DIARY 2014年7月


7月2日 夏のはじまりはじまり

普通に考えて、今からリハビリしてFUJI ROCK行くの無理じゃんか。きのうの夜ヤマザキマリさんの本を読んで思うところあって、無理だけど行くことにした!! で、今日からのダイエットとリハビリ。ずっとお布団にいたのに20分も散歩した。で、いま脚がスティックだ。ちょっと背伸びして気持ちを維持する。もう公表されたのかしら、Controversial SparkがFUJI ROCKに出る。あんまりライブに行けてないけど、Controversial Spark僕は好きだよ。
 2週間くらい前、メールフォームからメッセージを頂いた。「あせらないで。自分のこと認めてあげて」。残念なのはこれ匿名だったんだ。インターネットが悪意を招いてる理由のひとつは、匿名であること。ひろゆき氏が見捨てた頃からの2ちゃんが代表例だ。このメッセージを応援と取るか誂いと取るか、いまは応援と取ってみようか。

2014年7月1日は日本が自滅に走りだす記念すべき日となった。集団的自衛権行使が閣議決定された。これなんでまずいかを、知ってる範囲で説明するね。まず、政府には憲法の読み方を変える権利はありません。憲法は国の一番偉い決まりごとで、安倍政権は憲法違反をした。「法律を作らずに、行政府がありものの法律の使い回しとありものの法律の解釈変更と政令だけで政治を行う政体のことを『独裁』と言います。日本は定義上、現在『民主制から独裁制』に移行中です (内田樹) 」。
 安倍政権は、戦争が起きて困ってる赤ちゃんやお年寄りを自衛隊が助けるイラストを使って説明をした。本当はそんな状況になる前に、民間人は民間航空機で帰国するのが鉄則です。助けるべき赤ちゃんやお年寄りはいません。中国や韓国が攻めてきたらどうするのか。攻めてきません。皆さんが中国や韓国に関心を持ってるほど、中国や韓国は日本を重要視してません。それ以上にアメリカが大事です。
 集団的自衛権の集団ってなにか。アメリカと米軍基地がある国のことだ。アメリカは朝鮮戦争でもベトナム戦争でも宣戦布告をしていない。これは戦争じゃありませんよって言いながら戦争をする国だ。日本が攻撃されてないのに、米軍基地がある国が攻撃されたら出兵しなきゃいけない。事実上 戦争が始まります。おそらく中東か北朝鮮か。第一次世界大戦の死者のうち軍人は95%、民間人は5%でした。第二次大戦では民間人48%、朝鮮戦争では84%、ベトナム戦争では95%。僕らはどうせ派兵されない、って後ろで言ってる皆さんも死ぬ可能性が充分にあります。アメリカと一緒に戦争をした国は殆どテロにあってます。

もっとちゃんとした説明は東京新聞の社説、自民党で唯一反対を表明した村上誠一郎議員の会見を読んでください。
 日本弁護士連合会へ「安倍内閣を憲法違反で訴えるよう即します」って署名活動がある。

7月9日 あの娘のおっぱいがおおきくなりますように

七夕はイベントとして慎ましくていい。
 願い事をするのは、織姫が裁縫の上達を祈って天の川を眺め、針に糸を通して祈ったのが始まりだって篠原ともえさんが書いてた。篠原さんはお針子さんの家系で天文の達人だ。大人の科学のプラネタリウムにも関わってる。そのキットを能年玲奈さんが作って篠原さんに写真を送ったらしい。色物と言われて20年、芸能界の真ん中で頑張ってるし、再評価きてる。本人がプログラミングまで全部手がけた2枚のアルバム -:*Better*:- -:*Oh Yes Say Lala*:-はいまでもときどきうちのプレイヤーに乗る。また歌わないかな。
 七夕ちょっといい話、虚構新聞だけど!!

ここ最近の大きなニュースは、兵庫県議員のエクストリーム謝罪だろうか。ネタ職人が即座に動き出して祭りになってる。響いたのは「ギターで弾いてみた」ってネタ。彼の「奇異な行動」は昔かららしい。僕も「奇異な行動」と言われて忌み嫌われてきたんで、なんだか気の毒に思えてきた。精神障害だ、彼も僕も。で、この話が盛りあがってるのは会見が特殊すぎたからで、県議会議員の不正支出は県でけじめをつければいいんじゃないの。ほかにも悪いことしてる人がいっぱいいて、冷徹に押し黙って胸をなでおろしてる。
 もうひとつの大きなニュースは、史上最強クラスの台風が来てること。ぜんぜん開かなかった沖縄の銘店「お食事処 栄」がアジの開きくらいに開いた。もうこの日記を読まない加計呂麻島の彼がまたやってくれるんじゃないかと、全国のファンは妄想してる。

集団的自衛権の話はこの2大ニュースに隠れつつある。いい記事があった。「集団的自衛権不要論は、相手の立場に立って」。閣議決定がなされた日に、全国の中高生に自衛隊に入ろうの郵便物が届いた。
 産経新聞がマーケティングとして感情的な記事を載せるみたいに、もうマスメディアが中立であろうとすると、自身の存在が危ういのかも知れないな。署名活動はまだまだ続いてる。日本弁護士連合会へ: 安倍内閣を憲法違反で訴えるよう即します

僕はこの体調でFUJI ROCKに行けるんだろうか。観たいバンドをまとめてみた。実際は夜に起きだすことになりそう。ステージもGreenとRed Markeyだけ。それでも行ったら自信に繋がる。
 こないだメールをくださった方からもう一通メールが届いた。この方も鬱病だという。「耐えてきたじぶんのこと、ほめてあげてください」。嬉しい。「みんな」にとって悪いのは僕でいいんだろう。きっかけを作ったのは僕かも知れないけど病気なのは僕で、辛いのも僕だ。ってことが少しは伝わったのかな。

気になった音楽のニュース。音楽を好まないと思われてたチンパンジー、アフリカやインドの民族音楽が好きだってわかった。鈴木慶一さんが1年半かけて女性SSWのアルバムを完成させた、涙が出たっていう。田中茉裕さん...だろうか。ずっと待ってた!! ぴあが、行けなくなった公演のチケットを希望者に再販売できるサービスを始めた。80年代の記事「Chuck Berryにパンクを聴かせてみた」。畑違いながら指摘が的確。Moogがテルミンの進化版、Thereminiを発表した。
 弦楽器の名手たちがロックに挑む。「ロックというのは『不良』、クラシックというのは『情操教育で、よいもの』ということで、ロックは教育上よろしくないというのが当たり前」って発言に衝撃を受けた。尊い私達が下品なお前らに合わせてあげました。聴かねえよ!!

音楽の映像。池上本門寺の風鈴。Charlie & Eddie Palmieriのライブ「vamonos pa'l monte」。エキゾチック!! 亡くなったBobby Womackの2011年の弾き語り「Deep River」。再結成Monty PythonとMick Jagger。隣にも見慣れた顔が。29人のシンガーをモノマネ、圧巻。ベースライン100

藤岡みなみさんのブログ「スプーン曲げを習得した話」やっぱりめちゃくちゃ面白いなこの人は。フジツボの生殖器は、自身の体長の8倍ほど伸ばすことができる。俺だってその気になれば10倍くらいいく。ほんとほんと。川端康成が振られた恋人に宛てた手紙が見つかった。「恋しくって恋しくって早く會わないと僕は何も手につかない」。テレビで読みあげられた上に一般公開されるなんて拷問だ。
 ベトナムの、たぶんアマチュアの映像サークルが作った実写版ドラえもん。開き直ったセンスの良さに感銘。しずかちゃんがかわいいので入浴シーンを切望する。動物コンピ動画はいっぱいあるけどこれは実にいい物件。1人のホームレスの人生を救った1匹の猫の物語。ディズニーランドパリのCM、悪そうな方々をディズニーランドに連れてく。LINEが乗っ取られるとこうなるらしい、明和電機の例

奈良美智さんがツイートしてたんだけど、河原温さんが亡くなったって本当? 僕が酷く傷ついて、でも日記で生存を表明するために使った「I am still alive」ってフレーズは、河原さんの作品から取った。誤報であることを願う。

7月12日 僕はここにいる

毎朝タイムラインを遡るたびに「あっあっ!!」「すごい!!」「入った!!」ってAVみたいなツイートが並ぶ。かの壮大な球技大会はいつ終わるんだろうか。

「史上最強の台風」は夜のうちに去った。名残りのようなつかの間の豪雨、虹、満月。
 少しづつ家を出られるようになってきた。惨めに浮腫んだ体を引きずってでも、会うべき人には会わなきゃだな。独りで生きていければ楽かも知れないけど、失っても失っても友を求めてしまう。そして音楽を。FUJI ROCKには行きたい。魔法がある。自分で壊したくせにやっぱりバンドやりたい。当方ベース (初心者) 、以外全部募集。精神障害につきあえる方。無理だ...。そんで痩せたい。恋もしたい。ブサイクを彼氏にするとこんなメリットがありますよ
 つまりは去年に戻りたい。今年を捨ててでも来年に戻りたい。

ヤマザキマリ×とり・みき「プリニウス」読んだ。面白い。子供の頃からアラマタ先生とかキルヒャーとか大好きだったから、科学とオカルトの間を無自覚に行き来する主人公に引きこまれた。帝政ローマ時代は欲望の開放がとまらない、腐れ落ちる一歩手前の爛熟期で、現代とすごく似てるって指摘もあった。そしてコマの間を歩きまわる猫たち。
 きのうはテレビで「となりのトトロ」をやったらしい。たいがい諄いけど、ジブリはメジャーすぎて嫌いっていう「観ず嫌い」の人に言いたい。当時はほんと客入ってなかったんだよ。マーケティングに基づいた商業映画って見方はしっくりこない。むしろ前衛だ。トトロのサツキと火垂るの墓の節子は、設定上同じ年に生まれたって指摘があった。サツキは戦争を知っているのだ。関係ないけど「ゲイが選ぶ抱きたいジブリ男子」にトトロがランクインしてたらしい。

河原温さん、やっぱり亡くなったそうだ。1998年の回顧展を観て衝撃を受けた。いままで美術を観てきた中でも屈指の衝撃だった。生きている、俺はここにいるぜっていうだけで人の心を大きく動かすんだ。それだけに河原さんの不在は重い。
 パレスチナで大きな紛争が起きている。シリアの歴史的な建造物がどんどん壊されている。この建物はいろんな人の人生の最初から最後まであって、いろんな人の人生を最初から最後まで見守って、ってことを思うとやるせない。パレスチナ自治区ガザからイスラエルの原子力施設にロケット弾が発射された。イスラエルからガザに向けて空爆があった。キリスト教徒とイスラム教徒が一緒になって、平和への集会を開いたそうだ。日本は先進国の中で数少ない非キリスト教国だ。派兵じゃない、本当に貢献できることがあるはず。

ジャズベーシストのCharlie Hadenが亡くなった。リーダー作もいっぱいあるけどKeith JarettやDon Cherryとの共演、Pat Methenyとの「Beyond the Missouri Sky」が印象深い。Beckの「Odelay」にも参加してた。で、RamonesのドラマーTommy Ramoneも亡くなった。これでオリジナルメンバーは誰もいなくなった。Nick ParkのいるAardman Animationsが手がけた、クレイアニメのDJプレイ。「Super Mario Brothers」でDJバトル。この曲愛されてるよなあ。
 赤ちゃんが大好きすぎる猫たちの動画。猫をクリッカートレーニングする話。50年の虐待から救出された像が涙を流したそうだ。彼の幸福な余生を願う。

7月17日 僕たちに許された特別な時間の終わり

「自分は幸運だ」と思えば、本当になれる確率が高くなるっていう調査結果がある。きっとそうなんだろう。母親が幼い頃に経験した痛みが、その子供にまで影響を及ぼす可能性があるって研究結果もある。母方の祖父は孫から見るに暴君だった。母が経験したトラウマを僕は知らない。僕自身も祖父に罵られて育った。呪いのように繰り返されて染み込んでいく言葉。一方で、祖父に器用に愛されて、片親の母を拒絶した弟の半生は、無意識の自己防衛だったのかも知れない。
 「いつも、微妙に、自分が信じてる人たちから、自分も信じられてんだろうか? なんて考えてしまって、後ろめたさに苛まれ、弱気になってしまいそうな夜ばっかりだ (奈良美智) 」。奈良さんにもそんな弱い心があるのか。

職歴なし還暦ニートの俺、失ったものの大きさに涙が止まらない」って2ちゃんのまとめサイトを読んだ。僕には職歴がある。5年間正社員としてサラリーマンをやった。でもいまからまた「まともな」仕事に就けるかっていうといろんな意味で難しい。あと18年したらスレッドの彼と同じ60歳になる。想いとは裏腹に自分がどんどん過去になっていく、それが今年の大きな絶望の根っこにあった。もう若くないどころの話じゃない、年寄りになっちゃうんだぜ。
 原作版「サザエさん」に衝撃を受けて、「いじわるばあさん」も読んでみた。痛快さよりも主人公の孤独が胸に迫った。僕はいじわるしてる訳じゃない。ただ病的に不器用なだけだ。でも「被害者」たちから見れば、僕の存在は万死に値する。伝えたい想いの強さは、実際に発した言葉の強さと比例しなくてもどかしい。頭の中を整理したい。

60歳の彼には両親がいる。いじわるばあさんには子孫までいる。僕には家族がいない。唯一の肉親である弟とは縁が切れて、いまさら信頼するのは難しい。この人生で誰かを信じきるのはとても難しい。

FUJI ROCKが近づいてきた。行ける行けない何度も覆して、また周りを振り回してしまった。家をでなくちゃいけない、そのきっかけが目の前にあって、音楽と森の魔法に期待したい甘えと、その甘えに対しても容赦しない恐怖。体力作りのために軽くラジオ体操したら、汗と息で取り組み直後のお相撲さんみたいになった。一番の恐怖は、当日 布団から出られるかどうか。
 同行のヌカタシが、叩き起こして駅まで車で連行するという。ありがたい。信頼するべきなんだろうな。

ろくでなし子さんが自分のまんこの3Dデータを配布して逮捕された。彼女の表現はあんまり好きじゃない。でも「あんなの芸術じゃない」って声を聞くと、「あなたが芸術の定義でしたか」ってびっくりする。明治大学のレイプサークルは厳重注意でまんこのデータが逮捕なのが、この国の基準だ。この話題について一番納得が行ったのはこのブログ「芸術か猥褻かというダミー問題」。
 パレスチナがますます荒れている。ガザ地区では毎年、東北大地震の被災者を悼む凧揚げが行われてる。日本にできることがある。対話の場を作れる数少ない国だ。その日本がやっていること、沖縄タイムスの元自衛官インタビュー。「安倍政権になってから、内容が大幅に変わりました。人を標的とする訓練が始まりました。もう今までと違います。軍隊としか思えません」。

雨粒が物にあたる音のバリエーションで雨の音を再現する「雨音の由来」。Frank Bretschneider「Data Mining」心地いい音。
 生物オリンピックで日本の高校生がメダルを獲得した。サッカーより地味な分野だけど、ほんとに世界の頂点にいるこういう人たちに光が当たるといい。カメラを分解するタコの好奇心。7匹の子猫がシンクロナイズする。イルカとなかよしの猫。違う動物同士の意思疎通を見ると希望を感じる。痛快に街を駆ける女子高生

7月18日 僕たちに許された特別な時間の終わりの続き

きのう老化の恐怖について書いたけど、62歳にして女子大生とツートップでロックバンドやってる鈴木慶一さんみたいな人に憧れてたわけじゃんか、僕は。取り敢えず体力つけよう。

7月21日 ゼロからの加速

今朝がたFUJI ROCKの荷物を送り出した。もう行かざるを得ないな。去年より20kg太って、衰弱しきった体を引きずって、同行者やほかのお客さん、スタッフの方々に迷惑をかけないか心配だ。行くことそのものに対する恐怖はだいぶやわらいだ。メールで応援してくれた同行者の皆さん、特に当日車を出してくれるヌタカシにただただ感謝だ。楽しんでくるよ。こんな素敵な女子がいるといいな。
 で、いまさらだけど去年書けなかったFUJI ROCKレポートを書いた。画面上のFUJI ROCKのボタン、イントロダクションを読んだら画面左の2013をクリックしてください。最初に言い訳しているように、下書きとメモが全部ふっとんじゃったんだ。それと、NGOの原発事故に関する展示物に対して、もやもやする気持ちをまとめられなかった。そういうことも含めて記録は記録としてね。

ウクライナとロシアの国境付近で、マレーシア航空機が撃墜されて、298名全員が亡くなった。言葉も出ない。この付近では紛争状態が続いて、ウクライナ、ロシア、ウクライナの親露派がお互いを責めあってる。第一次世界大戦は一発の銃弾から始まって、その戦後処理で引かれた国境線を巡って、いまでも中東で紛争が起きてる。イスラエル軍がガザに侵攻した。イラクでも内戦が激化してる。
 アメリカは1898年のメイン号事件の頃から、好戦的な世論を盛りあげて「仕方なく」戦争を始めるポーズの歴史を積んできた。イラク戦争だって根拠もなしに、「大量破壊兵器がある」と言い掛かりをつけて攻め込んだ訳だ。いま戦後で一番好戦的なニッポンは、事実上アメリカの属国と言っていい。「弱者と強者」について、Yahoo知恵袋に秀逸な投稿があった。なんで人は協働の道を選ぶべきなのか。

愛知県新城市の長田共永という市議が、少子化対策として「穴の開いたコンドームを配ってはどうか」って言ったらしい。飛行機の撃墜事件にかき消されてるけど、これ本当に酷い話だ。子供を作ったり結婚するのを躊躇う人が増えているのは、経済的な事情が大きい。行政が問題に真剣に取り組まずに、望まれない子供が産まれてきたら、その人生どう責任とるんだろうか。
 楽しい話もしよう。デイリーポータルZ「フィリピンの非公認列車に乗る」。非公認の人力トロッコが、マニラ市街の現役の線路を走ってるんだって。びっくりした。鉄道って高度にシステマタイズされた機関だと思ってたから。

7月24日 寝なきゃなのはわかってる

そういう訳で (どういう訳だか) FUJI ROCK行ってきます。きのう2km歩いたら疲れ果てて翌夜まで寝込んだ。大丈夫か本当に。

夏は素敵だけど26度くらいがいいんじゃないかしら。海水だけ32度くらいでさ。

7月30日 我が衰弱の中の完走

FUJI ROCKから帰ってきました。「完走」っていうのは言いすぎだ。行って、所定の時間を過ぎ、帰ってきた。
 雨らしい雨も降らず、むしろ気温を穏やかにする心地いい雲の中で、いままでで一番過ごしやすいFUJI ROCKだった。いつもみたいなサバイバルだったら、所定の時間を生きて過ごすことも危うかった。

5月から、ひたすら老いについて書いてきた。62歳の鈴木慶一氏は自分のステージを終えて、観客として山奥まで片道1時間の道のりを2往復した。一方で56歳のShane MacGowanは、マイクにつかまり立ちして咳き込んで、歌にならない歌が痛々しかった。
 僕自身も山奥まで行く体力はまるでなくて、夕方に起きだして一番手前のGreen Stageに座ってる日々だった。フルーツバスケットやってる若いグループが眩しくて、涙が出そうになった。

毎年FUJI ROCKに行くたびに感じるような、音楽の原初に触れた感慨と興奮は、今年はなかった。精神の衰えより先に体の衰えが来ていることを、ただ静かに受け入れていた。
 いまの体調でもう一度行きたいかと問われれば、明らかにNOだ。また行ってもいいと思える体力を取り戻すか、去年までの記憶を置いて終わりにするか。

前夜祭の雰囲気を動画に。レポートは明日、意地で書く。
 観ることができた数少ないステージの中で、ベストアクトはArcade Fire。大所帯のメンバーがフレキシブルに楽器を持ち替えて、アルバムのイメージとはまた違った華やかで祝祭的なステージを繰り広げた。何度も観てるのにグッときたのが電気グルーヴ。素晴らしい音楽が鳴っている間だけは、惨めな自分のことを思い出さずにすんだ。

7月31日 意地の行方

「明日、意地で書く」って宣言したFUJI ROCKレポートを1文字も書いてないことをここに白状する。インド人的な時間感覚で「明日には明日には」。