DIARY 2018年5月


5月6日 いつか悲しみで胸がいっぱいでも

ライブ充が続いてる。Nick Lowe小沢健二さん、今週観たライブは一生の想い出になるだろう。Mix-CDも作ってる。その反動で寝込んだりね。

1日はマッサージを予約してたのに行けなかった。腕がしびれたり頭痛がするほどの肩こりなんで、行きたかった...。

夜はNick Lowe@Billbord Live Tokyoへ。僕が今までに観たアコギの弾き語りライブで一番興奮したのは、数年前のFUJI ROCKでのNick Loweなんだよね。この日も弾き語りのライブ。かっこよかった!! お客さんがかしこまってたんで空気的に大興奮ってわけでもなかったけど、演奏のクオリティは負けてなかった。
 アコギ1本であのグルーヴ感。体中から沸き起こるうねりは、ベーシスト出身ならではなのかな。基本ストロークだけでそんなに難しいことはしてないと思う。低音を聴かせるプレイとカッティングのキレの良さに、こっちも体がゆれた。

Cruel to Be Kind” 、“(What's So Funny 'Bout) Peace, Love, and Understanding” ヒット曲ぜんぶやって、新曲は久しぶりにロケンロールな感じ。やっぱり曲がいいな!! アンコールではRockpile時代の “When I Write the Book” でコールアンドレスポンスさせる無茶振り、最後はまさかの “Alison” カバー。
 白髪のおじいちゃんなのにキュートで甘酸っぱかった。店頭ではあっという間に売り切れたEP買えた。ほくほく。また楽屋脇の安い席だったんで、ハイタッチしてもらった。嬉しいなあ。アコギ弾き語りしてる人、こういうライブ観て打ちのめされてほしいけど、どうせゆずとか好きなんでしょ。

2日。猫がすやすや寝てるけど、パパはそのシーツを洗濯したいよ。
 美人女子大生カウンセラーさんと楽しいお話。発達障害者として、オリンピックじゃなくてパラリンピックを目指すって話をした。社会復帰じゃなくて生き続けることを最初の目標に設定する。あとは、表現文化を侮辱する人への想いであるとか、フウセンカズラをみんなに配ってるのは、できれば育てて僕を思い出して欲しい気持ちがあるんだとか、痩せたいですねって話も。太ってるのは病気の影響が大きいんだけど、自己管理ができてない人に見えるよね。自分で鏡を見てもうんざりするし、このルックスで何を言っても説得力がない。それから「成功を決めるのは『才能』でなく『運』」って話も。

これは人生の汚点なんだけど、何かの間違いでお坊ちゃま小学校を卒業して、同級生からメールが来る。彼らの周りには精神を病んでる人なんていないんだろう。病気についても孤独についてもピントの外れ具合が半端ない。安倍や麻生と話してるみたい。
 「家族はいたらいたで鬱陶しいよ、独りが羨ましいよ」っていう彼は、例えば足のない人に、「歩くと疲れるしたまにつるし足って面倒だよ、車椅子は楽そうだな」とでも言うんだろう。「孤独」についてわかって貰えたのは、辞められた訪問看護師さんだけ。カウンセラーさんには、実感はなくてもプロの知識としてわかって貰ってる。

精神の病気は無理解と偏見との闘いでもあり、わからない人にいくら説明してもわからない。猫といちゃいちゃしてるとほんと癒される。

3日は小沢健二@武道館へ。子供から同世代ちょっと上くらいまで幅広い客層が集まって、僕の席はなんとステージの真裏。ある意味一番近い。
 真っ暗闇を切り裂くオルガンの単音、それに乗せたオザケンの語り、やがてカウントダウンから ”アルペジオ” の狂騒へ。管弦楽含む36人編成のファンク、週に何本もライブ観て年に何本もフェス行って、ここまで感激するのは数年に1度のことだ。こんなにあったかくて甘酸っぱくて力強いライブがあっただろうか。多幸感でしばらく言葉にならなかった。夢が醒めないうちに、ひとつひとつ記録しておこう。

まず特筆するべきは満島ひかりさんが全編に登場して、事実上の2トップだったこと。時にデュエット、時にハーモニー、時に女優の顔を観せてライブの演出を彩った。
 バンド含めて男女が半々だった。「『女子!』って言ったら女子の気分の人、『男子!』って言ったら男子の気分の人が歌ってください」っていうジェンダーへの配慮からしてすごい。オザケンはやっぱり根本的に頭の回転が早くて察する力が強い方だ。さりげない復活劇も、それからどんどん若返っていく様も、ぜんぶが美しいストーリーで。

演奏は最近のナンバーと、”LIFE” 期からヒットを連続していたファンク期の曲が中心。1stからは1曲も、”天使たちのシーン” もやらなかった。そういえば “今夜はブギーバック” もやらなかったな。"さよならなんて云えないよ" も、3rdからもなかった。
 甘くハッピーな代表曲 “ラブリー” には「Life Is Coming Back」ってフレーズが頻出して、つまり人生が無のような時代があったことを彷彿とさせるし、「いつか悲しみで胸がいっぱいでも」ってフレーズで、これからもそんな時代が来る可能性を示唆してる。あの “東京恋愛専科” にだって「過去も未来も忘れてたいよ」ってフレーズがある。

"ぼくらが旅に出る理由" では、いっとき封印してた "You Can Call Me Al" のフレーズが復活して、ひかりさんがPVを再現してみせた。「雨が降ってきた。野外だからしょうがないね。みんなは知らないと思うけど、ここに昔は武道館って建物があったんだって。燃やされちゃっていまは空が見える」ってMCのあと、“いちょう並木のセレナーデ” ではシャボン玉の雨と虹の中を、ひかりさんと相合傘で座っての演奏。”いちごが染まる” ではひかりさんがオザケンを蛍光テープで包み込んで守るような演出。
 そして2人は時に鏡を掲げて、会場に虹をかけてみせた。みんな虹のライトを振って、ほんとうに星の野外みたいだった。ステージ裏の席からは観客席が見渡せて、みんなが心の一番奥にオザケンを持ってるのが伝わった気がした。

30分にも及ぶヒットメドレーのあと、ますますファンキーになった “強い気持ち・強い愛” 、ひかりさんがギターを掻き鳴らす “ある光” から “流動体について” への流れは圧巻のパフォーマンス。この2曲は、20年の時を隔てた対の歌であることに気づいた。
 アンコールは “流星ビバップ” から。“ドアをノックするのは誰だ?” でみんな踊って、”春にして君を想う” は、緩やかなリズムに乗せて2人が甘いステップを踏んだ。正面から観てた方によると、ひかりさんが感極まって泣き出しそうだったって。そして1曲目と対になるように、”アルペジオ” で終演。

「コンサートは終わって、みんな何事もなかったかのようにマスに飲まれて行くんです。カウントダウンで始まったこのライブ、カウントダウンで終わらせよう」。
 音楽は日常にあるべきで、だからライブの狂騒を終えてたかがカウントダウンで日常に戻って、やがて次のライブにつながって行くんだよってメッセージだと受け取った。だからカウントダウンのあとダブルアンコールがあって "フクロウの声が聞こえる" を演奏して、「こういう日常もあるってことです」って言ったんだ。

アンコールの時に、ひかりさんにオザケンが話を振った。「私はオザケン世代じゃないんで、曲を覚えるのが大変でした。BOSEさんが『俺が女の子だったらオザケンの隣で歌いたい』って仰ってて、お客さんに生卵でもぶつけられるかひやひやしてたけど、暖かく迎えてくれてよかったです」って。それに対してオザケンは、「世代なんて広告が捏造した嘘!! フクロウの声が届く範囲が僕のオーディエンスです」って応えた。
 このやり取りを、オザケンがひかりさんをディスったって受け取った人がいたみたい。なにを観てたんだろうか。

終演直後にオザケンのサイトが更新されて、「満島さんとは過去半年近く、一緒に魂を削って、長い話をし、お互いに尊敬を持って、作業をしてきました」「ということを、ひかりさんは書かなくていいよと言っていましたが、書いておきます!」と。
 世代については、僕も開演前に「若い世代はドアノックダンス知ってるかな?」ってツイートをした。実際僕の方が最近の曲のダンスがわからなかった。隣の若い女性が全曲振り入ってて、ぜんぶ真似した。終演後にありがとうを言いたかった。

翌日もオザケンのライブに行きたくなった。更地になって色とりどりの星が輝く武道館跡地で、みんなが待ってる気がしたんだ。
 興奮のまま帰宅して、そのテンションで徹夜でMix-CD作りの作業をした。新しい名刺代わりになる雨をテーマにしたCDと、それからいまみなさんに配ってる月をテーマにしたCDを、大きく変更したいなって思ってる。音楽と猫、音楽と猫だ。それが4日。

5日は田中ミズホ@赤坂CLUB Tenjikuへ。イベントの傾向的に、”Week Point” みたいな影のある曲は歌わないで、久しぶりに明るくて元気な田中!! モードのライブだった。主催者のみつつきさんと、”Country Road” を日本語で歌う一幕も。
 そんな中で、オフマイクの力強いアカペラから入るソウルバラード ”帰る場所” は、今後の田中の音楽性を方向づけるだろう。歌もギターもどんどんよくなってる。ギターは苦手って公言してたけど、実は黙々と練習してるはず。ハーモニクス奏法に挑戦したりして、そこまでいくと楽器の面白さに取り憑かれちゃうんじゃないかな。

田中はふとしたきっかけで売れると思ってる。発見されちゃったらあっという間だ。もちろんさっき書いた通り、才能より運の要素が強いんだけど、田中は引きも持ってる。僕が売れると思ったら、古くはスピッツキリンジから、最近ではCHAIあっこゴリラさんみたいに、本当に売れるんである。僕は好きだけど売れないだろうなってバンドは、水曜日のカンパネラスカートみたいにたまに売れたりもするけど、売れなくても音楽は辞めない。自分のペースでちゃんと続けてる。
 田中、売れても僕たちのこと忘れないでくれよな。

ハーフタイムショーは、ベーコンさんのディズニーモノマネ。映画のセリフや歌はもちろん、ディズニーランドの会場アナウンスまで見事にまねる。圧巻はみつつきさんとの共演。2人とも上手い。歌声もセリフもタイミングもばっちりで、とても2人で演じてるなんて思えない、何人もの登場人物の顔が見えた。
 みつつきさんはバンド編成。屈託のないJ-POPで僕とは遠い音楽だけど、楽曲も演奏も素晴らしかった。今度はみつつきさんの影の部分を観てみたい。みつつきさんお手製のタコライスも美味かった。

酔っ払って、うんちくを語りそうになった。最近多い。老害だ。気をつけよう。ひとつだけ、「太陽に吠えろ!」ってイベント名だったのに、ドラマ「太陽にほえろ!」の音楽を担当した井上堯之さんが亡くなったことを、これだけミュージシャンがいながら誰も触れなかった不思議については喋ってしまった。だってこの日の僕のタイムラインは、井上さんの話題で悲しみに包まれてたから。
 それからほかの出演者について、いらんことをツイートして消したり。音楽は嗜好品だ、そういうのやりたければやればいい。

今日、6日はSqueezeのライブに行く予定だったのに、過集中の反動と疲労で動けなかった。初めてライブハウス (Billboard Live) から、キャンセルの確認の電話がきた。観たかったな...。そんで超布団干し日和だった。明日から雨だ。
 Margo Guryanに、「日本の有名なボーカルグループNegiccoが、ライブの客入れにあなたの音楽を使ってました。Negiccoの音楽も素晴らしいです」って “愛は光” のMVのURL送ったら、「Very nice! Pretty.」ってコメントと一緒に拡散してくれた!! 客入れのセットリストはある。世界中のミュージシャンに勝手にNegiccoをプロモーションしようか。

僕の大好きなフィリップ・ドゥクフレ新作短編集が上演される。
 フェルメール展やるのか。行きたいけど死ぬほど混むだろうな。横浜美術館のヌード展が、極めて優れたキュレーションで見応えあるそうだ。問題はうちから横浜まで電車で遠いこと。こういう病気をしてるとね、電車は辛いのだ。

中韓首脳電話協議 : 南北終戦へ協力で一致」。「韓国の文在寅大統領と中国の習近平国家主席は4日、板門店宣言に基づき、年内に朝鮮戦争終結を宣言し、休戦協定を平和協定に転換する過程で緊密に連絡し合い、協力することで一致した」。
 すごいなどんどん話が進んでる。

それに比べて日本のポンコツどもは。「内閣府サイト ヘイトスピーチや誹謗中傷野放し」。中にはこういう意見もあるって言い訳だったけど、それなら「地球はもう宇宙人に侵略されてる」的な意見も来てるはずだから載せなよ。「フランスの2倍以上働く日本の男性労働者」。安倍政権になってからの劣化がヤバい。「日本のSNSでヘイト拡散が止まらないわけ」。TwitterJPの中の人が差別主義者なのはみんな気づいてた。
 「麻生財務相『セクハラ罪という罪はない、殺人とは違う』」。これ、慰安婦像撤去騒動が起きたマニラでの発言だ。セクハラ罪はなくても強要罪、名誉毀損罪、侮辱罪に当たる。恋愛やセックスって相手が喜ぶ顔がみたいもんでしょ。セクハラする気持ちがわからない。けど無意識のうちにしてる危険性は意識しないと。

一方で、マスコミからも東京五輪返上の声があがってきた。夏の日本でオリンピックやったら熱中症でたくさん死者が出るし、「返上となると、1000億円単位の違約金が発生する。でも、2兆3兆という巨額の予算と比較すれば、安いもの」。
 憲法9条の発案者、幣原喜重郎さんの遺した原稿が見つかった。押し付けの憲法だから改正しようってほざくネトウヨには致命傷。「9条に戦争放棄と軍備全廃を明文化したことで、国力を平和産業の発達と科学文化の振興に振り向けられる」。

米ギター老舗ギブソン、破産申請」。急にギブソンが買えなくなっちゃう訳ではなさそう。ギターは作りつつ、サイドビジネスを整理して経営の立て直しを図る。
 「SHUREがフォノカートリッジから撤退」。レコード再評価の波に乗れなかったかな。カセットも再評価の動きがある。「失われた技術になるオートリバース」。なんと、どこのうちにもあったオートリバースがもう作れないんだって。

Dirty Projectorsが新曲 “Break-Thru” を公開した。Childish Gambinoが新曲 “This Is America” を公開した。この2曲はもう最強だね。Robert Glasperの新プロジェクトR+R=NOWが新曲 “Change Of Tone” を公開した。彼はいくつユニットを掛け持ちしてるんだ。Snow Patrolが新曲 “What If This Is All The Love You Ever Get?” を公開した。New OrderDevoのメンバーが参加してるShadow Partyが新曲 “Celebrate” を公開した。おっさんホイホイだ。Florence + The Machineが新曲 “Hunger” を公開した。Ray Daviesが新曲 “Our Country” を公開した。
 David Byrne最近のお気に入りポップスリストを公開した。いかにも彼らしいセレクト。BonoboDJセットが公開された。おお、これが今の音って感じで気持ちいい。ドライブ向けのHermeto Pascoalのプレイリストが公開された。その発想が頭おかしい。Buffalo Springfieldのボックスセットがリリースされる。Graham Nashがベスト+デモ集をリリースする。Chris Rainbowの “White Trails” がデラックスバージョンで再発される。
 Brian Wilsonが背中の病気のためにツアーを延期する。あの猫背と関係あるんだろうか。Brian Wilson BandにおけるBrian Wilsonは象徴であり、Count Basie OrchestraにCount Basieがいないように、いなくても音楽的には成立するのだよね。いやいや手術が成功して復帰してくれることを祈ってるよ。

日記でも触れたけど、井上堯之さんが亡くなった。The Spidersのギタリスト、解散後は沢田研二さん、萩原健一のツインボーカルバンドPYGを率いて、沢田研二さんがソロへ、萩原健一さんが俳優に転身したら、井上堯之バンドとして沢田さんのレコーディングやツアーに参加して、萩原さんの出演する映画やドラマの音楽を担当した。映画「火宅の人」で日本アカデミー賞最優秀音楽賞、近藤真彦さんに提供した “愚か者” でレコード大賞を受賞した。功績は計り知れない。残念です。
 細野晴臣さんがロンドン公演をする。Negiccoがライブアルバムをリリースする。カラオケじゃなくて生バンドでライブするから意味があるわけだ。

5月13日 陰湿なYou, 発達障害のMe

楽しいことと傷つくことと。

ネトウヨがネット私刑のノリで弁護士に集団懲戒請求をして、弁護士から反撃を食らって尻尾を巻いた。これは相手が弁護士だからできた対応で、差別を受けている外国籍の方々やマイノリティの方々だったらと思うと怖い。
 その差別はメンヘラ (笑) にも向けられる。メンタルヘルスは「性格」ではなく脳という臓器の「病気」であり「障害」だ。「日本人の空気読まないと死ぬみたいなシステム」に病的な理由で馴染めずに、しばしばトラブルを起こす。これが例えば心臓や肝臓の病気だったりしても、嘲笑う人は嘲笑うのだろう。

6日の日記に、僕は何かの間違いでお坊ちゃま小学校を卒業して、同級生の人生には精神を病んでる人なんて縁がないから誤解が果てしないって書いた。同級生から、足がない人に「車椅子は羨ましい」とでも言うようなメールが届いた。僕の病状を自分の「スマホゲームへの誘惑」と同程度の苦悩にしか思ってない。あほか。あーほーか。
 で、彼のあまりにも脳天気な言葉の爆弾に対して僕の反応が大きかったことに、こんどは激昂のメールを送ってきた。もうなにも話すことはないよ。つくづく精神の病気は、無理解と偏見との闘いでもあるなと。

6日、7日はそんな訳で寝込んでた。暇そうに見えるだろうけど「闘病」に忙しいんだ。いい加減美容院いかなきゃ。めんどくさいな。髪、伸びなくていいのに。
 チャイが一通りお喋りして満足げな顔をしてる。よくお返事する犬猫の動画があるけど、うちはチャイが喋ってぼくがお返事するので動画になりたい。

8日。のんちゃんののんシガレッツ@渋谷CLUB QUATTROへ。
 初ワンマンなのにQUATTROはぎゅうぎゅうですごい熱気。客層は、のんちゃんに憧れるショートカット女子、朝ドラファンとおぼしき高齢の方々、若手女優が好きそうなオタクの方々。「ただいまお聴き頂いてるのは高橋幸宏+鈴木慶一The Beatniksの明日発売の『EXITENTIALIST A XIE XIE』です」のアナウンスが。あなた自分のアルバムも明日発売でしょう。スクリーンの裏からサウンドチェックが聴こえた。オタク「のんちゃんそこにいるのはわかってるんだぞ、さては落武者か?」...それを言うなら影武者だろう。

スクリーンに映像が流れて一気に落ちて、ライブのはじまりはじまり。岩崎なおみさん率いるのんシガレッツ、この日はトラでギター弓木英梨乃さん。のんちゃんのギターも声も力強くなって、間違いなくロックのライブだった。楽しさを爆発させてた。
 1人目の「スーパーヒーロー」高野寛さん。「初めてのんちゃんが人前で歌ったのはWorld Happinessで、盛りあがってるところに1曲だけゲストで入るって大変なことなんだけど、終わったあとのんちゃん『緊張した!!』じゃなくて『楽しかった!!』って」。「自分で言うのもなんだけど、いい曲が書けたと思います。ほかの方々もいい曲を書いてる、それはのんちゃんが引き出したんだよ」。ほんとにそうだと思った。

2人目の「スーパーヒーロー」大友良英さん。ロックスターだった。普段はブキャーみたいなノイズ音楽やってるのに。大友さんがアルバムに提供した曲も可愛らしいバラード。後ろが混んでること、子供さんがいることを気にして客をゆっくり誘導させて、でもMCは...内緒。「静かな老後を送りたいから」って。
 後日のツイートに、想いが綴られていた。「私にとっても大切な作品『あまちゃん』のことを話しにくい現状に思うことはあります。それだけに作品の立役者の彼女への感謝の意味もこめて、いい形で応援できればなんて思っていましたが、いやいや、一人の人間が大人になっていく姿に逆に打たれてます」。当日話したのもこんなお話。

のんちゃん自作の曲がやっぱり狂っててパンクで凄くいいな。この日の演奏でますますそう思った。アンコール中に情報が出た。次は全国ツアー、ファイナルは日比谷野音だって。「ツアーやるなら運転手になるよ」って言った大友さんは知ってたんだろうか。
 「本編でやりたいことはやり尽くしたのでアンコール用の曲がありません!!」。観客からのリクエストで “へーんなの” をもう1回演奏して大団円。再びスクリーンに流れた “わたしはベイベー” のMVが可愛い。生で観るのんちゃんは卒倒するくらいに可愛い。楽しかった。この日は寒かった。野良猫たちは寝床を見つけただろうか。

ところで小沢健二さんの熱心なファンをフォローしたら、ほんとにオザケンのことしか話さない。恋愛は一途な方がいいけど、表現文化については歴史があり相乗作用があり、どんどん興味を広げてくのがいいよ。例えば音楽ならば、あるバンド、あるミュージシャン「だけ」に極端にのめり込んでる人を僕は信じない。
 あるミュージシャンを好きになるとする。じゃあ彼はどんな音楽を聴いてきたのか、このアルバムでプレイしてるミュージシャンはほかにどんな活動をしてるのか、そうやって芋づるで視野を広げていかないと、音楽の大海の存在に気づかないし、最初に好きになったミュージシャンの本質もつかめない。

そのミュージシャンが影響を受けたのが、本かも知れない。映画かも知れない。絵画かも知れない。生まれ育った環境かも知れない。って発想のない人が、「音楽に政治を持ち込むな」なんてトンチンカンなことを言い出す。

タイムラインに「ADHDの正しい理解のために」 って動画が流れてきた。最初についたコメントが「ここまでのやついるの?」だった。いるよ!! ここに!! まるで僕を撮ってるみたいだった。違うのは、僕には家族もなく、「ずっと辛かったんですね」って支援してくれる人に出会えないまま46歳になっちゃったことだ。

9日。階段を転げ落ち、ガムを踏みながらカウンセリングへ。そうか、カウンセラーさんだけが僕の理解者だ。もちろん相手はプロとして接してるわけだけど。
 結局いつも、表現文化への想いと、自身の孤独感について話してる。その2つが僕にとっての最重要課題で、救ってくれるのが猫と音楽 (と女の子) なんだろう。

ヌカタシと今季初そうめんを食べる約束をしてたんだけど、寒いんで今季ラスト鍋に変更した。AviciiBob DoroughNick LoweやのんちゃんやamiinAのレコードをかけた。もちろんThe Beatniksのアルバムも。
 アヴァンギャルドな1st、ポップな2ndの後は、印象に残らない作品が続いた。新譜非常にいい。慶一さんのカラーが強く出てる。のんちゃんの「1stアルバム、本日発売! ぜひ聴いてね~~! ビートニクスのアルバムも今日リリースです!」のツイートに胸アツ。 “シェー・シェー・シェー・DA・DA・DA・Yeah・Yeah・Yeah・Ya・Ya・Ya” のMVにもカメオ出演してる。

10日はMix CD作りの続き。いいのができそう。ガガッガッガッガガッガ (Mix CDを作るにあたって瀕死のCDレコーダー) 。5年使ったMacBookもそろそろしんどくて、新しいのを買ったきり、いまの作業を終えるまでは移行するのが怖くて早1ヶ月。
 猫たちがご機嫌。彼らが不機嫌なことはあんまりないがな。寒いんでいつにもましてギューってひっついて、3人で団子になった。

11日。The Beatniks@六本木EX THEATERへ。初めて行くライブハウス、六本木の地下にすごいもん作ったなあ。観客の年齢層の高さと硬直ぶりにちょっとひいた。独りで汗だくになるほど踊った。
 メンバーはギター永井聖一さん、キーボード堀江博久さん、砂原良徳さん、サックス矢口博康さん、ユーフォニウム権藤知彦さん、ベース高桑圭さん、ドラムス白根賢一さん。豪華すぎるし世代が広い。観てるお客さんは僕も含めお年寄り。もったいない。

幸宏さんが病みあがりでフルでドラムが叩けないせいか、割り振り的にボーカルに専念してた。”Common Man” “Left Bank” は慶一さんのボーカルで聴きたかったな。いまの慶一さんの歌い方の表情や色気が好き。セットリストは1st、2ndと新譜からが中心。その間の曲はたぶん2曲だけ。本編最後の3曲とアンコールは幸宏さんがドラムセットに向かい、白根さんとバキバキのツインドラムを披露した。素晴らしい演奏。満足した。特に白根さんのドラムスが、幸宏さんの演奏の癖を見事に再現してて笑った。
 会場で遭遇したヌカタシと、餃子を食べながら興奮気味にライブのお喋り。

のんちゃんのタイムラインをチェックしたら、この日は岐阜で「この世界の片隅に」の舞台挨拶なのか。公開から1年半たっても、監督も俳優も舞台挨拶に大忙し。すごいことだ。僕もこの映画でのんちゃんって表現者に深い関心を持ったわけだし。
 と思ったら、Beatniksとの3ショットに「かっこよかった。影からかっこよかった」ってツイートが来た。影っていうのは登場の演出で、つまり岐阜から駆けつけてフルで観たみたい。彼女の瑞々しい感性が、閉塞してる界隈に風穴を開けてくれないかしら。

ところでうちの猫たち、鼻くっつけてきて挨拶するんだけど、それって猫同士の作法でしょう。僕はなに? 君はだれ? いや別にいいんだけどさ。

12日。とあるインディーズ女性シンガーソングライターのライブに行った。そのライブハウスは、出演者の撮影許可をお店が確認したら、撮影パスを出して撮影できる仕組みだった。で、撮影パスを貰って演奏中に撮影してたら、となりの人が肘鉄してきた。偶然かなと思ったんだけど、舞台を凝視したまま執拗に肘鉄を繰り返してくる。
 この人は写真のシステムがわかってないのだ、でも本番中に説明できないじゃない。終演後に何か言ってくるかと思ったら何も言わない。抗議の仕方としては極めて陰湿だ。極めて陰湿だ。2回言った。終演後に出演者に状況を説明した。

僕が帰ったあと、出演者が肘鉄氏に説明してくれた。肘鉄氏はシャッター音が気になったと。僕はスマホを防水ケースに入れて、アップテンポな時に撮ったんで、そんなに気にならないだろうとも思いつつ、それならますます言ってくれなくちゃわからない。
 で、出演者がその経緯をブログに書いたら、肘鉄氏は有名なファンらしくて僕が全面的に悪いってコメントがだーっとついた。肘鉄にも傷ついたけど、コメントに深く傷ついた。離れていくのは僕、残るのはああいう陰湿な抗議の仕方ができるメンタルの持ち主である肘鉄氏だ。このあと欠席裁判で、僕は徹底的に断罪されるんだろう。

最近のライブハウス、くだらない。この日もトリの出演者が、前から決まっていた予定のために入り時間に間に合わなかったことに対して、本番中に客が喧嘩を売っていた。ライブハウスって場所に、音楽や表現文化に対する愛情と敬意がなくなった。“みんな同じ恋の歌ばっか つまんない” って歌ったのはCLOWさん。「その話LINEですればみたいなラブソングばっかり流行る」って言ったのは大友良英さん。そうなる背景がある。
 音楽家がどれだけ魂を削っても、彼女たちを疑似アイドル的なアプローチでブッキングするイベンターが増えた。ビジネスとしては安定する。その代わり客のレベルは落ちる。ライブハウスめぐり、CHAIを見つけたりしてなにかと面白かったんだよ。

今日13日。気持ちを切り替えてHermeto Pascoalのライブ楽しもうと思ってたんだけど...。前日のショックで酷い抑鬱状態に陥って、布団をかぶって動けなかった。
 ブラジルの奇才、御年81歳。去年も体調が悪くて観れなかったんだ。評判がよくてアンコール来日だった。さすがに来年はないだろう。結局観ることはかなわなかったか...。チケット代も痛いし人生の流れも痛い。Pascoal来日の記事

母の日おめでとうございました。あなたはもういないけど。あなたが亡くなった時、僕は号泣した。弟は「長男なのに無職だから泣いたの?」って聞いてきた。違います。弟が母に対して取った永遠の反抗期、晩年の母が不憫で泣いたのです。
 弟や肘鉄氏みたいなメンタルの持ち主が、人生を謳歌するのだろうな。いつか某イラストレーターとぶつかった時に、嘲笑した読者がいたね。あの件にもいろいろ事情があった。いまとなってはどうでもいい。僕はただ罵りの中で死んでいくのだろう。

青山ブックセンター六本木店が閉店する。美術書からマンガまでお世話になった。インターネットがなかった時代、店舗は貴重なメディアで、みんなABC→WAVE→シネヴィヴァンコースで文化を吸収した。僕の担当教授の本を特集したこともあった。パール兄弟の “六本木島” で、終電を逃した登場人物が立ち寄るブックストアは間違いなくABC。これからの六本木は何を発信するんだろう。強いていうなら森美術館か。
 あおい書店も閉店してブックファースト傘下になったんだよね。ABCはブックオフ傘下。東京の資本が地方の店舗を買収する時代はとっくに過ぎて、逆転現象が起きてる。

光州事件の実態を世界に伝えたドイツ人記者とタクシー運転手の実話を描いた映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」が話題になってる。ぜひ観たい。南京大虐殺のドキュメンタリー映画がアメリカで制作された。これも観たい。
 東京大学の生協が宇佐美圭司さんの壁画を廃棄したことについて謝罪した。メディアアートのパイオニア、山口勝弘さんが亡くなった。宮撫x監督のドキュメンタリーでのぼやき、「面倒くさいなあ」「まことに面倒くさいよね」「面倒くせえぞ」「何が面倒くさいって究極に面倒くさいよね」。超わかる。

北朝鮮が米国に警告、非核化の表明は『制裁の成果ではない』」。そして「23〜25日に核実験場廃棄 北朝鮮、爆破で坑道閉鎖」。どんどん話が進んでる。

翻って日本のポンコツども。「文書改ざん『どの組織でもありうる 個人の問題』麻生氏」。死人に口なし、自殺した近畿財務局職員に罪をなすりつけようとしてる。「『野党が執拗に求め作成』と投稿 不適切データで自民・橋本岳氏」。橋本岳、大学の後輩でよく遊んでたんだよね。橋本龍太郎の息子で、地盤を継いだ。腐りきったな。「暴言の統幕3等空佐を訓戒処分 懲戒処分は見送る」。これ自衛官が国会議員に暴言したわけで、文民統制で重要なのは軍人の政治介入を許さないことだ。
 「『子供産まねば人様の税金で老人ホーム』自民・加藤寛氏」。「人様の子どもの税金で老人ホームに行くことになる」と。例によって問題になってから「誤解を与えた事に対し、おわびします」と。自分は間違ってないけど誤解したバカがいるからと。

『社会が進歩するために、社会主義的な理念は重要な価値を持つ』に賛同した人が一番少ないのは圧倒的に日本」。理念を誤解してる人が多いってこともあるとは思う。「教育は無償であるべき」、「ベーシックインカム」、「無料の医療サービスは人権の1つ」、ぜんぶ圧倒的に最下位。権利とは何かってとこから勉強しないとダメだ。現状では我慢こそ美徳で、他人の権利も奪い去り、みんな不自由な社会を望んでる。
 日本が敗戦から立ち直ったのは日本人が優秀だったからじゃなくて、朝鮮特需やベトナム特需が重なっただけなのに、自分たちは優秀だと思い込んでる歪みについて指摘するツイートがあった。僕にもいろんな顔が目に浮かぶよ。

前回の日記で紹介したChildish Gambinoの “This Is America” でアメリカ中が大騒ぎになってる。Gotchさんの対訳と、表現についての想い。「こうしたビデオや楽曲を『スゲー!』だなんて言って消費したり、アメリカ社会と音楽との有り様や彼らの意図を考える前に、俺は率直に悔しい。日本のトップクリエイターがマスと向き合う現場で何を作っているのかと言えば、たったひとつ、コマーシャルだろう。販促物だ」。僕も何度も観たし対訳も読んだけど何も言えないよ。音楽としてはとても質が高い。
 The Beach Boysのボーカルトラックにロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏をかぶせたアルバムがリリースされる。Orbitalが新曲 “Tiny Foldable Cities” を公開した。Brian Enoのルーツを辿ったコンピがリリースされる。Computer Magicの未発表曲集がリリースされる。Robert Glasperの新バンドAugust Greeneが、テレビで “Black Kennedy” を演奏した。Free Soulから90年代の人気曲の7inchiが大量に出る。D'Angelo、Lenny Kravitz、The Cardigans、Erykah Badu...。Jonsiが中心になってアンビエントのプロジェクトが始動した。YouTubeはこちらNick Lowe土地にまつわるお気に入り曲のプレイリストを公開した。Rod Argent人生を変えた10枚を発表した。Princeエンジニアのインタビュー。「サウンドがアイディアに仕えるのであり、アイディアがサウンドに仕えるのではない」うむうむ。未発表曲がリリースされるそうだ。生前未発表だった音源は、発表するつもりがなかったから未発表なのではないか。ファンとして聴きたい心理はわかるけども。John MayerがデジタルでリリースしたシングルのクレジットをInstagramに公開した。クレジット大事。GoGo Penguinが来日する。「The Last Walz」のデジタルリマスター版が上映される。「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の続編が公開される。PIED PIPER DAYSの新しいコンピが発売される。監修・選曲はもちろん長門芳郎さん。

東海林修さんが亡くなった。60年代、洋楽のヒット曲を日本に輸入した頃に活躍したアレンジャーで、冨田勲さんと並ぶ日本のシンセサイザーのパイオニアだった。でも真っ先に思い出したのは、オフコースがぜんぜん売れなかった頃、東海林さんが作詞・作曲・編曲した “おさらば” って曲。聴けばすぐわかる、あの曲のパクリなのである。
 「おかあさんといっしょ」で谷川俊太郎さん作詞、細野晴臣さん作曲の “いるよ” がオンエアされる。CorneliusPatatapとのコラボサイトを公開した。キーボード操作で音と映像が変化する。そのCornelius、アメリカの音楽番組の司会者ジミー・ファロンと似てるって話題になってる。大野由美子さんを中心にしたユニットHello, Wendy!が新作をリリースする。「対談『のん×大友良英』音楽のこと、過去のこと、そして未来のこと」。のんちゃんの素晴らしさがここまで言語化されたのは初めて読んだな。CHAIの読み応えあるインタビュー。テレビで中学生が披露したオリジナル曲がすごすぎる。90年代だったら普通にメジャーからシングル切ってヒットしたと思う。彼にしろCHAIにしろのんちゃんにしろ、壁をぶち壊す若者を見るのがおじさんは大好きだ。おじさんも頑張る。

5月19日 春つらたん

新しいMix CDが出来た。雨の歌を集めた “RAIN falling on your cheeks” と、月の歌を集めた “life is simple in the MOONLIGHT 2.0” の2種類。名刺代わりになるいいCDが出来たと思ってる。これを住所を知ってる知人に送りつける。

僕に住所を教えてなくて、もし欲しい方がいらしたら、上の「CONTACT」からメールください。無料で差しあげます。もちろん住所をよそに流すことはしない。ただ僕から次のMix CDや年賀状やフウセンカズラの種が届く可能性が極めて高い。
 内容は上の「MIX CD」をクリックしてご覧ください。

雨のMix CDは15年くらい前にも作ったことがあって、半分くらい曲がかぶってる。月のMix CDも10年くらい前に作ったことがあって、半分以上曲がかぶってる。でもリマスター盤に差し替えたりエディットし直したり、全曲作り直した。
 どっちも誰も気づかないところで労作だ。

ほかに最近作ったCDとして、Talking Headsとメンバーソロを集めた4枚組、Beatlesの2枚組のリメイク、なんかがある。プレイリストじゃなくてCDにこだわってるのは、曲間や曲中を細かくエディットしてるからなんだ。シャッフルで聴かないで欲しい。
 載ってるMix CDは、ご連絡頂ければすべて無料で差しあげます。

高畑勲監督が亡くなったことは13日の日記に書いた。
 先日「お別れ会」があって、宮撫x監督が声を詰まらせながら追悼の挨拶をした。ここに全文ある。何度も読み返した。ものを造る人の覚悟と、55年に渡る友情。こっちの記事には、「かぐや姫の物語」にまつわる逸話と、「お別れ会」での二階堂和美さんの "いのちの記憶" 歌唱の動画がある。

テレビで「かぐや姫の物語」を放映したみたいで、初めて観てる方々の反応が面白かった。深くて重たい映画だ。かく言う僕も、宮賦ト督が挨拶で挙げた「太陽の王子 ホルスの大冒険」を観てない。DVDを買ったんでこれから観る。
 宮賦ト督の「未来少年コナン」を観たことがない方はぜひ観て欲しい。26話あるけどのめり込んで貫徹で観ることになるだろう。子供の頃は極めて痛快な冒険活劇として、数十年後に見返したら大人たちの思いの描写に息を飲んだ。

西城秀樹さんが亡くなった。63歳。まじか。ヒデキ還暦!! って言ってたのつい最近じゃないか。早すぎるよ。僕は大ファンってわけじゃないけど、子供の頃テレビをつければいつもいらして、自分の人生の記憶の奥底に刻み込まれた方が、こうしていなくなっていく年齢になったんだな。
 へその下から陰毛までの毛をギャランドゥって言うのも、西城さんが水泳大会でヒット曲 “ギャランドゥ” を歌った時に、あの毛はテレビに映っていいものなのか子供たちの間で物議を醸したことに由来する。それくらい生活に根づいていたんである。

亡くなってから知ったエピソード。ご存知の通り大ヒット曲 “ヤングマン” はVillage Peopleのカバーなんだけど、この曲を見つけてきたのは西城さん自身で、原曲の内容をレコード会社が嫌ったところを説き伏せてのリリースだったこと。
 中学生から米軍岩国基地のライブハウスでドラマーとして活動してたこと。Facesのファンで、Rod Stewartをヒントにマイクアクションを日本に持ち込んだこと。スタジアムや武道館でライブしたパイオニアであること。John Lydonが来日中にたまたまテレビで西城さんを観て、「日本にはBryan Ferryより歌が上手い男前がいる」って言ったこと。

ところで訃報を聞いて3億年ぶりにしょしを思い出した。不謹慎で申し訳ない。カタカナで「ショシ」ってぐぐったら書士ばっかりヒットした。正式表記は「しょし」らしい。で、ボーカルのいわゆる「しょし氏」は、いまししょ (司書) をしてるらしい。
 という知識で脳みそのシワを無駄遣いしたのであなたにも。

FESTIVAL de FRUEってワールドミュージック系のフェスがある。紹介記事がここに。今年の開催に向けてクラウドファンディングをしている。かなりの苦戦だ。
 普通は話題作りのためにクラファン募って「大成功でした」って茶番をやるものだけど、彼らはガチで資金難みたい。愛情が強すぎてリアルな収益化は苦手そうな方々だ。

僕は行ったことないけど、楽しい確信があるんで知人に薦めまくってる。これを読んで興味を持った方はぜひ。

研究者にリプするとめんどくさいという学びを得た。相手は作家業でヒットしてて、「紙の本が電書になったのは体験そのものの変化。音楽はCDでもDLでもおんなじでしょ」っていやいや。音楽を聴く者にとってジャケットの存在、クレジットの存在は非常に大きな意味がある。造る者にとってもSpotifyの再生回数のカウントの仕組み上、曲の冒頭にインパクトの強いフレーズを持ってくるようになった。
 「でもスピーカーから出てくるものはおんなじでしょ」っていやいや。音質が違う。音楽は音そのものの表現なので、表現の改変とも言える。書籍と電書でこだわりのてにをはや、句読点の位置が変わったら彼も怒ると思う。

で、多くの受け手はその違いに気づかない。
 僕は本をあんまり読まない人間なんで、電書は便利なメディアだと思ってる。彼はそれと同じくらい、音楽を愛してないんだろうな。僕もマンガは意地でも紙で読む。マンガを愛してるし、コマ割りによる視線の誘導が物語のテンポを作るから。

日々の話を。気温が上がったり下がったりで、あとここに3万回書いた理由で、春は苦手だ。特に最近は睡眠がうまくできない。睡眠薬変えてもらうか。
 14日は予定なし。せっかく楽しい夢を見てたのに、高齢化著しい多摩シティでは、「オレオレ詐欺に騙されないように注意しましょう」の防災無線で起こされる。だらだらと猫に遊んでもらって過ごした。僕が猫の動画を観るとうちの猫が鳴き声の主を探してウロウロするピタゴラマシン。時間が経つのが早すぎるよ。また一歩死に近づいたよ。

15日は高野寛@渋谷PLEASURE PLEASUREへ。素晴らしかった!! 高野さんVo. Gt.、鈴木正人さんB、宮川剛さんDr.の最小限の編成。
 高野さんのギターが上手いのは当たり前だけど、音色へのこだわりが半端なかった。どうしたらあんなきれいな音になるのか。見たことない機械を使ってた。単音を弾くとエフェクトがかかってアルペジオになるのかな? それだけにしては大仰な機械だった。鈴木正人さんと宮川剛さんのリズム隊も強力すぎた。

ヒットを連発して古舘伊知郎に「歌うメンズノンノ」って言われてた時代の曲。そのシーンを自ら降りて、30年経ったいまの曲。作りはぜんぜん違うけど、並べてもぜんぜん違和感がなかった。30年経っても人生のお手本にしたい。かっこいいお兄さんだった。そしてなによりギター小僧だった。
 ホールなのにサイン会があって、ずっと大ファンでコピーしてたこととか伝えられた。緊張したー!! まさかサイン会があるなら、できたばっかりの自慢のMix CD差し上げたかったな。いつまでも瑞々しくいたいね。いい音楽を浴びた日は疲れても機嫌がいい。猫もご機嫌なので爪切りをした。

観たい聴きたいイベントがたくさんあって、暇なはずなのに時間が作れないのはなんでだろうって考えたら、僕は闘病に忙しいのだった。目下の課題は美容院に行く時間が作れなくて、ラーメン大好き小池さんみたいな髪になってることだ。人間の三大欲求が、髪切りたい、痩せたい、結婚したい、になってる。

16日は悪夢の目覚め。定期健診で怒られるのは通常進行。カウンセリングへ。
 美人女子大生と1対1でお喋りして2000円ぽっきり。また表現文化への報われない愛情のことと、増すばかりの孤独感のことと、東京生まれの苦悩の話をした。自分がマイノリティだと思ってることについても。僕は意見が合わない、考えが伝わらない時、ある程度説明しても伝わらないと思ったら、関係そのものを切っちゃう。それはいままでの経験上、自分を守るための手段としてね。カウンセラーさんからは、僕の辛かった半生を知った上で、本当に大事な人も切らないようにねって。

で、DJみそしるとMCごはん / 平賀さち枝@新代田FEVERへ。
 先に登場したのはおみそはん。可愛いな。何から何まで可愛いな。さっちゃんのファンとおぼしきお洒落なガールズ層が、ステージ終わった瞬間に「かわいいー」ってため息を漏らすくらい。正直ルックスはいわゆる美人とは言い難い。しかし溢れんばかりの愛嬌である。ステージドリンク飲むたびにこぼすところとかたまらん。デビュー当時はストイックなまでにレシピをラップしてたのに、最近は恋愛描写が増えてドキドキした。歌は苦手だからラップに行ったって聞いたけど、すごく安定したいい声で歌ってた。トラックのクオリティも圧倒的に良くなったな。

さっちゃんは、言葉をひとつひとつ丁寧に置くように、リズムを大きく揺るがしながら歌う。日本的なコブシだと思ったら、本当はアクターズスクールに入りたかったけど田舎なんで民謡教室しかなかったんだって。アクターズスクール!! 民謡教室でよかったねえ。チューニング危ういギターだと思ったら、子供用なんだって。
 アンコールはコラボを3曲も。貴重なさっちゃんのラップが聴けた。

終演後のサイン会で、おみそはんに「OTOTOYさんからデビューした頃からのファンです」って言ったらびっくりしてた。写真も気さくに撮ってくれた。「この人が生涯の伴侶となるとは、まだ2人とも知る由もなかった頃の写真である」っぽいのが撮れた。
 帰り道、野良猫と間違えてビニール袋に話しかける案件。ところで僕からフウセンカズラの種もらった人、芽でてきた? うちはまだでない。

この日は “Pet Sounds” の発売から52年目...まあ自分だって46歳だしな。むしろそっちの方がびびるな。

17日も変わらず酷い目覚め。咳が止まらずに歯医者さんをキャンセルした。高給取りの仕事をドタキャンするのは忍びないが、歯を削ってる時に咳が出たら大惨事なので。猫に遊んでもらって過ごした。
 18日も抑鬱の目覚め。この日も昼の予定をキャンセルした。初夏飽きた。早く冬になって欲しい。常冬が理想。46年間風呂に入り続けてるのに、いつまで経っても風呂に入るのはめんどくさいな。入って後悔することはないのにな。

夜になってもそもそ動き出し、CLOW@高円寺U-hAへ。CLOWさんにもU-hAのマスターにもごぶさたしてしまった。
 ポピュラー音楽として成立するぎりぎりの静寂、あるいは長い長い沈黙から、叫びとも嗚咽とも聴こえるシャウトまで、ダイナミズム溢れる表現。その素晴らしい声が描く風景は、”みんな同じ恋の歌ばっか つまんない”って曲があるほどに幅広い。日常の些細なやり取りから受ける疑問を歌ったかと思えば、ディストピアの限界の中の希望を歌ったり。彼女の音楽は時に悲痛だけど、日本的な湿気がないのがいい。表現として独立した力を持ってる。その世界に引き込まれているうちに、あっという間に1時間半が経ってた。

最後のMC、「ありがとうございますとしか言えないです...ありがとうございます」って言葉に、彼女は生きにくそうだなって感じた。すごく客観的な表現のようでいて、ぜんぶ自分のことを喩えてるのかも知れない。

19日も浅く長い眠り。のんちゃんはどういう仕組みであんなに眼がキラキラしてるんだろうか。おじさんはいつも死んだ魚の眼してるよ。
 のんちゃんに関するサイゾーの酷い記事読んだよ。サイゾーは「クリックを稼ぐためのモンキービジネス」ってほんとだな。みんなのんちゃんの輝く瞳と溢れる才能に吸い込まれるように力を貸してるんだよ。そしてのんちゃんはそれに応えて余りある表現をしてる。僕は清志郎じゃないけど、「笑顔が好きさベイベー」って言いたい。

イギリスではロイヤルウェディング。あなたのご両親の結婚式も覚えているよ。僕には家族がまったくいなくて、46歳になってもまじで結婚願望がある。46歳になるって友達の「子供」が結婚するってことなんだよ。焦る。40代や50代でも恋愛や結婚してる人いますよって言われるけど、統計上それって離婚経験者なんだよ。つまり恋愛や結婚の場数を踏んだ人ってことだ。僕にはなんの慰めにもならない。
 既婚者と生涯独身者では寿命が9年違う。未確認情報ながら、発達障害者は健常者より16年寿命が短いらしい。あと何年生きられるのかよ。

性教育の話題に絡んで、「もっと大切なのはパートナーがどれほど愛されて育って、人を愛することができるかどうかだ」ってほのぼのマンガが何万もリツファボされた。あまりにも想像力に欠ける酷い話だ。大事に守られて育たなかった僕は生きる価値なしかよ。愛されなかった僕には愛する力はゼロかよ。
 保険を解約して遺産 (割とある) を全額慈善事業に寄付するべく遺言書を書かなくちゃ。って言い続けてやってないのは、猫の引き取り手が見つからないから。それだけ。ああ、猫が僕の家族だね。猫と入れる墓を買う。

羽海野チカの世界展」が全国を巡回して東京に帰ってくる。初公開の原画もあるそうだ。木星の衛星エウロパに間欠泉があるらしい。2003年まで観測していたガリレオ探査機のデータで今になってわかった。生命が存在する可能性がある。霊長類は暴力で支配したり争ったりするものだけど、ボノボだけはそれをしないらしい。
 宮城県漁業協同組合が、東日本大震災で被災した漁業者の支援に向けて受け入れた公的資金66億円を、目標より前倒しして全額返済する。さわやかのハンバーグ食べてみたい。店名が致命的にださいのに動画は美味しそう。ウユニ塩湖は写真映えするけど、自分の影が見えるわけじゃないんで実際ただの湿地だって聞いたことがある。

日本の政治家やマスコミのポンコツぶりについて、「政治学者・白井聡が語る安倍政権の支持率が下がらない理由とその背景」って記事にまとまってる。
 「自分たちの社会が破綻しているということからも、劣悪な支配が進んでいるということからも目を背けている人々が数多くいる、ということです」。「現代は戦前のレジームの崩壊期を反復している時代です。あの時代を今から振り返ると、『この時期の日本人て、何やってんだ? バカじゃないのか?』と私たちは感じるわけですが、崩壊期というのはそういうものなのでしょう。安倍政権もそれを支持してきた日本社会も、こうした時代にふさわしい状態にある」。政治の話をしたがらない人ばっかりの国が、民主主義国家っていうのに無理がある。白井さんの本、読んでみよう。

音楽の話を。ずっと話題にしてるChildish Gambino “This Is America” のMVの意味を解説した記事Aviciiの功績と生涯を紹介した記事
 mumのOrvar Smarasonがソロデビューする。新曲 “Tiny Moon feat. JFDR” と “Photoelectric feat. Sillus” 。Disclosureの新曲 “Ultimatum feat. Fatoumata Diawara” 。Penguin CafeのArthur JeffesとNils Frahmのコラボ “Up Is Good” 。Johnny Marrの新曲 “Hi Hello” 。Arctic Monkeysの新譜がバカ売れしてる。アークティック・モンキーズの最新作と合わせて楽しむべきアルバム/書籍/映画9選Otis Redding最晩年のセッションがSpotifyで聴ける。Princeの未発表音源がリリースされる。嬉しいけどそれでいいのかな。The LibertinesPatti Smithパレスチナ難民の子供たちを支援するライブに出演した。David Byrneの3月のフェス映像がフルで公開された。そのTalking Heads時代の “Naked” のセッションに、ギタリストと間違われた一般人が参加してたって話。Chvrchesがテレビで “Miracle” を演奏した。Tiny Desk ConcertにSuperorganismが出演した。

細馬宏通さんは何を語っても面白いけどポピュラーミュージック論面白い。連載「うたうたうこえ」がオンラインで読めるようになった。1曲目はBeyonceの “Formation” 。CHAIがFUJI ROCKに出演する。日曜日はVampire Weekend、Chvrches、Dirty Projectors、cero、CHAIを、Bob Dylan地蔵避けながら観なくちゃだ。CorneliusがSpotifyのセッションで “あなたがいるなら” とDrakeのカバー “Passionfruit” を演奏した。で、10月からジャパンツアーやる。Fishmansのアナログが出る。1枚はポニーキャニオンからのベスト、もう1枚はzAkがリミックスした “Night Cruising 2018” 。Negiccoぽんちゃが7inchソロ “いつかきかせて” をリリースする。両面ともさよならポニーテール作。ぽんちゃとさよポニのコラボとか、もう切なさしかないだろ。Negiccoは最近いいもん食ってる。売れてよかったなあ。amiinAがアイドルイベントにしか呼ばれないのほんともったいないなと思う。Controversial Sparkのイベントに出たのは誰が発掘してきたんだろうか。

この日記の最初の話題、Mix CDのこと忘れてない? 沢山の人に聴いて欲しいです。

5月29日 いつもの軽い致命傷の朝

大きな抑鬱の波に飲み込まれた。定期的なことなんで驚きはしないけど。この人生は始まった瞬間に失敗作品で、何十年もだらだら続ける意味がわからない。

いま僕の想いを伝えられる場所は、カウンセリングとこの日記しかない。ここ数日、日記を書く夢ばかり見ていた。もう誰も読んでいないこの日記。
 短期的に困っているのは、抑鬱の波で大きな不安感に飲まれていること、そして去年の始め頃から続く睡眠障害で、浅く長い眠りに飲まれていること。長期的に困っているのは、この人生そのものだ。

僕は発達障害として生まれて、ある一面では虐待されて育って、鬱病を併発してもう18年になる。最近ひっかかっているのは、前の日記にも書いたさやえんどうなる人物作の性教育のほのぼのマンガ。
 いわく、パートナーは愛されて育った人にしなさいと。愛されて育てば人を愛する力がつくからと。では愛されて育たなかった僕には愛する力がないのだろうか。生きる価値もないのだろうか。僕はいま、少なくとも猫たちを愛してる。

カウンセリングでもこの話をした。コメント欄に、恵まれないで育った人たちがコメントをするたびに、酷いバッシングが並んだ。
 バッシングする人々の眼差しが、外国籍の人々や貧困の人々や性的マイノリティの人々や入管で虐待されている人々へのヘイトと同じ構図なのが、怖かった。日本そのものの縮図だ。彼らは、日本会議的価値観の親子愛ポエムの世界に浸っていて、そこからこぼれ落ちる人のことなど見たくもないのだ。

似たようなことをある音楽家に言われたことがある。彼はパニック障害があって、精神の疾患に対する理解があるものと思っていた。
 彼に言われたのは、ネガティブに考えるのはよくない、ポジティブ思考を始めたら人生がバラ色になったからお前もしろってこと。まるで「パニック障害以外に障害などない」と言わんばかりだ。僕は障害的に、生い立ち的に、病的に、ポジティブ思考ばかりはできないとメッセージを送ったら、それっきり。

糸井重里のコラムにもあった。問題の記事は削除された。内容はかの音楽家と同じ、ポジティビティの抑揚だ。それは「ネガティブはよくない」という巨大なネガティビティの上に成立している。
 宇野維正さんは、「極めて抑圧的でありそれ自体が自家撞着」と評した。小田嶋隆さんは、「自分たちの同調的おべっか販売業を、世間の流れにあらがう挑戦的なトライアルであるかのように見せかけている」と評した。

かつて日本を動かした知性であり感性であった糸井が壊れていったのは、ほぼ日刊イトイ新聞という自分の城を持ってイエスマンを揃えてからだと思う。3.11への対応からもやもやしはじめて、去年の神戸のクリスマスツリー騒動で決定的になった。いやそのずっと前に、清志郎に「昼間のパパは男だぜ」って歌わせるセンスもおかしかったな。
 かつての糸井の盟友で、さり気なく距離を置き始めた人がいる。それは僕の尊敬する音楽家で、彼の嗅覚に少しほっとした。

もうひとつ、ずいぶん前の問題でずっともやもやしていたことがある。その話題を避けてきたけれど、想いを書こう。日本大学のアメリカンフットボールの選手が、極めて悪質な違反行為をして、相手の選手に怪我を負わせた。
 選手は出場できるかギリギリのラインにいて、問題の違反行為をするならば出場させてやるとコーチに言われたとか監督に言われたとか、大人は言及を避けたので選手が謝罪会見をして、大人たちは知らんぷりだ。

日本大学の対応が安倍政権みたいだって声を何件も見た。いやいや、日本にスポーツっていう概念が入ってきた時に、それは軍隊教育の思想 (と呼べるのかは別問題として) と合わさって、100年以上も理不尽なまま腐敗し続けてきたんだよ。
 つまり明治以降の日本の体育教育が軍隊のそれで、日本全体が軍隊化=体育会化してるだけだ。もちろん政界も軍隊化=体育会化してるわけだから、話の因果が逆だ。

何度も書くけど、僕は発達障害で運動ができなかった。だから日本の体育なるものが、どれほど陰湿で腐りきったものか、6歳の頃から「身体で」知ってた。
 この件について、選手の行動、大人たちの対応、それを取り囲む世論、ぜんぶ含めて「日本のスポーツだな」っていう感慨しか持たない。スポーツは精神衛生上よくない。全面的に禁止しましょう。オリンピックなんてもってのほかです。

スターに呼び出されて強制猥褻された16歳の少女は「なぜ行った」って責められた。大人に連れ去られて2年間監禁された中学生は「なぜ逃げなかった」って責められた。拒否できたはずだと。でも監督やコーチに違反行為を強制された20歳のアメフト選手は「拒否できなかった」として同情された。「カワイソウまだ20歳なのに顔出しガー将来ガー」。
 そして日本大学に怒る人々が安倍政権に怒らない不思議。

日々の記録を。20日は睡眠障害で、夕方からの杏窪彌の横浜中華街同發新館ライブのチケットを取ってたんだけど行けなかった。無念。

21日は水野谷みき@東新宿真昼の月夜の太陽へ。
 ジャズドラマーでもあり、役者でもあり、詩人でもある彼女の感性は、ますます自由に広がっていくように感じた。歌の主人公になりきって時にぶっきらぼうに聴こえる歌い方も、極めてコントロールされた表現だとわかる。彼女のピアニカソロがまたかっこいい。サポートの山武ッ慈さんのギターのコード感が加わると、ともすると日本的に聴こえる彼女のメロディがジャズであることを感じさせてくれる。

この日はジャズのスタンダード “On the Sunny Side of the Street” に、あれこれしようとしてたのに結局なにもしないで終わっちゃった休日、を歌うオリジナルの日本語詞をのせて歌ったのが印象的だった。
 で、「結局なにもしない休日っていいよね」って涙ぐんでしまった。なにか思うところがあったんだろうか。彼女のパフォーマンスは、そういう「人」を感じさせてくれるところも含めて好きだ。

ところでこの日はドタキャンの出演者がいて、その穴をライブハウスのスタッフさんが埋めた。楽曲も演奏も、音楽を聴き込んで楽しみを知ってる人のそれで、非常に安定感があってイマジネーティブな演奏だった。むしろ、とてもいいものを観せて頂いた。
 あれだけの実力の持ち主が、普段はアイドルSSWのスタッフをしてるってどういう気分なんだろうか。

ほかの出演者さんは...日本の女性シンガーソングライターシーンは、涙と怨念と失恋からは逃れられないのかいな。逃れられないからいつまで経っても中島みゆきさんが売れ続けるのであって、逆に言えばその席にはもう中島みゆきさんが座ってるからあなたの居場所はないよ、と言いたい。
 もちろん水野谷さんの流した涙はぜんぜん意味合いが違う。

22日は美容院へ。葉加瀬太郎さんみたいな髪からようやく脱出した。人間の60%は水分、水の採り方は体調に響くよってコラムを読んだ。僕の体脂肪率、40%までいったことがある。水と油が6対4ってドレッシングなんだよ。こんにちは、ドレッシングです。
 すっきりした帰り道、初めて会った野良猫が触らせてくれた。家に帰ったらフウセンカズラの芽が出てた。僕の芽はどうやら出ない。

23日はカウンセリングへ。さっき書いた、愛する資格についての話と日本の「体育」についての話をした。その足で精神科へ。睡眠薬を替えてもらったけど、条件次第で睡眠障害の状況も変わるしな。試行錯誤は続く。

24日は歯医者へ。受付のお姉さんが完璧にタイプで、結婚を前提にした通院続けたい。夜はヌカタシが来てくれて、今季初のそうめん。美味かった。夏が来る。
 久しぶりに聴いた80年代のアルバムの、肩パッドロックぶりに笑った。彼は時代の音を鳴らしてきたからこそプロデューサーとして大成したんだけど、エヴァーグリーンなものは作れないのだな。それに比べて同時代のEverything Playの “POSH” は、あの時代に受け入れられる音楽じゃなかったかも知れないけど、エヴァーグリーンな輝きを放つ。音楽家の視野が広くて、奏でる音は穏やかで美しい。

パイドパイパーハウスで薦められたCandy Operaは、やっぱり同時代のイギリスの不遇のバンド。Aztec Camera的でもありPrefab Sprout的でもあって、理想的な青春ギターポップだった。長門さんには僕の好みを完全に読まれてる。
 The Sea and Cake、6年ぶりのアルバムでベース抜けたのに笑っちゃうくらい変わんない。Arctic Monkeysの新作はすごく濃密で重たいアルバムだ。これが爆発的に売れてるイギリスのチャートは、すごく成熟してるとも言える。

25日はマッサージへ。可愛いマッサージ師さんに当たる日。ほくほく。音楽をほとんど聴かない彼女から、「CHAIって知ってる?」って!! ああ売れたんだなあ。
 ずっと咳が止まらなくて、っていうのは15年くらい止まらなくて、最近発作の前に心臓に違和感があることに気づいた。この巨体だから心臓にも負担がかかって、太ったのは鬱病の薬の副作用で、鬱病になったのは発達障害の影響で、ぜんぶつながってる。

26日。酷い鬱。浅い眠りを何度となく繰り返す。今川宇宙さん「やりたいことも作りたいものもいっぱい 死ぬときこれで全部出し切ったぜイヤホウ!おしまい!って叫びながら助走つけてお布団にスライディングしてそのまま死にたい その日のために全部やりたい」。
 すべて出しきって死にたい、100年後も語り継がれたいってすごいな。僕は生まれてこなければよかった、最初からいなかったことにしてほしいと思ってる。

27日。やっぱり酷い鬱。心が乱れた時に見るgifに救われてる。つくづく発達障害botなくなっちゃったの辛いな。心が楽になる言葉に溢れてた。
 いつもは優しい猫たちが寝室に来ない。僕は自律神経失調症でもあって、冷房をかけないと過ごせないんだ。猫はあったかいのが好きだから、夏はあんまり構ってくれない。家族がまったくいない僕にとって、猫たちは親友でもあり兄弟でもあり、とっても大きな存在なんだ。一緒の布団にくるまって寝たいよ。

それでも頑張って田中ミズホ@祐天寺FJ’sに行ってきた。行ってよかった。田中はいつも元気をくれる。
 O.A.なのに40分の時間を貰った田中、数日前まで声が出なくて辛かったみたいだけど、だからこそ声量に頼らない繊細な表現ができてたと思う。ギターも本当に安定して、最初に観た時からかっこよかったのにめきめき成長してる。何気ない顔で練習してるな。”ハチミツレモン” ではこの日の主役のSoulcolorさんと共演。いま彼女のソウルを一番感じさせてくれる “帰る場所” は、歌詞が飛ぶアクシデントもご愛嬌。

Soulcolorさんは元Wyolicaのso-toさんなのだね。御本人のギターはもちろん、手練れのベーシスト、ドラマーを従えたトリオ編成のライブ。
 それぞれに主張するタイプのプレイヤーながら、トリオでのグルーヴ感も抜群だった。人生の重みと音楽的な楽しみを高い次元で融解させた歌、名前の通りのソウルには収まりきれない幅広い音楽性、これぞライブの醍醐味で、体も心地よく揺れた。アンコールではジャズピアニストが登場、ソロ回しも気持ちいい。

で、この素晴らしいイベントに田中が出演したことを、田中のファンとして誇りに思うよ。CDの売上も好調だったみたいで、耳の肥えたリスナーに届いてよかった。
 田中は可愛いからよくある女の子ばっかりのイベントに呼ばれちゃうけど、こういうイベントに出て磨かれた方が、音楽人生長続きする。ご機嫌でかなり酔っ払った。

28日はご機嫌で...って言いたいところだけどやっぱり睡眠障害で、The Album Leafのライブに行けなかった。去年の来日もチケット取ったのに行けなかったんだ。Hermeto Pascoalの来日も2年連続で見損ねてる。
 そして衝撃的なニュースが。なんとFUJI ROCKで10年以上常宿にしてた旅館が火事。馴染みのご主人はじめ怪我人がなかったのは不幸中の幸い。体調が不安定で体力もない僕には、会場からごく近いあの宿の存在がFUJI ROCKへの生命線だった。事務所が入ってる母屋が焼けて、客室のある新館は残ったみたい。

暑さが病的に苦手な僕にとって、FUJI ROCKだけが夏の楽しみだ。いまからほかの宿は取れないんで、仮営業できないようならFUJI ROCK引退のタイミングかもな。

そして今日29日。日記書かなきゃの夢にうなされて寝たり起きたり。もう誰も読んでないのにね。頭の中を整理するには必要な作業なんだよ。

是枝裕和監督の「万引き家族」がパルムドールを穫った。是枝監督はカンヌについて2年前にこんな発言をしてる。「クール・ジャパンと言って、公的資金を使ってカンヌ映画祭で、くまモンと一緒に写真を撮っている場合ではない、そのお金で若手の映画監督たち100人に、あの映画祭を経験させられますよ」。その2年後に頂点に立つかっこよさ。
 ネトウヨ (まだいたのか) が騒いでるらしい。日本の問題点を指摘する作品だから、是枝は恥さらしだとか在日だとか。

それは果てしなくどうでもいいとして、「万引き家族」の音楽は細野晴臣さん。審査員評を読むに、映画の評価には素晴らしい音楽の力もあったみたい。ところがサントラ盤をリリースする予定がない。映画会社側の判断なのか、細野さん側の判断なのか。
 音源化されてない細野さんの映画音楽ワークスいっぱいあって、どれも素晴らしいんだよね。いつかまとめてちゃんとリリースして欲しい。

1963年のチェコスロヴァキアのSF映画、「イカリエ-XB1」が話題になってる。内容も音楽もすごくいいって。いまの体調で観る機会を作れるかな。「この世界の片隅に」の片渕須直監督の新しいインタビュー記事。前に公開された前編はここ
 のんちゃんが水木しげる先生の「総員玉砕せよ!」に書いた解説文が素晴らしいって。「戦争って怖いではなく、戦争は本当にダメだ」。もちろん読んだことがあるマンガだけど、のんちゃんの解説のために新装版買おうかな。

カトリックはずっと同性愛に否定的だったけど、ローマ法王が同性愛の男性に「神があなたをそのように作った」って認めたそうだ。
 マンチェスターでのテロ事件から1年、追悼式典で市民が “Don’t Look Back In Anger” を自発的に合唱した。アメリカの学校に住み着いた野良犬が、学生たちが売店でお金を払って食べ物を買ってるのを見て、自分も葉っぱをくわえてきて食べ物と交換してもらおうとした。いま、彼だけは葉っぱのお金で食べ物が買える

米朝首脳会談をトランプがキャンセルして、やっぱりやるかもって言い出した。そのトランプが「万が一北朝鮮と間で不測の事態が起きたら、その経費の大半を韓国と日本が喜んで引き受けることになっている」って言ってる。まじか。金魚のふんの日本は「圧力だ」「支持する」「空母だ」「支持する」「交渉だ」「支持する」「中止だ」「支持する」「やっぱりやる」「支持する」。
 その側で2度目の南北会談が行われた。アメリカの力を借りなくても和平への道はある。もうノーベル平和賞はトランプになんて言うことはないだろう。

「高度プロフェッショナル制度」なる法案が衆議院で可決された。問題が一番わかりやすいのは「高プロ制が導く異次元の『労働者保護』外しの未来」って記事。
 安倍は、座り込みまでして面会を要請した過労死遺族の会を断った数時間後に、経団連の歴代会長と料亭で会食した。御遺族の前で、はしゃいでバンザイを煽ったのは、自民党山梨2区の堀内のり子。どうしてそんな無神経なことができるんだろう。人としてさっぱりわからない。代々の政治家一家の娘で、富士急の社長の嫁だ。

モリカケ問題でまた新しい事実が判明した。安倍政権今度こそ致命傷って数年前から何度も聞いてる気がするけど、政権が崩壊する前に倫理が崩壊しちゃったから暖簾に腕押し。詰んで、やけになって盤面をひっくり返すでもなく、淡々と駒を打ち続けてる状態だ。「総理、もう詰んでます、詰んでますよ!!」。
 内田樹さん。「『あなたの言っていることは首尾一貫していない』という批判は『自分は知性的で論理的な人間である』ということにアイデンティティーの軸足を置いている人間にしか効果がありません。反知性主義の強みはここにあります」。

事実上は嘘をついてるのは安部夫妻で、それを正当化するためにいろんな人がエクストリームな発言をしたり亡くなったりしてるわけだけど、一度みんなでいまどういう設定になってるか話し合わせた方が良くない? 大丈夫?
 モリカケは海外では「アベゲート」と呼ばれてる。アメリカでは大統領でも終身刑になり得る。安倍夫妻、麻生、その他モリカケニッポーニューカンコープロ関係者は、辞任だけじゃなくまっとうな裁判を受けて、朴槿恵みたいに罪を酬いる必要がある。

UnderworldIggy Popがコラボ曲 “Bells & Circles” を公開した。James Blakeが新曲 “Don't Miss It” を公開した。James Blake、Sufjan StevensAlex IsleyMoses Sumneyの “Make Out in My Car” をリメイクした。Andy Partridgeが、Pink Floydの “Apples And Oranges” とBonzo Dog Bandの “Humanoid Boogie” をカバーしてアナログでリリースする。もうソールドアウトみたい。僕は間に合った。いいでしょう。Gollirazが新譜をリリースするとかしないとか。Angelique KidjoがTalking Headsの “Remain In Light” のカバーアルバムをリリースする。その中から ”Once In A Lifetime” を公開した。Les Amazones d'Afriqueが、新曲 “Mansa Soyari feat. Rokia Kone” を公開した。Tahiti 80が、新曲 “Let Me Be Your Story” を公開した。ロシアのエレクトロニカKate NVが新曲 "пес DOG" を公開した。モータウンの名ソングライターLamont DozierのセルフカバーアルバムにTodd RundgrenGraham NashGregory PorterCliff Richardが参加する。Vorheesが “Black Horse Pike” のSlowdive Remixを公開した。原曲はこれRostamが “Gwan Tourist Remix” を公開した。突然パワーポップブームこないかな、こんなやつ

CHVRCHESロンドン公演のフルセットを公開した。Belle & Sebastianコーチェラ出演のフルセットを公開した。Seun KutiFestival Art Rock 2018出演のフルセットを公開した。Kraftwerkの1970年のスタジオライブフルセットが公開された。The Rolling Stonesが “Ruby Tuesday” の新しいMVを公開した。The Rutlesが、デモ音源集 “The Wheat Album” をリリースする。メンフィスソウルのドキュメント映画、「約束の地、メンフィス」のDVD、Blu-rayが発売される。Stereogumが、Peter Gabriel入門用プレイリストを公開した。必ずしも選曲に賛同しないけど自分へのメモとして。Chris Rainbowの “White Trails” がリマスターエキスパンデッド盤で再発される。Diane Birchが来日する。Gilbert O'Sullivanが来日する。Konono N°1が来日してた。観そこねた!!

細野晴臣さんのアルバム5枚がアメリカで再発される。”omni Sight Seeing” はこれが初のアナログ化。是非聴いて頂きたい名盤。クラブユースもいけるからアナログ向け。日本でもCDが廃盤状態でプレミアついてる。Corneliusが「デザインあ」のサントラ第3弾をリリースする。大野由美子さんを中心とするシンセカルテットHello, Wendy!が新曲 “Recolution” を公開した。clammbonが新曲 “Lush Life!” を公開した。すごい “My Sharona” 感だけど大丈夫か? suppa micro pamchoppが新譜をリリースする。野口五郎さんの西城秀樹さんへの弔事全文。そしてそれに続く野口さんのブログCHAIの全国ツアー、チケット取れないどころかアクセス集中でぴあのサーバーが落ちた。

まじめか。おちんちんびろーん。