DIARY 2003年5月


5月4日 わいわいわい

カラオケに行ってきました。って書くと古い友達はびっくりすると思うのですが。カラオケに誘われるたびに「カラオケ文化は肌にあわないから」って言い訳して避けてきたんだよ。僕が清らかな10代だった頃は、本当にそう思ってました。酒を愛する人が「一気飲み」なんてしないように、ポップスを愛する人はポップスを憂さ晴らしの道具にしちゃダメだって。でも半分は、単に恥ずかしかったというか、行かないキャラが定着してしまったのでひっこみがつかなくなった。ポップス同好の士であり、音痴でも笑って許してくれそうな人たちを、僕はずっと待っていたのかも知れない。

というわけで、8年ぶりのカラオケ。フリッパーズとかフィッシュマンズとかくるりとか歌ってみた(Tさんと『Slide』のデュエットにトライして玉砕) 。M美さんが上手いのは当たり前だが、小島麻由美完コピぶりにびっくり。そしてコロボックル感とアニメ声が見事にはまっていたA.A.さん、癖のない発声がきれいだったT.P.さんも相当歌い込んでるとみた。いやー楽しいね、カラオケ。また行こう。
 しかし序盤で酒の勢いを借りたため、酔っぱらってかなり飛ばしてた模様。M美さんは「この人いま喋ってること忘れちゃうんだろうなー」と思っていたという。正解だ。

翌日、T.P.さんちに余ったステレオを貰いに行く。端子が堂々としててアレだ。ちゃんとしたスピーカー買わなきゃ。で、なぜかY.Aさん、Y.Yさんと我が家で合流。人間関係などについて語る。『ハチクロ』みたいな僕らだなんて大笑い。こんなことでいいのか30代。

5月9日 最終電車が出た後にぼくらは歩き出した

最近この日記に登場することを恐れている劇団の後輩N夫に、使わなくなった洗濯機をくれてやった。彼は今月末で田舎に帰ってしまうのです。寂しいね。というわけで渋谷で男同士しっぽり飲む。そして帰りにカラオケ。先週までの僕じゃ有り得ないコース。
 歌い方のバリエーションを広げるべく練習したかったのだが、N夫も僕もフリッパーズ声であることが発覚したため急遽企画を変更。ふたりでフリッパーズカバーユニットができないかな、とか言ってるうちにN夫は田舎に帰ってしまう。またこっちに来たら遊んでね。

翌日、実家に戻って初めて髪を切りました。昔は駄菓子屋や八百屋が並んでいた商店街、今や小洒落た美容院が立ち並び、カリスマとかに切られちゃいそうでいかんともしがたく、1000円床屋を求めて渋谷まで。大森在住時代に通っていた怖い床屋はシャンプー・セット込みで15分。渋谷のこのお店は徹底的なシステム化をはかり、しかしカットだけで15分。この差はなんだ。
 その足で高校時代の友達、N氏とY.A.くんと合流。大学教員のY.A.くんは「先生の授業は楽勝科目ですか?」と質問されたと言って憤慨。あはは可愛いじゃん。そしてまた不可抗力のカラオケ。マイクなしで絶唱するN氏にびっくりした。帰りは大通りを歩きながら大声でMoonridersメドレー。

5月11日 しぽひこ善哉

H.Y.嬢結婚式。クリエイターのカップルらしく、極めて洗練された、しかし暖かみに溢れる素敵なパーティでした。おめでとうおめでとう。しりとりメッセージコーナーが楽しくて、「こ」から始まる言葉をひとしきり考える。「こいきなまだむ」。三味線を弾く新婦のイラストを描いた。
 しかし、もう二度と会うことはないと思っていた人物と再会して動揺。言葉も交わさず目もそらしていたのだが、ドギマギで酒が進んでしまった。

一次会は立食パーティでいわゆる二次会のスタイル、二次会は感じのいいバーで三次会のスタイル。そして三次会はカラオケでした。やっぱり宴会芸としてのカラオケは肌に合わないな。リズム感のないやつが手拍子するな! 下手な合いの手を入れるな! 新郎新婦より目立つな!
 終電をとっくに逃し、T.A.、マユコさんが我が家に来襲。John Faheyの狂ったアルバムを聴きながら、身近な人物モノマネ大会。バカすぎて大笑い。最近の友達はおっとりしてるので、このテンションは懐かしい感じ。昼までがっつり寝て起きて、またバカトーク。楽しかったー。が、反動でぐったり。

2015年追記 : この夫妻について言及することはもうない。

5月12日 出待ち

「検便な精神は検便な肉体に宿る」。ロ−マ帝国の諷刺詩人、ユウエナ−リスの詩の一節である。
 猫の検便であります。うちでは2匹の猫がトイレを共有しているので、どちらがどちらの作品か判別するのは難しい。そこでトイレの砂を全部きれいにして、トイレの前で彼らがやってくるのをひたすら待つのです。しかも彼らにも羞恥心があって、やはりトイレの中では自分の時間を楽しみたい様子。僕は柱の影に隠れてその時が過ぎるのを待つ。

なんとか診察時間内に2匹分の検便をゲットし、先生に届けることができました。ついでに歯石除去と健康診断の申し込み。猫の10歳は人間の56歳にあたり、そろそろオーバーホールが必要な時期なんだそう。ヒモの先っちょとか無邪気に追っかけてるけど、意外と歳くってんだな君たち。

5月16日 駐車場で隣にフェラーリ

人生で一番慎重な車庫入れをした。

5月17日 無修正ヌード画像

うちの猫達も10歳ということで、徹底的な健康診断を受けさせました。血液検査だけで数十項目、ウィルス検査にレントゲンにエコー診断。肝機能が微妙に衰えているものの、それ以外は極めて健康体であることがわかった。
 というわけで彼らの究極のヌード写真です。あられもない姿。これ以上脱ぎ捨てるものは何もありません。こんなもの載っけちゃって大丈夫かしら。ダウンロードするなら今のうち、クレームが来たら外します。

夜は劇団の飲み会。といっても集まるのは結局いつもの面々。I.M.嬢とK子が早めに撤収したので、相川くんとN夫と男3人でカフェに移動して飲み&語り。何を喋ったかはまだ内緒だ。

5月18日 あたしンち

弟夫妻が犬を連れて我が家にやって来た。弟の犬は元々は母親が飼っていたもので、母親の他界によって弟が引き取ることになった。そして母親が住んでいた家に、僕が猫達を連れて引越してきた。だから犬にとっても猫達にとってもここは自分の縄張りなのです。
 猫は高いところから見下ろすことで自分達の優位性をアピール。犬は床を駆け回っていれば満足。お互いのプライドの軸がずれているので、平和共存の道もありそうだ。

なんでこんな実験をしたのかというと、弟夫妻に赤ちゃんができたのであります。あのファンキーな犬の世話は妊婦さんには大変なので、ときどき僕が預かることになりそう。
 弟は既に親バカぶりを発揮していて、2.3センチ! とか5.5センチ! とかいうエコー写真をメールに添付して送ってくる。この白い物体がいずれ僕のことを「伯父さん」と呼ぶんですね。感慨深い。生命の神秘だね。伯父として最初のアドヴァイス。君のお父さんはネーミングセンスが微妙なので、名前はお母さんにつけて貰ったほうがいいよ。

5月19日 Strawberry Girls Forever

カメラマンのF.T.氏が我が家で撮影をしたいという。うちには一面だけ真っ白い壁があるんです。劇的リフォーム前はそこに冴えない絵が飾ってあったんだけど、外して貰ったんだ。よかった、意外な使い方がみつかった。
 モデルは、今度ライブを見に行こうと思っていたレムスイムというバンドにもゲスト参加している、トロンボーン吹きの関利佳さん。発注はキスキスグラーフィカの路川さん。

僕は撮影面でお手伝いできないので、紅茶を入れたり音楽をかけたり。猫もご機嫌で、いい雰囲気で撮影ができたと思う。レムスイムのメンバーもBeach Boysが大好きで、コーラスもとれる関さんにゲストのオファーがきたんだそう。
 テーマはイチゴ、ということで紆余曲折の数時間、ポラをつないだらこんなアニメができました。この中の1カットがたぶんもうすぐ皆さんの目に届く。

5月22日 疾走、ハムスター発電

17日の日記に無修正ヌード画像を載っけたらアクセス数が微増した。調子にのって、さらに拡大画像を掲載します。美しい背骨、気道から肺、心臓までばっちり見えるでしょう。万が一ご期待と違うものだったら申し訳ない。
 それにしてもだるい。病院にどうしても行けなくて、薬切れる→寝込む→すっぽかすの無限ループに。しかし夜は張り切って遊ぶ日々です。

火曜日は高校時代の友達が我が家にやってきて男4人で焼酎を飲んだ。フランス映画の男ってなんでみんな頭がボサボサなのかねーと言ったら、フランスに留学していたY.A.氏が「むこうは硬水だから毎日髪を洗えないんだ」って。へぇ。
 しかしみんな真っ当な人生を歩み、若者言葉に憤慨する大人になっていた。「有り得ない」って言っちゃダメなんだってー。彼らの許容する若者言葉は「超↓」まで。だから「超↓ヤバくない? 」とか「超↓伝導」とか「超↓大型で強い台風」はオッケー。

水曜日は朦朧と過ごし、木曜日は頑張って病院と区役所。夜はライヴに行くか飲みに行くか迷った末に飲み。1/2だめポロンともまさん。
 10年ぶりのもまさんは、とっても偉くなったのに相変わらず腰が低かった。1/2だめポロンはハムスターを飼っていて、彼らは回し車を一日に3kmも回すんだそう。3km! 無駄だ。発電しろ! 20匹くらい飼えば、誰かがさぼってても安定した電力供給が出来るのではないか。

5月23日 ぼくと伯父さん

東急文化会館でジャック・タチの「Play Time」を一回だけ上映するというので見に行きました。東急文化会館はこの6月で閉館してしまう。渋谷の文化を46年間も支えてきたこの建物、僕が子供の頃には既にさびれていたけど大好きだったなー。六本木の建築群は46年後に何かを残せるのだろうか。
 初めて見た「Play Time」は、「ぼくの伯父さん」のナンセンスな世界からもう一歩踏み込んだ、極めて記号化された喜劇でした。気が向いたらなんか書くかも。

会場でA.A.さんとTさんとK.G.さんに遭遇。終電を気にする律儀なA.A.さんは、軽く挨拶して「じゃっ」って走り去っていった。彼女は大急ぎでタタタターって走るのが似合う。朝は食パンをかじりながら「遅刻遅刻!」って言ってそうだ。
 結局青山まで出て仕事中のT.P.さんを呼び出し、妙に胡椒っぽい小洒落た飯を食べながらぐうたら話。こんなんでいいのか人生。ユロ伯父さんは何で生計を立てているのかな。

5月25日 Dinosaur Jr.のWagon

レムスイム c/w 福岡史朗 & BOX COXのライヴを見てきました。最初に登場したBOX COXは、福岡さんのいい意味での癖を押さえて、小さい箱ならではの音の響きを大事にした良質のインドアロックでした。
 レムスイムは、まるっこい女声ボーカルをカッティングギターとウッドベース、トロンボーンで見守るような浮遊感溢れるバンド。そこへBOX COXのふくだげんさんがドラムで飛び入り参加し、バンドの輪郭がバシっと決まった! 後でふくださんに伺ったところ、曲を聴くのも初めてで自分でも出来にびっくりしているとのこと。それって運命じゃない?

会場ではF.T.氏、sasakidelic氏、C.T.くん、レムスイムの大久保由希さんや関利佳さんとお喋り。いとうまさみさんも来ていて、「髪切った?」って聞いたら「タモさんみたい!」と笑われてしまった。
 終演後、Tさんの出演するP.R.O.M.というイベントへ。ガーリーな雰囲気だと聞いていたのに、選曲もお客さんもプロレス系で疲れちゃった。毎回趣向が違うのかな。主催者のtag氏はかなり出来上がっていて、ベンチからむくっと起き上がっては「おい聴け! この曲はDinosaur Jr.のWagonって言うんだぞ」と言って10秒程踊り狂い、またベンチに倒れこんで15秒後にむくっと起き上がっては「おい聴け! この曲はDinosaur Jr.の...」という動作をくり返していた。

5月27日 デブデブデブ

大学時代の友人に部屋のお披露目ディ。先日結婚したM夫妻、マユコさん、Iくん、T.A.。新郎M氏は都市計画コンサルタント様で、新居はもちろん素敵デザイナーズ物件。今度バーベキューに呼んでもら (いたい) 。T.A.は僕が楽しみにしていたカップヌードルを食べやがった。男は時としてノーマルなカップヌードルがどーうしても食べたいことがあります。
 日本酒一升と焼酎3本半、ビール3リットルをやっつけて最後はぐったり。ここが我が家でよかったー。僕を玄関まで引っぱりだしてくれた怪力マユコさんに心からサンクス。

寝て起きて懲りずに飲み。中目黒のガード下の実にいい感じのお店。F.T.氏とN夫の男3人会。その後N夫とT.P.さんとカラオケ。3人ともこの日は練習日と決めて、メロディがわからない曲とかを無理矢理歌った。みんなこうしてコソ練してるんだなー。
 それにしてもこんな生活を続けていたら太るに決まっています。街中でエスカレーターの鏡を見るたび家に帰りたくなる。水泳でもして風貌レベルの向上をはからねば。

5月29日 国家の陰謀から長野先生を守れ

長年に渡り日本人の健康を支えてきたとされるラジオ体操。一糸乱れぬその動きは、北朝鮮の律動体操にも劣らぬ東洋の神秘。交換留学の出し物でやると受けるらしいです。しかしちょっとまて。ラジオ体操の指導に長年携わっている長野信一先生、骨格が大きく歪んでないか。ラジオ体操は本当に体にいいのでしょうか。