DIARY 2002年6月


6月1日 特別なバナナ

近所のスーパーで育ち過ぎのバナナを発見したので、世界一有名なバナナと並べてみました。おそらくさっちゃんは半分しか食べられないだろう。

Peel slowly and see...


6月2日 Smells Like Teenage Symphony

Teenage Symphonyレーベルの発足記念ライブに行ってきました。どうしようか迷ってたんだがな、タイミングよく同行者が見つかったんでじゃあ行こうかなんて軽い気持ちでゴー。しかし覚悟が足りなかった。瑞々しくも逞しいポップスへの愛を脳天から浴びて、呆然とした面もちで帰ってきました。

レーベル名はもちろんBeach Boysからの引用。ほかにもアルバムのロゴが「Pet Sounds」だったり、キャッチフレーズが「Feel Good Vibrations!」だったり、客入れのBGMがひたすら「Don't Worry Baby」のバリエーションだったりと、心憎い仕掛けがいっぱい。
 といっても彼らは別にBeach Boysのフォロワーではない。ブルース、カントリーからパワーポップ、ポストロックまで、音楽的なスタイルはバラバラなんです。それをひとつにまとめあげて、Beach Boysという意匠で括ったレーベルプロデューサーは相当な覚悟を背負っていると思う。眩しいほどのポップスに憧れて、オリジナルな視点で見つめ直して押し広げていく。そのウォッチワードとしてのBeach Boysなのです。

飛び跳ね過ぎて汗だくになってあおるサングリアの旨いこと。心地いい疲労とアルコールとロックンロールと君の笑顔に、僕は大きく胸を打たれてクラクラになった。

6月3日 ニセモノフーリガン

今日はどうも冴えないので手短かに。
 通院デイ。例によって最近の考えと日々の暮らしを報告する。よい兆しは続いているようで、ついにメジャートランキライザーを止めることになった。念願のマイナー落ち。その替わりレキソタンが増えた。レキソタンはレスポンスがいいのでファンが多いのだが、だるくなるのが辛いところ。

ところでアクセスログを見たら、「フィファ」で検索してきた人がいた。28日の日記のせいですね。チケット探しで必死になってる人がこのサイトを見たら怒るかねえ。フーリガンかねえ。どうもすみません。

6月4日 Re-in-Carnation

Carnationの所属事務所から悲しい知らせ。棚谷祐一さん (key) と鳥羽修さん (G) が脱退するという。バンドは直枝政広さん (Vo.G) 、大田譲さん (B) 、矢部浩志さん (Dr) のトリオで新作の準備に入っているそうですが、アレンジメントの要を担っていた棚谷さんと、エンジニアとしても活躍めざましかった鳥羽さんのいないCarnationがどんな音を奏でるのか想像もつかない。
 おとといのTeenage Symphonyが5人の最後のステージだったようです。でもそんな気配は微塵も感じさせなかった。彼らは最後まで最高に格好よかったよ!

僕は昔から協調性がなくて、一人で遊んだり空想するのが好きな子供でした。今でもどっちかというと一人のほうが楽だと思う。それでも「連帯感」に憧れるとするならば、それはCarnationの構図だった。それぞれが個性的で圧倒的な演奏力を持ちながら、パズルのピースのようにぴったりの居場所を見つけて、全体としてうねるようなグルーヴを叩き出す。僕はミュージックフリークとしてかなりの数のライヴステージを見てきましたが、Carnationのペンタゴンは世界でも有数、日本では最高のチームでした。
 彼らは僕たちに夢を売るミュージシャンであると同時に、それぞれにリアルに生きる大人でもある。ありきたりだけど、今は新しいCarnationと棚谷祐一さん、鳥羽修さんの今後の活動を見守ることしか出来ない。ロックオン。

6月5日 猫同士の意思疎通について

本棚の上で猫が絶叫。もともとよく喋る子ではあるんだが、それにしてもうるさい。よく見たら「相棒が邪魔で降りれない」と主張しているのだ (右図) 。猫は季節や天候によってお気に入りのスポットがあり、それぞれの思惑が交叉して時にこんな不幸を招きます。

さて、今さらですが日記才人に登録してみました。Web日記の人気投票です。1票入るごとに僕が小躍りして喜びます (本当に踊ります) 。
 投票結果は毎日集計されるので、日々の習慣としてクリックして頂けると幸い。なんでこんなことをするかというと、先月あたりから何度となく書いている通り、人として互いを誉めあいながら生きたいのだ。自己満足の上塗りと笑わば笑え。ところで君は、どうしたら喜んでくれるの?

追記:止ん事無き事情により日記才人から登録削除しました。

6月6日 Serious Drugs

あんまり認めたくないけど、メジャートランキライザーを止めてから調子が悪い。どんよりした重りにくくりつけられてベッドにうずくまるか、あくびしながらパソコンに向かっています。しかし今を乗り切らないと未来はないのだよ君。というわけで数日ぶりに外出して、電車を乗り継いで実家に帰った。
 菊地成孔さんの日記を読んでいる方はわかると思いますが、電車というのはメンタルヘルスにとってかなりハードルが高い。既に疲れた。本当は実家のネット環境の整備と倉庫の整理をしようと思ってたんだけど、どちらも有り得ない理由で頓挫。結局テレビで人がどんどん死んでいく映画を鑑賞しながら夕食を頂き、また電車を乗り継いでとぼとぼと帰ってきました。もぎたてのサクランボが旨かった。

日記才人のランキングを見ました。63位。しょっぱい。しかし上位を見ると「女教師を天井から覗いて云々」とか「女子中学生とあんな所へ云々」とかそんなタイトルが並んでる。そうか、僕も昨日の日記に「嬌声をあげる子猫ちゃんが云々」みたいなタイトルをつければよかった。

6月7日 僕はいつまでも何も出来ないだろう

本棚に昇ったら降りられないことを僕は知っていた。知っていたのだが。同じ過ちを何度でも繰り返してしまうのが生き物としての性 (さが) なのだ。

6月8日 東京ヌーベルヴァーグ

ゴダールのイベント、と言ってももちろんゴダールが来る訳でもなく、ゴダールの映画が流れるでもない不思議なイベントに行ってきました。出演は青山真治さん・夏木マリさん・東京ザヴィヌルバッハ・Kama Ainaほか。
 この「ほか」っていうのが微妙な人選で、どんな客層を狙っているのかさっぱり見当がつかなかったのだが、とにかく混んでて暑かった。ゴダールで失神するところだった。やっぱり亜熱帯気候の東京にヌーベルヴァーグは似合わないと思う。

意外な健闘を見せたのが弦楽四重奏とサンプラーを駆使したホッピー神山さんのパフォーマンス。そしてそれを凌駕したのが東京ザヴィヌルバッハ。マッキントッシュが自動生成するリズムに、キーボード、サックス、パーカッション、サンプラーが絡んでインプロビゼーションを繰り広げる。もちろんキーボードとサンプラーの音色はゴダール一色。全体的な構成は非常にアヴァンギャルドなのに、瞬間瞬間の音の塊がたまらなくキャッチーで、ジャズとも現代音楽とも違ったスリリングな演奏でした。サンプラーを操る菊地成孔さんの指先は高橋名人のようだった。

ザヴィヌルバッハが終わった時点で満足して、というか疲れ果ててすぐ隣の居酒屋で飲み。狭いコミュニティの運営の難しさなどについてお喋りする。同行のT.P.さんとは知り合って間もないのだが、非常に楽なのでいい友達になれそう。会話が途切れても困った顔をしないのがいい。小さいのにご飯をもりもり食べるのがいい。僕が調味料をこぼしても「何やってるの」って顔をしないのがいい。
 「うちの弟がさあ」って話し出したら「弟がいるの?」と驚かれてしまった。「お姉さんがいそう」と言われたのは人生で50回目くらいだ。

6月10日 元祖デス系ヴォーカリスト

フィギュア萌え。ロッテのドラえもんクッキーボールチョコ。人形のクオリティはともかく、マニアックなラインナップに深い感銘を受けました。メインキャラはもちろん、名脇役「のび太のおばあちゃん」や、ニューヨークに住むスネ夫の弟「スネツグ」、なぜか「きれいなジャイアン」までいる。
 きれいなジャイアンは原作では3コマしか出てこない激レアキャラで、イソップ童話の「正直なきこり」の泉に落ちてしまったジャイアンを女神様が引き上げ、「あなたが落としたのはきれいなジャイアンですか」っていう。とにかくこれが欲しくてコンビニを3軒回ったんだがどこも売り切れ。

写真は自主制作アルバム「乙女の愛の夢」のキャンペーンに励むジャイアンです。小山田圭吾さんも憧れたという「字に毛が生えてる声」で、大地を揺るがすリサイタル中。ボエー!
 もし第二弾を作るなら、「学校の先生」「スネオのママ」「タイムパトロール隊員」「出来杉に嫉妬するのび太」「地球破壊爆弾を出すドラえもん」「大人になったしずかちゃん雪山で遭難」「のび太の百点の答案を額縁に飾るママ」「スネ夫のあんまりな自画像」「ジャイアンクリスマスパーティでヘソ踊り」あたりを希望。いや、オタクっぽく「キボーンヌ」と表記すべきか。

通院ディ。体調はかなり悪いんだけどメジャー系の薬にはもう手を出したくない。そのかわりレキソタンが倍増。これで一週間乗り切ったら未来が見えてくるんだがな。

6月11日 千と千尋の経済効果

今を乗り切らなければ、という焦りが病状を悪化させているような気がしてきた。今日は一日中ベッドに倒れ込み、夜になって「きれいなジャイアン」捜索のためコンビニ巡り。
 ドラえもんクッキーボールチョコをネットで調べてみたら、その筋ではかなり評価の高い商品で、しかも一番人気が「きれいなジャイアン」だそう。うちの近所でも「のび太 しずかちゃんに夢中」ばっかり売れ残ってます。ありきたりのシチュエーションじゃなくて、言われてみれば思い出すくらいの線が売れるのだ。しずかちゃんなら、入浴シーンより轟音バイオリン演奏シーンが欲しい。彼女はジャイアンと音楽性が近いので、7年後くらいに2人でノイズ系ユニットを組むと思う。

食玩コーナーを物色していたら、さらにとんでもないものを発見しました。カバヤのラムネ菓子「未来少年コナン」。ブレーク前の宮崎駿が演出を手掛けたNHKのテレビシリーズです。1978年。僕はいまだに彼の最高傑作だと思ってるのですが、当時はあまりにも視聴率が悪かったため、すぐにテレビ東京に放映権が売り飛ばされてしまった。
 箱を開けると各話の代表シーンを再現したジオラマと、申し訳程度にラムネが7粒入っています。模型はかなりのハイクオリティなんだけど、箱をあけるまで何が出てくるかわからないのがもどかしい。

6月12日 耳かっぽじってよく聞け

ときめきウクレレ教室。Nat King Coleの「Love」は、ちゃんとやろうとするとかなりの難曲であることが判明しました。爪を切り過ぎて指先が痛くなった。ちょっとでも血が出てくれれば、「ウクレレを血が出るほど練習した」って自慢できるのに。

レッスン後マユコ嬢と合流してイタリア料理店で飲み。というか食い。イタリア人はこんなものばっかり食べてたら太るに決まっている。お互いの近況報告や恋愛の話などをだらだらとする。マユコ一家のエピソードは面白すぎて、いつもネタか?と疑ってしまうのだが、いざ本人にお目にかかると本当かも知れん、と思うのでした。
 昨日の日記に書いた未来少年コナンのフィギュアのこと、「私がずっと前に教えてあげたのに」と怒られてしまった。ごめん全然覚えてないわ。僕とお喋りしてくれるボーイズ&ガールズにあらかじめお知らせしておきますが、僕が人の話を熱心に聞いてるように見えても大抵は聞いてないのでよろしくお願いします。お喋りしてる空気が好きなのです。悪気はないのです。本当にないのです。

6月14日 ロックロックこんにちは

一緒にFUJI ROCKを見に行くメンバーの顔合わせ会。みんな僕との知り合いで、お互いには面識がなかったので、じゃあ一度飲みますかということで。参加者はM.H.さん、T.A、Y.K.さん、T.P.さん、そして僕。初めてお会いするM.H.さんはちっちゃくてコロコロ笑う女の子、携帯電話で待ち合わせをしたんだけど、ほんの目の前にいるのに気がつきませんでした。電話の声と同じ声が自分の真下から聞こえてきたんで、顔を見合わせて笑っちゃった。

まずは自己紹介。それぞれのバックグラウンドがやたらと面白くて爆笑。やっぱり見知らぬ人とFUJI ROCKを見に行こうなんて人は変わってます。一番笑ったのは、Tが細野さんと一緒に楽屋にいたときの話。細野さんは折りたたみ椅子に座ってたんだけど、ちゃんと足が折りたたみきれてなかったのね。で、バランスを崩して倒れそうになって一言。「うーんこれは非常に危ない」。あの低音で「うーんこれは非常に危ない」。さすが細野さん、「びっくりした」とは言わない。このエピソードに、細野さんの人間性の3割は詰まっていると思った。

6月15日 使いすてハート

過去の恋愛について、知らなくてもいいことを知ってしまった。僕はあの不器用な愛情にも、そのあとの奇妙な友情にも、ピュアなハートがこもっていると信じていた。
 今はもう誰も信じたくないのに、きっとまた誰かのことを信じてしまう。それが自分でも悔しい。しばらくは誰にも会いたくない。今夜の約束もすっぽかして、こうして日記を書いています。なぜかとても静かな気持ちです。ごめんね。みんなごめんね。

追記:大幅に削除しました。
 僕は映画のようにドラマチックな人生を送るでもなく、日々の些末な言葉をつむいで生きるうさぎちゃんなので、あまりにも儚くて消えてしまいそうな自分のルーツをかき集めて記録しておきたいという欲求があります。それを公開して誰かに伝えること。ときどき自分でも読み返すこと。「主体としての自分」と「客体化された自分」を行き来して補強していく。僕にとってのウェブ日記はそういう存在でした。でもそれも難しくなってきたんだね。

6月17日 幻想列車の到着を待ちながら

日記のテンションが下がればアクセス数も下がる。みんなが読みたいのは気分転換むけの馬鹿馬鹿しいエピソードなんでしょう。また書くよ。また書く。でも今日は昨日の続き。

積年のライバルである森のクマさんから長いメールを頂いた。「私は山下スキルを信じ、敬愛し、尊敬し、かつて競合し、いまも大切な人間としていつも考えている」と。なぜなら君には人を信じる力があるからだと。今の僕には一番嬉しい言葉でした。ちょっとだけ泣いた。思わず電話したんだけど喋れなくって。で、しばらく沈黙が続いた後「うち来る?」と言ってくれた。
 言ってくれたはいいが、森のクマさんは森に住んでいるので遊びに行くのは一苦労だ。蒸し暑いホームのベンチで列車を待ちながら、ヘッドフォンから流れてきたのはカーネーションの『幻想列車』。シンクロしすぎ。直枝政広さんはおそろしく正直で誠実なソングライターだけど、「僕」の苦悩のリアルさに対して「君」の感情描写が非常に少ない。この日記と一緒だ。「君」を見つめなくちゃね。

森のクマさんには美しくて賢くて少しおかしい奥さんと、可愛くて賢くて少しおかしい2歳の娘がいる。嬉しいことに、2歳の美少女は僕のことが大好きだ。両手を挙げて歓迎の舞。ねんどは〜たべられる〜。食べられないぞ。彼女の存在に救われながら夜までくだらないお喋り。でも一人になって電気を消したとたん、残酷な現実を思い出してしまった。今は未来を見つめたいという気持ちと、やっぱり現実に負けてしまう気持ちが、葛藤して葛藤して混乱しています。幻想四次の銀河鉄道は死に向かうわけだけど、幻想列車は鉄路を叩いてどこに行くのかな。
 通院ディ。最近の出来事をつとめて抽象的に説明したのだが、途中で気分が悪くなり診察中に倒れた。今の痛みを言葉にすれば楽になるかも知れないけど、過去をほじくりかえしても辛いだけだ。全部閉じ込めてしまおう。

メールや電話をくれたみなさんサンクス。やっぱり僕は人を信じて無様に生きてやる。

6月18日 あらかじめ削除された日記

予告に反して今日もダーク日記。ごめん。
 あれから46時間が経過し、平然を装うのも疲れてきた。なんでここまでパンチくらっちゃったのかを言葉にしてみても、どうせ5時間後ぐらいに削除するに決まってるので書かないでおきます。

暖かいメールサンクス。全部読んでます。絶対に返事書きます。

6月19日 蒼天百景

今は19日の午前10時。梅雨の合間に馬鹿みたいに晴れた朝です。馬鹿って晴れてるのか? ウェットでアンニュイな馬鹿だっているだろうに。
 昨夜は最強睡眠薬軍団を投入しても寝つかれず、浅い夢を見ました。本屋で松本人志著「タレントミシュラン」なる本を発見するというもの。「Hey! Hey! Hey!」の感想も書いてあって、図らずも優れた音楽レビュー本になっている。帯の文句は「なんでH Jungleが華原より点数低いんじゃボケ (浜田雅功) 」。パラパラめくったら音楽評論の概念を根底から覆す痛快な1冊で、僕はすぐにレジに持っていった。でも夢から覚めたらそんな本はなくて読むことができない。しまった、買わずに立ち読みしとけばよかった。

古くからの友達、新しい友達、久しく会ってない友達、そもそも会ったこともない人達からたくさんメールを頂きました。みんな行間を丁寧に読み取って想像して、いろんな考え方を教えてくれた。本当にありがとう。少しづつ返事は書いてるんだけど、今日中になんとか。

6月21日 それはぼくじゃないよ

歳を取るのは早いもので、このサイトが内情吐露日記と化してから1週間がたとうとしています。つい先週まではジャイアンや巨大バナナや猫の寝場所の話をしていました。さらに驚くべきは、世間的には音楽サイトとして認知されているという事実。次回更新からは通常運行に戻します。
 15日から今日まで本当にたくさんのエールを頂きました。ベホイミ。ありがとう。幸せ者です。

でも気づいてしまったことがひとつ。みんなが手を差し伸べてくれたのは、ネット上に形成された人格「山下スキル」であるということ。直接会ったことのない方々はもちろん、最近知り合ったみんなもそういう先入観で僕と会っている。
 ネットの中の自分には、「こういう人になりたい」という願望が少なからず含まれています。「山下スキル」はピュアラヴを標榜し、馬鹿馬鹿しいアイデアを発信しては楽しい友達をたくさん作っています。でもオフネットでは鼻くそほじって昼寝して、人の気持ちを察することもできない馬鹿な臆病者です。「人を信じて無様に生きてやる」なんて言っておきながら、本当は死に逃げる誘惑と葛藤してたんだ。

「なりたい自分」に本当になること。15日に書いた、「主体としての自分」と「客体化された自分」を行き来して補強していくという作業をしなくちゃいかん。ちょっとずつね。みんなに手を差し伸べてもらえる価値のある人間になる。なる? なってみせようホトトギス。くらいの感じで。

インスピレーション:内田樹さん・ウメダさん・くろのさん

6月24日 chari chari

更新が途切れてる間も毎日見に来てくれた皆さんサンキュー。「次回からは通常運行に戻します」と言ってみたところで、そもそも何をもって通常と呼ぶのかという。

高校時代の友人N氏が、「たまにしか会わないと『いい無駄話』ができないよね」と言うので、そりゃもっともだと急遽飲み。のつもりだったのですが。酒よりも女よりもバイクを愛するN氏はやっぱりバイクで来た。携帯で待ち合わせようにも、向こうは東口から西口に移動するのにも踏み切りを渡らなくちゃならない (バイクなので) 。こっちから電話をかけても一向に出てくれない (バイクなので) 。そして会っても飲めない (バイクなので) 。

うちの前に2年ほど放置してある自転車があり、主に洗剤のカゴやアサガオの支柱として活用してきたのですが、本来の用途に復帰できるかどうか見てもらいました。彼はバッグの中から21世紀の素敵な工具とオイルを取り出して、2時間ほどかけてメンテナンスしてくれた。で、走った。やったーサンキュー。これからプールに行く時に乗ろうと思う。

通院ディ。実は前回「次の診察日には必ずお会いしましょう」と釘を差されていたのだ。精神科医たるもの「次の診察日にはいなかった人」をたくさん見ていて、たぶん僕もそういう目をしていたんだと思う。今日は診察時間が過ぎていたにも関わらず、よく来たと言って迎えてくれました。

6月25日 マシマロは関係ない

お役所に書類を提出してきました。自分の社会的立場を定義付ける書類。今がいいタイミングだったのかわからないけど、いつかは出さなくちゃいけないので。

いつも相談ごとを聞いて貰ってる女の子が最近ものすごく忙しくって、そのことで微妙にこじれてしまった。僕が彼女の多忙ぶりをとても心配しているのは事実なんだけど、その一方で彼女の優しさに甘え過ぎていたとも思う。この歳になればみんな、社会や家庭の中でそれぞれの責任を背負って生きています。僕は「療養」という名目で責任逃れしていることを負い目に感じている。そのせいで卑屈になったり、押しつぶされそうになって依存したり。そんな振子の中で人が離れていく。こんなじゃダメ神様。

6月27日 さよならアメリカさよならニッポン

一進一退の暮らしを続けてます。はっぴいえんどトリビュートアルバム「Happy End Parade」の発売記念ライブに行ってきました。1日目は売れ線揃いでワイドショーも来る騒ぎだったらしいけど、2日目は地味目のラインナップでそういうムード。僕は当然2日目狙い。
 そもそも「Happy End Parade」というアルバム、いまひとつマニア受けがよくない。いわく、はっぴいえんどは「異端」であったはずだと。ノスタルジックな風景画ロックで終わらせていいのかと。うーんライブを見ると確かに消化不良感は否めず。

まず目を引いたのは青山陽一さん。「花いちもんめ」はもう彼のオリジナルですね。バックをメトロトロン人脈で固めて、このバンドにほかのボーカリストが絡む構成でライブは進行。余談ですが僕はドラムの夏秋文尚氏と一緒に仕事をしたことがあります。リリース前に会社が倒産したためノーギャラだったけど。その後、野音でばったり会って軽く言葉を交わした。仕事の話はしなかった。
 で、主役はやっぱり田島貴男さん。田島 - 青山は大昔、Amazing Soul Brothersなるユニットを組んでいました。かたや時代を掴んで失速気味の田島さん、かたや地道に活動を幅を広げる青山さん、二人は今一度接点を見つけたのではないか。青山バンドに支えられてショーマンシップを発揮する田島さんは妖しく光っていた! はっぴいえんどの「異端」を見た。

最後はWorld Standard「しんしんしん」。いい曲。そして、やる気のない細野晴臣さんを駆り出して「さよならアメリカさよならニッポン」。このままだるい感じで終わればいいのに、最後は全員で「風をあつめて」大合唱。うーむ、雨傘を手にした細野さんは「何をいまさら...」と困惑顔であったが、ジャージ姿の松本隆さんはそれ以前の問題であった。で、そのまま終演。
 ロビーでデイジー界隈のコアなピープルを視認し、Rさん、K.M.氏、Y.K.さんで飲み。話題は主に、林立夫さんと彼がキャッチする電波について。「男」としてのドラマーについて。「男」としてのシティーボーイズについて。つまりはRさんペース。彼女の業の深さには恐れ入るが、たぶん昼間は真っ当に仕事をこなし、真摯に生きているのではないかと思う。はっぴいえんどもロック少年少女も大人になった。

6月29日 ARPA / CERN

素敵なネット技術のお陰で、僕は東京にいながら「きれいなジャイアン」フィギュアが名古屋にあることを知る。あとは素敵な郵政事業が届けてくれるのを待つだけです。21世紀っぽくない? 大丈夫?

汚れない罪のない言葉たちの威圧感に疲れ果て、以下略。ウェブも窮屈になってきたよ、ミスターバーナース。本当は横になってぐうたら過ごしたかったんだけど、医者に薬を飲んで眠る生活が如何に治療向きでないかを指摘され、「単純作業に没頭する練習」というのを実践しています。今日の成果はもうすぐ皆さんにお見せできると思うんだけど。