DIARY
2017年2月
2月6日 加湿器が水をよく飲む
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冬の乾いた日々。なにしてたかって、外出、外出、外出だ。ひたすら寝込んでた頃を思うと嘘みたい。溜まった疲れが人に迷惑をかけるレベルになってきた。思いっきりぐうたらしたい。
1日はYunomi feat.TORIENAのリリースイベント@DESEO mini with VILLAGE VANGUARDへ。出演者は皆さんFuture Bass系っていうのかな、気持ちいい音が続いて実に楽しかった。仮谷せいらさんは最前列で観た。伸びのいい歌声が春の風になって、どこか連れて行っちゃいそうだった。tsvaci a.k.a.辻林美穂さんはこの日ナンパされて、「天使みたいですね」って言われたらしい。tomgggさんのステージの最後に登場したtsvaciさんは、ほんとに天使みたいだった。"Butter Sugar Cream" はアンセムになったな。若者のクラブイベントにおじさんが行ったらまあ疲れるわ。変わり果てた姿で無言の帰宅。
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翌2日はCLOWさんのリリースイベント@下北沢GARAGEへ。みなさん彼女の音楽に通じる、ヒリヒリした肌触りを持っていた。
最初に登場したBlueglueは、ポストロック的な透明感があって、景色が見えてくるような演奏だった。続くAtlantis Airportは、ミニマルなキーボードとキメキメのリズムがかっこいい。藤森真一さん from 藍坊主は、奥田民生さん的な大人の佇まい。MCに、CLOWさんへの強いリスペクトが伺えた。最後に登場したCLOWさんは、ギター1本かかえてステージに立っただけで会場が引き締まる。格の違いを見せつけた。声と吐息、テンポと声量、コントロールされたダイナミズムが描き出す、景色と痛みと憤り。藤森さんが仰っていた通り、大人しくて丁寧な空気から叩きつけられるギャップに息を飲んだ。
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さらに休む間もなく3日はあーた@新代田crossingへ。前回のブッキングはテイストの近いミュージシャン同士だったけど、この日はバラエティに富んだイベントになった。
最初に登場したPeriod.は、キーボードとギターを従えて、アップテンポなナンバーからスタート。こっちのイメージが強いけど、やがて穏やかないまのスタイルへ。知り合った時のことをよく覚えててくれて嬉しかった。天野花さんは八丈島出身のシンガー。穏やかな風貌から繰り出される痛み、お喋りするとサバサバしてる方。chakiさんはアイドル出身なのかな。元気で訓練されたボーカルと、客いじりの上手さも楽しいステージだった。あーたさんは安定のクオリティ、心の襞をくすぐる無二の歌声とグルーヴに酔いしれた。干物女のバレンタインを歌った怪作 "得意料理はゆでたまご" に笑った。湯煎ってなに!?
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続いて4日はN氏と古内くんを招いて、ささやかな鍋会。この顔ぶれが集まると、鍋はいつも広東省のズボラ飯「ピェンロー (扁炉) 」になる。こういう病気を持ってると、予定が狂ったり、同時に2つの用事が重なるとパニックになっちゃうんだ。この日は郵便局のミスで予定が大幅に狂って、お二人が着いた頃には疲れ果ててた。情けない。でも日本酒が出てきて俄然元気になった。新潟の田友ってお酒、美味いわ。ピェンローも美味しかった。素敵な音楽をいっぱいかけた。
その合間にいつもの用事が入って、今週の訪問看護は病気の話もそこそこに、Amazonの梱包の話で盛りあがった。そんなんでいいのか。マッサージの予約を入れてたんだけど、爆弾低気圧と溜まった疲れで出掛けられなかった。あのお店の客単価を慮ると胸が痛む。来週は楽になる、来週は楽になるって言いながら、まだまだ忙しそう。
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ここ最近、世の中で大きな話題になったのは、JASRACが音楽教室から著作権料を徴収するって話。
法的には、福井健策さん「現行法では、非営利の学校等での授業用の『複製』は無許可で可能。非営利で対価を取らない『演奏』も可能。今回の論点は、営利非営利を問わず教室での指導は、『公衆に聞かせるための演奏』ではないので元から著作権の対象ではないのでは」。倫理的には、JASRACが音楽文化を守るための組織なら、未来の音楽家を育てる視点を持って欲しい。ところでJASRACは、John Cageの 4'33" から使用料を徴収したことがある。John Cageには演奏に639年かかる "Organ2/ASLSP" って曲があって、いまも演奏中だ。演奏終了とJASRAC終了とどっちが先かな。
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映画「この世界の片隅に」が映画賞を総なめしてる。動員数も興行収入も見積もりを何倍も上回ってる。これは大掛かりな広告宣伝じゃなくて、のんちゃんが言うとおり口コミで広まった結果だ。僕はもともとこうの史代先生のファンで、原作にも映画にも打ちのめされた。この映画にまつわる全てが健全で愛おしい。のんちゃんが片渕須直監督のもとで録り下ろした、ありがとうの動画ができた。
Juana Molinaの新譜が出るけどアナログの話がないな。KT Tunstallが来日する。行きたい。「あの頃の」邦楽だけを語って音楽評論家を名乗ってる連中は何者なのか。音楽を舐めてる。
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節分の豆って鬼にぶつけて退治するもんだと思ってた。鬼はなんでも数える習性があるんで、家の周りに豆をまくとついつい数えちゃって、人を襲うことを忘れちゃうんだって。
2月8日 薬瓶と窓
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ふぉぉ北風!! また立ちあがるために外出の練習をしてる。ライブの予約を入れたりメンテナンスの予定を入れたり。と思ったら数年ぶりの友達から誘いがあったりで、「外せない用事」が積もりはじめた。明らかにオーバーペースだ。反動がきたらまた何ヶ月無駄にするかわかんない。カウンセリングで話したのもそんなこと。自分のペースでゆっくり復帰したい。それと、忙しいと日記も書けなくて、後でまとめ書きするためにiPhoneのボイスメモに感じたことを録音してるんだ。それ聞くの嫌なんだわ。自分の話し下手に心底がっかりする。
はー結局さ、猫たちと遊んでる時が一番幸せだわ。横で毛繕いしてくれてるだけでいい。たまには撫でたりお喋りしたりチューしたり、ほっぺを舐めてくれるとなお嬉しい。
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7日はあーた@新宿MARZへ。あーたさんのライブ行き過ぎか。作風が幅広くて全部キャッチーで名曲。で、ライブが抜群にいい。いま一番心地いいライブをしてくれるミュージシャンの1人なんだ。この日は学生さん主催のイベントで、受付から危なっかしいし客入れのBGMがなぜかジブリピアノ独奏だし、ステージの飾り付けまで初々しくて、なんだか文化祭みたいだった。
最初に登場したayumi melodyさんはキーボード弾き語りのシンガー。Charlotte Loversさんのイベントで観て、緩い佇まいから繰り出す、J-POP離れしたセンスのいい楽曲にびっくりした。この日はアカペラから始まる穏やかなステージ。続いてUtaco.さんが登場。彼女もキーボード弾き語り。言葉に力があるソングライターだ。ヒリヒリした世界観を、時に力強く時に柔らかく歌いあげる。
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トリとして登場したあーたさん、ひとめみて三戸なつめさんの "前髪切りすぎた" が頭の中を駆け巡った。ごめん。こないだのアットホームなステージとは違って、大きなステージのかしこまったブッキング、それだけに緊張感と本気が見えた。「私は人を励ます曲を書かないんです。だって私は私、あなたはあなたでしょ。いろんな受け取り方をしていいし、なにかひとつのフレーズがあなたの心に残ったならなおいいです」ってMCは核心を突いてる。かと思いきや「うまく喋れる日と喋れない日があって、今日はダメな日」って笑った。そんな (節度のある) 奔放さが、彼女の音楽の魅力の大きな源泉かも知れない。
今日はツイッターで知り合った方と久しぶりに遊ぶ約束をしてたんだけど、体調悪くてごめんなさいしてしまった。残念だ...。
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エレクトリックリボンのぇっかちゃんが、二日酔い対策サプリSUPALIVのPRガールに決まった。酒と言えばぇっかちゃんでしょ。僕もいろんな形で応援してたんで、すごく嬉しいし感慨深い。
私立恵比寿中学っていうアイドルグループの松野莉奈さんって方が急逝した。18歳。Instagramには数日前の家族旅行の写真、きのうのライブを体調不良で休んで、今朝のことだそうだ。私立恵比寿中学のことも松野さんのことも何も知らないし、夢を叶えつつあった若者の死に、かけられる言葉はない。僕はたぶん知人の死をたくさん体験してる方だと思う。人って簡単に死んじゃうんだよ。きのう話した人もメールした人も、今日には消えてしまうかも知れない。自分も覚悟してるし、無理な生活をしてる知人たちが気がかりでならない。
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プラシーボ効果についての10のクレイジーな事実。「それが偽薬だとわかっていても効果がある」ってほんとかよ。非常に関心がある。小麦粉飲んで治したいよ。聴覚障害者は唇で言葉を読む。だからマスクをされると話ができないって投書が話題になった。僕は人の顔を覚えたり、感情を読む時に口元を見る。だからマスクをしてる人には恐怖を感じるな。文部科学省の官僚の天下り先は、月2回の勤務で年収1000万円だって。もうスゲーなー以外の感想はないですね。
北極海の音が気持ちいい。Nick Loweが来日する。Cloud Nothingsも来るのかよ。L⇔Rのプロデューサーだった岡井大二さんの息子さんが書いた、L⇔R音作りの秘話が面白い。
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新しく買ったファ◯リーズが臭い。もう本当ありえないほど臭い。詰め替え用も買っちゃった。捨てちゃおうかな。ごめんなさい。
2月13日 SIDE-A 偉人のスランプ
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頑張ってるけどスランプだー!! 突然おおきな抑鬱状態に襲われる。「日記書かなきゃ」もプレッシャーになりつつあるな。猫と遊んで慰めて貰ってる。猫たちがご機嫌だとお父さんは嬉しいです。揉むとゴロニャーゴロニャー言って面白いぞ。ただ現状打破には猫より大きい、ハグできる生き物が必要だ。いまさら人間と同棲したいとは言わない (懲りた) 。大型犬いたら楽しいよね。
雪が降ったりiPhoneが壊れたりの日々。前の日記は8日だっけ。あの日カラオケに行けなかったのは残念だった。友達にも本当に悪いことをした。翌9日は訪問看護の日。訪問看護師さんに「この世界の片隅に」を観てくださいって懇願した。看護師さんセンスがいいから、いろいろ感じ入るところがあると思うんだ。看護師さんにもオーバーペースを叱られた。それがまたちょっと嬉しい。
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10日はエレクトリックリボンのバレンタイン企画というか、ぇっかちゃんSUPALIVのPRガール就任おめでとう的なオフ会へ。ぇっかちゃん星野源さんの "恋" を7回くらい歌ってた。
ボンクラさんと過ごす時間は楽しい。やがて1人帰り2人帰り、エリボンのみんなもマネージャーIさんも帰っていった。ボンクラPさんの眼が据わってる。朝までいる気だ。しょうがないな。ウィスキーを煽りながら音楽の話や人間関係の話をした。明け方のすき家の味噌汁が胸に沁みた。帰って爆睡して、二日酔いがなかったのはSUPALIVのおかげだろうか。Album Leafの来日公演、チケット取ってたんだよ。怠さだけはいかんともしがたい。スタンディングとか無理。行かなかった。今年逃したライブを振り返る。Hermeto Pascoal、Tycho、そしてAlbum Leaf。いいのばっかり。何やってんだ。
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12日は昼にContrary Parade改めコントラリーパレードワンマン@下北沢RHAPSODY。コンパレのファンはお洒落さんばっかりだな。とっても雰囲気のいいライブハウスだった。ライブは2部構成で、前半は過去のカタログからレア曲を振り返る。最初はちょっと緊張してたのか、ボーカルが不安定なところもあったけど、だんだん勘を取り戻して、良質ポップと柔らかい歌声に酔いしれた。
後半はたなかまゆ成長記録スライドショー。Contrary Paradeは本日をもって...正式表記をコントラリーパレードにします。辞めへんで!! あぁ関西人だわこの人。ここでサプライズのケーキ、中嶋奈津美さんをゲストに招いて "ジュブナイル" 、そして怒涛の新曲攻勢へ。どれも名曲だった。改めて素晴らしいソングライターだ。次のアルバムも楽しみになってきた。ほっこりいい時間だった。
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そ・し・て。渋谷に出てiPhoneの修理。Apple Genius BarはまさにGeniusだな。いろんな客のいろんなトラブルを、いろんな言語で解決してくれる。携帯って家電としてはシステムが難しすぎるよ。例えばテレビが壊れたら、電気屋さんに連絡するでしょ。NHKや東京電力に連絡するって選択肢はない。それがあるのが携帯だ。下北沢にも「液晶割れ無料交換します」って人がいっぱいいて、彼らはどこの何者なのか。格安SIMってなんなのか。ぜんぜんわかってない。
今日はカウンセリングへ。珍しく早起きして、中途半端に時間あまってものすごく眠くて、寝落ちたら遅刻するパターンのやつ。そろそろ出掛けようかって時に猫たちが起きてきて、遊ぶ気まんまんであった。今日話したことは、長くなるんでSIDE-Bとして別にまとめたい。いっぱい考えたらお腹がすいた。
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谷口ジローさんが亡くなった。不学にして「孤独のグルメ」しか読んでない。ヨーロッパでの評価が高くて、特にフランスではバンド・デシネの神と崇められてるそうだ。2年前の記事がある。これを機会に読んでみようと思う。
小田嶋隆さん「予言しておくけど、南スーダン駐在の自衛隊PKO部隊に死者が出たら、その瞬間から国民的追悼→英雄化→英霊化→『軍隊を軍として派遣できない弱腰憲法』『見殺し憲法』『英霊を祀れない憲法』ぐらいな言い方の改憲議論が沸騰→てなことで半年ぐらいのうちに国民投票になると思うぞ」。僕もそう思う。あの馬鹿な首相の唯一の実績は、メディアを手なづけて黙らせたことだ。一方アメリカでは、トランプ大統領に腹をたてるたびに人権団体に5ドル寄付するダッシュボタンが開発された。
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音楽の話を。Al Jarreauが亡くなった。ジャズのアルバムは大好き。"Look To The Rainbow" 素晴らしい。ポップスのヒットもたくさん持ってることは、彼にとって良かったのかな。FUJI ROCKの出演者がいきなりやばい。BjorkとAphex Twinに話題が集まってる。個人的にはAsgeirとBonoboがアツい。Robert Glasper Experimentが今度は単独で来る。観たい。どうしようかな。
グラミー賞の授賞式があった。Adeleが主要3部門を含む5部門で受賞する予定調和ぶり。David Bowieが「最優秀ロックソング」「最優秀ロック・パフォーマンス」「最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム」「最優秀レコーディング・パッケージ」「最優秀アルバム技術賞」を獲った。Daft PunkとThe Weekendの共演や、John LegendとCynthia Erivoによる "God Only Knows" の演奏があった。
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カウンセリングで話したことをSIDE-Bへ。
2月13日 SIDE-B 自分の顔がコンテンツになって何万ファボも稼ぐってどんな気分だろう
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タイトルに意味を求めないで欲しい。
僕は「根がいい人」なんで、「人当たりがいい人」の裏の顔に触れると、何を信じていいのかわからなくなるよって話。
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人当たりのいい人が、実は不満を抱えていたり困っていたりってことを知ると、怖くなっちゃう。その人はもじゃもじゃをどう解消してるんだろう、とか僕 (山下ね) は実はどう思われてるのか、とか。打たれ弱いからさ、どうしても気にしちゃう。
僕は自分に裏表がないと思ってる。ニアリーイコール要領が悪いってことだ。つまり、普通の人が気づかないふりをしたり、敢えて触れない不誠実なことに対して、直球を投げちゃう傾向がある。それが、僕のトラブルメーカーたるゆえんなのかなと思う。
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子供の頃からそうだった。大学に入って、急にたくさんの友達ができた。それは新設学部の一期生で、仲間意識が強かったからだと思う。みんなで日本を変えてやろうくらいの意気込みがあった。その学部を卒業して、本当に日本を変えられるくらい出世した人もいるし、おおよその人は社会に溶け込んでいった。
僕は学問や創作に生きたいと思ってたんで、大学院に進む道を選んだ。で、受かって学部で落第した (それは完全に自業自得だ) 。翌年の大学院入試で、井関利明っていう苦しんで死んだほうがいい似非学者のピントはずれな圧迫面接で落とされた。でもまだラッキーだったのは、卒業制作が評価されて、就職氷河期になんの就職活動もしないで大手メーカーにスカウトされたこと。望んだ道ではなかったけど。
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自分の未来に希望を持って楽しかった日々は、人間関係に問題はなかった。大学時代の友達で、いまも繋がりがある人はいない。
カウンセリングでそんな話をして、「表裏」と「希望」って全然関係ない概念だなって気づいた。僕おかしなこと言ってるなって。カウンセラーさんは、「希望」じゃなくて「自信」のあるなしなんじゃないですかって。自信か。なにごとも壁になるのは自信だ。いまの僕が何をどうしたら自信を持てるのか想像もつかない。以上自分用メモ!!
2月17日 ナードの反骨
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苦手な春がやってきた。花粉...気温差...気圧差...歳は取るし、春は街ゆく女の子が薄着になる以外なにもいいことない。冬が続いてサムサムしながらお鍋食べたり猫もんだりしたい。
相変わらず疲れが溜まってる。去年のまだ元気だった頃に入れた予定を、ようやく消化しつつある。と思ったら数年ぶりの大切な友達から誘われたり、なかなか体調管理ができないな。相変わらず家で音楽を聴く気力が起きない。殆ど崩してない2016年の未聴積読山脈の隣に、2017年の山脈ができつつある。音源を買う量はもちろん控えてる。控えてるのに!! 救いは猫だけだー。メイのお腹を揉んで落ち着いて。メイはその手をちゅぱちゅぱ吸う。チャイはふらっと現れてさりげなくチュってして、隣に寝転んでムニュムニュ言ってる。
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14日はバレンタインディ。近年の中高生は告白って概念がないらしい。なんとなく恋愛が始まる。バレンタインディも義理チョコの時代から友チョコの時代を経て、最近はついにあげるものがチョコレートじゃなくなったらしい。
そもそもバレンタインディは、戦後の占領期に進駐軍のバレンタイン・D・クラーク少佐が、日本の飢えた子供たちのために、自分の誕生日2月14日にチョコレートを配ったのが始まり。以来ギブミーチョコレートと言えば...っていうのは嘘で、古代ローマ帝国皇帝クラウディウス2世が、愛する人を故郷に残した兵士がいると士気がさがるといって、兵士たちの結婚を禁止した。キリスト教の司祭バレンタインが、内緒で結婚させてあげてた話が皇帝の耳に入って、バレンタインが処刑されたのが2月14日だった。これはほんとう。
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わたしのねがいごと。@下北沢BAR?CCOに行った。わたねがちゃんたちは、まだバレンタインディにロマンティックな想いがあるみたい。寒い夜、あの空間だけは甘くあったかい空気に包まれてた。ろみさんは顔がちっちゃくて整っててモデルさんみたい。素晴らしいボーカリストだ。ちほこさんはろみさんにそっくりの美人さん。でも僕はひかるさん派。笑顔のキレがいい。
この日はカバーナイトで、全曲新曲みたいなもんだ。練習大変だったろうな。知ってる曲は "らいおんハート" "プリズム" "CHE.R.RY" "白い恋人達" しかなかった。僕は邦楽のヒット曲をもっと知った方がいいのかしら。 "らいおんハート" の途中でリズムマシンが鳴りだすハプニングもおかしかった。いろいろ話したかったけど、ドキドキしてうまく話せなかった。おじさんガチ恋か!!
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僕も邦楽をあんまり知らないけど、若いミュージシャンが洋楽を聴かないのも残念だと思ってる。邦楽と洋楽って相対する概念じゃなくて、母数70億人が楽しむポピュラーミュージックのほんの片隅に、母数1億2千万人の邦楽が存在する。井戸の中にいないで、海外の音楽を聴いてみれば、楽しみと可能性が果てしなく広がるのにな。
その一方で、日本のMVが海外から観れないことが話題になった。著作権にまつわるもじゃもじゃで、日本の音楽はずっとシャットダウンされてたそうだ。マスタリングの段階で、REDってプログラムに弾かれる手続きがなされる。事務所が原盤権と出版権を持っていれば、解除することもできる。詳しくはゲントウキ田中潤さんのブログに。これ、ミュージシャンや評論家も知らなかったみたい。
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帰りの電車で、北朝鮮の金正男氏が金正恩氏に暗殺されたってニュースを読んだ。女スパイに毒針で刺殺されるなんて三流映画かよ。もちろん権力争いで肉親に手をかけることは、歴史上なんども行われてきた。それを21世紀になってもやってるのがすごい。
家に帰って金正男氏のスタンスを調べてみた。3代世襲には反対。韓国を含む近隣諸国と壁をなくしたい。中国の庇護を受けてて、中国が正男氏を擁立して、界隈政権を興すんじゃないかって疑惑を持たれていた。へーってなってる。いろんな意味で、正恩氏よりも有能だったのかもな。来世にディズニーランドがあるといい。NHKニュース9では、北朝鮮国内で報道されてないことを「奇妙ですね」って言った。同じニュースの中で、日本の国会で安倍首相が糾弾されてることを報道しなかった。「奇妙ですね」。
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翌15日は病院めぐり。「あべさだお」さんって患者さんが呼び出されてた。たぶん「阿部サダヲ」さんではない。2つの病院も薬局も、異常に混んでた。病院の何が辛いって、待つことだ。数分の診察のために何時間も待つ。ディズニーランドかよ。正男氏かよ。暗殺されちゃうかよ。病気を持ってるんで救急車に何度か乗ったんだけど、乗って家の前に救急車を止めて、受け入れてくれる病院を探すのをひたすら待つんだよ。1時間くらい待つの。赤信号を突破する権利より、医療システムが根本的に持つ「待つ」体質をなんとかしてほしい。
夜はあーたさんのライブに行く予定だった。あーたさんのラジオ番組、「あーたとわかの23時にちんからほい!」の相方、わかさんの企画で、あーたさんの持ち時間も長いんで楽しみにしてた。結局間に合わなくて、ごめんなさいだ。残念。
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翌16日は、素敵な訪問看護師さんがいらっしゃる日。もう疲れ果てて、部屋の片付けもできなかった。できればピカピカのお部屋にお招きしたい。病気の話もそこそこに、ドラマの話で盛りあがった。
「この世界の片隅に」のヒットが止まらない。あの映画を巡るいろんな出来事が良心と愛情でできてて、この時代に救いを感じる。のんちゃんが、朝日新聞でマンガの書評の連載を始めた。面白い視点で読みやすい文章を書く。「この世界の片隅に」で、作品に対する理解力の半端なさを見せつけられてるからそれほど驚かないけど。「あまちゃん」がただのハマリ役だったんじゃなくて、とてもクレバーな役者だということだ。干されて暇そうなブログをあげてた頃を思うと、新しい仕事がどんどん入ってるのを見るのは感慨深い。
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ニュースは相変わらず暗い。きのうは幼稚園で保護者向けにヘイト文書が配られて問題になった。「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」。毎日こんなことばっかり。こういうニュースにびっくりしなくなってる自分が怖い。例えば、僕が子供の頃は警察官が犯罪を犯すなんて考えられなくて、90年代初頭に神奈川県警で立て続けに不祥事がおきて、びっくりしたんだよね。いま警察官の犯罪とか日常茶飯事じゃん。安倍首相や日本会議の言動も、最初はびっくりした。
楽しい話題を。地球を周ってる衛星やデブリの画像。拡大するときれい。ツタンカーメンの短剣は隕石でできてた。すごい空気圧でトロンボーンを吹く楽器が開発された。Tortoiseが来日する。Explosions In The Skyも来る。これは観たいな。長文御免!!
2月18日 安眠の日
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今日は久しぶりに完全OFF!! 暦の上では安眠の日なんだって。思いっきり寝た。日記がプレッシャーになりつつあるのは、溜めちゃうからってこともある。1週間分書こうとすると、3時間4時間かかっちゃうんだよね。日記なんだから2日連続で書いてみた。
きのうは日記を書き終えたあと、ともかおいくさんのライブに行くつもりだった。久しぶりで楽しみにしてたんだけどな、細かい用事やすれ違いをしてるうちに時間が過ぎちゃって、駅まで行って電車に乗り遅れた。ジュースを2本買って帰ってきた。僕の人生こんなんばっかりや。とにかくタイミングが悪い。そして意志が弱い。ただ息を吸って吐いて、時間だけが過ぎていく。精神的に成長してないから、実年齢の老いはちょっと待ってほしい。
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童話作家の佐藤さとるさんが亡くなった。子供の頃、祖父の家の倉庫の奥で「誰も知らない小さな国」を見つけた。出会いからしてロマンティックだった。たぶん叔母が子供の頃に買ってもらったんだろう。ホコリを払って夢中になって読んだ。いまでもうちの本棚に、コロボックル物語シリーズが並んでる。正しい日本のファンタジー。佐藤さんの意志で、続きは有川浩さんが書くそうだ。
そして絵本作家のディック・ブルーナが亡くなった。ミッフィーは初めて読んだ絵本のひとつだ。当時の翻訳では「うさこちゃん」って名前だった。抽象化された絵は洗練の極み。それもそのはずで、デザイナーとしても超一流だった。東日本大震災の時に、涙を流したミッフィーの絵を描いてくれたのも記憶に新しい。
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きのうは暑いくらいだったのに、今夜の天気予報は雪。寒くてずっと寝室のデロンギの前で過ごした。わたしのねがいごと。が突然のツイキャスをした。本格的なライブ演奏も観せてくれた。多摩市からバスに乗り継ぐ場所に住んでると、ライブを観に行くのは大冒険で、うちで観れるツイキャスは嬉しい。放送してるのも自宅だったりで、友達の家にお邪魔するみたいな居心地の良さも好き。
40年前に絶滅したと思われてたウサギオオネコが見つかった。マリアナ海溝の深海生物が酷い汚染を受けていた。タイムラインのある方が、社内の美人社員に撮影係を頼んだ。シャッターの押し方がわかんないくらい初心者なのに、みんないい笑顔の写真があがってきた。「これが美人が日常的に浴びている眼差しか」って。見てみたい。
2月23日 ほの甘いカルピスの味が
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何かを成し遂げても成し遂げなくても、時間は風のように過ぎ去る。花粉と衰弱と気温差と気圧差に流されてるうちに、また日記の更新が遅れた。抗アレルギー剤と鼻炎カプセルで殆ど寝込んでる。せっかく外出できるようになったのに、逆戻りだ。毎年書いてるけど、花粉症は林業政策の失敗による公害病なので。
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前回の日記を書いた翌日の19日は、ノラオンナさん主催のライブイベント「アサノラ」へ。出演は、かれこれ10年以上も好きで追いかけてるmayulucaさん。10人も入ればいっぱいのお店にはアナログプレイヤーがあって、いつも僕はお気に入りのレコードを持って行く。
成り行き上mayulucaさんの真ん前に座って、柔らかい歌声を聴く贅沢。あんまり心地よくてうとうとしちゃった。僕が「10年以上聴いてる」って書いたのを読んでくれてて、「いつ辞めてもおかしくなかったのに聴いてくれる人や場所があるのは幸せ」って。何万人で踊り狂う音楽も好きだけどさ、小さなお店の木目に吸い込まれていくような生音の音楽は好きだ。ノラオンナさんの繊細な味付けのお料理、美味しかった。くつろぎすぎて、危うく無銭飲食するところだった。
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翌20日はカウンセリングへ。気温が19℃まであがって、雨まで降ってきた。頑張って出掛けた僕は偉いと思う。誉めてくれ。前回のカウンセリング (13日の日記のSIDE-B) が充実した内容だったんで、あれから考えたことや補足したいことをぽつりぽつり。
21日は、Trashcan Sinatrasを観に行くつもりだった。バンドTシャツを着て、気合いも充分だった。のに、おこたで寝落ちちゃった。気がついたらとっても間に合わない時間だった。今年に入って洋楽のライブに1本も行けてない。チケットは5本ぶん買ってるんだよ。経済的にも大きな損失だし、やっぱり世界に眼を向けていたい気持ちがある。たなま改めたなまざふぁっかーのLINE LIVEを観た。夜中にあちこちの部屋で「ライブ」が行われてる。秘密を共有するみたいで楽しい時間だ。たなまちゃんは一家に1人のナイスキャラだな。
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小沢健二さんがチャットセッションをして、19年ぶりのシングル "流動体について" のリリースを発表した。さっそく買ってきた。リリースペースを落として、忘れた頃にジャズやソウルやインストのアルバムをリリースしてた小沢さん、新曲は最高の1枚だった。楽曲のクオリティはもちろん、服部隆之さんのストリングスがLife Is Comin' Backを告げて、ギターソロが駆け抜けて、エフェクトかけたスネアの音像も気持ちいい。歌詞はこれからじっくり考察したい。C/Wの "神秘的" は、一転してギターとストリングスの穏やかなナンバーだった。
ここ数年のライブで披露してきた新曲も音源化して欲しいな。そんなファンの期待や、音楽業界のしきたりをさらっとかわしちゃうところが好きでもあるんだけど。
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22日はにゃんにゃんにゃんで猫の日だ。タイムラインに猫のエピソードが並んだ。比べてみると、うちの猫たちはいたずらや悪いことしないな。パソコンの上を歩き回ったり、置きっぱなしの電話を踏んで掛けちゃうくらい。せっかく可愛く生まれてきたのに、キモいおじさんに懐いてくれてありがとう。なぐさめてくれたり甘えてくれてありがとう。ところでこの日はニンニンニンで忍者の日でもあった。忍者はニンニンって言っただろうか。武士はブシブシって言っただろうか。
夜中にNASAが「太陽系外惑星に関する大発見」を発表した。39光年先に地球に似た7つの惑星があって、少なくともそのうち3つには液体の水がありそう。惑星同士は距離が近くて、宇宙戦争とかしてるかもな。NASAの科学力で僕の嫁も探してくれないか。
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17日の日記に書いた、ヘイト文書を撒いた幼稚園の話。この森友学園は安倍総理夫人が名誉校長で、国の土地を不当に安く供与されたことから問題が発覚した。テレビ東京が安倍総理夫人の名誉校長就任演説をスクープした。安倍政権は総辞職に値する不祥事をたくさん起こしてるけど、なかなか報道されない。園歌の作詞は秋元康、「ああ日本 淋しさを知っている この国を信じてよかった」酷いな。過去にアメリカで起きた排外主義の恐ろしい写真があるよ。
安倍総理のメールマガジンに「菅総理の海水注入はでっちあげ」って記事があって、菅直人元総理が名誉毀損で上告して、最高裁が棄却した。判決をちゃんと読めば、メルマガはデマだって認定してる。その上で、名誉毀損とまではいかないって判決が出たわけだ。
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中嶋春陽さんが、ビデオアート展を企画するためにクラウドファンディングを検討してる。17歳の女の子が頑張ってるな。自分の意志で道を切り開いてくのはとてもまぶしくて尊い。僕はいまはとにかく病気を治すこと、それから動き出してもいいよね。Negiccoが新潟から通ってるのもほんと大変だと思う。もううちの合鍵わたすからさ、東京で時間ができたときに勝手にあがってマンガでも読んでくつろいで欲しい。ところで夜更かしは楽しいしカロリーは美味しいし、人間は体に悪い生活をするようにできてる。今川宇宙さん「必要以上に甘いものを食べようとすると天空からタライが落ちてくる仕組みにしたい」。
サンフランシスコで、保護された犬猫以外は売っちゃダメの法律ができた。
下北沢のたこ焼き屋「大阪屋」の復活にはこんな裏話があった。このお店には甘酸っぱい想い出があるよ。
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新譜情報が続く。Arca、Kassel Jaeger / Jim O’Rourke、The Monkeesの傑作 "Head" のデラックスエディション。もうすぐSteve Reichが来るの知らなかった。秋にThe Chieftainsが来る。回転すると動き出す3Dプリント彫刻 "Bloom" 。最近20年前のブリットポップやシューゲイザーバンドが復活しすぎで、ターゲットは僕らの層なんだろうなと思うとげんなりするよ。
エレクトリックリボンの人気投票で、あーたさん作の "アイライン" が1位、彼女が所属する花とポップス代表つるうちはなさん作の "Star Tear" が3位になった。上位の曲を歌うよって企画で、最近やらない曲に票が集まる中、花ポ楽曲の人気は強い。はちみつぱいの "センチメンタル通り" のボックスが出て、DOMMUNEに出演した。
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のび太の南極カチコチ大冒険挿入歌パオパオダンスって、いろんな意味で中二男子を刺激するタイトルだな。長文御免!!
2月28日 SIDE-A すべての猫は幸せな一生をおくるべき
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人生はプラマイゼロなんて絶対に嘘だ。特に社会構造が限界に来てる時代に生きる人々は、苦悩して苦悩して。だからすべての猫には幸せな一生を送って欲しい。猫は優しい生き物だから。
また前の日記から5日あいて、個人的にも社会的にもいろんな出来事が起きた。24日はプレミアムフライデーなる、金曜日の午後は早退して遊びましょうって制度が施行されたそうだけど、僕の知る限り恩恵を受けた人は1人もいない。日本社会は過労死が深刻なので、残業できる時間を100時間まで増やすことになった。ちょっと言ってる意味がわからない。どんだけ労働中毒なんだよ。楽しく生きようや。スウェーデンの市議が、勤務時間中にセックス休憩を設けましょうって提案したそうだ。さすがスウェデン食わぬは男の恥と言われた国。提案した市議の名前がムスコス氏っていうのも味わい深い。
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最近日記に出てこない旧友、森のくまさん。彼も苦悩してる。16歳になった娘さんが演劇に出演するそうで、お誘いを受けた。僕は彼女が初めて自立二足歩行した瞬間を偶然目撃したんだよ。
「君よ 生きて」@天王洲アイル銀河劇場。シベリア抑留を題材にした音楽劇。素晴らしかった。ユウサミイさんってミュージシャンを初めて知った。ただ戦争と抑留の悲惨さを描くだけじゃなくて、いろんな世代に響く力があった。僕に響いたのは、命のバトンってこと。祖先が戦禍を生き延びたからこそいまの自分がいる。それは愛の連鎖だ。僕はそもそも恋愛市場的に需要のある素材じゃない上に、致命的な悪条件が重なって、もう結婚してバトンを繋ぐことはない。いまだに大人になったら何になろうかと思ってる。彼女は役者として歌手として、しっかり自分の道を見つけてた。感慨深かったし感動した。
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翌朝。花粉症で鼻が詰まって喉がっさがさで喉も詰まって、呼吸困難で死ぬかと思ったぞ。この日はJames Blake@東京国際フォーラム。酒のんで行ったら確実に寝るな (プシュ) 。
最高か!! とても寝る瞬間なんかなくて、ステージにぐいぐい引き込まれた。本人のキーボードと、ギター、ドラムスっていう意外な編成で、ぜんぜん踊れる激しい4つ打ちから、深い霧の中を彷徨うみたいな弾き語りまで、美しい魔法の音楽をつぎつぎと繰り出してきた。音の良さも特筆もの。VJも完璧だった。リラックスした静寂の会場が、じわじわ熱を帯びていく感覚が心地よかった。彼はあのダイナミズムをアルバムで表現する気はないんだろうか。日本で買えない12インチとかで聴けるのかな。クラブミュージックではあるけど、根幹にあるのは歌心だったと思う。もうね、感激で胸がいっぱい。
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翌日はエレクトリックリボン、nagisaの生誕祭@渋谷STAR LOUNGE。朝10時開場は辛かった。日曜日の朝の電車ってあんなに混んでるのかよ。みんなどこへ行くのか。会場でWilcoのTシャツを脱いでnagisaのTシャツへ。僕も変わったな。
最初は、前日に目撃したステージとのギャップでげんなりしてた。エリボンが登場して俄然面白くなった。いまの3人はバランスがいい。アンコールではボンクラさんたちが、「田舎の荒れた成人式」をテーマにバイク型の神輿で登場して、nagisaにプレゼントを渡すサプライズ。ついてった飲み会では、地下アイドル界の暗号がぜんぜんわかんなくて、黙って枝豆を食ってた。痛感したのは、僕はアイドルが好きなんじゃなくて、エリボンが好きってことだ。みんなはそれぞれ次のアイドルイベントに向かっていった。愛だ!! 僕は帰って寝たさ。
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そして月曜日。いつものカウンセリングへ。靴下が片方づつなくなるのは、両方なくなったらなくなったことに気づかないから。それにしても片方の靴下が多すぎはしないか。話したのは最近とみにアルコールに逃げてること。飲めばスムーズに話せるって自己暗示にかかってる。すべては意志の弱さだ。明日やればいいやって夏休みの宿題を出さない子だったから。なんでも先送りして17年が過ぎた。
今日は家のこと頑張るつもりだったけど無理だった。精神的に空回りしてる。猫はクールでマイペースだと思ってる人に言いたいんだけど、隣の部屋で日向ぼっこしてても、名前を呼んだら「なんだい?」って顔して来るんだよ。普段は好き勝手にしてるのに、僕の調子が悪い時はぴったりくっついてくれる。メイはパソコンの上に乗らない。チャイが乗るのは絶対わざと。
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映画と音楽と、あんまり書きたくない政治の話をSIDE-Bに。
2月28日 SIDE-B 「独断と偏見」って敢えて言わなくてもおおよそのことは独断と偏見だ
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洋楽と映画のニュースをいくつか。Jack Whiteが自分のレコード会社の隣にプレス工場を建てた。深いレコード愛。一番高いレスポールと一番安いレスポールを弾き比べる動画が話題になってる。PixiesのFrank Blackが来日して、お忍びで寄席に行ったらしい。落語好きで日本語も上手いんだって。アカデミー賞で作品賞を読み間違えるハプニングがあった。「ラ・ラ・ランド」が呼び出されて、受賞のスピーチまでしたのに、実は「ムーンライト」だったっていう。どっちも気の毒だな。さっそくケラリーノ・サンドロヴィッチさんが読売演劇大賞のスピーチでネタにした。ラ・ラ...ラランド観たい。
微分音ピアノの動画を初めて観た。鍵盤はじからはじまで97鍵で1オクターブ。機種は違うけども演奏風景ある。面白いな!! 西洋音階で育った人がこれ感覚で作曲できるもんなんだろうか。
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中西俊夫さんが亡くなった。PLASTICSは最高に薄っぺらくてかっこいいバンドだった。ファッション先行のミュージシャンってイメージだけど、特にMELONで彼が表現した音楽は、心を大きく揺さぶる力があったと思う。残念です。
小沢健二さんがテレビに出演した。日本を俯瞰する彼の視点が地上波で放送されたことは、大きな意味がある。で、ふと漏らしたのがFUJI ROCKに出演するってこと。まじか。軽装の元オリーブ少女たちが、FUJI ROCKの荒野と熱射でバタバタ倒れて、救護室がパニックになる様子がまざまざと眼に浮かぶ。その死屍累々をかきわけて、僕は最前列でオザケンを観る。今川宇宙さんとりりかさんは友達なのか。どうしたらそんな素敵コミュニティに混ざれるもんか、考えあぐねてるうちにおじさんになっちゃった。相手にされるでもないがな。
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日本の政局が大きく動いてる。森友学園なる学校 (!?) を巡って、そもそも何が起きてるのか。日本ではまとまった報道がなされていないんで、内田樹さんがル・モンド誌の記事を翻訳した。これだけでも読んで。「ナショナリスト的逸脱と不都合な便宜供与がいりまじった一つの事件が日本の総理大臣安倍晋三の足元を脅かしている」で始まるテキストには、「超国家主義的」「復古主義的」「排外主義的」「極端なナショナリスト出自の安倍氏」といった言葉が並ぶ。
日刊ゲンダイの、森友学園のためか 大阪「私立小設置基準」緩和に重大疑義って報道もある。つまり不自然な改正が行われたのは森友学園のためじゃないかって。東京新聞は、国有地売却14-16年度693件 金額非開示は森友学園のみって報じてる。公文書、問われる管理 PKO日報に続き 交渉記録「廃棄」肝心の記録が破棄されてるという。
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内田樹さん「僕はこの事件が安倍政権の『終わりの始まり』になると思っています。強権にへつらう人たちだけが選択的に受益できる仕組みがこの数年で日本のほとんどすべてのシステムに蔓延しました。いつのまにか性根の卑しいやつばかりが威張り散らす社会になった」。
小田嶋隆さん「テレビや新聞のニュースはだいたい誰に対しても同じ内容を報じるけど、ネット発のニュースの場合バカな人に対してはバカな情報しか伝えない。っていうか、取捨選択を許す形で情報を提供するメディアは、バカな人と賢い人の格差を拡大するわけで、してみると、マスメディアの役割は重要ですね」。きのう東京の赤坂飯店で、安倍総理がマスコミ各社を呼び出して圧力をかけた。奇しくもアカデミー賞の授賞式でStingが歌ったのは「権力に立ち向かう勇気こそがジャーナリズムだ」ってことだ。
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