DIARY 2014年1月


1月1日 音楽はもう流れだしてる

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寒い。そんな時は猫を抱いて音楽を聴いて。

昨年僕は友人の住む奄美群島加計呂麻島を訪れました。悲しい歴史を乗り越えていまは静かな島。空や海の美しさにも感動しましたが、なによりも人でした。金銭とは別の互助の在り方、施しに対して施しで返す社会が成立していた。そうでないと生き残れなかったのだと思います。
 経済という概念は、人類の長い狩猟生活で培った闘争心が、文明を手にして生まれました。でもそれはもう破綻しかけている。戦後の日本が働く意味も考えずにがむしゃらに働いて成長したのは、運が良かったから。またその運を求めるのは、元寇以来吹いていない神風を信じて戦争を仕掛けるのと同じことです。この国は明治の富国強兵策からなんにも進歩していません。辛い is 偉い。お互いを監視して同調圧力をかけています。
 根性論を捨てて考える力を持つこと。僕は勤労でなく、表現文化という形でヒトの群れに貢献したい。ヒトがエネルギーを代謝して子孫を残す上で、表現文化は必要ありません。でも世界中に存在するのは、誰かを幸せにできると信じたいから。青臭く彷徨ってます。温かい眼でよろしくお願いします。みなさんの笑顔あふれる、平和な世界でありますように。

毎年恒例年間ベストMix CDを作る。欲しい方は名乗り出なさい。ただお送りする都合で住所を伺うことになる。もちろんよそには流さないしストーキングもしないけど、頼んでもいない別のMix CDがふと送られてくる、毎年僕から年賀状が届く、などの不具合が報告されてる。

1月3日 僕は声で君は耳

大晦日に突然届いた大瀧詠一さんの訃報について、だんだんと実感と悲しみが襲ってきた。三ヶ日はひたすら大瀧さんの音楽を聴いた。世間的な評価は圧倒的に「A LONG VACATION」と「Niagara Moon」だと思う。僕は1stが好き。アナログのサイズで聴くと収まりがいい。
 大瀧さんって超ビッグネームだと思ってたんだけど、最初に勤めた職場の誰一人知らなくてびっくりした。Paul McCartneyを誰も知らない世界に紛れ込んだみたいな。職場の人々は音楽的にぜんぜん稚拙だった頃の、アイドル声優のCDだけを聴いていたんである。音楽に限らず文化的に極めてプアな環境であった。あのパラレルワールドの住人たちはどうしてるかな。アイドル声優と結婚する夢を切々と語る40代童貞がいた。僕も妄想話を書くけどさ、彼はガチだった。あれから20年近くたっていま60代童貞で、まだアイドル声優との結婚を夢見てるんだろうか。

大瀧さんについて、内田樹さんの検証ブログが面白かった。そして清水ミチコさんの愛情溢れる追悼ブログ。バンドメイトを亡くした鈴木慶一さんの、かしぶち哲郎さんに宛てたブログ。そんでいまさっき知ったんだけど、School Of Seven BellsのBenjamin Curtisが亡くなったんだね。35歳。
 2013年のベストトラックをまだまだ選べないけど、羽鳥麻美さんのランキングには共感する。The Flaming Lipsの「Lucy In The Sky With Diamonds」がやばい。

1月4日 明日から本気だす気がしない

寝正月、って書くと普段起きてるみたいだけど見事なまでの寝正月。twitterを眺めながら年を越して、浮かれてるのはタイムラインだけ、猫も僕もなにごともなかったように黙ってた。帰省してる人、初詣に行った人、新年会のハシゴしてる人、酒や餅やおみくじの写真を眺めながら、今年一歩も家を出てない。
 僕の生活リズムだとどれが初夢に当たるんだろうか。って書くと生活にリズムあるみたいだ。年を越して初めて見たのはバスに揺られてアジア大陸を横断する夢。その次にラブコメディっぽい夢を見てほわっとしたんでこっちを初夢に認定したい。人生でなすびの夢を見ることってそうそうないと思う。

ほんとに正月みたいな空だ。って感覚は東京ローカルなのかな。年賀状たくさんありがとうございました。めんどくさい恋愛遍歴を持つガールが地元で公務員とお見合い結婚して、幸せそうな家族写真の年賀状おくってきたけど、夫は妻の過去のこと想像もつかないだろうな ヽ(・ω・)ゝ☆
 僕は喪中につき新年のご挨拶は のやつなので、寒中見舞いのていで元旦に書いた。毎年届いてる方にはお馴染みの、語りすぎてフォントが小さいあれです。もうすぐ届くと思う。

しぶんぎ座流星群を観て寝る。アデュー。

1月6日 僕のせいじゃない、という正義

為末大さんが、多数派でいることについてこんなtweetをした。
 「帰りの会で、煽る役割を担う人が必ずいた。悪い事をした人を糾弾する時に生き生きと目を輝かせて、正義の鉄槌をおろしていた。不思議と彼らはいつも多数派に属していた。というよりも善悪や体勢がはっきりした時にいつも現れていた。世間様という空気に狙われないように、刺激しないように、どううまく立ち回るか。私達はあの小さな閉ざされた教室の中でそれを学んできた。それはとても民主的主義的だったように思う。数が正義。多数派ではない事が罪。『彼らは自由だと思っていた』という本がある。善良な普通の村人がどうやってナチスドイツのユダヤ人迫害に関わっていったかという話。彼らが一様に言うのは『僕のせいじゃない』という言葉。今も私達は世間という空気に流されて生きている」。
 「多数派の正義の鉄槌」を何度も振り降ろされた者にとっては興味深い。あの人やこの人のしたり顔が眼に浮かぶ。幸か不幸か社会の外側にいる僕に役目があるとしたら、ゲームじゃなくて知性で世の中を眺めることだ。亡父と話をしたいなって切実に思う。あの面白すぎるおじさんは、いまの世の中を見てなにを感じてなにを考えるだろうか。

宇宙の存在は別の「パラレル宇宙」からのホログラムかも知れない。ちょっとなに言ってるかわかんない。犬がうんちの時にくるくる回るのは、地球の磁場と関係してるかも知れない。南北を向いてするんだって。羊毛フェルトでつくるリアルな猫人形。これ、猫と暮らして愛してよく見てる人の「リアル」だ。
 国際宇宙ステーションで、逢坂卓郎さんのアイデアで無重量環境を利用した芸術活動の実験が行われた (写真) 。光を素材に宇宙をテーマに、たくさんのメディアアート作品を発表してる方。

1月7日 寝れば寝るほど疲れて眠い (NNTN)

彼女 (能年玲奈さん) が人生のピーク (紅白歌合戦) のあと魂抜けてないか心配。よく頑張ったって抱きしめて、早く籍入れてあげたい。
 恋愛してない時間が長すぎて、恋愛してる自分が想像つかなくなっちゃった。正直めんどくさい。妄想の方がいい。男子校出身者が大学2年生までに恋人ができる確率は9%、共学校・女子校出身者は40%なんだって。男子校の存在はもう人権問題だ。恋愛障害者として障害者手帳と補償が欲しい。男子校出身者に素敵女子を紹介するとか、カウンセリングをつけるとか。それがひいては少子化問題の解消にも繋がるわけです!! これを公約にして選挙に出たら、世の喪男たちの支持集めて当選しちゃうな。

年明けちょうしわるい、ちょうちょうしわるい。初めてのアクム。それから気分冴えなくて浅い眠りを繰り返してまた悪夢。オフトゥフンヘヘイ!! 寝正月ヘヘイ!!
 七草粥 (フリーズドライ) 食ってやっと正月気分きた。年賀状の返事もぽつぽつ届きはじめた。絶縁されてる弟にも毎年 年賀状出して、今年は「少し話をしようよ」ってコメントつけたんだけど、また返事こないだろうな。Amazonの箱みたいな月に見守られてやっとの外出。外の空気うまい、ご飯三杯いける。今年初めてガールと会話したわ!! ガールがいないと死んでしまう。ガールがいないと死んでしまう。

大瀧ロスとかしぶちロスが遅れてやってきた。大滝さんの音楽ってポップなんだけど、ある時その深みにユリイカ!! がやってくる。はっぴいえんどを従えてポップやファンクを演奏した「大瀧詠一」、Tin Pan Alleyを従えてリズムの冒険を繰り広げた「Niagara Moon」、趣味性を隠し味に大スターに飛躍した「A LONG VACATION」が代表作と思う。でも入門編としては「Niagara Calendar」がいいかも知れない。彼の多面性をまとめあげたって意味で。僕がイメージする大瀧さんは、多面性と深い教養と優しさ。若いミュージシャンとの交流を楽しんでたことが、タイムラインから伝わってきた。
 で、同時にかしぶち哲郎さんへの思いも伝わってきた。若いミュージックフリークは、moonridersちゃんと聴いてるんだよね。僕らの世代には本当にバカにされてたから、隔世の感にしみじみする。

椎名琴音さんって方の才能に圧倒されてる。俳優業をしながら自主制作映画を制作して、なによりもそのチャーミングな音楽、柔らかな歌声。ほんの偶然、彼女の初めてのライブと2度目のライブを目撃した。完璧に空気掴んでた。
 細野晴臣さんが弾いてたSteinbergerのコピーモデル、Brianbergerってベースを買ってしまった。楽器集めてないで練習しろよってわかってる、わかってるよ。だってヤフオクで安かったんだもん。
 The Everly BrothersのPhil Everlyが亡くなった。ロックの殿堂に最初に選ばれたユニット。僕のUstreamでも何度か流した。

1月9日 台所のライトが点滅してクリスマスみたいだなんてうっとり眺める君の頬に思わず僕は

憎まれっ子は世に憚らない。世に愛されてる人の裏の顔が一番怖い。で、この話はめんどくさい。

猫のスピー…スピー…スピー…って寝息だけが聴こえる。
 「江戸-大正にかけて猫は神様だった!? 『猫神信仰』の資料を展示する企画展」って記事があった。「猫神信仰は極めて珍しい」っていうのは根本的に間違い。現存する最古の猫、9500年前のキプロス島の猫の遺骸は、宗教的な意味で埋葬されたと考えられてる。それ以来、おおよそ世界の国々で猫は信仰の対象だった。日本でも古代から豊穣や富のシンボルだった。江戸時代にはお守りとして猫絵が売られてたくらい。黒猫が横切ると不吉なことが起きるっていう迷信も、そもそもアイルランドで黒猫は幸運の象徴で、それが過ぎ去ったら運も去っていくって意味だったらしい。
 要するに猫は最高であり、その隙も含めて愛おしい。

奈良美智さんが紹介した2004年の絵本「戦争の作り方」が10年後の世界を的確に予想してて怖い。
 いとうせいこうさんが紹介した柄谷行人さんの言葉「戦争したい者はそう言わない。昔から必ず平和と言い出すんですよ。平和のために命を賭けよ、と言う。それが戦争です」。この話は6日の日記とも繋がってくるかもね。

西友の塩鮭が (そこそこ) 美味かった。西友の魚介類、なんだかどれも (そこそこ) 美味い。

タモリと玉置浩二と井上陽水がアドリブでそれっぽいフォークソングを作る動画。

1月10日 How does it feel?

体重計が優しい嘘を忘れると、人はいろんなことがどうでもよくなる。というのはなんだか示唆的だ (mogmog)

ウドー音楽事務所の新聞広告が酷い。昭和っぽいフォントで「ボブ・ディラン」「ジェフ・ベック」「ディープ・パープル」の文字。これが2014年のリアルだ。「この国のロックの著しい老化現象」ってツイートしたら、とあるおじさんライターから「ベテランが素晴らしい音楽をやってるだけ」ってレスがきた。
 ベテランが劣ってるとは思わない、でもそれと同じくらい若いバンドに関心が行くのが自然で健全だ。例えばKanye WestやArctic MonkeysやDaft Punkが日本でそのクラスの公演できるかってば無理じゃん。「若者の苦悩の原因は政策ではなく運の悪さだ」って記事があった。つまり世界的に運が良かったベビーブーマーがのさばって、下の世代は割を食ってライブにも行けない。

もうひとつ、日本の若いリスナーは本当に洋楽を聴かない。ものすごく閉塞してる。なんでなのかずっと考えてる。邦楽と洋楽って対立する概念じゃなくてさ、母数が1億人の中にだけこもるより、母数70億人にも眼を向けたほうが楽しいと思うんだ。広い視点を得ようともしないで、なにかに「だけ」こもる自家中毒症を僕は好まない。
 邦楽至上主義の一因に歌詞がある。でもそれは歌詞の意味の話。自分の生活や景色や感情や感傷を描写してくれた時に「歌詞がいい」と言う。本当に音楽的な歌詞にとって、意味ってわりとどうでもいい。リズムやメロディが求める音の響きをいかに引き出すかが歌詞だと思ってる。「意味」に「共感」したいなら、音楽じゃなくて文学に行けばいいのに。もちろん優れた文学は音楽的でもあって、結局リズムやグルーヴを楽しむのは無理な民族なのかも知んないな。

変化するリーダーの資質:あの日、twitterのくじらが出なかったもう1つの理由
 「これからの世界を変える人は、『何も考えなくていい! ついてこい!』というような、自分の意識を強要してぐいぐい引っ張っていく人ではなく、独創的な技術とアイデアを持って人々の共感を獲得できるアントレプレナーである」。
 3年前の大地震の時、twitterのエンジニアが二次災害を防ぐために、自分の判断でサーバーを増設した。ほかの通信手段が落ちてもtwitterは生きてた。普段からボスに言われてたように、自分で考えて判断したんだそうだ。知らなかった。あの日のタイムラインで物理的にも精神的にも救われた人々を思い出す。もちろん僕だってその一人だ。

1月12日 笑うあなたの中で泣いてるあなたの笑顔

憎まれっ子は世に憚らない。世に愛されてる人の裏の顔が一番怖い。で、この話はめんどくさい。ってことを先週 漠然と書いた。まさにそんなめんどくさいことが起きてぐったりしてる。

人気ツイッタラーさん、とにかくいいパパで、たまに見せる可愛い下ネタも微笑ましかった。なんの交流もないのに、急にブロックされちゃった。なんだかツイッタラー同士の派閥みたいなのがあってさ、何人か怖い人がいて取り巻きに次々ブロックされたこともある。
 ブロックって無慈悲な機能だ。ブロックを推奨してる糸井重里さんがツイッター使いこなしてるかっていえば、全然そんなことないでしょう。気に入らないっていう子供っぽい感情が芽生えたら、そっとリムーブすればいい。自分に悪意ってもんがまったくないわけじゃないけどさ、あんまりないから未知の感情に対して対処のしようがない。表向きはあんなツイートしてる彼も、ほんとはどんな親でどんな夫なのかわからない。

もうひとり、10年来の大ファンで、DOMMUNEをきっかけにブレークしたあるミュージシャンとツイッターで年末に揉めた。きっかけは春に観た彼の動物を使ったライブ。動物と暮らす人は家具の位置にさえ気を使う。彼は「愛犬」を舞台のアクリルケースに3時間近く晒して吠えろとけしかけた。それは恐怖以外のなにものでもなかった。愛犬は彼のコンセプト通り、みずから「喜びの歌」を歌っただろうか。
 想いの5%をメールにして彼に伝えた。「遊びでやってると思ってるかも知れないけど」で始まる返事を頂いた。長年のファンが、彼の表現を遊びだと思う訳がない。つまり馬鹿にするポーズを取って挑発することで、優位に立ってみせたわけだ。それはそれでおしまい、と思ってたら年末にタイムライン上でぶり返されちゃった。彼は震災のことや人権について誠意あるミュージシャンとされて、否定しちゃダメみたいな空気がある。つまり僕のメールは珍しかったのだ。

大昔、mixi中毒って言葉があってだな、それくらいみんな夢中だった。いまはおじさん達がうわっつらのいいね!を繰り広げるFacebookにも華やかな時代があった。twitterの気ままさを僕は好きだし、まだ諦めたくない。
 年末からずっと調子悪くて寝込んでる。軽く流せれば人生もう少しうまくやってるよ。ここ最近の猫のかわいさ半端ない。心配してくれてんだ。頭ぽんぽんされてる。デロンギの前に放置してた抱きまくら抱いたら、「せ、先輩の中…あったかいです…!!」みたいになった。

笑え。

1月13日 あやかし幻視行

暗渠を中心に東京の残像を探し歩く本田創さん。はっぴいえんどの1stアルバムのジャケットの場所を特定してしまった。新宿の和泉川暗渠、柳橋のたもと。「ゆでめん」の印象的な看板は風間商店っていう町工場で、いまは風間荘っていうアパートが建ってるらしい。ゆでめん屋だと思ってたの、町工場ってのは意外だ。
 イラストを描いた林静一さんやURCやバンドのメンバーは、これジャケットにしたら「ゆでめん」って呼ばれちゃうとは思わなかったのかしら。

田島貴男さんが面白いことをtweetしてた。
 「ジャズを勉強していて時々XTCのことを思い出す。彼らの曲の中にジャズ的なスケールを使ったフレーズがあるから。Beatlesなど60’sサイケデリックロックのフォーマットに、ジャズのスケールを忍び込ませるのがAndy Partridgeが意図的にやったXTCのコンセプトだったんじゃないかな」。
 ジャズのスケール。いまはジャズ好きでよく聴いてるけど、XTCに出会って夢中になってた頃はジャズ苦手だった。あのバンド、いかにもイギリスです!! って顔しながら、フォロワーたちがアメリカのルーツ・ミュージックに向かったのも、Andyの策略通りなのかも知れない。

1月15日 woo hoo

moonがやばいほどshine。

blur観てきた。もしも僕がロートルになったら「俺達の時代はblurだよな」って言っちゃうかもってくらい夢中になってたバンド。僕が生きてる限り「俺達の時代」だし、いま一番好きなのはVampire Weekendなんだけど。
 で、最高だった!! いきなり今年のベストきたかってくらい最高だった。曲の素晴らしさはもちろんわかってた。びっくりしたのはチームとしての強度だ。Graham Coxonの一次脱退もあったけど、20年以上も同じメンバーで演奏してきて、お互いの癖や出方を知り尽くした上で、さらに上のプレイを提示していく。阿吽の呼吸といい意味での裏切りと。
 もうひとつは彼らのショーマンシップだ。blurってバンドは過去の自分たちを否定することで成長してきた。もうみんなおじさんになって、1stから近作までヒット曲を楽しそうに演奏する。最近はプロデューサー業の多いDamon Albarnも、バンドのフロントマンとして最高の笑顔を見せた。

自分でバンドやるようになってから、ライブの見方が変わった。アンサンブルってあんな風にできてるのかって。どうしたらあんな発想に至るのかは全然わかんない。

とり・みきのトリイカ! ナイアガラの瀧に打たれて」は大瀧詠一さんの話。とりさんの語る大瀧さんはやっぱり うん、それが言いたかったんだよって便乗したくなるくらい納得。大瀧さんやその音楽にあんまりふれてない人にも読んで欲しい。そして盟友 細野晴臣さん「デイジーホリデイ 大瀧詠一さんとの出会い」の書き起こし。大瀧さんの曲じゃなくて、出会った頃に一緒に夢中になっていた曲から大瀧さんの魔法を紐解いていく。
 「とびきりのシャツに蝶ネクタイ」ってへたするとビビる大木になっちゃうな。

1月18日 ゴンドアの歌にあるもの

バンドメイトがぎっくり腰になった。ぎっくり腰って怪我の深刻さに比べて名前に緊迫感がない。ガングリオンくらいかっこいい名前にするべき。書き方の問題か。「ギック・リゴッシュ」とかにしたらいい。
 ちょっと風邪っぽいけど、たぶん能年玲奈さんが添い寝してくれたら治ると思う、能年玲奈さんが添い寝してくれたら治ると思う。病院へ。待合室で流れてるドラマで患者が死んだけどいいのかしら。

15日はY.H.と飲んだ。ネットで大瀧詠一さんの話をしてたんで、徹夜で3枚組大瀧BOXを作った僕は偉いな。大瀧さんや映画や美術や女の子の話をした。たいへん酔っ払った。
 17日は藤岡みなみ&ザモローンズのライブ。に行きたかったんだけど寝てた。藤岡みなみさんには「ありえないほどかわいい」という致命的エラーがあり、ポップバンドなのにオタ芸が起きるライブに懲りて、しばらくはチケットも取らなかったんだ。きのうのイベントは充実してそうで、実際タイムライン見たらいいライブだったみたい。残念。いつかじっくりピローライブでも。
 寝てたのは...だるかったから。年末から天気は安定してるんだけど気圧が不安定で、体質的にどうしようもない。人はオフトゥフンから離れて生きられないのよ。

最近金ががっぽがっぽ儲かる系のスパムがすごい。スパム業者と名簿屋とメルアド売った人間のクズに言いたいのは、僕は意外とお金に困ってないということだ。
 猫のお腹にできものを見つけて焦ったけど乳首だった。オスに8つもいらないだろ。結局今日の唯一の活動は猫の乳首を数えたことだった。

1月21日 真っ直ぐ歩くための賢さ

憎まれっ子は世に憚らない。世に愛されてる人の裏の顔が一番怖い。こう書いた時にイメージした人がいる。
 とある人物が故意か過失か、僕に関する事実無根の悪い噂、犯罪行為に近い噂を「何人かに話した」ことがわかった。そこここで居心地の悪さを感じていた裏に、こんな事情があったことを悲しく思う。2年もたって決定打が出たので本人と話してみた。彼の1500人のフォロワーにはミュージシャンや音楽関係者がたくさんいて、信頼は月とすっぽんだ。彼の言葉は僕の音楽好きとしての日々に大きな支障になる。彼にとってはどうでもいい話が、僕のように虫けらのように生きている者には深い傷として残る。

こんなツイートが眼に入った「信じて傷が付くか守るために疑うか、どちらかだってあのとき知った。どちらも一緒にできたらいいのだけれど。真っ直ぐ歩くだけじゃ石も投げられるので、真っ直ぐ歩くためにはそれなりの賢さが必要なのか (オカハラサリさん) 」。
 そして加藤諦三さんの引用。「日常生活の中で『がまんしなさい』と親から教育されている子供は、他の人ががまんしない時、それがゆるせません」。僕も我慢を強いられてきたけど、それ以上に理不尽を強いられてきた。他の人の理不尽を許せない。この国の理不尽を許せない。同調圧力の理不尽を許せない。真っ直ぐ歩くための賢さ、か。

寝込んでる。好きなマンガ一冊読めば、好きなレコード一枚聴けば、その日生きた証になるんだけど、それさえもままならない。

1月24日 RE : SET

チャイという生き物には余裕を感じる。猫として猫の人生を楽しんでる。メイという生き物はなんだかよくわからない。楽しそうなんだけど、驚きを楽しんでる。輪廻転生があるとして、猫初心者なのかも知れない。僕はヒト初心者なんだと思う。だから不用意に傷ついて傷つけて、大騒ぎしながら生きてる。こないだの厄災で、僕の対応は狂人の域に7歩くらい踏み込んでた。とにかく病弊した。

ついに初詣に行こうぞと。お布団干して二度寝の退路を断った。厄祓いを受けたい。去年からずっと放置してた、祖母の死にまつわる最後の事務作業も終わらせたい。心と体のメンテナンスをしたい。髪の色も変えてみようか。なんだかつっかえてたことを、ぜんぶリセットしたくなったのだ。
 病弊してる間は寝込んでお風呂にも入れなかったんで、服を脱いだ時のスメルに我ながら引いた。久しぶりの電車で銀行へ、そして初詣へ。ご祈祷は厄祓いと病気快癒と良縁祈願の3点セット。縁結びはもう相手がいる人が、結婚できますようにってお祈りなんで、まず出会わないと始まらない。本殿に入ったら禰宜さん (?) が完璧緒川たまきさんで、つまりは天女なのであった。すごいご利益ありそうだし、むしろあなたとの良縁を祈願したい。

鍼灸院とリフレクソロジー、美容院。プリン状態だった金色をやめて赤を入れた。Run Lola Runくらい赤くしたかったけど。だんだん馴染んでいくといいな。夕暮れ団地のカジュアル過ぎる美容院は、美容院とは思えないほどBGMのセンスがない。普段ヒットチャートの音楽を聴くことはあんまりなくて、ここか鍼灸院で聴く (つまり鍼灸院もセンスがない) 。会いたくて震える歌を初めて聴いた。思ったより震えてた。
 リセット完了。今年が、やっと始まる。

ロジウムっていうレアメタルを合成する、錬金術っぽい技術が実用化されそう。ニュースとして相当すごいけど、見出しの「人工ロジウム」がエロジウムに見えちゃう事故多発。ウルトラマンコスモス的な。
 SPAMによると、僕はプラネットモードに突入した。そして株式会社WCに入社した。人事部から「これで収入もガッポリですね」っていう採用通知書がきた。
 なんでダイオウイカの水揚げが続いてるのか。海流の変化だとか地震の前触れだとかいう学者たちをよそに、さかなクンが現場を見てる説得力を発揮した。そういうことなんだ、きっと。

そしてなおも、プラネットモードなので。

1月26日 腕を大きく前から上にあげて、すべての予定をキャンセルする運動

15時間ネタ後の惰眠 イェス!!

そんなに簡単にリセットできるもんじゃない。トラブルが頻繁に起きること、それに対する対応や救援信号の出し方を思い返すに、自分はやっぱり立派な精神障害者なのだなと再認識する。とくに今回は踏んだり蹴ったりの後 余震が続いて、狂人の域に大きく踏み込んだ。
 僕が心の病気を負ったのはたぶん10代なかば、診察を受けてから14年。病気のベクトルが変わったなって感じる。去年の秋、激太りや激しいだるさがあった頃から今回の出来事は始まってたと思う。(比較的) 痩せて元気だった期間は1年半くらいか...短かったなあ。

twitter始めて4年、まだ使い方を模索してる。自分でタイムラインを構築できることを精神衛生上気に入ってるんだけど、それゆえに使い方の違う人が近づきすぎる難点もあって、今回の出来事は大雑把にそういうことだった。で、フォローをだいぶ入れ替えた。いきなり出てきた「鬱は甘え」系の大阪のおじさん。

鬱は一生つきあわなきゃいけない病気です。死にたいとか言い出すのは消滅への憧れで、言うほど実施はしませんので、それくらいの逃げ道は許してください。薬漬けと言われようが実験台と言われようがプラシーボ効果と言われようが、薬には救われてます。抗鬱剤を廃止してスマイルセラピーに切り替えるって公約をあげた彼が、本当に幸せだと思いますか。プラシーボ効果も効果、なんです (´-`) .。oO
 要するに。人と関わり社会の隅っこに加わる夢を見ながらも、寝返り打つのが億劫なくらいには落ちてる。風呂に入れば気持ちいいことは充分に承知してる。それとめんどくさいのは別の話だ。

ところで奈良美智さんは後進の教育にも意識的だ。「どんまいQちゃん...あれはQちゃんが受験で落ちて元気出させるために作ったものだ。今は和歌山県立近代美術館にあるけど、精神的な所有者はQちゃんだ」「奈良先生! どんまいQちゃんこれ私だ! しかも年代もまさに浪人決まったころだ! すごい! 震えてます!! ありがとうございます!」「いまごろ気づいたのかー w」。
 奈良美智さんは、表現に対して真摯で自由でお茶目で、歌のような人だ。

1月27日 Post Pop

バンドの新メンバーTがやる気だ。夜中にSkypeしてきて、「曲つくろう!! テーマない?」「だるい人の歌」「わかった、アイデア出して15分後ね」いまつくんのかよ!!
 お酒が入らないと歌なんて書けないんでお酒を用意して、だるい人の歌なんだけどファンクにしたいなってシャウトできるフレーズを2つ用意した。ピロン「できた!!」なんと向こうはその間に、2番までの歌詞の原型ができてたんである。じゃあそれ使おうか。ギターでGとB7を押さえながら「わたしAメロ、スキルさんBメロ、15分後ね」ええっコード楽器...ウクレレのコード表を探す。ピロン「できた!!」なんとコード進行まるかぶりであった。その割にはうまく繋がんない。「スキルさんメロディの難しすぎ」却下である。Skype越しにお互い楽器を鳴らして、むこうから瞬発力で出てくるアイデアを、僕はジャッジしてくだけ。寝かせてブラッシュアップだけでもさせてもらおう。

バンドの展開が楽しみでうずうずしてんだけど、体がついていかない。曲もどんどん書きたいしスタジオどんどん入りたい。その先には...レコーディングやライブもしたい。なんて妄想しながら寝返りを打つ。

1月30日 NEWSを知りたい

2週間分の日記をまとめて書いてるんだけど、ここらへんであれじゃないの、ニュースへのリンクをまとめたほうがいいんじゃないの。

大きなニュース。永井一郎さんが亡くなった。代表作は1969年から演じた「サザエさん」の磯野波平だろう。人によっては「機動戦士ガンダム」のナレーションかもしれないし、「宇宙戦艦ヤマト」の佐渡酒造かも知れない。一連の高橋留美子作品の老人役かも知れない。僕にとってはすべてのアニメーション体験の中で一番好きなキャラクター、「未来少年コナン」のダイス船長だった。
 旧友の大島渚がこう書いたことがある。「『ナウシカ』のミト役をやるとき、永井は、ミトが何を自分の幸せとして考えているかに思いを巡らせた。そしてミトの幸せは『ナウシカを守り抜くこと』だと決めた。その思いを最も表現するのは『姫さま!』という呼びかけであると思った」。ダイス船長も磯野波平も、そんな風に思いを込めて演じたんだろう。永井さんじゃないダイスも波平も、ちょっと想像がつかない。

科学の世界では、STAP細胞っていう新しい万能細胞が開発された。外的な刺激で比較的簡単に分化多能性を持たせられる。で、問題は開発者の小保方晴子博士が若くてかわいいんだわ。世界で報道されたこのニュース、もちろん科学的な視点で大きな話題になったんだけど、日本だけは彼女のゴシップ性しか話題にならなかった。つまり「悔しさに泣き明かしたリケジョが掴んだ栄光」だって。Nature誌に投稿して「何百年の細胞生物学の歴史を愚弄している」って言われたら誰だって泣くわ。
 共同研究者の若山照彦教授の話が面白い。小保方博士の情熱を見て、当初の「できっこない」が「もしかすれば」に変わった瞬間はあったか。「なかった」「小保方さんのように世紀の大発見をするには誰もがあり得ないと思うことにチャレンジすることが必要だ。でもそれは、若い研究者が長期間、成果を出せなくなる可能性があり、その後の研究者人生を考えればとても危険なこと」。研究室のムーミンのシールやおばあちゃんの割烹着の話より、若山教授は大切なことを言ってる気がする。

科学関係の話題を続けるね。スティーブン・ホーキング博士が「ブラックホールないかも」って言い出した。ブラックホールって概念には、根本的に矛盾があったんだって。どう解き明かすかで論争してた。僕が子供の頃、天文学入門には、宇宙にはブラックホールってもんがあるって載ってた。定説として子供の本に載せるスパンを考えると、50年以上もあるって言われてた訳だ。ホーキング自身も50年以上ブラックホールの研究をしてた。それが、ないかも。
 準惑星ケレスに水蒸気が見つかった。準惑星っていうのはちょっと前に冥王星が転落した、惑星っていうほど影響力ないけど小惑星っていうほどごつごつしてない、いちおう丸いよって類の星たち。ケレスも火星と木星の間の、いわゆる小惑星帯にある。で、この星に間欠泉があるかも知れない。これなんですごいかっていうと、水があると生命がいる可能性があるからだ。土星の衛星にも水があるかも知れない。

人類 (ホモ・サピエンス) とネアンデルタール人 (ホモ・ネアンデルターレンシス) はセックスしてたって言われてるけど、ネアンデルタール人のDNAがアジアやヨーロッパの人種に残ってるんだって。アフリカを離れて寒い地方に適応できたのは、そのせいかも知れないんだって。してみるもんだね、セックス。
 猫は人間をどう思ってるかって話をひとまとめにした記事。飼い主のことを自分と別の動物とは思ってないみたい。でも相当に賢いみたい。賢いのは一緒に住んでてわかる。特にチャイや、亡くなったネモやクリマロには、なんだか見透かされてる気がした。メイにはしない。
 オオカミは犬の祖先じゃないらしい。ゲノム解析で、犬とオオカミは共通の祖先から別れた別の種類だってわかった。これ、ムツゴロウ動物王国の石川利昭さんが書いてたんだよ。ゲノム解析なんてできる前の経験談として。ムツゴロウさんやその周辺を嫌ったり馬鹿にする人多いけど、僕は大好きです。

少数民族の写真集が出た。ここでいくつか見れる。「Before They Pass Away」ってタイトルが辛い。途方もなく長い時間をかけて育まれた彼らの歴史は、たぶんもうすぐこの世から姿を消す。いまもその土地の暮らし方を続ける彼らの姿は、気高くて尊い。
 100年前の日本に、「大正ピクトリアリズム」っていう写真ブームが起きた。100年前の日本、ビューティホー。僕が生まれたのが42年前で、死んだばあちゃんが大正生まれだから、そう遠い世界の話でもないんだよこれ。いま僕がiPhoneで撮る日本を、100年後の人はどう観るかな。日本あるかな。人類いるかな。

Mステでおっぱいポロリっていうツイートがタイムラインに溢れて、要するにSPAMの一種なんだけど、アプリケーション認証をしてまでポロリが見たいのは誰かよくわかった。そうだね、高橋幸宏氏とか糸井重里氏とか小山田圭吾氏だね。ポロリって言葉は強い。アイドル水泳大会にポロリはあったけど、アイドルのポロリはなかったよ!!

都知事選、マック赤坂氏の政見放送の破壊力やばい。前回は控えめだったけど選挙の結果かわんなかったから。余った時間の処理の仕方まで悲哀でいっぱい。これが美少女だったら「ほんとは辛いんだろ、わかる」って声かけるけど、でたぶんマック氏は繊細なんだけど誰も声をかけない。かたやネット発の候補 家入一真氏はメディアやネットに関する政見アンケートに答えなかった。

渋谷の下には川が流れてるって話を3年に一度くらいしてる。渋谷駅の大工事で川の流路を変えるために、いまご本尊御開帳してる。ちょっと前に、鉄道の駅名の下一文字を並べると、地形がわかって面白いって話題がでた。井の頭線なら寺・園・台・山・丘・戸・山・福・町・前・原・田・沢・上・前・泉・谷。谷には川が流れ、井の頭公園では四半世紀ぶりに水を抜いて、外来魚の駆除と日干しをしてる。

最後のニュース。和田ラヂヲ先生がオニオンスライスを食べる

追記 : 小保方晴子博士が発見したとされるSTAP細胞は、捏造だった。