DIARY 2004年9月


9月2日 龍生くんに

こういうところに書くべきじゃないのかも知れないけど。古くからの友達のお子さんが亡くなりました。たった6ヶ月の生涯でした。僕は人の死にはわりと縁がある。わりとな。けど友達のお子さんを亡くしたことはなくて、彼のお父さんになんと声をかけていいのかわからなかった。彼には生まれながらに心臓の病気があった。それでもいつかは泣いたり笑ったり恋をしたりするのだと思っていた。必ずするのだと思っていた。彼の短すぎる人生を思って1人で缶ビールを飲んだ。

僕の近況。断薬の禁断症状でてます。頭痛とだるさが酷い。この日記も必死に書いてます (寝てろよ) 。きのうは病院の主治医に、肝臓が心配なので薬を減らす方向で治療を進めたい旨を話してみた。勝手に断薬を始めてることを悟られないように平気な顔をした。また少し薬を減らしてみようと思う。この苦しみを乗り越えた後で何が起きるかに少し期待している。
 30を過ぎた頃から新しい音楽に対する興味が薄れちゃったんだよね。それは鬱のせいかも知れないし薬のせいかも知れないし、考えたくないけど歳のせいかも知れない。できれば創作活動もしたいし仕事も探したい。その気力を捻り出せるか、無駄に生きてきたこの人生を立て直す最後のチャンスとして。

9月7日 B-21 SPECIAL

そういえば最近ヒロミを見ない。

9月12日 BETSU-NI

BETSU-NI / Yukihiro Takahashi and Steve Jansen
lyrics:Steve Jansen
music:Yukihiro Takahashi and Steve Jansen
都合のいい訳詞:山下スキル

Another day begins / Time seems to move so slow
And I'm learning things / I don't need to know
The sound of life outside / Seems very near
But there are certain things / I don't want to hear
 In my mind I shape the words / I want you to hear
 But I need the wisdom of a thousand years / to make myself clear
Another day goes by / Time seemed to move so slow
And I learned about things / I didn't want to know
 Like:"It's not right for you"
 Things I should and shouldn't do
 I'll be alright, don't worry about me
Betsu-ni...I'd like to say more
Betsu-ni...I'd like to say more, but
 The sound of life outside / Seemed very near
 But there were certain things / I didn't want to hear

1日が始まる 時間はゆっくりと流れている
そして僕は知らなくてもいいことを知る
ざわめきが聞こえる
でも中には聞きたくない声もある
 僕は君が聞きたい言葉を探る
 でもそれを見つけるには1000年の知恵が必要さ
1日が過ぎて行く 時間はゆっくりと流れた
そして僕は知らなくてもいいことを知った
 例えば「それは君にふさわしくない」とか
 僕がするべきことやしなくてもいいことを
僕は大丈夫、心配しないで
ベツニ...もう少し喋りたいけど
ベツニ...もう少し喋りたいけど、でも
 ざわめきが聞こえた
 でも中には聞きたくない声もあった

9月13日 ラーメンズのテレビ的なピーク

更新が途絶えがちなのは、書きたいことがなかったからです。禁断症状でタオルケットの中にうずくまってる話とか、今さら医者に通院医療費公費負担制度を勧められた話とか、老猫のネモが痙攣を起こして動物病院に連れていった話とか、別に読みたくもないでしょう。
 H.Y.から、焦ってもしょうがないから「あと一歩かっこいい僕」あたりをイメージすればいい、とメールを貰った。わかりやすい。へっちゃらな顔をしてくだらないことを書きたいものです。

ちょっと前までは左側を下にして横になると不安感が少し和らいだ。最近ではたまに右側を下にしても大丈夫な時がある。ということはベッドの中からテレビが見れるわけで、これは大変な進歩です。
 写真はきのうの笑点の様子。こん平さんが声帯を痛めて欠席。なんと、楽太郎さんがこん平さんに代わって「ちゃらーん」をやった。来週もやんのかなー。笑点的には美談なんだろうけど、楽太郎ファンとしては勘弁願いたい。ちなみに来週の前座は笑い飯なのでそういう意味でも要チェックです。

笑点の前座は、若手が実力を試される貴重な機会だと思う。民放のネタ番組は一組の持ち時間が少なくて、ショートコントや一言ネタの芸人が受ける傾向にある。おとといだっけ、アンガールズが珍しく長尺のコントをやってて、それがつまんなかったんです。ショートコントや一言ネタも好きだけど、構成力で見せる芸人が活躍できる番組があってもいい。笑点の前座は尺が長いので見ごたえがあります。
 お笑いブームの走りだった爆笑オンエアバトルがすっかり変わっちゃったのが残念。NHKは先日の国会証人喚問で、この点についても謝罪するべきではなかったか。

9月18日 日々のあわ

検索エンジンで「MY FAVORITE THINGS」にひっかかって、何だかわからないままこの日記を読んでいる皆さんには説明不足で申し訳ない。ここ1週間は前みたいに、ひたすらうずくまってることはありませんでした。コントミンの断薬は克服、ということでいいのかな (ときどき頓服してるけど) 。ここまで来るのに4週間弱。あとレキソタンとハルシオンとテトラミンとアキネトンをやめなくちゃいけないので、大雑把に見て今年一杯はこんな体調です。

ハナレグミのライブに行ってきました。夕方からかと思ってたら12時半開場で焦った。久しくそんな早起きしてないもの。しかも前日の深夜にはずっと楽しみにしていた「しりとり竜王戦」の生中継があった。悩んだ末「しりとり竜王戦」はビデオに録画して、翌日の待ち合わせに備えた。僕も大人になったものだ。
 そして当日。およそ8年ぶりにゆりかもめに乗り、初めてお台場のフジテレビを間近で見た。同じ港区民なのにな! やってきたのは都立潮風公園、海が見える芝生に設営された特設ステージ。屋台で食べ物とビールを暢達して開演を待つ。

シャボン玉が飛び交う会場に、まずは永積タカシさんが一人で登場。「みんな何しに来たの」と照れ笑いして、この日のために作ったという歌を披露する。やがて招き入れられたバンドはVocal,Guitar:永積タカシさん、Drums:Asa-Changさん、Bass:鈴木正人さん、Pedal Steel:高田漣さん、Keyboard,Chorus:原田郁子さんという顔ぶれ。それぞれが抜群の演奏力とスタイルを持ったプレイヤーだけど、それゆえにプロのお仕事としてハナレグミのゆるい世界を演出。ファンキーなセカンドラインからカントリータッチのナンバーまで、生温い潮風に溶けそうな音を響かせていました。

特に原田郁子さんのコーラスはよかったねー。違った意味で「いい声」の持ち主の2人、かけ合わせるとこんなに相性がいいとは意外でした。ゲストの今野英明さんと歌った「No Woman No Cry」もまたよかった。あえて難を言うならば、照れを笑いに変えてしまう永積さんのMCと、照れずに綴ったハナレグミの詩世界にギャップがあったけど、海の見える青空の下でそんなことはどうでもよかった。
 家に帰って「しりとり竜王戦」のビデオを見た。板尾創路と有野晋哉のバトルは壮絶。テーマ : 不健康な言葉「リリーの缶詰が大量にあるのだが、歯がない (板尾) 」。マヌケっぽい言葉「ノートルダム寺院のシール (板尾) 」、さみしげな言葉「岸辺四郎の娘です (有野) 」、「ビー玉を飲み込んだと嘘をつく (有野) 」。ベッドの中でひとりで笑った。

9月23日 音のある風景

AvexとSMEがCCCDを事実上廃止しましたね。表向きは「著作権侵害行為に対する啓発活動が一定の成果を収めた」ことになっているそうだけど、実際あんなデタラメな商品を持ち出したところで売り上げの低下を食い止めることなど出来なかったのだろう。それはCCCDが出てきた時から僕が言い続けてきたこと。つまり、CDが売れなくなったのはCDが魅力的な商品じゃなくなったからで、「違法コピーが音楽文化を衰退させた」なんて言ってるのは中間で搾取している人たちだ。iPodみたいな新しい音楽の楽しみ方を、本当は音楽業界が提案するべきだったと思う。
 今までのレコード会社の存在価値なんてなくなっていい。テレビや雑誌とレコード会社が結託してそれだけで売れる時代は終わった。バンザイ。

9月23日 僕らはもう若くない

旧友と過ごす日々。日曜日は夜になってT.N.から電話。宇田川町「魚や」にてちびちびと飲む。昔はよく長電話をしたものだけど久しくそういう機会もなくって、でも先月からこんなに頻繁に会ってるってことはお互い行き詰まっている証拠でしょうか。彼のブログも最近は頓に厭世的だし。でも表面上は、大雑把に女の子のこととかCCCDのこととか世間話をぽつりぽつり。彼が話題を振って、僕は気の利いたコメントも出来ずにただ相槌を打つ構図。やっぱり調子はよくない。

月曜日は母方の親戚で集まる。僕の伯父さんは「やっちゃん」というあだ名で、それが災いしたのかそっちの業界に進み、諸般の事情で長いこと雲隠れしていた。この日は20年ぶりぐらいにゆっくり話をした。
 やっちゃんはかつてはポルシェに乗っていて、スーパーカーブームの折それはそれは誇らしかったものだ。やくざってどんな仕事なのか知らなかったしな。子供好きでいちいち気が利いてる人でした。今は無職だそうで、どこのコンビニが不味いだの昼間のテレビはつまらないだの無職ばなしをした。

火曜日は京都に転職する友達と飲む。彼は僕の友達としては珍しくエリートコースを歩んでいて、話を聞けば聞くほどその真っ当さに圧倒された。本当なら社会人として最前線に出て行くべき世代なんだよな。彼と同じ道を歩むつもりはないけど、やっぱり焦る。
 まだコントミンがないと外出は難しい。激しい不安感とだるさと汗と震え。周りに余計な心配をかけたくないんで薬を飲んでしまう。若く麗しい指圧師のキャサリンには、まだコントミンの断薬を克服したとはいえないと言われてしまった。昨日・今日はなるだけ薬を減らしてタオルケットにうずくまり、うーん。

9月27日 Pocky & Rocky with Becky

ロンドンに留学していた森のクマさんが帰ってきて食事のお誘いを頂く。去年の暮れに一時帰国した時にも会っているので、およそ9ヶ月ぶり。彼とは学生時代、毎晩のように夕食を共にし、それはフリーター時代を経て僕が最初の就職をするまで続きました。1人の女の子を巡ってライバルになったこともあった。幸か不幸か2人とも振られてしまったけれど。その後もことあるごとに彼のアドバイスを受けて、だからこの2年間の彼の不在は大きかった。
 日本に帰ってきた印象は? 「最初は全てが素晴らしかったけどもう慣れちゃったなー。ポッキー旨い、とかそれぐらいですか」。

お土産にJohn Lennonタイプの帽子を貰った。実はJohn Lennonタイプの丸眼鏡も持っているので、次に出かける時はJohn Lennonの扮装をしようと思う。とはいえJohn Lennonは帽子コレクターであり眼鏡コレクターでもあったので、彼がこの組み合わせをしたかは不明。次は彼の新居にお邪魔する約束をしてバイバイ。

9月30日 さよならメールボックス

うーっ! パソコン歴14年目にして初めてメールボックスを消してしまった。凹むわー。バックアップCD-ROMやNorton UnEraseを駆使してもここ1年半分のメールは戻ってこなかった。昨日までに頂いたメールには全部返事を書いたんだけど、今日メールをして山下から返事が来ないという方は、大変申し訳ないけど今一度、今一度送り直してはくださるまいか。
 君やあなたから頂いた何度も読み返したいあの言葉は、デジタルの藻屑と化してしまった。基本動作としてこまめなバックアップを心掛け、有意義な2学期にしようではないか。