DIARY 2004年5月


5月2日 ここは楽園、そして戦場

1日はsasakidelicさん主催のイベント、一曲入根2@渋谷gabowlに参加させて頂きました。このところいつにも増して引きこもり気味の僕、頑張って行った。
 イベントはタイトル通り、1人1曲に根性こめて、次の人にリレーしていくスタイル。つまり前の人がかけた曲を聴いて、大慌てで選曲しなくちゃいけないのです。お客さんがDJであり、DJがお客さんであり、緊張と緩和とちょっとしたかけひきもある。1周目は様子見でお洒落にLambert, Hendricks & Ross。2周目はHazel Nuts ChocolateのFlipper's Guitarのカバーでバカ受けする予定だったんだけど失敗。3周目はBe The VoiceのHirth Martinezのカバーでやや受け。

会場には実に40人近くの顔ぶれが。sasakidelicさんの業界人脈や、H.T.くんのご招待で素敵な女性たちがいっぱい。H.T.くんはいちいちモテだ。嫉妬した! でもとても楽しく素晴らしく、音楽とお酒に大いに酔っ払ったイベントでした。sasakidelicさん、スタッフのみなさんお疲れさまでした。
 終演後、何人かで我が家へゴー。2日の午後までダラダラ過ごして、宮崎陽子さん製造のスパゲッティを美味しく食した。ありがとうございました。

みなさんの帰宅に合わせて僕も外出したくなり、昨日も会ってる秋山羊子さんのライブ@大塚Welcome Backへ。この日は秋山さんのピアノにセロファンの河野薫さんのベース、そして小倉孝司さんのドラムによるポップな編成。
 初めて彼女のライブを見た時は弾き語りで、無機的なエレピのリフレインの冷たさと、内に秘めてるソウルの熱さのコンビネーションに衝撃を受けた。それは僕が探していた音楽だった。僕は今日のライブを充分に楽しんだけれど、ポップになることはオリジナリティを失うことになりかねないなーとも思った。終演後、秋山さんに「お酒は控えめに」とお叱りを受けてしまいました。それがまた嬉しかったりしてな。

5月6日 再販にはちょっと反対さ

ごきげんよう。連休など関係なくいつもと変わらぬ怠惰な日々を過ごした僕だ。むしろ遊んでくれる人が少ない分、いつもより引きこもっていたかもしれない。

さて、4日にはかのCD輸入権問題のシンポジウムがあって、予想通り大変な賑わいをみせた様子。ピーター・バラカン氏と高橋健太郎氏が発起人になって、民主党衆院議員やらミュージシャンやらライターやらディストリビューターやらレコード業界の偉い方々が熱く語り合ったそうです。
 反対集会ではなく、あくまで実態を知るための集会というスタンスには好感が持てる。とは言え参加者の大部分が規制に反対だと思われ、僕ももちろん反対なんだけど、音楽サイトのオーナーたるもの規制反対の狼煙をあげて意見を述べなきゃいけない、というムードは怖い。なので僕はシンポジウムにはいかず、せめてもの意思表示としてバナーを貼ってます。

5月9日 ヒザ (笑)

いとうまさみ@四谷天窓.comfortに行ってきました。いとうまさみさんと秋山羊子さんのライブに関しては、もう僕ストーカーだと思われてもいいですってくらい通い詰めてる。
 今日は久しぶりのピアノ弾き語りスタイル。comfortは聴く位置によってピアノの音が回りこんでしまう。やっぱりあの狭いスペースにグランドピアノは無理だったんじゃないだろうか。でもいとうさんの演奏は本当に楽しそうでした。オールドファッションでフレンドリーで、その隙間からちらりちらりと毒を見せていた。

会場で遭遇した同行者とジョナサンへ。いとうさんも合流してお喋り。ずっと座っていたらヒザと腰が無性に痛くなって、楽しい席をお開きにしてしまった。すみません。
 最近の体重の増加は明らかに足腰に負担をかけている。爆笑するヒザと風船のように張った太ももを引きずるようにして、なんとか家に辿り着いた。やっぱりあのバイク型ダイエット器具のせいだろうか。運動を続けて基礎体力をつけるべきか、ダイエット器具をやめて経過を見守るべきか判断に迷うところ。今年、FUJI ROCKに行けるのかな僕は。

5月11日 Who is KILLING MUSIC!?

著作権法改正によるCD輸入規制に反対する音楽関係者の声明文が熱いです。この法案、本当に人をバカにしてんだよね。レコードメーカーが儲かんなくなっちゃって、そのしわ寄せをユーザーに擦りつけてるのがCCCD、法という権力にすがりついてるのがCD輸入規制だと思う。何度も書いてきたけれど、CDが売れなくなったのはあなたの作る音楽が心ない「工業製品」に成り下がっているせいですので。
 13日には声明文を出したグループが記者会見を開くそうです。年金問題やイラク問題や北朝鮮問題の裏でどれだけ人々の関心を得られるだろうか。日本人の文化に対する意識が問われてると思う。音楽は誰のために鳴り響きゃいいの?

5月13日 青山は嵐さ

ちょっと前にトリビアネタで、『東京の地下鉄で地上に出ている駅には必ず「谷」がついている』っていうのがあった。当たり前だ、谷だから線路が地上に露出してるんだよ。地名にはちゃんと意味がある。じゃあ青山は青い山だったかというとそうでもなくて、そのむかし青山忠成というおじさんが徳川家康に貰った土地なのです。家康に「馬で一周して来た範囲を全部あげる」と言われて、張り切って大回りした。
 川村恭子さんと、女子高生DJ改め短大生DJ A.Z.a.T.o.i.と青山でお茶。ツタの生い茂る門をぬけて扉をあけると、一面のガラス越しによく手入れされた庭が見えて、なんとも正しい青山の姿でした。

話題は、一人暮らしを始めたA.Z.a.T.o.i.の奮闘ぶりを、川村さんが姉のような目で見守るというコンポジション。コーヒーも紅茶も実にいい香りで、快適な時間を過ごしました。
 と書きたい所だけどとにかく体の節々が痛くて参った。せっかくの楽しいお喋りも右から左へ。どうなっちゃうんだろう僕は。この痛みがただの風邪でありますように。夜まで居座ってお茶会はお開き。A.Z.a.T.o.i.の、「渋谷に出て一緒にプリクラ撮りましょうよー」という甘美なお誘いを断ってしまった。次に会った時は絶対にプリクラ撮ろうね。っていうか撮ってください。みんなに自慢する。

5月17日 いつの間にか僕らも、若いつもりが歳をとった。

15日。マユコさんがとてつもなく恥ずかしい頼みごとをしに我が家にやってきた。とてつもなく恥ずかしいのは僕ではなくてマユコさんなので、ここに書くことに何の躊躇いもないのだが、敢えて書かないでおこうか。僕は紳士だから。ところでどんな猫をもおびえさせるマユコさんと、どんなヒトをも受け入れるメイとどっちが強いか一度対決させてみたかったのです。結果はメイの圧勝。マユコさんにスリスリしてゴロゴロしてました。マユコ感激!
 しばらく談笑の後、酒と鳥料理の会、通称サケバードの面々と合流して、渋谷で酒と鳥料理を堪能。膝や腰が痛い話などで盛り上がる。と、ここまではよかったのですが。

H.Y.に「山下さんカラオケ行きたいでしょう」と突っ込まれてつい頬が弛んでしまった。本当はH.Y.が行きたかったに違いない。
 カラオケ屋に移動し、赤ワインのデキャンタをガンガン頼んで騒ぎまくりの4時間。記憶をなくす者続出でした。僕は覚えてるよ。きみがあんなことやこんなこと、あまつさえあんなことまでするとは。ところで僕のカラオケは歌うたびに下手になっていく。特に今年になってから酷い。最初のうちはおっかなびっくり丁寧に歌ってたんだけど、だんだんどうでもよくなってきちゃったんだよ。風邪でノドをやられてたし。

解散後、T.N.が昼過ぎまで我が家にいて、2人で西麻布交差点のベトナム風カフェで鶏のフォーを食べた。パクチーパクパク。飲み過ぎた体にはほどよく美味でした。
 今日は母方の祖母の家で天ぷらをご馳走になった。祖母の天ぷらはゴマ油を使った独特の風味で、とにかく野菜が旨い。そして食後のお抹茶を頂いた。さらには祖母が住む古いマンションのエレベーターの湿ったコンクリートの匂いがなんともノスタルジックで、スーハースーハーして初めて祖母の家に来たのだと実感するのです。

5月19日 けやき坂を下って

最後に勤めた会社の上司と久しぶりに食事をしました。初めて行く新オフィスは我が家の近くで、徒歩20分ちょっとでついた。とはいえ丘を降りて登ってまた降りた所。ちょっとしたダイエットだ。
 仕事の話はさくっとお終いにして雑談へ。面白かったのは馬によるヒーリングの話。日本ではまだ根付いてないけれど、イルカと泳ぐみたいに馬と触れあうことでセラピーの効果があって、そういう実験や研究も薦められてるんだって。巨大な顔をスリスリされたら確かに気持ちよさそうだし、何かが開発されちゃうかも知れん。

もうひとつ面白かったのは認知科学の話で、ちっちゃい男の子の目線と女の子の目線の違いについて。男の子はママが指差したものをいつまでも見てるけど、女の子はママの視線の先をいつも追いかけてるんだって。これって前に僕が書いた、「男子トークは何かのテーマについて語り合うけれど、女子トークは会話そのものを楽しんでる」って説につながらないかな。
 それにしても。行きは丘を降りて登ってまた降りた。ということは帰りは登って降りてまた登らなくちゃいけない。今日の日記は酔っ払いながら聞いた話なんで信憑性は薄いですよ。迂闊に人に喋ったりしないほうがいい。

5月22日 指一本で倒されるだろう

今日のタイトルは秋山羊子さんの曲名から。秋山さんは、自分をもっと厳しい場所に置かなくちゃいけない、でもそうしたら指一本で倒されるだろう、と歌っている。でも僕は同じタイトルで指圧の話を書くのです。
 弟が指圧にはまっていて、西洋医学を信じる僕は遠目に眺めていたんだけど、ものは試しで治療を受けてみることにした。まずびっくりしたのは、先生が可愛くて爽やかなこと。いつもの病院の不愛粗な先生とは大違いだ。何を言っても否定から入るからなーあの人は。でだ、その爽やかな先生の説明が実にわかりやすい。セロトニンの分泌が不安定なのはこことここの血流が悪いからです、と説得力のあるお話。

そして治療。最初は軽めにしておきますねーと言いながらもイデデデデ。指一本で倒された。でもそのあと体中がほてってきて、全身に血がいきわたっていくのがわかった。なるほどこれは気持ちいい。数週間前に痛めたヒザも、関節そのものに問題はないとのこと。ほっとした。
 でも翌朝は、悪夢と動悸と息切れの中で目が覚めた。薬で抑えていた交感神経と副交感神経のバランスが崩れたのだ。先は長いな。今後も指圧については逐一報告して参りたい。東洋医学での鬱の治療を記録しているサイトって珍しいと思うので。

翌日は秋山羊子さんのライブ@四谷天窓.comfortに行ってきました。去年の暮れに初めて彼女のライブをみた時は、風船の中で抑制されたソウルが手足をのばしてるみたいで、絶妙にコントロールされた表現衝動が気持ちよかった。でも最近の彼女はついに風船を突き破りそうな勢いだ。僕は音楽にはユーモアが必要だと思う派で、そういう意味では彼女のユーモアがより伝わりやすくなった。この日の出演者は際立って粒ぞろいでした。
 打ち上げにも呼んで頂いて、秋山さんと神谷きよみさんの間、というポジションをゲットした (うらやましいかい!?) 。

5月24日 バーチュアル苗場

前の会社の人々の、「暇な時、お茶だけでも飲みにきなさい」という言葉を真に受けて、お茶だけ飲みに行ってきました。っていうのは、うちから会社までの距離感やアップダウンが、FUJI ROCKの端から端に似てるんだ。今のままの体力では今年のFUJI ROCK制覇は難しいので、いいシミュレーションになると思って。これからもただお茶を飲むために出社する予定。
 ヤフオクでバランスチェアを購入しました。中国製のバッタもん3600円。座り心地は悪くないけど、今のキーボードの位置だと微妙にあれだな。ちゃんとしたキーボード台を作ろうなどと思う。

5月25日 スティック

"青山陽一 presents 怪しい隣人" @下北沢Club Queに行ってきました。ゲストはカーネーション。この組み合わせを何度も見ているような気がするんだけど、対バンとしてちゃんとセッションをするのはメトロトロンレーベル時代以来十数年ぶりなんだって。まずは主催者の青山さんが挨拶がわりに1曲弾き語って、怒濤のカーネーション攻勢に。
 クインテットからトリオ編成になってすぐのカーネーションを見た時は、直枝政広さんのギターソロになると急にコード感が希薄になってあぶなっかしい感じもしたんだけど、久しぶりに見た彼らはトリオとしてのバランスを手に入れていた。荒くれ轟音ギターバンド仕様だ。

途中、青山さんを呼び込んでセロニアス・モンクのカバー、George Harrisonの「Beware of Darkness」、そしてカーネーションの「レオナルド」を。直枝さんが歌うパートを間違えて、青山さんに睨まれてるのには笑った。
 もう何曲かカーネーションの演奏があった後、セットチェンジして青山さんのステージに。「カーネーションの迫力にはかなわない、先に敗北宣言しときます、僕らは緩めにね」と言っておきながら、相変わらずファンキーで安定した演奏でした。新曲はポップで、今度こそ売れるとよいと思う。しかしこの時 僕の脚は棒と化し、疲れが限界まできて座り込んでしまった。周りの方々どうもすいませんでした。

終演後、なんとか立ち上がって外に出ると、出口の側で輸入盤規制反対の署名運動をやっていたので署名。そしてヌカタシとT.P.さんとラーメンを食ってヘトヘトの帰宅。たかだか3時間立っていただけで棒と化す我が脚にはあきれるばかりだ。退院後、何をしても疲れやすい。ほんとにFUJI ROCKに行けるのかな僕は。

5月28日 キャサリン台風

2回目の指圧治療に行ってきました。指圧というのは要するに、ツボを押すことで血流を正している訳で、押してもらうと体中に血液が行き届くのがわかる。で、その後だるさと眠さが襲って来る。これを続けていくと正しい血流がデフォルト設定になって、だるさも消えるのだと言う。
 どのくらい効いているのかは正直わかんないけど、先日疲労困憊した脚の治療が始まると、とたんにイデデデデ。少なくとも痛んだり酷使したりする場所を正確に指し示していることは証明されました。先日から続いているヒザの痛みについては、体重のせいだとか歳のせいではなく、重心が正しくヒザの中心を通ってない、右足に体重を乗せてるせいだという。

とにかく満身創痍なので足腰の治療が先になるけど、最終的には鬱も指圧で治せるという。本当かなあ。指圧師の若く美しい女性は、キャサリンと呼ばれている。確かに色白で茶髪だけど日本人である。なにがどうキャサリンなのか100文字程度で説明して欲しい。

5月31日 キャサリン・へプバーン・コンプレックス

またしても若くて麗しい指圧師キャサリンの治療を受ける。別に恋してるとかではありませんので。キャサリンは聡明で素敵な女性だけれど。彼女の何が凄いって、人体についての体系的な知識がありながら、その結果として指圧師であることだ。
 例えば病院で処方された薬のリストを渡すと、その薬のどこがよくてどこが悪いのか、僕の体のどこがよくてどこが悪いのか、つまるところ僕はどの薬を飲むべきなのかを教えてくれる。キャサリンに言わせれば投薬治療は毒を持って毒を制するようなものだ。効果が足りなければさらに毒を足し、副作用が出ればそれを抑える毒を足す。彼女はその必要悪を認めている。キャサリンにかかっていることは内緒にして、主治医にも飲み合わせを聞いてみよう。

写真は、今一つ座り心地が悪かったバッタもんのバランスチェア、壁一面のCD、そしてメイ。携帯のカメラで撮ったのでレンズの関係でメイが偉そうになってしまった (実際我が家で一番偉い) 。
 こいつは異常に人懐っこくて大雑把な奴だと思ってたら、トイレに関しては繊細な一面を見せた。トイレの砂が少ないと、気に入らなくて布団の上でうんこをするのだ。砂の量を増やせば解決する問題なのか、これからもじっくり観察する所存。愛猫家たちのアドバイスも切実にお待ちしてます。