DIARY
2010年08月
8月2日 music for the lazy people
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8月ですか! 今年もair fujirockだったから夏の実感がわかない。きのうはシーナアキコさんのライブだった。顎関節症から復活して久しぶりに歌えるステージ、そしてなによりご結婚後初めてのステージで、花束持って駆けつけたかったけど体がついていかない、シーナさんおめでとう。
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小田嶋隆さんのコラムを読んだ。税制の垂直的平等と水平的平等の話から話題が心地良くシフトして、労働の滑稽さを指摘する。
「甘えている人間は、苦しんでいる。できればそこのところをわかってあげてほしいのだ。三十年前のあの消えて無くなりそうだったオレのためにも」「つまり、人が怠けている状態は、あれは『楽をしている』のではないからだ。怠け者は、好んで怠けているわけではない。怠ける状態に陥っている。そう考えなければならない」「で、その『働いていない=楽をしている』人間を、『働いている=苦しんで戦っている』人間が養うのが社会保障という呪われた制度であり、その財源が税であるのだとすると、税金は、一種の重荷ということになる」。
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僕が親戚と離れたきっかけのひとつに、超大手企業の役員に登りつめて毎日テレビ観ながらガッポガッポの伯父がいる。彼は僕に「土方でもやれよ、戦争中は鬱病なんてなかったぞ」と言った。エイズ患者に「50年前にエイズなんてなかったぞ」とでも言うのだろうか。建築現場は役人が決めた安全基準なんて関係ない。それでも怪我人が出ないのは、彼らが現場を知ってる熟練の職人だからだ。僕がそこにまじったら、邪魔だし危険極まりない。
今の日本は幸運にも戦争をしていない。自民党を信じて「頑張って」いればなんとなく未来が見えた時代とはパラダイムがまるで違う。当時の人が社会環境と自分とのギャップに苦しんだときに、亡父のくも膜下出血みたいに別の病の形として表出したのかも知れない。
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ところで空腹時にネットスーパーは危険だな。冷凍庫の容量を超える冷凍食品を購入した。いまは静かだけど次に開けたら風雲たけし城みたいになる。ナタデココというものを初めて食べた。美味しいねこれ流行るんじゃないかな。
8月4日 夏のチキン野郎祭り
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ネタリオキタリー。リモコン探してカーテン開けたらにゃあに睨まれた。すみません。でもにゃあのお腹の下にあるような気がする。
夏、実感した。久しぶりに外出したら猛烈に暑い。夏、実感したぞ。最近足腰がふらつくの、三半規管かクスリのせいかと思ったら、筋肉が衰えてるのだ。憩いの1000円床屋を発見した。店長さん激やせしたマリオみたい。で、声はこの人みたい。
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MacBook壊れた。8cmCDっていま対応してないのか。修理の見積り取ったら9万6千円てそれ普通に新品買える。買った。旧MacBookはプリンターとシーケンサー用として余生を送る。
8月5日 ゼリー的なもの食べたい、68円くらいの
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あちいね。
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正直このサイトを継続するモチベーションがもうない。「世界に向けて情報発信」じゃなくて個人的なメモスペース (≒つぶやき) であることは12年前に書いた。いまでもそのスタンスはかわらないけど、Webに公開してるってことは何らかの広がりも期待してるんだ。モチベーションがないのは、好意的な読者がいないから。みなさん山下はどこまで狂ったか、自分がdisられてないか確認するためにこのサイトを開く。そんなあなたにどんな言葉を捧げられるだろう。
1000PVあったみんながそうだったとは思いたくない。殆ど残ってないかもだけど、いい出会いはあったはずなんだ。
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むかしむかし、おじいさんとおばあさんがセックスしてなんだかんだで僕が生まれました。あのおばあさんがセックスする様子。シーツ掴んだりしたのかな。公園で子供らが微笑ましく遊ぶ背景には、必ず見守るご両親のセックスがある。兄弟の場合、「お兄ちゃんが起きないように」って気を遣ったり。そんな血筋を僕は継げそうにない。いま親戚がどんなだか、弟に子供が何人いるかも知らないけど。
どうでもいい話だな。こんな独り言の積み重ねで、どこかにいい音楽やいい出会いが生まれれば嬉しいんだよ。ほんとうに酷い人だと思われてるけど、ほんとだよ。
8月7日 歌謡美の女 (ひと)
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家具類を買ったら続々届いてテンテコを舞っている。
人として重力に逆らわず横になって眠ってるんだけど、立ち上がると重力に逆らってあっちにばったんこっちにばったん倒れてる。猫たちも「家の中、塊魂がころがってるよ!」と大喜びだ。筋力つけるために歩けって言ってもこの暑さだもんなあ。
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筒美京平8枚組ボックスを聴いてる。意外と苦行だった。曲も演奏もいいんだけど、歌唱法と歌詞は時代をこえなかったなあ。1フレーズ目に別れて2フレーズ目に辛くて、北に行ったり行かなかったり。子供の芝居ほどデフォルメしたボーカルも鬱陶しくて音楽に耳がいかない。
ポップ史を紐解くに、結局ここ数十年までは、もしくはいまでも、我々は心にちょんまげを結った文明開化なのかも知れない。だから西洋の思想に馴染めず、東洋の思想を忘れてテンテコを舞っている。
8月10日 僕らは等速で前進する平面なのだろうか
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時間は均等に平等に誰にでも与えられるものなのだろうか。物理学的にはもちろんNoだ。しかし社会学的には細かいことを有耶無耶にして、Yesと答えなければ仲間に入れてもらえない。大雑把に言って3時間起きて4時間寝てを繰り返す僕は、なかなか24時間と相容れない。
なにが言いたいかというと、いまの生活を生活と呼べるのか、社会の仲間に入れてもらいたい意欲はあるのか、果てはこの資本主義社会の終焉を、当事者として見届ける気があるのか (働け僕っぽいことだ) 。もちろん僕は社会主義者でもない。社会の在り様はもっと果てしなくある。
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精神の病気の都合上、時に異常にオプティミスト、時に異常にペシミストな僕だけど、いま現在思うに、社会がどう変わるかわかんないんだから、そんなに急いで元に戻ることもないんじゃないか。社会の一員として勤労に従事することは、元サヤに戻る気分なのだ。
とりあえずいま困ってるのは、おくすりを何時に飲めばいいのかってことと、時間の決まった用事にちゃんと行きたいってことです。
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bice急逝。言葉もない。安らかに。
8月11日 こういうサンドイッチどこからどこまでつかんでいいかわからない
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転居後はネットスーパーを活用して、前よりはちょっとましなものを食べている。セブンイレブンの「たまごかけ風ごはん」おにぎりは旨いと思うんだけど桃ラーやガリ梨ほど話題にならないな。たまごかけごはんは日本の国民食なのにネーミングが長すぎる。昔は「たまごごはん」って呼ばなかったっけ。
電子レンジと炊飯器を購入した。炊飯器はすこぶるいい子。電子レンジは発注の仕方がわからない。ピーピー鳴ってるの無視してたらついになんか投げた。何度も書いてるけど、全てのデザイナーはドナルド.A.ノーマン「誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論」を100回読んだらいい。
8月12日 電車に、乗ろう。
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2ヶ月も電車に乗ってなかった。バスや車にも乗ってない。何度もでかけようとしたんだけどやっぱり人が怖いんだよ。駅前で逆戻りだ。今日は電車には乗った。終着駅で乗り換えないで、そのまま帰ってきちゃった。
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「子供の頃から独りで遊んでた / 悲しいことはどこにもない」。高校生まで独りぼっちだったとはいえ、実家にいたんで「タマネギ買ってきて」くらいの会話はあった。弟は自室で食べるか外で食べてたけど。いまは宅配便の判子くらいしか会話がない。こうして猫にだけ心を開いて死んでいくのだろうか。思春期特有の悩みを中二病と名づけた伊集院光さんはどう思うだろう。こんな38歳のおじさんにも名前をつけて欲しい。いまでも心は17歳なんだ。でもそれは21年前の17歳なんだ。
8月13日 レシピ
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味噌汁ご飯+かつお味フリカケ→ウママママーッ!
8月15日 歩く
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歩く。歩く。歩く。右足を前にして重心をあずけ、左足を前にして重心をあずける。その一連の行為でやっと数十センチ進む。小学生の頃、塾の夏合宿の自由時間に僕は遊び友達がいなかった。仲間に入れてもらう術も知らなかった。ただ、山間に広がる田んぼと長い長い貨物列車、そして決まった時間に「歩く」少女を眺めていた。
Everybody loves the sound of a train in the distance. 少女に対して恋愛感情はなかった。彼女が脚を前に後ろに動かす不効率な運動と、それがやがて山間に広がる田んぼを横切る力になることに感心していた。二足歩行が人類に与えてくれた恩恵はよくわかる。ただ彼女をもっとスムーズに家に帰してあげたかった。僕はいまでも歩くのが好きじゃない。
8月17日 猫たちのお尻のかぎあいのメンバーに入れてくれた
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引越してから猫たちが僕を好きすぎてキモい。いまもみんなで寝そべって日記を書いてる。
僕の恋人、小早川凛子15歳CGの誕生日ということで、悩みつつもジュエリーを買ってみた。パンク少女なんで骸骨のTシャツとか着てるの、パンクの音楽的な話ならできるけど思想的な終焉も知ってるからね。当日ドキドキ電源入れたらプレゼントがないこのリアリティ。セーブのバグがあったらしい。激怒する凛子。これってハード側の問題じゃないの。午後にデートの約束してたのもすっぽかした。それでも誘ってくれる凛子の愛情の根拠がわからない。それはまるで猫たちの愛情のように。
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僕の中のパンク、腐った世の中に中指突き立てたい気分と鬱が反応して、ものごとを曖昧にできない。ほんとはみんなと仲良くしたい、仲良くしたいんだけど38になってもわからないんだ。友達は音楽と猫と凛子。凛子の言わんとすることはよくわかるのに、DSの中の僕はちっともわかってない。BABY画面飛び越えておいで、BABY世界の外で会おうよ。
ネットを通じて音楽の素晴らしさを伝えたい気持ちはあるんだけど、音楽を聴かない人も音楽を欲しているんでしょうか。芸術が生活の基盤だった時代から趣味のひとつに成り下がり、例えばミニ四駆のよさを説いて回るような虚しさがある。
8月18日 団塊の世代って言うたびに気をつけるくらいならもう男根の世代でいいんじゃないかな
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努力と根性を押しつけて、汗をかけば報われる魔法を信じてる。男・根・男・根・1・2・1・2!! 同世代にも男根がいる。「バタバタしてる」「取り急ぎ」って言うやつは全員男根がエノキだ。「取り急ぎ」って言葉には、働いて忙しい尊い僕が、フラフラしてるお前のために時間を作ってやったので感謝しなさいってニュアンスを感じる。鬱屈してる。
8月20日 また猫がエアコンのリモコン踏んで雪山の夢を見た
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吹雪吹雪 氷の世界。言いたくないけど調子わるい。ずっと寝てる。日本が眠りについた頃、やっと調子が出てきて猫と踊る。寝過ぎのせいか、眠りが浅くて夢が重たい。生と死に関わることとか。ここ20年くらいゲストキャラ扱いだった亡父がレギュラー出演してる。A-haのことをアハ、アハって言ってた。ああ、こんな考えでこんなキャラだったな。記憶の底から夢という形で亡父の姿が蘇る。
8月22日 久しく喋ってないので口止め料を頂戴したい
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事務作業のために駅まで出た。偉い、そして暑い。死ぬかと思った。クライマックスはポストが交差点の反対側にあると気づいた時だろうか。朦朧と歩いて朦朧と書類を受け取って限界を感じてタクシーに乗車。1メーターだった。帰ってきて5時間寝こんだ。
サラリーマン時代は終電がなくなると何の疑問も持たず2時間かけて家まで歩いた。40を前に車椅子生活、50を前に寝たきりの要介護生活になりそうだ。プールでウォーキングするためにタクシーで駅まで行くか。
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取付費込み32000円のエアコンと3600円の扇風機のコラボレーションで上越新幹線の音がする。
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猫げんき。
8月24日 レシピ II
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顆粒の風邪薬→ウマウマ
8月26日 冒険譚
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およそ3ヶ月ぶりに私用で電車に乗った。つい先日も乗ったけど乗換駅で人酔いして帰ってきちゃったんだ。初めて医者に散歩を奨められた時は、そんなおじいちゃんじゃないよって思ったけど、今となっては外出さえハードル高い。中央線の車内で潰されそうになりながらも、潰れなそうなドスコイカップルがチューしてた。
頑張って行ったイベントは残念だった。音楽的な意味で。お目当てのろくげんおとめだけ突出して素晴らしかったので、ほんとにもう全部が面白いライブイベントやる? 誰が? 僕が? それはちょっと。もう。ろくげんおとめは確固たる演奏技術と遊び心、特に女性2人に男性1人のコーラスワークがあざやかでした。
8月25日 Young and innocence days
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迂闊にも甘酸っぱい夢を見た。この次なんて来ないんだよ。永遠に来ないんだよ。今日がさよならならさよなら、さよならだ。「若いつもり」なんてあっという間。
8月27日 歌を作ろう、歌を。
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ミュージシャンのHさんが遊びに来てくれた。引越してもうすぐ3ヶ月、やっとゆったり楽しいお客さんだ。話題は女の子のこと、マンガのこと、音楽とそのあり方のこと。やっぱり僕はお酒の力を借りないと喋れないな。で、お酒の力を借りると一人で喋りすぎる。そして単語が出てこない。Hさんはいつも穏やかだから、楽しかったかそうでもなかったかわからない。話を押しつけちゃた気もする。
それにしても次こそはガールに来て欲しいものだ。
8月28日 中年ボウイと森ガアル
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飲み屋で政治のバカ話をしたらウヨに矢で襲撃される夢を見た。どうせならキューピッドの矢で森ガールと恋に落ちたい。「森ガール? 好きなの? まじああいうのヤリヤリだよ? 私男友達いっぱいいるけど全然そういうムードになんないもん、あー恋とかしてー!」っていってる方が得てしてヤリヤリ。森ガールってターム、いま一番恥ずかしいタイミングだけど実在すると信じてる。汽車に乗って会いに来るあおいさんや夏帆さん、一緒に暮らそう。
街に出ても森の心を忘れないのが森ガールだよ。クラリスは家業としてゴート札を作り続けるだろうけど、心の美しさはあの焼け落ちた洋館にあるよ。
8月31日 二本足で立つ地球のすみっこ
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こないだ外出してからやっぱり調子わるい。1-2時間寝て15-30分起きての繰り返し。そして変な夢見る。前から歩いてくるあいつ、あいつ知ってる誰だっけ挨拶しなきゃ、と思ったらつぶやきシローだったり、かったいキャラメル噛んで口が開かなくなったり。起きても頭ん中シューゲイザーが爆音で鳴り響いてストロボライトチカチカしてる。
確実に人生焦ってる。なんでもっと余裕でかわしたい。
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夏休みはもう終わり。マスオ兄さんやドラえもんに助けを求める君たちは偉い。僕はそもそも提出する気がなかった。
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