DIARY 2015年12月


12月1日 この世は通過するだけのものだから、あまりきばる必要ないよ

水木しげる先生が亡くなった。タイムラインを眺めるに、みなさん水木先生には熱い想い、というかあの生き物なに? 的な強い関心があったみたい。水木先生ご自身が妖怪だったかのような。
 とり・みきさん。「しかし既にこの世にあって異界の主のような方であり、生死の境はどうでもよいという域に達されていたと思う。なので個人的にはあまり悲しくはないのであった」。でもその夜に作品を読み返して、「いかん。悲しくないと言ったのにこのラストを見たら泣けてきた。感情を表すセリフもオーバーアクションも涙も大ゴマもないのに、なんと雄弁で切ないんだろう」ともツイートした。水木先生を語るのに、妖怪以上に大切なのは戦争体験だ。パプアニューギニアの最前線でマラリアと機銃掃射を受けて墓穴まで用意されたのに、部隊が全滅して左腕を失った状態で生還なさった。それからマンガ家として成功するまでさらに20年。

水木先生の戦争体験は去年の毎日新聞の記事「この国で確かにあったこと」に詳しい。マザキマリさんのブログ「水木しげるさんのパプアニューギニア」にあるような体験もなさって、ここで幸せについて考え、妖怪と音の魔力への興味を膨らませていった。後年ジャマイカに行って、レゲエにはまったエピソードも興味深い。
 きのうは1日水木先生のことを考えて、夜中にふと「総員玉砕せよ!」を読み返した。ヒーローが1人も出てこない戦場のリアル。淡々と客観的に描くからこそ伝わってくる生々しさ。水木先生は、国粋主義に走り出しそうないまのこの国をどうご覧になっていたんだろうか。平和がどれだけ幸せなことか、噛みしめて生きよう。この本を友達に贈ろうとしたら、Amazonで在庫切れをおこしてた。先生が亡くなって、注文が殺到したかな。ぜひ読んで頂きたい。本当は、戦争をしたがっている人々に読んで頂きたい。

もう12月なんて冗談は好きじゃない、8月くらいだとなにかと丁度いい。今日もなにごとを成すこともなく夕陽が沈んだ。猫がびたーってくっついてきた。ハーゲンダッツを食べた。ダイエットはきのうまで (飽きた、痩せないし) 。
 「トンカチの会」ってほんとにあるの? メンバーが死んだら、その人のパソコンをトンカチで叩いてデータを物理的に破壊するんだって。この日記は21世紀初頭の一市民の記録として残して欲しいな。それ相応の価値があると思うんだ。別に内容が優れてるって訳じゃない、続けてるって一点で。個人サーバーで細々とやってても埋もれていくだけなのはわかってる。かといってネット論壇に飛び込むつもりもない。そんな器じゃないし、気力も体力もない。なんで日記を書いてるのかね。頭の中身を取り出して整理する意味もあるし、アウトプットしないと次のインプットの余地がないって意味もある。

この5日間、体のメンテナンス以外なんの外出もしてない。プールもなー、結局行ってないんだ。体は動かしたほうがいい気がしてる。ツイキャスを4本観た。何人かとLINEした。twitterずっと開いてる。案外それで寂しくないもんだな。
 Animal Collectiveのニューアルバム「Painting With」にはJohn Caleが参加してるそうだ。来年観なきゃなライブはなんだっけ、Brian Wilson、Bon Iver、Toro y Moi、Deradoorian。「音楽嗜好症 ミュージコフィリア」って本が面白そう。「人間の音楽の能力と感受性が、どの程度生来のものなのか、ほかの能力や性向の副産物なのか――に関係なく、音楽はあらゆる文化において基本であり核である」。

流行語大賞が決まった。「トリプルスリー」ってなんだか知らない (タイムラインを見るに、みんな知らない) 。「五郎丸」ってタームは眼にしてたけど、演歌のヒット曲だと思ってた。どーうでもいい。

12月5日 俺たちの多摩急行

杉崎美香さん結婚したんだ。おかしいな相手は僕じゃない。

2日は辻林美穂@下北沢mona recordsへ。シティポップをテーマにしたライブイベント、対バンも好みだった。すべてのシティポップラヴァーは、Sugar Babeや長門芳郎さんや牧村憲一さんに感謝を。ただ、83年生まれくらいから下のミュージックフリークが、音楽的に鎖国してるのは気になってんだよな。
 おめあての辻林美穂さん、いままでは打ち込みとキーボード弾き語りのライブしか観たことがなかった。バンド編成にして大正解。グルーヴに乗って楽しそうに歌ってるのが伝わってきた。なんといっても楽曲のよさ、そして本人はいつも謙遜するボーカルのキュートな甘み。「あぶく」みたいなクラシカル路線の曲はもうやらないのかな。次はアナログを持ってってサインして貰おう。

3日は前日に録音してた、「SOUND AVENUE 905」の鈴木慶一さんの回を聴いた。テーマは「世界の街からロケンロール」。街をテーマにしたナンバーを流す、慶一さんらしい企画。慶一さんが野宮真貴さんと飲んでて、伝説の「銀座の雀」に遭遇した話は興味深かった。前回エロ音源をかけたことについてのメールが殺到して、「今後気をつけません」って笑うマイペースぶりも人徳あればこそ。
 Paul McCartney嫌いを公言してたのにWingsをかけたり (嫌いなわけないんだよ) 、Londonをテーマに30年前なら「Towers Of London」をかけたろうところを「London Calling」かけたり。The Scaffoldは気に入って、聴きながらポチった。半年で終わっちゃうのはもったいない、音楽にのめり込んだ頃の情熱を思い起こさせてくれる番組だ。11日のDJはJim O'roukeだって。

夜は天川宇宙生誕祭@阿佐ヶ谷LOFT A。宇宙さんは、ファニーな魅力に溢れたイラスト、デジタルネイティブの視点が切り取るテキスト、エッジーな歌詞が印象的な音楽、クールな知性から生まれる品格、が面白いミスiD出身のタレントさん。ネットで数回やり取りがあって、ついに生でお会いした。僕はドルオタでもロリコンでもない、上下問わず世代の違う感性と交流するのが好きなんだよ。
 イベント前半はお子みうさん、岸田メルさん、渡賀レイチェルさんとのトーク。お子みうさんってもっとエキセントリックかと思ってた。真っ当な女の子だった。後半は4人のゲーム大会、それだけでちゃんとショーとして成立してた。お子みうさんのゲームの弱さに応援が集まって、罰ゲームのカラオケが上手くて全然罰ゲームじゃなかった。終始和やかな雰囲気だったのは宇宙さんの人柄だ。女性ファンがすごくおおかったも健全でいい。お誕生日おめでとうございます。

4日は...たなかまゆさんとオガワマユさんのライブイベントを予約してたのに、体調が悪くて行けなかった。ずっと前から力を入れてたの知ってたし、やまはき玲さんはじめゲストも素晴らしくて、楽しみにしてた。やまはきさんが歌うContrary Parade「アンドロイド」聴きたかった。基礎体力の低下をしみじみ感じる。ほんとうにごめんなさい。やっぱり3日連続外出は無理みたい。もじゃもじゃもじゃ。
 今朝は起きたら気温3℃。そんなこんなできのう寝すぎたんで起きてこの日記を書いてる。世の中の気になったこと。トマ・ピケティ氏「われわれ西洋諸国がテロを生んでいる」。彼は日本について、税制や雇用面で若年層を優遇する政策が大切だって話もしてた。ある層にとっては都合の悪い存在なんだろう。辺野古新基地建設費6000億円は日本が全額負担する。大騒ぎした新国立競技場2500億円の比じゃない。でも文句は言えない、属国だからね。

水木しげるさんについてのポッドキャスト。ぜひ聴いてください。ホストは荻上チキさん。ゲストは呉智英さん、電話インタビューでつげ義春さんと今日マチ子さん。「男の脂肪は簡単に落ちる」ってほんとかよメモメモ。虎が生き餌として与えられたヤギと友達になった。いい話。2015年ギャル流行語大賞発表、パリピ、◯◯かよ、リア友、初見、あたりはおじさんも使うよ。
 音楽各誌の2015年ベストアルバムの発表が続く。NME誌のNME's Albums Of The Year 2015、Rolling Stone誌の50 Best Albums of 2015、SPIN誌のThe 50 Best Albums of 2015、番外編sugar meさんのベストアルバム10。Lee Scratch Perryのスタジオが火事を起こして機材やコレクションがぜんぶ燃えた。なんてことだ。今日のRon Sexsmithは「Rubber Soul」50周年で「You Won't See Me」。

12月6日 エリボンのススメ

「クリスマスが今年もやってくる、楽しかった出来事を消し去るように」。いよいよ年末感が。12月29日の話をしたい。

この日は渋谷WWWでエレクトリックリボンのワンマンライヴ「エレクトリックパーティー」と、昼間に「エリボンフェス2015」が行われる。発表からいままで、エリボンには良いことも残念なこともたくさん起きた。チケットの売り上げを聞いた。極めて厳しい状況だ。
 僕がこうして猫を揉んでる間にも、彼女たちは頻繁にライブして、朝まで練習して、昼間の仕事をして、夜にチラシを配って、夜中にツイキャスしてる。もうさ、応援せざるを得ないじゃんか。

努めて客観的にみて、エリボンのライブは楽しい。僕がなんで突然アイドルのライブに通い出したのか、行ってみればわかると思う。いま後ろ盾のないメンバーが目指してるのは、いわゆるアイドルオタクにワンマンの開催を周知させること。それはもちろん大事だけど、むしろエレポップ好きにお薦めしたい。それから女の子。彼女たちの世界観は女の子向けなんだ。このチャンスに開拓できたら健全でいい。
 まずは聴いてみてよ。「無敵ガール」「星屑ハイランド (旧メンバー) 」、「波音チューニング / steal me (ライブ) 」。な、良質のエレポップと思うよ。ちょっとでも興味を持ったらワンマンのチケットはこちら、昼間のエリボンフェス2015のチケットはこちら。ゲストのMaison book girlもお薦めしたい。ほかのゲストは未見。で、どっちかのチケットを持っていれば昼間のフェス、夜のワンマン両方観れちゃう。

いつも通ってるマッサージ屋さんには、若くて美人のマッサージ師さんとおばあちゃんマッサージ師さんがいて、指名はできないシステム。心が癒されるのは美人さんなんだけど、身体に効くのはおばあちゃんなんだ。今日はおばあちゃんだった。
 内科系の病気がアレで、年齢や体調や体力を鑑みるに、人生の大きな課題である「運動」から逃れられないことは頭ではわかってる。それ以上に生まれつきのものぐさが。僕はサラリーマンを5年しかやってないけど、逆によくぞ5年もサラリーマンが勤まったもんだ。リビングは寒いしさ、未聴CD山脈を寝室に構築しちゃったんで、お布団にこもってネットしてる。天川宇宙さんがお菓子の家を作る衝撃のツイキャスを観た。手際が悪いことは最初から見て伺えた。結局完成しないで、破壊して食った。エンディングまで泣くんじゃない。

最近読んだ面白い記事。東京大学文学部哲学科を出てインドでMBAを取って、仏教のいまをいろんな形で発信してる、松本紹圭さんのインタビュー。すべての悩める人間、必読。自分は「何者にもたりたくなかった」「本来何者でもない」って感覚はすごくわかる。仏教はenjoy lifeだと語る。enjoy my lifeじゃない。何者でもないんだから、そのフレームから離れて、ただlifeをenjoyするんだと。
 Foster The Peopleが、いじめられてた日本の女子高生に楽曲提供する。なんでか日本で報道されてなくて、これもCNNの記事だけど、翻訳サイトに突っ込むだけでも概要がわかるよ。10代のいじめに終止符を打とうってキャンペーンだ。ロシアで大怪我をした犬が、自分を助けて看病してくれた人に会いたくて、里親の家を抜けだして2週間かけて300kmの道のりを歩いた

12月10日 おじさんは寂しいのです

川上から桃が流れてくる様子を表すためだけに「どんぶらこ」って言葉があるのは驚異だけど、アルバムをリリースしてツアーする様子を表すためだけに「ひっさげる」って言葉があるのも驚異だ。

おじさん「寂しい」猫「ゴロゴロゴロ」。ハグとかしてーよ。ハグするとオキシトシンってホルモンが出て心と体にいいんだって。猫はハグする相手としては小さすぎる。ライオンとかと暮らしたい。ほんとは素敵な女性と暮らしたい。
 去年稚内のローカル誌に「求む 交際相手の女性 (40代までの女性、当方76歳) 」って広告を出したおじいさんがいた。いま彼は、30歳の女性と暮らしてるらしい。新聞...出してみるか...。牛と暮らすはぐれイノシシ。ときどき日記にこの手の記事を載せるのは、微笑ましくも羨ましいのだ、仲間に迎え入れてもらえたイノシシが。

きのうの夜はラブリーサマーちゃんのツイキャスを観た。新曲に「いい!!」ってコメント打ったら「スキルさんに誉めて貰うのは嬉しいな」って、空耳かと思った。しばらくしてCDラックを漁り始めて、あいうえお順の「や...や...山下...」山下達郎さんのCDを探してるのかと思ったら、なんと僕が差しあげたMix CDを探してたんだよ。「スキルさんのMix CD超いいです、よく聴いてます」。ほんとに!?
 あのMix CDは受けない層にはまったく受けない。繁殖力がない音楽だから。J-POP、特にアイドルソングやアニメソングは、1曲に「Abbey Road」B面分くらいの情報量があって、そういう音楽しか聴いてない人に、例えばドローンやカリンバのソロを延々聴かせても伝わらないと思う。味覚障害みたいなもんだ。残念ながら、音楽を楽しむにはある程度の教養と鍛錬が必要だ。

9日の夜は「SOUND AVENUE 905」の鈴木慶一さんの回を聴いた。テーマは今年気に入った音源集。カンボジア人のバンドDengue Feverや、インドのデュオPurna Das Baul & Bapi Dasの「Mr. Tambourine Man」、40年間売れなかった宅録職人R.Stevie Mooreがかかるのは慶一さんの番組ならでは。と思ったら、No Licenseのレコーディング期間、緒川たまきさんに車で送って貰って、車内でかかってた曲らしい。送って貰ったのがよっぽど嬉しかったのか、7回くらい自慢してた。
 BjorkやJim O'Rourkeといった王道のセレクトもあった。トークのBGMでAndy Partridgeの「Hold Me My Daddy」のデモがかかった。なんだかんだでXTC関連の曲かけたの初めてじゃないかしら。いつも古い音源ばっかりなんで、バランス的にこういう回があると嬉しい。で、11日のDJはJim O'Rourke。なにをかけるんだ。

7日はヌカタシがやってきてピェンローをした。おじさん2人で鍋だ。ピェンローを日本に広めた妹尾河童さんは、「二人で静かに食べる鍋ではない。数人で陽気に...」ってわざわざ注釈したのにね。KinksからMockyまでレコードをいっぱいかけた。
 8日はJohn Lennonの命日。彼にはみんな複雑な感情を持ってると思う。Paul McCartneyの「John Lennon Medley」や、真心ブラザーズ × チャットモンチーの「拝啓、ジョン・レノン」、石川浩司 × 真黒毛ぼっくすの「レノンさん」にもやもやを託そう。エレクトリックリボンぇっかが、昼間の仕事を辞めたという。彼女も退路を絶った。覚悟と誠意は翌日のブログに。9日はひたすら寝て過ごして、今日は素敵すぎる訪問看護師さんがやってきた。プールに行ってウォーキングもしてます!! って自慢したい (無理はするもんじゃない) 。

野坂昭如さん逝去。昭和のワルはエピソードが豪快すぎる。詳しくはWikipediaで。プレイボーイの片鱗はCrazy Ken Bandと共演した「マリリン・モンロー・ノー・リターン」で。娘さんが学校の宿題で「火垂るの墓」の「この時の作者の気持ちを述べよ」っていう問題をお父さんに聞いて、「締切に追われて必死だった」って答えたらバツを貰ったエピソードが好き。
 スイミーさん「人によって捉え方も感じ方も違うのだから、たった一人の心ない人の言葉に、そんなに傷付いたり、悲しんだりする必要なんてないんです。ましてや、あなたを傷付けようとする人の言動に胸を痛めたり、涙を流す必要なんてないの。真摯に向き合って受け止めて、心を壊される必要なんて、全然ないのよ」。今年の僕に捧げたい。

Peter Gabrielが猿にSkypeの使い方を教えるんだって。何いってるのかわかんないの? 僕にもわかんないよ。

12月13日 サンタコスったらサンタコス

日経の見出し、「パソコン苦境、見えぬ展望、東芝・富士通・VAIO統合」完全に踏んでる。今日1日これラップしてた。

最近日記のペースが遅くなって、結果1回が長引いてるのはまずい傾向だ。打破!! 11日は嵐が抜けたら南風が入ってきて、気温が23℃にまであがった。団地の野良猫も風通しのいい場所で。
 うちの猫たちは、電源の入ってないデロンギの前で???ってなってた。最近メイとチャイの上下関係が逆転したような気がする。メイは歳を重ねて太って鈍くなった。でもチャイの律儀なとこは、ご飯だけはメイが食べ始めるまで、自主的にマテをしてるんである。最後の一線は義理堅いな。夜はさすがに猫たちのためにデロンギつけてやったのに、布団の中に入ってきて暑いわ狭いわ。

発表されてから話題騒然だった、「SOUND AVENUE 905」のJim O'Rourkeの回を聴いた。彼のルーツを辿る旅でもあり、アヴァンギャルド・ミュージックの歴史を辿る旅でもあった。
 記録のために、かけたのはJim O’Rourke、Paul Motian、Ivo Malec、Chas Smith、The Necks、Arnold Dreyblatt、Michael Schumacher、Roland Kayn、Ruedi Hausermann、The Boston。特に気に入ったのは、現代音楽畑ながら初期音響派みたいだったArnold Dreyblatt。番組の後半は、「受信機の故障じゃありません」なんて言い訳をしながらドローンやノイズへ。こんなに気持ちいい音があるだろうか。録音しておいてほんとによかった。Jimのたどたどしい日本語と、シャイな人柄も微笑ましかった。放送が終わって、興奮した気持ちを抑えるのに必死だった。これだよ!! 音楽の喜び!! 神回だった。ぜひ続編を。

12日は、asCaさんとODAMARIさんの主催するPastel Partyへ。原宿の居心地のいいカフェ。食事も美味しい。asCaさんがプロデュースしてる信岡ひかるさん、なんてスタイルがいいのかよ。ボーカルも気持ちよかった。紅茶を愛するエレポップの歌姫marinoさんは安定のパフォーマンス。Pastel Pants feat. marinoの新曲も可愛いかった。そしてこれがDJデビューのDJ natsukiはサンタコスで登場。美味しいとこぜんぶ持ってった。あったかい雰囲気の素敵なパーティーだった。
 で。エレクトリックリボンのメンバーには良くして貰ってるんだけど、ボンクラさん (エリボンクラスタ) の輪に入りたいなってずっと思ってた。思い切って飲み会に混ぜて貰った。温かく迎え入れてくださってありがとうございました。人の顔を覚えるの苦手なんですが、今後ともよろしくお願いします。よく飲んでウトウトした。

10日の日記で、野坂昭如さんについて「昭和のワルは豪快すぎる」って書いたけど、70年代初頭までは、アウトローを振る舞うこととリベラルであることが≒だったんだな。背景を知らなかった。
 タイムラインで知ったエピソード。新聞で子供からの「なぜ人を殺してはいけないのか」って問いに、「殺しなさい。ただし、君も殺される」って一言で返したんだって。明快。「よく意味もわからずに戦争に反対する。それでいい。人殺しに反対するのに、理由は要らない」とも言ってたんだって。説得力ある。

Alternative Tokyo vol.3の出演者第一弾はJim O'Rourke、Juana Molina、cero、Phew。チケット取れないかもな。Allen Toussaintの遺作が出る。Joe Henryプロデュースで、Van Dyke ParksやBill Frisellが参加してる。Duke Ellingtonの名言「音楽には二種類しかない。良い音楽とそれ以外だ」には、こんな前後の文脈があった。Ben WattのMy Fave Tracks of 2015
 ふたご座流星群、今年は最高の条件なんだって。ピークは明日だけど、今日この日記を書き終えたら観に行くつもり。

12月17日 冬眠

もうすぐ午前3時っていうのは嘘だし、もう年末っていうのも嘘。ほんとは初秋のお茶の時間。

年末は魅力的なイベントが続いて、勢いで予約だけして行けなくなっちゃう。体力の衰え。押し寄せるGYM作業。ごめんなさい。
 15日はCLOW@四谷天窓。ますます素晴らしいライブだ。絶妙な間合い、丁寧にコントロールされた発声とブレス、そして描き出される孤の風景。がっつり引き込まれる演奏だった。CLOWさんも「いいライブできた」、でも「他の出演者が凄すぎた」。そうかな、ずっと言ってきたけど、例えば子供の頃から楽器をやって惰性で演奏してるような音楽家は、技巧はある。でも音楽に打ちのめされてから楽器に触れた音楽家の方が、ビジョンを感じる。インプットをちゃんとしてるかってことだ。この日はhuenicaって男女デュオが素晴らしかった。

翌16日は、あっこゴリラさん主催のドンキーコング vol.1@渋谷Glad。ゴリちゃんも楽しみだったし、エレクトリックリボンを観たかった (またかよって言うな) 。神イベだった。ゴリちゃんスゲー!!
 DOTAMAさんは、いとうせいこうリスペクトなスーツ姿のラッパー。お客さんからお題を貰って五題噺のフリースタイルも決めた。KMCさんは、怒りや孤独を感じさせる熱いラップの中に、どこか希望が観えて胸にぐっと迫った。その中で健闘したアイドル、エリボンとStereo Tokyo、初見のStereo Tokyoは本格的なEDMで、低音ずんずん。満を持して登場のゴリちゃん、ユーモアがありつつもキレのあるラップを聴かせて、特にバンドセットは圧巻だった。ドラムを叩く一幕では、テクニックはもちろん音圧にびっくりした。最後はオープンマイク!! あっという間の4時間だった。

今日17日はかしぶち哲郎さんの命日。早いなあ。ひたすら疲れを取る日。長風呂して睡眠して猫揉んで。チャイ (短い鍵しっぽ) がメイの立派なしっぽでじゃれてる。メイもわかってからかってる。
 Buzzったニュース。厚労省が「低所得の人は食事の栄養バランスが悪いから見直すべき」って見解をだした。カネがないからできないんだよ。この国はもうそこまで来てる。厚労省の本音は、医療保険の出費を抑えたいだけなんだろう。CHVRCHESが来日する。行きたい!! BLITZチケット取れるかな。ceroの「Obscure Ride」がアナログで出た。即完。カクバリズムの限定しすぎ商法ほんと意味わかんない。中古市場にも手を出してるのかな。名言「売ってよ、買うから」に尽きる。

19日からは怒涛のライブ週間、乗り切りたい。

12月24日 SIDE-A 雨は夜更け過ぎに

サンタが来ないならこっちから行くまでよ。きっと君はこないならこっちから行くまでよ。君は来ないよ...呼んでないもの...。呼んでないのに来ないかな。「来ちゃった!!」ってやつ。

欧米のクリスマスソングに名曲・名演がおおいのは、プレゼントを歌っても家族を歌っても平和を歌っても、ぜんぶ信仰に根ざしてるから。宗教画に感動するのと一緒だ。って意味で、恋人たちの日でしかない日本のクリスマスソングに、その域まで達してる曲は少ない。
 とり・みきさん「山下達郎『クリスマス・イブ』は歌詞をよく読めば80年代から激化した広告代理店的な過剰にハッピーなクリスマスへの皮肉に満ちている孤独な内容の歌なのだが、それが他ならぬCMをきっかけにハッピーなクリスマスのBGMとして使われ続けているのは、まさしく壮大な皮肉というべきか」。

「あけおめ」と並んで僕の嫌いな挨拶「メリクリ」を使う人はさすがに減ってきた。今年気になった言い回しは「メリークリスマスイブ」。メリークリスマスは「良いクリスマスを」的なニュアンスなんで、年末になったら挨拶は「メリークリスマス」でいい。さらに諄いことを言うなれば、クリスマスイブのイブはイブニングと語源が同じで、宗派や地方によって数え方は違うけど、大雑把に24日の日没後=クリスマスの夜、クリスマスイブなんだよ。
 サンタクロースのデザインがコカコーラの広告に由来するのは有名な話。キリストのデザインもビザンチン時代に若い頃のユピテルをモデルに作られた説が出てきた。世界最古のキリスト画も、BBCの番組で復元された当時のユダヤ人男性の顔もぜんぜん違う。そもそもクリスマスはミトラ教の冬至の祭りを云々。野暮はやめよう。

僕のクリスマス好きは、信仰心とも甘い想い出とも関係ない。あくまで素晴らしいクリスマスソングを楽しむ日だ。今年もクリスマスの新曲がたくさん出た。LCD Soundsystem「Christmas Will Break Your Heart」、Milk & Bone「Blue Christmas」、Ron Sexsmith「Three Came In From The East」。
 僕の好きなクリスマスソングはだいたいMix CD「sound scape of CHRISTMAS TIME」に入れた。The Modern Folk Quartet「Christmas Eve」、嶺川貴子さん「Christmas Wish」、James Taylor & Chris Botti「Winter Wonderland」、Bob Dorough & Miles Davis「Blue Xmas」。世界一かっこいい「Jingle Bell」がYouTubeにないな、The Roy Meriwether Trioで探して欲しい。続編に入れたいのはMel Torme「The Christmas Song」、Martin Newell「Christmas In Suburbia」、dip in the pool「Miracle play」、鈴木さえ子さん「I Wish It Could Be Christmas Every Day」。

日記が途絶えた怒涛の1週間のできごとを、SIDE-Bに。

12月24日 SIDE-B 死ぬまで青臭くありたい

Forever Youngは信じてないけど、死ぬまで青臭くありたい。それならできる気がするんだ。生涯青春をキャッチフレーズに掲げるジュネス☆プリンセスのライブに行ってきた。ずっと追いかけてきた中嶋春陽さんの在籍するユニットだ。
 CHEERZでの気品ある写真に引きこまれて、twitterやブログや生メールで綴られる言葉の聡明さと表現に対する真摯さ、家紋の研究と模写が趣味って言うだけある画才と美術的センスに感銘を受けて。それでもお会いするのは気が引けた。っていうのは、いつも良くしてくれてるエレクトリックリボンのメンバーは20代、僕の良く知ってる世代なんだ。春陽さんは16歳、未知の領域だ。女子高生の輝きには、永遠にコンプレックスを抱き続けるんだろう。それはロリコン趣味じゃなくて、僕の中に住むかつてのブザマな少年が憧れた未知の生物だから。

思春期の6年間をむさ苦しい男子校で過ごした事実。バブルの浮かれた空気を代表する学校で、先輩に「お前をうちの生徒として他校生に紹介したくない」と隔離された事実。休み時間に話し相手がいなくて、バスタオルを枕代わりに寝たふりをしてた事実。美しい16歳の少女と言葉を交わすことは、四半世紀越しの過去との対峙でもあり、いまだに抜け出せない負のスパイラルから自分を育て直すことでもある。
 行きがけ、東急プラザの跡地を通った。僕は初めてのレコードをここで買った。街が消えていくのは東京も同じだ。ライブの記憶は正直あんまり残ってない。彼女たちがどれだけ真摯にステージに向かっていたかを思うと申し訳ない。頭の中が真っ白だったんだ。ただ、春陽さんがプロデュースした往年のアイドルメドレーコーナーは、春陽さんの「好き」が伝わってきて幸せな気持ちになった。春陽さんはまさにあの頃の女性に憧れてる、って意味で四半世紀前の僕と合致した。

喩えクラスメートだったとしても、認識して貰えなかっただろうその美しい少女は、僕がネット上の何者かをちゃんと認識していた。アナログレコードが好きで、お母さんが昔聴いてたアナログをかけているという。で、最近は小沢健二さんが好きだという。じゃあオザケンのアナログを、ヴァイナルを、差しあげるしかないじゃんか。それならまかせて、得意分野だ。予想した以上に喜んでくれて、16歳の僕がやっと報われた気がした。くっつかれて緊張する43歳の己の姿よ。
 その日の春陽さんのブログに、僕が差しあげた小沢健二さんの「LIFE」のレコードが写ってた。オザケンのアナログならまだまだ手持ちがある。あのころ人知れず美術にのめり込んでた経験を活かして、彼女の美的センスを刺激するプレゼントだってできるよ。また会いに行く。今度はちゃんと、彼女たちのパフォーマンスを楽しむ余裕を。全力で平常心を保つ!!

それ以外の出来事について、SIDE-Cに。

12月24日 SIDE-C 猫は幸せそうに揉まれる生き物

大恩人、塾の先生が亡くなった。どれだけ大恩人かというと。そもそも先生は、僕の亡父の家庭教師だった。つてが集まってだんだん塾の形態になり、亡父と亡母はそこで出会った。いまでは立派な自社ビルを持っている。先生が何者なのか、知る人はいなかった。大学を卒業した時に、先生の家に招かれた。「僕は君のお父さんを子供のように思っていた、だから君を孫のように思っている。困ったことがあったらなんでも相談しなさい。相応しい嫁さんを見つけてあげよう」。結局、その約束だけは果たされなかったな。
 最後に会ったのは祖母の葬式の時。忙しい時間を縫って、5分くらい顔を出してくれた。あの日から2年ぶりにスーツを着て、自力でネクタイを締めた (43歳の偉業) 。

築地本願寺に月。2年ぶりに弟を見た。老けていた。手を挙げて合図を送ったけど当然のシカト。血縁めんどくせー!! 塾の先生方は僕の病気を知っていて、よく来たって歓迎してくれた。拝見したお顔はとても小さかった。ここにいたら泣くわ。早々に失礼した。

その足で鈴木慶一45周年ライブ@メルパルクホール。45周年にここまでこだわるのは45回転への愛着だろうか。
 最初に登場したのはControversial Spark。結成時には「なんで私がここにいるのかわからない」と言っていたkonoreさんが、いつの間にか立派なフロントマンになっていた。かっこ良かった。続いて新作を演奏したMarginal Town Cryersが登場。昼間の疲れでこの辺から記憶がない。The Beatniksに続いてMoonriders、急性大動脈解離で意識不明にまで陥った武川雅寛さんの登場には大きな拍手が湧いた。その後も記憶は途切れ途切れ、最後のはちみつぱいは全曲ちゃんと聴いた。アンコールは田中宏和さんと出演者全員で「Eight Melodies」、そして武川さんと2人きりで暗闇のスポットに座り込んで新曲を。武川さんは、意識がない間に見ていた夢を覚えているという。不思議だね。

終演後、ヌカタシとFくんと軽く一杯のつもりが、随分飲んだな。先生のこともあったし、慶一さんや武川さんのこともあったし。
 翌日は長風呂で疲れとアルコールを流し出して、金子麻友美@下北沢風知空知へ。駅の券売機が2/3くらい撤去されて、ケーキ屋さんになってた。PASMOの普及にはそういう効果もあるのか。初めての風知空知はお洒落なカフェ、パスタやホットサンドが美味しかった。2台のカシオトーンとリズムボックスを駆使した1人バンド編成で、名曲「魔法」も新たな装い。「ゆるふわポップさん」みたいなキュートなナンバーにもぴったりだった。Zombiesを意識したという「2人のシーズン」はどこで買えるのか。後半はアコギに持ち替えてゆったり、「私たちは話していた」「ほんとう」も名曲だ。ご本人あくまで作家志向と言いながら、ライブもアイデアに富んで面白い、ずぶずぶのめり込んじゃう。

23日は毎年恒例の秋山羊子@池袋鈴ん小屋。例年と違うのは、秋山さんにお子さんが生まれたこと。人間、秋山羊子にとって相当おおきな出来事だったと思われる。
 新曲は、彼女の心の変化を感じさせる強い言葉、そしてそれを音の粒に変えた映像的な演奏で、イメージが広がっていくのを感じた。お馴染みのナンバーは、ひときわおおらかな演奏になっていた。やっぱり凄いな秋山さんは。残念ながら、本物の才能が必ずしも世に出る訳じゃない。ここでもヌカタシと遭遇、秋山さんの赤ちゃんを上手にあやしてた。僕はそういう器用なことがなんにもできない。たくさんの人が人生からいなくなってしまったな。心ない人が大部分だけど、ずっと一緒にいたかった人も。ジェーン・スーさんは「あんなに思い通りにならず、つまづいてばかりだった日々を甘く懐かしめるという点で加齢は優秀なシステム」という。加齢してもつまづいてばかりだ。

いつでも信じられるのは猫だ。メイ (兄) が食べ始めるまでチャイ (弟・血縁なし) が食べないの、ほんと愛おしい。この日記を書いてても、机の下から猫の手がにゅって出てきて笑わせてくれた。しばらく見かけなかった、団地のよく懐いてる猫も顔を出してくれた。
 今日は訪問看護師さんが来てくれた。心を病んだ者を知識として理解して、感情として親身になってくれる彼女の存在も大きい。

この1週間の総括と、自分のいまをSIDE-Dに。

12月24日 SIDE-D 寝るより気持ちのいいことはなく、餃子より旨いものはない

中国の諺である。またしてもジェーン・スーさんの言葉「やらなきゃいけないことは! たくさんあるけど! やりたくない! やりたいことも! そこそこあるけど! めんどくさい!」すごいわかる。

怒涛の1週間を一言でまとめるならば、「電車が暑かった」に尽きる。人はそもそも寒くない格好で出掛ける。電車に乗れば密閉されて人いきれで熱が出る。混んできたらコートも脱げない。そこへ暴力的なまでの暖房。窓は曇り阿鼻叫喚の熱地獄で汗だくになる。外に出れば汗が冷えて猛烈に寒い。風邪をひいた。はちみつ生姜湯を飲んでハーゲンダッツを食べた。風邪薬おいしい。
 京王電鉄のサイトに車内温度についてのアンケートがあった。やっぱり暖房熱すぎ問題、それなりの声が集まってるってことだ。丁寧なお返事を頂いた。暖房に疲れ果てるがために外出をキャンセルする、僕みたいな人間にはありがたい。

それにしても...。体温調節、多汗、疲労、振戦、肥満。健康診断を受けた内科にもう一度相談してみた。甲状腺の異常の可能性が高いとのこと。血液検査をして、もし問題なしだったら自立神経系を疑ってみましょうと。血圧も下がる気配がない。薬が増えた。
 LINEの画面に雪が降った。メリークリスマス。明日はエレクトリックリボン天川宇宙さんの出演するイベントに行く。エリボンに「アイドルって名乗っちゃった方がいい」ってアドバイスしたのは掟ポルシェさんなんだって。おかげでエリボンは存続して僕は彼女たちに出会えた。ついていくから見せてくれ、いろんな景色。

最後に世の中の気になったことをSIDE-Eに。

12月24日 SIDE-E 2015年

印象深い写真で2015年を辿るA selection of the year’s most riveting photographs

ハフィントンポストより「『原発ビジネス』の落日」。莫大な負債を抱える東芝は、原因である原発事業を売却しない。「原発事業を抱えていれば政府が助けてくれる」から。福島県双葉町では、原発事故の象徴だった看板を撤去した。福井地裁は関西電力高浜原発の再稼働について、「安全性に欠ける点はない」とした。
 東京オリンピックの運営費が見込みの6倍で、財源が1兆円不足するそうだ。数日前にもエンブレムや競技場のコンペについて不正の声があがった。オリンピック返上しようよ、この国には無理だ。「英国人アナリストの辛口提言 なぜ日本人は『日本が最高』だと勘違いしてしまうのか」。筋の通ったわかりやすい「辛口」だ。

楽しい音楽の話をしよう。「SOUND AVENUE 905」の鈴木慶一さんの回を聴いた。「Best Hit K1 B」と称して2015年ベストの続きを。Nellie McKayのカバーアルバム、「Brian Wilsonは1枚に1曲いい曲があればいいんです」。山本精一さんと細野晴臣さんのアルバムは、貰わないで自分で買うんだそう。緒川たまきさんの車の中で聴いたというアルゼンチンのAxel Krygierが面白かった。で、緒川たまきさんはどこでこれを発掘してきたのか。お気に入りのFlo Morrissey嬢に、Daniel Kwon。鈴木家ではクリスマスにすき焼きを食べるんだって。最後にすき焼きを食べたのは何十年前だっけか。
 ポピュラー音楽の楽しみを伝える、本当に素晴らしい番組だ。でも慶一さんの日はタイムラインで圧倒的に人気がない。みんないつまで小西康陽に騙されてるの。

OTOTOYが海外音楽メディアの年間ベストを集計して、ベストオブベストを作った。年末の買物に、これは便利。
 Dave DavisのライブにRay Davisが飛び入り出演した。2人が揃うのは20年ぶり。「You Really Got Me」1曲だけだけど、写真を見るに楽しそうだ。来年のFUJI ROCKの日程が発表された。体調が下降気味で、来年は行けるかな...。

音に救われ猫に救われ。長文御免。

12月26日 あと何日かで今年も終わるから

観念して今年の終わりを受け入れよう。

クリスマスは猫たちに特別なごちそう。家族と祝う正しいクリスマス。夜はエレクトリックリボン天川宇宙さんが出演するXOXO-Kiss Kissってイベントへ。エリボンと出会ってアイドルの楽しみ方を知った今年のクリスマスに相応しい。我ながらアイドルのライブに慣れたな、半年前だったらとても居られなかった。
 DJがかける曲も殆どアイドルソング。15年くらい前に、DJが全員女子のイベントをやりたいって考えてたんだ。女子の聴いてる音楽は、文脈が男子と違ってて面白い。いまはそんなイベントも普通になった。辻林美穂さんがtsvaci名義でボーカル・作詞してるtomgggさんの「Butter Sugar Cream」がかかった。みんな知ってて歌ってたのには驚いた。そういう文脈でもアンセム化してるのか。

おめあての2組にとっても、この日は特別なライブだ。エリボンは全力を傾けてる29日のワンマンライブ前の最後のステージ。そして天川宇宙さんは、アイドルとしての最後のステージ。
 エリボンはワンマンに向けて、「私たちが表現したいのは歌なんです」って原点回帰を宣言。盛りあがるアッパーチューンを避けて、ミディアム / スローナンバーを丁寧に歌った。僕がアイドルにうつつを抜かして驚いてる人に、この日のステージを聴かせたかった。もちろんワンマンも観て欲しい。ゲストに創設者のasCaさん、DJにギュウゾウさん from 電撃ネットワーク、VJに名嘉真法久さん from Aprilsの参加も発表された。少しでも興味を持った方はチケットをこちらで
 天川宇宙さんは感極まって、1曲めは涙でほとんど歌えなかった。でもしっかり立ち直ってまっすぐに歌いきり、「ずっと愛してる!」って叫んでステージを降りた。宇宙さんのステージを観るのはこれが初めて。第一幕を見届けられて満足だ。聡明な彼女の第二幕に期待してる。宇宙さんと撮ってもらった写真、おじさんはまた緊張の面持ちで恥ずかしい。お話しても言葉に詰まったり。

帰宅して待ち受けていたのは、山下達郎さんがライブを1時間半過ぎた頃に、Gの音がきれいに出ない、納得できるパフォーマンスにならなくて、このままではお客さんに不誠実だとして公演中止にしたってニュース。なんという職人気質、プロ意識。達郎さんが尊敬するBrian Wilsonのライブは、ボーカルが不安定なのも想定内、お客さんが頭の中でオートチューンしながら聴くもんだけどね (もちろんそれがいいことだとは思ってないけどね) 。
 今日飛び込んできたのは、キングオブコメディの高橋健一さんが、女子高生の制服を盗んだってニュース。フェチズム的な犯罪 (例えば田代まさしさん) は、実際に女性に手を出した人 (例えば山本圭壱さんや板尾創路さん) と比較にならないほど印象が悪い。田代まさしさんがネタじゃなくて本当に人気者だったことも、板尾創路さんが中学生に手を出したことも、もう知らない世代が多いんじゃないか。20年も常習してた高橋さんは、復帰は難しいだろうな。

CHVRCHESのチケット即日完売。ぎりぎりで取った、危なかった。昔はライブのチケットを、朝早くぴあの店頭に並んで取った。徹夜組ももちろんいた。
 気になる音楽ドキュメント映画の公開が続く。今度はThe Wrecking Crewのドキュメントが公開されるそうだ。監督はTommy Tedescoの息子さん。お父さんの功績を残したかったんだって。

12月30日 SIDE-A 無敵ガールズ

きのうはエレクトリックリボンのワンマンライブ@渋谷WWW。最初に話を聞いた時、キャパ450人の会場なんて無謀だと思った。でも半年あればなんとかなるのかなって、気づいたら半年たってた。先月チケットの売上状況を聞いた。えっ...その売上で開催するの!?って枚数だった。彼女たちに満員の客席を見せてあげたかったなっていう、寂しくてやるせない気持ちが残った。
 蓋を開けてみれば。満員御礼じゃんか!! ひとえに掟ポルシェさんをはじめとする業界の支持者たちの熱心な宣伝と、そしてなにより彼女たち自身がチラシを配ってチケットを手売りした成果だ。前日の夜までチラシ配りをして、僕は「おつかれさまでした。風邪ひかないようにさっさと帰ること!!」ってメンションを送った。本番に響いたら元も子もないからね。でもそれが、結果を出したんだよね。

昼間は「エリボンフェス2015」、出演はKit Cat二丁ハロmikichu*POPMaison book girl。みんな素晴らしかった。特にMaison book girlは、気に入ってCDを買った。
 トリのエレクトリックリボン登場。練習に励んだ成果が明らかにわかる、安定した表現力のあるボーカル、メリハリのあるダンス。引きこまれた。シークレットゲストは大方の予想通り、寺嶋由芙さん。ソロで1曲、エリボンのなっちゃんとデュエットで1曲歌った。なっちゃんは、アイドルになる前から由芙さんの大ファン。去年の今頃はコミケでコンパニオンしてて、休憩時間中にtwitterを開いたら、由芙さんへのメンションにレスが来てて大喜びしたという。そんな娘が、1年後に渋谷WWWのステージでデュエットしてるんだもんね。シンデレラストーリー見せて貰ったな。しかも由芙さんの方から、「なにかできることはありませんか」って声をかけてくれたそうだ。

ついに夜のワンマンライブ、「エレクトリックパーティー」。もちろん満員御礼。O.A.のさんギュウゾウさん from 電撃ネットワークのDJは、ツボを押さえた憎いパフォーマンスだった。
 暗転してエレクトリックリボン登場。どこからともなく大量の風船が舞った。パーティーの始まりだ。これ、ボンクラ (エリボンクラスタ、つまりオタ) さんたちの仕込みだからね。ボンクラさんたちの、愛情と行動力とセンスには毎度頭がさがる。ステージ上のエリボンは、昼間にも増して切れのあるパフォーマンス。名嘉真法久さん from AprilsのDJもかっこいい。ゲストコーナーの最後に登場したのは創設者のasCaさん。まさか5人のエリボンがまた観れるとは。書きおろしのインストもいかしてた。そして4人体制に戻ってラストまで一気に駆け抜けた。アンコールにはギュウゾウさんが登場、次のエリボンフェスの開催が発表された。4月25日、あけとけよ。心の底から楽しさしかないライブだった。僕たちは、たぶん伝説の始まりを目撃した。

1日たったいまでも、頭の中にはエリボンの名曲たちが流れてる。僕の2015年の収穫は、エリボンに出会えたこと。そしてエリボンをきっかけに、毛嫌いさえしていたアイドル文化の楽しみを知ったこと。
 あるアンケートでは、女性が彼氏にして欲しくない趣味として、女装やギャンブルを凌駕してアイドルが1位を取った。いまではアイドル鑑賞とは、汗を輝きに変える表現者たちにありったけの応援を注ぐ、ラヴしかない素敵な趣味だと言い切れる。本当にありがとう。

それ以外の近況をSIDE-Bに。

12月30日 SIDE-B うんとこしょ、どっこいしょ、それでも疲れは抜けません

三ヶ日、晴れたらあったかい格好して鎌倉に行こうかな。自分にいま足りないのは、海のような気がする。

今年やりたかったことの成し遂げてなさ!! ヒマじゃないはずなのにヒマだ (やることはあるのに気力がない) 。せめてレコーヨを整理しようか。年賀状はずいぶん前に送った。楽しみにしてますって言ってもらえたけど、去年の年賀状はある人物に、「こんな不吉な年賀状は初めて見た」って言われて、今年はそれを凌駕するダークな文面になった。ごめんなさい、覚悟しといて。
 実家がないのは正月は楽だ。たぶん母方の祖母の家や、父の旧友の家では正月の集まりが続いてるけど、当然呼ばれてない。今年もテレビのない部屋で、独りカップそばをすすって年越しだ。

怠け者の性格には、根性論で片付けられない科学的な理由があるそうだ。脳の一部のエネルギー効率が悪いんだって。だからといって、怠惰な人が不幸な人生を送るのは仕方がない。怠惰が障害と認められて、保障が出たらいいな。ほかにも微妙な障害、例えばブスとかチビとか明らかに人生損してるんで、社会保障の対象になったらいい。
 戦時中の玉砕思考、そのくだらなさはみんな水木しげる先生のマンガを読んで知るべき。その根性論がたまたま戦後復興にはまって、我慢して働いたら経済大国になった。それは、神風が吹かなかった代わりに朝鮮特需が吹いた奇跡だ。いまはもう根性論じゃ報われない。知性を使わないと。それでも根性か死かと迫る。あの戦争は、日本が負けて終わったんだよ。悲劇を繰り返さないようにしたい。いまの日本には不必要な苦がおおすぎる。お互いを監視しあって叩きあって。お金が好き過ぎる親戚たちと話してると、玉砕を命じられてる気持ちになる。

2015年アイドル楽曲大賞が発表された。シングル部門もアルバム部門もNegicco3776が上位に食い込んだけど、もっと評価されていい。アルバム「3776を聴かない理由があるとすれば」は、10年代の「Fantasma」だ。エリボンは「無敵ガール」が35位に入った。
 天川宇宙さんが、西郷輝彦さんの娘なんですって告白した。正月特番でお父さんと二人旅をする。「ずっとお父さんと旅してみたかったので素晴らしい機会を頂けてとても嬉しいです」って言葉に嘘はない。ただ七光りに頼らない活動をしてきただけに、複雑な心情もあると思う。ラブリーサマーちゃん (いずみたくさんのお孫さん) 、「天川宇宙ちゃんのお父さんに私のおじいさんが曲を書いていた」すごい。

残念なニュース、フランスでイスラム敵視が進んで、デモ隊が礼拝施設を襲撃した。微妙なニュース、慰安婦問題で日韓が合意した。両国の世論が燻ってる。安倍首相の発言の整合性のなさを、内田樹さんは「アメリカから日韓両国政府への圧力」と分析した。
 大滝詠一さん (今日は命日だ) 「古今東西、誰にも影響されずに、何かを行なうということはあり得ません。何をどう選ぶか、あるいはどう選んだか、という事実の方が大切です」。ほんとそれ。音楽的に鎖国してる自称ミュージシャンの方々よ。

12月31日 伝えておくれ、12月の旅人よ

年をとると1年って括りはもうどうでもよくなるな。といいつつ十大ニュースを選んでみた。その前に。

きのう30日は大滝詠一さんの三回忌。残された素晴らしき音楽作品たち。そして世界をユーモアで見渡した視座。あなたに学ぶべきことはあまりにもおおい。
 29日のエリボンフェスに出演した寺嶋由芙さんが過労で倒れた。そんな多忙な中でエリボンのために感動的なステージを披露してくれたことを我が事のように感謝してる。どうかお大事に。
 年末にも音楽は動いている。The Dylan Groupの来日が決定。Arcaが新曲「Urchin」を無料配信。Brian WilsonやCHVRCHESやToro Y Moi、ライブのチケットもたくさん取ったぞ。

ベストライブ2015 (時系列)

■ さだまさしU-30限定 @Zepp Tokyo 5月7日
■ mue @高円寺Stax Fred 7月11日
■ The Zombies / The Pen Friend Club @渋谷DUO 7月14日
■ Belle And Sebastian @FUJI ROCK FESTIVAL 7月25日
■ FKA twigs @FUJI ROCK FESTIVAL 7月26日
■ Vashiti Bunyan @品川教会 9月25日
■ Sam Prekop & Archer Prewitt @早稲田スコットホール 10月7日
■ Rafven @朝霧JAM 10月11日
■ Shiggy Jr. @赤坂BLITZ 11月26日
■ エレクトリックリボン @渋谷WWW 12月29日

ベストアルバム2015

ありません。まだ積読音源山脈が堆く積もってるから。夏くらいにしれっと公開したい。

特に需要のない山下スキル十大ニュース (時系列)

■ 1月26日 訪問看護師さんがおじさんから30代女子に代わる : 素晴らしき女子が毎週やってきて、ほっこりした日々を送ることに。知識として病気への理解があって、感情として心に寄り添ってくれる。音楽やマンガの趣味も合って、ついつい長話してしまう。
■ 5月5日 エレクトリックリボンと出会う : 毛嫌いさえしていたアイドルへの見方が変わった。彼女たちの真摯さと本気さは、ほかの分野の表現者も見習うべき。natsukiさんのミスiD受賞に貢献できた。中嶋春陽さん、天川宇宙さんも追いかけてる。僕はDDなのか!?
■ 5月11日 小鳥遊しほさんにサイトを紹介される : 尊敬できる先輩がいるのは素晴らしいことだけど、尊敬できる若い才能を知るのも素晴らしいこと。そんな1人、小鳥遊しほさんが、このサイトを紹介してくれた。嬉しくてスクリーンショット撮った。
■ 6月18日 一族と絶縁 : 家長から「軽蔑と警戒を込めて」なる罵詈雑言のメールが届いた。内容は、お金が好きすぎる視点からの、お金とお金とお金の話と、忙しさ自慢と激しい嫉妬だった。Wikipediaに載る名家の歪みを痛感した。知性を放棄した者にかける言葉はない。
■ 7月8日 Hirth Martinez氏にRTされる : Bob Dylanとも関わりの深い伝説のミュージシャン、Hirth Martinez氏が、僕のツイートをRTしてくれた。インターネッツすげー!! Hirth氏、10月に亡くなった。
■ 8月 ライブイベントの企画と頓挫 : 頓挫の原因はあるバンドからのシカトだった。いままでにも出演拒否や、逆に超大物ミュージシャンに「ノーギャラで出る」って言って頂いたこともあった。シカトはない。人間関係で一番に無慈悲なのは「無視」だ。
■ 8月23日 Pied Piper House訪問 : 伝説のレコードショップ、Pied Piper Houseが期間限定で復活、思い切り散財した。それはもう長門芳郎さんから牧村憲一さんにまで噂が伝わるくらい。あんな素敵なお店が常設されてたら、あっという間に自己破産する。
■ 9月30日 SOUND AVENUE 905開始 : ミュージックフリークを自覚した頃から美意識の指針にしてきた鈴木慶一さんのラジオが始まった。時代もジャンルも軽く飛び越えて、確かなアンテナで選ばれた楽曲たち、大滝詠一さんが憑依したかのような軽妙なトーク。
■ 12月9日 ラブリーサマーちゃんにMix CDを絶賛される : 僕は自己紹介代わりにMix CDを配る。リアクションを貰えることは殆どない。それでいい。ある程度の教養がないと受け取れない音だと思う。ラブサマちゃんはツイキャスで、ジャケを引っ張り出して誉めてくれた。
■ 12月19日 大恩人が亡くなる : 僕の亡父・亡母を引き合わせて、僕と弟を育てた人物。大学を卒業した時「君のお父さんを息子のように思ってた、だから君を孫のように思ってる」と言ってくださった。怖い方だったんでびっくりした。拝見したお顔はとても小さかった。
■ 番外 素晴らしい音楽家たちとの出会い : 金子麻友美さん、杏窪彌sugar meさん、辻林美穂さん、charlotteさん、遊佐春菜さん、南壽あさ子さん、やまはき玲さん、今村仁美さん、あっこゴリラさん、高木りささん、CLOWさん...。

2016年で待ってる。良いお年を、きみに、僕に。