DIARY 2004年10月


10月3日 Karaokekalk

夜中に呼び出されて朝までカラオケ。バカだねー。今は新しい交友を結ぶ向きの体調ではないけど、気心知れた仲間たちとはバカをやりたい。最近出来た渋谷シダックスビレッジ (丸井インテリア館があったとこ) で、コロコロ転がる椅子と戯れながらひたすら歌いました。
 T.A.が「マツケンサンバ」を歌ってる時に店員さんが入ってきたり、M姉妹が「サウスポー」を振りつきで歌ってる時に店員さんが入ってきたりして気まずかった。その時の写真もあるけど、M姉妹ファンの夢を壊さないためにも公開は控えておこう。

10月のテレビ番組改編で、ブームの焦点はお笑いからマジックへと移行しましたね。結果、芸人はネタじゃなくリアクション役に回されることとなった。その中で青木さやか氏はジャンルを問わずテレビに出まくっている。毒舌キャラから高感度タレントへ、山田邦子さんや久本雅美さんの道を狙っているのが嫌らしい。
 マジックはなー、ナポレオンズみたいにネタがわかりやすいやつは面白いけど、ほんとに凄いのになると凄すぎて驚きようがない。例えばふじいあきらさんは、口からトランプを出す芸を半年早くやりすぎて、今はもう誰も驚かないでしょう。あと気になるのが山上兄弟。大人に媚びまくっているけど、弟にやる気が感じられない。

最近はもっぱらローカル局を見ています。今さらながら木村カエラちゃんの「saku saku」面白れー。あの脱力キャラから飛び出す突飛なボキャブラリーに笑いっぱなし。モデルなんかやってる場合なのか。そしてマスコット人形の増田ジゴロウ (中の人はTVKのディレクターらしい) はソングライティングの才能がある。カエラちゃんのCDは売れてるらしいけど、ジゴロウも出さないかなあ。

10月7日 make a SMiLE

昼夜逆転。というかほぼ寝てるんですが。凹寝 (へこね) じゃなくて熟睡です。これも禁断症状のひとつなんだろうか。たまに起きて外を見て、時計が5時を差してると午前だか午後だかわからない。
 それはともかく。Brian Wilsonの新作「SMiLE」ですよ。このアルバムの背景についてはBeach Boysのページの「1965-1966」を読んで頂きたいのだけれど。1966年、今なお録音芸術の頂点と言われるアルバム「Pet Sounds」をリリースしたBrian Wilsonは、次なる進化を求めて新しいプロジェクト「SMiLE」に取り掛かった。拡散するイメージは当時のポップスの枠組みを大きく離れて、パラノイアの彼方に消えていった。かくして「SMiLE」は世界で最も有名な未完成アルバムになった。

この、未完成だからこそ伝説になり得たアルバムが、なんと37年目にして完成してしまったのです。
 一聴した感想は、その後の37年間の音楽の進化を体験した僕らにとって目新しさはない。むしろタイトルの通り、極めてフレンドリーなアルバムに仕上がっています。Brianの前作「Gettin' In Over My Head」は演奏がモタってたけど、「SMiLE」は今のBrian Wilson Bandのサウンドがそのままパッケージされていて、そういう意味でもマストバイです。Brianの近作は、しわがれてしまった彼の声の味を生かした曲調になってるんだよね。でも「SMiLE」は37年前の作曲で、今の彼に出せない声をバンドが見事にサポートして、溌溂とした印象を与えている。

このアルバムが予定通り発売されていたらポップスの歴史は変わっていた、なんて言われるけれど、それはわからない。実際「SMiLE」が幻に終わって、Beatlesが「Sgt.Pepper's」を出して、ジミヘンが「サーフミュージックは終わった」と叫んで...という歴史の中に僕たちは生きている。
 でも意外と売れたんじゃないかと思う。Van Dyke Parksの不思議な歌詞は当時のサイケデリックな風潮に合っているし、サウンドにはディズニー映画のような多幸感がある。ただ、時代に衝撃を与えるアルバムと長年聴き継がれるアルバムは違って、例えばBeatlesなら何度も聴きたいのは「White Album」だったりするんだよね。「Pet Sounds」は21世紀の音像をもリードしているけど、「SMiLE」はあくまで1966年当時の最新モードで、その是非よりもとにかく完成したこと (それも恥ずかしくない形で!) を喜びたい。

10月12日 songs for a rainy day

古舘伊知郎氏のメガネが四角い昨今、いかがお過ごしですか。雨だねー参った。しとしと降る雨の風情は嫌いじゃないんだけど、なにしろ湿度、それから気圧の低下、この2つが鬱病に及ぼす影響について誰か医学的に研究してる人はいるのだろうか。という訳で、不安感で異様なテンションにある脳を覚ますために誰かに会いに行くのです。
 8日は秋山羊子さんのライブ。彼女は月に何度もライブをしていて本当は全部見に行きたいんだけど、結局こういうタイミングでしか見に行くことがない。だから秋山さんの知っている山下スキル像は若干歪んでるのではないかと思う。

この日のステージはいつにも増していいヴァイブレーションが出ていました。彼女の音楽には70年代SSW的な心の襞をつく言葉があって、80年代ポップス的なわくわくするメロディーがあって、90年代音響派的なソフィスティケートされたサウンドがあって、その全てを包み込んで00年代の胸を打つ柔らかい声がある。僕はそれを、とてもソウルフルだと思う。Sam Prekopの素晴らしいソロアルバムを聴いているような、極めてデリケートな水墨画のソウルミュージック。
 彼女の音楽はもっと大勢の人に受け入れられるはずだし、そのために彼女がレコーディングに意欲を見せているのはとても嬉しい。いいスタッフに巡り会えるといいな。終演後、「山下さんがノッているのが見えて、それが嬉しくてやりやすかった」って言ってくれました。照れる。彼女の日記にある「呼吸」ってことかな。

日曜日は森のクマさん帰国記念カラオケ大会。のはずが諸般の事情で僕とクマさんの2人会に。この組み合わせでカラオケるのはさすがに飽きた、というわけで仕事中のM夫妻を無理矢理呼び出す。すごい飲んですごい歌ったけど、僕はとにかく声が出なかった。安定した歌唱力が欲しいものです。その後、M邸にお邪魔してお喋り。キーボード激打ち音を聴きながら一眠り。ニンニク臭い汗をかいた。屈辱。

10月14日 Poker Face

「酒が作り出した友情は、酒のように一晩しかもたない」フリードリッヒ・フォン・ローガウ。
 酷い顔で病院に行ったら薬を2種類追加された。ウインタミン25mgとデプロメール50mg。もちろん飲まないつもり。勝手に断薬をやっていることを悟られないように頑張っていたんだけど、僕ポーカーフェイスとか全然ダメなんだよね。湿気は鬱に明確に突き刺さって来る。

有名オリンピック選手の実家が肉屋さんで、評判のメンチカツというのを頂いた。油っこくて不味かった。

10月17日 a report card

夕暮れ時の寂しさに、mixiで見つけた恋愛成績表を試してみた。

総評 : 自己主張がうまくできない上に、彼女ができれば相手のペースでものごとが進み、ストレスのたまる恋愛が多いタイプでしょう。自分の思い通りに物事を運べないのは生来の性格のせいなのであきらめて、思いやりのある彼女を探すほうが良い解決となるでしょう。
こころ : 自分の気持ちを相手に伝えるのが苦手で、どうも本当の自分をわかってもらえないタイプです。また相手の心理操作にも長けているとは言えません。このように気持ちのやりとりは下手なのですが、感受性が強いので人の気持ちがよくわかり、恋愛から受ける感動も人一倍でお得です。でも振り回されたりして恋愛疲れをしませんか?
オプション : 経済力などは努力や運次第で変化するのでそれはそれでいいのですが、ある程度年齢を重ねれば経済力に魅力を感じる露骨な女性が多くなるので、すねてばかりもいられません。とっくに結婚適齢期を過ぎています。少しは焦りましょう。

ますます寂しくなった。

10月18日 The problem of United States

ジョン・ケリーとトッド・ラングレンはどっちが顔が長いのかな。

10月19日 record + recommend + communication

今日スタートした音楽配信コミュニティ「recommuni」を試してみました。
 誰かがお薦めの音源をアップロードすると、recommuniのスタッフが権利処理をして、ダウンロードできる状態にしてくれる。ダウンロードしたファイルは個人の責任で自由にコピーしたり焼き焼きできる。要するに、著作権をクリアした上で堂々とファイル交換をしようよっていう試み。物理的にコピーガードをかけるんじゃなくて、信頼ベースでコピーライトを守ろうという圧倒的な性善説に基づいて運営されているわけです。

いろいろと問題はあるだろう。メンバーや登録楽曲が芋づる式に増えていったら処理しきれるのか。権利者はそう簡単に許可を出してくれるのか。性善説がどこまで通用するのか。
 ただ、著作権という旧態依然の考え方と、ネットで音楽を楽しみたいという時代の必然の妥協点のひとつとして、行方を見守る価値はあるかなーと思ってます。「招待状くれ」っていうのは勘弁してくださいね。誰にでも招待状出してる人がいるみたいですけど。参加する以上は「信頼ベース」という理念だけは守りたい。勝手がわかってきたら、直接面識のある方に招待状を送るかも知れません。

10月23日 MEGANE! MEGANE! MEGANE! (Guitar Pop Version)

眼鏡のココが取れました。ショック。しかもパーツを紛失した。眼鏡屋さんに持っていったら直してくれるんだろうか。

早くもrecommuniに飽きた。うちの環境のせいかも知れないけど、とにかく表示が遅いんだ。で、せっかくページを開いても権利処理待ちの行列が出てくるだけ。Rascalsのボックスセットを作った時に、権利処理だけで7年かかったって話を聞いたことがあります。それは極端な例にしても、権利処理というのはそれだけ面倒なことなんだ。あと楽曲の偏り。やっぱり一般に手に入り難い楽曲をレコメンドしたい。結果としてコアな音楽ファン向けのマニアックな品揃えになってしまう。将来的にサービスとして成功させるには、敷居を低くしてスタンダードなナンバーをたくさん用意する必要があるね。

可能性があるとすれば、ミュージシャンがレコード会社や流通を通さずにオリジナル曲を発表できる、クリエイターズショップ的な展開かな。音楽をやっている友達に招待状を出した。

10月27日 'Til I Die

'Til I Die / The Beach Boys
lyrics:Brian Wilson
music:Brian Wilson
都合のいい訳詞:山下スキル


I'm a cork on the ocean, Floating over the raging sea
How deep is the ocean? How deep is the ocean?
I lost my way
 I'm a rock in a landslide. Rolling over the mountainside
 How deep is the valley?  How deep is the valley?
 It kills my soul
I'm a leaf on a windy day, Pretty soon I'll be blown away
How long will the wind blow? How long will the wind blow?
These things I'll be until I die

僕は海に浮かぶコルク 荒れ狂う大洋に漂う
海はどれくらい深いの? 海はどれくらい深いの?
僕は道を見失った...
 僕は地滑りの中の岩 山肌を転がり落ちる
 谷はどれくらい深いの? 谷はどれくらい深いの?
 僕の魂を押しつぶす...
僕は風に揺れる木の葉 もうすぐ吹き飛ばされるだろう
風はいつまで吹き続けるの? 風はいつまで吹き続けるの?
僕が死ぬまで吹き続けるの?

10月28日 マンタよどこへ

ついにグルメ番組に進出した松任谷正隆、箸の持ち方が汚い。

10月30日 人生万事、バンジージャンプ

mixiに自殺観について投稿したら、メールをたくさん頂きました。僕のせいで死なれても困るので頑張って返事を書いた。僕の周りで自殺をしたり自殺未遂をした人たちを見て思うのは、悩み苦しみもがいている人はそうそう自殺しないということ。悩んでいるということは、人生に数パーセントでも可能性を見い出しているということだ。それに本当に苦しい時は、死ぬ気力も出てこない。自殺ってもっと衝動的なものだと思う。
 mixiに書いたのは、自分が死ぬことで周りに与えるダメージと、自分が今抱えている絶望とどっちが重いのかっていうこと。絶望の重さは主観的にグサっとわかる。だからダメージの方を軽減したい。僕の存在なんてすぐに忘れて欲しい。願わくば生まれて来なかったことにして欲しい。でもそれは無理なことがわかるくらいの頭脳を辛うじて持ち合わせているから、数パーセントの未来に向けてもがいているわけです。

大連医科大学が、「魚をよく食べる人はそうでない人にくらべて自殺率が1/8に減る」というデータを発表したそうです。気休めに魚肉ソーセージでも食べませんか。

10月31日 めんどくさい。

mixiの「めんどくさいコミュニティ」を退会しました。「めんどくさいスレ」を見ること自体がめんどくさい。というわけで、ここ数週間のめんどくさいけど頑張ったことを書きます。
 高野寛さんのライブに行ってきました。すぐにレポートしなかったのは、ライブの内容が期待外れだったから。2日前の仙台公演を風邪でキャンセルしていた高野さん、この日も声が出なくて痛々しかった。もうひとつは、ベスト盤発売記念ライブということで、ロックアイドルを演じさせられていた時代の楽曲を演奏せざるを得なかったことだ。初期の痛快なポップソングも僕は大好きだけど、今のバンドのスタイルには合ってなかった。トキメキはトキメキのまま封印しておいたほうがよかったかも。

それから今日、唐突に母の3回忌をしました。本来キリスト教に3回忌という概念はないんだけど、諸般の事情で形だけでもと。諸般の事情が発生したのが2週間前のことで、今さら大々的に開催しても各方面に迷惑がかかる。なるだけ事を小さく小さくまとめる方向に尽力した。
 行きたかったイベント、ありがたいお誘い、ひととおりお断りしてひたすら寝てました。睡眠薬の断薬を始めたら1回の眠りが浅く短くなって、眠気曲線がX軸にまとわりついている感じ。運動しなさすぎにも程がある。咳をすると肋骨が痛みます。主食は日清チキンラーメン。すぐ美味しい、すごく美味しい。どう考えても「すごく美味しい」ってのは嘘だよな。