DIARY 2007年10月


10月3日 ターイムショック!

部屋の掃除にCDの消化、やりたいこといっぱいあったのにな。鬱に苦しみながら背中でテレビを聞いた。タイムショック。最近ゲーム番組で必ず泣く和田アキ子がまた泣いてました。彼女の芸能活動におけるゲームの位置付けがわからない。その和田軍団として登場した勝俣州和、お前はほんとは何軍団なんだ。欽ちゃんファミリーのようでいて一世風靡のようでいて、タモさんの横にもダウンタウンの横にもとんねるずの横にもウンナンの横にもいる。それから松尾貴史さんを今までずうっと「まつおたかふみ」だと思ってました。僕の名前も英語のskillだと思われてそうだけど (ほんとはsukiruなのよ) 。あと「磯野貴理」っていつまでたってもしっくりこない。改名した理由は「貴理のほうが語呂がいいと思ったから」。リズムセンスを疑う。
 久しぶりに実に無意味な日記が書けて満足! もう寝ます。万がいち役に立ってしまったらごめんなさい。

10月6日 死なないこと

きのうは秋山羊子@下北沢Loftを観てきました。もう何回行ってるんだって言われそうだけど、今の秋山さんはとってもチャレンジングで、本当に毎回毎回違うステージを観せてくれるんだ。即興音楽家だと思ってる。
 いままで色んな方と共演してるけど、共演者の方が皆さん仰るのが、「イントロからリハと違う」。その場の感性で産まれ出た音が、もう1人のプレイヤーを震わせて、そして観客に届く。ここ最近は、サポートプレイヤーと2人で演奏する機会が多いけど、もう1人、お客さんと3人で会話してる感じだと秋山さん。ほんとにそんなステージなんです。突然の静寂、ハッと息を飲んで次の爆発へ。そのダイナミズムと駆け引きの面白さに飲まれて、テーブルのもう一角に自分がいるような錯覚を覚える。この日はyuhkiさんのフリューゲルホルンとのデュオ。好サポートぶりに感激して、1曲ごとに握手してるのがおかしかった。

ここまで書いて常々思うのは、お客さんが少ないなあと。自慢じゃないけど、このサイトのPVはそれなりにある。なのに読者の方にお会いすることが殆どない。このサイトに馴染んでくださってる方なら、何を差し置いても観るべき。数年前に一度観たよ、とかアルバムは持ってて気に入ってるよって方にも、今の秋山羊子のポテンシャルを体感して欲しい。別にそれで僕に収入が入るわけじゃない。もったいなさすぎるんだ、僕ごときが独り占めしてるのが。
 この日の対バンは、秋山さんの活動を初期からご存知という寺田町さん。秋山さんを「天使が舞い降りてきて苦労してる感じ」と評した。音楽は男臭い激情フォークかと思いきや、黒っぽいベースや、バンドネオンまでも取り込む懐の深い音楽家だった。で、ロマンチストです。音楽を続ける上で一番大事なことは...死なないこと。極論。

10月8日 吐血

きのうはメールユニットおつかれっす+1で飲み会。メールユニットおつかれっすは、「授業中にメモ書いてくしゃくちゃぽいっ」感覚で実に4年半も文通を続けています。でも会うのは久しぶり。早速髪型について突っ込まれた。お喋りはあっちに転んだりこっちに転んだり、久しぶりに腹から笑った。函館土産にトラピストクッキーを頂きました。トラピストクッキーって清楚な修道女が丹誠込めて捏ねてるイメージあるけど、トラピスト修道院は男子だけで女子はトラピスチヌ修道院にいる。高校の修学旅行で北海道に行ってがっかりした。
 二次会はカラオケだ。みんな新曲はないと言いつつチャレンジングな選曲。知らないところは即興で作曲しつつ適当に歌った。これができるのもおつれっすならでは。

でだ。家に帰っておにぎりを食ったら猛烈に気持ち悪くなり、便器を抱えて座り込んだ。おえ。あれ、真っ赤なのが出たぞ。今日食べたキムチはこんなに赤くなかったはず。ひょっとして僕、吐血してる? 別にどこが痛いわけでもないんですが。病気に詳しい読者の方の愛を待つ。

10月10日 美少年としてのあたくし

金木犀の香りに包まれる昨今です。皆さん聞いてくれ。今朝の夢はすごかった。鏡にふっと写る自分を見たら、若い頃の松嶋菜々子を男の子にしたみたいな、大変な美少年だったの。それはとても心地いい感覚だった。現実の人生で自分がかっこいいと思ったことなんてないので、かっこいい人が自分をどう思ってるかわからなかった。彼らはあの素晴らしい感覚を常に味わっているのか。お前らも不細工の気持ちを思い知れ! という朝でした。
 いま久しぶりにクイズヘキサゴンを見てびっくりした。最初は番組名通り6角形に座った解答者が高度な駆け引きを繰り広げる見応えのある番組だったんだけど、いつの間にか普通のクイズバラエティになっちゃった。今や珍解答をあざ笑って、特に出来の悪い3人娘をアイドルとして売り出してる。「好きになったらヘキサゴン、チンプンカンプン」ってなんだよ。がっかり。紳助にがっかり。フジテレビにがっかり。

10月11日 ワイン作るとき、これ踏んでみようと最初に思った奴は誰だ

鬱。ブドウの通販番組を背中で聞きながら壁に向かって縮こまる。高枝切り鋏でブドウの収穫をする夢を見た。取ったブドウは足元のプールで早速つぶす。気持ちいい! でもこれは飲料を作る行程ではないね。
 豊岡真澄さんが結婚だってさー。皆さんに一番馴染みのある仕事は、初期の「虎ノ門」で井筒監督の隣で実に的確に映画を誉めていた手の短い女の子。その後、鉄道マニア (いわゆる鉄子) として開花して、CSで鉄道番組のレギュラーを一本、地上波では「タモリ倶楽部」の鉄道ネタに、岸田繁さんと一緒に呼ばれることが多かった。で、僕はこの子が好きだったんだよ。相手は10歳年上の会社員だって。京急の社員だったら夢も膨らむけどどうせ電通とかだろう。

10月13日 90cm

真黒毛ぼっくす主催、酔いどれ東京ダンスミュージック@青山月見ル君想フにいってきました。すごいイベントだった。まず登場したのが中川五郎 with 真黒毛ぼっくす女子部。全員女性のバンドで歌いたいと言ったのはStingだったか誰だったか、中川五郎さんが先に願いを叶えてしまった。ご機嫌な様子でくねくね踊りながら高らかに歌った。急逝したHonziさんとの思い出話も出てきた。
 続いて男女混合真黒毛ぼっくすをバックに杉林恭雄さん。今までの杉林さん with 真黒毛ぼっくすは、Qujila Dragon Orchestraトリビュートの様相で、それも泣けそうによかったんだけど、今回は真黒毛ぼっくすなりのスタイルを提示していたんじゃないか。杉林さんの音楽は、暗かった僕の青春の光です。全部一緒に歌った。「バースディ」「Dragon」「Kappa」「島の娘」「サボテン」の流れにノックダウン。シンプルな楽曲なのに聴かせるのは、杉林さんのグルーヴのせいだ。

そして本日のハコバン真黒毛ぼっくすのステージ。大槻ヒロノリさんはいつものように、椅子を蹴飛ばし酔拳のように身を揺らしながら不器用に歌い叫ぶ。その景色の鮮やかさに、息が詰まりそうになる。レフトフライがこぼれ落ちて僕らの夏が終わり、「あの娘のことが気になった、あの娘になにも言えなかった」。
 ここまで出てきたシンガーはみんな、女好きな男の純情を歌った。それが身にひしひしと迫ってきた。だって僕も純情だからね。サポートは渡辺勝さん。「僕の家」「センチメンタル通り」「夜は静か通り静か」をあの震える声で歌い上げた。ムーすごい迫力。

次はぐっと力が抜けたR-O-M-A 1/2。なんとウクレレ2本で2曲歌っておしまい。トリは斉藤哲夫さん。「今の君はピカピカに光って」を歌うわけがない。ギター弾き語りで数曲、渡辺勝さんをサポートに「悩み多き者よ」。今は何年だ。時代は変わっている。
 真黒毛ぼっくす + R-O-M-Aがバックに入って「Good Time Music」。そしてなんと杉林恭雄さんボーカルで「パレード」「Down Town」。オーラスは「歓びのダンス」。これがなくちゃ終われません。へっほっは! うちに帰ってCDに合わせて大声で歌った。大槻ヒロノリさんの音楽に対するスタンスは理想だな。

10月14日 鉄の人よ

今日10月14日は鉄道の日。新橋駅と横浜駅の間に日本で初めての鉄道が開通した日です。今年は大宮に鉄道博物館がオープンして、非常に行きたいんだけど、同行者がいない。
 今まではっきり書いたことはなかったけど、僕はかつて鉄の人でした。Nゲージのレイアウトに挑戦したこともある。でもやっぱり模型人だった亡父の器用さに遠く及ばずに挫折した。父はバルサを噛みちぎって崖に見立てて、木に竹を接ぐ大工事の末に渋くてかっこいい電気機関車を作り上げた。自慢の父です。名を祐一という。聞いてピンとくる方もいるかも知れない。「ハチミツとクローバー」の竹本の、やっぱり鉄人で模型人の亡父の名前が祐一なんだ。僕も父の背に鉄道を追いかけ、モノ作りを追いかけた。だから竹本に思い入れてたんだけど、彼の方が器用で芯が強かった。今でもホームに立つと、旅情とロマンにかられる。港町にロマンを感じるのとおんなじだ。

今日は母方の親戚の集まり。亡母の写真にロウソクを立て、もうすぐ4歳になる姪っ子から手紙を貰った。嬉しい。姪っ子が鉄子になる可能性は万にひとつもなさそうだ。あと、ブルートレインをブルトレって言うな。

10月17日 家族のような会社

17日、通院。先日の吐血事件について意見を聞いた。カラオケで喉を痛めたんでしょう、内蔵からの吐血だったらチョコレート色になるはず、とのこと。これからもお酒を飲んでいいんですね!
 というタイミングで、前に勤めていた会社の転居お披露目会。心のお父さん、お母さん、妹はこの人たちかも知れない。とにかく安心できるところ。ビールに始まり濁り酒、ワインと進んだ。濁り酒はこれで一升っていう壷を、半分以上飲んだ気がするね! おかしな会社にはおかしな人が集まる。懐かしい顔にわいわい。新人の気遣いにぺこぺこ。ここに帰るとそう悪くない人生だったと思える。人には恵まれてる。ありがたいことです。仕事はハードだったけどね! 写真は勤めてた頃、伊勢丹の写真館で撮った。人民服を着てるのが僕です。やせてるね。心のお母さんから中沢新一の「アースダイバー」を頂いた。東京古地図探訪家としては押さえておきたい1冊。

10月20日 トゥ! ニュー!

相変わらずジャスコに行ったりの週末らしい日常。パセリと万能ネギの種を買った。育てる自信なし! そろそろ鍋の季節だねってことで、今夜は豆乳鍋でした。しかし生まれ出ずる湯葉を、僕たちは捉えきれなかった。
 実に今さらながら、ニコ動おもしろいな。猫たちがそわそわしてるんでそろそろ寝るか。

10月21日 おひさまの居場所

mayuluca@下北沢mona recordsに行ってきました。お昼過ぎのランチつきライブ、寝坊して起きたままの格好で行ったら寒かった。着替えて裏道の猫にも挨拶してゆっくり行けばよかったな。
 着いたらmayulucaさん、「わー髪増えた」ってそれは語弊があるだろう。増えたんじゃない、伸びたのです。新曲攻勢で危うい感じ、とご本人が言う通り、コードを思いっきり間違える瞬間も。それで開き直ったか、新曲はどれも素敵でした。「おひさまの居場所」って曲が特に気に入った。私が死んだら紫陽花の下で樹木葬にしてくださいって。日記に書いておけば関係者の目に止まるかな。それにしても歌が気持ちよくすうっと入り込んでくる。トゥートゥパントゥー。mayulucaさん、チューニングを変えないJoni Mitchellなんじゃないかとふと思った。

10月24日 どうやらこのまんまな人

紅白の司会に長澤まさみちゃんが有力視されてます。僕はまさみちゃんのあごのたぽたぽになりたい。

夢を見た。僕の夢の半分は大学が舞台。それだけ知見が広がったし人間関係も広がった場所だったんだろう。みんなは僕が、大学で人の役に立たない研究をして一生を送ると思ってたし、実際院試にも合格していた。でも4年生の秋学期、何を勘違いしたが単位ギリギリで履修申告して、ある長文問題で合格点に2点届かずに留年。次の院試は3月末が締め切り。9月末までの卒業見込み証明書が必要だったんだけど、3月末までは今学期中に卒業する見込みが残っているので、9月末付けのは発行出来ないという。その次の院試はキャンパスで一番怖い面接官に当たってビビって玉砕。
 サラリーマン生活の末、病気で無職になってからも大学院に挑戦したことがある。最初のAO入試は失敗。知り合いの関係者から電話が来た。「今回は一般入試で受かりそうな人は取らなかったんだ」。一般入試、受かる気まんまんでいた。一次選考の作品審査は好評価。でもやっぱり面接で躓いた。今度は学長から電話がきた。「僕が花開いたのも30過ぎなんだよ」。あれから幾星霜、いまだに蕾の僕35歳です。ご清聴どうも。

10月26日 metrotron

metrotron recordsの20周年記念ライブ、Music from AUTREY@渋谷Qlub Quattroに行ってきました。metrotron recordsのロゴが入っていれば、全面の信頼を持って買いまくってた10代の僕。昇りのエレベーターに乗ろうとしたらオーイって長門芳郎さん。会場では、2chで僕と仲が悪いことになってるムネカタさんと遭遇。Music Magazine誌を引き裂いてやりました。
 ライブは意外にも政風会からスタート。20年前より遥かにタフになった直枝政広さんに、鈴木博文さんが寄り添うような形。続いても大御所The Suzuki。鈴木慶一さん、鈴木博文さん、武川雅寛さん、青木孝明さん、川口義之さん、夏秋文尚さん、というBest of metrotronな編成。このメンバーでFUJI ROCKに出たらまた評価も変わっただろうね。続いてまさかのGrand Fathers再編。これは知らされてなかっただけに嬉しい。一番未来を感じた。解散したバンドだけど。みんながそれぞれに充実した音楽活動を続けていて、肩の力が抜けた再編だからこそのゆとり。西村哲也さんの曲を2曲もやったのが印象的だった。青山さん、「僕は火の車」みたいなポップな曲をまた聴きたいな。

キャビア、マグロ、松茸の次にいんげんの胡麻和えが出て来てすみません、という加藤千晶さんはいやいや負けてないキーボード弾き歌いガールのお手本みたいな演奏。グリッサンドも嫌味なく、不協和音をガンガン鳴らしてファニーなボーカルとのギャップをとった。続いてMio Fou。「ゴッホの糸杉」「Pierrot Le Fou」でノックアウトです。時代が2周してPenguin Cafe Orchestraがアリになったいま、Mio Fouの環境ポップスが心地よく響いた。美尾洋乃さんのヴァイオリンは美しくも高らかだった。トリはカーネーション。3人組になってからのカーネーションを観るのは3度目だけど、サポートギターが入ったことで、直枝さんがソロを弾きだすとコード感が危うくなる感じは抑えられた。
 オーラスは博文さんが入って「Fence」、そして全員が登場。博文さんがギターを鳥羽修さんに渡すと、直枝さんが鳥羽さんにコードを教える微笑ましい一幕もあった。どうせならまた5人のカーネーションに戻って欲しいです! と無責任な願いを。

10月28日  (僕の) 青い車で海へ行こう

ドクター・コパが南の海と寺社仏閣がいいと言ったとか言わないとか、いや言ったらしいんですけどドクター・コパに言われるがままの僕はどうなのよと、僕はおまえのいかさまな風水に頼らずとも体で大地の気配を察知できるよと言いたい、それを証明してくれるひとは世界中にK.H.くんしかいないので、行ってきました江ノ島へ。僕の青い車で海へ行こう、おいてきた何かを見に行こう、スピッツの「さざなみCD」を聴きながら。大渋滞するかと思ったらこの季節はこの季節並みの混み方であった。第三京浜から横横道路、鶴岡八幡宮、そして134号線を西へ。
 江ノ島の駐車場に着いた時には気づかなかったんだよ、この駐車場のトラップに。

まずはiL Chanti Beacheで昼食。ウママママーッ! 観光地のイタリア料理店なんてどうなのと高を括っていたんだけど、実に美味でした。そんで新江ノ島水族館へ。相模湾水槽という大水槽は圧巻だった。でもショーアップされた新江ノ島水族館じゃなくて、昔の研究室然とした江ノ島水族館も好きだったよ。
 疲れてきたねー和田塚の無心庵にでも行くか! と江ノ電でGo。しかし無情にも無心庵は臨時休業。じゃあ鎌倉大仏に猫背の真似でもしに行こうかと再び江ノ電に乗ったんだけど、そのとき僕は気づいた。駐車場の門限が17時であると。大仏はスルーして江ノ島にとんぼがえり、ここ数年ないくらい走ってなんとか出庫できた。ガイドブックに「利用時間が過ぎると出庫が翌日になるので注意」って書いてあったんだ。で、なんとか帰ってきました。日本酒でカンパイ! 総括。アクシデントはあったけどトラブルはなくてよかったです。

10月30日 ハンプティ・ダンプティ、または本日の福田康夫

ダイエットが進まない。今日はなんとプールに行ってきました。半分以上は歩いてました。しかも明日はたらふく飲む予定。ダイエットは明日から。昔の人はいいこと言った。
 ところでプールから遠のいていたのには訳がある。プールにいつも、非常に太った人がいたのだ。人間の骨格のまま太ったというよりは卵に手足をつけたような、ハンプティ・ダンプティを思い出して頂ければ当たらずと言えど遠からず、いえいえ僕も決して人様の体型をとやかく言える資格はないんだけど、事実なんだから仕方がない。僕が行けば、ハンプティ氏は必ずそこにいた。つまり毎日プールに通ってもハンプティ氏はやせなかったのだ。

明日はたらふく飲んでもウォーキングに行くぞ。たぶん行くと思う。行くんじゃないかな。まちょっと以下略。
 写真は中指を立てて鼻をほじる本日の福田康夫氏です。日本は平和だなあ。