DIARY 2012年11月


11月1日 人生と勤労、新しい社会システムについて思うこと

11月かよ、かれこれ1年ぶりじゃないの。

タイ語で頑張ることを「ぱややーん」っていう。かわいい。全然頑張ってない。
 「ニートが揺るがす「勤労」の幻想」って記事を読んだ。僕がいままでずっと書いてきたのは大雑把にこういうことなんじゃないか。この記事の残念なところは、自分の考えに確信が持てないのか、端々を茶化してることだ。僕はそれなりの確信を持って、閉塞した社会のジェットコースターを降りた。

この記事の要点はこうだ。最近「まともに働かない大人」が増えている。まともってなんだろう。そもそも賃金労働としての「勤労」が生まれたのは産業革命以来のこと。生産活動が賃金労働に置き換えられて、まだ200年しかたっていない。ヒトの行動に「勤労」はプログラムされていない。生産活動が「勤労」と「家事」に分けられたことで、「勤労」の価値が暴騰して「家事」の価値が暴落した。家事は誰にでもできる労働とされて、男たちが威張りだした。最近の「まともに働かない大人」の増加は新しい社会システムの模索、クラーク的に言うなら「幼年期の終わり」をもたらすオーバーロードだ。
 自己実現にはいろんな形がある。満員電車に乗ってサービス残業して土下座して、頂いた20万円を生活費に使い果たすばかりが人生じゃない。カネ以外のために働く生き方もある。「俺が辛い思いをしてる時に音楽や映画に溺れてるなんてムカつく」って人は、なんで自分が辛いのか考えなおした方がいい。「勤労」だけが尊い訳じゃない、辛いなら辞めちゃえばいいのだ。自分を生きるのだ。

これを読んで思い出したことがある。ナチスが殺戮したのはユダヤ人だけじゃない。身体障害者や精神障害者や思想の違う人たち、つまり「不純で非生産的」な人々も殺戮の対象になった。それを支持したのは普通の市民だった。
 働きアリの三割は一生働かない。それを許容できるほどアリの社会は成熟してる。いま人間は「働かないこと」の正当性が高い人、例えば身体障害者や精神障害者への扶助を行なっている。その次に扶助されるのは「思想の違う人たち」かも知れない。すべての人に最低限の所得を保証するベーシックインカムって考えが、社会学者を中心に真剣に検討されてる。「不幸な賃金労働者」と「幸せな無職」と、どっちが充実した人生かを考え直してる人たちがいる。もちろん勤労を通じて自己実現したい人は、そう生きればいい。ただ、そういう一元的な価値観を押しつけるのはやめにしたい。

いま僕は精神障害者として扶養を受けてる。祖母が借金を作ったけど、実家を処分してお釣りがきたって環境にいるのは、少なからず負い目に感じてる。なんだかんだで貨幣経済の恩恵にあずかってるのだ。
 産業革命で「勤労」って概念が生まれたように、情報革命で新しい社会システムができればいい。アリのように豊かに成熟した社会システムだ。そのヒントはひょっとしたら過去にあるかも知れないし、未開とされてる人々の暮らしにあるかも知れない。何度もたとえに挙げている、ヤノマミ族の社会かもしれない。いまの忙しさは誰も幸せにしていない。
 革命を起こすとき、死者や負傷者がでないといい。自分がジェットコースターの上で鬱病になっただけに、強くそう思う。そして、こんな辛い社会を生み出した罪のない若い世代が苦しまないといい。ワーキングプアの若い友人たちを見ているだけに、強くそう思う。

話はすっとぶけど、メイが平然と肛門腺 (フェロモンの袋) やぶけた。太ってるとフェロモンの出口が詰まっちゃってたまにやぶける。でも普通は痛がってアピールする。抗生物質の注射を受けて、これからしばらく錠剤を与える。
 チャイはカゴやふすまの影に隠れてメイを驚かす。メイは毎回驚いて飛び上がる。しばらく追っかけっこして取っ組み合いして、疲れたら一緒に丸くなって寝る。拾い猫同士なのにこんなに気が合う兄弟ができてよかった。

Paul McCartneyがDavid Frostのインタビューに応えて、Beatlesの解散の原因はヨーコじゃないって明言した。海外のファンは、ヨーコとの出会いでJohnの価値観が変わって、ほかのメンバーとぎくしゃくしてBeatlesが解散したと考えていた。実際Paulとヨーコの間には20年以上の確執があった。
 Paulは「彼女がBeatlesをバラバラにしたんじゃない、Beatlesは自らバラバラになった。『Imagine』はヨーコがいなければ生まれなかった」って話したらしい。

さよならポニーテールが新メンバーを募集してる。おじさんもさよポニになりたい。クロネコの話し相手をまじで募集してるならそれでいきたい。
 ya-to-iの新ボーカルに柴田聡子さん。ya-to-i唯一のオリジナルアルバム「The Essence of Pop-self」は個人的に邦楽史上ベスト10に入るポストロックの大傑作だ。新譜も再発も楽しみにしてる。

「最近の音楽はつまんない」「最近の映画はつまんない」って言う人はつまんない。「なにか面白いことしましょう」って言う人はつまんない。
 僕の若い友人は社会をよく見て考えて、たいがい面白い。若い人に媚びてるわけじゃないよ、つくづくそう思う。同世代の8割つまんない。バブル世代や団塊世代の95%つまんない。ただ残りの5%が猛烈に面白いんだ。

11月3日 ロミオ、ジュリエット、そしてフランケンシュタイン

きのうは懐かしい友達が集まって飲み会。悪い酔い方をしちゃったな。心が揺れてんだ。幹事を引き受けてくれたのは僕の初恋。その娘はもちろん、昔の彼女や昔の片想いや、恋愛感情はなくても例えば秋山羊子さんみたいに、心から信頼出来る女性に出会えたのは僕の大きな幸せだ。ただひとつだけ残念な恋愛があった。一生のトラウマになるだろうし、それをきっかけにあまりにも多くを失った。
 僕はとても弱くて愚かな人間だ。人を信じて幸せを願って、でもたまたま信頼に足らない人間に出会った時に、処理の仕方がわからなくて無闇に人を傷つけてしまう。いろいろと残念なことがあった。本当に申し訳なく思っています。

今日は出かける予定をキャンセルして、家で寝てた。
青空、富士山、デロンギ、猫、素晴らしい音楽、そしてお布団。

11月4日 菩薩

おじさんになったら人生落ち着くと思ったら大間違いだった。心を酷使しすぎたのでチョコアイスを食べていいこととした。

きのう。過去に恋愛関係にあった大切な友人に、「くだらない女やその取り巻きや、社会的な勝ち負けに惑わされてないで、世の中にはもっと純粋で信じるに値するものがたくさんあるし、それがなければ社会は成り立たないんだから、そういう人たちと仲良くしなさい」って言われた。そのとおりだ。いつも僕を具体的に導いてくれる人。
 きのう。20年前に片想いをした大切な友人に、「山下さんが苦しんでることがあったら私がはけ口になるから、何があっても山下さんを嫌いになることはないから」って言われた。「僕にとって君は菩薩なんだよ、話すだけで赦される」って応えたら、「信じて!!」って笑った。

きょう。知り合って間もないのに心の中身を話せる若い友人に、「山下さんは考え方や感性がすごく女性的で、いままでに会ったことがない人。初恋の人や元カノと友達づき合いできるのわかる」って言われた。彼女の笑いはきっと僕しかファボらないし、僕の笑いはきっと彼女しかファボらない、そんな感性の人。彼女もいつか菩薩になってくれるかも知れない。
 きょう。過去に同じ女性を巡ってライバル関係にあった大切な友人に、「人間としての最後のよりどころは真摯さ。ただ、真摯でないものを抱擁しつつ、自分は真摯で有り続けるという強さ、そこまで到達できるかだ」って言われた。僕が躓くのはいつもそこで、僕らが愛した女性はそこまで到達した人だ。

これまで数えきれないほど非難と嘲笑と断絶にあってきたけど、なんだ、僕はずいぶんしあわせものだな。

11月5日 Believe The Music Again

さっきSkypeしたガールが、仕事に絶望して人生の目標が見えなくて、でもそういう時は世界がきれいに見えるって言った。世界はきれいなはずなのに、独りで怒っていた頃みたいって。癌で死期を宣告されたJoey Ramoneが「What A Wonderful World」を歌ったのを思い出した。

最近は音楽がするする入ってくる。一日中猫抱いて音楽聴いてる。たまに歌って、たまにベースを手にとって。今週末、Ustreamやろう。
 レッキングクルーの本装丁がきれいだから欲しいけど読まないだろうな。本の中身だけ売る電子書籍があるなら、装丁だけ売る商売があってもいいんじゃないか。

11月6日 ゴミ袋で受けとめて

"Success is the best revenge."って間違いだよね。同じ土俵に降りてどうすんだよ。自分の価値観で自分を大事にするんだよ。復讐するべきことなんてなにもないよ。

チャイに個体認証チップを入れに行った。団地の規約なんで。ああなんという管理社会。動物病院の帰り、ガンガンの暖房と演歌のタクシーで、にゃあにゃあ言ってるのに「かわいいワンちゃんですね」て (´-`) .。oO 濃霧に夕焼けの赤、世界の終わりみたいな、悲しい夢みたいな空。雨上がりの夕暮れ団地は空気が美味しい。空気清浄機つけたらカビの匂いがもわーて。
 メイはかわいい。チャイは美しい。でもふたりとも「楽しい俺」が大好き。堅い空気を察知していつもと違うことをする。ゴミ箱の中からこっちを見つめたり。押入れに飛び上がろうとしてふすまに激突したり。俺、いまおもしろいんじゃないの!?

きのうはY.H.氏と朝までSkype。男らしさと女らしさの弊害について、暇な社会のありかたについて。きょうはきのうのガールとまたSkype。人間の徳について、表現について。
 なにかと戦わずに無心に色と遊ぶこと、音と遊ぶこと、言葉と遊ぶこと。つまり祝福された表現を感じたい。ゴッホよりマティス、いまは、それがいい。

「加藤茶のウンコチンチンが『怒りや興奮で冷静な判断が出来ないときこそ周囲に目を配れるようになるべき』という意味の雲湖朕鎮という中国の真面目な四字熟語だと知ったのは大人になってから (石川浩司) 」

11月8日 腕を前から上にあげて、モテるために貼ったおしゃれフライヤーをはがす運動

twitter界のアンナ・カリーナと呼ばれてるとか呼ばれてないとかいうガールと延々カラオケ。彼女は来週結婚するんで、その前にいろんな人と会ってるみたいだけど、その中に僕もカウントしてくれて嬉しい。しかも神戸から。
 久しぶりのカラオケで、前日から発声練習する張り切りよう。こっちはデート気分だったのに、「両親離婚してるんだ、お母さんスキルさんと歳近いし美人だし会ってみない?」って言われて年齢の現実に直面した。

特に脈絡はないけど、中学の部活にボッキーってあだ名の人がいた。それは人前で勃起したからなのであるが、初老の顧問の先生が個人面談で「君は一日何回くらい勃起するのかね」って聞いた話を思い出した。元気かなボッキー。先生は随分前に亡くなった。あの後勃起する機会があったならいい。

カセットテープ50周年だそうです。若いな。40年前の僕の声がいまでも聴ける。

今日の日記は実にどうでもいい。

11月11日 夢でたべましょう

友達の家にお泊り。友達の娘さんがいわゆる子役をやっていて、表現欲求とか創造性とかとねじれの位置にあるステージママの世界の話を聞いた。
 素晴らしきインターネッツのおかげで、僕のような凡人でもミュージシャンと知り合う機会が増えた。愛で飯は食えないけど、食えてるミュージシャンは音楽を心から愛してる。

っていうもじゃもじゃで一睡もできなくて、朝になって友達に話してみた。こんなこと普通言わないよね、話してるうちに緊張してきておかしな精神状態になった。友達はとてもよく理解してくれた。結局いろんないい表現を本人が見聞きして体験して、心がどこまで豊かになれるか、なのかな。
 今日はUstreamをやるよ。

11月12日 そーろそーろ終わりかな、せーんたーく終わりかな、終わり (「゚ω゚)」

心揺れる数週間が過ぎて、日常が戻りつつある。福島県郡山市で農家をやってる知人からお米が届いた。低炭水化物食やめた。相対的に高タンパクになって、バランス悪いらしいよ。美味しいお米に申し訳ないが、イナバのタイカレー旨い。イナバの歴史はカレーに巡りあうための運命の道筋だったし、カレーは日本でイナバに作られるために生まれてきた。

3億年ぶりに聴いたレコードの曲殆ど覚えてる僕すごい。いま聴いてる曲を3億年後に覚えてるだろうか。最近「My」「Morning」「Valentine」って単語を使ったバンド名が多すぎてしょっちゅう間違う。
 LPレコードを買ってカセットテープで聴いてた頃を思い返す。レコードもカセットも、開封して匂いを嗅ぐところから音楽が始まっていたように思う。五感の中で一番記憶に結びついてる「匂い」。感性が物理的な器を持つのは大切だ。Analog Pantsレーベル代表はこう言った。「手に触れ、部屋の一角を占める何か。死者だって墓に入るんだ」。
 そんなわけで、物理的にリリースされてる音源は物理的に買う僕ではあるけど、最近のAmazonは在庫管理がなってない。配送予定日を勝手にどんどん遅らせて、「未発送の注文履歴」がついに5ページに達した。このなかで入荷の見込みのあるものだけ受注しなさい。買ったことも忘れた頃に届いたCDを開けると、自分へのプレゼントって感じがしますね (´-`) .。oO

きのうはUstreamやった。ここんとこ新譜の消化だけでことが進んでたんで、いろんな時代の音楽を並列にかける放送ができて満足してる。いつまで続けられるのかな。っていうのは近い問題として著作権法があるしさ、音楽を取り囲む環境が今後どうなってくのか全然想像がつかないから。

秋の星がきれいだ。昔から科学としての宇宙は大好きだったけど、twitterはじめるまでこんなに星を見ることなかった。twitterがあることで、ここ数年の僕はずいぶん救われた。つまらないとか怖いとか言ってる人は、タイムラインの構築が下手なんだと思う。それに対してFacebookは、古いヒエラルキーからどうしても逃れられない。

最近の一番嬉しいニュースは、「ほめて伸ばす」効果が科学的に証明されたこと。僕はほめられて伸びるタイプなんで、どんどんほめたらいいと思うよ。

11月13日 舟は知ってる、波に刻まれたルートを

我がバンドのメンバーで画家のA.K.さんが住んでいる、奄美諸島加計呂麻島に行く。JALのスーパー先得で (奄美空港から奄美大島をバスで縦断したのち舟で渡って) 。来年の早いうちだ。
 楽器を持っていこう。ベースは背負っていけるんで両手があいて実は楽。でもおもちゃとしてフレキシビリティがあるのはウクレレだよな。A.K.さんや島のミュージシャンとセッションしたい。ほんとはそれをUstream中継したいけど、通信環境の問題があるからなんとも言えない。浜辺や古民家の縁側で歌うよ。回線悪かったら動画を持ち帰ってどっかで公開する。
 A.K.さんの暮らしを聞いて僕も移住したくなるけど、リアルな話 社交的じゃないし体調も不安定だし田舎暮らしの経験もないんで、島の社会に溶け込めないと思う。一緒に移住してくれる朗らかな嫁はいないか。

友人の画家、菅野一成さんが、東日本大震災の被災地に家具を贈る活動に参加してる。菅野さんの素敵な絵が描かれたテーブルが幼稚園に並ぶ。笑顔の写真。この子たち、ずっとこの絵のこと忘れないと思う。自分が小さい時に見た美しい、楽しいものはいまでも覚えてる。僕は被災者じゃないから断定できないけどさ、きっとこういうのが大事なんだよ。

むかし女の子がいつも痛み止め持ってるの不思議だった。ベーシストはいつも9Vの乾電池を持っている。明日は安部王子さんのレッスン。

11月14日 そして、過ぎて行く日々をふみしめて僕らはゆく

PANDA 1/2から藤岡みなみさん脱退。予感はしてた。新しい予定が入らなかったりUstreamを半年休んだり。ライブではポストポスト渋谷系っていうか、渋谷系史上唯一の本当に上手いポップバンドで、世代的に直撃だったしすべてが夢のようだった。みなみさんのボーカル大好き。毎日歌った音源をJamesに送って、Jamesが添削してたんだって。これからソロ活動するとしても、オタ芸とかいう流れにならないとよい。アレだったらうちのバンドにぜひ。残されたJames Panda Jr.さんの中の人は、TからFになったKさんだと思う。またご自分で歌ってもいいのではないか。
 僕のベースにはPANDA 1/2のステッカーがでっかく貼ってある。黒いベースに赤いストラップと赤いステッカー。このベースが歌わなくなっても、もう手放せなくなっちゃったね。「楽しかったです、ありがとう」としか言えないや。

そのベースのレッスン。今日の成果は、午後に「おはようございます」を言うのに躊躇いがなくなったこと。それから、日本で最初のチョッパーベーシストはいかりや長介さんって話、嘘だって。初期の黒人のエレキベーシストは親指で弾いてて、いかりやさんもそういうタイプのベーシストだったってこと。あの人出身はカントリーじゃなかったっけ。
 今日ダメだった、今日もダメだったのはピック。右手で弦を触ってないとあたりがつけられないんだ。こんどリズムシさんのピックが出る。それ買ったらもっと練習する気がする (゚ー゚*)。oO

加計呂麻島行きの準備をもう始めてる。みんなでセッションしたい曲のコード取り、録画するiPhone用のマイクと三脚。バッテリー式のちっちゃいミキサーもいるだろうか。僕は張り切りすぎだろうか。
 それから一緒に行きませんかのお誘いのメール。意外と反応あって嬉しいよ。メール届いてない人も一緒にどうかな?

11月17日 なんだかんだで機嫌がいい

日記を書くのを忘れるほど暇だ。
 東洋経済っていう雑誌に載ってる「死から逆算して生きよ」って記事、話し手の佐藤優氏の顔が酷い。死から逆算して死ぬほどつまんない人生送ってる人はあんな顔になっちゃうよ。君が死ぬ頃には社会は全然変わってるんだから逆算なんかしたって無駄だよ。

とはいえ「団地に住んでてパソコン持ってる引きこもりみたいな人」は逮捕されちゃうらしい。友達が交通事故にあって (100%被害者) 取り調べを受けた時、回答のテンプレートが先に出来てて、そのとおりに答えないと怒られたらしい。もし自分の見たことを正確に話したら「などと訳の分からないことを言っており」になっちゃう。虚偽の自白や虚偽の告訴は、取調官の頭の中で勝手につけられたストーリーだ。
 猫と静かに過ごしてる。いつも風呂を覗きにくるチャイがついに浴槽の縁にあがり、全貌を鑑賞されながらの入浴。メイは自分でルンバ動かして乗ってる。楽しいらしい。僕はだらだらとパソコン作業。ゴミ箱を空にしようとすると「焼餃子.jpg」は使用中のため消去できませんって言われる (´-`) .。oO

11月19日 そしてROCK 'N' ROLL!!

きのうはバンドでスタジオ。付け焼刃の練習をして新宿へ。男女混成大所帯バンドを目指してたはずなのに、おじさん3ピースバンドになりつつある。轟音トイポップバンドのトイ成分抜きで、轟音鳴らして大笑い。人数少ない日だからできるフレキシブルな演奏。テイクを重ねるごとにどんどん変貌して、充実した練習だった。我々は飲み友達じゃなくてバンドだったんだな。
 ドラマー氏に、今日のベースはグルーヴを感じたといってもらえた。いままで、音楽を聴く楽しみと演奏する楽しみって別物だったんだよ。最近それが限りなく接近してる。

僕が導入した新しい録音機材、いろいろと難ありだった。音質悪いけどSoundCloudページを立ちあげて音源公開しました。過去の演奏も徐々に追加していきます。

11月20日 空の写真を撮る女子高生の写真撮りたい

市役所から郵便 → めんどくさいのでしばらく放置 → おそるおそる開けてみた → わはは、おまえ貧乏だから金返してやるよのお知らせ → いやっぽう ヽ(・ω・)ゝ☆ その前の督促状も放置しといてよかった、二度手間になるとこだった。「ほっておいたらどうにもならん山積みの問題を、さらにほっておくと、なんとなく、どうにかなるような気がしてくる (松尾スズキ) 」。
 そんなわけで今日は市役所に行ってきた。役人でもなく経営者でもなく、結婚も離婚もしてないのに役所に通いすぎる人生。放置していた6件の用事を一気に済ませるつもりだったのに、書類が足りませんって言われるのもいつものこと。
 市役所はものすごい急坂の上にある。呼吸器系弱いんでハァハァ言いながら君のあとつけてるけど全然そういうんじゃないんで。僕が遠回りして違う道行きますんで。おじさんはキモいという事実だけで犯罪だ。

きのう公開したバンドの音源、たくさんの方に聴いて頂きました。ありがとうございました。解説すると、最初の3曲は18日のスリーピースの演奏。Talking Headsのカバー「Heaven」はテイクを重ねるごとにスカっぽく、Velvet Undergroundのカバー「Pale Blue Eyes」はシューゲイザーっぽく、Yo La Tengoのカバー「Tears Are in Your Eyes」はローファイっぽくなっていった。気に入ってる。
 次の「Tears...」は10月27日の、ギターがなくてヴィオラとアンデスが入ってるテイク。僕のベースが酷いのは、モデルさんと同じ譜面見ながらの演奏で緊張してたから。その次は7月21日のBlurのカバー「Song 2」、最後は同じ日の「Heaven」の原曲に近い演奏。この日はグロッケン入ってて面白い。そしてやっぱりベースが酷い。その前月、僕が初めてベースを弾いたテイクもあるけど、これはちょっと聴かせられない。次のスタジオではついにオリジナル曲をやる予定。

なんだか最近音楽好きすぎて死ぬ。Rufus Wainwrightくるんかー、彼の音楽はすごく肌に合う時と合わない時があるんだよな。Mike OldfieldをYorkがRemixする。面白そう。of MontrealがBeach Boysの「Little Bird」カバーしてる。渋いとこ突いてきた。
 奄美諸島、加計呂麻島でのセッションには意外なゲストがいっぱい参加するかも。それに向けての準備もしてる。きみも一緒にどうかな。

冬はやっぱり放射線量があがるね。僕の線量計、チェルノブイリ事故のあと地元の人々に配るために旧ソ連が開発した評判のやつなんだけど、なにがすごいって単三乾電池2本入れるところがあるのに1本でも動くことだ。

11月21日 我ら、時を往く

今年自分は変わったって思うんだ。Flipper's Guitarってバンドでシニカルな歌詞を書いてた小沢健二さんがペシミズムを捨てたみたいに、それは言い過ぎだけど、当時は小沢健二さんの変貌にがっかりもしたんだよね、でもそういうユリイカ!! が僕にもやっときた。
 相変わらず悩みこむことも、悪酔いして人を困らせることもあるよ。仕事もないし彼女もないしキスもセックスもしなかったよ。でもなんだかの目覚めがあった。

理由を考える。去年地震の被災地を巡って、星も人もこんなにあっけなく変わっちゃうのかってショックを受けた。いまでも復興利権に飛びついたり、原発動かしてるくだらない人もいるよ。でもそうじゃない変化の胎動を感じてる。前々から言ってた、「閉塞した社会のジェットコースターから降りて自分を生きること」に自信を持てた。要するに、いわゆる社会的落伍者である状況を肯定できるようになった。
 人を信じる勇気を持った。心を病んでから、ペシミズムとルサンチマンと、真摯でないものへの怒りが爆発して、たくさんの友を失った。唯一の家族だった弟や親戚とも絶縁状態だし、これから離れてく人もいっぱいいると思う。でもそれで残った人、例えばおおむかし初めてキスしたあの女性は、菩薩であるなと思う。そして初めて自分から告白してつきあったあの女性や、こどもたちと森に住むあの男性は、普通の人生では出会えない運命の親友と思う。

今年出会った人々、今年出会った音楽、今年出会った言葉、今年出会った恋愛。そういったものが実を結んで花ひらくとは思ってないけど、来年もだらしない日々を、でもいままでとは違って堂々と過ごす。

ま、花ひらくならひらくに越したこたない ヽ(・ω・)ゝ☆

11月22日 夜間飛行

日本語の歌を聴きながら書きものができない体質で、未聴邦楽山脈がやばい。ここ何日か、少しづつ崩して聴いてる。INU「メシ喰うな!」初めて聴いて打ち震えた。成海璃子さんも好きだっていうこのアルバム一緒に聴いてお酒飲んで...。
 microstarの新作EP「夜間飛行」が素晴らしい。筒美京平作品と言われても信じそうなキラキラ歌謡ソウル、サウンドはRah Bandだね。B面はSpectorサウンド+子供コーラスの絶品クリスマスソング。こういうわくわくする音楽を奏でるバンド、ほんとうに少なくなった。すべてのポップフリークに強くお薦め。前作「夕暮れガール」もアルバム「microstar album」も。

日本語聴きながらやることは、画像ファイルの整理とそれを使ってデザインぽいこと。Facebookのカバー写真、ずっとウクレレとネモとクリマロだったの、ベースとメイとチャイに差し替えた。同じ写真を流用して名刺、表札、iPhoneの壁紙、年賀状、このページのプロフィール画像。MySpaceがデザインを一新したというムダ知識を手に入れた。
 Instagram用のプロジェクターがものすごく小さくてガジェット欲をくすぐる。惜しむらくは写真を見せる相手がいないことだ。

寒くなって肩こりが酷いんでネックウォーマー買った。これを選んだのはジャケのガールが可愛かったからで、「あんまりあったかくないです」っていうカスタマーレビューをもっと重視するべきだった。

11月24日 ヌスル

きのうはY.H.ヒロムさんのヌスル展いってきた。アパートの表札を拓本するっていう限りなく軽犯罪に近い作品たち。ふだん何気なく見てるフォントのこだわりのなさが額装される倒錯。街のどうでもいいものをギャラリーに押しこむコンセプト一発勝負の展示は、赤瀬川原平的でもありみうらじゅん的でもあった。次は警視庁の表札を拓本して逮捕されて欲しい。それから現在廃墟になってる我が実家の表札も。
 榎本了壱さんのいきあたりばったりなトークが最高に面白かった。榎本さんの話は思いつくまま脱線して、そのすべてが面白いのはふだんの考察と蓄積の賜物だ。Y.H.さんも榎本さんに料理されるのを楽しんでる様子。榎本さんの企画仕事や書を見せて頂いた。たいへんなバランス感覚と集中力。ほんとうにクレバーな方は穏やかで暖かい。僕の師匠、坂根厳夫さんのこともよくご存知だった。

今日は最後に勤めた小さな会社の同窓会的飲み会。社員7人全員参加。あの会社の仕事は辛かったけど、魅力的な方々と働けて幸せでした。もうね、連絡メールに並んでる出席者の名前ひとりひとりが愛おしい。楽しみにしてる。今日は飲み過ぎる確信がある。

11月25日 約束もしないけど

きのうは最後に勤めた小さな会社の同窓会。合唱部のメンバーが集まって作られた会社で、何人かはいまでも演奏活動してる (僕はあとから入社したから合唱部とは関係ないよ) 。で、そのコンサートのあとにみんなで飲もうと。金髪でサントリーホールに入ろうとしたら「お客様ちょっと」って言われたよ (´-`) .。oO 社長の編曲能力の素晴らしさや上司のベースパートの面白さ、諧謔精神がいまならわかる。基本的に昭和歌謡をオープンハーモニーのコーラスに編曲して歌うんだけど、アンコールで忌野清志郎の「約束」を入れてきた。75歳の社長、どこでそんな曲を知ったんだろうか。数年前に奥様を亡くして、ご自身も闘病中の社長がソロを取る「約束」胸に迫ってきた。
 僕はあの会社にいた頃、壁を背にしてたのをいいことに考え事ばっかして仕事しない酷い社員だったけど、あの方々に出会えたのは驚異的な縁だったと思ってる。同窓会、泣きそうに楽しかった。

ところでさ。twitterの楽しみは記号と記号の交歓であったが、記号の先に確かに感情のある人間がいるということに、そろそろ気づくフェーズに入んなきゃだと思うのだよね。これ忘れちゃうと、黎明期のmixiの知らないひと同士が、実際に知りあって起きた荒廃とおんなじことが起こる。
 僕は若い人や未来にすごく関心がある。ちょっと前まではその関心がうまく回ってたんだけど、40歳って名乗ると若い人の方から固定観念で壁つくられちゃうことがある。ハー...もじゃもじゃ考える。

「優しさって想像力なんだなぁと思う。本当に優しい人は優しさを自分の思うように受け取ってもらえなくても、思い描く人間の種類が豊富だから取り乱したり怒ったりしない。私はそんな人になりたい。そんな人に頼りすぎないようにしたい (A仔さん) 」

11月27日 お風呂がカノンの調べで俺を誘うけど僕はお布団と猫から離れられないごめんな

紅白歌合戦の出演者が発表された。殆どの音楽番組はレコード会社ごとに出演枠が決まってて、レコード会社がプッシュしたミュージシャンが出る。コロムビアと契約解除した小林幸子さんはもうコロムビアからプッシュされることはない。
 観たいのはaikoさん、石川さゆりさん、舘ひろしさん、Perfume、YUKIさん、あら今年は結構いるなあ。知らないのは11組。なんでいるのかわかんないのは...って書きたいけどそもそも紅白って番組の方向性がわかんない。全部演歌とジャニーズでいいんじゃないか。

洋楽を聴かない女性がよく言うのは「歌詞の意味がわからないから」。言葉には耳を引く力があって、時に音楽そのものの楽しさをマスクしてしまう。歌詞には意味とは別のメッセージがある。例えば…その歌い手が一番魅力的な声を出せる子音をどこに置くか、破裂音でいかにグルーヴを作るか、メロディとよく馴染んでるか、あるいは裏切ってるか、とかとか。そんなふうに響きを意識して紡がれた言葉は、結果として意味が伝わりやすい。
 3億年ぶりに面白いと思える音楽コラム、細馬宏通さんの「歌のしくみ」いま3回目まである。ぜひ読んでください。特に詩や詞を書く方。

三波春夫さんの「お客様は神様です」っていう言葉の真意、少し勘違いしてた。クライアントとサプライヤーは金銭契約を通じて対等なはずじゃんか。中国では客の方がありがとうを言う。本を売ってくれてありがとう、美味しいご飯を作ってくれてありがとう。それは価値観の違いとしても、一緒に食事に行って店員さんに高慢な人は信頼出来ないな、と思う。
 三波春夫さんのいう「お客様」はオーディエンスのこと。「私が舞台に立つとき、敬虔な心で神に手を合わせたときと同様に、心を昇華しなければ真実の藝は出来ない―と私は思っている」。ドキッとした。

Kutimanっていう音楽家で映像作家がいる。世界を旅して、旅先の街で撮影した音楽を編集して作品にするプロジェクトをやってる。エルサレム編を観た。キーだけ指定して好きに演奏してもらって、それをエディットしてひとつの音楽、ひとつの映像にしちゃう。

SFCに漂っていたあの匂い、牛かと思ったら豚らしい。ハムで有名な「高座豚」の高座は高座郡の高座、あのあたりは豚の名産地なんだって。入学した時は駅前に牛小屋があって、卒業した時も笹久保に牛小屋があったから、みんな牛だと思ってた。たぶん関係者の99.8%牛だと思ってる。

東京近郊の老若男女80人に、鍋を囲みませんかのメールをだしたけど、結局おじさん3人で鍋を囲むことになりそう (´-`) .。oO えいって日程決めてから投げたほうが受け取りやすかっただろうか。メール貰った人も貰わない人も、鍋囲みませんか。愛が足りない、ひとりじゃだめみたい。

11月28日 爪切り探してる時は耳かき出てきて 耳かき探してる時は爪切り出てくる

おっぱいを揉んで気持ちいいのは男のほう、肉球を揉んで気持ちいいのは人間のほう。わかっていても肉球を揉む。この時期の猫は自走式暖房器具としてグッドデザイン賞あげたい。ルンバがゴミに向かってくみたいに、寒いと布団に入ってくる。
 いつも浴槽の縁にのぼってくる猫が足を滑らせて水没、自力で脱出したものの僕が軽傷を負う形となった。明日は浴槽の縁にシャンプー塗ってみようか。

選挙が近い。都知事選についてはUstream討論でひとり抜きん出てる候補がいた。衆院選の方が困っちゃった。脱原発、リベラル勢力が合流してるけど、選挙終わったらすぐ分裂するのは目に見えてる。新党いまだけ。政治家の仕事の大半は選挙に関することなんだって。花見の場所取りする新入社員と変わらない。選挙って仕組みも限界に来てる。ひょっとしたら民意を汲み取るのは多数決じゃないかもしれないし、一番正しいのは民意じゃないかもしれないよ。
 誰がが面白いこと言ってた。政治を職業にしないで、裁判員制度みたいに一般の人が呼び出されて、ある政策について議論して決定する仕組みはどうだ。

週末はUstreamしたい。

11月30日 オリジナル曲をバンドメンバーに投げて2日間、まだ一件も反応がない (゚ー゚*)。oO

言いたくないが寒い。お布団はいいなあ...こんな僕でも優しく包みこんでくれる。浴槽にお布団を敷けば二倍幸せなのでは。
 きのうはベースのレッスン。そもそもツーフィンガーがスムーズにできなくて、twitterに泣き言つぶやいたら安部王子さんが「見ようか」って声掛けてくれたミラクル、なんだかんだで続いてる。いまは基礎練習をしながらコードに対するベースラインのつけ方を教えて頂いてる。そういえば今年は1曲も曲を書かなかった。初めてベースで曲を作ってみようか。

きょうは役所に行きたくなさみが蓄積してカツ丼食べたい。都知事選の猪瀬直樹氏のポスターが修正しすぎて酷い。いったん肌を塗りつぶしてパーツ変形して、後からハイライトやシワを描き足したんだと思う。そんな僕の3年前の証明写真が実に酷い。これ街歩いちゃいけない顔だよ。眼の大きさ違うけど手術も修正もしてないよ、ペシミズムと決別しただけ。
 帰りにマッサージ屋さんへ。担当さんとのお喋りが楽しい。たとえるなら男性の会話はスポーツの試合で、ストーリーの末に結果がある。女性の会話はキャッチボールで、ストーリーも結論もない。でもキャッチボールすることで、言語化できないコミュニケーション、人間性の交歓が確かに行われている。男性家系に生まれた僕がなんでこっちに馴染むのかわからない。でもこの喋り方だと恋愛対象にはなれないんだー ヽ(・ω・)ゝ☆

6年間毎日自分撮りした人。レンズキャップをつけたままで