DIARY 2003年9月


9月3日 かみなりごろごろどかんぎえっ

きのうようやく病院に行って薬を貰ってきました。調子悪いから病院にいけない→ますます調子悪いという悪循環を、日本の、世界の病人たち、そして人類の先輩たちはどう克服してきたのだろうか。
 それにしても今日の雷すごかったねー。まるで戦争のようでした (行ったことないけど) 。新宿の雑居ビルに勤めてた時に、駅向こうの高層ビル街にどかんどかん落ちてるのを見たとき以来の衝撃であった。普段は地震も雷も余裕の猫達も、今日はさすがにビビってた。

9月6日 残照

またしてもカラオケに行く。ひょっとしてカラオケが好きなのかな僕は。いつも憎まれ口ばっかり叩きあっていたアイツが好きな自分に気がついてしまった15の夜、みたいな感じですか。メンバーはY夫妻とS子さん、マユコさん。みんなつきあいが長いはずなのに、どんな歌声なのか知りませんでした。もうじき僕がカラオケ嫌いだった頃を知らない友達が増えてくるのだろう。
 Y夫妻はヴォイストレーニングに通ってるだけあってさすがの声量であった。でも何を歌ってるのかさっぱりわからなかった。彼らも僕が何を歌ってるのかさっぱりわかんなかっただろう。

帰り道、マユコさんとちょっと一杯、のつもりが朝の4時頃まで飲んでしまいました。去年はずいぶん二人で飲み歩いたもんだが最近はね、ご無沙汰でないの。というわけでつもる話をポツポツと。僕の人生にはいつも、ちょっと歳下のいいアドバイザーがいます。彼女はその中でも特につきあいが長い大切な指針。でも恋愛関係とかそういうんじゃないの。
 ノーブル美人の彼女だが、最近は大人の色気について考えているという。とはいえ色気ムンムンの女性になりたい訳でもなく、「色気とは何か」が命題なんだそう。

9月7日 池袋ウェストゲート

後輩くんの結婚式の打ち合わせ。なんちゃってDJとしての僕は、高砂の隣にブースを構えることと相成りました。緊張しそうだぜ。
 その後、新郎新婦が我が家に来て曲調の確認。会場は非常に趣のある建物 (重要文化財!) なのでアコースティックでウッディな感じ、かつパーティらしさも忘れずに。というわけでAlzo & UdineやLinda Lewisあたりをかけることになりそう。それにしても新婦の異常な観察力と猫好きぶりには驚いた!

9月9日 Herbivore & Carnivore

T.P.さんとオクノちゃんと、青山CAYのイベントに行ってきました。
 最初の出演者は殆どハードディスク任せで、2本鳴ってるギターのうち1本だけを生演奏するというなんだかな、のスタイル。続いてTuckerが登場。エレクトーンとリズムボックスとターンテーブルとベースを一人で操り、さらには機材に火を着けたり着けようとして着かなかったりと、人力の限りを尽した悶絶のパフォーマンス。ワイルドな芸風の割にはEllingtonの曲とかやってて、基礎を押さえてる感じ。

メインアクトのGutevolkは、嶺川貴子さんをサプライズゲストに迎えて、新しいアコースティック音楽のスタイルを提示していました。エレクトロニカの次の流れとして、こういう弦楽器ベースの抽象的なポップスがありますね。数年前なら「うたもの」と呼ばれてたのかも知れないけど、構造としてはもっと曖昧で、気配としてはもっとフレンドリーで、暖色でも寒色でもない音楽。好きだな。
 それにしても西山豊乃さんは大きなお腹で、淀んだ空気の中でライブとかしてる場合じゃない。何度も書いているが、CAYは風水が悪い。屋内気候の改善を強く望む。

T.P.さんは仕事のため途中で帰って、オクノちゃんと軽くお食事。オクノちゃんは生真面目なのにそこはかとなく可笑しい子だ。それはたぶん彼女の知性と経験値のギャップから来ていて、彼女なりに今の自分と戦っている。現状はただ精一杯なのかも知れないが、いつか自分の意志で、やっぱり生真面目に可笑しく生きる道を選択するような気がする。のは昔から眺めてるマユコさんとちょっと似ているから。
 わかったようなこと書いてるなー。気を悪くしないでくれオクノちゃん! 誉めてるんだ僕は。

9月14日 ベッドの中でOh! Yeah!

高島忠夫さんってしばらく見ないと思ったら鬱病だったんだってね。5年かあ。長いな。僕は彼の俳優としての功績をまるで知らなくて、親指を立てて「イェーイ」っていうおじさんでしかないのだが、5年かけて鬱病を克服したことについてはただただブラボーと申しあげたい。自分の経験では、前進も後退もしない病状に辟易して、社会復帰への希望というものがだんだん薄れてくる。
 まあ彼の場合は妻子の理解と献身的な看病を受けて、特に政伸さんが毎月リハビリイベントを開催していたことが大きいんだけど (僕もサイシが欲しい) 。

最近は。些細な寂しさを積み重ねて寝込んだり、そんな中で月と火星がとてつもなく美しかったり。太陽が光り輝き、荒れ果てた大地に反射して僕の目に飛び込んでくるという、当たり前の感慨にふける。そんな日々です。

9月16日 髭とルージュとバルコニー

のばしてた無精髭、婦女子の悪評を呼んで今夜中にそり落とす予定だったんだけど、思ったほど悪評じゃなかった。関心を持たれなかった、と言うべきか。どうしよう。困ったな。

9月19日 可愛いのが仕事

敢えて名を伏す後輩くんの、結婚式のDJの準備。僕のDJは、サンプラーに変なSEネタを仕込んで曲のつなぎにしたりスクラッチしたりするので、会場に合わせた仕込みというのが結構めんどくさい。間に合わなくなりそうでいつもブルーになります。
 そんなココロの隙間ににゃんこの寝顔。こいつらは自分が可愛いのを知っている。それで癒されてしまう僕もどうかと思う。こんな風に誰かに必要とされているという意味で、僕はこの猫たちより社会的に劣っている。

台風15号がホクホクトウに向かっています。ホクホク島はきっと断崖絶壁の孤島で、暴風雨に飛ばされそうな石造りの小屋の中にはラジオの気象情報が流れていて、ランプの下であったかいシチューかなんか食べて小さな幸せに包まれているに違いないです。行ってみたいホクホクトウ。
 ところで今回を期にDJ活動の予定がぽっかり空きます。各種イベント主催者の方、お誘いよろしくお願いします。

9月22日 Young Blood

もうおとといになるのか。敢えて名を伏す後輩くんの結婚式のDJ。
 早めに着いちゃって控え室に通されたんだけど、メイクさん達が「あたし今月ここ (の式場) 3回目」か「ドラマの結婚シーンで壁紙が映っただけでどこだかわかるよねー」なんて会話をしていて面白かったです。ああいう仕事は式場専属じゃなくて単発なのね。彼女達が結婚する時は式場選びの目が肥えてそうだ。

前にも書いたが、式場はフランク・ロイド・ライト設計の素敵過ぎる建物。DJとしては、厳かなフォークトロニカに始まり乾杯で一気に華やかに、歓談タイムはパーティチューンで和やかムードを演出する魂胆であった。桂三枝の「新婚さんいらっしゃーい」をサンプリングしたりマラカスを用意したりと万端の体制で臨んだんだけど、実際そううまくいくもんでもない。
 新郎新婦入場が1分後なのか1分半後なのかでもう1曲挟むか悩むような、ずっとそんな感じ。進行に合わせてとにかく目につくものを片っ端からかけました。

余興では出身大学の応援団の方々が、若き血潮に関する有名な応援歌を披露。僕は愛校心とかないので、その熱さにたいそう驚きました。そして綾戸智絵バンドのバンマスというピアニストの森下滋さんが颯爽と登場。PA卓がピアノの真裏にあったため、アップライトピアノのキーが目まぐるしく動く様などを鑑賞した。それと10年ぶりの後輩に開口一番「太りましたねー」と言われた。もうね、いいの。太ること加護のごとしだもの。
 トータルな感想としては、真直ぐに育った後輩くんが真っ当な結婚式を挙げた、そんな感じでいいでしょうか。おめでとう、お幸せに。

9月25日 寂しがり屋

こんにちは、寂しがり屋 (職業) の山下スキルです。寂しいよう (勤務時間) ふふふーん (勤務時間外) 寂しいよう (勤務時間) ふふふーん (勤務時間外) 。
 言いたかないけど非常に調子が悪い。そして人恋しい。夕飯時に人恋しくなるとあちこちに電話して、結局F.T.のお宅にお邪魔してチャーハンをご馳走になった。ところで今は勤務時間である。寂しいよう。残業は嫌なので誰か構ってくれ。

9月27日 モテモテだいさくせん失敗

実家に引越して以来半年、見なかったことにしていた物置き部屋の大掃除ディ。アレを捨てたりコレを捨てたり。本当は水着セットを発掘して、プールに通ってベスト体重 (-20キロ) にまで痩せてモテモテになる予定だったんだけど、肝心の水着セットが見つかりませんでした。水着は買い直してもいいんだ、度入りの水中メガネの紛失は痛い。結構したので。
 代わりに出てきたのは4人家族だった頃の思い出の品々。幼年時代のパラパラまんがや落書きに爆笑。これMAYA MAXXっぽくない? 可愛いなあ自分の絵!

写真は、自分より遥かにでかい鹿にものおじもせず不敵な笑みを浮かべる幼い僕。ほかにもハムスターを抱えて得意げなやつとかウサギ小屋を凝視してるやつとかがいっぱい出てきた。異常なまでの動物好きはこの頃からだったようだ。あとはサンタクロースに弟へのプレゼントを嘆願する手紙などが出てきた。優しすぎる自分!
 弟は目鼻立ちははっきりして可愛いんだけどとにかくデブ。乳児ながら、首をかしげて大人に媚びを売っている写真などが発掘されました。

その側で、弟が連れてきたバカ犬のラビがトイレに失敗。悪いことをしたとはわかっている模様で、首をかしげて許しを乞う姿は幼い日の飼い主にそっくりだった。弟から、女友達がたくさんいる割には色恋沙汰に発展しない僕の生活について厳しい追及を受けた。水着セットを発掘してダイエットしてモテモテウハウハになる予定なんだってば。
 家に帰って、片付け途中の段ボールの山を眺めてため息。この山の中に必ず水着セットがある。間もなくモテモテ美男子になるので婦女子諸君は楽しみにしていたまえ。