DIARY 2008年9月


9月3日 あなたとは違わない

秋の気配ですね。蝉の声が変わった。といっても昼間はあちくて夕方は雷雨で、日本は亜熱帯気候になったってずっと言ってたんだけど今はみんな言ってるから言わない。
 全国ののび太くんたちは宿題を終えたでしょうか。しずかちゃんがまだだったりしてな。「出来杉さーん」なんて。くーっ出来杉のやつ! 僕はスポーツも苦手だったけど勉強も苦手。っていうのは小学生の頃、勉強しなくてもテストが出来たんです。理科や算数なんてパズルみたいなもんで、問題用紙を見れば答えが浮かんだ。パズルが通用しなくなる中学で、僕は勉強の仕方というものを知らなかったんです。それから高校を卒業するまで、毎年留年会議にかけられてた。美術と地学と素行のよさでなんとか卒業にこぎつけた。大学は単位制なんで見事に留年しました。要するにしずかちゃん、宿題でも仕事でも、行き詰まったら投げ出せばいいんです。福田首相の最後の教えです。それより先にすることがあるでしょう。だって今日はドラちゃんのバースディ。

31日はLa CanaにてK.K.さんと飲んだ。La Canaのマスター、何度も拝見してるんだけど、やっとご挨拶ができました。イベントは10月12日 (日) なりそうです。いろいろ動き出したね。

9月4日 からたち野道

からたち野道
作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

赤い実にくちびる染めて空を見上げる
これ以上つらい日が来ませんようにと飛び石踏んだ
 からたち野道 花ふく小道 泣いたらだめよと虫の音小唄
 からたち野道 はるかな小道 あのひとのもとへと続く道
紅い血にくちびる噛んで空を見上げる
もう二度とつらい日が来ませんようにとまぶたを閉じた
 からたち野道 垣根の小道 泣いたらだめよと沢の音小唄
 からたち野道 はるかな あのひとの歌がきこえた道
 からたち野道 草笛小道 泣いたらだめよとなずなの小唄
 からたち野道 はるかな小道 あなたのもとへ駆けてゆきたい
 ひとりぼっちの陽だまり小道 いつも二人で歩いてた道
 こずえの花を摘みとりながら 泣きべそかいては困らせた春
 からたち野道 花ふく小道 泣いたらだめよと虫の音小唄
 からたち野道 あの日のままの あなたのもとへ駆けてゆきたい

いろいろ書きたいことはあるけど、書いても始まらない。むかしこの歌が好きだった女の子と何度もキスを交わした。彼女にとって僕が「あなた」だったのかはわからない。学校、ひょっとしたら辞めるかも知れません。ライブはやります。必ずやります。10月12日です。

9月6日 相合傘

5日は自分の身の回りで起きているショッキングな展開を聞いて凹んだ。これ以上つらい日が来ませんようにと...。あたり構わずカラオケのお誘いメールを出して、集まってくれた5人のうち4人がフジロッカー。やっぱりソウルメイトを作るならFUJI ROCKですね。空気読まずに歌いたいもん歌っていい日! って言ったらStyle Councilから四人囃子まで出てくる出てくる。全部ウェルカム。
 初めて一緒にカラオケたY.N.さんの英語の発音のよさにびっくり、そしてIさんのちっちゃな体から出る張りのある声と確かなピッチにまたびっくり。歌ってると気持ちよく的確にハモりを入れてくれます。ぶっつけでデュエットした「Slide」は、あとM.Y.さんを加えて3声のコーラスを練習すれば、クリスマスの余興ぐらいにはなるんでないか。散々プログレの人って言っちゃったS.K.さん、スーツで駆けつけてくれたI.Y.くん、みんなほんとにありがとね。元気出た。

今日は、はっぴいえんどは聴くくせにメンバーのソロアルバムを聴かない若者たちのために、Hosono Haruomi Samplerの構想を練った。どうしても4枚組になるなあ。でも全部名曲で揃えたる。
 夜からは、三木千夏@下北沢leteを観てきました。豊かな響きのギターワーク、そして喉で歌うロックとは違って肺の奥から天井にまでまっすぐ伸びるようなボーカルの表情。凛としたステージの中に時おり見せる笑顔は、大人の女性の可愛らしさに溢れててとっても素敵なシンガーです。「コーヒー・ブルース」歌ってました。渡さんが酒じゃなくてコーヒーを語るこの歌を僕は大好きで、女性が歌うとまた清々しくて照れくさい曲に変わる。三木千夏さん。まだ面識が浅いんで今回のイベントにはオファーしなかったけど、いつかご紹介したいミュージシャンです。帰りにすごい雨、相合傘どころか傘は売り切れ、ドブネズミのように云々。でも今は元気。

9月8日 細野晴臣さんとあーたくし

おじさんがまだ若かった頃は、細野晴臣さんと言えばYellow Magic Orchestraのリーダーで、そこからNon-Standard、Monado、YENを聴き、トロピカル3部作からはっぴいえんどに辿り着いたもんだけど、今の若者ははっぴいえんどという確固たるバンドを先に知ってしまうために、その後のメンバーのソロアルバムを追わない傾向にある。これは非常に、非ー常にもったいない。というわけでおじさんが若者のために作りました。Hosono Haruomi Sampler CDを。その偉大なる業績をまとめたらCD4枚になってしまった。これをタダで差し上げようっていうんだから太っ腹じゃないの。住所をメールしてください。ここから先の音楽の冒険は各自で。どこまでも潜っていけるよ。
 選曲についてはいろいろと異論はあるでしょう。でも頑張って選んだ。誰も待ってないのに徹夜で作った。これが細野さんへの愛です。若者じゃない方からの注文もお待ちしております。

9月9日 かっこいいフライヤー!

10月12日のライヴイベントに向けて、準備は着々と進んでおります。ぜったいいいものになる。損はさせない。ぜひ予約してください。下記アドレスに、タイトルを「ライブ予約 10月12日分」とし、ご予約人数、お名前、ご連絡先住所、電話番号をご記入の上、ご送信下さい。早くしないと埋まっちゃうよーん。
受付アドレス:lacana1980@mac.com
 でだ。フライヤーを作ることになった。自分がフライヤーを集めるにあたって何を重視するかっていうと、もちろん出演者の名前も大事だけど、やっぱりかっこよくて目を引くフライヤーは手に取るよね。ってことでプロにデザインをお願いした。そしたらとんでもなくかっこいいフライヤーが出来てきました! ファイル見て、手を叩いて大喜び。こちらのイメージを100%伝えて、200%の回答を得た感じ。これから配りまくります。街でみかけたら、「なんてかっこいいフライヤーだろう!」「メンバーも豪華だ!」「これは面白いに違いない!」「あなたも行きますよね!」って知らない人にガンガン薦めちゃってください。

Hosono Haruomi Sampler、全曲紹介を書き上げました。もう勢いが止まらない。

9月10日 その後の細野晴臣さんとあーたくし

はっぴいえんどしか聴いてない若者たちに捧げるHosono Haruomi Sampler CD4枚組、やっとライナーノートが完成しました。2万字! いまんとこ注文が25件来ています。ってことは100枚焼くのか! 届くのはだいぶ先になっちゃうと思うけど、充実した内容なので楽しみに待っていてください。気に入る気に入らないは個人の好みなんでしかたがない。とにかくこういう音楽家がいることを一人でも多くの人に知って欲しいんだ。それに細野さんの音楽にはほんとに色んな要素が散りばめられているので、これから音楽の冒険をするにあたっていい入口になると思います。
 それからお礼を、とか郵送料はこちらで負担します、とか言ってくださる方がたくさんいらっしゃいましたが、個人の趣味の範囲を越えちゃうとなにかとまずい。フライヤーを同封しますので、お礼は私主催のライブイベント「FLIP SIDE of the music business」に来て頂くこと、にしたいと思います。疲れたー寝ます。今日は部屋の掃除とジャジャスコジャスコに行くつもりだったんだけどな。明日できることは今日やらない。

9月11日 THAT LUCKY OLD SUN

Hosono Haruomi Samplerから解放されて、久しぶりに細野さん以外の音楽を聴きました。Brian Wilsonの新譜「THAT LUCKY OLD SUN」。またじいさんの音楽かと思われるかも知れない。でも自分ではフレキシブルなリスナーだと思っているのよ。
 でだ、この「THAT LUCKY OLD SUN」、いいんじゃないかと! 新曲でも「SMiLE」が作れちゃうんだよ、しかもポップにダイナミックに! っていうBrianの絶好調ぶりが伝わってきた。今までのソロアルバム、どこかしら残念な部分があった。あの「SMiLE」だって、伝説のプレッシャーをはねのけて素晴らしいアルバムに仕上がってたけど、曲は1966年に書かれたものだったし。やっぱり焼き直しだった「GETTIN IN OVER MY HEAD」を聴いて、今のBrianの作曲能力に疑問を持ってた訳です。それを見事に払拭してくれた。「SMiLE」がアメリカに対する愛憎溢れるオマージュだったとすると、この「THAT LUCKY OLD SUN」は彼が生まれ育ったカリフォルニアへのオマージュであり、彼自身の半生記でもある。
At 25 I turned out the light
Cause I couldn't handle the glare in my tired eyes
But now I'm back, drawing shades of kind blue skies

プロデュースはもちろんBrian自身、Scott BennetとDarian Sahahnajaが好サポートをしている。エンジニアはMark Linett。作詞にVan Dyke Parksも関わっている。もう最強の布陣ではないかと。一生聴けるアルバムに出会った。

ただ残念なのは、Beach Boys及びBrian Wilsonが女の子にウケないという事実だ。僕は20年近く彼のファンをやっていて女の子に散々聴かせてきたんだけど、佐藤伸治のファルセットはいいのにBrian Wilsonのファルセットはそんなにキモいかと! やっぱりナード臭がするんでしょうね。まずは「Sunflower」を聴いてください。

9月12日 手をつなごう

最近老猫クリマロとネモ (15歳) がすごく甘えるのぅ。撫でて撫でて。僕も僕も。どうしたんだろう。そろそろお迎えが来るんだろうか。人って死ぬと猫が三途の川を渡してくれるんだって。クリマロとネモが「にゃあ」って迎えに来てくれたら最高だ。メイが迎えに来てくれてもいいんだよ。どうせならみんなで来い。天国で楽しく暮らそうぜ。生まれかわったら猫になって僕に飼われたい。写真はクリマロ。肉球を触ったらぎゅうって握り返してくるの。
 Hosono Haruomi Samplerのライナーノートを印刷しています。発送はライブのフライヤーができる来週以降になると思います。前述の通り、お礼がしたいと仰る方は、関東圏なら僕主催のライブイベントに来ること。遠い方は感想文を書くこと。

9月13日 私は歌う、君は踊れよ

mayuluca@池ノ上Babtailに行ってきました。自分のイベントの宣伝も兼ねて、フライヤーを持って。
 mayulucaさんのライブを見るのは久しぶり。やっぱり素晴らしいミュージシャンです。最初見た時からピンと来て、だからここまで追っかけてる訳だけど、その後どこかで作曲能力の爆発があったと思う。新しい歌がどれもいい。今度出るアルバムが楽しみです。あのギターの使い方やスキャットのアイデアはどこから出てくるんだろう。いい意味で自然なスタンスですね。人前に立って自作の歌を歌うなんて、現代日本において自然な行為ではないし、たぶん緊張もしてるんだろうけど、普通に喋ってるのと同じテンションでさらっと歌う。私うまいでしょっていうポーズがないだけ、するっと心に入ってくるんです。自己プロデュース力があるんだ。そんであの海獣みたいな歌い方。譜面にするとスラーだらけじゃないかな。西洋音階で表しきれない微妙な音程がすごく新鮮なの。

9月15日 間違ってますよ、石原さん

間違ってますよ、石原さん! いろんな意味で。やっぱり右を向きたいのか。

きのうはHosono Haruomi Samplerを配布するという言い訳を用意して昼間からカラオケ。Iさん、課題曲はまだまだ練習の余地があるね。ご結婚おめでとうね。Y.N.さん、朝までおつきあいありがとうね、あなたいい人だね。N氏、すてきな片想いトークありがとう。「きのう食事したんでしょ、ならお礼のメール出せ! Just Now!」なんて楽しませて頂きました。成就するとよい。そして僕は...オザケンバージョンで歌います。

しらけちまうぜ
作詞:松本隆
作曲:細野晴臣

小粋に別れようさよならベイビイ振り向かないで
彼氏が待ってるぜいきなよベイビイ早く消えろよ
 涙は苦手だよ泣いたらもとももくあみしらけちまうぜ
 いつでも傷だらけ愛だの恋は今さらしらけちまうぜ
そんなに切なく見るなよベイビイ情がうつるよ
センチは似合わない泣きべそベイビイ甘えちゃだめさ
 ひとりは慣れてるさなぐさめなんかいるかよしらけちまうぜ
いつでも微笑みをありがとうベイビイ倖だった
僕なら肩すくめ帰るさベイビイ口笛吹いて
 涙は苦手だよ泣いたらもとのもくあみしらけちまうぜ

9月17日 夏の階段にうずくまるのはもうやだよ

きのうは大変お騒がせしました。全部書くね。僕には夏まで彼女がいて、9年間も鬱病のまま独りで放置されていた僕を、社会復帰一歩手前までひきあげてくれました。でもうちは尋常でない家庭環境で、僕の唯一の肉親である弟に脅されて別れてしまった。
 別に嫌いあって別れた訳じゃないんでSkypeとかで連絡は取り合ってて、いつかもう一度やり直せる日が来るんじゃないかと思ってました。でもダメなことが明らかになって、みんなに相談のメールとか憂さ晴らしに飲みませんかメールを送ったんだけど見事に返信ゼロ。それで気分が落ち込んじゃったんだ。元凶である弟に電話してみた。彼の非常に攻撃的な発言を聞いて、3億の借金を背負っているのに往年の山下家を演じる態度を知って、僕はこのうちにいることに酷く絶望したのです。地道に働いて、わずかなお小遣いで丁寧にCDを選ぶ、そんな生活がしたい。弟とは婆さんが死ぬまでもう会わないだろう。

さて自殺するに当たって猫のことだけが気がかりで、母方の叔母にお願いの電話をかけた。そうしたら夜中なのに従姉妹とか集まって、話し相手になったりご飯を食べさせてくれました。そういえば朝から何も食べてなかった。お陰でなんとか正気を取り戻しました。電話やメールや留守電をくださった皆さん、ありがとうございます。もう50件くらい来てたんでお礼のしようがない。明日から少しずつ書いていきます。きのうの日記と皆さんにから頂いたコメントは保存して、ここからは削除しますね。

9月18日 愛がなくちゃね

愛がなくちゃね
作詞:矢野顕子, Peter Barakan
作曲:矢野顕子

どんなことから始まるのかしら?
愛だの恋だのそんなようなもの
みんな夢中そればかり 恋人がいないと仲間はずれ
みんな毎日おなじこと話す 同じ服きて同じテレビみて
やさしそうな男の子甘いささやき
うらやましくないわけじゃないけど
目のまえごちそう並ぶ ここががまんのしどころ
 So you've got to know there must be love
 やっぱり愛がなくちゃね
The only time you come around is when things are wrong
Is it just shoulder that you want from me to cry on
It's like two people in a forest walking hand in hand
Talking very little familiar story
You're just playing, I don't want to lose the real thing
You're so slow, How long do I have to wait
 So you've got to know there must be love
 やっぱり愛がなくちゃね

どんなことから始まるのかしら? 愛だの恋だのそんなようなもの。今までの少ない経験から鑑みるに、やっぱりばらばらだし偶然の出会いなんですよね。学生時代はせまい部屋に同世代の男女が毎日通ってる訳だから、クラスメートとつきあうなんてこともあるだろうし、銀行員は自分のデスクから5メートル以内の人と結婚するそうだ。でも僕は銀行員でも学生でもないない。
 もうすぐ暗やみの終わりが見えていて、「最後は誰の手も借りずに自分でくぐり抜けろよ」と神様が言ってるのかもしれないけど。おとといの騒動はその試練だったのかもしれないけど。毎朝誰かとオフネットで「オハヨウ」って言うことが、その日の気分をどれだけ明るくするか、僕は知ってしまったんだ。...でもやっぱり愛がなくちゃね。

9月19日 LIVE LET LIVE

Hector Zazou、Rick Wright、野田凪さん、市川準さん。訃報が続く。僕があのとき死ななくてよかったと思う。思えるようなイベントをやりたい。
 完成したフライヤーが届きました。まずはメンバーに郵送。それからHosono Haruomi Samplerを注文してくださったみなさんにも、関東在住の方には5枚、地方在住の方には1枚同封してさきほど発送しました。フライヤーを同封したのは、さばききれないほど刷ってしまったってのもあるけど、関東在住の方はお誘い合わせの上、地方在住の方はたまたまその日東京に行くお友達に来て頂ければという意味ですよ! 自慢じゃあるけど、予約のペースがかなりいい。当日券目当てだと入れないかもよ。

9月20日 Brian Wilsonとあーたくし

ひがな1日Brian Wilsonの「THAT LUCKY OLD SUN」を聴いてます。Perfumeブームの次にこれが来るとはね。もう最高です。僕はBrian Wilsonの大ファンだけど、ファン心理で言ってるんじゃない。好きなミュージシャンの新作がいまいちだったらそう書くし、ライブがいまいちだったら本人に「残念だったね」って言っちゃうよ (もちろん人は選ぶよ) 。
 「THAT LUCKY OLD SUN」どうよ、これを待ってたのよ。いやこんなに凄いものが出てくるなんて想像もつかなかったのよ。堂々の組曲で、それはカリフォルニアへのオマージュのように見えて、人がトンネルから抜け出る瞬間を捉えたアルバムだ。
Lost in the dark, no shades of gray
Until I found midnight's another day
暗闇に取り残された僕には薄い影さえなかった
それが明日につながる真夜中だと知るまでは
(対訳:宮治ひろみ)

これファンじゃない人が聴いたらどう思うのかな。やっぱり奇妙な音楽かな。Hosono Haruomi Samplerの次に、The Beach Boys Samplerを作ったらみんな聴いてくれるかな。ソロの名曲も含めて。ぽくぽくぽくぽく (考えてます) ちーん (考えつきました) 。5枚組になっちゃう。前にも書いたけどBeach Boysって女の子ウケが悪いのだよね、頑張って作ってがっかりされたらなあとも思うんだけど。それよりもみんなに知って欲しい気持ちが強い。どうだろう。

9月21日 苗場に帰りたい

きのうはN氏がうちのCDプレイヤーを直しに来てくれるという。そんでタイミングよくY.N.さんが、BSでやった今年のFUJI ROCKの番組をDVDに焼いてきてくれるという。最近Y.N.さんがやたら日記に出てきますが、恋愛とかそういうのじゃありませんので。今年のFUJI ROCKはY.N.さんはじめ、ほんとに気の合うメンバーが集まったと思う。そしたらY.N.さん、すごいことに気づいた。「N氏の誕生日の翌日ですよ!」。N氏とは23年の付き合いになるけど、そういえば誕生日を祝った記憶はない。N氏は何をどうしたのか、CDプレイヤーを見事に直し、いよいよケーキの登場。サプライズ。いやーおかしかった。
 そんでFUJI ROCKのDVDを観た。最初のカット、シャトルバスです! これ作った人FUJI ROCKわかってるなあ。「苗場に帰りたい」って3人で悶絶。 最初に登場するバンドがRodorigo y Gabrielaっていうのも渋い。メキシコの山弦です。こういうバンドをロックフェスに呼んじゃうSmashも凄いし、受け入れて盛り上がるフジロッカーの音楽的許容範囲の広さには毎度ながら感心した。夜中の3時にT.P.さんが合流。久しぶりにゆっくりお喋りできた。

9月22日 細野さんPerfumeを聴く

今日は寒かったですね。基本的に夏より冬の方が好きなんだ。身が引き締まるし、「あったまる」っていう喜びがあるからね。でも今日の寒さはずんときた。午後の予定を全てキャンセルしました。猫たちも寒かった様子。寝ているネモの上にメイが乗っかってムギャー! でもあったかいから一緒に寝るか。
 細野さんPerfumeを聴く。「Pefumeから曲の依頼があってね、お断りしちゃったんだけど。彼女たち凄いらしいね、凄いものには近寄らないようにしてるんだ。ポケモンからも来たもんね。Perfumeって僕ちゃんと聴いたことないんだよね」。感想。「ははーんBugglesだね。悪くないよ。懐かしいな」。政治的な事情で新曲の「Love The World」を聴かせたんだろうけど、もっと腰のある「チョコレイト・ディスコ」やハードな「GAME」あたりの感想も聞きたかった。実は細野さん、少女隊を使ってPerfumeみたいなことをしてます。86年の「Siam Paradise」って曲。PrinceをバックにPerfumeが歌ってるみたいな。これをPerfumeオタが聴いてどう思うか興味がある。

9月23日 音楽の海、その愛

きのうの日記にパフュオタからコメントがつきまして、細野って人はPerfumeを知らないなんてださいよね、もうおじいちゃんだし引退したらって。この人にとってPerfumeこそが世界の中心にあり、周りは滝になって亀が支えてるんですね。僕、なんか特定のオタって大嫌いで。色んなもののオタなら面白いんです。これだけってのがいや。Beach BoysオタもYMOオタも山下達郎オタも嫌い。
 逆に「なんでも聴きます!」って人もどうかと思う。音楽の海は、探っていけばいくほどに果てしなく深くて広い。僕なんか浅瀬でちゃぽちゃぽやってるようなもんで、でも想像もつかないくらい深くて広いんだろうなっていう畏怖の念があります。その浅瀬にだって、好きな音楽と嫌いな音楽がある。全貌は神様にしかわかんない。「なんでも聴きます!」って人は、「私は神であるぞ」って言い放ちながら、実際覗き込んでるのは潮溜まりだったりする。海の存在にすら気づいてない。

という訳で、今日は異常に視野が広いK.K.さんと明るい時間から飲んだ。僕が持ってるのがゴーグルだとすると、この人は潜水艦持ってる。もちろん潜水艦にも入れないところがある。彼女はそれを充分に承知してる。アメリカで制作されたロックのドキュメントをブリティッシュ・インベンションからワイト島まで。Y.N.さんとT.P.さんも合流して、Kinks、Procol Harum、XTC、They Might Be Giants。もちろんK.K.さんにはロック以外の引き出しもものすごーくある。
 リバプール旅行中のマユコからお手紙ついた。「Sgt.Pepper's」の絵はがきをPenny Laneの郵便局から! 思いっきり手を振るニャーのイラストがマユコらしい。あー僕も本場でポップス聴きたいな。呼び屋さんが呼んでくる音楽を受け入れてるだけじゃダメだ。

9月25日 テレビが欲しい件

今日は整体に行ってきました。痩せたねーこれはやりがいがあるって誉められた。しまったフライヤー持ってくの忘れた、と思ったら先生のフライヤーを3枚も頂いてしまいました。先生本業はミュージシャンなのです。

ところで、最近あの芸人みないなとか、あの人も一発屋だったなって思うことがよくある。なんでか。彼らがテレビにでなくなったんじゃなくて、僕がテレビを観なくなったんだ。前に勤めてた会社に、2人の優秀な先輩がいました。1人はKさん。バックパッカーの走りで音楽好きで、マザー・テレサの修道院にいたこともある。あまりにも帰ってこないので、インド、マザー・テレサ様方K様、って手紙を出したら届いたそうだ。もう1人はYさん。昔は誰でも知ってる大手企業に勤めてて、生真面目でしょっぱい仕事でもはいはい引き受ける。2人が企画書を書くとどっちが面白いか。Yさんなんですね。Yさんにはお嬢さんがいて、一緒にテレビを観て時代の空気を掴んでいる。なんだかんだ言ってテレビは強い。
 というわけで。14型ぐらいのテレビが押し入れに眠っている方いらっしゃいませんか! 地デジなんて対応してなくていいの。ぜひください。というお願いの日記でした。

9月26日 ちっぽけ

きのうからポツポツと届くネガティヴなメール。相手が混乱してるのもわかるけど、1通1通がボディブローのように響く。今朝の9時に来たメールでベッドに撃沈。こないだみたいに大騒ぎしないで、誰にも気づかれずに死のうと思ったんだけど、小指を動かす気力もなくて断念しました。

それから5時間後、JBのように起き上がって、よくして頂いてるドッグランの会社に行った。こないだ約束をキャンセルしたの、日記読んで鬱が原因ってばれちゃったみたい。「ちっぽけに楽しく生きていこうよ、波に飲まれた時一番大切なのは、「上」がどっちか見極めることだよ」。音楽にも造詣がある方なので、12日のライブの話をしたら、「ビデオ録りに行くよ」って。本業は結婚式やファッションショーの映像を作ってる会社なんです。「音楽事務所作ってレーベル立ち上げて、彼女ら売り込んでいこうよ」。えーっ! 音楽で食べてくつもりはないっていつも言ってるんだけど、この人とだったらうまくいきそうな気もするんだよね。音楽事務所ってどういう仕組みなのかなんて全くわかってませんけど。「avex目指す訳じゃないんだしさ、地道にやってれば届く人には届くよ」。

明日から学校に復学です。怒濤の犬日記が始まります。レモンに会うのは楽しみだけど、体力的にも精神的にもついていけるか不安だ。果たして「上」は犬なのか音楽なのか。

9月27日 愛は永遠じゃない

きのうはそんな訳で、今日からなんとか学校に復学しました。もうしんどくてね、頓服薬飲んで、ユンケル飲んで、ビール飲んで行った。担当犬のビーグル、レモンに会えると思って頑張った。休学して下の学年に編入ってことになるので、落第生みたいなもんで僕だけクラスメートを知らないのが辛い。今日はガイダンスだったんだけど、へーこの学校ってそういうシステムだったのか。いままでなんのつもりで通ってたのか。そして犬舎で担当犬とご対面。みんなは出会いの感動。僕はレモンと再会の感動。レモンー! あれ? レモンー! おや? 僕ですよ! 担当の山下です!

レモンは僕を忘れていた。

こうして人は愛する人やものやことを忘れていくんだろうか。お気に入りのおもちゃやおやつを持っていけば思い出してくれるのかな。でもそれは、おもちゃやおやつへの愛だよな。
 むしゃくしゃしたので (流行語) 、レモンの写真じゃなくてうちの猫の写真を貼ります。にゃあはいい。人のこと覚えてるし!

9月28日 オータム町

オータム町にロマンは沈む。めっきり寒くなりましたね。
 今日はLinus Of Hollywoodのライブに行く予定だったんだけどどうしても外出できなかった。楽しみにしてたのにな。FUJI ROCKで来日した時も観損ねたんだよ。最後に観たのはいつだっけな。家から片道30分の楽しいイベントに行けないようじゃ、片道1時間半の辛い実習に行けるか甚だ疑問だ。明日はジャジャスコジャスコに行かなくちゃ、にゃあのごはんと砂が尽きた。という訳で今日は、需要のないThe Beach Boys Samplerをこつこつと作ってました。Brian以外のソロ作品を集めたvol.5がほぼ完成した。BruceやDennisのソロ作品は何度もCD化されてるけど、CarlやMikeのアルバムはなんであんなに評価が低いのか。続いてBrian Wilson編の選曲にとりかかっているんだけど...かなりシビアに選んだつもりでも52曲3.8時間になっちゃった。ここからどう絞り込むかだなあ。

9月29日 36年かけて学んだこと

そうか、ベッドでおせんべ食べちゃいけないんだな。僕は学んだ。パジャマの袖から裾からちくちくちくちく。寒かったんでにゃあの密着度が凄くて逆にあちーよ! 扇風機をつけて寝ました。そんで夢を見た。宇田川町の交番からノアビルあたりまで、再開発されてでっかいビルになってるの。中はABCと六本木WAVEが21世紀っぽくなったようなお店で、面白いもんがいっぱい置いてあった。で、ハチクロテイストの服を売っていた。メンズもあった。欲しい! 積極的に服を着たいと思ったのは初めて。夢の中でさえも。
 今日はジャジャスコジャスコに行けず、にゃあにはコンビニのキャットフードで我慢してもらいました。災害の時や病気の時に、与えられたキャットフードを食べられるように、普段からいろいろ違ったフードを与えた方がいいんだって。それからまだ800枚くらい残ってるフライヤー。2週間後にはただの紙切れになる。早くLa Canaに置いてもらわなきゃ。

9月30日 スキルはチラシ撒く、ヘイヘイホー

「チラシ寿司なら寿司太郎」とかけて日本のGod of Soul、北島三郎に捧げてるような捧げてないような。捧げてないな。捧げてないです! 雨の中、頑張ってフライヤー配りに行きました。わたし偉い。偉いわたし。置いてきたのは渋谷多作さん、四谷天窓さん、恵比寿天窓.switchさん。前に置かせて頂いた、池ノ上Bobtailさん、下北沢mona recordsさん。皆さんがっつり取って、お友達に配ってお誘い合わせの上ご来場ください。
 それにしてもライブハウスの皆さん、ちょっとお手伝いしたところは「スキルさんですよねえ」って声をかけてくださって、顔と名前を一致させる才能がないと音楽業界ではやっていけないのかなって思いました。最後に配りに行ったのは会場になる下北沢La Canaさん。「うちと関係ないフライヤーは置く場所ないんでごめんなさい」「こちらでやらせて頂くイベントです」「なんだ山本くんか」「山下です」よっしゃいける! La Canaと言えばこの人、今回の影の主催者であるK.K.さんをお呼び立てして飲んだ。ダイエットは明日から! ご飯もお酒も美味しいのよこのお店。ぜひ来てね。