DIARY 2013年8月


8月1日 敵視されたりデュクシされたり、についてのユリイカと次なる創造

【実在した自己認識できてるダフ屋】
 はいダフ屋だよーダフ屋だよー
【実在した自己認識できてないダフ屋】
 リストバンドこちらで回収しておりまーす

今年のFUJI ROCKの同行者はみんな問題児だった。問題児だらけの外出は、気を使わないで楽だから大好きよ。いわゆる「ちゃんとした」方々はどんどん離れてったし、「いい加減嫌われてることに気づいたらどうですか」ってメッセージ送ってきたりする。嫌われてんのは気づいてるよ、どうしてそこまで堂々と嫌味が言えんの。っていう疑問と失望がずっとあった。
 きのう見つけた ももせいづみさんのブログ、■ paris-texas ■ オースティン@テキサスより「アメリカの嫌いではない話」。どうしても原文読んで欲しいけど、ちょっとだけ要約するね。

アメリカはずっと私にとって「苦手な国」でした。最初に思った「水が合わない」という第一印象というのは、結構信用できる第六感なのだと思う。やはり、ここは水が合わない。それでも、本当にこういうところは嫌いじゃないなあ、好きだよ、と思うことは結構あるわけです。
 欲しいものは欲しいといい、どいて欲しい人にはどいてくれない? と言ってみて、だめだよと言われたら、あらそう、とあっけなく引き下がる。で、本当にやりたければ、別の場所でまた再トライする。「ちょっとこの人、一体何を言ってるわけ」と上から下まで舐め回すように見られたり、ひそひそ目配せされることがない感じはなんだか本当に楽だなあと思うわけで。
 日本にいると、みんなと同じことはなんだかとても大事なことなのだなあとよく思う。そして 誰かに迷惑をかけない、足並みを揃えることも。もし足並みを崩す人が一人混じってたら、明らかにほかの人たちが目配せする。そして、終了後にスタバなどに集まって、悪口大会になる。目に見えている。(アメリカでは) クリエイティブマインドの持ち主だと言われた彼も、日本にいたら『足並みを乱す迷惑な子』になってしまうのかもしれない。

なんでも二分法で片付けるのはアレだけどさ、これ読んでヤマシタの悪口大会してる方々と、いま大切にしたい交友関係の顔が脳裏に浮かんだ (´-`) .。oO
 村八分は嫌いだし、反射的に嫌いって言っちゃうよ。でも理想としてはさっさと引きさがって、「足並みを乱す」人たちとの時間を大切にしたい。前のバンドは空気読め圧力で成立してて、ここをクリエイティブな場にするのは難しいって感じたんだ。ももせさんのブログを紹介して、いい反応をくれたのは新しいバンド、ヘクショイの仲間たちだった。「いかれたメンバーを紹介するぜ」ってこういうニュアンスかもしれん。創造と試行錯誤の場は得てしていかれてる。きもいな僕ら!! バンドが自家中毒に陥らないように意識しないとな。

日立マクセル「ずっとずっと。奄美シマ唄」篇。歌ってきっとこういうことだよね。暮らしと歌の関係がすき。
 風邪が治らない。たぶん今世紀初めて、お医者さんに風邪薬だしてもらった。はい、美味しいです!! 薬局の看板娘が心なしかやつれてた。話を聞いてあげたいし、流れでなんやかんやなりたい。夏休み あの脚この脚 女が通る。という意味でも、夏はよい。ところで加齢による駄洒落の増加は、否応ないボキャブラリー増殖の結果でもあるし、意図的な発言のハードル撤去でもあるし、笑いというより「踏める」発見の報告なんだよ。
 「死」の瞬間、細胞は青い光を放つらしいよ。ブルーは涙、夜は黒。J.J.Caleが亡くなった。現代美術と音楽の間を行き来した、Walter De Mariaも。砂漠で雷の光を観る「Lightning Field」って作品が好き。

さてと。

8月2日 道化師たちのソネット

最近やってくるSPAMはもっぱら楽して儲ける話。僕はみんなが思ってるほど貧乏でも貧乏根性でもないよ ヽ(・ω・)ゝ☆

きのうの続きってば続きなんで、きのうのを先に読んでください。
 さだまさしって音楽家が好きだ。フォークムーブメントに乗ってデビューしたけど根はポップフリークで、今でも創作のモチベーションは音楽的なアイデアとユーモアで、でもそこがリスナーに届いてないって意味ではPaul Simonに近い。彼のほとんどの作品は曲先で、Macマニアでフォントコレクターなんで、曲のイメージにあったフォントを選んでから詞作する。で、作曲家としてはDavid Gates的な資質だと思ってる。
 彼の不幸は、レコード契約を維持するために辛気臭い「精霊流し」って曲を書いてしまったことだ。それからも辛気臭い曲を求められることに焦って、最初のバンドを解散させた。相方の吉田政美さんはソロ活動で本来の趣向を爆発させた。さださんは結局パブリックイメージに応えつつ、アルバムの中で優れたポップソングを発表した。最近リリースされたベストアルバム「天晴」は、どっちの需要もそれなりに網羅してて、この時代に20万枚以上売れてるらしい。ポップフリークの方々には、僕の作ったMix CDを聴いてもらいたいな。

っていう前置きをしながらやっぱり言葉の話。「神の恵み」って歌の中に、「国を語ればleftからブーイング 平和を歌えばrightからクレーム」ってフレーズがある。彼は、左派だからこれにはYes, これにはNo, これにはYesって応えないといけない、右派だからNo, Yes, Noって応えないと村八分に遭うっていう日本的な二分化論から離れて、ひとつひとつの事象を調べて考えて行動する。例えば。圧倒的な平和主義者なんだけど、その礎には不幸な戦争と死があり、先人を弔うために靖国神社に参拝する。それと同時に、ものすごく早くから東アジアの人々と積極的に交流してる。っていうスタンスを、日本の村社会は受け入れない。音楽村では彼を嘲笑することが、暗黙の了解で決まってる。でで、宇多田ヒカルさんが面白がって評価してるのは象徴的な話だ。
 僕は、Amazonで評判のバスタオルを買ったらどうみてもシーツの生地で、洗えば洗うほど風合いも良くなるってあったんで洗って洗ったけどシーツの生地で、えっこれであってんの? 騙されてんの? って聞けないくらいには日本人だ!!

またラピュタやってんのか。ブランドになる前の宮崎駿さんを観てないのにディスる人、「ジブリ観てない自慢」の多さを嘆いてる。みんながガンダムや松本零士を観てた頃、なにそれって言われながら未来少年コナンや名探偵ホームズ観てたんだよ僕は。いまでこそみんなバルス祭りしてるけど、ラピュタの興行成績が悪すぎてジブリって潰れかかったんだよ。
 いまの思想的過ぎる宮崎さんには興味がない。大塚康生さんと組んでた頃の圧倒的な躍動感よ。思想家じゃなく動画家でいてほしい。「風立ちぬ」は久しぶりに劇場で観たい。

明日はバンドでスタジオ、だー ヽ(゚〇゚*)/

8月4日 don't cry, no fears, no tears comin' your way

みんながノーネンに恋してる間に!! 同じ事務所のウミニーが!! あかぬけてよき成長をしている!!

きのうはバンドでスタジオ。だったのだが。病院でもらった風邪薬が強すぎてまさかの寝落ち、大遅刻。すみません...。でも成果はあったのではないか。ぼんやり未来が見えてきた。特に前のバンドからのレパートリーだったYo La Tengoのカバー「Tears Are In Your Eyes」が、だんだん自分たちのものになってきた気がする。
 音源聴いた。ベースの聴こえなみ!! 音質の悪み!! そして僕のボーカルは風邪の鼻声+エフェクターで別人のようだ。エフェクターは使うとこ選ぼう。オリジナルもどんどん書こう。それにしても、遅刻しないでスタジオ時間フルに使えたら、もうひとつ上の地平が見えた気がするね...。

有吉弘行さんの「馬鹿に発見される」って言い回しが好きでよく使ってる。つまり、毒舌と紙一重の彼の芸風を、反射的に叩くような層に晒されるとめんどくさいってことだ。これは津田大介さんのいう「キャズムを超える」に似てる。そこでメディアの特性が大きく変わる。宮崎駿さんはジブリってブランドを纏って、馬鹿に発見された。
 それと反対のようでよく似た概念として、「秀才に発見される」がある。例えば、井深大さんと盛田昭夫さんが相次いで亡くなって「It's a SONY」って言わなくなったSONYは、町の発明家が秀才にすり替わって、中の人の顔が見えなくなった。これからトランジスタやウォークマンに匹敵するびっくりを見せてくれる気がしない。で、我が母校も偏差値あがっていまそうみたい。

Paul McCartneyのチケット当たった。嬉しいってば嬉しいけど、みんなこんなふうに21世紀のバンドを観にくればいいのにって思ってる。

8月5日 「サグラダファミリア」の鼻詰まってる感

男はこう、女はこうって大雑把な二分法で異性を断罪する人は、友達としての交流が浅いのだろうな。犬はこう、猫はこう、もそう。もちろん資質の違いはあるけど、動物の性格はたぶんに育ち方で決まる。

Macが逝った (゚ー゚*)。oO たぶん物理的に逝ってる。データだけでも救出したいしあわよくば直したい。という願いがかくも長きMac不在に繋がるとは予想だにせず、永遠に工事の終わらない横浜駅のような、ガウディの建築のような日々を過ごすことになった。結論から言うとMacは直ったしデータもほとんど取り出せたけど、手間と効率と精神衛生を考えると、バックアップを兼ねて二台持ちにできるならして、すぐにでも環境を整えたほうがいい。この続きは17日の日記に。

Sparksまだ日本にいるのか。はよ帰れ。

8月7日 フラットデザインの女 (ひと)

友達に紹介してもらった中野のMac修理屋さんへ。その足で高円寺を歩く。ネットの知人がオープンさせたAmleteronっていう雑貨屋さん、文字からも伝わってきた彼女の文化的教養とセンスの良さを、フィジカルに丁寧に展開した気持ちのいいお店だった。
 宇野亜喜良さんがデザインした、福島の被災猫へのチャリティグッズだっていうトートバッグや缶バッジを購入。動物のイラストで文字を象った缶バッジ、「POP」にしようとしたんだけどビジュアル的にいまひとつで、Lが可愛いんでLで始まる単語...LUCKY。こういうキャラじゃないフレーズにも果敢に挑んでいく所存。写真をネットにあげたら「豆?」って聞かれた。豆...。並びの中古屋レコード屋で発掘作業に熱中して、いつも通りの2時間後行動でライブハウスへ。

また来たのかよの藤岡みなみ&ザ・モローンズ。ついに発見されてしまった、オタ芸だ。別にいいんだけどさ、リズム感のなさは気になるな。そんな中、みなみさんは大きな音でギターを奏でた。次に出てきたのは完璧アイドルグループで、その光景はまさに偶像崇拝の地下宗教であった。最後に登場した主催者は、自分のイベントでアウェイ感なのをネタにして、「もうちょっとで終わりますから」なんて言ってたのに、ステージでオタ芸始めてアイドルより盛りあがった。ああ、こういうコンセプトのあれなのだね。
 終演後、壁際でお酒飲んでたら楽屋口からアイドルグループが出てきて、ファンにわーって囲まれてキメのコールして写真ばちばち撮られた。みんなに僕を消すPhotoshop作業をさせてしまってすまんと思ってる。間近でみたアイドルは特別可愛くなかったし、なんなら汗臭かった (´-`) .。oO

竹中直純さんのインタビュー、「文化」を発信するという技術。小児救急医が、「キラキラネーム」はやめてってツイートしたらしい。読み方の確認に時間を取られてバイタルチェックが遅れる。凸 (てとりす) ないわ...。

DNAやPere Ubuのベーシスト、Tim Wright逝去。Pere Ubuの結成メンバーで、デビューアルバムのレコーディング中にDNAに移ったみたい。有名な「No New York」の音源には参加してなくて、彼が加入してからの演奏が圧倒的に面白い。

8月9日 コバエが無から自然発生した

クラブ遊びはするけれどアナログレコードを見たことがない、と主張するガールに衝撃を受けるなどした。

Macがないと、言葉も歌も紡げない肉体性のなさ。曲を書くためにギター買ったのに、まだギターで1曲も作ってないし、そもそもギターで曲を書くってどういうことなのかわかってない。メロディやサウンドのアイデアはどんどん出てくるんだけど、どういうコードをつけたらいいかはまったく手探りで、聴いててヴォイシング的にこれでいいのかもわからない。
 発想としてのパンクは好き。DIY!! スリーコードでガーンみたいなのに憧れる。でもいざとなると、いろんな意味で自分の肉体性に直面するのだよ。パンクシーンから出てきたミュージシャンも、音楽的な好奇心を爆発させてどんどん進化してったわけで。

馬鹿は風邪ひかないけどひくと長い。咳が炎症を引き起こして、炎症が咳を引き起こすスパイラルに堕ちた。夏風邪っぽい方は僕の屍を乗り越えて、早めの養生をお奨めしたい。エアコン消したら猫が3センチくらい離れて寝るようになった。寝る前に「お話」をしてくれる。お話いいから早く寝たい _(:3」∠)_

平成25年長崎平和宣言。ITメディアニュース「情けは人のためならず」が科学的に実証された。Yo La Tengo「Is That Enough」。Geoffrey Keezer「Come Talk To Me」。Crass「Nagasaki Nightmare」。

もうひとねむりしてからちょっとだけ人生やろう。

8月10日 にほんが、とろけはじめた

(暑いを愛してるに言いかえる、暑いを愛してるに言いかえる、暑いを愛してるに言いかえる...) 暑い ヽ(`Д´)ノ

佐久間正英さんのブログ、goodbye worldっていうエントリーに衝撃を受けた。ガンのステージVIを宣告されて4ヶ月の間に起きたこと、考えたこと。自分もたいがいなおじさんだし、両親を早くに亡くしたんで、死という概念は視野に入ってるつもりだった。こんなにリアルで穏やかな遺言が、オンタイムに公開されたことって歴史上なかったんじゃないか。言葉にならない。
 僕は死にたいと思ってた時期が10年くらいあった。今は死ぬのが怖いんだよ。佐久間さんが4ヶ月でこの心境にたどり着いたのは、自分の人生に納得できたからだと思う。自分にこんな人生が送れるか想像すると、ますます怖い。っていうのは佐久間さんの仰る「恐れている負の力」なのかもしれない。いま41だけど、残りの人生大切に生きよう。

その佐久間さんが語る音楽の現場。音楽をめぐるシステムに無理が来てるって話から、構造変化への期待と未来について。Sweet Dreams Pressレーベルの考える音楽のあり方、具体的には、もうAmazonには置きませんよって話。

大雑把にこういう類いの幸せのかけらを集めて生きるのだよ→

8月12日 tokyo shyness, round and round

冷蔵庫に入りたがる人々の話から派生して、低学歴の世界や地域格差の話題がどんどん出てきた。「私のいる世界」、ブサイクで金もないデブを囲うハーレムがあり、親や先生たちも知ってるけど誰も異常だと思ってないって話。「低学歴と高学歴の世界の溝」、地方に見られるDQNの連鎖と、上京のカルチャーショックの話。
 よその国の出来事みたいにびっくりした。バンドメイトが「わかる」って言うまで釣りだと思ってた。記事の描写も怖いけど、それを知らなかったのが怖い。子供が陥る妄想みたいに、自分以外の人たちはなにかを知ってて、世界から取り残されて観察されてたみたいな気分。東京で電車に乗るのも怖くなった。僕が無条件に人を信じたりその結果として傷つくのは、アスペルガー的なもんだと思ってたけど、環境の違いに起因する感覚のずれと、それを蔑視するこの国の空気もあるのかな。

さっきの記事のモチベーションは苛立ちだ。逆スノビズムは無敵で、突きつけられたら逃げ場がない。僕は都心に生まれて、迷走しながらもいわゆる有名大学を卒業した。いまも迷走しながら音楽のことを考えて、なんだかんだで食うに困ってない。それは否定のしようがない。「都会もんにはどうせわからない」って諦められたらわかりようがない。Mumford & Sonsの、「だからお前らはロックじゃないって言われても困る」って話を思い出した。トーキョームラに生まれたことが原罪で、ほんとに愛されないな我がふるさとは。そんなに東京嫌いなら来るなよ、それぞれの土地にそれぞれの風土を活かした産業を発展させて、幸せに暮らせるような政治家を選べよって思ってたけど、どうやら日本の民度はそういうレベルにない。
 ただこれ、学歴や貧富差だけが原因と思ってるならちょっと違うんじゃないの。地域によって進学率が違うのは事実だ。でもそれは経済的な理由だけじゃなくて、その土地の産業で必要とされるスキルの違いでもある。進学したから偉いってもんじゃ全然ない。マリー・アントワネットは「パンがないならケーキを食べればいいじゃない」とは言わなかった。でもそういうキャラ付けをした方が、多くの人は喜ぶ。想像上の「血の通わない人」を晒し首にしてカタルシスを満足させる。なんでも二分論で考えるのはどうだろう。仲良くしたいんだよ、国の中でも外でも。

東京には先史時代から人が住んでいて、沼地とささやかな農地だったわけだけど、徳川家が幕府にするべく数世代にわたって大普請をして、そのたびにいろんな土地から人を呼んできたっていう特殊な歴史がある。東京が世界の多くの都市と違う性質を持った由来だ。その歴史はいまも続いてて、東京のイメージはほかの国の人たちが首都に持つイメージとだいぶ違う。北海道出身の小西康晴が描く幻想の東京が、東京出身者の描く東京より需要があるのもわかる。ただ、ここに数世代暮らしてしまった江戸っ子にとってはふるさとで、それ相応の土着文化を形成してる。でで、ほかの土地に生まれてそこで生きる人々と同じように、東京土着の人々は穏やかだ。細野晴臣が歌うTokyo Shynessって言葉は、進駐軍の兵士が東京人の気質を形容して呼んだ。
 ほかの土地に生まれて東京に来たがる人々は、ものすごーく大雑把に、その土地の平均よりも闘争心が強いのかなと思う。東京は勝負しにくる場所で、故郷に錦を飾りたい。その闘争心と江戸っ子のシャイネスの間にコンフリクトが起きて、江戸っ子は駆逐された。僕自身も生家がない。帰る場所がない。みなさんが自分のふるさとを愛するように、とは言わないが、もう少し東京に手加減してあげてっていうのが正直な気持ち。

そこに、わたしが東京もんですと言わんばかりのこんなブログが出てきた。「東京生まれ東京育ちが地方出身者から授かる恩恵と浴びる毒」、とその後編
 東京の人は地方の人にレイプされてる感覚で生きてるって言う、それはすごくわかる。でも後半に書いてあるのは、「自分がNYに行って初めて地方出身者の気持ちがわかった」ってこと。でもこの人、NYをレイプするような気持ちでいるんだよ。それでわかった気になったのかと。根本的には地方出身の人を馬鹿にしてるし、そこは変わってないんだろう。僕はNYでゴミ捨てることはない。もし捨てたら「それみたことか」と言って頂ければ。どんな環境でもレイプしちゃダメなんだよ。ゴミを捨ててわかった気になるような思考停止よりは、「東京嫌いなら来なければ」っていう思考停止を僕は選ぶ。

ハァ、音楽と女の子のことだけ考えてたい。

8月14日 雷GORORI

へそを取られて困る状況を考えてる。

サマソニで「ミスチル地蔵」と呼ばれる現象が発生した。Mr.Childrenのライブを最前列で観たいがために、その前のバンドの持ち時間から場所取りをして、ぼんやり立ちすくんでたらしい。前のバンドはThe Smashing Pumpkins。Billy Corganがムッとして「Thank you for the warm reception.」って皮肉を言った。
 どのフェスにも多少なりともこういう人いるけど、今回はネーミングが秀逸だった。フェスのマナーだからどうこうじゃなくて、いろんな文化に触れた方が人生楽しいのにな。僕の好きな、活動停止中の日本のベテランバンドのリアルタイム層も、別に音楽が好きなわけじゃない。彼らの曲をコピーしたり聴いてる音楽を探るより、薄い本的な目線でイラストやポエムを書くのが好き。いまカクバリズム界隈を追ってる層が、20年後にああなりそうな気がする。

33100円と一週間を投じて修理したMacBookか動いたのは、たった10分であった。中野のMac屋さんに日参するのはパッカード。天気雨や雷や、昭和の子供が想像する世紀末っぽい2013年のネオトーキョーだ。
 その帰りに、後藤ユニさんがお店番をしてるゴールデン街のバーへ。ゲームしながら「お店の人は買い出しに出てます」ってつぶやくガールは山田都和子さんであった。ほかの日の常連さんらしいおじさんと3人でしばし沈黙、耐えかねたおじさんが帰った頃に、マスターの新子さんが顔出してくれた。ユニさんがお店番の日だけ家を出るっていう青年、ユニさんから洗濯機を買ったっていう青年、MELODY KOGAさん。MELODY KOGA!! 誰だよ。音源を聴かせてもらった。ひたすら4つのコードを繰り返すピアノに、深い声でお菓子にまつわる駄洒落を歌う34曲。それはまるで、Erik Satieの家具の音楽であった。CD買ってライブに行く約束をした。女子中学生の気持ちを歌うアイドルユニットの正体を聞いて、俺でもいけんじゃね、と思った。引きこもりの青年に、アイドルユニットの結成を持ちかけた。あなたは美少女担当で、僕はお喋り担当で、どうかな。

朝マックの存在がまぶしすぎるし、体に悪そうでこそマックだし、なんでみんなおはようの顔してんの、くらいにはおやすみなさいだ。

8月15日 オボーン!

指先ぎぎってやるポーズはネール見せてんのか。考えれば考えるほどいろいろおかしい。

猫が隅っこにいるから体調でも悪いのかと思ったら、暑い、のだそうだ。冷房を避けて音楽をかけながらiPhoneをいじる。SPAM業者によると僕は与沢翼に憧れてるらしい。そんでついに放射能汚染陰謀論商法キタ。汚染されてない九州の農産物はこちら、的なの。
 お盆ならではのネタ「坊さんあるある」。ナショナルジオグラフィック「人のあくびは犬にもうつる」、猫にだってうつるさ。Yahoo!ニュース「北朝鮮がスマートフォンを開発」、個人情報の引っこぬかれ方すごそうだけどぜひとも欲しい。多摩市の安いスーパー情報とか将軍様に筒抜けにしたい。SJNニュース「ダイヤモンドよりも強い原子間結合力を持つ物質を発見」。XTCの前身バンドHelium Kidsの貴重なスタジオライブ、普通にかっこいい。大滝詠一さんの貴重なライブ「君は天然色」あやふやなギターの手元に漂う、見てはいけないもの感やばい。巨大重機「Absetzer」が線路を渡る。

田口ランディさんのツイート「私は戦わない。戦わない者にできることは、よく見ること、よく聞くこと。よく考えること。それだけだ...。それでは世界を変えられないとよく言われる。私の人生の目的は世界を変えることではない。しいていえば世界から変えられることだ」。

そして...佐久間正英さん手術成功の知らせ。そんな終戦の日。

8月16日 コンピューターおばあちゃんの算数、国語、社会、そしてイデオロギー

中野のMac屋さんに日参。するのはパッカード。調布から明大前までのワープは現代の魔法だ。で、店頭でMacを起動したり再起動したり、ついに直っただろうか。

その足で高田馬場に、笠井香奈さんのライブを観に。高田馬場界隈の女性SSWシーンというものがあり、ピアノ4分弾きでヤマハっぽい歌を歌ってる人が多いなかで、定石から少し逸脱する楽しさを知ってる人。アイデアに溢れたギター、誰も傷つけない毒舌をはくお茶目な子。対バンの武村麻実さんは、ブルーノートを多用した複雑なコードに乗せて、伸びやかな声でリアルな恋愛風景を歌う。関西のおばちゃんキャラの端々から滲み出るエロさにやられた。
 そして大原由衣子さん。1曲目の打ち込みトイポップからアコギへ、ピアノへ。少し鼻にかかった陰りのある歌声が気持ちよくて、呼吸から音の隅々にまで気を配ってるのがわかる。スタンダードにわかりやすい、でも確かにオリジナルな曲を書く。音楽的な懐がありそうなんで好きな音楽を聞いてみたら、「いろいろ聴きます、ほとんど洋楽です、最近はパンクが...」っていうのはオタクを突き放す手段かもしれないが、僕はそこからどんどん掘るので。「自分の浴衣は黒なんです、今日の雰囲気に合わないんでお姉ちゃんに借りてきました」。回答としては満点だと思いました。

そう、この日は浴衣を着る的なイベントだったんだ。彼女らは普通に音楽好きなんだけど、そういうファンは高田馬場ではつかないのかな。浴衣は締め付けるんで声が出ないって笑い話は、このシーンから次のステップに飛躍したいって心の声にも聞こえた。

山口冨士夫さん逝去。米兵に暴行を受けたそうだ。忌野清志郎さんと共演したシングルが入り口だった。ハーフなルックスはBowieみたいにやばかった。あんまり深入りすることも、ライブを観ることもなかったけど。

8月17日 かくも長き沈黙

4日から、2週間近く更新を怠っていた。その間なにしてたかっていうと、MacBookが壊れて日記が書けなかったんだ。MacBookないだけで心も生活もここまで荒むのかってくらい荒んだ。ついに直ったけど、曲の歌詞やコードをメモしたスティッキーズが驚きの白さに。

iPhoneだけでネットを見てると、自分がどんどん視野狭窄になっていくのがわかる。タイムライン見ながらブラウザーで一次ソース確認するのがひどく億劫であったり。そういうささやかなめんどくさいの果てに、陰謀論にのめりこんだりするのかもしれない。画面の広さはそのまま視野の広さでもあり、打込みの速度は思考の速度でもある。

失ったなにかを取り返すように、2週間分の日記を更新した。もじゃもじゃ考えることばっかりで、アウトプットがないのは苦しかった。読んでくださいよ、そういうアレを。はきだしたなにかしらっぽいやつを。

8月19日 面影橋

【ひきだしの閉め方】ひきだしを開ける→猫が入る→猫を出す→ひきだしを閉める

きのうは柴田聡子さんのライブ@学下コーヒー。高田馬場からも歩けるけど、都電が通ってるんで遠回りして都電の旅。動画撮った。見どころは運転手さんの、「撮るなよ」ってチラ見だろうか。夕暮れ時の路面電車ははっぴいえんどの歌みたいな、千と千尋の神隠しみたいな、不気味に静かな佇まいだった。

学下コーヒーも静かなお店。のれん一枚隔てた楽屋から、独りでギターを爪弾く弦を擦る音が聴こえてきた。最近よく取りあげられる日本語と倍音の話でいうと、非整数次倍音を含んだ優しい歌声、そしてエッジの効いたギターの響き。その曲がその曲であるべく、アイデアとアイロニーの効いた楽曲。素晴らしいライブだった。このオルタナ感はなんだ。高田馬場の反対側に広がるシーンと比べるとポプコンとURCくらい違うんだけど、その本質がまだ見えない。ライブ中に弦が切れるミュージシャンはいても、ストラップが切れるのは初めて見た。売れて丈夫なストラップを買って欲しい。
 オフステージの柴田聡子さんは、歌のイメージから肩透かしを食らうくらい、丁寧で穏やかな女の子。トレードマークのメガネを取り替えるとこんな感じに。高校時代は普通にRed Hot Chili Peppersとか聴いてて、いま好きなのは「The Freewheelin'」なんだって。この日はRCサクセションの小曲を2曲カバーした。

イケメンの共通点が判明したって話題がネットに。なるほど、真似したてモテたいと思う。「帰ってきたドラえもん」の下半身だけ抽出したマンガ。感動の名シーンがアヴァンギャルドに蘇る。
 ヘルプマーク、というものを初めて知った。外からわかりにくい不自由があって、援助や配慮が必要な方がつけるらしい。知らなくてもマーク見れば意図は伝わるけど、ご参考までに。

僕からのメールが届かない事象があちこちで起きている模様。返事がこないとか「かーまーえ」っていうのがあったらかまいます。僕もかまってほしい。

The CharlatansのドラマーJon Brookes逝去。マンチェスター世代も余命との戦いに入った。

8月21日 踊り場でセミファイナル

夏が終わる。おじさんだってセンチメンタルTシャツ着たいよ!!

大昔、後に政治家の嫁になる女性と話してて、「表現活動というものの存在意義を認めてくれる人とつきあいたい」って言ったら失笑された。「そんなのどうでもいい」って。相手がどんな趣味でも構わないんだ、いや湘南乃風とかだったら困っちゃうけど、表現で心が豊かになる感覚を共有できない人とはいろいろ難しそう。それを経済に組み込むと、彼女も意義を見いだせるんだろう。ということをふと思い出した。
 生物としてエネルギーを摂取して代謝してクエン酸回路まわして子孫を残す上で、表現という現象は必要ない。僕にとって表現に関わることは必要だけど、なんで必要なのかってことに理屈をつけたくないんだよ。よく考えたら家に猫がいる必要もよくわからない。でも困るのよさ、ないと。この日記が言いたいことはあんまりないよ。なんにもないよ。

福島第一原発の汚染水漏れの事故評価がレベル3にあがった。この事故について、氷の壁を作って流出を食い止める試みがある。
 環境省が、災害時にペットを飼い主と一緒に避難させる指針をだした。言われなくても猫と逃げるつもりで準備してるけど、受け入れてくれる体制があるのはありがたい。

タイのシューゲイズバンド、Desktop Errorが初来日する。予約した、楽しみ!! Duglas T.Stewart + Eugene Kelly + Norman Blakeっていうおじさんホイホイなツアーは予定とかぶって観に行けない。My Bloody Valentineは先行予約落ちた。明日は柴山一幸さん、そのあと武川雅寛さん、森は生きている、柴田聡子さん、irodori、CANTUS、MELODY KOGAさん、Controversial Spark、スカート、Contrary Parade、で朝霧JAMだ!! 要するにどっかで会える方、おじさんと握手。

和田ラジヲさんのTシャツを着る今日の仕事に「えっこれでいいの?」感を隠しきれないモデルさん。お洒落な方の隙を見ると、ルサンチマンが解消されて安らかに眠れる。

Facebookでいわゆる友達リクエストを頂くことが増えて、ありがたいことだけどいろいろ怖いんで、今はオフネットでおつきあいのある方を承認してます。リクエストの時にどこで会ったかメッセージ添えてくださると嬉しいです。得てして女性のことはよく覚えてます。男性はあんまり覚えてません。でで、僕の大事な話はFacebookには載りません。

8月24日 マロニー星人あらわるあらわる

パスタくらいの感覚でマロニー茹でたら水吸うわ吸うわ。頑張って残さず食べて、翌日まで寝込んだ。マロニーが胃を突き破ってマロニー星人になっても愛してね。

22日は柴山一幸さん企画のライブイベントへ。いつも通りの2時間後行動で途中から。入ったらはいからさんって文系ソウルバンドが始まった。線が細そうなのに振り切れたギターボーカルと、いまどきレアなドラマー体型ドラマーのデュオ。サポートのベーシストは21歳だそうで、妙に老成したいい演奏だった。Stonesの72年のツアーTシャツ着てた。これからも追っかける。
 柴山一幸さんはますますパワフルな演奏だった。ポップな楽曲をただ心地良く聴かせるブレのないステージ、その真ん中で音楽の喜びをもどかしそうに、足踏み鳴らして解き放つ一幸さん。かっこええ!! Beatles Tシャツっていうベタなチョイスもいかす。それにしても...お客さん少ないなあ。この国のロック。

いい演奏を観ると自分も楽器を触りたくなる。っていう日常に、お洒落の総本山みたいなライブハウスから「soundcloud聴きました」って出演依頼キタ。
 どーーうだろう。我がバンドは、自分でイベント企画して身内の前でフロントアクトとしてデビューするつもりだったんだよ。こういう事故がないと前に進まないんで、よろしくお願いしますのお返事をして慌ててスタジオ取った。人前に出せる状態にするには課題山積だ。忘れ去られる前にぜひとも出演したい。「挿入歌」っていう、長渕剛がナゴムから出しそうな酷い歌つくりたい。

レコードラックを組み立てるという、かくも長きミッションを終えた。きれいになった部屋の動画があるよ (猫もいるよ) 。僕の趣味はガーリーで、だからモテない。ここにおじさんが独り、猫と暮らしてる。訪ねるものはない。

為末大さん、こないまで知らなかったけど本当にクレバーで視野の広い方だな。こんなツイートをしてる。
 「僕は社会問題への活動を否定しているわけでも、反権力を否定している訳でもないけれど、その為に自分の人生をおかしくしたり自分が新しい社会問題化するのは避けた方がいいと思っている。友人にバランスは取れているか。自分が興味を持っている社会問題の賛成反対の両方、もしくは興味が無い人ともちゃんとつきあえているか。人間の視点が狭くなり始めると、その事以外に全く興味を示さなくなる。もしくはどんな話をしていても最後にはそこに持ち込もうとする。自分で話しながら、話している事に考えが影響される事はある。自分の幸せを犠牲にしても社会の為に、という動機はいずれ感謝や悪を裁いてすっとするという事で、帳尻を合わせ始める。犠牲心からくる善意はねじれる。取引の感覚は思ったより強い」。

僕が常々危惧してる、脱原発の感覚から逸脱しすぎてる「脱原発村」の自家中毒についても、このことがあてはまると思う。
 たいがい諄いが僕は圧倒的に脱原発の考えです。1986年のチェルノブイリ原発の事故をきっかけに、調べて考えて反省して調べて考えて反省して脱原発です。福島の事故が起きるまで「騙されてた」って人たちの、非科学的な脱原発運動が危なっかしく見える。彼らの暴走が、この国から確実な脱原発を遠ざけてる。

Kraftwerkの1970年から2008年までのライブの変遷
 浜崎あゆみのファンが意外と現実を見てて面白い。脳スキャンを使って、植物状態の患者との意思疎通に成功した。エジプトの墓から出土した5000年以上前のビーズが宇宙起源だった。子供の落書きをぬいぐるみにするとかわいい。

いつもお参りしてる神社の向拝階段を、若きカップルが占拠する事態が頻発してる。横でお参りするのもあれなんで、いたらスルーして直帰してる。お前らエレベーター乗ったらブザー鳴りますように ヽ(`Д´)ノ

8月28日 俺はめんどくさいぜ!!

ネーバエーン、ネーバーエーン。

バンドへの出演依頼はどうやら縁がなかった的な雰囲気。まだまだ人前に出せるバンドじゃないのはわかってるけど、メールサーバーの調子がおかしくて、もしも連絡ミスだったら申し訳ない。開封確認サービスを使おうかとも思ってる。サーバーが安定するまでの間だけね。
 LINEの既読マークがいじめの要因になってるらしい。LINEがどうのこうの言う前に、この国の空気読め圧力が怖い。って話は8月1日の日記に書いた。村八分の巣窟、2ちゃんねるから個人情報が流出して、とある作家が暴言を繰り返してたことが発覚した。ほかにも青い顔してる人が、身の回りにもたくさんいそう。匿名で発言する場所が優遇される社会は、自分の顔と名前で物が言えないってことだ。僕はポリシーとして顔も名前も出す。そのへん卑怯になりたくないのだよ。

25日は武川雅寛 / 柴田聡子 / 森は生きているのライブへ。森は生きている、楽しみにしてたんだけど、いつもの2時間後行動してたらほとんど観れなかった。体調があれですよ、悲しき夏バテと終わりの季節ですよ。柴田聡子さんの新しいアルバムに入るだろう曲はますますバラエティに富んで、ほんとに楽しみになってきたなこれは。そんで武川雅寛さんの深い歌声と懐の深さ。「月夜のドライブ」セッションで大団円。
 でで、僕はだいぶ飲み過ぎた。撮った覚えのない写真、いらんこと喋った記憶の断片。ご迷惑おかけしました。申し訳ないです。せっかく買ったmoonridersの貴重なアナログ盤を紛失した。9箇所に問い合わせの電話した。普段の連絡はLINEやSkypeで、電話にしても連絡帳からかけるんで、数字入力だけで相手を特定するとか無理ゲーだし、「レコードってなんですか」ってとこから説明しなきゃだし、結局レコードは見つからなかった。

twitterで冷蔵庫に入るバイトの現象がネタになりつつある。小野ほりでいさんの記事は、たまにうっかり本質を突くよな。冷蔵庫に入ったみたいな写真が撮れるアプリが出たんでこれ使って欲しい。
 とり・みきさんとヤマザキマリさんの対談、海外における日本のマンガの受け入れられ方と、クールジャパンのくだらなさについて。本当はこの10倍くらい毒を吐いたそうです。交際相手のいない若者男性で6割、女性で5割。この男女差はどういう仕組みで生じるのか。ハミングで曲名を検索するアプリSoundHound、データベースが充実すれば思いついたメロディが既出かどうか確認するのに使えそう。犯行現場を目撃された猫の例。世界最大のウォンバット。いやいやいや、いやいやいやいや。

短いこの人生で、いちばん大事なもの。

8月30日 魔法の音楽のこと、ザッカーバーグ氏も想像できない島国根性のこと

夏風邪ぶり返したけど病院に行きたくなさモチベーションにインターネッツしてる。

28日は大好きなタイのシューゲイズバンド、Desktop Error@月見ル君想フ観た。僕が前のバンドを組んだ頃、彼らのライブ映像に衝撃を受けて、だからバンド名をタイ語のmai-mao mai-mao (酔ってない酔ってない) にした。まさか生で観れるとは。当時のバンドメンバーとも再会して、でも素晴らしい音楽の前ではわだかまりもない。カバーしたバンドとカバーされたバンドの、すごいタイミングでの邂逅だった。
 フロントアクトのmomokomotionは、タイでバンドを組んでStoogesの「I Wanna Be Your Dog」のカバーでデビューした日本人女性。歌もギターも...だったけど曲がよかった。L?K?Oさん、DOMMUNEで観て衝撃受けてMIX-CDを買い漁ったDJ。タイ縛りだけど、テクノからパワーポップからべたべたの歌謡曲まで並べて音の景色を紡ぐ。圧倒的なセンスと瞬発力。会場のご飯もお酒もタイ縛りで楽しく酔った。

Desktop Errorは圧巻だった。3本のギターが絡みあう魔法のリフレインとノイズ、シューゲイズでくくるにはグルーヴィーで快楽に忠実なリズム隊、そしてフレンドリーな楽曲。それを形にするPAも素晴らしかった。ライブの完成度で言ったら、復活して最初のFUJI ROCKで観たMy Bloody Valentineよりかっこ良かった。もちろん方向性が違うから単純に比較できるもんじゃないけどさ。タイ語はNを多用するんで、言葉のリズムが気持ちいいっていうアドバンテージもある。タイのバンドだからってだけで世界に知られてないんだとしたら本当にもったいない。日本では普通に音源が手に入らないんだよね。
 終演後、Soi48の心地いいDJを聴きながら、拙い英語でメンバーとお喋りした。ライブの感想や好きな音楽の話、楽器やエフェクターの話。日本で自分たちのカバーしてるバンドがいたってことにびっくりしてた。mai-mao mai-maoって名前にも笑ってもらえた。また世界のどっかで会いましょうって握手を交わして帰宅。

ところで、Facebookにいいね! 爆弾してくる人がいたんだ。僕もtwitterでファボ魔って言われてるけど、言葉や笑いのセンス、ほんとに好きな人しかフォローしてないからさ、いいフレーズをコレクションする感覚でファボってる。その人のいいね! は虚礼に思えて、たとえば公開したばっかりの日記に数秒でいいね! 貰っても気持ちいいもんじゃない。だって絶対読んでないじゃんね。中身のない褒め合いや慣れ合いには興味がない。佐久間正英さんの死期を見つめたブログを紹介して、「残りの人生大切に生きたい」って書いたら茶化されちゃったりね。そんなこんなで友達設定を解除した。
 きのうになって、「当然リムーブすることとは『絶交宣言』なのだから、こっそりリムーブした (つもりの) 元友達は必ず洗い出して特定の上、何等かの方法で直接連絡を取る」本格的にダメだ。言いたいことを言い合って解決する国でできた仕組みを、暗黙の了解で空気を読み合う国の人が使うとこうなる。彼の主張がどんどん変わるんで困惑してたら、旧友との1対1のメッセージにさえ、「本音」と「建前」があるんだから察しろ、つまり嘘の言葉を並べ立てておきながら、心情が伝わらなくて腹わたが煮えくり返ってると。で、酷い罵倒の言葉を浴びたあげく公開処刑なうです。

もうさ、日本のFacebookは本音と建前の偽りの友情を維持したらいいんじゃないかな。いいかげん辞めどきだ。こういうところで本名で賛美合戦してる人たちが、2chで匿名の憂さ晴らしをしてるのかも知れない。小野ほりでいさんのこの記事みたいにね。2chの情報漏洩について、このまとめ記事 (エロバナー酷いんで閲覧注意) がどこまでネタでどこまでガチなのかもわからないけど、自業自得としか言いようがない。僕は覚悟して顔を名前を出して、思うところを書いてるよ。本音と建前もないよ。
 この国の陰湿さについての気持ちは、8月1日の日記をぜひ読んでください。そんで何度も紹介してるけど、とり・みきさんのSNS話、「自分勝手だから、君を愛してる」へのリンクを置いとくね...。

楽しい話をしよう。高野寛さんが歌うきゃりーぱみゅぱみゅのカバー「チェリーボンボン」、今度出るカバーアルバムに入れたかったけど許可が降りなかったんだって。Aretha Franklinの1968年のライブ、舞台に登場した瞬間から放つオーラやばい。42分あるけど1曲終わるくらいまではぜひ観てください。

blur当選キタキタ!! ほんと、音楽と女の子のことだけ考えてたいよ。たまに猫が入ってきてもいい。