DIARY 2017年3月


3月2日 SIDE-A So Long Monsieur

ムッシュかまやつさんが亡くなった。日本のジャズボーカリストの草分け、ティーブ釜萢さん (細野晴臣さんの "Japanese Roomba" でリードボーカルを取ってる方) の息子として生まれて、田舎者がやって来る前の粋だった東京で遊んでた人。ジャズ - カントリー - ロック - フォーク - シティポップを経て、後年にすべてひっくるめて再評価された人。晩年はツイッターに、20代のミュージシャンや文化人と飲み歩く姿をシャープに描いた人。常にモダンを追求して、音楽の世界を飄々と渡り歩いて、でもどこにも染まらなかった人。
 シティポップ!? 70年代のフォーク路線から90年代のゴロワーズ再評価までの間に、誰も聴いてないシティポップ期があったんだよ。その時代の音源まで追ったくらい好きなミュージシャンだった。キャリアをちゃんと紹介してるのはこの記事くらいかな。

大滝詠一さんとのラジオでの対談で、戦後の混乱期、米軍キャンプ巡りでカントリーを歌いながら、テイチクでいやいや歌謡曲を歌わされてた頃の話をしてる。知らなかった。面白いな!! The Spidersに参加してからは、当時としては珍しいテンションコードを使った洒落た楽曲をたくさん書いた。Charさんとのテレビの対談で、56分頃からギターを抱えて楽しそうにコードを探る様子が可愛い。
 脱退後、吉田拓郎さん作の貧乏くさい "我が良き友よ" が大ヒットした。この記事によると、やっぱり曲を貰った時は困惑したみたいだ。晩年になって、やっといい曲だって思えるようになったって。テレビで訃報が流れる時にかかるのは "我が良き友よ" だろうね。そのB面に、かの "ゴロワーズを吸ったことがあるかい" を収録したのは、「粋なムッシュ」のせめてもの意地だろうか。

最初のソロアルバム "ムッシュー / かまやつひろしの世界" は、一人多重録音の傑作。TRATTORIAレーベルからリリースして再評価を決定づけた "Gauloise" 。小西康陽さんがプロデュースしたセルフカバーアルバム "Je m'appelle MONSEIUR - 我が名はムッシュ" は必聴、代表曲と本人や仲間たちの語りで綴るムッシュ人生絵巻だ。最近では何十歳も若手と組んだ "Generations" も傑作。
 余談だけど、僕は小西康陽さんがあんまり好きじゃない。彼の創造のモチベーションはコンプレックスで、聴いてて痛々しいことがある。彼は作詞家で策士家で、策士策に溺れる。だからライバルの高浪慶太郎さんや、圧倒的に手が届かないレジェンドのムッシュかまやつさん、夏木マリさんなんかと組んだ時にいい仕事をする。

なんでムッシュにこんなにのめり込んだのか。僕はムッシュの息子、かまやつ太郎さんと同じ塾に通ってて、毎年の夏休みの合宿にムッシュが歌いに来てくれてたんだよ。キャンプファイアーを囲んで、ギターを抱えたムッシュが、代表曲から当時の持ち曲、洋楽のカバーなんかを歌ってくれた。"バン・バン・バン" のコールアンドレスポンスは、僕のライブ原体験のひとつだった。子供好きで気さくなおじさんだった。ムッシュとトイレで隣あわせたことがある。僕は小学生だったから、有名人のちんぽこに興味を持ってのぞきこんだ。「見るなよぉ」って笑ってらしたけど、ちゃんと見た。
 いろんな想い出をくださったムッシュ、一番好きな曲に "二十才の頃" を挙げようか。最初の1曲なら "Gauloise" のライブを。So Long Monsieur. 安らかに。

それ以外の話題をSIDE-Bに。

3月2日 SIDE-B 言霊

2月28日の日記は、書きあげるのに5時間かかった。初稿はあまりにも長くて半分にしたんだ。たかが日記、気軽に更新したい。読む方だって疲れちゃうでしょ。
 低気圧が雨を連れてきた。気温差・気圧差・花粉。つらい日々だな。小田嶋隆さん「自分が病気になると、恒常的なカラダの痛みや不自由とともに生きている人が少なくないことを思って粛然とした気持ちになる。病苦の中で生きている人たちに対して、単なる同情とは違う、尊敬の念を持つようになると言っても良い」。病気って大変なんです。独りで17年も闘病してる僕は偉いな。きのう1日はまたあーたさんのライブに行くつもりだった。バスに乗って駅まで出て、ホームに入って引き返してきた。体調も相当に悪かったけど、疲れた顔を見せたくなくて。今日は訪問看護師さんとそんな話をした。打破!!

今日のツイッターで、「子供の頃なりたかった職業をあげろ」ってハッシュタグがバズった。マジレスしてる人はいなかったけど、僕は漫画家になりたかった。アニメーターにもなりたかったな。萌え萌えのやつじゃなくて、「未来少年コナン」や「世界名作劇場」が好きだったから。当時としても厳しい収入状況を知って、夢は覚めた。
 レコード屋さんにもなりたかった。作曲家にも憧れたな。ミュージシャンになりたいとは思わなかった。裏方志向。大学時代はメディアアーティストを目指して...この話は何度も書いた。中嶋春陽さんがビデオアート展を開催するためのクラウドファウンディングを始めた。僕自身が逃したからこそ、彼女にはチャンスを掴んで欲しい。表現について真摯に考えて道を切り開く姿には、本当に感銘した。

今日の日経新聞に、国の計画として「一億総スポーツ社会」なるスローガンが載った。「健康報国」かよ。「スポーツが『嫌い』『やや嫌い』の中学生を半減させ8%にする」って目標もある。やめてさしあげて...。好き嫌いまで国に管理されたくない。休み時間にサッカーやドッジボールをしてる人たちは誉められて、読書や絵を描いてたら両親が呼び出されたのは、いまでも納得いってない。
 ラブリーサマーちゃんが、言霊ってあると思うから、つらいときは "アルプス一万尺" のメロディーで「嬉しい楽しい幸せツイてる豊かで健康ありがとう」って歌うことにしたって。天の邪鬼な彼女のことだから、ちょっと意地悪な冗談なのかも知れない。僕はまじで歌ってみた。猫がきょとんとした。これ続けようかな。

大好きなジャズベーシスト、Esperanza Spaldingが来日する。今月末なのにチケット発売はまだ。取れるかな? ジャズボーカルのレジェンド、Helen Merrillも来日する。数年前に、最後の日本ツアーって言ってたような...。これも目撃したい。ヒプノシスが手掛けたすべてのレコードデザインを1冊にまとめた本が出る。
 小沢健二さんのシングル "流動体について" は、オリコン2位 (自己最高タイ) 、20年半ぶりにトップテン入りしたそうだ。でも売上はたった3.8万枚...。それで2位に入っちゃうんだね。月9ドラマの視聴率が5%を割る時代だからね。15日にカラオケに行くんだけど、“流動体について” 入ってるかな!? さすがにまだかな!?

森友学園事件については今日は書きたくない。これも言霊だ。

3月4日 未来

2日, 3日と中嶋春陽さんがLINE LIVEをした。アイドル活動を辞めてファンの前に姿をみせる機会が激減した春陽さん。舞台やlook book partyの活動は続けてるし、もっと広い世界に羽ばたこうとしてるけど、そのぶん素の春陽さんに会える機会が減って、寂しく思ってた。LINE LIVEの一言一言に籠もった知性とセンスと好奇心と心遣い。「山下スキル」を覚えててくれたのも嬉しかった。
 春陽さんの声を聞いてると心が落ち着く。それは声質だし人柄だ。彼女から発する善のオーラ、静かなるパワー。猫たちもモニターに見入っていた。もし僕がいま高校生で、同じクラスに春陽さんがいたら、遠くから憧れの視線で眺めて一言も喋れなかっただろうな。おじさんでよかった。彼女の新しいプロジェクトのクラウドファウンディング、ぜひ力を貸してあげて欲しい。

この世界の片隅に」が日本アカデミー賞最優秀アニメーション賞を受賞した。今年の映画賞をほんとに総ナメしたよね。小規模なロードショーから口コミでどんどんファンが広がっていく姿は美しかった。いい作品がちゃんと評価される映画の世界は音楽よりずっと健全だ。なんて素敵なんだろう。ただひとつ残念だったのは、のんちゃんが会場に呼ばれなかったこと。アメリカの俳優協会は人種差別に反対する運動をしてるのにね、日本ではまだヤクザの世界みたいだ。
 最優秀作品賞は「シン・ゴジラ」。日本アカデミー賞も捨てたもんじゃない。「この世界の片隅に」と「シン・ゴジラ」に共通するのは、「みんなこんなのが好きなんでしょ」って媚びた映画じゃない、表現者が魂削って撮った映画だってことだ 。マーケティング至上主義の映画に、観客はもう辟易してるってことだ。

今日は体のメンテナンスだけ、のんびり過ごした。猫は人間に向かってにゃーにゃー言う時、人間語を喋ってるつもりでいる。だからチャイの朝礼はやっぱり朝礼だし、寝る前のお喋りは「今日こんなことがあったんだよ」だと思って聞いてる。
 タイムラインを流れてきた、精神科の治療中にしちゃいけないルール。「昼夜逆転」「自分の部屋で悩む」「考えても答えの出ない問題を悩む」「悪くなった原因を過去に求める」。カウンセリングを受けるようになってから、最初の3つからは脱したつもり。「悪くなった原因を過去に求める」のはどうしてもな。次のカウンセリングで相談してみよう。カルロス・トシキさん、歌手を引退してブラジルに帰って大学で植物の研究をして、いまブラジルではカルロスさんの開発したニンニクの種が、シェア100%なんだって。君は100%

森友学園の問題がやっと大きく報道されるようになった。内田樹さん「もうこの件でメディアを抑えることは無理みたいですね。日本のメディアは『横並び』ですから『みんなが報道しないことは報道しない』『みんなが報道することは報道する』。怖いのは官邸でも上司でもなく『浮く』ことなんですから」「先の戦争に国民を引きずり込んだのは間違いなくこの『横並び』志向だった」。
 「安倍首相は二度目の登板のときに『自分に媚びる人たちにのみ排他的に過分のご利益を与える』というルールを採択したのだと思います。それで党内と官僚とメディアの首根っこをあっという間に抑えてしまった。これは首相の狡知より『抑えられた』側の性根の卑しさの『成果』と言うべきでしょう」。

国会の質疑応答で、野党の発言がクソリプに見える、というペンネーム不破雷蔵氏はYahoo!ニュースのオーサーだそうだ。覚えておこう。日本人に議会制民主主義は難しすぎただろうか...!?

3月8日 カフンカフン ( >д<)、;'.・

花粉症も辛いけど、薬の副作用でなんにもできてない。花粉症は国の林業政策の失敗で、立派な公害病だ。なんで杉の精子で苦しまなきゃいけないんだよ。そこに出していいって言ったかよ。

日曜日の5日はあーた@下北沢SHEED SHIP。この建物でこのスピーカーで、どんな音がするのかと思ったら、非常に快調な音質。胸に迫るハイトーンボイスと、ギターのグルーヴに身を任せた。"pinhole" では、見せ場のドゥルルルってグリッサンドで、花粉のために巻き舌ができないハプニング。それも笑いに変えちゃう舞台度胸がある。"Puppy Love" では、コールアンドレスポンスで盛りあがった。
 新曲 "キャットストリート" よかった。1stから2ndへ、2ndからまだ音源化されてない曲へ、どんどん良くなっていくなあ。胸かきむしるバラード "スノードーム" から、"雨のまほう" "Puppy Love" とミドルテンポの傑作が続いて、 "キャットストリート" はハンドクラップが似合うアップテンポなナンバー。もう次のミニアルバムできちゃうじゃん!!

翌6日は花粉症で起きて、花粉症で起きて (2度言った) 、ご飯たべてやっぱり眠くて寝落ち。大変だ!! 頑張ってカウンセリングへ。雨が降って寒かったのに、生脚だしてる女子高校生は尊い。布袋様のお腹みたいに、なでると御利益あるかしら。
 4日の日記に書いた、病気が悪くなった原因を過去に求めないことについて相談した。カウンセラーさんは明確な見解を出さないで、僕の認識をそのまま受け入れた。もうひとつ、僕の人生はなにか成果を残したのかよ問題について。カウンセラーさんは、人生に成果を求めるのは、僕の療養生活を責める親戚と同じ考え方なんじゃないかって。なるほど。僕が生きてることで、誰かを幸せにしてるかどうか。数字じゃなくて、心に残れるかどうか。うちの猫たちは幸せにしてるよ。猫たちも僕を幸せにしてる。この小さな宇宙で完結してていいのかな。

翌7日はヌカタシとFくんがやって来て、たぶん今季最後の鍋。Fくんがムッシュとオザケンの新譜を聴かせて欲しいって言うんで、"流動体について" とムッシュを何枚か、Al Jarreaue、Plasticsと追悼シリーズをかけた。きのこいっぱいの鍋、旨かった。僕と彼らでは関心事が大きく違って、違うからこそ長い友達でいられるのかもな。
 今日は通院の日だったけど、花粉症で寝込んで沈没。ドラえもんのお話を作る夢を観た。ドラえもんは起床転転結なんだな。起 : トラブル発生 承 : ドラえもん助けて 転1 : 道具登場 転2 : のび太が調子にのる 結 : なんとか解決 or もうこりごりだよって構造なんだ。ところで飼い猫ほど怠惰な生き物はいるだろうか。昼寝してあくびしてご飯ねだって「遊んで」「なでて」。動物に囲まれた人生、チャイより甘えん坊に会ったことはない。野良出身の保護猫なのに。

中嶋春陽さんのビデオアート展のクラウドファウンディングは、成功に終わった。とは言え設定したのは実現できる最低限のライン、まだ積めば、もっとクオリティの高いものが作れる。募集のブログはこちらに、達成ありがとうのブログはこちらに。
 Valerie Carterが亡くなった。不勉強にして "Wild Child" しか聴いたことがない。これを期にもっと聴いてみよう。Paddy McAloonが新曲 "America" を発表した。まさかの新譜もあるのかな。Sigur RosTeen DazeThe Security Projectが来日する。もうPeter Gabrielが来ることはないから、これ観るしかないのかな。共同生活してるわたしのねがいごと。ろみさん「わたしのHuluでアンパンマン見たのちほひかどっちだ!」。ちほこさん「ごめんなさい。2人で見ました」。ろみさん「可愛いから許す!」。はい、かわいいですね。

3月12日 ヤッホー

「ヤッホー」はヘブライ語で「栄光の神」って意味らしい。

病状は安定してるけど、薬の副作用で醜く太り、人前に出たくない。物理的にも体重が脚にきて、スタンディングのライブは辛い。FUJI ROCK行けるかな。ライブハウスとスタジオと自宅で完結する音楽体験は偏ってて、年に一度は森の中で音を浴びたい。
 布団に篭り、猫と過ごす。家中どこにでもついてくる猫という生き物。ときどきどこにいるかわからない猫という生き物。ツイッターで、冗談を交えて神様の教えを説いている上馬キリスト教会さんに人生相談したら、大変丁寧で真摯なお返事を頂いた。僕は特定の宗教に帰依してないけど、信仰を持つのは善き哉と思う。相談したのは孤独のこと。こんな僕でも生きてるって誰かに知らせたかった。

6年めの3月11日がきた。6年前の夜、NHKの画像をUSTREAM中継してた中学生は今どうしてるかな。テレビがない僕には唯一の情報源だった。2011年は3回東北にお手伝いに行ったけど、それからなんだかんだで行けてない。気にかけてる。
 タイムラインには「悲劇を忘れない」系のツイートが並んだ。いまだに避難生活を送ってる方、遺体が見つからない方、原発の処理に追われてる方がたくさんいる。あの「地震」からは6年だけど、「震災」はずっと続いてる。10日は東京大空襲から72年で、毎日がなにかの悲劇で、だからこそ今を大切に...生きてねえなあ。あのときのラジオって記事、読んで欲しいし音源も聴いて欲しい。そして当時信頼できるソースだったNHK水野解説委員の、いま福島で起きていること

安倍晋三が2つの撤退を決めた。1つは自衛隊の南スーダンからの撤収。理由は「5年経ったから」。そして震災に関する会見の打ち切り。理由は「6年経ったから」。自衛隊員や被災者の命懸けの行動、家族の想いに微塵も寄り添わない。見捨てたとは言わないのか。
 いよいよ安倍首相を守りきれなくなってきた保守陣営、「カンニング竹山さんが、福島の人は前向きに頑張ってるのにマスコミが暗い論調で伝えようとする」って言ってた、安倍首相の会見打ち切りに文句を言う人もマスコミと同じ、っていうアクロバティックなツイートをして、何千RTもされた。ちょっとまって。確かに福島の方々は前向きに頑張ってる。例えばこういうことだ。竹山さんが感じたことと、国が「節目だから」会見を辞めることって、ぜんぜん次元の違う話だ。「とにかく忘れないで欲しい」って仰った福島の方を想った。

10日はラブリーサマーちゃん@渋谷QLUB QUATTROへ。すごい動員だ。町田で観たのが懐かしい。杏窪彌水野しずさんと対バンで、ラブサマちゃんは危なっかしいギターの弾き語りだった。
 この日は堂々のバンド編成、ラブリーサマーズを従えて、800人の会場をソールドアウトさせた。メジャーデビューアルバムで想像がついた通り、パワフルでロックですごい良かった。サウンドがギターポップだったりオルタナティヴだったりシューゲイザーだったり、出てくるキーワードがRadioheadだったりTeenage FanclubだったりNew Orderだったり、生まれてくる時代を四半世紀間違えたんじゃないか。アンコールが終わって客電がついても聴こえてくるラブサマちゃんの歌声、最後にメンバーが登場して生演奏をかぶせる演出まで、サービス精神旺盛なライブだった。なにより新曲がぜんぶ良かった!!

The Wrecking CrewのLyle Ritzが亡くなった。晩年はハワイに移住して、ジャズウクレレのアルバムをリリースしてた。なぜ、デヴィッド・ボウイは特別なのか? 奈良美智が語る。台湾のバンド雀斑 Frecklesの "不標準情人" 超いい。砂漠で聴こえる「砂の歌」って現象。水曜日のカンパネラが武道館でライブした。O-nestでブッキングライブに出てたのがついこないだみたい。
 片渕須直監督が芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した。僕は「この世界の片隅に」を観て、その話ばっかりしてた。観た人はみんなしてた。この大傑作を、闇に埋もれさせちゃいけないって焦燥感だったと思う。結果映画は歴史に刻まれた。「クランクイン」って、手回し式カメラを回すクランクを差すところからきた言葉なんだって。当時のカメラマンは、クランクを一定のスピードで回せた。すごい話だ。

緒川たまきさんと猫ちゃん連れて温泉旅行とか、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん勝ち組すぎる。

3月20日 SIDE-A First Day Of Spring

日記の間があいた。殆ど寝込んでた。気温差・気圧差・花粉・年度末、鬱病の患者にとって、春は圧倒的に辛い季節だ。薬の副作用で、醜く太った自分像を認められない感情もある。トトロは太ってても可愛いのに、なんで人間はダメですかね。太った猫が可愛いって人もおおいよね。自分の写真を見ると本当にうんざりするよ。
 それに加えて僕には加齢って問題がある。「あと10日でスキルさんの生誕祭。3月30日。さんさんまる。覚えやすいね。0時になった途端にLINEがポポポポ! メンションがヒュヒュヒュヒュ! メールがペペペペ! ってなっちゃう。サプライズケーキが出てきてハッピバースデートゥーユーとか困っちゃう。さんさんまるだよ!」的なツイートを死んだ眼で打ってる。へいへいへい。

看病してくれるのはやっぱり猫たちだ。ぎゅってくっついてチューして指ちゅぱちゅぱしてお話してくれる。ライオンやトラも、お腹をなでたらゴロゴロ言うんだろうか。でも僕は部屋の掃除もできないで、控えめに言ってゴミ屋敷と呼ぶほかにない。綺麗好きの彼らに申し訳ない。スーパーの凍ったままのブルーベリーや、「サラダ薄焼き」をもりもり食べてる。サラダの定義とは。別に野菜が練り込まれてるでもない、ただのおせんべなんだ。
 寝てると夢を観る。冒険譚だったりSFだったり、親族に対する呪いを吐露する夢を見て、涙を流して起きたり。起きている間はせめて前向きに生きたいのに、夢の中ではペシミスティックな自分に戻っちゃうな。たまにすごい豪邸に住む夢を観る。予知夢だったらいい。嫁ができる夢は観たことがない。

前回の日記を書いた12日から15日まではひたすら寝込んで、16日、訪問看護を受けた後にたなま改めたなまざふぁっかーの新ユニットASOBOiSMのデビューライブ下北沢LIVEHOLICへ。
 ギター弾き語りSSWからラップ的な要素が強くなっていったたなま、音楽性にも活動形態にも悩むところがあったみたいだ。活動休止を経て復活したと思ったら、イギリス人DJ兼ギタリスト、テルマエ・アンドリュー氏とのヒップホップユニットに変貌してた。でもたなまのキュートでユーモアいっぱいで、ちょっと毒を含んだ世界観はそのまま、リズム感と声の良さもそのまま、トラックがアップグレードした印象。かっこよかった。この日はオーディションライブで、ほかのバンドの演奏が辛かった。格が違った。俺、AOBOiSMのデビューライブ観たぜって自慢できるようなるといい。

17日は、イナダミホ×あーた2マン@高円寺U-ha。初見のイナダミホさんは四児のお母さん。軽やかにピアノを転がして、楽しそうにおおらかに歌う。でもその中に、芯の強さと生の喜びが溢れていた。最後にあーたさんの "はなみずき" を。歌い続ける決心が乗り移ったような名唱だった。これからも追いかけたいミュージシャン。
 この日のあーたさんは、イナダミホさんの胸を借りてリラックスした演奏。コールアンドレスポンスに挑戦したりで楽しそうだった。いつもはしない、曲の背景や想いを饒舌に語った。最後に歌ったのは、イナダミホさんの "オルゴール" 。お母さんらしい視点の歌って話してたらイナダミホさんが「それ23の時に書いた歌だよ」。びっくりするあーたさんの表情がよかった。あーたさんは音楽性の高さはもちろん、こういう素直さや正直さが面白い。

18日はヌカタシとIくんとFくんと新百合ヶ丘の生姜料理屋がらがらへ。同じ中学のスクールカースト最底辺が再び集結しても、そこに確固たるカーストが存在する。Iくんは超巨大企業に勤めてJKの娘がいる。僕は鬱病引きこもり17年目で醜く太って家族は猫しかいない。自己肯定感か...。まったく縁遠い概念だ。
 タイムラインに卒業式の話題が並んだ。僕は男子校だったんで、卒業式になーんの思い入れもない。大学は4年で卒業するのは怠惰な勉強不足、4年半学んだら9月卒業生が数える程しかいなくて、普通の教室で卒業式した。二日酔いで行ったからあんまり覚えてないけど。

そう、4日の日記で紹介した「精神科の治療中にしちゃいけないルール」、このルール自体が自責を招くって批判が相次いだ。

音楽の話と、あんまり書きたくない政治の話をSIDE-Bに。

3月20日 SIDE-B ロックンロールが死んだ日

Chuck Berryが亡くなった。90歳か。おつかれさまでした。Chuck Berryはロックンロールという大海の最初の一滴だった。ロックンロールはシンクロニシティで生まれたけど、創造者を1人選ぶとするならば彼だ。John Lennonは、「ロックンロールに別名を与えるとすれば『Chuck Berry』だ」って言った。
 僕はChuck Berryの熱心なリスナーではない。2枚組のベストアルバムと、"TOKYO SESSION" しか持ってない。でもあまりにもたくさんのミュージシャンが彼の楽曲を演奏した。印象的なのは映画「Back To The Future」で、マーティが "Johnny B. Goode" を演奏するシーン。Chuck Berryの、ロックンロールの生命力に満ち溢れてる。このシーンの洒落たエピソードは、みんな知ってるでしょう。

この大ニュースに隠れちゃったけど、Tommy LiPumaも亡くなった。ジャズからAOR、ネオアコまで、洒落たサウンドを作る名プロデューサーだった。David Bowieの切手を乗せた風船が成層圏へ打ち上げられた。風船が割れると切手が地球に戻ってくる。Nine Inch Nailsのフィジカル盤EPには黒い粉がかかってる。フィジカルだから出来る仕掛けとメッセージ。Ray Daviesにナイトの爵位が授与された。The Chieftainsが来日する。Peter Hookがソロで来日する。ってツイートしたら、Peter Hookにファボられた!! Ryan Adamsが観客に「ファブリーズの歌を歌え」って言われて即興で歌った
 VUの "Sunday Morning" の新しいMVがいい。ジャズドラマーOiling Boilingの1977年の演奏がまるでテクノ

体の動きを音に変える。MOTION SONIC PROJECT。これ面白いな、動きを映像化して音に変換する仕掛けは昔からあったけど。岸野雄一さんバンドとユニットの違いを聞かれて「ギャラも赤字も分配するのがバンドで、赤字があった場合に代表者が全て引っかぶり、かつ雇用者 (他のミュージシャン) にギャラを払うのがユニット」。
 ラブリーサマーちゃんがこないだのワンマンの客入れ / 客出しセットリストを公開した。圧倒的にセンスがいい。いいインプットがなければいいアウトプットはない。自分がどういうルートでいまの音楽趣味にたどり着いたか思い返す。鈴木慶一さん、細野晴臣さんっていう二大心の師匠がいて、彼らがインタビューで名前を挙げたバンドをメモして片っ端から試聴したな。中学・高校時代の放課後は、生協で立ち読みかWAVEで試聴する青春。あとはクレジット読んで芋づるだね。

あんまり書きたくない政治の話。23日に森友学園の籠池氏が国会で証人喚問して、「永田メール問題の二の舞い」に陥る気がする。寄付があったかなかったかは、森友問題のほんの一部でしかないのだが。それ以前に、安倍内閣は森友問題だけじゃなくて、普通ならこれ一発で政権が吹っ飛ぶような問題をいっぱい抱えてるのに、ぜんぜん吹っ飛ぶ気配がない。この国が自浄作用を失ったってことだ。
 ナスカの痴情ェさん「疑惑を詰めきれないのは野党がだらしがない式の非難はよくあるのだが、野党質問によって答弁矛盾を引き出したり新たな事実認定が出てきているので野党の国会質問がだらし無いとは思わない。この程度の答弁でいいだろうと思われているワシラ有権者がだらしがない」。

この事件がキモいのは、普通の贈収賄事件と違って、政治家が森友学園の思想を浸透させるために進んで援助してることだ。
 小田嶋隆さんが教育勅語について、「腐っていることが認定されて、食べてはいけないことになった食品について、『腐敗に気をつける配慮』があれば、『食材として用いることは問題としない』てなことを保健所の所長がドヤ顔で言ってのけるような世界で、果たして食卓の衛生は防衛できるものなのだろうか」「教育勅語が若い世代を含む多くの日本人をいまだに魅了してやまないのは、並列された文言の背景に一貫している『個々の人間の個別の価値よりもひとまとまりの日本人という集団としての公の価値や伝統に根ざした心情の方がずっと大切だぞ』という思想が、根本的にヤンキーの美学だからだよ」。

日本のためなら命を捧げることも厭わない、保守思想を学んでない自称保守によって、日本は壊滅しました。おしまい。

3月22日 低気圧どすん

聞いてよ、20日の日記5時間かけて書いたんだよ。ただでさえ筆が遅いのに、春は本当に辛くて何をするにも億劫で。田中圭一さんは、鬱の原因は人それぞれだけど、ご自身は気温差だって書いてた。いま22日の朝ですごく寒い。昼間は気温が10℃あがる予報。
 できてないのは日記だけじゃない。人との約束が守れない。今年行けなかったライブは、Hermeto Pascoal、Tycho、Album Leaf、あーたさん、柴山一幸さん、ともかおいくさん、ふたりの文学、Ruby*、花とポップスレーベル1周年...。ほかにもたくさん、たくさんだ。きのうしたことは、ネットスーパーの荷物を受け取って、冷蔵庫に無理やり押し込んだ、それだけ。我が家がゴミ屋敷の様相を呈して10日。まだ床にゴミが散らかってる。綺麗好きの猫たちに申し訳ない。

深谷かほるさんの「夜廻り猫」ってマンガが好きで、きのうのが沁みた。以下ネタバレ。主人公は鬱病持ちだけど、海で猫を拾ったことをきっかけに動けるようになって、ペット可マンションに引越して友達を呼ぶまでになる。でも次の春にまた動けなくなって、キャットフラップを作って猫が自由に出入りできるようにする。そして猫は死んでしまう。猫は言う。「兄ちゃんじゅうぶんてこんくらいやでーおいら兄ちゃんに会えてよかったでーいつかわかってくれなー」。
 僕も鬱病持ちで猫と暮らして、でもこのマンガの主人公みたいに、海に出掛けたり引越したりキャットフラップを作ったりなんて気力はまるで沸かない。ゴミの上を歩く猫たちを眺める。でも猫は、ほんとうに優しいいきものなんだ。泣きたくなる。

決めた!! 花粉の季節が終わったら、朝散歩する。30分。だんだん伸ばして1時間。いまはしない。花粉飛んでるから。絶対やらないと思ってるでしょ。僕も思ってる。
 宗教に頼ってみようとも思う。実家がクリスチャンだし、上馬キリスト教会さんに、暖かい言葉をかけて頂いたから。要するに「悩みを吐露するのは辛いことで、話してくれたことに感謝している。人は1人では生きられないけれど、1人にされてしまうことがある。『すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい』。それは教会のことだ。上馬キリスト教会でなくてもかまわない、あなたを無碍に追い返す教会はない。礼拝を共にした人たちがいるならば、あなたはもう一人ではない。共に礼拝すること自体がコミュニケーションである。縦の礼拝と横の交流で十字架をなすのだ」と。

先日ライブを拝見したイナダミホさんのお父さんは、なんとあの日本人なら誰でも知ってるファミリーマートの入店音の作曲者であった。DPZのこちらの記事に詳しい。動画も必見。つまりあの曲は、かつてヤマハの嘱託で作った呼び鈴音らしい。その呼び鈴をファミリーマートが採用して、全店舗に導入した。もしファミリーマートからの委託制作で印税契約をしてたら、イナダミホさんはスタインウェイで「オルゴール」を歌ってたかもしれないな。
 細馬宏通さんはChuck Berryを語る切り口も新しい。矢野顕子さんの素晴らしいドキュメント、「ピアノが愛した女」のトークショーにのんちゃんが登壇した。彼女の作品を観たり、書評を読んだりすると、本質を捉える力に驚かされる。音楽評もして欲しい。

平野啓一郎さん「私もそんなにヒマではないが、『どうでもいい』と思った瞬間に民主主義はおしまいである」。安倍晋三の悪事の数々に僕たちは慣れ、疲れ果ててる。このままでは社会は崩壊する。
 久しぶりに読書しながらゴロゴロ、某アルファツイッタラーの本を読んだらつまんなかった。140字が限界の文才ってあるな。

3月26日 あめつぶ

The Residents@BLUE NOTE東京へ。BLUE NOTEは2度め、実家から徒歩圏内なのに緊張するな。Residentsは前衛芸術のユニット。メンバーはみんな匿名で、かぶりものをして人前に出る。メディアアートの先駆者でもある。
 案内されたのは桟敷席。眼の前に照明とスピーカー、真下に楽器がよく見えたのは嬉しい誤算だった。有名な眼玉のかぶりものじゃなくて、全身タイツに鳥のお面をかぶったメンバーが登場。面白かった!! フリークショー (見世物小屋) だね。キュートでチープで胡散臭くて哀愁が漂って。際物なのに演奏力があるのも意外だった。ボーカル氏のステップが可愛いかった。もっとこう、一分の隙もないようなショーを観せられるのかと思ってたけど、これくらいがちょうどいい。

その翌日は一転してわたしのねがいごと。の初の全国流通盤 "あめつぶ" のリリースイベントへ。
 最初に登場したafloat storageは、胸の奥がきゅっとするような女性ボーカルが素晴らしい。ねこね、こねこね。は、バンド名のイメージとは違ってタフなバンド。不思議ちゃんなボーカルに名前の秘密が隠れてるのかな。わたねがはたぶん初めてのバンド編成。それでも確かにわたねがの世界だった。ろみさんは全身に吸い込んだ空気を音の花に変える素晴らしいボーカリスト。ひかるさんとちほこさんは屈託のない笑顔と確かな演奏でそれに応える。"あめつぶ" いい曲で、もう話もできないくらい売れちゃって欲しい。そういえば前は全然オッケーだった一緒の写真撮影も、今回はごめんなさいだった。大きな事務所に入ったかな? 月見ル君想フでのワンマンも発表された。

病状は相変わらずよろしくない。気圧が低かったでも何かあったでもなく、頭ん中がもじゃもじゃして布団にこもる。前の日記に1日30分の散歩をするって書いたけど、当然できてないし出来る気もしてないよ。訪問看護師さんには、まず毎日着替えること。散歩は5分からでいいですよって言ってもらえた。来週誕生日であることをさり気なくアピールした。って日記に書くことで、読んでくださってるみなさんにもさり気なくアピールした。3月30日。さんさんまるだよ。
 ゴミ屋敷と化してた部屋。綺麗好きなはずの猫たちがゴミの山の上を渡ってきて、お話してくれたり甘えてくれたりする。いろいろごめんな、の気持ちでゴミ拾いと大掃除をした。はぁっはぁっ...いっぱい出たね (ゴミ袋80リットル11個) 。猫が喜んでくれたのが嬉しいよ。すまんかった、ほんとにすまんかった。

森友学園の籠池氏の証人喚問は、予想に反して政府と学園の癒着を明らかにするものだった。籠池氏の好感度が上がってる印象だけど、そもそも頭のおかしい学校を作って虐待疑惑もあって、お友達から裏切られたが故の告白であることは忘れないでおこう。解明がなかなか進まないのは政府側が「記録がない」と言い張ってるからで、資料は破棄したし携帯は水没したし、都合よくなんでもなくなるもんだな。世界はどう見てるのか。リベラシオン誌の記事の翻訳を。
 問題はそれだけじゃない。名前を変えた「共謀罪」法案が、安倍首相の欧州訪問で不在の中、閣議決定された。「閣議は、内閣総理大臣がこれを、主宰する。この場合において、内閣総理大臣は、内閣の重要政策に関する基本的な方針その他の案件を発議することができる (内閣法4条) 」。その原則を覆してでも通したかった。

道徳の教科書の検定で、「国や郷土を愛する態度を学ぶ」って視点で、パン屋さんが和菓子屋さんに、おじさんがおじいさんに、アスレチックが和楽器に修正された。パンを和菓子に、はツイッターで大喜利にまで発展した。大喜利に乗った小田嶋隆さんは、「ひとつの国家が狂って行く過程は、こういう一見些細な部分から顕在化しはじめるものなのかもしれない」って指摘した。
 日本の科学研究が失速してる。日本の高等教育の方針が近視的になって、将来を見据えてないことが指摘されてきた。この5年間で中国の著者による論文が48%、イギリスの論文が17%伸びた中で、日本の論文数は8%減ったそうだ。ネイチャー誌「日本は長年にわたって世界の第一線で活躍してきた。だが01年以降、科学への投資が停滞しており、高品質の研究を生み出す能力に悪影響が現れている」。

エレクトリックリボンに3人の新メンバーが加入して、6人体制になった。新体制での初ライブには、ボンクラさんから新メンバーに、加入してくれてありがとうの大きな花と、旧メンバーにものすごく小さな花が贈られた。こういう彼らのジョークが好きだ。で、その新体制でのシングル "Twinkle in you" と、カップリングの "春色ドロップ" "アイライン2017" を、ぜんぶあーたさんが手掛けた。両方のファンとしてはすごーく嬉しい。早く聴きたい。
 先月観に行った鈴木慶一さんと長門芳郎さんの対談が記事になった。岡崎京子さんの傑作「リバーズ・エッジ」が行定勲監督の手で実写化される。原作の時代感をいまの空気にどう寄せてくのかな。「www」ってタイピングしたときの表情が相手に送信されるデバイス。DPZのこういうセンスは好きだし、藤原麻里菜さん注目だ。

3月28日 SIDE-A おじさんシンドローム -もうすぐ誕生日アピール-

僕が若い頃、こんなコミックソングがあった。山本正之さんの「おじさんシンドローム」。1988年のリリースだからいまのおじさん像とはだいぶ違うけど。
 当時、僕は16歳の少年だった。とっても遠い世界のジョークだと思ってた。2017年3月30日、僕は45歳になる。歌に出てくる「五十に手が届く淋しいおじさん」に、自分がなってしまうなんて夢にも思わなかった。おじさんが「でも心は17歳」なんて言うの、まじで気持ち悪かった。でもこれ、ほんとなんだ。精神年齢は17歳から成長しないまま、年月だけが過ぎていった。特に僕は27歳で病気になって、社会から隔離されたまま17年が過ぎた。45歳の社会性は持ち合わせてない。もっと驚くべきは、この歌にでてくるように、「五十に手が届く淋しいおじさん」になっても女の子が好きだってことだ。

おじさんシンドローム
作詞・作曲 : 山本正之

ランララランおじさん ランララランおじさん
 「ああ今日もくたびれたなぁ」
おじさんが見ています 私の胸のふくらみを
おじさんが聞いてます 私の甘い息遣い
おじさんが嗅いでます 私の髪のシャンプーを
おじさんが触れてます 私のミニのスカアトに
 ダンスをしましょう ツイストぐらいなら
 海外旅行する? ラバウルがいいね
会社に行けば頭下げ 家に帰れば邪魔にされ
昼飯はもりそば ネクタイは三本だけ もうすぐ年寄り
 五十に手が届く 淋しいおじさんに
 夢を抱かせて ハンバーグステーキおごるから

ランララランおじさん ランララランおじさん
 「ああいやになっちゃったなぁ」
おじさんの観る映画 ポルノ・チャンバラ・リバイバル
おじさんの歌う歌 演歌・デュエット・マイウェイ
おじさんのあの匂い 油・ニコチン・とうがらし
おじさんのあのファッション 黒い靴下・つまようじ
 電話していいかな 上野で会いましょう
 乙女座のA型? おじさんと同じ!
吊革にぶら下がり メガネがずり落ちて
スポーツ新聞の エッチなページ読みふける もうすぐ年寄り
 若さが消えてゆく 淋しいおじさんに
 君をちょうだい ハンカチーフを買ったげる

当時、山本正之さんは36歳。「逃げるは恥だが役に立つ」のゆりちゃんの名言を思い出す。
 「あなたはずいぶんと自分の若さに価値を見い出しているのね。私が虚しさを感じることがあるとすれば、あなたと同じように感じている女性がこの国にはたくさんいるということ。今あなたが価値がないと切り捨てたものは、この先あなたが向かっていく未来でもあるのよ。自分がバカにしていたものに自分がなる。それって、辛いんじゃないかな。私たちのまわりにはね、たくさんの呪いがあるの。あなたが感じているのもそのひとつ。自分に呪いをかけないで。そんな恐ろしい呪いからはさっさと逃げてしまいなさい」。

明後日、僕は45歳になります。

日々の暮らしをSIDE-Bに。

3月28日 SIDE-B ポイする神あればヒョイする神あり

寒気が戻ってきた。気圧差も酷い。ここ数日は病状が悪かった。メイがこれで頭をコリコリして欲しいって持ってきた。コリコリ。抱きしめて温まる。チャイはちゅーしてくれそうでしてくれなかった。いつの間にそんな駆け引きを覚えたんだ。窓の外の雪を眺めながら「風呂はいるのめんどくせー」で硬直したまま1時間。サラリーマン時代は起きて20分で、風呂入って着替えて飯食って出てたんだぜ。
 日曜日はMetrotron Recordsのイベントを予約して、やっぱり行けなかった。お世話になったミュージシャンや大好きなミュージシャンがたくさん出演してただけに、残念だし申し訳ない。行きたいライブ、映画、演劇、美術展、トークショー、ワークショップ...いっぱいいっぱいある。時間もそれなりにある。病気で行けないのが辛い。

今日はカウンセリング。病院は薬もらうだけ、相談はカウンセリングにわけてる。大学の心理学科の実習を兼ねてるんで、ものすごく安い。毎日でも話したいことがあるのに2週連続でやすんじゃって、3週間ぶりだ。ここ3週間で起きたこと、考えたことをマシンガンみたいに話した。カウンセラーさん圧倒されてた。
 4月から箱庭療法を受けることになった。なにがでてくるだろう。暗黒面がどろどろ出てくるかも知れない。抑圧してる部分はいっぱいあると思う。田中圭一さんの「うつヌケ」を買ったんだけど、ページを捲るのも億劫でまだ読んでない。田中さんのインタビューによると、子どもの頃の苦しい思いを心に閉じ込めてるケースがおおいらしい。すごーく当てはまる。箱庭療法が脱出のきっかけになれば。

その足で美容院へ。鏡の前に座るたびに自分の醜さにびっくりする。三重あご、ムーミンみたいな腹。屈辱だ。デブは薬の副作用で、昔は危険なくらい痩せてた。デブが闘ってるのは基礎代謝でも有酸素運動でも炭水化物でもない。デブは常に理不尽と闘ってる。いまでも自分像は塗り替えられない。縮毛矯正、カラーリング、カットで4時間。美容師さんも疲れただろうけど客も疲れるレベル。
 夜、何年ぶりかの激しい不安感で飛び起きた。なんでこんなことになったのかわからない。根拠のない不安だから鬱病なんだけど。水を飲んで腹式呼吸して。たまたまタイムラインに精神病の経験がある人が起きててくれたんで、話しかけただけでだいぶ落ち着いた。独りで病気はほんと無理!! 誰かと抱きしめたり抱きしめられたりしたい、っていうのは宇宙飛行士になりたいくらい遠い願望として。

小田嶋隆さん「佐川理財局長の『文書は廃棄した』『個別に確認はしない』という答弁は『無責任だ』『役人根性だ』と言われているが、むしろ彼は『何らかの責任を負って』『公務員生命を賭して』( ←違法な文書廃棄を自ら告白) 答弁している。つまりクビを賭けても隠さねばならない秘密があるということだよ」。僕もそう思う。どうしても入ってくるネトウヨの汚い言葉たち。衰退する国で自我を保てない人々の苦悩だろう。哀れだ。虚構新聞「道徳力、日本は13位に低下」虚構新聞とほかの新聞の区別がつかなくなってきた。
 いま国連で史上初の「核兵器を禁止する条約」のための交渉会議が行われてる。この条約に、日本政府は「反対」の立場を表明してる。唯一の被爆国である日本はアメリカの属国でもあり、アメリカが右って言うことを左って言うことはできない。

ツイッターであーたさんについて、先輩のつるうちはなさんがこんなことを言った。「自分を肯定する能力と、自分を省みて前進する能力と、人からの言葉を素直に受け取る能力と、なにもかも自分を愛せてないとできないことで、あーたは自分を愛することが標準装備で備わってる。とても健やかで美しい」。僕はあーたさんと知り合って間もないけど、完全に同意だ。音楽的な才能はもちろん、あーたさんご自身がとても清々しくて気持ちのいい方。
 Stevie Wonderが「Carpool Karaoke」って企画に参加した。最高か!! YouTubeを辿ってくうちにアイドルがカバーした "踊ろよフィッシュ" を発見した。いいじゃんかこれ。アイドルがカバーした往年のキラーチューンと言えば "だいすき" 、これもすごくいい。

やくざが仕切る日本の芸能界で、民放に出演できなかったのんちゃんが、声優としてではあるけどテレビ東京のアニメに出演した。CMもどんどんかかってる。このCM、傑作と思う
 ボリビアのジャングルで遭難して9日ぶりに救出された観光客が、飢えで苦しんでたら猿がやってきて、毎日果物を落として、水飲み場や隠れ家に連れてってくれたって話した。なんで人は動物たちみたいに優しく生きられないんだろうか。
 あんまり関係ないけど、うちの猫たち可愛いのにインスタでファボられない。おじさんと3人ぐらしで可愛さ持て余してる。もっと世界に広めたい。写真うまくなりたい。インスタのアカウントはここです。ツイッターのアカウントはここ

3月31日 ヨン十五の夜

3月30日で45歳になった。同じ誕生日の人は、ゴッホ、ゴヤ、ヴェルレーヌ、Eric Clapton、Tracy Chapman、Norah Jones、島倉千代子、幸せそうな人が1人もいないって毎年のように書いてきた。今年気づいたのは、なんとEric Idleが同じ誕生日なんだ。彼はなんだか幸せそう。これからの目標にしたい。
 相変わらず体調が悪い。素敵過ぎる訪問看護師さんと、写真や演劇の話をした。医者に行った。猫にちゅーしたら鼻水ついてきた。モスバーガーからの誕生日おめでとうメールは、何かのクーポンかと思ったらほんとにおめでとうだけだった。ネイサンというのはカツオがサザエさんを呼んでるわけではないのだな。右側から雨の音、左側から猫のいびき。ウグイスが鳴いた。そんな日々。

29日はエレクトリックリボン@渋谷NO STYLE。エリボンは3人体制から新メンバー3人が加入して、一気に6人体制になった。それにあわせてあーたさん作の新曲2曲が発表された。新体制の初ライブは行けなかったんで、この日どうしても観たかった。
 NO STYLEは初めてのライブハウス。小さい小屋にぎゅうぎゅうのファン。どうしちゃったんだ。エリボンのライブは、マネージャーIさんが客入れの音楽を選んでるのも楽しみのひとつ。Chapterhouseの "Pearl" って曲が気に入った。そうこうしてるうちにライブ開始。あら出囃子も変わったんだ。のっけから新曲 "Twinkle in you" "春色ドロップ" を披露した。あーた印の名曲だ。オタさんの圧がいつになく凄かったんで聴き取りにくいのと、僕の指が映っててごめん。

新メンバーのyuは、前からアイドル経験があって、ericaと2トップを張れる即戦力。aoiはちょっと緊張気味。そのぶん伸びしろを感じた。airiは最年少の美形キャラ。やっぱり緊張してたのかな。先輩たちが、安心したお姉さんの顔つきだったのが微笑ましかった。ericaとpippiはエリボンの顔。nagisa成長したなって、終演後の飲み会でも上から目線で (オタ目線で) 話題になった。ちゃんとエリボンの素晴らしさをキープしつつ、新メンバーがどんなキャラをつけてくるのか将来が楽しみだ。きっと世の中に発見されると思ってる。全員とチェキを撮った。新メンはまだちょっと緊張してるな (僕が!!) 。
 ところでエリボン観る前に、せっかく渋谷に行ったんで、新しいジーンズ (激太り対応) と大量のレコーヨを買った。激太りは薬の副作用なんだけど、いつか元に戻って古いジーンズ履きたい。

ところで猫の死因の1位は腎臓病だ。最近猫用の腎臓病の薬が開発されて、こんどは早期発見の検診が始まった。アイデックスのSDMAという。うちの猫たちもいい歳なんで受けさせよう。
 懐かしいポケモンGO、いまだに熱心なファンがいるらしい。自殺の名所 東尋坊にレアなポケモンが出るとかでファンが集結して、今年はまだ自殺者がゼロらしい。明和電機の「魚コードUSB」の海賊版が出た。社長が買い占めてオフィシャル販売した。片渕須直監督の「今日のすずさん」がだんだん不穏な空気になってきた。8月が近づいているのだ。毎朝ツイートされるところにすずさんを感じる。好きな女優さんのInstagramをいっぱいフォローした。エッグベネディクトとかどうでもいいから自撮りをいっぱいアップしますように。

政権、籠池氏証言打ち消しに躍起 異例の告発言及政府側が発言するのは慎重であるべきだ。政府に都合の悪いことを言ったら政府が偽証罪で告発して懲らしめるのかという誤解を招く」。森友学園問題は始めは数億円の事件だったけど、そこから芋づるででてくる話は、戦後最悪の政権の腐った根っこに通じてるかも知れないな。
 教育勅語東京オリンピックツタヤ図書館過労問題、今週もいろんな問題が噴出した。外国人記者が見た震災後6年の歩み日本が国のあり方を見直さないことに大きな失望を感じる」。僕もできればこんな話は書きたくない。後藤正文さんが長いツイートをした。「このまま政治や社会に無関心でいたら、本当に信じられないくらいの高い代償が待っている」けど「それを言葉にするのは難しい」「そういう場合にこそ、身体がある」。つまり歌に通じてるってこと。

Peter Hookのインタビューが面白かった。半生からいま思うことまで語り尽くしてる。Shaking Chainsの、再生するたびに違うMVを生成するサイト。YouTubeをキーワードでググって映像を抜き出してるっぽい。古い洗濯機が刻むポリリズム。サンプリングしたいくらいかっこいい。テンションもセブンスも和声理論もなんにもなしで、ハリウッド映画音楽っぽい曲を作る方法Chuck Berryの遺作から "Big Boys" 。イイ!! けど彼は60年これだけをやってたんだな。
 tofubeatsのニューアルバムにsugar meさんが参加してる。Corneliusが10年半ぶりにアルバムを出す。Amazonの山を開けたら、最終回に感動した勢いでポチった「逃げるは恥だが役に立つ」のDVDが出てきた。逃げ恥は面白くてガッキーは可愛くて、毎週ときめいて観てたんだけど、DVDで観るかなあこれ。