DIARY 2014年10月


10月7日 彼岸を過ぎても暑いわ寒いわ

「史上最大級の台風」がきたかと思えば、今度は「ここ十年で一番の雨台風」がきて、来週には「今年最強の台風」が来るらしい。気象庁もボジョレー・ヌーボーの域だ。

カウンセリングやほかの用事を入れて、週に5日は外出するようになった。就職したわけじゃないし遊んでる訳でもない。病状の改善に向けてのあれやこれだ。ほんの数ヶ月前、布団の中で死を願いつつも、その気力さえ湧かなかった日々を思えばものすごい進歩。
 それ以外の時間はほとんど寝てる。いまの体調でもっとこう、人間らしい外出ができない訳でもないんだけど、痩せてた時の知り合いに会いたくないという屈辱的な事情で実行に移せない。そうそうMix CDをもそもそ作ってるよ。なんだか140枚くらい作んなきゃになった。めんどくさい。これ今年でやめにしようかな。

世界が動いてる。香港では民主化運動のデモが続いてる。リーダー格は17歳だってすげえなあ。自分が17の時なんてほんとアホだった。なんも考えてなかった。なんも考えてなかった。青色発光ダイオードの開発で日本人がノーベル賞を受賞した。赤崎勇さんの3年前の記事があった。「精神の根底には戦争体験がある」。帝塚山学院大で教鞭をとる朝日新聞のOBが、爆弾テロ予告を受けて自主退職した。学問と言論の自由は、暴力で脅かされちゃいけない。朝日叩きでいろんなメディアが萎縮してるのも怖い。山谷えり子国家公安委員長が、在特会にずぶずぶな話はもっと報道されていい。
 iPhone6に力を加えると曲がるらしい。Wall Street Journalがユリ・ゲラーにインタビューしてる。「購入した1000万人の興奮がエネルギーとなって超能力を呼び起こした」。東スポでもムーでもないよ、だいじょぶかこの記事。どうせならここまで曲がると便利、DPZの記事「もっと曲がるiPhone」。

ネット右翼と中年童貞」って記事を読んだ。「社会に本音と建前があるっていうことを当時はわからなかった。自己満足な正義感だけで暴走して、本当にたくさんの人に迷惑をかけた」「正義感が強くて真面目な男性が多い。それに加えてコミュニケーション能力が低いので融通が利かない」「みんなで野球とかサッカーとか一切できない子供だった。イジメられっ子になりやすいタイプで、同級生と遊びに行くとかなくて、図書館に籠って本を読んだり、一人でいるのが楽しかった」。
 うーん他人ごととは思えない。僕はよくネトウヨにも中年童貞にもならなかったな。本音と建前はいまでもわかんないし、正義感が空回りしたりプライドが高すぎたり、融通がきかない。

細野晴臣さんのものすごい細かいクロニクルを発見した。夜も忘れて読みふけった。ひとり多重唱ができる女性。ホーミーとは違うみたい。後半どんどんすごくなる。
 シンガーソングライターのLynsey de Paulが亡くなった。「Sugar Me」しか知らなかったけどスペクター調のこんな曲もあったんだね「Ooh I Do」。

10月8日 さぼってしまった

気分があがらなくてカウンセリングさぼってしまった。こういうの、一度流れを掴み損ねると癖になるんだよな...。

雲が出て皆既月食は見えなかった。

10月9日 多数派

そうなのか。このまま惨めに朽ちていくのみ。

10月10日 いつも気がつけば独り

狂気の末にPink Floydを追われたSyd Barrettの気分だ。彼らはこれからも音楽の場を共有するらしい。
 「あなたが虚しく過ごした今日は、昨日まで亡くなった人が生きたいと願った時間」って言い回しがある。これ詭弁だと思う。僕の虚しい今日は、誰かが生きたいと願った一日と交換出来ないんだよ。それでも明日も明後日も虚しく生きてく。突然喜びに満ちた人生がやってくる訳じゃないんだ。猫だけだな信じられるのは。

鬱屈した僕はノーベル賞で国民的ヒーローになった中村修二氏を手放しで賞賛できない。かつて起こした裁判について、悪者にされた日亜化学工業社長側の言い分。10年前の記事です。
 「クイズどちらが高い絵でしょうか」絵画の価値は値段じゃないしモニターでは伝わりにくいことを加味しても、僕の正解率は低かった。BBCが凄い豪華なメンバーで「God Only Knows」を再演した。Brian Wilson戸惑ってる。

10月13日 デブに恋する資格なし

君が変われば世界も変わる。

先週に引き続いて台風が来てる。雨風がだんだん強くなってきた。気圧と湿気で体調悪いんで猫抱いて寝てる。にゃにゃーん。団地引っ張って駅の前に置きたい。
 ちょっと前に、「恋したい」なんて宇宙飛行士になりたいくらい遠い願望になっちゃったって書いた。もうそんな夢見ないって。でもおじさんまだ恋したいわ。要するに、自分がお薦め品じゃない状態で売り込めないのだ。デブだし卑屈だし。ってこの2行だけでも相当卑屈だ。なにやってんだ俺。「今」にいっぱいいっぱいで、将来のことをなんにも考えないまま42歳になっちゃった。ダイエットはしてるんだよ。5kg落とした。目標まで果てしないけどな!! ちょっとずつだな。

ノーベル平和賞がパキスタンのマララ・ユスフザイさんとインドのカイラシュ・サティアルティさんに決まった。マララさんの声明が素晴らしい。「平和賞を受賞する1人はパキスタンから、1人はインドから。1人はヒンズー教を信じ、1人はイスラム教を深く信仰しています。私たちはお互いに人間として思慮し、尊敬し合うべきです。私たちはインドとパキスタンの間に強い絆が築かれることを求めています。両国が互いに戦闘するよりも平和の対話を持つことを私は望んでいます」。
 BLOGOSの記事「産経新聞とマララさん平和賞と憲法9条があぶりだした精神の視野狭窄」。毎日新聞の記事「第2次安倍改造内閣への欧米の冷ややか視線」。「ネオナチやKKKの関係者と閣僚が一緒に写真に納まることは考えられない。発覚したら即辞任。マイノリティーを攻撃するような団体と一線を引けない人は民主主義の根本原則に反しているとみられる」。そうだよね。見せかけだけの平和憲法をいま世界に問うてる場合じゃなかった。情勢が安定してる時についでみたいにくださいよ。その頃まで平和憲法があるか知らないけど。

猫に飼われている人の17の特徴」。猫は人をよく手懐ける。抱っこを要求する猫動画
 Anne Dudley and Jaz Coleman「The Awakening」ワールドミュージック期の隠れた名盤。Erutan「Itsumo Nando Demo」千と千尋の神隠しの主題歌を海外の女性がカバーしたの。ギター、ハーブ、カンテレも本人の演奏。歌声と発音が...天使だ。

10月14日 枝豆たべたい

「いかがでしたか」で締めに入って「あなたは大丈夫?」で結ぶコラムはおおよそ胡散臭い。

きのうは大雨洪水警報が出て鉢を室内に入れた。高台なんで風ひゅう。今日は台風一過の青空、昼間は暑いくらいだったのに夜は寒かった。前を行く女子高生がハァハァ言いながらついてくるデブ (僕) を気にしてる。別に欲情してるわけじゃないんだけど、怖いよね、違う道を行くね (´-`) .。oO

老人の思考が鈍るのは、認知能力が低下するからじゃなくて経験を積んで脳の情報量が増加するのが原因って研究がある。データが多すぎて処理速度が追いつかないんだって。面白いなあって。老人が駄洒落を言うのも、経験を積んで語彙が増えることが一因だと思ってる。

LFO≒Mark Bellが亡くなった。Bjorkの長年のプロデューサーでもある。青春が遠ざかってくな。

10月17日 音楽とわたくし2014

9月下旬にMix CDの選曲が終わって、欲しいって方々から住所も伺って、でも届いてないでしょう。まだ焼いてるんです。ものすごい枚数になっちゃって...。なにより音楽に関わることが「作業」になっちゃったんだよ。それが億劫で。ほんとすみません。

コレクションじゃなくて観賞用に買ったはずの音源が山になって、新譜はこれから聴かなきゃだし旧譜の殆どはもう2度とプレイヤーに乗らない。ジャケットを見ても中身を思い出せない、なんで買ったのか思い出せない。これボケてるんじゃなくて、14日の日記に書いたみたいに、歳を経るごとに脳の情報量が増えて、キャパシティを超えちゃったんだ。音楽について入ってくる情報も多すぎる。

邦楽ニュースサイトナタリーのポリシーが「評価をしない」、「とにかく客観的なデータを流す」ってことだそうで、ほかの音楽情報サイトもそれに追従してるように思う。僕もtwitterでニュースサイトフォローして、溢れる情報の中からYouTube聴いて、気に入ったらAmazonにコピペって買い方をしてる。これがまずい。音楽をお迎えするまでのプロセスが簡単すぎてまずい。
 評価っていうと語弊があるのかも知れないけど、リスナーと作品を繋げる道筋と選者の愛情みたいなの、もっと流してくれないかなあ。昔よく読んでた萩原健太さんのNothing But Pop!も久しく更新してないし、ほかのレビューサイトも軒並み潰れてる。このサイトもそもそもはディスクレビューがメインコンテンツだった。やっぱり「レビューするために聴く」みたいな作業になって、疲れちゃったんだ。
 これからの音楽とのつきあい方を考えなくちゃいけない。DJでもライターでも、ミュージックソムリエの需要が高まってくると思う。例えば雨と休日みたいなセレクトショップ、自分の美意識にあったところをいくつか。僕もミュージックソムリエを名乗ってた時期がある。でもさ、全然だったんだ。一人の愛好家として、指標を求める側にある。

映画ジャージー・ボーイズで注目を集めてるFour Seasonsの「Uptown Girl」、Billy JoelがFour Seasonsをイメージして書いた曲を本家がカバーした。全然違和感ない。
 The Marz VoltaのキーボーディストでJack Whiteのバンドでも活躍してたIkey Owensが心臓発作で亡くなった。38歳。若いね。ベーシストの藤井裕さんも亡くなった。上田正樹とSouth To Southのメンバーとして有名だけど、僕にとってはなんと言っても忌野清志郎のLittle Screaming RevueやRuffy Tuffy、ライブもよく観たな。

外出する用事が増えて、疲れてる。急に寒くなったしね。猫を抱いて寝る。人のことはわからない、家族のことなんて一番わからない。猫もなにを考えてるかわかんないけど、なにかしら考えてる。疲れて布団にこもってると顔をなめてくれたり頭をポンポンしてくれたり。感情を読んで行動してる。歴代の猫たちはリアル家族だった。きのうはN氏と夕飯を食べた。久しぶりの外食らしい外食、楽しかった。
 明日はカウンセリングを受けて気づいたことを書く!!

10月20日 Side-B 内輪的なこと

エボラ出血熱がまじでやばい。もう遠いよその国のことじゃないんだ。よその国に関心がないこの国の国会は、うちわを配った配らないでもめている。野党なにやってんだよ、足の引っ張り合いが野党の仕事だと思ってるからこの国に議会制民主主義は根付かない。そういうことは国会じゃないところでやったらどうかな。野党からエボラ対策案をどんどん出せば、国民の見る眼も変わる。これは国として取り組まなきゃならない問題だ。俺エボラで死にたくないよ。
 で、公職選挙法 (うちわ) と政治資金の問題で2人の閣僚が辞任した。同じスキャンダルでもずっと深刻な、在特会やネオナチとの関わりについては追求しない。その間も安倍晋三は怖いことを考えてる。

深刻な記事を読んだ。ミュージシャンの寺尾紗穂さんが書いた「原発で働くということ」。連載みたい。現場の声ってこういうことだ。「教育できる熟練者が定年になっていく。若い人たちは机上の理屈はあってパソコン管理もできるけど、現場は計算だけではできない作業がいっぱいある。メーカーも一次業者さんも技術者がいなくて困っている」。IDチェックが厳しくなって「最近は人の奪い合い。職人さんがいないから。下請けも経験のない人を連れてくるんです。仕事にならないです、安全教育のテストをしても合格点までいかないことも結構多いです。かき集めるだけだから。私が簡単な、答えを教えたテストをするんです。それですら100点とれない人が多い。90点80点どまり」。
 それでも廃炉にするにはこれから何十年も「プロ」が必要だ。

マララさんのお父さんのスピーチ。ぜひ観てください。
 「親愛なる兄弟姉妹の皆さん、私達がマララから学んだことは、最も困難な時でさえ立ち向かっていく力です。 皆さんにぜひお伝えしたいのは、マララが子供と女性の権利を取り戻す希望の象徴であったとしても、普通の16歳の女の子と何ら変わりないことです。宿題が終わらない時は泣きますし、弟達と喧嘩します。私にはそれがとても嬉しいんです。周りの人達から、マララみたいに強くて勇敢で雄弁で落ちついた子供の育て方の秘訣を聞かれます。私の答えは『私が何かしてあげたのではなく、あることをしなかったお陰でしょう。彼女の『翼』を切り取らなかったそれだけです』」。

ここ数日は、だるくて頭ん中もじゃもじゃして寝込んでた。猫がいてよかった。丸まって眠る猫の真ん中の穴に指を入れる (*´∇`*)
 たまに起きてtwitter。同じ猫の写真をtwitterでファボり、インスタでファボり、Facebookでファボり。隣で本物が寝てるのに動物関係の動画を漁る。全盲の猫がハイキングして、全身で自然を感じる姿。超ゆっくり歩く猫を「だいじょぶか」って眺める猫。道を譲ってくれた馬車の運転手が意外だった。犬猫の寝落ちの瞬間。猫と狐、群れを作らない孤高の動物同士の友情

ついでに見つかった興味深いサイト。外国人でも読めてしまう日本語フォント。木の特性を使った釘が入った木材の作り方脳波で液体をコントロールするキネティックアート。いま大好きな日本のバンドSEBASTIAN X 永原真夏さんとmitoさんの対談自撮り動画の新しい地平。ヘッドフォンで聴くと気持ち悪いくらい立体的に聴こえる動画。ダミーヘッドかな。ぞわぞわした。

10月も下旬だ。もう42になるけど、いまだにハローウィンがどういう行事かよくわかってない。

10月20日 Side-A 自分の人生を振り返ったら可哀想すぎて、でも泣けなかった

カウンセリングを受けてて気づいたことがある。僕は寂しいのだ。寂しさが空回りしてるのだ。

子供の頃から友達を作るのが下手だった。理由はいっぱいある。早生まれっていうハンディキャップ。それによる親の焦り。教師との相性。親戚の顔。なにより否定形の中で育って自我の確立ができなかったこと。自分に対しても周りに対しても否定形を使うようになって、ネガティブな方向にスパイラルしていった。いまでもそうだ。自分のことを好きじゃないからひとさまに堂々とお薦めできない。結果、友達ができない。恋人ができない。仕事ができない。
 ものごころついてから高校にかけては常に恐怖の中にいた。大学に入ってようやく自分の居場所を見つけた気がして、それから三十代なかばにかけては自然と友達もできたし恋人もできたし仕事もあった。特に都心に住んでた頃は、リアルな交流が毎晩のようにあった。その場がmixiになりtwitterになり...。僕のツイ廃も完全に寂しさ。この日記書いてるのも寂しさ。本当はリアルに会いたい。
 それが出来なくなっていったのは、嘘をつくのが下手だったから。自分にも相手にも嘘をつかないで生きるのは簡単だ。自分の中で完結してる、コントロールできることだから。嘘をつくのは難しい。疑問や違和感を持った状態で平然としていられるかは、相手がいることだから。誰にでも嘘をつかずに疑問や違和感を口にすると、人を無駄に傷つけて躓かせて、自分も傷ついて躓く。人は離れ、寂しさが募る。

5月に崩壊したバンドは、最後のリアルだった。そして彼らは、僕がいる時には実現し得なかったライブイベントを、僕がいない状態でいとも簡単に実現してみせた。彼らのことはもう過去のこととして、次に進まないと心がもたない。
 来るべき出会いのために、自分のことを好きになりたい。そのひとつのきっかけが、ダイエットだと思う。鏡に写る自分は客観的にみた第一印象だ。これはお薦めできない。去っていく方々については...ダメになっちゃうところも含めて人間らしさなので、機械的な村八分じゃなくてご指導頂ければ。怖くないやつで。

仕事については...麻木久仁子さんが書いた東洋経済オンライン「なぜ、『働けない若者』が増えたのか」。僕は若者じゃないけど、まさにこんな状況なんだ。ひとごとだと思ってる方こそぜひ読んで欲しい。
 「日本社会は人材育成の機会を学校と企業が独占してきたので、一度そのルートを外れると再び労働市場に戻ることはとても難しいのだという。『どんな仕事でもいいではないか、文句を言わずに働け』というが、キャリアを積んでいく機会を奪われたものたちが、意欲を維持するのは大変につらいことだろう。それでも、と頑張って頑張って、ついに心や体を壊してしまうこともある」「『人生のボタンの掛け違い』は誰の身にも起こりうることにもかかわらず、やり直すチャンスが極端に少ないことが問題なのだ」。

10月26日 Side-A 我が心の醜さを恨む

ちょっと前にバンドの元メンバーから電話を貰った。緊張したけど嬉しかった。電話を切って、言われた言葉が重くのしかかってきた。あの解散劇を、反対側から見るとそういうことだったのか。あの時の僕は狂気の中にいた。わかってたつもりで全然わかってなかった。自分の心の醜さを恨むばかり。でもこれが自分だ。ずっと一緒に連れてかなくちゃいけない自分だ。

カウンセリングに行った。子供の頃から自分を好きになれなかった話をした。20日の日記 (Side-A) に書いたようなこと。小学校は担任が6年間代わらない学校だった。彼から僕がどれだけ劣った人間か叩きこまれた。いまFacebookを開くと、家族と仕事に恵まれた旧知の人々の笑顔が並ぶ。隣の家から美味しそうなシチューの香りがする。家族か...。惨めな嫉妬心とコンプレックスに苛まれる。親戚は僕の現状を知らないし、知らせたところで手を差し伸べてはくれない。
 心を病んでから、いろんな形で社会復帰を目指した。結局どれも、病気と焦りで実ることはなかった。自分をどうやって変えたらいいんだろう。取り敢えず身の回りの掃除から始めてみたらって誰かの言葉があった。いまの僕にとって、それがダイエットなんだと思う。おおよその努力は報われない。ダイエットは食事を制限して体を動かせば、眼に見える成果がでる。

Yasmin Ahamadが撮った結婚推奨のためのCMを観た。夫の葬儀で妻がこう挨拶する。「夫は酷いいびきや『不完全なもの』の塊だったけど、彼は自分にとって完全な人間だった。自分にとってbeautifully imperfectな人を探して家族を作りなさい」。こんな僕でも誰かにとってbeautifully imperfectになれるだろうか。
 まずは自分を好きになること。自分の承認欲求のために愛情を求めてると、あるいは承認欲求を引き出すために愛情を注いでると、もし恋愛や友情が成就したとしても、お互いどんどん苦しくなる。いままでの恋愛や友情はそうだった。自分のことは自分で愛す。狂ってバンドを崩壊させた自分は過去にしたい。生まれ変わって次に進みたい。

見捨てられた、裏通りから、世界中に向けて大切な、メッセージが届くのを、君たちは知るだろう! (奈良美智)

10月26日 Side-B 君は歌うことができる

政治について書くのが億劫になってきた。エボラ出血熱もイスラム国も香港情勢も嫌韓嫌中も原発問題も本当にまずい。でもそれを言葉にする意欲を失いつつある。
 かつては政治を語りたがらなかった細野晴臣さんが語ってる。「『美しい国』って安倍晋三が言ったとき、ちょっと怯えたの。怯えてる人はいっぱいいたんだけど、ところがテレビに出てくるような人たちは何も言わないんだよね。言うべき人が何も言わなかったからどうなんだろうと思ってぼくはラジオで何か言わなきゃ、言葉にしなきゃいけないと思って『憲法改正はイヤだ』と言ったんだ」。
 政治にはまだ力があるはずだ。ドイツは46年ぶりに国の借金を完済した。再生エネルギーの比率は28.5%に上昇した。一方で日本の借金は2014年度末に1143兆円になる。震災の復興もまだ遠い。そんな中で利権のために原発を動かして、リニアモーターカーを作る。
 「在日特権」ってデマについて、わかりやすい記事があった。コリアンジャパニーズの置かれている現状も、デマが拡散した経緯も知らなかった。

20日の日記 (Side-B) にも書いたうちわ問題について、西村まさゆきさんが秀逸な記事を書いた。くだらなさにくだらなさで対抗する、スマートな意思表明だ。次に出てきたのは、宮沢洋一経産相がSMバーの代金を政治活動費として計上してたって話。くだらない。果てしなくくだらない。予算委員会ってスキャンダルで潰し合いをする場じゃないよね。SMバーがダメで料亭で飲み食いするのはいいっていうのもわからない。「政治ニュースでは『不快感を表明』という言い回しがよく出てくるけど、SMバー問題の宮沢経産相には記者会見で快感を表明してほしい (つかんぽ) 」。twitterにはこういう余裕があって好きだ。
 さだまさし「君は歌うことが出来る」。この人作曲家として好きなんだけど、この曲は社会と人と音楽への想いが言葉で響いてくる。

ここ10日くらいはずっと寝込んで、猫との時間を過ごしてる。猫はよく外を見る。やっぱり出たいのかな。2匹とも拾い猫で外の世界を知ってるからね。カーテンのあっちとこっちでじゃれあったり、新しい遊びを考える。コードかテープがあれば驚くほど猫が寄ってくる、猫転送装置ってネタがBuzzってる。部屋を片付けて、うちでも試してみたい。「足りないにゃ」と文句を言いながらご飯を食べる猫 (ω)
 Taylor Swiftが誤ってホワイトノイズだけの曲をリリースしたら、カナダのiTunesチャートで1位になった。Arto Lindsayが来日してる。Ambitious Lovers時代のスタジオライブがかっこいい。NASAがSoundCloudアカウントを開設した。アポロ11号の打ち上げ音から大気圏の電波音まで、全部ダウンロードできる。

能年ちゃんのことだけ考えて暮らしたい。

10月28日 ビール日和

Mix CDをまだ発送できてないこと、ずっと引っかかってる。明日こそ明日こそでずるずる日にちが過ぎる。今回初めて住所を教えてくださった方は特に心配してると思う。ごめんなさい。
 これ来年からはやめよう。音楽を楽しむってそういうことじゃない。いま僕の生活の中に音楽があるかっていうと、うちでは寝込んでる時間が殆どなんで、実は聴けてないんだよ (´-`) .。oO

そんな僕を家から連れ出してくれるカフェ友達がいる。浮いた話じゃない、これから恋愛に発展する可能性はまったくない長い友達。きのうは恒例の青山 - 渋谷めぐりをしてきた。少し暑いくらいの陽気で電車に冷房はいってた。僕は出身があの辺なんで、故郷がどんどん様変わりしてくのを寂しくも感じた。よく遊んだ公園が見る影もなくて、児童館は取り壊し中だった。
 まずはビールで乾杯、くだらない世間話をして買物へ。いま冬物が枯渇してるんで、思い切って素敵なジャケットを買った。あとは出っ張った腹だねー (*´・ω・)(・ω・`*)ネー

昔はよく女の子に服を見立てて貰ってた。一般的に女の子の方がファッションに詳しいしこだわりがある。でも選んでくれた服は、上から下までそのコーディネートじゃないと映えないことが多かった。なにより女の子の買物は長い。自分からお願いしておいてほんとアレだけど、あっちの店からこっちの店へ、行ったり来たりまた行ったりを何時間もしてると正直疲れちゃうんだ。
 最近はこの店って決めたらその店で、店員さんに見立てて貰う。見立てのプロなんだし、意図をくんでくれてスムーズに買物できる。服屋さんは怖くないって気づくまで40年かかった。お洒落な服を買いに行くための服がないと思ってた。それはひとつの真実なんだけど。床屋通いから美容室デビューまでも40年かかった。中年からのお洒落ライフだ。あとは出っ張った腹だねー (*´・ω・)(・ω・`*)ネー

いろんな店を覗いて歩いて夜はタイ料理屋。テラス席というより本場の屋台に近い雰囲気で、どれも美味かった。パクチーパクパク。シンハーゴクゴク。夜はさすがに寒い。ジャケットを取り出して羽織る。いいね。これはいいね。爪みたいな月を眺めながら帰宅。次回は代官山のカフェを攻める。またお洒落のハードルがあがる。だいじょぶだろうか。帰ったら数ヶ月連絡が取れなかった友達から嬉しい電話があった。たまにはこんな日もいい。
 今日は家でぐったり布団にこもってた。体力もだけど、やっぱり精神的に波がある。日向ぼっこから戻ってきた猫がものすごくあったかかった。とはいえ冷房を入れるような陽気はきのうで最後じゃなかろうか。そろそろデロンギを出してもいいのではないか。

深夜の街をみんなで徘徊するイベントがある。終電の後の街をただ歩く。座禅や瞑想みたいに静かな気持ちになれるんだって。「徘徊中は無理に誰かとコミュニケーションをとろうとしなくても大丈夫です。一人で静かに歩きたい人はぜひそうしてください」っていうのが有難い。ちょっと元気になったら参加してみたいな。
 僕は猫と友情を育んでるつもりだけど、種類の違う動物の友情はなんでこんなにも美しいのか。15組の異種動物たちに芽生えた友情。98%の人がびっくりする簡単な足し算のテスト。びっくりした。98%だ。オーガニックマニアにマックを「有機食品です」って食べさせた結果。そんなもんだよね。いつも眼を見張るPVを作って曲の印象が残らないOK Goが新しいPVを発表した。ますます凄い。今回はメンバーと日本のクリエイターとの共作。最初に出てくる女の子、何フュームだよ!!

「ウゴウゴルーガ」のCG制作やゲーム作家として活動した秋元きつねさんが亡くなった。そもそもは平沢進周辺人物だった。46歳。もうなにかしら成し遂げて旅立つ世代になっちゃったんだな。
 画家で作家の赤瀬川原平さんが亡くなった。ネオダダイズム、トマソン、老人力。「新解さんの謎」は笑った。これを機会に「宇宙の御言」を読んでみよう。赤瀬川さんの作品に通底するのは「視点」の新しさだ。世の中を逆さまに観てみる、すぐそこにあるのに誰も気づかないものの見方を発見する、それだけで充分にアートなんだ。

10月30日 頭ん中もじゃもじゃ (続・我が心の醜さを恨む)

疲れてる。頭ん中もじゃもじゃしてる。この日記も同じ話の繰り返しになってきた。インプットがtwitterだけだから、リアルな対人交流をしてた時期と比べて考え方が広がっていかない。そんな中でカウンセリング行ってきた。カウンセラーさんは僕が言葉にしきれない部分を的確なキーワードにして、さらに心の奥を探れるようないい問いを投げかけてくれる。
 26日の日記 (Side-A) に書いた、久しぶりにバンドの元メンバーから電話を貰った話をした。鬱病ってただ落ち込む病気と思われてるけど、それとは表裏一体で苛立ちや悲しみの感情が起きるんだ。ネガティブな感情の中で、状況に対して過敏になってる。バンドの解散の時に、僕はパニックで酷いことを言ったんだ。バンドと関係ない人に対しても、その不満を漏らしたり。そら友達去っていくわ。ってことについて、「我が心の醜さ」って書き方をした。僕は本当に醜い。
 もうひとつ話したのは、僕の嫉妬心のことだ。Facebookで「家族旅行に行きました」「結婚しました」みたいなキレイな話が並ぶ。やっぱりいい写真で「いいね!」をつけてるけど、心の中では「いい旅だね」「結婚おめでとう」って気持ちより「うらやましい」「自分には届かない世界だ」の方が先に出る。これも醜いなって思う。ずっと書き続けてる、「自分を好きになって大切にすること」と「誰かを好きになって大切にすること」はサイクルだ。自分にも誰かにも完璧を求めると、生きるのが苦しくなる。

ここんとこいい天気なー ヽ(゚〇゚*)/ 昼間は真っ直ぐな日差しが暑かった。日焼けするわ。そんで坂道登って汗をかくデブ。ジョギングで爽やかな汗をかく女子大生とすれ違った。汗にも貴賎があると言えよう。夜は寒くて買ったばかりのお気に入りのジャケットを着た。

17日の日記、リスナーと音楽を繋げる道筋と愛情について、の話に通じるポストがあった。元記事は「音楽雑誌は何故つまらないのか」ってブログで、大雑把に「知らないバンドの話なんて読みたくない」っていう閉じた内容だった。リンクは張ってやんない。このブログについて、小野島大さんがコメントをした。
 「書いているのがどんな人だか知らないけど、きっと『言葉によって、文章によって音楽の感動が何倍にも大きくなった』『文章によって世界観が広がった (その手助けとなった) 」という経験がないんだろうなあ。文章によって救われた、あるいは楽しみ方を知った、という経験。ただのリスナーじゃなく、恒常的に音楽についての文章を書いている人みたいなのに、そんな経験がないなんて可哀想。というか変。音楽に感動した経験がないのに音楽作ってるみたいなもんだからね

東京国際映画祭のコピーが無粋。「ニッポンは、世界中から尊敬されている映画監督の出身国だった。お忘れなく。」だって。国際映画祭だよ。英訳までついてる。誰か書いたか知らないけど (総合プロデューサは秋元康) 映画なんて愛してないんだろうな。記事にもなってる
 「TIFFの無粋な看板のコピーを考えたのは日本映画の古典など見ない人だろう。見ていたら我が国の巨匠たちがいかに外国映画から学んでいたかがわかるだろうし、恥ずかしくてあんなこと書けないはずだ。だからあれは日本の文化や歴史について無知なのに『日本は云々』と抜かすネトウヨと同じレベル (葛生賢) 」「国際的な存在感の低下が『日本を誉めて』症候群を生んでいる。末期的な感じさえする (毛利嘉孝) 」。自国を褒め称えて他国を叩くしかアイデンティティを保てない病弊した国を象徴する出来事だ。

28日の日記で紹介したOK GoのPVの話題がBuzzってる。確かに素晴らしい。でも完全に自主制作で裏庭で撮った「A Million Ways」のPVから一貫して傑作ぞろいだった。今回は日本のクリエイターが参加して、Perfumeがカメオ出演してるからBuzzってるんだろう。いままでの作品のまとめがあったんで全部見て!! 全部見て!!
 裏話として、彼らがレコード会社の足枷にあってることも知って欲しい。権利、権利、権利の話題だ。がんじがらめの状態から抜け出して素晴らしいPVを作るために、スポンサーを募ってそのCM映像に楽曲提供するって体裁を取っている。こんどの「I Won't Let You Down」のスポンサーはホンダ、あの一輪車がホンダ製品らしい。

笑った動画。暴走族の合唱団ってネタ。巧すぎる歌声は口パクだろうか。飼い主におやすみのチューをしてから眠りにつく子猫。

10月31日 唐草模様の男 -そこに靴下はあるか-

マンガ家のとり・みきさんがtwitterを辞めた。ほかの方が辞めるのとは意味が違う。おおくの人が虚無感を表明した。僕にとっては...。twitterを始めて最初にフォローしてくださったのが鈴木慶一さん、3人めにフォローしてくださったのがとり先生であった。心から尊敬する2人のクリエイターに気づいて頂いて、twitterなんぞ!? と思った。
 とり先生はtwitterを愛していたと思う。連載コラムの切り口はおおよそタイムラインから、ただtwitterを賛美するだけの回もあった。「自分勝手だから、君を愛してる」。Facebookに疲れ、twitterに癒やしを感じていた僕にとって、この記事には膝を打った。本業でもタイムラインでネタを募集する「とりったー」という作品を描いた。「楽しかったです」ってツイートで去っていかれたのがせめてもの救いだ。そしてFacebookにこう書いた。「世の中には好きだからこそあえて封印するということだってあるのです」。

ヤマザキマリ先生は、とり先生の退会についてこうツイートした。「緑唐草サングラスアイコンは、現れる度にTLを微かな緊迫感で引き締める効果があったなと今更思う。湿った感傷が絡まない沈着冷静なメタさを保ちつつ、人を笑いを醸し出せたあのアイコンは、私にとってはツイッター神みたいなものだった。あそこまでツイッター環境適応度の高い人ってそんなに居ない。人類とは古代から自らの置かれた環境への適応を誘う神、もしくは法というものを必要とする生き物であった。ゆえ、ツイッターという世...だんだん大袈裟な解釈になってきた。やめよっと」。とり先生を送り出すに相応しいウィットだと思った。
 これからもFacebookやほかのメディアを通じて、なによりもマンガを通じてとり先生と繋がりを持てるのはありがたい。

30日の日記に書いた、無粋なコピーの東京国際映画祭のセレモニーに、安倍晋三氏が来たらしい。その日のFacebookにこんなポストをした。「我が国が誇る質の高い日本映画は、日本の文化、魅力を世界に伝える『クールジャパン』の一翼を担う重要なコンテンツです。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年を見据え、映画を通じて、日本に関心を持ち、日本の文化に触れ、日本のファンになってくれる人々が世界中に増えるよう、日本映画の魅力を一層力強く発信していきたいと思います」。
 日本の名画特集じゃなくて、国際映画祭の話題だよ。日本の偉大な監督たちは、いろんな国の映画に影響を受けてきたんだよ。かと思ったら新星堂が「日本人は、優しくて強い。そういう50曲」ってキャンペーンを始めた。大丈夫か!? みんな焦りすぎ。

8月まで完全に引きこもってたのに、9月から週4回の定期的な用事が入って、体力的にも精神的にも酷く疲れが溜まってる。もじゃもじゃもじゃ。睡眠時間が長いこともあって、薬が切れてる朝がとくに辛い。乗り越えられるかな。ダイエットは進んでる。8月から7kg痩せた (゚ー゚*)。oO ジーンズがゆるくなってきた。目標は遠いけどな!!
 備忘録としていつものリンク集。赤瀬川原平さんの担当編集者のコラム「赤瀬川さんの文体」。「獣医に教わった『猫が長生きする良い家』」。トイレ掃除、もっと頻繁にしないとだな。AppleのTim Cook「ゲイであることを誇りに思う」。キリスト教保守派の発言力も強いアメリカの現状を鑑みて、とっても素敵な文章なんでぜひ読んで欲しい。Wired誌がコンピレーションCDを作った。聴かないと!! 「アフィリエイト広告だけで『浦島太郎』を書いてみた」。腹抱えて笑った。

追記 : 僕のタイムラインでは「とりロス」という単語ができた。
 小田嶋隆さん「大好きな友だちが転校して行ったあとの教室みたいで、よそよそしく感じられます」、江口寿史さん「とりさんに会いたい… (愛してるんか) 昨日からとりさんのことばかり考えている (好きなんか) そこらのやつがやめたんじゃない。「とりったー」を描いたとり・みきがやめたんだからな。誰もがうすうすと感じているツイッターの転機のひとつをハッキリ見せられた感じだな」、ヤマザキマリさん「ツイッターを辞めてここまで惜しまれる人もそれ程いないと思うのですが。ツイッターという演芸の師匠が隠居してしまった感じ」。