DIARY 2015年11月


11月2日 もがき続けて眠り続けて

きのうはCLOW@ひまわり広場で手をつなごうを観てきた。歌い始めて1年でワンマンができるってすごいことだ。対バンを重ねてファンを集めて。会場はほとんど満席だった。

1stE.P.と同じライブタイトル「ヨルノイロ」は彼女の音楽の表情をよる表してると思う。凛とした表情のCLOWさんが登場しただけで、ヨルノイロに包まれた気がした。
 「チャリをこぐ」や「Good Night」の密やかな心象風景、「みんなおんなじ恋の歌ばっかつまんない」といった静かな憤りと自戒。Predawnさんのカバーは、Predawnさんの佇まいがファニーすぎるがゆえに伝わりにくい楽曲の本質が、CLOWさんの演奏では伝わってきた。丁寧にコントロールされたボーカルとギターは、ぴりっとした緊張感を漂わせて、言語や国境を軽く飛び越えるだろう。かと思えばMCでは一転して寛いだ雰囲気で、うーん大物だな。音楽的ルーツはどこにあるんだろう。アイリッシュ・トラッドの気配は感じた。

今日は素敵すぎる訪問看護師さんのいらっしゃる日。訪問看護なんて贅沢って思うかも知れないけど、市のサービスでタダで受けられるんである。病人をサポートするサービスは意外と充実してて、でもどんどん変わるんで役人も医者も把握してないから自分で調べるしかない。今日は笑って笑って楽しい時間を過ごせた。癒やされたー。
 連日の外出に疲れて午後は寝込んでた。猫!! 顔!! ちかいちかい!! 「来週は雪と夏日が同居」って聞いただけで体調悪くなる。デロンギをだした。電源を入れる前から猫たちすっ飛んできた。覚えてるんだな大好きなやつ。お布団に入ってデロンギにあたるメイ、その裏側でデロンギにお腹を出してるチャイ。2匹には微妙な距離がある。もっとうんと寒くならないとくっついて寝ることはない。

藤岡みなみさんがDJ人気投票1位を取ったそうで、こんどは「世界ふしぎ発見」のミステリーハンターだそうで、全国区のタレントになろうとしてる。それはめでたいことなんだけど、夏以降の体調悪化の原因になったわだかまりもあって、最近は活動を追ってない。またモローンズのライブに行く日がきたら、手紙を渡してみようと思う。
 で、関心は完全に中嶋春陽さんに移った。きのう彼女がアップした写真、若いのに着物を綺麗に着こなしてるなあ。彼女の美しさは賢さと真摯さの賜物で、歳を重ねるごとにどんどん美しくなっていくだろう。天川宇宙さんにも関心がある。彼女は天才肌だな。若くて誠実なタレントさんの言葉に癒やされてる。で、くどいけどこれはロリコン趣味じゃない。アイドルを愛する年配層は、たまちゃんを愛でるお父さんのスタンスなのかも知れないな。

Keith Richardsの「老いではなく、進化だ」って言葉に、鈴木慶一さんが強く同意してた。ただ老いていく表現者もおおい中で、彼らは確かに進化してる。
 動物と一緒に入居できる特別養護老人ホーム。猫と暮らし、孤立死の未来しか見えない自分はこういう情報を切実に収集してる。どんどん増えて欲しい。

11月4日 晩秋

朝晩は冷え込む。一日中寒いなら寒いで対処のしようがあるんだけど、11月の陽射しってこんなに強かったっけ。

2日はなんとなく夜更かしして、Shiggy Jr.オールナイトニッポン0を聴いた。いつもはきっちり作りこまれたこの番組、この日は完全に池田智子さんに任せてみる企画だった。ハッシュタグを見たら、お喋りが上手とは言えないいけもこちゃんに、「放送事故じゃないの」「スポンサーに顔が立たない」って厳しい意見が集まってた。
 オールナイトニッポンがトークを楽しむ番組なのはわかってる。でもちょっと待って、いけもこちゃんは芸人さんじゃなくてミュージシャンだ。音楽に対する考えや、人物像が伺える放送を聞きたいってずっと思ってた。だからこの日の内容はすごく興味深かった。番組にそんなメールを送ったら読んでもらえた。嬉しかったな。ラジオの生放送とネットの組み合わせは可能性がある。

3日は賛否両論レコードの日。身近にレコード屋さんがないと唇を噛むしかないレコードストアデイに比べて、ネットでも記念のレコードが買えるこの日は胸踊った。LP時代の名盤を再発するより、CD時代の名盤がどんどんLPになるといい。
 夕方にN氏がやってきて、おじさん2人で鍋を食べた。お互い万全とは言えない体調で、ちょっと一杯のつもりがいっぱい飲んじゃった。届いたばっかりのレコードを片っ端から聴いた。あれがいいだのこれがいいだの、音楽の話と心の話をぽつぽつと。鍋はどうしたって旨いからいい。女子がいるとなおいい。

ぐーすか眠って起きたらTwitterのファボボタンが星からハートになってた。名前も「お気に入り」から「いいね」に変わった。ファボにはいいねって意味合いもあるけど、例えば掛ける言葉が見つからないけどちゃんと読んだよ、とか大変そうだね頑張って、とかこの話はそろそろ終わりにしようのサインだったりもするわけじゃんか。
 ハートがぴょこんてなるのはかわいいな。なんだかんだでもう慣れたし、名前に引きずられて使い方が変わることはない。つまり今後も死ぬほどファボる。

午後はカウンセリングへ。いい天気なー。電車の暴力的な暖房にめげて、そのまま陽のあたる坂道をのぼると汗がとまらない。で、夜になると汗が冷えるんだ。カウンセラーさんほんと美人だ。毎週つくづくそう思う。話すことは僕のダメなところなんだけど。
 今日話したことは、僕の悩みってつまりは自信のなさですねってこと。イメージする自分と現実とのギャップに屈辱を感じたり、将来への不安と希望のなさから寂しさを感じたり、大雑把にこの2つに集約される。今年もいろいろあったけど、企画してたライブイベントが無慈悲な「無視」によって流されたことを引きずってる。自分がステップアップするきっかけになればって思ってたから。辛い経験を重ねたことで成長できたかっていうとぜんぜんだ。昔から辛いことはいっぱいあったけど、ほんとにぜんぜんだ。

つかんぽさん「コミュ力不足で困るのは、話の盛り上げ云々よりも『やんわりと不快感を表明』『穏やかに威圧』的な事ができない点にある。感情表現のチャンネルが『全肯定』『ブチ切れ』の2つしか無くて、よく言われる『大人しい奴ほどキレると怖い』というのも途中のチャンネルが何も映らない点に原因がある気がする」。ああ、僕はこれかもな。前に紹介した、「人との距離の取り方がわからないコミュ障」と並んで、トラブルの大きな要因になってると思う。

夜はまたラジオ、SOUND AVENUE 905鈴木慶一さんの回。やっぱり純粋に音楽を楽しむ番組が肌に合う。「嫌なことを少しのあいだ忘れて10時まで、そしてまた嫌なことを思い出して」って口ぶりがいかにも慶一さんだ。今日のテーマは「カバーを集めて」。Beatles AgeなだけにBeatlesに愛憎こもごもの慶一さん、意識した訳じゃないそうだけど、Beatlesナンバーがおおかった。The Flaming Lipsがかかった。去年のベストアルバムは「With a Little Help from My Fwends」だって、慶一さん絶対Lips好きだと思ってた。昔クロスレビューサイトに自信満々で「The Soft Bulletin」を提案して、貶されたことを思い出す。
 次回は一発屋特集だって、リクエストのメール出しちゃおうかしら。ほかの番組に出すのとは心構えが違う。だって慶一さんだよ。僕がほかの番組で使ってるラジオネーム「東京太郎」は、そもそも慶一さんの変名なんだ。

11月6日 冬の大三角

11月4日、一年に何回あるんだの告白の日。なにごともなく過ぎ去った。11月5日、縁結びの日。なにごともなく過ぎ去った。SPAM業者さんが「あなたにもセフレが作れる」という。そんなのいらないんだ、茶飲み友達みたいな関係が欲しい。
 きのうはたまたまみかけたシュールなニコ生番組に2時間釘付けにされた。時間の使い方としてこれでよかったのかな。不安になってDVDを観た。The Beach Boysの2012年の来日公演 (ブート) 。始まってすぐに客席が写って、僕が目線ばっちり3秒ぐらい抜かれててびっくりした。WOWOWのカメラがうろうろしてたんで出自はたぶんそこだ。いま見返すと、これJeffrey Foskettのライブかよってくらい大活躍してた。BBのメンバーでは、Mike Loveの音感の良さとDavid Marksのギターの上手さが光ってた。Brian Wilsonがちゃんと歌ってるのも再発見だった。なんだか生気ないって感じてたから。

今日は美容室。前の担当さんは可愛らしくて技術も確かでお喋りも弾んだ。でも寿退社して!! 指名なしで臨んだ今日、でっぷりな僕が言うくらいにはでっぷりなおばちゃんに当たった。素敵女子はなんでみんな結婚してしまうん (それは素敵だからだ) 。
 いまさらマキタスポーツの「すべてのJ-POPはパクリである」読んだ。久しぶりに興奮して、叫び出したくなるくらい素晴らしい表現文化論だった。次のページをめくるのがもどかしかった。惜しむらくは、これ大瀧詠一さんに読んで欲しかったな。後書きによると、脱稿直前に大瀧さんが亡くなったみたいだ (大瀧さんはマキタスポーツの早くからの理解者だった) 。カノン進行の曲でブレークすると一発屋に陥りやすいってジンクスがあるけど、パッヘルベル自身も「この曲以外にあまり知られてる曲がない」って嘆いてたらしい。笑った。本の本質とはまるで関係ない。パクリ云々も本の本質とはまるで関係ない。言い換えれば文化の伝承と変容の話だ。

たまたまなんだけど、ここんとこ入浴中のBGMを大滝さんにしてた。ロンバケ以降の曲はぱっと聴いてポップじゃんか、だからその深みを探ろうとする聴き手は比率として少ないかも知れない。初期の曲はぱっと聴いてなんかありそうじゃんか、だから初期の曲の方が「わかりやすい」のかも知れない。とふと思った。
 夜はCLOWさんのツイキャスを聴いた。ライブを生で聴けるならもちろんそれに越したことはないけど、郊外に住んでるとツイキャスでライブを聴けるのはありがたい。CLOWさんの音楽は本当に素晴らしい。もうすぐ世界が発見するだろう。明日はテニスコーツsugar meさん、平賀さち枝さん、南壽あさ子さんっていう俺得すぎるライブに行く。もう何本か気になるライブが重なったけど、苦渋の選択で珍しい方へ。明後日はやまはき玲さん主催の音読会、明々後日はPastel Pants、11日はなんの因果かチャットモンチー@武道館。

4日の日記に、Twitterがファボを星マークからハートマークに替えた話を書いた。ハートマークは世界的にコンテクストが共通してるからってことみたい。星マークには宗教的に政治的に文化的に、いろんな意味合いがある。favoriteをlikeに替えたのはどうしてなのかな。

猫のためのレコードを作ってる人がいる。山田晶造を名乗る方のSoundCloudを聴いて、あまりのクオリティの高さに驚いた。正体を聞いて納得した (誰だか教えてやらない) 。
 達成金額1000円で「ポテトサラダを作る」ってクラウドファンディングを立ち上げたら、なんでだか650万円集まっちゃって、アイダホで最高のジャガイモを探してポテトサラダパーティーを開催した人がいる。ちょっといい話。

11月13日 SIDE-A 俺たちのチェンマイ

ここ最近、日記の更新が1週間あいたことがあっただろうか。外出が続いたり、風邪をひいたりしてたのだよ。そもそもなんでこの日記を書いてるかって、備忘録の意味合いが強い。たまに「quiet-life.comからRSS拾えない」って困ってる人がいる。拾えるわけない、飛ばし方がわからないまま放置してるんである。それでもネットに公開してるのは承認欲求があるからで、もっと承認欲求が強ければhatenaで「見てください、私は意識が高いです!!」ってアピールするだろう。僕はたいしたこと書いてないし、hatenaの熱さは格好悪いと思ってる。
 運がいいとか悪いとか、人は時々口にするけど、そういうことって確かにあると、私を見ててそう思う。器用な人と不器用な人の区別は、明白にある。いくつになっても傷つけ傷つき、諸刃の剣を抱えてふらついてる。「最近様々なタイミングが悪いけど、今からいいっ! (手をパーン (金子麻友美さん) 」。

立冬だ。程よく寒い。最近の出来事と言えば、カードが止まった。エレクトリックリボンnatsukiちゃんのミスiDへの挑戦に、ファンとしてかなり突っ込んだことは前に書いた。領収書、月を跨いでたわ。今月分を合わせたら限度額を超えた。まず予算って概念を持とう。子供の頃から金勘定に関心がなくて、何も考えずに買物してた。
 基礎体力をつけたい気持ちだけはあって、水泳具を揃えた。揃えたところで満足してる。いま風邪をひいてるんで、治ったらプールに行こう。っていうのが最新の言い訳。ここんとこだいたい昼間は寝込んで、夜はプープーテレビを見てる。プープーテレビ、インテリがインテリ臭を消して、本気でくだらないことに取り組んでるのが好き。最新作もくだらない。チャイがキーボードを踏んづけて設定をいじる。彼なりの承認欲求だ。メイはひっついてきて、暑いしヒゲがくすぐったいしチューしてくるし。

承認欲求こまったもんだね。僕は音楽や美術や表現活動を鑑賞するのが好きで、それと同じくらい自分で表現したい気持ちがある。創る。造る。作る。という仕事において、本当に凄い人の凄さが僕にはわかる。ってことを、自分が創らない、造らない、作らない言い訳にしてきたけど、それじゃダメだよな。
 藤子・F・不二雄先生は、表現者は「遊びや恋愛に興じろ」「人並みの人生経験をしろ」って考え方にNOを突きつけてる。そんな「想い出の冷蔵庫」から作られた表現物は平凡だって。退屈で鬱屈した人生を送ってると冷蔵庫はからっぽだから、表現は必然的に資料収集や取材から始まる。となればイマジネーションの可能性は無限に広がる。「卒なくこなす『人間優等生』よりも、殻に閉じこもってる落ちこぼれの漫画を読みたい」。僕の得意なやつだ。

金子麻友美さんが「気にしいな性格と挙動不審」を気にやんでる。そこが金子さんのチャーミングなとこなのに。金子さんは音楽家として素晴らしい才能がある。僕は落ちこぼれとしてインプットをいっぱいしてるけど、さすがに表現で食べられるとは思ってない。いま貯金を切り崩してる状態で、金勘定は苦手なんでいつまで持つか、ハイパーインフレがきたら終わりだろ。というわけで「俺たちのチェンマイ」だ。台北でもいいんだけど、移住は本気で視野に入れてる。
 鈴木慶一さんの「SOUND AVENUE 905」今週も楽しかった。One Hit Wonder特集、実はBlackの「Wonderful Life」をリクエストしてたんだ。特集はHotlegsやNapoleon XIVや、60年代のノベルティソングが中心で、路線を外したな。

SIDE-Bでは観に行ったライブの話題を、SIDE-Cではタイムラインで拾った話題を。

11月13日 SIDE-B 追憶

7日は早稲田祭へ。ROCK STEADY WASEDAが企画した「うたかたの音楽会 第2幕」、テニスコーツ南壽あさ子さん、平賀さち枝さん、sugar meさんが出演するライブイベント。このブッキングをした方とは、音楽の趣味も女性の趣味も合うと思う。
 会場は学園祭の眩しさ、青春の香りと追憶にむせ返りそうだった。僕の人生は大学から始まった。キャンパスって場所に、ほかならない思い入れがある。会場は教室で、手作りの舞台装置も微笑ましかった。

最初に登場したsugar meさんは、安定したギターに支えられたキュートな英語の発音と、澄んだ歌声に胸がときめいた。もう完璧に結婚したいですね。リリースされたばっかりの「AROUND the CORNER」から、「Rabbit Hole Waltz」や「Emily」も演奏した。次に登場した平賀さち枝さんは、間合いとテンポに個性が光った。言葉をちゃんと聴かせる歌い方を探求してる。南壽あさ子さんはなんといっても声の透明感と、それを最大限に活かした丁寧な歌唱に酔いしれた。スタイルいいなあ。完璧に結婚したいですね。
 テニスコーツはさやさんの天才性に注目が集まるけど、植野隆司さんの確かなギターの上でこそさやさんは自由に踊る。植野さんがさやさんに寄せて寄せて、でも寄り切らないズレがたまらない。特にさやさんが楽器を持った時に、そのズレが輝いた。「その辺で見つけてきた」女の子たちにコーラスさせて宇多田ヒカルさんの「Traveling」をカバーしたり、やりたい放題。素晴らしいイベントだった。ROCK STEADY WASEDAの皆さんお疲れ様でした。

8日は冷たい雨の中、やまはき玲さん主催の音読会へ。童話の朗読と書きおろしの挿入歌を編みこんだ、過去4回の総集編。主人公の子熊が拾った鍵が、それぞれのお話の世界へと扉を開く。
 泣いてもうた。ほんとめったに泣かないのに、何年に一度も泣かないのに泣いてもうた。もちろん演奏や演技やお話にも感動したんだけど、この世の中であんなに綺麗な世界を表現している人がいるってこと、それを観たお客さんが喜んで拍手しているってこと、つまり音読会が成立している事実に深い感銘を受けた。僕はたぶん平均的な日本人より、人間の心の醜さをたくさん見てきたから。やまはきさんの歌はもちろん、たなかまゆさん書きおろしの楽曲や、今村仁美さんの演奏にも心洗われた。やまはきさんにはまっすぐその道を歩んで欲しいし、ひとちゃん完璧に結婚したいですね。

9日は気圧が急降下する中、Pastel Pantsのライブへ。23℃にまで蒸す夜のライブハウスは辛かった。asCaさんがエリボンに書くよりも僕の好みに近いポップソング、キャッチーなメロディーとエッジーな演奏が痛快だった。耳に残ってiTunesでアルバムを買った。帰りの小田急、ガラス面に顔が貼りつく混雑に戦慄した。

11日はカウンセリングの後、チャットモンチー@武道館の予定だったんだけど、体調不良でどっちも行けなかった。あー!! えっちゃんよ、えっちゃんに憧れてギター抱えた軽音女子よ。いまの軽音女子は誰に憧れてバンド組むのかな。ねごとかな。SHISHAMOかな。tricotかな。そもそも軽音女子なんているのかな。
 SIDE-Cに続く。

11月13日 SIDE-C Life, Love and Faith

今週のタイムラインで一番のニュースは、なんと言ってもAllen Toussaintの急死だ。普段は萌えと悪意に満ちたトレンドワードに彼の名前が入った。マドリッドでライブを終えて、急性心不全でそのまま亡くなったそうだ。77歳。最後のアルバムは、代表曲を弾き語りで歌った「Songbook」ってことになるのか。出来過ぎた話だ。
 50年以上もニューオーリンズの音楽シーンをリードした、自身も優れたアーティストで、ソングライターでプロデューサーでピアニストだった。初めて「Southern Nights」を聴いた時は、その洗練の極みに驚いた。BBCが制作したドキュメンタリー番組がここにある。Billbord誌が選んだ10 Essential Recordingsはここに。久保田麻琴 & Tin Panが、2000年に「Occapella」をカバーした映像もある。

Mike LoveがMichael Lloydのプロデュースで新曲「(You'll Never Be) Alone on Christmas Day」をリリースした。Steve Reichの「Piano Phase」を視覚化したアニメーションを観た。気持ちよさの仕組みがよくわかった。アメリカでアナログを買ってる人の半分は25歳以下なんだって。日本もたぶんそんなもんじゃないかな。Burt Bacharach「Alfie」を、細馬宏通さんの素晴らしい論考と共に。
 経済的に勢いのあるフィールドはなんでもできちゃうから、いま日本で一番アヴァンギャルドなシーンはアイドルかも知れない。3776 (みななろ) のインストアライブ映像。尖ってるだけじゃない、後味のいい爽快感だ。インタビュー記事もある。Negiccoの仲良しタイムラインが微笑ましい。何か一緒に表現するのに、仲が良いに越したことはない。喧嘩して創ったものに価値を見いだす人もいるけど、僕が好きになるコラボレーションは、話を聞くにやっぱり仲が良い。

イグ・ノーベル賞のスピーチは1分、時間を過ぎると8歳の少女が壇上に昇ってきて、「つまらないからやめて」って言われちゃうんだって。これは、8歳の少女に罵られると心的ダメージが一番大きいっていうどうでもいい研究結果による。車の窓から手を出すと、おっぱいを揉んでる感じがするって有名な俗説がある。これを検証した動画があった。大変興味深い結果だった。人間は猫に洗脳されてるって記事。20年以上も猫と暮らしてると、だいたいこんな感じだ。
 小鳥遊しほさんに若いファンが問いかけた。「いつも周りと比べてしまう自分が嫌です。自分らしさってなんですか?」。しほさんの答え。「周りと比べることで『あぁ自分はこうありたいな』って生まれた答えそのものが自分らしさなんじゃないかしら? 比べてナンボだと私は思うけどな」。賢い女の子にはかなわない。

11月15日 パリ - 東京

14日、パリで同時多発テロが起こり、132人が亡くなった。古い恋人が住んでいたパリという街を思う。と同時にまるで価値観の違うムスリムの人々をまた思う。
 今回の事件の背景には、フランスのシリアへの空爆がある。シリア出身でUAE在住の女性アナウンサーがこうツイートした。「敬愛するパリよ、貴女が目にした犯罪を悲しく思います。でもこのようなことは、私たちのアラブ諸国では毎日起こっていることなのです。全世界が貴女の味方になってくれるのを、ただ羨ましく思います」。

暴力での報復は決して許されない。でもどうしても思い出すのは、件の「風刺漫画」のこと。僕は9.11の時にこんなことを書いた。キリスト教圏でもイスラム教圏でもない日本なら、悲しみの連鎖を止めることができるんじゃないかって。実際のところどうだろう。安保法制制定。戦争ができる国になるってことは、違った価値観の人々に恨まれる国になるってことだ。これは対岸の火事じゃない。
 日が変わって今日、トレンドにパリの話題がいっこもないのはスゲーな。なんでも消費して忘れてく人々。清沢洌さんが第二次大戦のリアルを冷静に綴った「戦争日記」を読むと、日本人はまったく変わってないし、まったく学んでない。取り戻すべき日本なんてない。

きのう14日は、遊佐春奈さんが参加する古宮夏希&そのさきのむこうの主催するライブイベントへ。僕は知り合った方に、好きな曲を集めたMix CDを差しあげている。リアクションを頂くことはまずない。それでいいと思ってる。そんな中で遊佐さんは、楽曲について選曲について、僕のこだわりを理解して丁寧な感想をくださった。
 対バンは大好きな真黒毛ぼっくす。普通のお父さんの佇まいの大槻ヒロノリさんが体を痙攣させて叫ぶ、ロマンティックで不器用な名曲たち。大所帯バンドならではの迫力で胸を撃ちぬいてくれた。圧倒的なライブバンドだ。古宮夏希&そのさきのむこうは、音のバランスが残念だったけど、コンパクトに畳み掛けてくる演奏に、パンクスピリットと深い文学性を感じた。終演後、N氏と安くて旨い中華料理屋で飲んでたら、出演者の方々が打ちあげにいらした。

今日は飲み過ぎただるさで一日中寝てた。猫の要求はたいてい「なでろ」、次は「おなかへった」。猫、でっかい方が揉みがいがあるけどダイエットしような。アヒルのヒナを育てる野良猫の動画。最初は野良猫がヒナを食べちゃわないか心配だったみたい。
 岡村靖幸さん11年半ぶりのニューアルバム、タイトルは「幸福」。独身のまま50歳を迎えて対談集「結婚への道」を発表したり、そういうモードみたいだ。会田誠さんのジャケットも素晴らしい。今度はちゃんと出るのかな、レコ発ツアー行きたいな。細野晴臣さん「音楽っていうのは、本来、喜びが基本なんだ。それは短調だろうが悲しい内容の歌だろうが関係ない」。Miles Davis「音楽の本質はタイミングで、すべてをリズムに合わせることにある。然るべきものが然るべきところに収まっている限り、良いサウンドが生まれる」。

11月16日 パリ - シリア - イラク - ベイルート

フランス軍がテロへの報復としてイスラム国の拠点を空爆した。もうこれ以上何度、憎悪の連鎖を見ればいいのかと思う。
 山本直樹さん。「この理不尽さは戦争の理不尽さだ。テロって言葉が戦争っていう言葉を隠蔽するために使われているような気がする」。ギレルモ・デル・トロ監督が、パリの同時多発テロと自身の体験を踏まえて、憎悪の連鎖について連続ツイートした。「テロの狙いは憎悪を発生させ、同時に憎悪によって迫害された者を新兵にする」。

ヤマザキマリさんの視点はさすがに広い。「NYやパリのような経済先進国の文化的大都市で発生するテロと、日々虫けらのように一般の人々が殺され続け延べ20万人の犠牲者を出している中東の紛争地域。事件のインパクトという性質によって民衆の反応に差異があるのが感慨深い。今回の大惨事の直後に急にパリへの哀悼の思いやsolidarityを強調する人の反応を見ながら考え込んでいる。テロは世界中で起きている。文化的な力も経済力の無い国々でも」。
 そしてもう一度いうなれば、日本はキリスト教圏でもイスラム教圏でもない (そこそこ) 影響力のある国だ。おおよそ戦争の背景には宗教の存在が横たわっている。いま日本のトップに立っている人物は戦争が好きすぎるけど、本来ならば間に立つ役割を果たせるはず。

フランスではここ数日厄災続きだ。15日にはTGVが脱線して10人が亡くなった。16日にはシステム障害でパリ=オルリー空港が一時閉鎖された。使っていたのは...Windows 3.1。まだ若い頃、ちょっとだけ触ったことがあるよ。あれで空港のシステム管理してたのか。

今日は気温が20℃を超えた。だるさが抜けなくて、ルーチンの用事で一番めんどくさいやつをまた休んじゃった。あの用事もう辞めにしたいな。おとといの夜から40時間以上寝てる & Still 眠い。ずっと寝てても怒られないし困らない才能が欲しい。
 「MOTHER」「MOTHER 2」のサントラが、海外でアナログ化された。MOTHERの音楽 (リンク先よく読んで) は、鈴木慶一さんが任天堂の潤沢な資金を使った最高傑作のひとつだと思ってる。

僕もNegiccoとネギカーでツアーしたい。サービスエリアでアメリカンドッグを食べさせっこしたい。

11月18日 トリコロール

それは自由、平等、博愛。の名の元で、フランスは世界中に植民地を持って、いまも移民政策がうまく行ってるとは言い難い。16日に紹介したギレルモ・デル・トロ監督の一連のツイートの中に「全ての移民がまとめて憎悪の対象となることがないよう祈っている。彼らの殆どはテロを起こしに来ているのではなく、このようなテロから逃れようとして来ているのだから」って指摘があった。
 オランド大統領は「フランスは戦争状態」って宣言した。文明、とは。その上で、憲法改正に乗り出す方針を示した。

何度でも言うなれば、おおよそ戦争の背景には宗教の違いが横たわっている。日本はキリスト教圏でもイスラム教圏でもない、中立の立場で間を取り持つことだってできるはずだ。まずはいろんな国の人とご飯を食べてみよう。ひとりひとりはきっと優しい。

17日は体のメンテナンス。広場の人懐っこくて不細工な猫は、団地の住民たちにいろんな名前をつけられてるみたいだ。夜はN氏が遊びにきた。Allen Toussaintの名盤たちや、Rallye Labelの近作を聴きながら寿司をつまんだ。
 先週のなかばから、1日16-20時間寝ないと体が持たない。基礎体力作りのために温水プールに行きたいんだけど、残念ながら行けない理由を毎日考えるのめんどくさいな。体調が悪いから病院に行きたいけど、体調が悪いから病院に行けない問題 feat. 低気圧。じっくりコトコト寝込んでた。明日には行かないと薬が切れる。天川宇宙さんが、ツイキャスでライブ活動の休止を発表した。泣いてた。女の子の涙に、男はいくつになっても動揺する。涙の理由は申し訳なさからで、賢くて多才な彼女は次の一歩をもう視野に入れていた。

毎週の楽しみ、「SOUND AVENUE 905」の鈴木慶一さんの回を聴いた。テーマは1967年。「Beatlesは友達に借りて、1枚も持ってなかった」「2ndアルバムには名盤がおおい」「Procol HarumにはR&Bの要素がある」選曲はもちろんだけど、俄然トークが面白い。で、トークのBGMにかかる曲も聴き逃せない。The Byrdsの「Younger Than Yesterday」と、「A Teenage Opera」のO.S.T.は、放送を聴きながら買った。K1氏のソロアルバムは、Captain Hate 3部作の延長というより、Moonridersのその先を背負ってる気がした。
 今夜も満喫したけど...K1氏は新しい音楽への関心が薄れちゃったのかな。いままでの放送の中で、自分のソロとFlo Morrisseyしか今年の音源を流してない。金曜日は柴田聡子さん、漠然とかかる曲は想像つくけど (昔よく喋ったから) トークがどう転がるか楽しみ。

ノラオンナさんが、南佳孝さんの「Seventh Avenue South」との出会いは初恋だったってツイートをした。音楽家としての原点だし、いまでもドキドキするんだって。
 初めて買ったレコードは、よく聞かれるんですぐに言えるけど、初めて恋したレコードはなんだろう。思春期の1枚は細野晴臣さんの「銀河鉄道の夜」。でもレコードを買うようになる前に、音楽っていいなあ!!っていう、遠くにありて想う初恋があったはず。それは授業で聴いたベートーヴェンの「トルコ行進曲」かも知れないし、冨田勲さんの「惑星」かも知れない。ノラさんにそう伝えたら「ロマンティストですね」って。いくつになってもロマンティストだ。

そろそろ年間ベストアルバムを発表する時期。先陣を切ったのはRough TradeのALBUMS OF THE YEAR。Flo MorrisseyがTame Impalaの「Yes I'm Changing」をカバーした。Bon Iverが来年2月に初めてのジャパンツアーをする。もちろん行く!!

11月19日 オハヨウきのうのままでは笑われるよ

あと6週間で今年が終わっちゃうよ。あせるね。年賀状準備してないし、毎年恒例 (去年はさぼった) 年間ベストアルバム作成には程遠い。自己紹介代わりにあれが一番つたわるんだ。積読本や積読CDの山に責められてる気がする。特にCDの山、これ聴かないと選曲のしようがないからね。今年は絵を描いて音楽して、インプットしたぶんアウトプットするはずだった。インプットもできてないこのリアリティ。
 今日は愛しの訪問看護師さんがいらした。大雑把にそんな話をした。精神科の訪問看護って、病状報告したり近況報告したり、ちょっとした雑談をするもんだと思ってた。「一緒にトランプしたり、歌を歌ったりする方もいらっしゃいますよ」。なにそのおうちでデート感。楽しそう。でも恥ずかしい。僕はお喋りに飢えてるんでお喋りでいいや。つまりは今日もほっこりした。

きのうさぼった病院、頭痛を押して頑張って行った。この猫は自転車のカゴが好きで、団地の人たちにダンボールやクッション入れてもらって、いろんなとこに寝床を持ってる。病状報告を資料にしてったの、まるまる忘れた。覚えてる範囲で話したけどここは内科じゃないし、主治医にさらっと流された。「◯◯病院いきなよ」。おじさんになると市のお金で健康診断が受けられる。明日いくか。ついでに溜まってたGYM作業も済ませる。
 かつて薬局にすごい好みの受付嬢がいて、うっとり眺めてたらある時 名前が替わった。初めて交わした会話は「ご結婚されたんですか?」嬉しそうに「はい!!」。数年前のことだ。それから何人か受付嬢が替わって、今日新しく入った方は最初の方に匹敵するくらい胸を打った。でもおじさん、僕はおじさん。

中嶋春陽さんの生メール、生ボイスを購読してた。ほとんど毎日メールが届いて、こっちから返事を書くこともできる (返事の返事はこない) 。生メールには、SNSやブログやオープンな場所には書けない心の中身が綴られてた。あと数日でサービスが終わっちゃう。春陽さんは16歳、僕は43歳、年齢が3倍近くも違うのに、春陽さんから届く言葉に救われてた。同世代の友達同士でも、心の中身を開く機会はなかなかないからね。歳を重ねればなおさらだ。
 春陽さんは、生メールがなくなったらこういうことは書かなくなると言う。いつか、我儘や奔放や嘘や勝手じゃない自由を、中嶋春陽的発言ができるようになりたいって。いま伝えたいのはまずライブ、楽しそうに笑ってるところを応援して貰えるようになりたい。賢く誠実な子だし、ほんとうに輝いてるし、もうすぐ世界が見つけるだろう。

でだ。春陽さんがまず届けたいっていうライブを観に行く決心をした。エレクトリックリボンや春陽さんやミスiDの才能たちを知ってアイドル菩薩論に至って、昔は毛嫌いすらしていたアイドル文化を楽しめるようになった。いままで観てきたアイドルは音楽的にもクオリティが高かった。春陽さんの所属するジュネス☆プリンセスを観に行かなかったのは、YouTubeを観るに音楽的に好みじゃなかった、その一点に尽きる。でも行ってみなきゃわかんないし、メールよりも生な春陽さんと話してみたい。エリボンのフランクさに慣れちゃったからな、ほかのアイドルの事務所のガードがどんなもんかわからない。
 最近わかったアイドル文化のこと。1 物販のイントネーションはぶっ↓ぱん。2 セットリストはメンバーがローテーションで決める。3 なぜか11時開場で終演後もお日様かんかん。

政治の話題で気になることがいくつかあったけど、敢えてのスルー。ただ、次の選挙までに起きたことを忘れないでいたい。現役慶大生が就職活動のストレスで、マンションから線路に卵を投げて捕まった。テンプレートの記事「ムシャクシャしてやった」。これもう事情聴取で決まったセリフの中からしか選べないみたいね。選ばないと「などとわけのわからないことを言っており」にされちゃう。退役慶大生の僕は卵をムシャムシャしてやった。
 来年の4月にBrian Wilsonが来日する。もちろん行く!! たまたま今日はCarl Wilsonのブートっぽいライブ盤を聴いた。録音は悪いけど演奏のクオリティは高い。テクノ版「ピタゴラ装置」かっこいい。

さて、年賀状のテキストを考えるぞ。

11月20日 若者よ、歳をとるとはこういうことです

みんなもうfavが☆だった頃のこと忘れてるでしょ。もうすぐ☆のことを知らない世代が出てきて嘲笑われるんだぜ。歳をとるってそんなことの繰り返しだ。

今日は頑張って起きて、市の健康診断を受けに行った。レントゲン・心電図・血圧・検尿・採血・身体測定。明日も早起きして検便を提出する。検便な精神は検便な肉体に宿る。結果は来週。
 ついでに市役所のGYM作業とSoftbankの保証申請。ソフバンショップ、ペッパーが喋りかけてきてうるさい。詐欺みたいに難しい仕組みで、1銭も保証が降りなかった。天気もまずまずだし、あの足で多摩動物公園に行くってチョイスもあったな。

訪問看護師さんと話してる「自分を誉める」って話、「今日もお風呂に入って偉い」とか「寝る時に部屋の電気を消してすごい」でもいいみたい。あほかと思うでしょ、病気を持ってると出来ない時には出来ないんだ。先週日記を1週間書かなかった時期もなにも出来なくて。潔癖症だからお風呂には毎日入ってる (誉めて) 。いまもなにも出来てない。日記を書くために1日1日生きてる。
 夜は「SOUND AVENUE 905」の柴田聡子さんの回を聴いた。J-POPのヒット曲から入ってだんだんディープに、Glenn Gouldのバッハまでかかった。Jane Birkinをかけて「別れを嘆く可憐な歌声の後にオヤジっぽいギターソロ!! 悪い男に恋をしたのかなあ」。「心に響く曲と出会うと、ほんとにうれしい、ほんとにうれしい、ほんとにうれしいなあ」。穏やかな語り口から、音楽への想いが伝わってきた。

1985年頃のスタジオ録音風景。デジタルで修正が利かない時代の職人技に見入った。プロフェッショナルの演奏を見ちゃうと、自分が趣味で音楽やるのが恥ずかしくなる。太田エロティック・マンガ賞の審査員長山本直樹さんの講評。「引き出しは、人からもらったものでできるんです」。すべての表現者に通じる金言がいっぱいだ。
 来年のBrian Wilsonの来日公演は「Pet Sounds」再現ライブだって。どうせなら88年の1stソロ再現ライブを観てみたい。

パリのテロで奥さんを殺された男性が「私は憎まない」って綴った。テロの目的は憎しみを煽ることだから。小田嶋隆さん「お花畑は燃えているか」。「人々が怒りや復讐心をもとに判断を下すようになれば、テロリストにとってそれ以上の成功は無い」。
 茨城県の教育委員が「障害児の出産を減らせないか (堕ろせないか) 」って提言した。発言者は美術界の旧体制を象徴する日動画廊の長谷川智恵子氏。そんな老害 減らせばいいって発想は同じ穴の狢だ。

楽しいことだけ知りたいね。

11月24日 パンはパンでも食べられないものパーンダ

さざんか梅雨が明けるともう冬。冬は好きな季節だけど電車の椅子暖房、あれヒーター入ってるの? 餅なら焼けてるからね。暖房に溶かされる雪だるまの季節だ。疲れが溜まってる。でも去年は、家を出るなんて月に一度もあるかないかの大イベントだった。夏と比べるとダメダメだけど、去年にくらべればまだいけてる。日記を書かないと!! 言葉にすれば頭の中が整理されてすっきりする。
 タイムラインに、学校の先生が最後の授業で「私の授業も私の事も全て忘れてくれて結構なのですが。君たちが死にたくなったらすべき事がたったひとつだけあります。死にたくなったらとりあえず寝なさい、寝れなければ散歩して、夜明けを見に行きなさい」って話したってツイートが流れた。死にたくなったら寝ろっていうのは真理だ。散歩に出ろはハードルが高い。そんな時、指を動かすのも億劫だったりするから。いまの僕は猫に頼ってる。寂しくて虚しくなったら猫を呼ぶ。

21日は身体のメンテナンス。体をほぐして、バス停の広場の友とひとときの寛ぎ。22日は美容室。この日の美容師さんは寡黙なおにいさん。ベラベラ喋られるよりいい。で、当然男性誌を置かれるんだけど、男性のモデルさんが載ってる雑誌より女性のモデルさんが載ってる雑誌が見たい。とは言わない。
 その足でエレクトリックリボンのライブへ。イベントに出演した1組はプロレス系だった。客席に、コントに出てきそうにステレオタイプなオタクさんや、ステレオタイプなプロレスさんがいた。努めて客観的に、エリボンのライブは楽しいんだよ。ってことを初見さんに伝えるにはどうしたらいいのかな。年末のワンマンライブ、チケット売れてないみたい。これを読んでる方に、飛び込んでみて欲しい。プロレスじゃないから大丈夫。なんでヤマシタが、アイドルのライブに通うようになったかわかるはず。

CHEERZの晴れ着ポスターの選挙に、中嶋春陽さんが参加した。春陽さんは和装が似合う。賢くて誠実で、なにより存在がキラキラしてる。彼女が輝くお手伝いができるならば光栄だ。結果は...残念でした。最後に覆されちゃった。きっとファン層が若いから、お小遣い的に不利なのかな、とも思った。
 23日はmayulucaさん (音楽) 池永萌さん (言葉) @高円寺Amleteron。お2人とも飄々として凛とした佇まい、個に向かった視点を持った、ベクトルの近い表現者だ。「朝 (あした) の月」ってタイトルで繋いだ企画力で、成功は半分約束されていた。mayulucaさんの音楽はもう10年くらい追いかけてる。小さな体で動きまわって、本棚や引き出しに隠された詩を紡ぐ池永萌さんのパフォーマンスが新鮮だった。言葉の持つ強さ、そして観察力からくる既視感。僕の根っこに近い穏やかなイベントに、心がほぐされた。

ロシアがシリアを空爆して1300人以上が亡くなった。ベルギーでは対テロ一斉摘発のためにSNSへの情報投稿の自粛を呼びかけて、市民が情報の代わりに猫の写真をポストした。警察は協力への感謝のしるしとして、キャットフードの写真をポストした。
 Francois de Roubaixのドキュメント映像。僕が一番好きな映画音楽家だ。大胆に見えながら緻密で私的な音楽 (牧村憲一さん) 。あがた森魚さん「風立ちぬ」。あがたさんの歌唱は、声楽的な意味でもロック的な意味でもアウトだ。でも楽曲への、音楽そのものへの愛情が溢れすぎてこぼれちゃってはみ出しちゃって、それが人の胸を打つ。

aikoさんが40歳になった。40代ってめちゃくちゃだ。ハゲ散らかしたおっさんもいればYUKIさんやaikoさんもいる。たまにやむを得ず同窓会的なものに行くと、びっくりするよ。

11月27日 年末とは「今年も何も成し遂げなかった事実」と直面する季節

今年の抱負っぽいのはなんだったかな。やってみたいことはいくつかあった。できたことは1つもない。最近は昼も夜もなく眠り続けたり、かと思えばもじゃもじゃ眠れなかったり。カウンセラーさんや訪問看護師さんともそーんな話をした。2人の素敵女子と、毎週 心の中身の話ができるのは、ものすごく恵まれた環境だ。訪問看護師さんとの約束「自分を誉めること」はなかなかできてない。
 健康診断の結果が出た。精神科にくわえて、内科にも通うことになった。別の病気もありそうで、検査しないとアレだ。「朝晩30分のウォーキングを...」「無理です」「ですよね...。布団から出る時間を少しづつ増やすところから」。基礎体力をつけるためにプールに行く。場所はもう決めてある。決め手はなんといってもウォータースライダーの充実であり、体重もみるみる落ちてモテる予定。

25日は毎週恒例、「SOUND AVENUE 905」の鈴木慶一さんの回を聴いた。特集は「We Love Baseball」。野球好きは昭和の子ならではだな。大滝詠一さんもデータとしての野球好きだ。あの時代に生まれ育って野球のルールを知らない細野晴臣さんに強く共感する。僕は運動神経が悪くて、典型的な筋肉脳の体育教師に当たり続けたんで、体を動かす意義はわかっても楽しいと思った瞬間がない。
 どんな曲がかかるのか予想がつかないまま、なるほどアメリカには野球の歌がたくさんあるんだな。野球が盛んじゃないイギリスの曲をかける苦肉の策として、クリケットをテーマにしたThe Duckworth Lewis Methodの「The Age Of Revolution」。大好きなThe Divine Comedy ≒ Neil Hannonのユニットだ。来週のテーマは「世界の街からロケンロール」、僕の期待するK1さん像で嬉しい。

26日はShiggy Jr.のワンマンライブへ。マフラーが欲しいくらい寒いな。でもしないのは、電車が海パンでいたいくらい暑いから。
 赤坂BLITZあらためてでかい。これ即完させちゃうんだからね。好きなバンドがここまで売れたのを実感するのは、ミュージックフリーク歴30年で初めてだ。客層はカップルやShiggy仲間っぽいグループ。独りで来てる人は殆どいない。Shiggy仲間ってどこで作るのかしら。で、3列めにすっと入れちゃった。まだツアーは続くんでネタバレなしのご配慮、感想だけを言うなれば、売れるバンドってこういうことかっていう、一点の曇りもないポップで楽しいライブだった。みんなほんとに上手いし演出もよく練られてる。チューニング待ちで覚める瞬間も与えない。リズム隊最強。心から満喫したなあ。見上げるいけもこちゃんのミニスカートちらちら、パンツは見えなかった!!

夜明け前に寝ついて起きたら夕焼け。ライブの疲れが溜まってた。富士山がくっきり観えた。「東京の空が狭いっていうけど、そんなの嘘だ。自分たちが見上げるのを忘れてるだけ (Cocco) 」。ハーゲンダッツを食べていいことにした。お腹がへるとかなしいから!!
 ミスiDの結果が出た。全力で応援してたエレクトリックリボンnatsukiちゃんは「アー写.com賞」を受賞した。審査員のコメントを読んだ。小林司さん、やついいちろうさんに同意。なっちゃんがすぐにブログに気持ちを書いた。「アー写.com賞」がファンの得票数によるもので、自分の力でないことを悔いていた。すごくわかる、すごくわかるけどやっぱりおめでとうって言いたい。やついさんが書いた通り、親身なファンをたくさん持っているのはなっちゃんの振る舞いの結果、なっちゃんの力だからね。

音楽各誌が年間ベストを発表した。MOJOの50 Best Albums Of 2015、QのQ’s Top 50 Albums Of 2015、UncutのThe Best Albums Of 2015。元Dirty ProjectorsのDeradoorianが来日する。もちろん行く!! 3776 (みななろ) のアルバムやっと聴いた。斬新な楽曲とコンセプト、大人側ばっかり話題になるけど、井出ちよのさんの技巧的とは言えないボーカルの説得力が、心地よさの鍵だと思った。
 奈良美智さん「誰にでも見えるものがあるが、その向こうにあるものを見ることができるかどうか。そして、誰にでも見えるものを造り、その中により見ようとする人にしか見えないものがあるかどうか」。これはすべてのポップアートの真髄だ。もちろん音楽についてもね。奈良さんはロックで真摯でユーモアがあって、ピントが合ってる。あんなおじさんになりたいと思う。

11月29日 そして今日も、日々は続く

極寒の中で、フウセンカズラがまだ花をつけてる。種が余るほど採れた。春になったら友達に配ろうかな。

きのうは用事もなくて、ついに年賀状を作った。毎年デザインにもテキストにも時間をかけて、でも納得いかない。今年は一瞬でやっつけた。200枚近く発注して気づいた、デザインに致命的ミスが...。
 今年はウェブポでツイッターの方々にも送ってみた。発送のお知らせ、メンションで送る仕様だったっけか。タイムラインを汚しちゃってごめんなさい。安全なサービスなので、メンション届いた方、差し支えなければお手続きよろしくお願いします。

立待ち月とシリウスが綺麗だった。JAXAが地球と月の2ショット写真を発表した。このアングルは新鮮。

TEI TOWA氏にブロックされた。佐藤優介氏にもブロックされてる。もちろん面識はないし、ネットで彼らに言及したこともない。悲しいな。彼らの音楽を聴く気はもうない。たぶんMoonridersを巡るめんどくさい人たちのクネクネと思う。Moonridersのメンバーはすごくさばけてて、感じのいい方々なのにね。
 最近ネトウヨさんにブロックされることがおおい。SEALDsをフォローしてる人をひとりずつブロックとかしてるのかな。汚い言葉や悪い言葉を使うネトウヨさんが、勝手に使ってるアイコンのタレントさんやマンガ・アニメ作家さんがどう思ってるのか、なによりニャンコやワンコが意地悪されてないか心配だ。日本人の国民性っていつごろ形成されたんだろう。たまに手塚治虫さんみたいな型破りが出てきて、でも彼が心血を注いで切り開いたマンガやアニメのオタクたちが、21世紀にネトウヨ化してることを知ったら嘆くだろう。

今日は「よつばと!」の新刊を読んだ。よつばの無邪気さと賢さ、それを取り囲む大人の眼差しが心地いい。疲れている時にはこんなきれいな世界に心洗われたい。いつか、よつばととうちゃんがどういう関係なのか、明らかになる日がくると思うと戦慄する。
 中嶋春陽さんの描いたライブのポスターが素晴らしい。カラーデザイン、タイポグラフィ、コンポジション。「趣味は家紋の研究と模写」って言うだけのことはある。東京造形大学カイシトモヤゼミは「『できない人』を募集します。自分にできないことをコンプレックスに持っている人の方が有利。そういう人は他領域のプロフェッショナル (自分ができないことをできる人) への尊敬の気持ちを素直に持て、客観的に自分の居場所を分析できるようになっていくと思います」。

仏教の本に、「人生が進むにつれ厳しくなるのは当然」とある。つまり、環境が良くなるって期待して待ってるんじゃなくて、主体的に自分の思考を変えていこうってことみたい。まず病気の治癒と基礎体力作りだ。明日プールに行こう。