか? まずは君の目で確かめてみよう。

久しぶりにプールに行きました。いつも行く区民プールには主みたいな人がいて、胸毛が背中までつながって後ろでクロスしている。彼を見る度にウルトラマンエースを思い出します。

3月8日 でも必要として。

連続ドラマって久しく追ってないんだけど、「TRICK2」だけは好きでよく見ています。ちょっとシュールなサスペンスもの。でも非常にくだらない。前のシリーズは全てのエピソードが主人公のお父さんの謎に結びついていて連続ものとして楽しめたんだけど、今シリーズはキャラだけ借りてる感否めない。でも1回目のセットの掛け軸にさりげなく「なんどめだナウシカ」と書いてあって、相変わらずのくだらなさににやにやした (裏でナウシカをやってたの) 。

さて今回のゲストは小橋めぐみさん。広末涼子さんの幻のドラマデビュー作で共演していた子です。僕は彼女のほうが可愛いと思ったんだけど、演技力のなさはいかんともしがたく日の目を見ないまま幾星霜。今では「薄幸そうな女の子、でも実は真犯人」役を専門とする特種女優として細々と活動しています。つまり彼女のファンは、彼女が画面に登場しただけでストーリーの結末がわかってしまう。
 「TRICK2」のシュールな世界観の中では彼女の演技もいい味を出していて、今度こそ犯人役ではないのではないか、仲間由紀恵さんのよきライバル役に成長するのではないかと淡い期待を寄せて見ていたのですが、最後にはやっぱり手錠をかけられてしまった。ああ小橋めぐみ。今度彼女を見かけたら、あなたも予言者になれます。

追記:小橋めぐみさんは大河ドラマなどにも出演して、女優としてそれなりの地位を確立しているそうです。たまたま見かける度に「不憫な子だなあ」と思っていた。小橋さん、申し訳ない。

3月10日 I know there's an answer.

遥か西方のシャングリラより「きみは来なくていい」との通知を頂く。自分の才能と照らし合わせれば作品審査に通っただけでも奇跡というか、面接を受けた時点で落ちる覚悟は出来ていたものの、文書の形で通達されるとやっぱり凹むなあ。
 ご協力いただいた方々、応援していただいた方々には心よりお詫び申し上げます。

正直「来てもいいよ」と言われたところで、明解なヴィジョンなんてなかったのです。ただ流れを変えるきっかけが欲しかった。制作に没頭できる環境が欲しかった。新しい仲間が欲しかった。
 だから「来なくていいよ」と言われた時のヴィジョンもあるはずがない。新しい仕事を探すのはそんなに難しいことじゃないけれど、問題は僕が何事にも笑顔で応えられるほどタフな人間ではないことだ。仕事に価値を見い出すかそれ以外の部分に価値を見い出すか、とにかく世のため人のため自分のためにならない人生は送りたくないのだよ。

Brian Wilsonはかつて「Hang On To Your Ego」という歌を書きました。自我を大切にするんだ、だけど結局は戦いに負けちゃうんだけどね、と歌っている。あまりにも救いがないので、レコーディング直前にマネージャーのTerry SachenとシンガーのMike Loveがサビの歌詞を書き換えちゃった。
I know there's an answer, I know now.
But I have to find it myself.
救いの道を見い出すかわりに、逃げの言い訳を絶っているわけだ。前に進むことは常にシビアだ。ドラえもーん。

追記:こういうことを書いちゃまずいのかなと思いつつ、とっても感動したので記録しておきます。いまさっき、受験した大学院の学長先生からお電話を頂いた。学長先生や担当分野の先生方の評価は高かったんだけど、要は万人受けするキャラじゃなかったのが敗因だそうだ。
 「今は焦らず肩の力を抜きなさい。僕だって芽が出たのは30過ぎてからなんだよ」と言われた。「世の中そんなに捨てたもんじゃない。色んなものを見て聴いてモノを作って酒を飲め」と。泣きそうになったし今でも泣きそうだ。世の中ほんとうに捨てたもんじゃない。

3月12日 リセット

隔日刊が定着してきた。打破! 明日も書く。

昨日はなんだかんだ言って凹んでました。試験に受かる確率を37%ぐらいと踏んでいたんだけど結果は0か100しかないわけで、0じゃないと思っていたということはやる気まんまんだったのです。
 今はまた無限の可能性の海に放り出されてしまったけど、朧げながら違う選択肢が視界に入ってきた。これでよかったのかも知れないと、負け惜しみでなくそう思う (明日はまた凹んでるかも知れないけど) 。

久しぶりの通院ディ。帰りにレコ屋に立ち寄る気力もなくて速攻フテ寝しようと思ってたんだけど、ついついウクレレを弾き始めてしまった。いま練習してる曲はストローク中心でバリバリいく感じなので実に気持ちいい。アップテンポでジャカジャカ弾く。それに飽きたら読書。久しぶりに活字がするする頭に入ってくる。どうしちゃったのかしら。ついでに飲みの約束がガンガン入る。あらー。というわけでアッパー気味なんだけど、ここで調子に乗ると痛い目にあうので初心を貫いてそろそろフテ寝します。

3月13日 線路は続くよそれなりに

昼間はそれなりに雑務をこなしてウクレレ教室へ。初めて後輩ができました。名前はミーちゃん (本名) 。おそろしく飲み込みが早いので追い越されないか心配。「Crazy G」を一生懸命練習していったんだが全く触れず、「Ke Kali Nei Au」という曲をやる。新しい曲にすぐに順応できるようになったのは、それなりに上手くなったってことかなあ。

帰りにマユコさんとカレー屋へ。壁一面に鉄道グッズが無造作に並び、模型の機関車がカレーを運んでくるお店。もはやカレーなんてどうでもいい、俺のOゲージを見てくれと、そういう気概を感じました。店長さんの楽しそうなこと。素晴らしき哉人生。
 ところで店内に蛭子能収氏のイラスト入りサイン色紙を発見した。2週間ほど前にいらしたようです。蛭子さん、美味しかったですか?

その後、なんだかなあということで別の店に入り、焼き鳥をつまみながら焼酎を飲む。先週も似たようなことしてたね僕ら。
 子供の頃になりたかったことについて、涙とピュアについて、山下になぜ彼女ができないかについて、きのう見たくだらない夢について、押し入れの布団の間に隠れて子供達を脅かすお母さんについて。マユコさんがネット上で小説を発表していることは内緒だそうだ。ウハハ書いちゃった。明日おこるかなあ。

3月14日 惚れたくて

まーた懲りずに飲む。1/2だめポロンとT.N.という不思議な組み合わせでささやかに結集。豆腐と地鶏がなんともウママママーッ! 早寝の1/2だめポロンが帰宅してからは男二人で無責任トークを繰り広げる。会話が途切れても気まずくならない関係って本当にありがたい。なんだかんだやさぐれてみせた後で、「なんかに惚れちゃったりしたいよね...」という結論に落ち着いた。僕たちだって、何の雑念もなくピュアに惚れたりしたいのです。本当は。
 明日は久しぶりに新曲を作ります。なんか出来そうな気がしてる。

3月15日 ミンナノキモチ

今日ちょっと暑くなかった? 魅惑の冬は、今年も何も残さずに終わっちゃった。

AVEXからリリースされたコピーガードCDのレビューをあちこちで見かけるようになりました。いろいろ読んでみると、どうもコピーガードと呼べるほど立派なものではなさそう。つまり1曲目の頭にフェイクを入れることで、パソコンが?って思うようになっているんだって。もちろんパソコンによっては?って思わないこともあるし、音楽用CDプレーヤーが?って思うこともある。CDの規格から思いきり外れてるから「Compact Disk」のロゴも入れちゃいけない。CDとして認められないものをCDとして売っているのです。

CDが売れなくなったのはコピーが横行しているからではなくて、君の売っているCDがつまらないからなのだよ。僕は自分が面白いと思った音源をパソコンでコンピにまとめて配っています。気に入ってくれた人はみんなオリジナルアルバムを購入してる。なぜなら面白いから。無償でプロモーションしてるんだから誉めてもらいたいぐらいだ。コピーを防止したところでCDが売れるようになるなんてことはあり得ない。ユーザーは面白いかどうかもわからないCDなんて買わなくても生きていけるのです。

そもそもポップソングなんて供給過剰じゃないですか。たまたま音楽をお金に変える仕組みが出来ちゃったもんだから、わらわらと人が集まってきておこぼれにあずかってるだけの話なのです。そのうちCDはますます売れなくなって、業界はますます馬鹿な方策を打ち出すようになる。いっそ音楽産業なんて崩壊しちゃえばいい。本当に音楽をやりたい人と、本当に音楽を聴きたい人が直に向き合えるようになればいいと思う。音楽の作り手たちの意見も聴きたいところです。自分の作った音楽が「聴き継がれていく権利」についてどう思ってるのか。

ところでコピーガードCDに収録されている「Every Heart ミンナノキモチ」という作品についてのレビューはついぞ見かけませんでした。みんなの気持ちはどっちに向かってんの。

3月16日 おめでとう自分

銭湯を巨大化したような脱力施設に行ってきました。中に入ってしまうと男女別なのは誤算だった。次は水着で入れるところにしような。12種類の浴槽を一通り試してデッキチェアでのんびり。本来はリラックスする場所なんだろうけど、自律神経を変なふうに刺激したようで、出たあと眠気とだるさで倒れそうになった。
 帰りに友人宅にお邪魔して、古い仲間も加わって飲み。みんなそれぞれの生活に没頭してて、なかなか昔のようにはいかないね。会話に混じろうとするんだけど大縄飛びに入れない子供のような気分になり、面倒くさくなってマットにごろり。

そしたらいきなりウクレレを持たされてなんか弾けよと言われる。メロディを歌ってくれればコードくらいは弾くけどさ。独奏できるレパートリーは片手にも満たないのです。リクエストを受けて「Happy Birthday」を弾き始めると、いきなりローソクを灯したケーキが出てきた。どうやら僕の誕生日パーティを兼ねた飲み会だったようです。倒れてる場合ではない。プレゼントや花など頂いてしきりと照れる。ありがとう。
 しかしここではっきりさせておきたいのだが、僕はもうしばらく20代なので。

3月17日 あなたの言う通りねマイキー

母親からお呼び出し。広尾の和食屋のサービス券を貰ったから食べに来なさいという。親子で外食なんて十数年ぶりじゃないかしら。お互いの犬や猫の話題など無難な会話でやり過ごしました。
 隣の席に座ったいかにもエグゼクティブな親子連れが面白かった。お父さんの口癖が「その時パパはわかったのさ、目を見ればどんな人間かすぐわかる」とかそんな感じなんですね。人を第一印象で決めつけんなよ。高校生くらいの息子も芝居っぽくて、「あの時はどんな顔をして帰ろうかと思ったさ」なんて肩をすくめてみせれば、お母さんも「そうね、あの時のゆうちゃんはとても落ち込んでいたわ」と返す。この空気、何かに似てると思ったらVermilion Pleasure Nightのフーコンファミリーでしだ。「なんでも語り合える家族」って気持ち悪いな。

3月20日 まゆげという存在

得てして体毛というものは体の大切な部分に密生するものですが、どうしても納得のいかないところが一ケ所あります。まゆげって何よ? 目を保護するにしては中途半端な位置だし、まつげと比べたら実用性は皆無です。と思ってたんだけどなんとなく彼らの存在意義がわかったので報告します。
 猫のヒゲがアンテナの役割を果たしているのはご存じの通り。実は猫にも長いまゆげがあって、ヒゲとまゆげの生え方を観察するとパラボラアンテナ状になっていることに気づきます。つまりヒゲはパラボラの下半分、まゆげはパラボラの上半分を担っているのです。美しい人よ、きみのおでこに生えているのはヒゲの仲間なのだ (たぶん違う) 。

3月21日 ex.畳

まーた体調を崩す。3日ほど引きこもり。そして食料危機。椅子の上に体育座りをして、トーストにシーチキンとマヨネーズをかけて食べた。頂き物の「松田のマヨネーズ」はどっちの料理ショーの特選素材にも選ばれたとかで、要するに自然素材・体にいい系なのだが、味が直球すぎてフレキシビリティに欠ける感もある。などと思いながらほおばっていたんですが、ふとしたはずみでトッピングが落下。畳が松田のマヨネーズあえになってしまった。ほんとダメな日。

畳といえばピエール瀧さんが今日の「ごきげんよう」に出演していました。ポンキッキーズの特番で厳冬の富士山に登ったお話を披露。ガチャピンがざくざく登っていくので冬山の恐ろしさがお茶の間に伝わらなかったそうです。その時の写真をしっかり準備していたということは、サイコロの目がなんであろうと富士山の話をするつもりだったのだ。明日と月曜日も出演するのでチェック。
 ところで「ごきげんよう」って何本撮りなんでしょう。毎日1人づつゲストが変わっていくんだけど、あのシステムだとどうしてもスタジオに2回出向く人が出てきちゃうんだよね。

3月24日 ムサシノ e.p.

日記の構成的にはそろそろ「ちょっといい話」を織り交ぜたいところなんだけど相変わらずテンション低くてすいません。云々。

定例化しつつあるディジーワールド界隈のレコード鑑賞会に出席。昭和歌謡ブームを反映した選曲が目立ちましたが、個人的にはLarry Adlerのハーモニカのジャズが気持ち良かった。その後ビデオで伝説のソリトンライブ (緒川たまきさん可愛い) 、圧倒的な歌唱力と萌えの演出が憎い全盛期の松田聖子さん、緊張してプルプル震える鈴木博文さんなどを鑑賞。
 この会合もようやく打ち解けてきて、初期の研究会然としたストイックさと比べればだいぶ砕けたムードになってきたんだけど、高橋竹山の三味線とか出てきちゃうあたりに蒼さを感じた。次回はレコード抜きで、居酒屋で愛や人生等について馬鹿馬鹿しく語りたい。10個も年下の友達ができることなんてあまりないんで色んな関係性を探りたいのだ。

ところで今回のホスト、K.M.氏のお手製カレーが極めて美味だったので特筆しておきます。トロトロになった野菜の風味がとけあい、ホクホクの骨付鳥肉はスプーンの先でほろっと崩れる。ごはんで食べる日本のカレー、その豊潤な香りと深い味わい。
 比較するのも失礼な話だけど、先日食べた祐天寺の鉄道オタカレー屋の100倍はうまかった。鉄道オタカレーが商売として成立するのなら、K.M.氏もレコオタカレー屋を開店すれば相当な集客が見込めるのではないか。鉄道オタとレコオタの温度差を考慮しても。将来は安泰ですね。

3月27日 ココニイルコト

子供の頃に通っていた学習塾の先生が亡くなったと聞いて、お宅に挨拶に行ってきました。天才少年だった頃の僕を知る人がまた一人いなくなった (あったんだよそういう頃が) 。
 僕が12歳の時にうちの父親が倒れて、先生はすぐにお見舞いにきてくれた。その翌週に、今度は先生が同じ病に倒れた。父にはすぐにお迎えが来てKnockin' on heaven's doorしちゃった訳だけど、先生はそれから意識のないまま17年間も生き続けた。17年だよ。その間ずうぅぅぅっと自宅で看病してきた奥様は、それでも「生きていてくれてよかった」と言った。意識はなくても「そこにいる」だけで心の支えになったと。家族というシステムに懐疑的な僕には不思議なお話でした。僕が生きていることは誰かの支えになりうるだろうか。もうちょっと生きてていいかしら。

不安定なテンションのままウクレレ教室へ。自主練をさぼりがちなのがバレたか、レッスンもそこそこに雑談タイムに突入。
 同じクラスにHさんという非常にホニャっとした女の子がいて (褒め言葉) 、あまりのホニャホニャぶりにこの人は本当に脊椎動物だろうかとかねてから関心を抱いていたんですが、その人にホニャっとした声で「山下さんって年齢不詳ですよね」と言われてしまった。きみこそいろいろ不祥だ、と言い返してやりたかったけど、あと3日で30歳になることを告白しちゃいました。そしたらみんなで「Happy Birthday」を弾いて歌ってくれた。僕も弾いた。ちょっと嬉しかった。

先生、僕は30になるよ。大変だけど頑張って生きるよ。僕の知ってる先生は何歳だったのかなあ。

3月29日 ニャー立て立て

内緒だけど腹筋運動などやっています。恥ずかしい。アブトロニックは痛いという噂なのでオーソドックスな起き上がり運動を少し。いつか引き締まったお腹に「田」って形の筋が浮き出たら面白いじゃないですか。今はでっかい字で「三」って書いてあります。

通院ディ、そしてプールのご隠居コース。久しぶりにタワレコに寄って新譜コーナーをちらり。レジの表示を見ていたら「NIAGARA TRIANGLE VOL.2」のアーティスト名が「Otaki Eiichi / Sano Motoharu / Sugi Mari」と登録されていた。杉真理さん。マリじゃなくてマサミチと読みます。男だよ。
 畠山美由紀様のアルバムの特典でインストアライブのチケットがついてきた。かぶりつきで見たいんだけど、惚れちゃったらどうしようか心配です。

3月30日 Don't Trust Anyone Over 30

いま午前0時を少し回ったところ。予告通り僕は30になりました。ワインとマティーニで迷うこともなく、そもそも誰かと会う約束もなく、片手で猫のアゴを撫でながら退屈な一人の休日を過ごす予定。
 1998年の誕生日にスタートしたこのサイトも今日で4周年を迎えました。Java Scriptの練習のつもりで始めたサイトがまさか4年も続くとは思わなかったな。いつのまにか毎日300人もの方々が覗いてくれるようになりました。ありがとう。

さて古くからDon't trust over 30などと申しますが、人間の成長と堕落の歴史を杓子定規で判断されるのは如何なものかと。相変わらずピュアなハートで邁進し続ける所存ですのでよろしくお願いします。

3月31日 潤い

三十代になって手肌がかさついてきたような気がします。