DIARY 2009年6月

6月1日　スポーツポン

■ 京都教育大で強姦だって。容疑者は陸上部、アメフト部、サッカー部、ハンドボール部。6人のうち5人は「合意の上だった」って容疑を否認してるんだって。もうアホかと。6Ｐを望んで7Ｐを望まない境界線があるのかと。こういう事件起こすのって大抵体育会ですよね。エロゲ取り締まってる暇があったらスポーツを取り締まってはどうか。
　今はどうか知らないけど、僕が学生時代の体育教育って軍隊教育の延長だった。例えば南京大虐殺の被害者数についてはおおいに疑問があるけれど、日本軍が「スポーツとして」中国人の速切り競争をやってたのは事実なんです。当時の日本の新聞にちゃんと載ってる。なのにチヤホヤされるのは軍人もスポーツマンも一緒。体育教育をちゃんと見直した方がいいです。それまではスポーツ禁止。日本は軍隊もスポーツ選手も持ちません。京都教育大もどうかしてる。6人の処分は停学止まりだって。教育者を育てる大学でしょう。速攻退学の上、去勢だ。

■ 話が変わらないようで大きく変わるけど、マリエが1日5回セックスしてるって話には笑いました。女性は大丈夫なのかなあ。男性はどんなに若くても無理と思うよ。1日5人としてるのかなあ。

6月2日　ぐぐ

■ これかわいくない? 縦横比いじってないよ。オオミミトビネズミ。絶滅危惧種だそうです。ピカチュー!
　僕の趣味はググること。日記のネタに使ってる写真もググって無断使用...デジカメ持って世界中を飛び回ってます! いい話を見つけました。「連れ去られて27年間行方不明になっていた息子の名前をググって発見、感動の再会を果たす」。イギリスとハンガリーで生き別れになっていた親子が、Googleで名前を発見して再会したんだそうです。お互い言葉が通じなかったんで翻訳ソフトを使ってコミュニケーション取ったんだって。僕の本名でググってみた。ペンネームを頂戴する前の恥ずかしい記事がどばっと出てきた。消してくれ。25年前に死に別れた父親の名前でググってみた。今日の晩ごはんブログをつけてた。もう少し体にいいもん食べろ。未来の嫁をググってみた。出てこなかった。

6月3日　お前は既に唇が荒れている

■ 僕はいつも唇が荒れている。貧相この上ない。栄養バランスが悪いのかな。コンビニ弁当ばっかり食べてるからかな。きのう近所にできた食堂に初めて行ったんですが、入り口のメニューを見てすごすご帰ってきました。その価格設定で食堂を名乗るな。うちの周り、普通に入れるご飯屋さんがないんです。料理、やろうかな。
　日刊ゲンダイがまたとんちんかんな記事を出してます。「異様な仏像ブーム 生みの親は不景気だった」。「原因は不安感です」と言うのは明大講師の関修氏 (心理学) だ。人は不景気や年金問題などの『予期不安』におびえている。そのため過去の芸術品に目を向け、昔はよかったと思うことで安心感を得るのです」。アホかと。ほかの過去の芸術品もブームになってるかよ。仏像ブーム生みの親はみうらじゅんさんに決まってます。坂本龍一もとんちんかんなこと言ってます。「音楽が向こうからやって来た」「自分はドビュッシーの生まれ変わり」。あなたの音楽はあなたが思うほど面白くない。

■ エコノミーファウンテン (写真) 欲しいな。犬猫用の浄水器です。オス猫は腎臓の病気になりやすいんで、きれいな水をいっぱい飲むといい。

追記： 関修は有名な似非学者みたいです。ゲンダイがよくコメントを求めているようだ。どういう根拠で人選してるのかな。学者は一度なっちゃえば楽だ。僕の出身学部にも小此木啓吾とか井関利明とか奥出直人とか川勝久とか気違いがいっぱいいた。

6月3日　Double Famousに何があったのか

■ Double Famousから青柳拓次さん、栗林慧さん、畠山美由紀さん、民さんが脱退ってそれはもうDouble Famousじゃないでしょう。そもそも青柳拓次さんと栗林慧さんがFamous社のウクレレを買ったことからバンドが始まった訳で、畠山美由紀さんの参加で注目を集めて、民さんはライブの華だった。大好きなバンドだけに残念です。デビューアルバム「Esperanto」は心のBEST 100に入る名盤です。もうオフィシャルサイトの写真から4人が消えてる。もうすぐ削除されるだろう青柳拓次さんのバンド紹介を勝手に転載します。
　「こんな経緯だ。どこの都市にも僕が歩き回る素晴らしいセレクションのレコードショップが何軒かある。過去にはもっと素晴らしいことに、自分が必要としているレコードに対して、来店している客は興味を示していなかったため、それらは棚の下のダンボールに (10枚まとめていくら) ということになっていた。僕とSENは (DOUBLE FAMOUS最初のベース弾き) は、そこから安値で手に入れたレコードを持って、91年頃から、[ZOO]というクラブで繰り返しかけた。そこでブートレック紛いのカリブ、アフリカ大陸、中南米音楽をコンパイルしたテープを作って売ってたりもしていた。時を同じくしてウクレレデュオが大学の教室を歩き回りながら謡い始め、何ヶ月後には8人編成になっていた。これがDOUBLE FAMOUSの原形である。構成員の過去には、アフロバンド、スカオーケストラ、REGGAE MC、JAZZ COMBOがあった。まずとにかくいろいろな国のダンスホール楽団 (僕らの初期はそういった街の楽団を目指していた) の曲や民謡を、全然違った楽器編成とアレンジで、少しずつレパートリーにして[ZOO]で演奏していった。丁度それは新しい人種を創造するように。最終的にDIVA (歌姫) が加入してからのグループ活動は、[ZOO-BRILLIANT COLORS]のDJと共に、[SIGN-OFF AT ELECTORONIC CAFE]-SEN主催-に活動の場を動かした。そこで様々なアーティスト同士が交流をするようになる。その頃の僕らの周辺の動きを伝えるドキュメントとしてCD[SIGN OFF FROM AMADEUS]-MIDI CREATIVEがある。それからあらゆる会場で、50人から800人位の人々を前に演奏した。自作の曲もどんどん増え、膨れ上がったレパートリーを選んで録音するまでに、最終的に5年の歳月がかかってしまった。そして、それはメンバーがレコード屋を探し歩いても、見つからなかったレコードになった。人体を構成しエネルギーを司る食物を、僕らは音を聴き漁るように貧欲に摂取している。そして、マインドや精神より先に、細胞は世界の料理によって、新しい人種に変化している。」

6月4日　酔いどれ東京ダンスミュージック

■ 京都教育大のレイプ事件の容疑者が停学中に学童指導員をやってたんだって。親が市教育青少年課長で、自分で面接して採用したんだって。アーホーか! 親子揃って地獄へ堕ちろ。

■ 普段 独女通信の記事なんて読まないんだけど、気になったのがあるんで紹介しますね。「飲まない若手男子に何を思う」若い友達は多いけど、そういえば酔うまで飲む人ってあんまりいません。
　記事には書いてないけど世界的に20代のお酒の消費量って減ってるんだって。ロンドンのおじさんは「あいつらはケミカルとはっぱをやってるんだ」って冗談を言ってるそうだ。で、この記事に対するリアクション見たら若い皆さん非常にヒステリックで、「飲まなくて何が悪い」「酒なんかジジババの飲み物だ」「ムカつく」「ゴミクズ」そこまで言わなくても。たまには酔っ払ってみるのも楽しいですよ。僕もタバコと辛いものが苦手で、強要されたりマナーが悪かったりするとムッとする。カーナ・ピーナ! 屈辱の呪文です。

6月5日　雨、それはレイン

■ おととしだったか、近所で起きた殺人事件でぼく犯人のヘルメットを発見しちゃったんですよ。犯人がいまだに捕まってないらしくて、なんでか知らないけど今さら指紋を取られるらしいよ。別にいいですけど。初動捜査が酷すぎる。おまわりさんに「ヘルメット見つけました」って言ったらああこれかって手に取ったの。えっ現場保持は? 夕方になって「落ちてたのこの辺でしたかね」って置きなおして、僕がここで発見しましたって指差してる写真を捏造された。で、隣のばあさんに「お孫さんピストル持ってますか」って聞いたそうだ。ストレートだな。ばあさん「知りません」て持ってないよ!

■ 雨。憂鬱ですね。ちびちび聴いてた「細野晴臣の歌謡曲20世紀BOX」やっと聴き終えました。6枚組聴くのは大変だ。僕も5枚組コンピとか作ってるけど。選曲する側は厳選に厳選を重ねてこれ以上削れないって思っても、聴いてる側はそうじゃないみたい。トータルで、曲はいいんだけど詞と歌手に恵まれてないなって。そんな中で松本隆さんがコントロールした松田聖子さんは異常にクオリティが高い。売れるわけだわ。この夏に出る「松田聖子プロジェクトにおける細野晴臣マニア」、中川翔子さんの新曲が楽しみ。松田聖子さん、セルフプロデュースやめればいいのにね。娘さんもどっかいっちゃって。
　なんだかんだで非常に満足、特に音質が素晴らしいです。歌謡曲っていう日本独自の音楽文化のエロティックな魅力を知るためにも、これと「筒美京平HISTORY」(8枚組!) は持っていていいんじゃないでしょうか。

6月6日　おっぱい

■ 映画「おっぱいバレー」が興行的に大コケらしいです。青春映画として久しぶりに観たいと思った邦画なんだよな。打ち切りになる前に行かなくちゃ。
　男は二度悲哀の時代を迎えると思う。最初が中学生。子供でもなく大人でもなく、声変わりしたりヒゲが生たりしてどうにも冴えない。きもくて切ない生き物です。思い出すのは天津木村さんのエロ詩吟で、中2シリーズってのがあるんです。徳井義実さんはエロ詩吟についてこう指摘している。「木村はこれまでいいセックス、愛のあるセックスをしてきたんやなと思うよ」、セックスをしたことがある男がこれに共感できないなら怖い世の中だと。「イッてすぐ見つめ合ってる時の少し照れくさい間をホッペへのチューで埋める」ってネタについて、「aikoの歌詞に入っててもおかしくない」と。こういう愛のあるエロは断然支持します。中学生が純粋なエロ心をバネにしてバレー頑張る。こういう気持ちを消化してないスポーツマンが、大学生になって歪んだ性欲でレイプとかするんだよ。

6月8日　The Night Before Full Moon

■ mayulucaさんと中村まりさんのライブイベント、The Night Before Full Moon vol.1@祖師ケ谷大蔵MURIWUIに行ってきました。開演時間と開場時間を間違えた。すごい走って行ったのに。近所の本屋で暇つぶし、「宮崎あおい、浴衣姿で下町散歩」特集の雑誌を発見した。昔はかわいいが先にたってたけど、春が来て君はきれいになった、去年よりずっときれいになった。男を見る目に疑問は残るけど、いいんだあおいさんが幸せならば。泣かしたら許さん。

■ 大幅にはしょって、中村まりさん登場。ラフでパワフルなギター、そのフレーズにはどうしようもなくアメリカが染み込んでて、この方そうとう聴き込んでるし弾き込んでる。そしてボーカル、例えば73年頃にMaria Muldaurが「Carole Kingみたいに歌えば売れる」ってそそのかされて歌ってみたけど、あなたどうしてもMaria Muldaurだね、そのままの個性でいてねって感じの、日本人離れした魅力的な声だった。自作曲は全部英語で、「英語の方がニュアンスで遊べるから」って仰ってたけど、あなたのその声が英語で歌うべき!って言ってます。Ron Sexsmithの「God Loves Everyone」のカバーもかっこよかった。
　そしてmayulucaさん登場。前回leteで観た時は、ギター3本は難しいんじゃないかって思ったの。leteってハコの音がすごくいいでしょう、それを活かしきれてないなって。でもきのうはばっちりはまってて、タイプの違う3人のギタリストの駆け引きが面白かった。mayulucaさんMURIWUIが似合ってる。確実に2009年の心を撃ち抜く音楽。最後は2人で「The Circle Game」。ボーカルもギターも全然違う2人の音楽が、確実にひとつになってた。The Night Before Full Moonがきのうなら、今夜はFull Moonだ。

6月9日　人を喜ばせること -歌いたい人あつまれ!

■ 久しぶりにnitoの打ち合わせ。nitoってまだあったの? あったんです。もう半年以上企画を立てては現実の壁に破れ...の繰り返しで。首謀者氏のご指摘は、スキルくん完璧主義すぎるんじゃないかと。昔からそういうところはあって、完璧か無か! みたいな妥協のなさがこの不器用な人生を形作っていたような気がします。

■ いま考えてるのは、音楽を中心にした結婚式ができないかと。クリスチャンでもないのに、バイトの牧師さんにお祈りしてもらって賛美歌歌うのって変ですよね。宗教いったん忘れよう。ミュージシャンが、新郎新婦のなれそめや好きな音楽の傾向を聞いて、それを元にオリジナルソングを作って、お客さんと一緒に歌えたら素敵じゃないですか。新郎新婦はその歌を一生忘れないですよ。
　お客さんも読めない楽譜渡されて口パクパクするより、みんなでこの歌を歌いますよって歌唱指導されてせーので歌った方が、心から祝った気持ちになれる。でもね、新郎新婦の満足するオリジナル曲を作るには時間がかかります。ミュージシャンのポリシーもある。そこでだ。

■ 単純に、どなたか結婚式で何曲か歌いませんカー! カバーでも持ち曲でも構いません。歌うたいのあなた、あなたの動員力は何人くらいですか? 結婚式なら100人くらいの前で歌えます。お祝いの場ですから、いいパフォーマンスをしたら皆さんに喜んでもらえます。お客さんを集めること、1人に感動してもらえることがどれだけ大変なことか、身にしみてわかってらっしゃると思います。どうかな。

■ Jeff Hansonが亡くなったそうです。初めて自分より年下の好きなミュージシャンを亡くした。Elliott Smithのレーベルメイトなんだよね。中性的な美しい歌声、アコースティックでポップでハイクオリティ (これ難しい) なSSWでした。

6月10日　若い頃はおじさんになっても若者の批判はしないと思ってた

■ 若者よ、ああ若者よ。僕はあなた達に話したいことがあります。石器時代から「最近の若者はダメだ」って言われてたそうだけど、今は大人がなってない。どうしようもなくアホな文部科学省と、バブル世代で金ボケしてる親のせいで、本当に若者がダメになってしまうかも知れない。

■ きのうのmixiキーワードにclammbonが入ってて、ライブがあったんですね。もう何度も書いてるけど、clammbonは郁子さんがステキ過ぎるという不幸を抱えている。森ガールの憧れなのだよね。でも本当はclammbonをきっかけに、凄い音楽の冒険ができるはずなんです。森ガールはそれをしない。勝手に耳に入ってくる邦楽の中からほんわかなものをチョイスして、狭い世界で暮らしてる。皆さん、驚くべきことですが音楽って世界中にあるんですよ! clammbonが好きなら、彼らが聴いてきた音楽を辿ったら楽しいですよ。
　僕には若い友達がたくさんいて、それはとっても幸せなことだけど、探究心が異常にある人と全くない人にわかれる。ない人に訪ねたい。あなたの趣味ってなに。

■ 僕は学生時代、音楽が好きで人に薦めるのが好きで、そのためにファイルメーカーで持ってるCDを管理してたの。プレイヤーからプロデューサー、エンジニアまで打ち込んでた。アホか。ヒマだったからな。今もヒマだけどな。
　でもこれやってて人の名前覚えたんです。この名前まえにも打ち込んだなって検索かけて聴きなおして、あーこのベーシスト好きかもしれないって、その人が参加してるCDを買ってみる。要するに感動と芋づるだよね、趣味を広げるのは。で、趣味を持つことは人間性を確立する上でとっても尊くて貴重、細胞が沸き立つ体験をした方がいいです。掘り下げて掘り下げて。アイデン&ティティって感じか。ついこないだおっぱいについて熱弁を振るった僕が書いても説得力ないですけど。

■ 次号「ググってコピペして『論文できました』って言うな」でお会いしましょう。

6月11日　実はいい人

■ 田代まさしさんの現在の収入が「普通のサラリーマンよりちょっと多い」そうでびっくりしました。シンガーとしてもコメディアンとしても面白いし、痴漢っていう鉄板の自虐ネタができちゃったからね。でも芸能人じゃなかったらあり得ないです。植草教授が痴漢ネタでトークショーとかムリでしょ。なにがムリかって、偉い人だと思ってたのに実は痴漢なのがムリな訳で。芸能界は汚れた世界だと思われてて、でも実はいい人っていうのが売れる。その象徴が島田紳助だ。ヤンキーの紳助が賢そうなことをポロッと言う。実は! そんでバカをいじる。そのバカがブログでちょっといいことを書く。実は! の連鎖でボロ儲け。紳助って存在自体が卑しくて嫌いです。
　かたや若い頃はピュアキャラだった僕もおじさんになり、ちょっとしたミスで実は! をされると困る。

6月13日　きっと優しすぎてあったか

■ きのうは千春 / なお / mayuluca@八王子Grooving Mamagonに行ってきました。八王子遠いわ! 三鷹で乗り換え豊田で乗り換え、豊田には車両基地があるのかな。八王子までもう1駅なんだから頑張れ! でも行ってよかった!
　最初はmayulucaさん。ここんとこ音響派mayulucaを続けて観てたけど、僕が最初に心を鷲掴みにされたのはアコギ1本のmayulucaさん。素晴らしいシンガーソングライターなのはもちろん、アイデアのあるギタリストです。次はなおさん。全くノーチェック! 世界中のフォークロアや唱歌みたいなものをポップスのフォーマットに集約した、今まで観たことのないミュージシャンでした。ちょっとハスキーな声も素晴らしかった。最後は主催者の千春さん。すごーく華奢な方なのに、深い声で懐の大きい歌。たぶん僕と聴いてきた音楽が違うんでうまく例えられないけど、彼女の小さな世界は地球規模で受け入れられる気がした。凄い人いっぱいいるね。参った。帰りは駆け込みで中央線の最終、危うく八王子で取り残されるとこだった。

6月14日　距離がよく見えない

■ きのうはいつもの友人2人が遊びに来てくれました。行動パターンも趣味も考え方もそっくりな2人、周りから前世は兄妹だったって言われてる。なんだか2人のお邪魔をしているようで申し訳ない。今日はネモの病院。血液検査をして貰った。毎日薬をあげて皮下点滴打ってる僕は偉い! 帰ってきたら兄妹が、部屋をピカピカにして料理を作って待っててくれました。嬉しいんだけど寂しい。
　「細野晴臣の歌謡曲20世紀ボックス」から松田聖子さんのトラックばっかり聴いてます。テレビを観せて貰えない家だったんで、全盛期の松田聖子さんを実はよく知らない。初めてちゃんと聴いたのは大瀧詠一作の「風立ちぬ」で、あんまりピンと来なかったんです。細野晴臣作の松田聖子さんは凄い。彼女は「ら」行の発音が可愛らしいんです。「黄色いカーディガンはおって風にひらひら」「ガラスの林檎たち」「連れて行ってねDarlin'」「硝子のプリズム」、サビの一番いいところに「ら」行を散りばめてる。松本隆さんと細野晴臣さんのあうんの呼吸を感じます。

6月15日　雨に揺れる美女

■ なんの因果か紅白に出る夢を見た。それも歌った記憶のない歌で。リハでは歌詞カード見て適当に歌ったけど、本番は歌詞カードなしだって。まーじーでー! 失神しそうになった。ここんとこお昼寝の夢見が悪いです。37のおじさんが平日にお昼寝してるのもどうか。雨のある風景は好きで、雨を楽しむ用コンピなんてものを作ったくらいなんですが、最近は気圧が下がると目眩がするんだよ。で、横になって悪夢を見てギャースって起きると猫がナーって日々を過ごしてます。
　「GACKTが大文字になりました」くらいどうでもいい日記だな。明日はあなたの人生に大きく役立つ啓発の言葉をお贈りします。

6月17日　私から去っていった皆様へ

■ とんぷくとんぷく。頓服頓服。症状が出た時に飲むために処方された薬を頓服薬といいます。最近は使わない言葉らしい。まんぷくまんぷくみたいで危機感がないからかな。で、実は今年に入ってから、とんぷくとんぷくしながら楽しげな日記を捏造してました。空回りして寒かった。

■ なんの薬かっていうと、抗鬱剤です。2000年に重度の鬱病と診断されて会社を辞めて、健康保険給付金と失業保険と両親の生命保険で食い繋いできました。両親は亡く弟とは絶縁状態で独りっきりです。彼女がいた時は気分が上向きになって、社会復帰への足がかりを見つけた気がしてた。っていうのは彼女の献身もあるけれど、人が独りで生きるのには相当な精神力がいるってこと。10年も独りで闘病なんて聞いたことない。鬱病の本やサイトを見ると、必ず家族のするべきことが書いてあります。「家族がいない場合」は想定されていません。無理なんです。
　今はまた猫とお喋りする日々。もともと穏やかで人に嫌われることのなかった僕ですが、プロジェクトがうまくいかない中で誤解を生んで、どんどん人が離れていった。彼らは僕に、鬱病を脱した社会人として接している訳です。僕もそれに応えようとしてた。一番悲しかったのは、凄く親しくしてくれてた女性から、最近の僕の友達について「音楽の話だけしてれば満足な上っ面の関係」って言われたこと。もうだめだなと。しばらくはお会いする方を絞ります。

6月19日　and my world is blue

■ M.T.さんと山下スキルの音楽愛好家ユニット、The Mogers (じゃっモジャーズ) 。僕たちは非常に似ているところがある。天然パーマであること。体育会ノリが嫌いなこと。人当たりがいいから大人に見えるけど、良くも悪くも精神的に成熟してないこと。忌まわしき男子校出身ゆえに恋愛が不得意なこと。男子校という存在を容認してきた文部科学省には恋愛障害者手帳を発行して頂きたい。この気持ち、音楽愛好家として表現できないだろうか。例によってコンピを制作することにした。ラブラブコンピはいっぱいある。貧乏臭い泣ける歌ブームもある。辛い恋をしてる人にそっと届く素敵なコンピを作ろうと。タイトルは「and my world is blue」。Coming Soon...!!! (映画の予告編風に) ガシっガシっガシっ (ロゴが動く) 。
　きのうは焼酎をたらふく飲んできました。沖縄土産のサプリ「琉球酒豪伝説」は凄い。あれだけ飲んでも翌日ぜんぜん辛くない。saigenjiさんが沖縄に行くたびに買い込むそうです。

6月20日　Good evening Tokyo!

■ Good evening Tokyo! I'm Moger Manning of The Mogers... and...and on guitar!... Mr.Moger McGuinn! Yeah! ...アリガトゴザイマス...

■ ひたすらベッドの中だったな今日は。数時間ごとにネモに薬を飲ませて点滴を打って寝る。夕方になってさすがにお腹がすいたものの起きあがる気力がわかず、ふらり目眩が。台所にあったのはスパゲッティとペペロンチーノふりかけだけ。明日はなんか買いに行かなくちゃ。猫のご飯もそろそろだ。今日よりもう少し君に...。愛しのジャスコの花売り娘 (違)

6月22日　笑っていたい

■ 病気猫、ネモの血液検査の結果を聞きに行った。数値が悪くなってるそうです。静脈点滴と通院の日々だって。参ったな、コンビニ行くのも苦痛な精神状態で病気猫の送り迎え。FUJI ROCKの期間中はどうするんだろう。今年はついにFUJI ROCKキャンセルかな。
　19年前は友達だった女性からメールが届いた。「みんな一生懸命働いて頑張ってるのに、働かないで楽しそうに暮らしてるのは不愉快、みんなそう言ってる」。働けるもんなら働いてるよ。楽しそうにしてるのは笑っていたいから、泣いてわめいて求めて困らせても何も生み出さないからだよ。彼女は毎年家族新聞を作るような超仲良し一家に育って、男を選ばずに取っ替え引っ替えして、寂しさというものをまるでわかってない。僕らは小さな丘の上で馴れ合って、ほら、何も生み出さなかったね。

6月24日　Helpless Helpless Helpless...

■ きのうふと、消えてしまいたいと思ったんだ。数年前に青木ヶ原と江ノ島は下見して、ポイントと方法は考えてある。でも消えてしまいたい時にそんな遠出をする気力もなくて。硫化水素か練炭か、どっちにしろ夜だから手に入らない。とりあえず遺言書っぽいものを書いてみた。プリンターからジジーっと出てくる紙が、法的に有効だとは思えないけど、いちおう署名捺印などしてみた。それからパソコンの中の恥ずかしいファイルだ。15年間丹念に集めたアイドルの写真を削除、「確実にゴミ箱を空にする」を実行。たまきさん、結子さん、あおいさん、もう名前も忘れちゃった3GBの女の子たち、さよなら。

■ 今日はなんとか起きて、大雨の中ネモを病院に連れてった。「あれ? 今日点滴されました?」当り前だ、毎朝180mlしろって言われてる。「点滴しちゃうと今日の治療できないんですよ」。それ聞いてない! 「明日から足掛け4日来てください」。それも聞いてない! お薬をお願いしてたはずなんですが。「どのお薬でしたっけ」。それを決めるのがお前の仕事だ! で用意するのに40分、錠剤を割る作業をひたすら待った。親の代から30年信頼して通ってただけに、本当にがっかりした。
　客層を観ると、平日なのにグラサンかけたお兄ちゃんがモデルみたいな奥さん連れて、ラブラドールとか診せにきてた。悪い事して金がっぽがっぽ稼いでる人を相手にボロい商売してんのかな。そして自分の病院。近況を話した。調子いいですって言っても死にたいって言っても「じゃあいつものお薬ね」で終わる。勤務医だから患者を治そうが治すまいが手柄になるでもない。

■ 19年前から上から目線だった「世界を知ってる」きみは、こんな日記を書けば喜んでくれるのかな。つまんないよね、つまんないんだ。明日からまた音楽やマンガや恋の話を書きます。

6月24日　いつか別れたって君は素敵なんだ

■ さっきの日記が僕の人生に不利な材料であることはよくわかっています。でも将来誰かとわかちあう関係を築くには、曝け出せるときに曝け出した方がいい。前カノにはつきあってからいろいろ迷惑かけちゃって、でもさっきの日記読んで電話くれて、ちょっと救われたんだ。

■ 「『彼にはスポーツマンでいてほしい』と思っている女子は全体の84％にのぼった」。うーんやっぱり女性は闘争本能の強い男性が好きなのかな。群れをなす多くの動物において、ボスは弱いオスを排除してハーレムを作ります。それを人間に置き換えるといじめや性犯罪って形になる。理性! 理性! 文化系にいじめや性犯罪をする度胸も腕力もないよ。偽りのない優しさ、別れても友達、それが文化系の恋愛です。よろしく。
　そんな僕に天使が舞い降りた。加藤ローサさん。Q：好きな男性のタイプは? A：地味めな人。かわいげがある人。Q：男性の「キュン」とくるポイントは? A：寝ぐせ・メガネ。僕地味だしメガネだし、天然パーマも寝ぐせみたいなもんです (そうなんです!) 。決定打はQ：嫌いな食べ物は? A：魚卵。魚卵嫌いをわかってくれる人、なかなかいないんだ。男女の相性は食べ物の好みによるところが大きい。加藤ローサさん、ゼクシィ以来意識してなかったけど、今日からファンになった。

2015年追記 : 加藤ローサさん、2011年にサッカー選手と結婚しました。これが現実だ。

6月25日　「マクドやろー!」のかわし方

■ 「『マック』と『マクド』の検索日本地図」。僕はちゃきちゃきの? 江戸っ子なので? ちゃきちゃきってなに? もじゃもじゃの江戸っ子なので、マクドナルドは当然「マック」です。
　この記事に対する関西人の反応がヒステリックで、「マクドやろーわれ!」そんなに怒らなくても。「マックだとマッキントッシュと紛らわしいやないかー!」じゃあマッキントッシュをマッキンて呼べばいいじゃないですか。「なんやミスドはミッスか!」それ省略の法則が違う。僕は関西人がマクドナルドをマクドと呼んでも全然構いません。それぞれの呼び方でいいじゃないの、怖いなあ。いっそオリジナルに忠実に「マクダーナゥ」とかで手を打ったらどうかな。

追記： でも「マックでDS」って宣伝みると、エミュレーターの話かと思うな。

6月26日　スポオツ撲滅の時が来た

■ 連日のようにスポオツマンが不祥事を起こし、もう本当にスポオツはだめだなと。「ドラゴンゲートのレスラー飼い猿虐待疑惑」。 プロレスラー、人も殴るが猿も殴る。猿に熱湯をかけたり火をつけたり殴ったりの写真がブログにあったそうです。猿は非常にデリケートな動物です。本当に本当に心が痛みます。新日本プロレスという団体も、犬の扱いに困って殺そうとしたそうです (未確認) 。

■ 猫の通院による早寝早起きで生活リズムが崩れてる。やっぱりあの獣医は相当高いらしい。今の病気はあそこにお願いするけど、今後のために別の獣医さんを探さなきゃ。
　「じゃっモジャーズ」の辛い恋コンピの選曲に悩んでます。僕は歌詞を響きやイメージの連鎖で聴くんで、相対性理論や最近の鈴木慶一さんの歌詞なんかは好きなんだけど、辛い恋の歌に共感するにはわかりやすいストーリーがいるんだよ。歌詞カードを眺めてそれっぽいのをiTunesに取り込んで、あとから音楽的に合わないものを消してます。ほんとはもっとフィーリングで選びたいんだ。Mr.Moger McGuinnはどうしてるだろうか。このアルバムを、のっちとかしゆかに先を越されたあーちゃんに捧げます。

■ スポオツは基本撲滅だけど特例として水泳は可とする。人畜無害だし。ただし競技は不可です。無心に泳ぐ。な!

6月28日　ポゥ

■ パソコンを開いたらメイがキーボードの上に乗った。「；lぽおおおおおおおおおおおお」。マイケル追悼でしょうか。マイケルが聴きたくなり、Al Yankovicを買った。リージョン1なのに音楽DVDチャート62位。売れてる! みんな考えることは一緒です。
　夜はペチカ マユルカ / キッチン@二子玉川LIALEH。常連さんが多くてアウェイなお店だった。キッチンは2人のボーカルのバランスが良くなった。前は溝口こうじさんの声が大きくて、マイクをオフにしても由佳里さんの声が届かなかったんだ。心地いいハーモニーが聴けて満足。続いてヒネモスのタカハシペチカさんと、mayulucaさんのユニット、ペチカマユルカ。mayulucaさんの音楽はペチカさんのトイポップとの親和性も高くて気持ちよかった。弾き語りmayuluca、音響派mayuluca、トイポップmayuluca全部お薦めです。芯がしっかりしてるから自由度が高いんだ。終演後、キッチンの由佳里さんにお腹を叩かれて、「この脂肪が私の胸だったらいいのに!」

6月29日　どなたか私の代わりにFUJI ROCKに行きませんか?

■ 毎年ほんとうにほんとうに楽しみにしていたFUJI ROCKフェスティバル。あの場所に行って初めて自分が音楽が好きでよかったなと、僕の生き甲斐といっても過言ではないのですが、今年は行けなくなりそうです。
　理由は2つ。1つめは、猫の検査の結果がおもわしくなかったこと。長い治療や急変の可能性もあります。2つめは、それによって僕の生活費が著しく圧迫されていること。このまま治療が続いたら、今年中に僕の生活費は底をつきます。そんな時に遊びに出て、さらにペットシッターに投薬まで頼むのは無理です。
　今年は4人で行くつもりだったんですが、これが3人になってしまうと宿の確保が難しくなります。フル参加でなくてもかまいません。忙しいから行けない、そんな寂しいこと言わないで、音楽を愛する幸せを得た皆さんと、同じ喜びをわかちあいたい。

■ 今年楽しみにしていたのは、Paul Weller、Patti Smith、Franz Ferdinand、忌野清志郎スペシャルメッセージオーケストラ、Zazen Boys、Royksopp、Animal Collective、Dinosaur Jr、Trashcan Sinatras、Clammbon、Tortoise、Sakerock、中村まり、Booker T、渋さ知らズオーケストラ、Juana Molina、吾妻光良トリオ...。ハイネケンのビール、さくらぐみのピザ、苗場食堂の野菜、朝霧食堂のシチュー、高原の風、清流に足をつける、ピースフルな交流、夜中の修学旅行トーク。世間的にはOasisとWeezerが来た年、と言われるでしょう。
　サマソニはもう知ってるバンドを観にいくところ、FUJI ROCKは森の中で新しい音楽に出会うところです。挙げたバンドに興味がなくても、なにかしらの感動を得ることは保証します。

6月30日　悪意とポストインターネット

■ あるサイトの鬱病のニュースに寄せられたコメントに、「そんなのは根性で治せ」的なのがあって、いや鬱病は科学的に説明できる病気なんですよって返したら、「偽善者」「救いようのないチキン」「お前の頭が可哀想」ってどかどかメッセージがきた。関係者を一通りアク禁にした。
　パソコンの前でだけカメラの前でだけ強くなれる悪意ある人たちによって、メディアの目は曇っていく。あの日の僕のメールに悪意を感じたあの娘は、過去にそういう経験をしてたのかも知れないね。インターネットっていう壮大な実験は、終焉を迎えようとしているのかもしれない。テレビが終わったみたいに。グローバル・ヴィレッジを捨てよ、グーテンベルク銀河系へ出よう。らるれい、らるれいよ。