DIARY 2018年8月


8月6日 SIDE-A 森の中で歌は生まれた

FUJI ROCKから帰ってきました日記は書いたけど、通常進行の日記は久しぶり。長文になると思われる。わかりやすい文章を心がけてるんで、長文の割に読みやすいし、それなりにいいことも書いてるつもり。
 FUJI ROCKレポートはまた別にちゃんと書きます。といいつつだね、2016年から途絶えてるんで時間がかかると思う。

25日。FUJI ROCKの荷物の発送。みんなが大好きなヤマト運輸、ネットの指示通りに発送手続きをすると、配達員に舌打ちされて「その日に届かない」って言われる。もちろん日程を確認してから依頼した。本社に問い合わせたら、配達員の勘違いだったみたい。
 前にもグダグダな対応を受けて、それは支店長が話を聞かない人であることがわかった。一般家庭向けの運送業って業態にもう無理があるんじゃないかな。

26日。いよいよFUJI ROCK前夜祭へ。人生のハレとケのサイクルのために、音楽を愛する者として、森の中で爆音を浴びなくてはいけないのだ。4日間で飲まれるビールの量は6万リットルを超えるらしい。
 毎年のように猫を動物病院に預けて健康診断とワクチン接種をお願いして、一路苗場へ。ヘッドフォンのBGMは清志郎からTune-Yardsを経てKendrick Lamarへ。新幹線にフジロッカーが増えてきた。苗場、美人しかいない。

ただこの日はね、メンタル的にかなりやばくて、せっかくのFUJI ROCKなんだから楽しもうって努力したんだけどダメで。詳述は避けるけど、いま普段の生活もフェスでの行動も、FUJI ROCK仲間に全面的に依存してて、その線が切れると生きるのが辛い。
 流行りの言葉を使うのならば、僕は「生産性」のない人間なんだよ。

27日。雲ひとつない青空。日焼けしそう。この日はRei Harakamiさんの命日だ。亡くなった日、当時の彼女に電話で起こされたのだ。しばらく向こうが何を言ってるのかわからなかった。あまりにも寂しい。

観たのはミツメ → Let’s Eat Grandma → Rancho Aparte → Tune-Yards → サカナクション (前を通過) → Marc Robot (最後の3曲) → ハナレグミ。
 楽しみにしてたTune-Yardsかっこよかった...。クリエイターとして、パフォーマーとして、ミューズとして、間違いなくSt. Vincentと並んでこれからの音楽を作る人。お客さんは外国人が多くて、日本ではなかなか体験しない盛りあがりだった。

もち豚屋さんのお姉さんがみんな可愛くて、その中でも1人ずば抜けた方がいた。3度も行ったら毎回そのお姉さんに当たって、「あの...可愛いデス」って言ったら、「あはは、ありがとうございます!!」って最高の笑顔をくれた。否定しないところが可愛いって言われ慣れてるなと思った。
 木陰は風が気持ちいい。遠くからはグッドなミュージック。端的に言うなれば極楽。前を通る荷車を引いたボランティアのお姉さん。品があって整った顔立ちと巨乳と荷車の組み合わせが最高に良かった。

東山食堂の馴染みのお姉さん「あーっきたーっ!! 去年あんたベロベロやったやんかー、いまあたしがベロベロやねん」。確かにベロベロだ。えーっそのペースに付いてかなきゃなの!? まじか...。いまそのテンションはきつい。
 ハナレグミは日本では清志郎以来のリズムのいいボーカリストだと思ってる。ソウルフルな演奏で踊らせて、アンコールは “光と影” 。ここまでは計算内。もう一度出てきて弾き語りで “さよならColor” に “People Get Ready“を混ぜてきた。

28日。台風が来てる。無慈悲なことに、西日本の豪雨の被災地に向かってる。FUJI ROCKは楽しいけど、はやくも猫に会いたい。元気にしてるかな?
 午前中は邦楽ばっかりなんでスルーしてお姉さん巡りをした。東京でも観れるバンドに体力をさくよりはKendrick Lamarにさきたいし、お姉さん巡りにさきたいということだ。観たのはRancho Aparte (途中値落ち) → Johnny Marr (最後の数曲) → Suparogranism (遠くから) → 折坂悠太 (合奏) → ユニコーン → Kendrick Lamar。

Rancho Aparte、コロムビアみたいな政情の不安定な国の誰も知らんバンドでも、よければみんな踊るのがFUJI ROCKの楽しいところ。
 折坂悠太 (合奏) 、CD聴いて大好きだったけど、ライブはますます素晴らしい。世界のフォークロアのコブシ、ウクレレやヴィブラフォンを組み込んだ編成が非常に僕好み。風の吹き抜けるAvalonってシチュエーションもよかった。

MGMTを観たかったけど、雨の中体力を温存するために、不本意ながらSkrillexを観た。Skrillexも嫌いだけど、ゲストにYoshikiが出るって聞いてますます行きたくなかったのだ。Yoshikiが “Endless Rain” を弾いた途端に雨が強くなった。
 小泉政権の頃、FUJI ROCKで清志郎が「小泉が好きなのはX-Japanなんだって!? センス悪いな、俺は大嫌いだ。本当の音楽好きは苗場にいるぜ!!」って言ったんだ。盟友だった日高大将はどう思ってるのかな。

Kendrick Lamarが登場した途端に雨が止んだ。持ってるなあ。
 素晴らしい音源の数々で彼をわかった気になってた。スゲー...魔法を使いやがる。黒人音楽、あるいは黒人文化の歴史を背負って、いま一番洗練されたパフォーマンスを観せてもらった。呆然とした。踊り疲れた。彼が去った途端に強風が吹き荒れた。やっぱり持ってるなあ。この夜はテントが壊れたり飛ばされた人もいたみたい。苗場の方々も含めて助け合いがあったって聞いた。

29日。いのちだいじにモード。Leo Imai (遠くから) → Interactivo → Ben Howard → Hothouse Flowers → cero → CHVRCHESへ。この日の最後、Dirty Projectors → Vampire Weekendコースにするか迷ったんだ。でも世間的な目玉Zimmermanを避けるためにこのコースにした。
 Zimmermanオタクと思われる、見るからにフェスの格好じゃないお年寄りがいっぱいいて、雨が降ったり風が吹いたり日照りが来たり、生きて帰れよと思った。

ひたすらHeavenにいたんで、東山食堂のお姉さんとだべってた。掘ればいろいろ出てくる人間的に面白い人だとは思ってたけど、想像以上にいろいろ出てきた。
 CHVRCHESのLauren Mayberry姫は、「可愛い」から「尊い」に進化してた。この年のFUJI ROCKは、いろんな意味で強い印象に残る体験になった。See You In 2019。それはYouかも知れない。来年は来てみませんか?

30日。Ah, FUJI ROCKから一番遠い日だ。荷作りをしてシャトルバスへ、越後湯沢でいつもの蕎麦屋、菊新の大名へぎそば、舞茸の天ぷら、キンキンに冷えた日本酒。
 猫を預けてた動物病院から回収、ちゅーるを与え、風呂に入り (宿の風呂は熱すぎてシャワーですませてた) 、冷房を浴びてぐうたらした。猫はレントゲンを撮ったら2匹ともすごい脂肪だと、血液検査的にも糖尿病一歩手前だと、3人して頑張って痩せる。部屋の中をちょっと移動するだけで (椅子から本棚とか) 猫たちがびったりくっついてくるんでねこふんじゃったしそう。5日間預けてたから5日間こうかもしれん。

31日。アホほど寝た。アホだけど。7月が終わるとかどうかしてる。むしろ死ぬほど暑かったから8月が終わった感。
 FUJI ROCKロスが酷い。撮った写真と動画をムービーにした。そして「音楽が連れてくるもの - FUJI ROCK 2018」。こういうことだよ。

1日。The First Day in August。男性用日傘を買った。Amazonで「男性用」まで打ったら変換候補の真っ先に「日傘」が出てきた。需要があるのだ。
 15年くらい前の話か。電通の入社試験に「大人に長靴を買わせるプランを考えよ」って問題が出たらしい。当時は大人が長靴を履く習慣はなかった。いまは普通にOLさんが会社に長靴を常備してる。

もうね、日傘素晴らしい、ぜんぜん違う。日影を引き連れて歩いてるみたい。もちろんアスファルトの照り返しで限度はあるけど。
 女性はこの酷暑でもクーラーが寒いって言ってクラムチャウダーを頼む生き物じゃんか。なんで体感温度の高い男性が日傘をさす習慣がないのか。「日傘くるくるぼくはたいくつ」な紳士諸君は、もうくるっくるで行くべき。

今週の美人女子大生さんとのカウンセリングは、FUJI ROCKがいかに素晴らしいかを一方的に話しまくって終わった。一通り話して、「カウンセリングってこういうことでいいんですか?」って聞いたら、「今日はこうなると思ってました」って笑われた。この酷暑の中、友達の野良猫に会うために1個先のバス停まで行ったけど会えなかった。猫好きはすべての猫という存在を愛しているのです。
 山手線でお客様の頭が座席と床の間に挟まって、座席を解体しなきゃいけない事態を把握したけど、原因の想像がつかない。

近藤那央さんの活躍を見ると、僕もこの沈みかけてる国を出て自分の居場所を探したいと思うけど、英語が致命的に出来ない。っていうのは80年代軽薄文化の中で、「Hi!, Ken!」みたいなテンションがきつかったのだ。

2日。FUJI ROCK前にどうしても出来なかった部屋の掃除がするする出来ちゃった。可燃ゴミ60リットル11袋、段ボールゴミ90リットル12袋。と言えばどれだけ汚かったか想像がつくのではないか。アウトドアグッズの更新のために捨てたものもあるけど。
 CDを大量に売るつもり。なのは「CDの時代が終わった」からじゃなくて、持ってるCDが多すぎて、想定される自分の余命とCDの収録時間を比較した結果だ。うちでほこりをかぶってる1枚が、誰かが必死に探してるやつかもしれないでしょ。

夜はフジオロックフェスティバルへ、赤塚不二夫さんの10周忌のお祭り。盆踊りあり落語ありライブあり。
 最初に出てきたのはLeo Imaiさん。モヒカン頭とタフで骨太なロックに、おじさんおばさん達がしかめっ面して出ていっちゃった。おじさんおばさんって思っても、同世代だったりするんだろうな。Leo Imaiさん自身もそんなに若くない。アイデアに溢れてかっこよかった。FUJI ROCKでは遠くからしか観れなかったんだよ。

次は矢野顕子さん。1曲めはもちろん “BAKABON”。2曲めは ”夏なんです”。歌詞カードがボロボロで、「この歌を40年以上歌ってますが歌詞ぜんぜん覚えてません」。
 予言どおりに “ラーメン食べたい” ”ひとつだけ”っていう超代表曲の歌詞が飛んで、そのまま歌ってるようなMCしてるような流れになった。それでも彼女自身の存在がもう音楽だっていう圧巻のステージだった。これでいいのだ。

次がいかんかった。バカリズムさん×TEI TOWA×砂原良徳さん。バカリズムさん好きなんだけど、なんでTEI TOWAなんかと組んだのか。笑いも音楽もお互いを潰し合ってた。ぜんぜん笑えないしそもそも聞き取れなかった。
 この感覚、20年前にふかわりょうさんが小西康陽と組んだ時とおんなじだ。

バカリズム目当ての若いお客さんがどっと帰って、かなり寂しい空気でトリはThe Beatniks。こないだのワンマンライブも素晴らしかったけど、同じ編成で選曲もアレンジもずいぶん変わった。同期の比率が減って生のリズム隊が出てきた。
 なにより永井聖一さんが、こないだは「1人だけ若造が混じってて恐縮です」って感じだったのに、この日は萎縮が抜けて思い切り弾きまくってた。特に慶一さんとのギターバトルは圧巻だった。幸宏さんのドラムもごきげん。

最後はもちろん "シェーシェーシェー" 、ここでサプライズゲスト、のんちゃん!! いつもそのオーラとまっすぐな瞳と笑顔に圧倒される。なぜ君はいつでもそんなに輝いてるの。バカリズムで帰った人たち残念だったね。
 でで、"シェーシェーシェー" の手拍子は「パパン、パン」じゃなくて「ウンパパウンパ」なんだけど、マニピュレーター氏がなぜか「パパン、パン」で観客を煽ったところを、のんちゃんがすぐに気づいて「ウンパパウンパ」に誘導したのには感動した。っていうのは、慶一さん的センスを理解してくれる女子が世の中にはほんとにいないから。のんちゃんはBeatniksを聴き込んでるんだよ。それだけでもう女神様、ミューズだよ。

のんちゃんの役割はサビのボーカルと例の振り付けなんで、最後はいつ終わるとも知れぬサビの繰り返し。盛りあがった。客電がついて「本日の公演は終了しました」のアナウンスが流れてもアンコールの拍手は鳴り止まず。
 "EXITENTIALIST A XIE XIE" はオリコン27位、Beatniks最大のヒット作になったみたい。非常に好きなアルバムです。でも永遠に80年代に生きてるファンは苦手なんだ。コンテンポラリーな音楽を聴いてないと、彼らの本質はわからない。熱心なファンが新規ファンの参入を拒んでるのがもどかしい。

3日。端的に言って、お湯の中を歩いてるくらいに暑かった。ちょっバスから見える工事現場で素っ裸で水浴びてるおじさんいた。
 30代女子の、この酷暑の中でエアコンが壊れた話は、あちこちでしたんだろう、話芸として完成されてて腹を抱えて笑った。

「いまの感覚だと信じられないような話が数十年前には普通に受け入れられていて、その時の価値観のまま変わらない大人を見ると、変化を受け入れ続けることの難しさを痛感する 正解だと言われて育ってきたものが正解じゃなくなったときにきちんと学び直せる大人になりたい」ってツイートがあった。
 ヒントはたぶん、若いうちに何十歳も歳の離れた友達を作ること。価値観の変化、例えば僕は音楽が好きだから感性の変化、同世代で出来てる人と出来てない人を比較すると、古い価値観や感性に馴染んでること、つまり温故知新だよなと思う。

4日。デザインフェスタ@東京ビッグサイトへ。中嶋春陽さんが出展するってことで。初めてのビッグサイト、例の建物は入り口でその奥が空港並みにでかかった。オリンピックで「活躍」する予定のミスト冷却器があった。「蒸す」「濡れる」それだけ。

もちろん真っ先にハルちゃんのブースへ。絵やグッズを購入した。彼女の表現欲、想像力と創造力には圧倒される。もちろんその美貌や歌唱力やユーモアセンスや、なにより人柄が大好きなんだけど。
 デザインフェスタは、服やアクセサリーや工芸品や絵画や、ジャンルを問わずの手作りグッズを売るイベントで、みなさんクオリティ高くて非常にびっくりした。楽しくて会場を何周もした。いいもの見つけるたびに友達の顔が浮かんで、戦利品はほとんどがプレゼント用なんで内緒。自分用の一番の戦利品は、ハルちゃんがiPhoneに描いてくれた素敵なイラスト。機種変したばっかりだし、スキンシールの上に描いてその上に透明ケースつけてるんで、もうiPhoneは一生これでいい。

タイムラインにのんちゃんの写真が。鈴木慶一さん、普段は「女は30から」って言ってるくせに、のんちゃんの隣に立つといつもデレデレなんだよね。奈良美智さんと撮った写真、のんちゃんのシャツ清志郎だね。
 この日はオハラ☆ブレイクコトリンゴさんのステージに出て、アコギで “悲しくてやりきれない” を歌ったみたい。で、その後の写真は中村達也さんと梅津和時さんとのスリーショット。梅津さんとは面識があって、のんちゃんと僕はいろんな経路で2ステップの位置にいるんだけど、あと一歩がどうしても近づけないな。

8日。両サイドに猫がいる場合、右手で左の猫を、左手で右手の猫を揉んでることが多い。右手でハイハット、左手でスネアを叩くみたいなもんか。

田中ミズホバースデーワンマンライブ「真昼の月 田中は太陽」@東新宿真昼の月夜の太陽へ。いつもニコニコ愛されキャラだけど、頑張ってるのを僕は知ってる。特にこのワンマンに向けて、無理してるんじゃないかって心配してた。結果はオーライ。バンドセットで田中ワールドを繰り広げた。
 圧倒的な歌唱力、どんどん進化する作曲力、この日に披露されたボサノヴァ風の新曲に、次のステップの田中を観た。ソウルフルなバラッド ”帰る場所” は、「故郷の家族や応援してくれる仲間を思って書いたけど、だんだん意味合いが違ってきた。帰る場所はみんなの心でもあるし、ステージの上でもあります」。泣きそうになった。

サブライズのバースデーケーキも登場、”笑顔の理由” を歌う前のMCでついに田中の涙腺が崩壊、僕ももらい泣き。ほんとに頑張ったよ。演奏はもちろん、動員的にもね。僕は努力家じゃないんで、努力して成果を出してる人をみるとまぶしいよ。
 客は早く帰れよなのをわかりつつ、その場を離れたくなくて居残ってしまった。久しぶりにあーたとゆっくり話せたのも嬉しかったな。ハルちゃんに絵を描いて貰ったiPhoneをぶらさげて歩いてたら、「可愛い」「可愛い」の大評判。飲みすぎて寝過ごして相模原線を行ったり来たり。変わり果てた姿で無言の帰宅 and 猫s say ハラヘッツァ。

今日。またアホほど寝た。アホだから。毎週月曜日は「月曜の日」って国民の祝日らしいよ (伊藤ガビンさん) 。
 広島原爆投下の日。片渕須直監督やのんちゃんも慰霊祭に出席して、「この世界の片隅に」に登場する人物のモデルに会ったり、豪雨で被害に会った方々に会ったりしたみたい。そして興行収入の一部を義援金に。片淵監督お腹が出てきたのではないか。ご多忙で不摂生なのではないか。お腹については人のことを1ミクロンも言えない。前にも書いたけど、スヌーピーがお腹ぺったんこだったら可愛くないじゃないか。お腹が出ているのは可愛いっていう美意識を世の中に浸透させたい。

SIDE-Bに続く。

7月6日 SIDE-B もうやめようよ、オリンピック。

オリンピックの何がまずいって酷暑や浪費やいろいろまずいけど、国民全員がオリンピックを心待ちにしている (のだからお前らが我慢しろ) っていう根本的な勘違いがまずい。もう森喜朗と為末大と安倍政権と電通しか望んでないよあんなもの。
 小田嶋隆さん。「この先の二年の間に、五輪開催にかこつけた無理無体が、どれだけ押し通されることになるのだろうか。せめて五輪便乗案件を細大漏らさず記録しておきたいものだ」。いままでもずいぶん押し通したね。

『暑さはチャンス』なぜ東京オリンピックは『太平洋戦争化』してしまうのか?」って記事を読んで欲しい。竹槍でB-29を落とそうって発想からまるで進化してない。
 「東京五輪・パラ『授業避けて』国通知、ボランティア促す」。こっちは完全に学徒出陣だ。学問をするな、オリンピックのために無償労働しろって言ってるんだよ。

東京五輪は『宅配便使うな』 組織委が早くも『自粛』を喚起」。日常の生活をおびやかしてまで他人の運動会に協力するつもりはない。記事は「単なるスポーツの祭典ではない」って締めてるけど、いかにもスポーツマンが考えそうなことで、日本のスポーツを象徴する醜悪な祭典であり、これを機に日本は完全に終了する。
 「五輪の20年 サマータイムを 暑さ対策で組織委、首相に要望」。マラソンを朝にやりたいならスタート時間を早めればいいのに、国民全員に2時間早起きしろって。

暑さ対策も頭がおかしい。ミスト冷却器の僕の体験はSIDE-Aに書いた通り、「蒸す」「濡れる」それ以上のなにものでもない。「組織委員会『東京五輪の猛暑、コース沿いのお店のクーラーを全開にして開放すれば涼しくなるのでは』」言葉にならない。
 在日米軍の兵士は32℃を超える中では10分作業するごとに50分の休憩を取るように決められてる。それ以上は命に関わるからだ。日本人、部活動や高校野球や会社勤めで、熱中症でバタバタ倒れてる。

久米宏さんがオリンピックに反対の声をあげている。オリンピックそのものに反対してるだけじゃなくて、上が決めたことを押しつけて国民がその決定に唯々諾々と従う、この国のあり方にNOの声をあげてるんだ。

國分功一郎さん。「若い人たちはいろいろな出来事をよく覚えておいて欲しい。自分たちの見ている前でこうやって没落が起こっていったと後世に伝えて欲しい。世界史上のその他の没落との比較も後世が行ってくれるであろう」。ところが大学生から、「「安倍政権なんて1mmも支持できない」って言っただけで「インテリぶった反日極左パヨオタク」に認定されました。18歳にもなってネトウヨこじらせてる大学生があんなにも多いとは思いませんでした。悲しいです」ってツイートがあった。若者を支持したいけど、知性の差がありすぎる。音楽についても、邦楽村のヒットチャートしか聴いてない人と、YouTubeやSpotifyを駆使して世界中の音楽を掘り下げてる人に極端にわかれる。
 町山智浩さん、「『まるで独裁政権だ』とか『独裁に向かっている』という論評に対して『そんなこと言えるんだから独裁じゃない』という反論がありますが、言えなくなったら遅いので、そうならないように言うわけです」。

杉田水脈の、LGBTは子供を産まなくて生産性がないから税金を費やす必要がない論について、様々な記事が出てる。「杉田水脈議員の差別思考 国民の代表とは呼べない」。もうこんな人間のクズがいまの日本国民なんだろう。「条件をつけられる命なんてない 相模原事件に通じる杉田議員の発言」。僕にも障害があるし、生きてる意味はなんだろうって悩むことがある。「杉田水脈氏と民意の絶望的な関係」。ほんとにこれが、この国のサイレントマジョリティーなんだ。「首相『人権、多様性の尊重は当然」 杉田氏寄稿で苦言」。安倍政権はマイノリティをはじいて晒して、マジョリティでありたい心理を刺激して維持してきた。人権軽視と多様性否定が根底のイデオロギーだ。こいつ何を言ってるんだろう。
 「国連『同性愛者の死刑を非難する決議』に対し、日本はまさかの反対」。まあそれはそうでしょう。うちでもやりたいと思ってるんじゃないか。

もちろん反対運動がないわけじゃない。「杉田水脈議員の「差別発言」に抗議するデモに、なぜ5000人も集まったのか」。ずいぶん前のこと、横浜で中学生が何人ものホームレスを殺傷した時に、さだまさしさんのラジオ番組に「社会に何の役にも立っていない、ああいうのがいると気分が悪くなる人たちのことでそんなに騒ぐことだろうか」ってハガキがきて、さださんは「一通でもこんなハガキが来たことが信じられないよ」って激怒したそうだ。さださんは、いまのなんちゃって保守じゃなくてちゃんとした保守思想の持ち主で、真っ当な理論と知性と良心がある。そういう人、例えば永六輔さんとかね、をいまではパヨクと呼ぶ層もある。
 署名運動もある。LGBT差別を繰り返す杉田水脈議員は子どもたちを苦しめています。自民党は謝罪会見を開かせてください

もうひとつ、「東京医大、女子受験生を一律減点...合格者数抑制」。要するに女性は休職しやすいから取らないようにと。記事には「議論を呼びそうだ」ってあるけど完全アウトだろ。アメリカだったら不当に不合格にされた人に、医者になったら稼げたはずの生涯賃金を請求される。もっと怖いのはこれ、医大界では常識だってことだ。ほかにも、障害をもつ大学受験者、東京芸大の実体験なんかも出てきた。あの時僕に障害が見つかってなかったのは、僕の人生にとって良かったのか悪かったのか。
 女性が結婚出産で辞めることが多いのは、この国がそういう社会だからだ。レイシスト落ち着いて。この国の女性は、子供を産んだら仕事に穴があくから差別してるの? この国のLGBTは、子供を産まなくて生産性がないから差別してるの? 結局子供は産んだほうがいいの? 産まないほうがいいの?

内田樹さん。「TLは東京医大と大阪市長と杉田水脈で埋め尽くされております。社会システムの深刻な欠陥はこういうふうに非体系的・同時多発的に露呈するんですよね。三つの事案に共通するのは『社会的強者にリソースを集中させ、弱者には何もやらないのがフェアネスである。弱者が弱者であるのは自己責任であって、システムには瑕疵がない』という信憑です。そしてこの思想 (?) に同意する人が今の日本人のおそらく過半なのだと思います。目を覚ましてくれよ」。
 社会的弱者を排除せよって主張する人たちについて、「愛国的リバタリアン」っていう怪物にカテゴライズするとわかりやすい

さらには西日本豪雨の時、赤坂自民亭なる宴会をしてただけじゃなくて、首相がひたすら総裁選3選に奔走してたことが明らかになった。首相動静はもうアリバイにはならない。「『日本版CIA』、首相演説ネタや石破氏発言まで官邸へ」。権力者が自分の保身のために情報機関を勝手に使うことを普通「独裁」と呼ぶ。
 「『自主避難者』震災統計から除外 避難継続、疑問の声も」。東日本大震災の避難者数の統計を弄ってる。昨年3月で12万人、今年7月には6万人。本当の避難者数はわからない。かたや「陸上イージス、費用7割増 1基1340億円、最新レーダー採用 総額さらに拡大/配備遅れも」。それだけあれば被災地の復興にどれだけ役に立つだろうか。何度も言うけどミサイルはもう飛んでこないし、飛んできてもこれじゃ防げない。

規制基準案:廃炉ごみ、地下70m以深で10万年保管」。我々ホモ・サピエンス・サピエンスが他の亜種と分岐したのが10万年前。ホモ・サピエンス・ネアンデルターレンシスが絶滅したのが3万年前。未来の生物に、これは危険だよって伝えられるの?
 ツイッタージャパンがローマ教皇の日本語アカウントを閉鎖した。死刑制度廃止を打ち出したからだ。もう日本は上から下まで完全終了だな。 #脱ネトウヨ体験ってタグで「自分は洗脳されてた、目覚めてよかった」って話が流れてる。ぜんぜんよかないよ。差別で傷つけた世界中の方々に謝罪しなよ。こういうの歴史教育に大きな問題があると思う。年号を覚えて何になるの。近現代史を教えないで何になるの。歴史って、社会をよくする権利を勝ち取った経緯を知ることだ。

ところでみんなは安倍晋三が辞職すれば満足なの? 僕は、朴槿恵みたいに職権乱用を裁判で問うて、それ相応の刑罰を与えるべきだと思ってるよ。

SIDE-Cに続く。

8月6日 SIDE-C さらにいくつもの

楽しい話をしよう。映画「この世界の片隅に」の、仮に長尺版と言われてたバージョンの正式タイトルが発表された。「この世界の (さらにいくつもの) 片隅に」。なんて素晴らしいタイトルだろう。「この世界の片隅に」は、声高な反戦映画ではない。戦争の時代を生きた、すずさんという女性の日々を淡々と描いた映画だ。それは自分の日々とも重なってくる。この世界の片隅に人の数だけささやかな物語があった。そしていまもある。
 原作のリンさんのエピソードをカットしたのは、商業映画として成立させる片渕須直監督の手腕だけど、原作は「すず」と「リン」の対の物語だったわけで、さらにいくつもの片隅が描けたのは、映画が深く愛されたからだ。

火星の地下に湖を発見、太古の海の痕跡?」。「あれだけやって否定できなかったのですから、今では水であることを確信しています」。31日に火星が15年ぶりに大接近した。すばる望遠鏡の写真と記事。9月上旬までは非常に大きく観える。
 「130年前の星座盤が仕掛け満載でスゴイ」。「ありがとApple。西日本豪雨で壊れたApple製品は無償で修理してもらえる」。

とり・みき先生の「遠くへいきたい」最新版。明治38年「月間食道楽」誌によると、大阪では白粥を冷飯にかけた「おかゆライス」が実在したそうだ。同じネタを描いたゆうきまさみ先生が驚愕してる。
 「結局女性作家って本当に面白い漫画は描けないじゃないですか」なんていう編集者が実在するのか。いままで何を読んできたんだろうか。作家の性別をあんまり意識したことはないし、実はとり・みき先生が女性だと思っていた。漠然と。

こんなツイートがバズった。「頭が良い人は打算的で冷たいと思ってる人が多い。 私の知る世界では逆だ。 頭の良い人は優しい。 頭の悪い人はすぐ切れたり、誤解して絡んできたり、縄張り意識で敵対したり、仲良くなっても、ちょっとした事で『裏切った』と因縁つけてくる。短絡的で妄想的で暴力的で、優しくなどない」。
 当てはまることだらけだったので、精神科の定期検診で先生に聞いたら、僕に知的障害はないそうだ。彼はさぞかし賢いのだろう。僕を嘲笑っているのか憐れんでいるのか。それを冷たいというのです。醜い心を実感できないことを、冷たいというのです。

音楽の話を。忙しい人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲を。

CHVRCHES水曜日のカンパネラがコラボ曲 “Out Of My Head feat. 水曜日のカンパネラ” を公開した。水曜日のカンパネラを初めて観たのはo-nestのブッキングライブで、人気がなくてコムアイさんが物販に立って暇そうにしてたんで普通にお話ができた。こんなことになるとは。Aphex Twinの新作 “Collapse EP” がリリースされる模様。Animal Collectiveがニューアルバムの新しいトレーラー映像を公開したSpiritualizedが新曲 “Here It Comes (The Road) Let’s Go” を公開した。Elvis Costello and the Impostersが新曲 “Unwanted Number” を公開した。Paul Wellerが新曲 “Movin On” を公開した。Lenny Kravitzが新曲 “5 More Days Til Summer” を公開した。David Bowieの遺作 “★” に参加したDonny McCaslinが、そのコンセプトを推し進めたアルバムから新曲 “Club Kidd” を公開した。The Fieldが新作をリリースする。The Postal ServiceのDntelが新作をリリースした。The Joy Formidableが新曲 “The Wrong Side” を公開した。Louis Coleが新曲 “Things” を公開した。SWAVAYJames Blakeプロデュースの新曲 “BILLY” を公開した。

St. VincentJoni Mitchellの “Court and Spark” をカバーした。Instagramでリハーサルが見れる。Paul Simonのおそらくラストアルバムになる “In the Blue Light” のカラーヴァイナル盤がリリースされる。Fleet Foxesライブフルセット映像が公開された。Kamasi Washingtonライブフルセット映像が公開された。Sananda Maitreya a.k.a. Terence Trent D'Arbyのライブ映像 “Holding On To You” が公開された。Beckの “Colors (Picard Brothers Remix) ” が公開された。Franz Ferdinandの “Always Ascending (Nina Kraviz Techno Remix) ” が公開された。Elvis Presleyのボーカルトラックにバックトラックをつけた “Saved” が公開された。

Turning The Tablesが、The 200 Greatest Songs By 21st Century Women+を公開した。Alan McGeeが新レーベルCreation23を立ちあげた。フェンダーの、My Bloody ValentineKevin Shieldsのインタビュー第2弾が公開された。Gangpol & MitのSylvain Quementの変名Kuala Lumpenが、アジア音楽のミックスを公開した。Peter Gabrielが、UKの外交政策で自分のフェスの出演者が入国拒否されたことを批判した。Blossom Dearieのオランダ編集のレアトラック集が素晴らしいらしい (未聴) 。
 Colin MouldingTerry Chambersのユニットがライブする。朝霧JAMの第1弾出演アーティストが最高すぎて心が動いてる。いつもお邪魔させて貰ってたでっかいテントは寿命がきて、今年は各メンバーが個人テントを立てる。それが不安だ。僕適当だからさ、台風きたら飛んじゃうよ。The Sea And Cakeが来日する。of Montrealが来日する。アメリカのチャートでヒップホップが売れるのは、ストリーミング文化だから、AメロBメロサビみたいな構成がある曲より、おおよそ似たビートを繰り返す曲が好まれるからだそうだ。でも古くからアメリカはカーラジオ文化だったはず。Arcade Fireっていまたぶんロシアにいるんだけど、インスタストーリーで後ろに荻野目洋子がかかってた。ドイツの老人福祉施設から高齢者2人が脱出、メタルフェスで発見された。2人は帰りたがらなかったそう。

細野晴臣さんがアジアツアーをする。傑作 “Vu Ja De” “万引き家族” に続くニューアルバムも製作中。隠居宣言してからの活動がすごい。井出靖さんのLonesome Echo Productionがニューアルバムを製作中。カジヒデキさん x おとぎ話がコラボする。日山豪さんが個展「音を鳴らすということ」を開催。こんな音源知らなかった、加藤和彦さん “AROUND THE WORLD (DUB VERSION) ” 。
 高木ブーさんインタビュー大貫妙子さんインタビュー。どっちも非常に読み応えがあります。Negiccoが中野サンプラザでワンマンライブをする。新潟では地元密着のイベントにたくさん出てて羨ましいな。東京だとどうしても規模が大きくなる。村上春樹さんの初のラジオ番組が話題。CDの時代は終わった話で盛りあがった。ayU tokiOさん。「もので残すっていうことは、人を残すってことだと思うんです。人を残すってことは、技術を残すってこと。技術を残すってことは、文化が残るってことだと思います」。

立川志らべさん。「今どきのアイドルグループというものには何ら興味もないのだけど、わりと名前を聞くNegiccoというグループを聞いてみた。一番上にあったアルバムの1曲目聞いてすぐ、「これ誰がドラム叩いてるの?」と思ってしまった...。確かに、すごく聞ける。何だか悔しい... 」。
 音楽性の非常に高いグループと非常に低いグループがいる。Negiccoちゃんは正統派ポップスとしてすごく聴ける。amiinAはポストロックだったりアイリッシュトラッドだったり、でもオリジナルな世界観があってすごく聴ける。Sea And Cake + Pogues + Arcade Fireな楽曲を、可愛くて性格良さそうで仲良さそうな女の子2人が痛快に歌い踊る。その躍動感と爽快感。まずは生バンド化、世界は目の前だ。

田島貴男さん。「ブルーノートというのは半音のさらに間の音程。一オクターブの中に何箇所かその音程をあえて入れるのが黒人音楽の特徴。白人の作った音階から、わざとはみ出した音程を出すことによって反骨を表現していたと主張した人も過去にいた。
 黒人音楽は基本的にダンスミュージック。踊るための音楽はほとんどリズム、拍、に対して、メロディーがほんの少し遅れます。遅れを意識するというより、ダンスしながらメロディーを奏でると自然にそうなります。古くはラグタイムとも言われました。じっとして聴く音楽と、身体のどこかを揺らしながら聴く音楽は何が違うかというと、リズムに対して、前者はそのリズムの拍どおり、後者はリズムの拍に対してメロディが少し遅れてゆきがちになる。腕でも足でも頭でも、身体を揺らすと、どこかの部分が視点になって振り子運動になる。振り子運動というのは、任意の二点間で弧を描く運動で、直線の距離を行ったり来たりする運度ではない。この弧を描く動きを音楽で表現すると、いわゆるスイングとかタメとかラグタイムとかになる。これがもし、腕や足や頭を動かした動きが弧を描く動きではなくて、ピストン運動みたいな直線を行ったり来たりする動きであったら、リズムに対してメロディーは遅れたりせずにぴったり合うはず (抜粋) 」

 なーるほど。いままでブルーノートという音階について間違った認識をしてた。そしてラグタイムには目から鱗。バックボーンって背骨かよって気づいた時みたいに。

8月13日 女の子はみんな猫アレルギーっていうの。

男の子の名前はみんなパトリックっていうの、的なニュアンスで。

FUJI ROCKの余韻から醒めず、FUJI ROCKレポートを書きあげました。2016年から3年分。なにやってんだか。デザイン的に読めない方もいらっしゃるかと思います。20年もサイトを続けてるといろいろ無理が出てくる。検討します。こちらから!!

圧倒的ベストアクト : Kendrick Lamar
グレートアクト : Tune-Yards, ハナレグミ, Rancho Aparte, Interactivo, 折坂悠太 (合奏) , Hothouse Flowers, Chvrches
観たかった : Fishbone, MGMT, serpentwithfeet, Dirty Projectors、Vampire Weekend
ワーストアクト : Yoshiki

7日。雨。友達の野良猫に久しぶりに会った。新宿駅はいつも工事してるけど、エスカレーターを作ってるわけじゃないみたい。46歳エスカレーター男子、老いとの闘いだ。

きゃのんずみを@高田馬場四谷天窓へ。開演時間を間違えた。よくやる。なんでこんなに待ち合わせが下手なのか。
 ずみをはずいぶん久しぶりだ。髪をばっさり切ってから初めて。しばらく観ないうちにずいぶん安定した演奏になってた。新曲 “ミミック” も素晴らしい。彼女らしい切なさとユーモアと、少し寂しげな気配をまとった世界観。嬉し恥ずかしいような歌声の魅力はそのままに、どんどん進化してた。やっぱり目を離せない。

きゃのんは相変わらず、飄々としてるようで生きるのが下手そうだ。って言ってもやっぱり最初に観た頃に比べたら格段に安定した演奏だ。手拍子が起こってきゃあきゃあ喜んでた。MCも (そんなに) とっ散らかってなかったように思う。
 圧倒的なソングライティングの力に、ライブの表現力がぐんぐん近づいてきた。2人とも独特な歌声とガーリーな雰囲気をまとって、でも確固たる自分の世界を持ってる。表現したいことがある。素晴らしいことだと思う。

昔は四谷天窓は「うらみまーすー」みたいな出演者が多くて、お目当て以外は辛いものがあった。中の人が変わってイベント全体としてとても楽しめるようになった。
 この日はギターボーカルと、パンダのかぶりもののキーボードのユニット、inemuriさんが特によかった。ユーモアと希望に溢れた歌の隙間に、文学の香りも少し。

8日。猫の日。ちゅーるをやった。動物と暮らしたことのない人によく「ペットも家族みたいなもんですからね」って言われる。みたいなものじゃなくて完璧に家族だし、そもそも「ペット」だって認識もない。
 気圧の底...寝込んで終わった。猫の日は終わっても毎日が猫の日だ。

ベースを買った!! バンド解散と共に触らなくなって、知人に譲ったんだけど、また取り組んでみようと思ってる。バンドがいなければ打ち込みでやればいいじゃんってサトウトモミさんを観て影響を受けたのだ。

沖縄県の翁長雄志知事逝去。この話はあとでゆっくり。

9日。映画「この世界の片隅に」の、終戦記念日の舞台挨拶つきのチケットが取れた。テアトル新宿、新宿ピカデリーの2箇所。動向を見るに、瞬殺だったと思う。ほんとに人気映画に育ったんだなあ。

長崎原爆の日。追悼式の中継を観た。平和宣言は目の前にいる安倍晋三に訴えていたと思う。「世界の皆さん、核兵器禁止条約が一日も早く発効するよう、自分の国の政府と国会に条約の署名と批准を求めてください」。NHKではこの時の安倍晋三のアップを映して、苦虫を噛み潰したような顔をしてたという。
 長崎出身のさだまさしさん “祈り” とその歌詞。生命を心を奪い去ってゆく ちからも言い訳も総て許せない。

N氏とFくんがそうめんを持ってやってきた。夏のそうめんは最高だな。僕はウィスキーで豪快に酔っ払った。あんまり記憶がない。
 fishmansの問題の “Night Cruising 2018” は想像の範囲を超えなかったっていうかオリジナルの完成度が高すぎたのだ。Tune-YardsDirty Projectorsをかけて、Paul Simonの1991年のライブブートが面白かった。彼が傾倒してたアフリカやブラジルのリズムに溶け込んだ名曲たち。サウンドボード音源がオフィシャルでリリースされないかしら。

10日。suppa micro pamchopp@三鷹おんがくのじかん。ツイッターでのやり取りは長かったものの、お会いするのはこの日が初めて。
 音楽経験がないのに結婚して娘さんができてから突然音楽家に転身して、アコギ弾き語りからシンセを使ったアブストラクトな演奏、DJやイベント企画やデザインまで、非常に幅広い表現に取り組んでる方。この日はワンマンで、スッパさんの世界のほんの断片を感じ取れた。お客さんが増えるたびに代表曲を演奏しなおして、結果4時間の長丁場。演奏するたびにどんどん良くなっていくから聴き逃がせない。

いろんな編成、形態でライブをしてるスッパさん、この日はアコギとシンセの弾き語り。ポップスの定石から大きく外れた構成は、プログレというより映画音楽のそれだった。イマジネイティブな言葉や、美しいメロディやエッジの効いたリズムが、強く留まることなく次々と流れ去っていく様も。
 “SMiLE” を初めて聴いた時、これはそんなに革新的だろうか、ミッキーやトムとジェリーの後ろで流れてた音楽みたいじゃないかって感じたんだ。その新しさは、決して人を驚かせるためのものじゃなくて、まさにスマイルを引き出すためのものだった。スッパさんの新しさも、日常の優れたBGMだった。

細野晴臣さんが、映画音楽のいいところは音楽だけで完成していないところと仰った。スッパさんの音楽原体験の中に、映画音楽のラジオ番組があるという。きっとFrancois de Roubaixとかお好きなのではないか。終電の時間があって、ゆっくりお喋りできなかったのが残念。今度はいわゆる電子スッパやDJイベントにも伺いたい。

11日。朝からネット回線の撤去や荷物の受け取り待ちで断片的な睡眠しか取れずに、予約してたライブに行けなかった。RISING SUN ROCK FESTIVALのツイートがタイムラインを流れた。いろんなフェスに行ってみたい。
 ピーター・バラカンさんの「Weekend Sunshine」に鈴木慶一さんが出演した。テーマは1968年、はちみつぱいの “センチメンタル通り” が重たいバラードから始まるのはThe Bandの “Big Pink” の影響だとか、当時日本で100枚も売れなかったVan Dyke Parksの “Song Cicle” を買ったとか、知らなかった話がいっぱい。

12日。日航機墜落事故の日か...。体のメンテナンス。どうも過眠気味で、寝ている間に1日が終わった。雨と雷と蝉時雨が交互に聞こえてきた。

高橋留美子さんがアメリカのマンガの殿堂、アイズナー賞を受賞した。
 スタジオジブリの鈴木敏夫高畑勲さんをdisる記事がバズった。何十年も仕事を共にした盟友を死後disる鈴木の神経がよくわからない。いわゆるジブリ映画が、商業的な成功と引き換えにつまらなくなっていったのは、鈴木のせいだと思ってる。

「星の王子さま」にパオパブの苗木をつけた商売をしようとした西畠清順がまた炎上して、販売中止になった。彼は植物も文学も愛してないし、金の匂いのするところならどこへでも顔を出す。
 という意味で同罪の糸井重里は、西畠と組んだ神戸のプロジェクトで失った信頼についてどう思ってるのだろうか。

2013年に加計呂麻島を訪れた時にお世話になったMarsaさんが記事になった。「まさに隠れ家! 無添加手作りのパンとジャムが美味しい古民家カフェ」。

東京五輪が待ち遠しくない」っていうそのままの記事が西日本新聞に載った。日本人の同調圧力と、間違ってても引き返さない体質に関する記事だ。

6日の日記にも書いた、サマータイム導入についても「もし東京五輪で導入されると、夕方に開始予定の競技はより暑い時間帯から始まるなど、新たな課題は出ることになる」。当たり前だろ。

ナショナルジオグラフィックのバックナンバー「睡眠の都市伝説を斬る」シリーズでも、「朝方勤務がダメな理由」っていう記事で、「サマータイムをすでに導入している欧米各国の研究者の調査によれば、時刻の切り替え時期 (特に夏時間への移行時期) に死亡事故や心筋梗塞など心身の不調が顕著に増加することが明らかになっている」とある。
 同じくらい問題なのは、コンピューターシステムがイレギュラーなサマータイムに対応していないことだ。これを修正するだけで膨大な労力と費用が必要になる。

沖縄県の翁長雄志知事が亡くなった。本当にお疲れ様でした。最後の会見ノーカット版。骨のある方だ。最初の挨拶だけでもぜひ見て欲しい。バトンは渡された。

フォーブス誌「日本で最も勇敢な男、沖縄翁長県知事へ追悼」。one of theもつけないBravest Manだ。
 「ゴルバチョフ氏、翁長知事に追悼文」。「翁長雄志さんは優秀な政治家であり、立派な人間でありました。彼はいつも不変で堅固な意志を持ちながら、将来への明確なビジョンを持っていました。翁長雄志さんは私たちの中で永久に生き続けます」。

かたや安倍晋三は、ウヨ友の津川雅彦の死去に関しては追悼のツイートを繰り返して会見まで開いたのに、翁長知事に対してはだんまり。翁長知事は安倍の「敵」の「パヨク」ではない、自民党員だ。それでも自分に逆らう人間は敵であり、潰す
 安倍晋三はバカのボンボンだけど、天然じゃなくて悪意の塊で、ヤンキー的仲間意識も持ってるからほんとに手がつけられない。世界史上に残る悪漢だ。

翁長知事の今年はじめのインタビュー「差別と基地が『いじめ』を生む 翁長知事が語る沖縄デマとニュース女子」。
 「法政大学に通っていたのですが、東京でのアパート探しで『琉球人お断り』という差別を経験しています」。「十和田湖や松島湾、琵琶湖が埋め立てられたら、全国はおそらく怒りで震えるでしょう。しかし沖縄だとそうはなりません。辺野古の大浦湾が埋め立てられても、無関心な人たちの心は痛まない」。

東清二琉球大名誉教授「辺野古埋め立ては自然破壊」。
 「辺野古、大浦湾の環境は優れています。特に藻場はすごい。...埋め立てるのは自然破壊そのものです」。「中止すべきです。沖縄にはもう、これ以上、軍用基地はいらない」。「私は翁長知事の埋め立て承認の撤回を支持します」。

普天間飛行場 : 県内移設反対 沖縄県民大会に7万人」。沖縄県と東京都の人口比で換算したなら、64万人が集まったようなもんだ。しかも鉄道がない場所で。これが沖縄の置かれているスタンスってことだ。
 東京でも、翁長知事を追悼するキャンドルスタンディングが行われた。

音楽の話を。忙しい人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲 : 2018/8/10を。

2017年に全米で音楽業界全体で430億円の収益があったけど、そのうちアーティストが受け取ったのは12%だった。ほとんどは、ハイテク企業、ラジオ局、レコード会社の収入になってる。ただ、傾向としてはコンサートが盛んになったことと、アーティストが自分でリリースするようになったことで、取り分はちょっとずつ増えてる。

Aphex Twinが新曲 “T69 Collapse” を公開した。Aphex Twinは僕が大学生の頃に奇跡的なまでにかっこいい音楽を奏でて、いまも変わらずかっこいいのすごいな。Paul Simonが “One Man's Ceiling Is Another Man's Floor” のニューバージョンを公開した。Bon IverのJustin VernonとThe NationalのAaron DessnerのユニットBig Red Machineが、新曲 “Deep Green” と “I Won't Run From It” を公開した。Mura MasaNAOとのコラボ曲 “Complicated” を公開した。Peter Bjorn and Johnが新作をリリースする。Lee Scratch Perryが新作をリリースする。Roger Nicholsがレアワークス集の第二弾をリリースする。また日本独自でカバー曲のシングルボックスがリリースされる。

CHVRCHESが “Miracle” のVRライブ映像を公開した。単独の来日も決まった。Regina Spektorがテレビで “Samson” を演奏した。XTCの “Apple Venus” シリーズがアナログ化される。Paul McCartneyの新作のアナログは青とオレンジのカラー盤。来日も決まった。Spiritualizedが来日する。

水橋春夫さんが急逝した。ジャックスの中心人物で、ポリスターのディレクターに転身、最近ソロ活動をして未完成のアルバムがある。
 折坂悠太さんが新譜をリリース、収録曲 “さびしさ” のFUJI ROCKでのライブ映像が公開された。さとうもかちゃんが新曲 “melt summer / 友達” をリリースした。高野寛さんがオールタイムベスト+コラボレーション集をリリースする。久保田麻琴さんが選曲、リマスタリングした沖縄音楽のコンピがリリースされる。RISING SUNの山下達郎さん、ヒットナンバーや提供曲のセルフカバー満載のセットリストで、ゲストに竹内まりやさんが登場した。CHAIのFUJI ROCKでのインタビュー動画を見たら、尊敬するアーティストを聞かれて数秒のうちに、Superorganism、Tom Tom Club、Tune-Yards、Phoenix、CSS、The XX、Basement Jaxx、DEVO、Justice、Passion Pit、ABBA (なぜか笑) 、Carpenters、Totoの名前が挙がった。やっぱただものじゃないな。アメリカ盤の細野さんのアナログ、買えずに返金された。世界のポップスを手のひらに収める仏 (長門芳郎さん) に、パイドパイパーハウスに入荷してもらうしかないのか!?

8月21日 SIDE-A RESPECT

なんてことだ。Aretha Franklinが亡くなった。76歳。多くのミュージックフリーク、また人権や人間の尊厳について問題意識を持ち、闘ってきた人々にとって、ひとつの大きなピリオドになっただろう。
 たくさんのミュージシャンやミュージックフリークが追悼の言葉を述べて、たくさんの雑誌が特集を組んで、見つけるたびにリツイートしてきたけど、あまりにも数が多すぎて途中で虚しくなってしまった。

個人的な話をしよう。僕が彼女の名前を知ったのは、Scritti Polittiの "Wood Beez (Pray Like Aretha Franklin) " って曲だった。90年代に橋本徹さん (not 橋下徹) が、Free Soulシリーズで彼女の音楽を取り上げた。胸躍るグルーヴの洪水と歌声に興奮した。
 これを好きじゃない男は信用しちゃいけない映画「ブルース・ブラザース」でのかっこいいパフォーマンス。僕のヒーローの1人Paul Simonは自選ベストアルバムに “Bridge Over Troubled Water” を自身の音源じゃなくてArethaがカバーした音源で収録した。カバーの名手だった。それは生まれ持ったグルーヴと歌声が、誰の作品でも自分の曲にする力を持ってたから。それと同時に素晴らしいピアニストでソングライターでもあった。

いま46歳でミュージックフリークをやってるって、偉大なる先人たちの老いを痛感し、若い才能の出現に歓喜し、難しいお年頃だ。一番好きな曲に “Until You Come Back To Me (That's What I'm Gonna Do)” を挙げておきます。
 代表曲はOtis Reddingの大胆なカバー “Respect” 、一時は人気が低迷するものの80年代に “Jumpin' Jack Flash” のカバーやGeorge Michaelとのデュエットが大ヒット、Carole Kingがケネディ・センター名誉賞 2015を受賞した時の “(You Make Me Feel Like) A Natural Woman” のパフォーマンスは、感涙するオバマ大統領 (当時) や喜びはしゃぐ作者のCarole Kingの姿を含めてあきれ返るほどに素晴らしい。

客観的にArethaの生涯を。「女性解放運動、波乱続きの私生活、アレサ・フランクリンの生涯を振り返る」。音楽遍歴から私生活の苦悩まで一通り書いてある。
 この中でBonnie Raittは「救い、痛み、憧憬、降伏...彼女の歌声にはすべてが宿っている」と語ってる。そして遺族のあたたかい声明

政治や世論をも動かした『アメリカの歌声』、アレサ・フランクリンの政治的影響力」。「彼女の音楽は、片方の自由はもう一方の自由があってこそ成り立つということを認知しながら、性別や人種の平等を同時に訴えた。クイーン・オブ・ソウルは女性として初めてロックの殿堂入りしたが、ソウルやロックは彼女の幅広い才能の中ではほんの一部のジャンルでしかない。彼女の才能はカントリーからオペラにまで及び、いつでも原点のゴスペルへ回帰する。教会やコンサートホールでアメリカ人を前に歌う時でさえフランクリンは、積極的に黒人の現実を訴え、市民の権利のために闘う人たちに勇気を与えた」。

オバマ氏の追悼の言葉。「アレサはアメリカの体験が何かを定義する手助けをしてくれた。彼女の声の中に、アメリカの歴史を感じることが出来たから。その全てを、様々な色合いで。我々の力も、苦痛も、闇も、光も、救済への道も、懸命に勝ち取った敬意も。ソウルのクイーンへ永遠の平穏を」。

SIDE-Bへ続く。

8月21日 SIDE-B ピカデリーで会おう

前回の日記とFUJI ROCKのレポートは、徹夜して丸一日かけて書いた。20年前に後先考えずに作ったサイトなんで、コマンド1つ間違えるたびに40個のファイルを書き換えなきゃなの。最初の頃はFUJI ROCKの興奮を記録しておこうって気持ちで書いてたのに、15回も行くと義務感になって、そんな文章だから反応も殆どなかった。
 サイト自体も更新頻度が減って、世の中がどんどんおかしくなっていく中で、内容が長く重たくなって、アクセスは減ってる。由々しき事態だ。

レポートを書きあげた13日は、久しぶりに酷い抑鬱状態に陥った。一日中寝込み、猫たちの存在に救われた。
 FUJI ROCK前から続く、肉体的・精神的な負荷の反動かもしれない。誰にも期待されてないFUJI ROCKレポートを書くという、「生産性のない」「グロテスクな」活動を自覚したせいかも知れない。単にカウンセリングが夏休みで、心の行方がないせいかも知れない。もっと大きな、人生そのものに対する失望かも知れない。

14日はThe Beatniks@Billboard Liveに行った。
 結成から37年、断続的に活動して今が絶頂期じゃないか。アルバム ”EXITENTIALIST A XIE XIE” もヒットした。鈴木慶一さんのユーモアとアイロニーが爆発したリードトラック “シェー・シェー・シェー・DA・DA・DA・Yeah・Yeah・Yeah・Ya・Ya・Ya” はじめ、彼らの長い旅路の最高傑作かも知れない。The Beatniksが辿ってきたいろんな音楽が詰まってる。高橋幸宏さんのカラーが出た名曲は “Softly-Softly” かな。

バンドメンバーは変わらず堀江博久さん、砂原良徳さん、矢口博康さん、ゴンドウトモヒコさん、永井聖一さん、高桑圭さん、白根賢一さん。
 今回の活動再開で何度ライブを観ただろう、毎回同じメンバーなのに選曲もアレンジも変えてくる。この中では若手の永井さんがどんどん前に出てきて、”Dohro Niwa” での慶一さんとのギターバトルは定番になりつつある。慶一曲では幸宏さんと白根さんのツインドラムも気持ちいい。堀江さんの後ろの席だったんで、堀江さんがかなりの部分、サンプリング音も同期じゃなく生で演奏しているところがよく見えた。

Billboard Liveで何度もライブを観てるけど、あの箱であんなに盛りあがったのは初めて。でもメンバーはあくまでクールでお洒落でユーモアを欠かさない。
 例によって楽屋口に近い安い席だったんで、慶一さんが僕に気づいてくれてハイタッチ。そのまま手をあげてたけど幸宏さんとはハイタッチならず。堀江さん、矢口さん、白根さん、砂原さんとハイタッチ。初めてMoonridersを観た1991年のNHKホール、この扉の向こうに本物のスズキケイイチがいるんだってドキドキしてたことを思えば、慶一さんが僕に気づいてハイタッチしてくれる未来は悪くない。

15日。終戦記念日。については後でゆっくり。
 内科の定期検診へ。明らかに年下の看護師のお姉さんに「山下くん」て呼ばれた。内科の病気もいっぱい持ってるけどこないだの検査でまた新しい病気が見つかって、転移の可能性はないけど痛みが出る可能性があるって。

この日はテアトル新宿、新宿ピカデリーで「この世界の片隅に」の舞台挨拶つき上映をハシゴした。動機はたぶんに間近でのんちゃんを観たい、くらいのものだったかも知れない。けどあの映画を2回続けて観るっていうのは貴重な体験だった。観れば観るほど発見と感動があって、一分の隙もない大変な傑作だ。
 2回目はオープニングのコトリンゴさんの歌が聴こえてきただけで胸に迫るものが。映画好きとしてこんなこと今までにない。

片渕須直監督が1回目に話されたことは、8月15日はたかが玉音放送が流れてポツダム宣言を受け入れたことが公表された日で、正式な終戦は9月2日であること。戦争をテーマにした作品は夏に公開されることが多いけど、戦争は8月だけにあったわけではないし、すずさんの人生が8月だけにあったわけでもないし、冬に始まる話なので11月公開にしたこと。公開からいくつもの季節が流れて、いろんな季節にすずさんや世界の片隅の人々の暮らしについて、想いを馳せて欲しいこと。

2回目に話されたことは、ピカデリーさんとは前年の終戦記念日に来年もやろうと、映画「大脱走」の合言葉、ピカデリーで会おうが実現したこと。玉音放送の晩にも夕食があったはずで、呉で灯火規制を破った目撃証言があること。その日の夕食、16日の夕食、17日の夕食は、シームレスに2018年の今日の夕食に繋がってて、僕らと同じ生身の人間の暮らしを描いたこと。映画が提供するのは映像と音響だけで、それを感じ取り映画を完成させるのは観客であること。毎回違う切り口からお話する片淵監督の引き出しは無限だ。

のんちゃんは、すずさんの成長の表現と、それでも抑えていた感情を敗戦の後に爆発させて知らないうちに巻き込まれていった戦争という状況の異常さを表現するのに一番集中したこと。この冬に公開される「いくつもの片隅に」では、もう少し大人なすずさんを表現したいこと、なんかを話してた。やり取りの中で、のんちゃんの麺類好き (ご飯は炊きあがるまで1時間待たなきゃだから) が露呈したのも微笑ましかった。
 この夏は映画いっぱい観よう。

テレビでも「この世界の片隅に」を放送してたみたいで、でもCSなのか。夏の風物詩として地上波でみんなで観たらいいと思う。感じ入るところがあるはずだし日本が優しくなるよ。それに飽きるほど観ても発見があって飽きない。

16日。suppa micro pamchoppさんのいわゆる電子スッパ@早稲田RiNenへ。場所柄か、客層が若かった。
 DJ砂肝さんはミニマルミュージックと民族音楽をシームレスに繋ぐ僕好みの選曲。DJ DELICATESSENさんは曲っていう素材のリズムとは関係なくサンプリングとループでグルーヴを作る。で、リアルタイムに声をかぶせてエフェクトをかけてく。非常に面白い。最近は、日本の誰でも知ってる歌謡曲をかけてイェイ、みたいなDJばっかり観させられて辟易してたんだ。もうね、音楽愛してないDJは死ね。

スッパさんは壊れかけのMC-505でのパフォーマンス。赤外線センサーでテルミンみたいに手の動きを感知して、音色や音階や音量が変化する。つまみや鍵盤がいっぱいついてるんだけど、壊れかけてるから予想外の反応をすることがあるんだって。っていう意味で、1人と1台のインプロビゼーションが成立する。
 電子音のドローンの中に時折リズムが聴こえてくることもあれば、音階が聴こえてくることもある。音が止まっちゃいそうなスリルもある。後半はセンサーやつまみよりも鍵盤を連打して、クールにクワイエットにあがっていった。快感原則を知り尽くしてる演奏だった。美は乱調にあり。

17日。Aretha Franklinの訃報を知って落ち込んだ。
 FUJI ROCK仲間の1人とこじれちゃった。自分の存在価値のなさを痛感して、人生に大きく失望した。虚無に対して話しかける「生産性のない」「グロテスクな」自分を情けなく感じた。そういう人間が排除される日本って国の文化に孤独感も感じた。

みんな涼しい涼しい言ってるの完全に麻痺してる。この日東京は30℃あった。体調わりくて寝たり起きたり。疲れが溜まってるし色々めんどくさいことになってるぞ。
 猫の後頭の愛おしさ。

18日。田中ミズホ@井荻チャイナスクエアへ。間に合わなそうで千歳烏山からタクシーに乗り換えたんだけど、タクシー乗り場にタクシー来ないの。日照りの中30分待ってクラクラした。電車で行ったほうが早かったかも知れない。
 で、急いで行った意味ぜんぜんなかった。チャイナスクエアのブッキングはどうなってるの。オーディション的なものはないのかな。いろんな意味で非常に辛かった。特に最初の2組、彼女たちがいつか音楽の喜びに出会うまで、おうちで寝てたい。

田中は1曲だけ、ジャジーな “Week Point” って曲でオケを使う。この曲があるのとないのとではステージの印象が大きく変わるんだけど、いいところでオケが止まるハプニングが。だいじょぶかよ。でも田中はめげない。その場でセットリストを変えて精一杯たのしませてくれた。ギターすごくよくなったなあ。歌はもともとすごくいい。曲もいい。キャラもいい。笑顔もいい。最強。
 ただ田中は可愛いんだよね。だからああいうアイドルっぽいブッキング組まれちゃう。なんとか音楽の偉い人に発見されて欲しいよ。僕は耳には自信があるけど、彼女をもっといい環境に連れてってあげる力はないから。

夜はdodo@高円寺U-hAへ。昼間とは打って変わって音楽への愛に溢れたライブイベントだった。さすがはU-hAさん。
 ermhoiさんはエクスペリメンタル。ウクレレ1本で歌い始めたと思ったら2曲目にはドローンが乗って、3曲目でついにウクレレを置いた。MacBookの中の音素材を、テノリオンみたいなインターフェイスとミキサーでコントロールして、リアルタイムでボーカルをサンプリングして。涼やかで心地いい時間が続いた。MacBookの中で何が起きてるのか見たかった。自分もアブストラクトな音楽を演りたいと思いつつ、主に機械音痴の、副にものぐさのせいで、結局ありふれたポップス演ってるんだよね。

aqubiは前にも観たことがある男女ユニット。ウィスパーボイスの女性ボーカルと、流れるような、でも時に力強いピアニスト。ermhoiさんと比べると具象的な音楽かな。どこまでが決めでどこからがインプロビゼーションかわからなかった。それくらい自然に2人の音楽が混じり合ってた。カリンバやルーパーを使ったパフォーマンスも素敵だった。
 コードにジャズの香りを漂わせながら、その手触りは童謡のようでもあって、でも言葉は時に大人びてドキッとした。

お目当てのdodoはボーカル・ギターの男女ユニット。ボーカルもギターも基本ユニゾンで、2人の声が見事に混じり合って、もはやなんで2人いるのかよくわからない。いろいろよくわからないことを飄々とこなすユーモアセンスの持ち主。
 前に拝見した時はフルバンドで、この日はキーボードとミニドラムのサポートを入れての演奏。男性が変則チューニングで演奏する時は女性はボーカルとパーカッションを演奏する。ユニゾンの声が寄り添っていたかと思えばオクターブ離れたり、3度のコーラスを取った時にピリッと味が出る。名曲 “なんもしとうない” は僕のテーマ曲にしたいですね。Moonridersの “だるい人” 的な虚無の世界だ。

ermhoiさんやaqubiのエクスペリメンタルな演奏はもちろん、dodoみたいにポップスのフォーマットを取っても、音楽ってこんなに自由で可能性があるんだよってこと、昼間の井荻チャイナスクエアの出演者たちに教えてあげたいよ。日本にも素晴らしいミュージシャンがたくさんいる。
 帰りに無性にそうめんが食べたくなった。でもなんもしとうない。改札で駅員さんに話しかけたらお相撲さんみたいな声が出た。猫たちが留守中の話をしてこてっと寝た。世界中のすべての猫が幸せになれよ。

19日。眠れない時期を過ぎて過眠に入った。用事があったのに寝込んでた。起きてBeckのインスタライブ観るともなしに観て終わった。
 チャイとお喋りしてたらメイがやってきてちょっとした鼎談に。最後はみんなでチュー。そんな家族の風景。

Margo Guryanが、TwitterでNegiccoの3人をフォローしてることに気づいた。前にMargoのアカウントに、「日本のベリーフェイマスなボーカルグループNegiccoが、客入れにあなたの音楽を使ってました。Negiccoの音楽も素晴らしいです」って “愛は光” のMVつけてメンション送ったら、気に入って拡散してくれたの。

20日。この日も体調がすぐれない。ギリギリの時間まで寝込んでSparks@渋谷CLUB QUATTROへ。サイン会があるって聞いて意気揚々と “Hippopotamus” のアナログ持ってったんだけど、「会場でCDをお買い上げの方に整理券をお配りしています」で、僕が行った時にはもうなくなってた。
 Sparksはレコードの緻密な音作りも好きだけど、生々しいライブがまた最高なんだ。Russell Mael、65歳のアイドル感、Ron Mael、70歳の無愛想感。この2人が兄弟だなんて奇跡的な出会い方だと思うんだよね。で、シニカルでドラマチックでユーモラスで、世界のどこにもない音楽を奏でる。

When Do I Get to Sing My Way” の前にSinatraの “My Way” を繋げる演出にはびっくりした。”Hippopotamus” やっぱ変な曲だ。大好き。”No.1 Song In Heaven” の間奏で、それまでKraftwerkみたいに硬直してたRonがむくっと立ち上がってネクタイを振りほどいて踊りだすのは、去年のツアーからの演出だね。そこから "This Town Ain't Big Enough For Both Of Us" に持ってく流れにはアガる。
 アンコールの “Change” はBowieの “Changes” みたいだった (チェチェチェ...ってやつ) 。最後は “Amateur Hour” やばい。往年の名曲と新曲がまるで違和感なくて、でも新曲はちゃんと今の曲になってるんだ。

岸野雄一さんがいらしたけどお忙しそうだったので声はかけなかった。その岸野さんいわく、Beck御一行様はじめサマソニ出演組がたくさん来てたみたいで、外国人が多くて異様な盛りあがりだったのはそういうことか。
 岸野さんはSparksのドキュメンタリー映画の取材を受けて、映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」で、主人公たちがゾンビに取り囲まれてレコードを投げて応戦するんだけど、「待て! 貴重なレコードは投げるな」「Dire Straitsは?」「投げろ!」ってやり取りが大好きだって話をしたらしい。なんで!?

今日21日、頑張って起きて布団を干して、3週間ぶりのカウンセリングのための資料作り。明日いろいろ話したいことがあるよ。

SIDE-Cへ続く。

8月21日 SIDE-C カメラを止めるな!

まだ観てないんですが。
 mixi全盛期に、あちこちのコミュニティに「喫茶店を成功させてその金で映画を作って世界を変えて岡本太郎を超える」って書き込みをしてたイタいやつがいたらしい。その人が後の「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督なんだって。イタいやつが化けることもあるんだな。観たい映画リストにもちろん入ってる。

テレビで「となりのトトロ」をやったの?
 トトロのすごいところはいっぱいあるけど、一番すごいと思うのは、お父さんがトトロの存在を否定しないんだよね。普通は娘に「またトトロに会える?」なんて聞かれたら、「いい子にしてたら会えるかもね」って別の話に、しつけ的にそらすと思う。でもあのお父さんは「運がよければね」って応えるんだ。(セリフうろ覚え) 。

前の日記で、ジブリの鈴木敏夫が、高畑勲さんが亡くなったあとにdisるのは汚いな、的なことを書いたけど、なみきたかしさんが、高畑さんは理性的な方であの記事にあったようなことはない、スタッフもちゃんと育ってるって反論した。鈴木敏夫キライ。
 音に囲まれた世界を、静寂・音楽・騒音...に焦点を当てて描くドキュメンタリー映画「静寂を求めて」の予告編が公開された。

ヤン・シュヴァンクマイエル監督が引退を表明した。チェブラーシカの生みの親、エドゥアルド・ウスペンスキー氏が亡くなった
 Photoshopを駆使したセルフィーをアップする90歳のアマチュア写真家、西本喜美子さんの新作がまたやばい

40代が似合わないTシャツはコレ! 失敗しがちな真夏の痛カジュアル5選」って果てしなくどうでもいい記事が炎上した。ロックTシャツを着てると「精神的に大人になり切れていないのかな、常識がなくて変わった人なのかな、と思われ」る日本のロックの成熟度!! この記事を読んだ時、DJみそしるとMCごはんのTシャツを着てた46歳です。
 地域やPTAの役員を決めるときとかにハードコアなTシャツを着てると、使い物にならないやつ感を演出できていいって声もあった。

オリンピックのボランティアがブラックな件。「授業より五輪ボランティア通知 学生頼みの『国策動員』」。「東京五輪ボランティア『中高生枠』確保へ」。まさに学徒動員。内申に響いたりするんだろうか。
 オリンピックだからタダで通訳しろってすごいね。オリンピックだから広告代理店はタダで宣伝しろとか、オリンピックだから放送局はタダで放送しろとか、オリンピックだから飲食店はタダで飯食わせろとかそういう世界だよ。「東京五輪学生ボランティア応援団」って痛烈な皮肉のサイトがバズった。

自民党船田元の記事「サマータイム制度の導入について」がすごい。「コンピュータなどの時間設定の変更は、律儀で真面目な国民ならば十分乗り切れるはずだ」「睡眠不足などによる健康障害問題は、むしろ個人の心構えにより、多くは解消されるはずだ」ってまじで書いてある。ならサマータイムやめて個人の心構えで酷暑乗り切れよ。
 コンピューターについての反論「サマータイム導入が難しい理由、迫られる『2度訪れる同時刻』への対応」。安倍政権と森喜朗と電通と為末大以外に誰がやりたがってるのオリンピック。ダ・ダ・恐山さん「オリンピックはなんかこう、選手の筋肉量などの身体データから統計的に成績を導き出してそれでやったことにできませんか」。

終戦記念日の毎日新聞の社説「終戦の日を迎えて 記録を尊ぶ国でありたい」。「ポツダム宣言の受諾が決まった直後...機密書類の組織的な焼却が始まった」「黒煙は45年8月14日午後から16日迄上り続けた」「戦犯裁判に備えたのだろう。とりわけ天皇に不利な文書を葬る意図があったことは想像に難くない」。
 東京新聞の記事では、「首相、今年も『加害』触れず 戦没者追悼式 天皇陛下は『深い反省』」。さらにこの6年間の式辞を分析してる。「首相『加害と反省』触れず 戦没者追悼式で6年連続」。「次世代に『謝罪を続ける宿命を背負わせない』(一五年の戦後七十年談) との思いがあるとみられる」。思いなんてもんかよ。

半藤一利さん「コチコチの愛国者ほど国をダメにする者はいない」。「特に世界情勢に関して日本の新聞は無知ですね。当時も無知でした。スターリンとかヒトラーという人物について、ほとんど理解していなかった。政治家も軍人も新聞人もそうでした」。
 かたや大日本帝国に侵略された国々にとっては解放記念日だ。第73周年光復節慶祝辞 (文在寅大統領) 。この視点が日本の報道に圧倒的に欠けてる。いま韓国すごいぞ、「週52時間以上働かせたら懲役2年、国民全員を幸福にしようとする韓国の試み」。

広島平和記念資料館は年々、展示の残酷性が削がれてるそうだ。子供連れや外国人観光客からのクレームがあって、悲惨な展示が減らされてる。現実が悲惨だったんだ。それを後世に伝えるための資料館だろう。
 忘れてるのは日本だけじゃなさそうだ。「現代人へ警鐘。ホロコースト。死者への侮辱」。ホロコースト記念碑でインスタばえのためにふざけてる若者に警鐘を鳴らす作品。僕も子供の頃にサイパンに遊びに行ったことがあって、戦車が野ざらしにされててパブリックイメージとのギャップにショックを受けた。

SIDE-Dに続く。

8月21日 SIDE-D Sir Paul McCatneyもツイ消しくらいする

音楽の話をしよう。忙しい人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2018/8/17を。「レコードを溜め込む行為が正式に医学的障害へ」って記事がバスった。レコードに限らず、収集癖全般のことみたいだけど。どうも、医学的障害です。

Paul McCartneyが新曲 “Fuh You” を公開した。Animal Collectiveがニューアルバム “Tangerine Reef” をフル公開した。Cat Powerが新曲 “Woman (feat. Lana Del Rey) ” を公開した。Jim O'rourkeが37分の新曲 “Firmware Generation” を公開した。David Bowieの “★” に参加したDonny McCaslinが、そのコンセプトを推し進めた新作から “What About the Body” を公開した。The Fieldが新曲 “Who Goes There” を公開した。Factory Floorが1927年のサイレント映画「メトロポリス」につけたサントラから “Transform” を公開した。Disclosureが新曲 “Moonlight” と "Moonlight (Extended Mix) "を公開した。Computer Magicが新曲 “Clouds” を公開した。

Franz Ferdinandが “Feel The Love Go (Whatever/Whatever Remix by Justin Strauss & Bryan Mette) ” と “Feel The Love Go (Ame Remix) ” を公開した。Superorganismが “Everybody Wants To Be Famous (Cedric Gervais Remix) ” を公開した。St. Vincentがライブ映像 “Rattlesnake” と “New York” と “Slow Disco” を公開した。Courtney Barnettが公園で演奏したライブ映像10曲を公開した。The Sea And Cakeスタジオライブを公開した。Youssou N'dourが “Daara Duko Daxx” のライブ映像を公開した。

Aphex Twinの新作PVにまつわる記事、「人工知能の画風変換を駆使したエイフェックス・ツインとウィアードコアの最新作『T69 collapse』」。Pink Floydが “Arnold Layne” のMVを公開した。David Byrneが監督した “True Stories” がDVD / Blue-ray化されて、Blue-ray版には初めてサントラCDがつく。Eric Claptonが製作中のクリスマスアルバムの1曲をAviciiに捧げる。Teenage Fanclubが来日する。Mura Masaが来日する。Kraftwerkの “Radioactivity” のモールス信号は歌詞の内容を打電してるらしい。最後は歌詞にない「KraftwerkにTune Inしろ」らしい。Robert Plantが「まさにLed Zeppelin」って呼んでる新人バンドがいるんだけど、そんならZeppelinを聴けばいいじゃない。

FUJI ROCKのアフタームービーが公開された。Billboard Japanによるレポートも公開された。3Dライブ動画も公開された。
 星野源さんが新曲 “アイデア” を公開した。悔しいけどいいなあ。まさにアイデアに溢れてる。でもシングルでアップテンポなナンバーが続きすぎてないか。初期みたいな叙情的なシングル曲があってもいい。ところで「おげんさん」にもう細野さん出ないのかしら。のんちゃんが武満徹さんの “系図” の語り手を担当する。Sweet William青葉市子さんがコラボ曲 “からかひ” を公開した。あーたさんが新曲 “Airport” を公開した。
 細野晴臣さんがロンドン公演から “東京ラッシュ” のライブ映像を公開した。イギリスでの特集ラジオ番組が公開された。Corneliusがロンドン公演から “Count Five or Six” のライブ音源を公開した。高橋幸宏さんが “サラヴァ!” のボーカル新録バージョンをリリースする。”サラヴァ!” の頃はベタッとした歌い方だったんだよね。今の歌い方に変えるんだろうか。宇多田ヒカルさんが “初恋” のアナログ盤をリリースする。sugar meさんが2nd、3rdアルバムのアナログ盤をリリースする。結婚を前提とした予約完了。

8月30日 SIDE-A 孤独と存在意義とそれから - なんで長文日記を書いているのか

相変わらず酷い抑鬱状態にあって殆ど寝込んでる。

非常に大雑把に、理系の人々は電気ビリビリが大好きだけど、その上で何を表現しようか、何を伝え何を受け取ろうか考えようとしない。電気ビリビリの先に生身の人間が存在することにさえ気づいていない。
 インターネットの商用利用黎明期に、アカウントだけを大量生産してコンテンツがまるでないサイトが乱立した。いま身近に、個人用のメールアカウントを3つ持ってまったく使わない人が2人いる。

大滝詠一さんは、6分 (だったかな) 以内にメールの返事をしない人とはつきあわなかったそうだ。それはメールはコミュニケーションだからだ。インターネットはコミュニケーションだからだ。僕は大滝さんみたいに立派な人間じゃないんで、メールの返事が「まったくない」状態をも甘んじて受け入れてる。
 人という生き物は、「Hi!」って意味のない挨拶を交わすことで、敵意がないことを表明する。「Hi!」の返事を頂くだけで、僕は僕が存在することを確認できる。

僕はかれこれ18年間深い孤独の中にいる。家族や親族というものがまったくいない。鬱病と発達障害で友達もまったくいない。たくさんの病気を持った身で、救いは猫だけって状態が続いてる。病状が悪化しても保証人がいないんで入院できない。たまに声を出すと、お相撲さんみたいな声が出て自分で驚く。
 なにごともその人になってみないと感情を実感することはできない。僕だって飢餓や戦争の中にいる人々のことを、頭では理解できても実感することはできない。

主治医に、君はURにとって住人として存在意義がある、君はAmazonにとって顧客として存在意義があるって言われたことがある。そんな記号を求めてるんじゃない、僕は僕が人格を持った人間であることを誰かに伝えたいのだ。
 例えば音楽や映画や演劇の感動を誰かとわかちあいたい。独りで行動する僕の想いはこの長い長い日記にしか行く場所がない。想いが強まるほどに長くなって読む人が減るジレンマにある。そういう行為を心ない人に「グロテスク」って言われたりもする。

僕は若いミュージシャンのライブによく通う。それは音楽を聴きたいと同時に、ミュージシャンと会話したい気持ちがある。運に恵まれなかった才能はステージを離れていく。だから同世代のミュージシャンは大物すぎて、音楽について語り合えないんだ。
 若いミュージシャンの音楽性に合わせて、よくお薦めのCDを差しあげる。カウンセラーさんはそれを「種を撒いてるって意味で価値がある」って言ってくれた。でもやっぱり僕は顧客でしかなくて、その線を踏み越えようとすると明確な拒絶を受ける。で、また心ない人に「グロテスク」って言われたりもする。

夜廻り猫」を巡って、そんな記事があった。「『死ぬな』って言葉、地獄分かってない 夜廻り猫が描くしんどい学校」。この女性はまるで僕だ。
 多くの国や民族では、苦しんだ時に宗教に心の支えを求める。宗教も行政も機能していないこの国では、何かを書くこと、作り出すことで、小舟にしがみついてかろうじて生きている人がたくさんいる。この日記もそういうことだ。

SIDE-Bに続く。

8月30日 SIDE-B 残したものも残ったものも、何もないはずだ、夏は終わった。

22日。3週間ぶりに美人女子大生カウンセラーさんの元へ。学校が夏休みだった間に、SIDE-Aみたいなことをもじゃもじゃ考えてた。死ぬほど暑いのに帽子も日傘も忘れてきた。夏と、夏を好きじゃなきゃいけない同調圧力どっかいけ。
 いろいろ辛かった3週間の想いを話してヨシヨシしてもらった。なんでか話しは飛んで、Aretha Franklinの素晴らしさについて朗々と語ってた。

帰ったら、新宿三井ビルのど自慢大会の話題でタイムラインが埋め尽くされてた。この大会の異様さと魅力は、下井草秀さんのこの記事に詳しい。コーチェラ、グラストンベリー、Sonar、SXSWと並んで一度は体験してみたいフェス。

23日。Hello, Wendy!のライブチケットをってたんだけど、抑鬱で寝込んでて行けなかった。残念過ぎる。猫の寝息だけが聞こえた。「平成最後の夏」になんの感慨もないのは、僕が夏嫌いだからか昭和生まれだからか。平成最初の夏は高校生で、ひたすら六本木WAVEで試聴してた。ラジオより雑誌と試聴機育ちだった。
 Arethaが亡くなってから、タイムラインを流れてくるArethaの音源ばっかり聴いてる。Mavis StaplesがArethaより3歳年上ってすごいよね。いまでもコンスタントにアルバム出して、普通にヒットしてるんだもん。

八谷和彦さんのメーヴェのフライトシミュレーターやってみたい。インプットしたいことが多すぎて、アウトプットが目詰まりを起こしてる。八谷さんのメーヴェはジェットエンジンの音がする。宮撫xさんのメーヴェは静かな印象。ナウシカがゴー!!って爆音たてて飛んでたらなんか違うよね。
 関西地方にまた台風がやってきた。電車の中で乗客全員のスマホから警報が鳴り出して、状況がわからないイタリア人のツアー客が「GODZILLA...!?」って動揺したらしい。

24日。やっぱり約束があったけど抑鬱で寝込んでて行けなかった。ごめんなさい。普通にご飯食べて普通に眠い。赤ん坊か。猫を揉んでた。メイがカリカリの匂いさせてムフー、ムフーって。チャイがうざそうに見上げてた。

アイドルとパンクは、音楽的にプロフェッショナルじゃない人たちが頑張ってる姿が美しいって意味で、概念が近いって意見を読んだ。なるほど、だからバンド少年がドルヲタになったりもするのか。
 でもキャンディーズは音楽的にもプロフェッショナルだよな。PerfumeBabymetalamiinAは、チームとしてプロフェッショナルだ。

25日。気温36℃の中、体のメンテナンスのために久しぶりに部屋を出た。懐かしい缶のコカコーラを飲んだ。暑い。暑い。暑い。鼻から吸う息がお湯みたいで窒息しながら歩いた。夏はやく終われ。一瞬で終われ。最後の花火まいにちあがれ。
 のんちゃんがWeibo (微博) にアカウントを作った。意外な展開。中華圏進出を狙ってるんだろうか。僕ものんちゃんをフォローするためだけにアカウント作った。みなさん、フォローしてください...フォローしてください。

26日。かねこ “きゃのん” きわの@四谷OUTBREAK!へ。
 これが気温37℃の世界...。タイヤの焦げる匂いがした。那覇は30℃、台北は28℃、避暑に行きたい。暑すぎるんで先着100杯飲み放題になった。いやっほい。エレクトリックリボンyuちゃんが、世にも珍しい夏苦手女子だと判明。千原ジュニアさんが、男女の相性でいちばん大切なのはエアコンの設定温度だって。それ正解だと思う。多くの女子はこの酷暑の中で、クラムチャウダーを頼んだりするのだ。

きゃのんは、天才的なソングライティングに演奏力がぐんぐん追いついてきた。数ヶ月前までだいぶあぶなっかしかったのにな。どこまで行っちゃうんだろう。可愛らしいようでちょっと意地悪な女の子の世界観、ポップなのにジャジーに展開する楽曲、甘い歌声とアイデアに満ちたキーボードプレイ。
 MCは相変わらずとっちらかってた。「客席が見えないんです、坂本竜馬の目で (武田鉄矢さんのイメージで目を細めるってことだろうか) 」、「落ち着いて、ヒーヒーフー (それはラマーズ法だ、なんか出るぞ) 」、1曲ごとに「さよなら、あ、さよならじゃない (帰るな) 」、「MCはウケるのに物販は寂しいんです (ウケてるわけじゃない) 」。

対バンで突出してたのが川嶋志乃舞さん。数年前にも観たことがあるんだけど、別人みたいに進化してた。圧倒的な三味線の演奏力と小さな体で力強いボーカル。
 雅楽とポップスを合わせてみましたってものすごく難しい。スタイルだけ寄せていっても、その美学が体に染み込んでないと様にならない。彼女はシティポップやソウルに、三味線のエッジと表現力を見事に融合させてた。色物としての三味線でも色物としてのポップスでもない、あのスタイルじゃなくちゃいけない必然性を持った音楽を奏でてた。

27日。またも約束があったのに、抑鬱で寝込んでて行けなかった。猫がいつにもまして甘えてきたのは雷と大雨が怖かったのかな。僕は気づかずに眠ってた。
 雷、子供の頃はかっこいいと思ってた。まさにテクノだって。いつのまにか怖くなった。自分に落ちるんじゃないかって不安が生まれたわけじゃなくて、落雷写真にみられるデザインや存在の美意識を受け入れられなくなったんだ。虫と一緒だ。

さくらももこ先生が亡くなった。テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」の放送開始は平成2年、当時「平成のサザエさん」と呼ばれた。そして来年平成が終わる。いい意味で平成を象徴する方だった。大地震があって安倍政権があって、でもあの時代にも素敵なことがあったじゃないかっていう。
 53歳は若すぎると思ったら、昭和の大スター美空ひばりさんも石原裕次郎さんも52歳だって。僕は46歳。父親の年 (40歳) を過ぎてから年のとり方がわからなくなった。

「ちびまる子ちゃん」のほのぼのイメージが浸透した頃、「神のちからっ子新聞」のサブカルチャーなナンセンスに仰天した。Arethaもさくらももこさんも、異端だからど真ん中に行った感じかなあ。
 もものかんづめ (白桃) を開けてもものかんづめ (エッセイ) のページをめくった。みんなこのエッセイで、ちびまる子ちゃんのヒットの理由を痛感したんだ。目のつけどころのネジがはずれて、わかりやすく哲学的だった。そういえばサザエさんの長谷川町子先生も、パブリックイメージとは遠く離れた異端の才能だった。

さくら先生といえば作詞の名曲も多かった。渡辺満里奈さん “うれしい予感” (作曲 : 大瀧詠一) 、LOVE JETS “宇宙大シャッフル” (作曲 : 忌野清志郎) 、たま “あっけにとられた時のうた” (作曲 : 知久寿焼、テレビバージョンの野口さんの声はさくら先生だった) 、植木等さん “針切じいさんのロケン・ロール” (作曲 : Sheb Wooly プロデュース : 大瀧詠一) 、ピエール瀧さん ”まるちゃんの静岡音頭” (作曲 : 細野晴臣) 。
 さくら先生の作詞じゃないけど、たなかまゆさんがこんな動画を公開した。

たとえばArethaやさくらももこさんについて、生前に言葉にしたことがどれだけあっただろうか。好きな人やものごとはたくさんあって、全部は網羅できない。でも「好き」を発信していこう。偉大なクリエイターへの愛情や感謝は届くうちに。
 って意味も込めて、プロフィールに好きなミュージシャンのリストを載せてる。意外な人やあなたの名前もあるかもよ。セルフィーは4年前で、いまは激太りしてる。

28日。鈴木慶一さんの誕生日。最近はサニーデイ・サービスのリミックスを手がけたらしい。The Beatniksはもちろん、楽曲提供や映画音楽もひっきりなしで、ワーカホリックかな。Controversial Sparkやって欲しい。
 みんなのお祝いのコメントに、Twitterで「たくさんの暖かい67歳を祝っていただくお言葉ありがとうございました。あと何年かは誰にもわかりませんが、自分も、アヴァンギャルドとポップの隙間産業を走っていきますぜ」って返した。末永くお導きを。

矢野顕子トリオ@Blue Note Tokyoへ。
 タイムラインに1000円ぽっきりのつまらなそうなイベントの告知が。観に行くイベントを選ぶ基準は「安いから」じゃない。1000円ぽっきりの学芸会を観に多摩シティからはるばる向かうよりは、何万円も何時間もかけてFUJI ROCKに行きたい。Blue Noteもたいがい高いけどやっぱり観たいものを観たいよ。

といいつつ、Blue Note Tokyoでフルコース食えるほどの金はないんで近所の定食屋で腹ごしらえ。「よろしかったでしょうか」は自然に変化した日本語じゃなくてどっかのバイトのマニュアルを書いたやつの造語なので未だに違和感がある。「マヨラー」もそうだ。マヨネーズにLの要素もRの要素もないのに薬丸裕英によって捏造された。マヨネーズを愛する者として私は「マヨネジスト」を自称してる。
 暑い。電車降りたくない。

僕の行くライブはライブ盤になりやすい傾向がある。この日も収録するらしい。
 ライブ素晴らしかった。子供たちの声が聴こえてきて “Children In Summer” から。ヤッター!! この夏のツアーで聴きたい曲のアンケートで1位だったんだって。僕にDJの需要があったころ、夏の河川敷で1曲目にかけて大盛りあがりしたことがある。僕はこの歌に出てくるような、夏を満喫できる子供じゃなかったけど。間奏ではジャズの名曲やインプロを交えながら、心地いい緊張感の中でスウィングした。

それにしてもWill Leeのベースの技量がはっきり聴こえる素晴らしいPAだ。テクニックだけじゃなくてエフェクトを多用したウィットに溢れた演奏。リードボーカルを取ったりキーボードを弾いたり。Chris Parkerは堅実な演奏。ちょっと高めにチューニングされたドラムで、Willのベースと弾むようなリズムを奏でる。
 その上で転がりまわるあっこちゃんのピアノとエレピとボーカル、ピアノとスキャットがユニゾンしたり、とにかく楽しそう。Willの持ち歌でもあるLen Barryのカバー “1-2-3” や、Willのリクエスト “When I Die” 、自分からのリクエスト "悩む人" と通好みな選曲が続いたかと思えば、ゴジラのテーマからモスラの歌へのメドレーへ。

アンコールは “ごはんができたよ” 、OFF COURSEのカバー “Yes-Yes-Yes” 。聴いてるみんなも満面の笑顔。そしてため息のあと、割れんばかりの拍手。いまあのレベルの演奏で、日本語のポップスが聴けるのは矢野顕子トリオくらいじゃないだろか。3人の10年のコンビネーションと友情を感じた。
 帰りに感想をツイートしたら、あっこちゃんにリツイートして頂いた。ギョエー!! そして1101氏もリツイート。フォロワーがたくさんいる方のTwitter環境は大変そうだな。

家に帰ったら、Twitterで「Clementineにカバーして欲しい曲」って大喜利が。”Born Slippy” ドスドスの4つ打ちでフランス語でお願いしたい。水曜日のカンパネラ ”桃太郎” 、あの声できっびっだーん。どうだろうか。
 そして岸野雄一さんがDJ盆踊りの話題を。Kraftwerk “The Robot” で踊る人たち。コステロ音頭と呼ばれた “The World and His Wife” を提案したら、もうやったと。意外なことに、大滝さんの音頭モノはギミックが多かったり小節数の関係で踊りにくいそうだ。

29日。矢野顕子トリオのライブの興奮で、殆ど眠れなかった。右へ寝返りを打てば猫たちも右へ、左へ打てば猫たちも左へ。
 美人女子大生カウンセラーさんとの時間、この日もいろいろ発見があった。あまり多くは問わないんだけど、自分で気づく流れに持ってってくれるのは嬉しい。病院に行った後、Have A Nice Day!のチケットを取ってて、迷った末に体調的に行かなかった。残念。Negiccoぽんちゃ山下達郎さんのライブに行ったみたいで、興奮して意味不明のツイートを繰り返してた。今度レアなアナログ盤を差しあげようかな。

SIDE-Cに続く。

8月30日 SIDE-C 最後の花火に今年もなったな。

政治の話はするよ。自分の暮らす国のことだし自分の生活のことだ。政治の話はタブーだとか、やんわりと「控えてる」って人、民主国家であることを捨てたと思ってる。

安倍晋三が西日本豪雨を放置してまで臨んだ自民党総裁選がもうすぐある。安倍晋三の悪事のほんの一部を挙げてみよう。3億円相続税脱税、国有地不当払い下げ、公文書偽造関与、巨額補助金便宜、暴力団選挙妨害依頼。安倍の工作で対抗馬が殆ど引き下がった中、残るは石破茂氏のみ。石破氏を応援しなきゃいけないとは世も末だ。
 「参院幹事長が石破氏の『正直、公正』に不快感」。「自民党の吉田博美参院幹事長は、安倍晋三首相への批判を抑制するよう、石破茂元幹事長に直接求める考えを示しました」。これは自民党が正式に「安倍独裁政権宣言」をしたのと同じだ。「『土俵乗る必要ない』論戦求める石破氏を突き放す首相側」。議論したら負けるに決まってるから土俵にあがらない。それ普通は不戦敗って言う。でも勝つ。

東日本大震災 応急仮設住宅の無償貸与20年3月打ち切り」。オリンピックまでに数字の上で排除したい...。「災害公営住宅の家賃増へ 1万6千世帯に影響か 東日本大震災」。避難住宅の提供を打ち切られて次に行く復興公営住宅の家賃は年々増えていく仕組み。
 「東京五輪 銀回収ボックスに『金属供出か』 高まる不信」。オリンピックの銀メダルの銀を、携帯電話のリサイクルで賄おうとしたけど、ぜんぜん足りる気配がない。カネは無尽蔵にあるみたいだから、間違いを認めて銀を買ったらいいじゃんか。

相変わらず国連に怒られまくってる。「ヘイト対策、日本に強化勧告 国連委『十分ではない』」。「国連人種差別撤廃委員会は...16年に日本が対策法を施行した後も (ヘイトスピーチが) なくならない現状に懸念を表明...同法を改正し、差別的言動を禁止するよう求めた」。「被害者中心の解決を勧告=慰安婦問題で対日審査−国連」。「なぜ日本が、被害者が適切と考える謝罪と補償をしないか理解できない」。
 音楽の世界にも魔の手が。「ベルリン・フィルの世界的指揮者が激怒...人事の裏に『安倍昭恵』夫人」。歴史的な楽器を所有・貸与していた「日本が海外に誇れる唯一の財団」の人事に介入して、楽器が宙に浮くことになりそう。

夏休みの終わり、新学期の始まりに子供の自殺が増えるらしい。「帰国子女の娘がクラスで浮いた存在に...鴻上尚史が答えた戦略とは?」。夏休みの話題にかぎらないけど、子供の世界での闘い方を示唆する素晴らしい記事。
 「はみ出したって生きられる 子供たちを救うのは学校の外の世界の情報」。「『死にたいなんて考えちゃダメだよ』と言った瞬間に、相手はもう心を閉ざして...周りの大人はその子の自殺の気持ちの強まりがどうなっているのか見失ってしまいます」。「『死にたい』子どもを自殺から救うには...夏休み終わりに増加」。「今、1学期のいじめが解決できずに苦しんでいる子どもたちがいる。その子どもたちにとって今、命のカウントダウンが始まっているといっても過言ではない」。

これが最初で最後。『2001年宇宙の旅』、国立映画アーカイブが70ミリフィルムでの特別上映を実施」。
 ゴダールの「ワン・プラス・ワン」が公開50周年を記念してレストアされて、アメリカでは劇場公開、日本でもDVD / Blue-rayがリリースされる。実は初めて観たゴダール映画が「ワン・プラス・ワン」だった。それはもちろんThe Rolling Stonesの “Sympathy for the Devil” のドキュメンタリーだから。

月の表面に氷が存在する決定的な証拠が確認された。「世界で初めて『ネアンデルタール人の母親とデニソワ人の父親を持つ子どもの骨』が研究で示される」。いままで別々の場所で暮らしてたと思われてたネアンデルタール人とデニソワ人が交配してた。「ケニアのストーンサークルを発掘、大量の装飾品」。5000年前の共同墓地だったそう。
 「『粉末の水素水』発売 食べ物などに混ぜて利用」。岐阜大と東京工科大が絡んで物理の法則を乱してる。東工大ではない。「修士・博士 日本だけ減少...研究力衰退あらわ」。研究論文の質と量の低下が問題になってるけど、そもそも院に進む学生がいない。

SIDE-Dに続く。

8月30日 SIDE-D To the Penguins, The Moonglows, The Orioles, and The Five Satins

音楽の話を。急いでる人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2018/8/25を。

Paul Simonがリメイクアルバムから “Rene and Georgette Magritte with Their Dog After the War” と “Can't Run But” のニューバージョンを公開した。Paul McCartneyが新曲 “Come On To Me” を公開した。Elvis Costello and the Impostersが新曲 “Under Lime” を公開した。Gorillazがもう新作に取り掛かってる。Neneh CherryFour Tetプロデュースの新曲 "Shot Gun Shack" を公開した。Estelleが新作を全曲公開した。KT Tunstallが新曲 “The River” を公開した。J. Mascisが新曲 “See You At The Movies” を公開した。Orbitalが新曲 “The End Is Nigh” を公開した。The Wombatsが新曲 “Bee-Sting” を公開した。Yumi Zoumaが新曲 “In Camera” を公開した。Mike LoveHansonとのコラボでリメイク “It's OK feat. Hanson” を公開した。Pop Etcが新作をリリースする。
 Mac Demarcoが細野晴臣さんのカバー “Honey Moon” を公開した。Tune-YardsがEurythmicsのカバー “Sweet Dreams (Are Made Of This) ” を公開した。Chvrchesがテレビで “Graffiti” と “Miracle” を演奏した。BMX Banditsがラジオで “Way Of The Wolf” を演奏した。Superorganismがリミックス “Famous Todos (feat. Toy Selectah and Dario The Boss) “ を公開した。

Smokey Robinsonが幼馴染みのAretha Franklinについて語った。この2人がご近所さんだった奇跡。細馬宏通さん「アレサ・フランクリン、アトランティックでの曲の作り方」。Arethaの葬儀がライブストリーミングされ、CNNとFox Newsでも中継される。Stevie Wonderらがパフォーマンスする。Arethaの棺が公開されたAviciiの両親が、オフィシャルサイトでファンが想い出を共有できるようにした。
 David Byrneが台湾まで来るのに日本には来ない。興行の仕組みを根本的にわかってないんだけど、日本のプロモーターが動けばなんとかなる話なの? Paul WellerBrian Wilsonの2ショットがPaul WellerのInstagramで公開された。Paul Wellerがツアー中に聴いてたSpotifyのプレイリストが公開されてる。時代もジャンルもバラバラだけど、The Beach Boysの “Darlin’” と “Here Today” が入ってるね。David Bowieが師事してKate Bushにも影響を与えたイギリスのダンサー、Lindsay Kempが亡くなった。Arto Lindsayが来日する。

矢野顕子さんが全曲コラボアルバムをリリースする。clammbonが新曲 “Lush Life!” を公開した。Aメロが極めて “My Sharona” っぽい。Contrary Paradeが新作をリリースする。Negiccoかえぽが新曲 “ただいまの魔法” を公開した。プロデュースは和田唱さん。B面は澤部渡さん。大貫妙子さんがライブアルバム “PURE ACOUSTIC 2018” をリリースする。これも僕が観たライブ。
 柴田聡子さんがライブ映像 “後悔” を公開した。島へ行くボートがXTCのカバーメドレー映像を公開した。

いま細野晴臣さんの一番振り返られることのない時代、90年代から00年代の音源が配信された。その頃の細野さんの特集記事が公開された。イギリス公演のレポートも公開された。チキンラーメン60周年、有名なCMソングの作者鈴木さえ子さんが、AメロのコードはAじゃなくて、1拍づつA→Am♭5→A→D7であることを紹介した。すごい変拍子だし、色んな意味でさえ子さんらしいよね。
 cuusheさんがametsubから受けたストーカー行為、空き巣、セクシャルハラスメント、オンラインハラスメントについて綴った。どちらもファンなんでただ驚いてる。それ以上の感情が出てこない。Laura day romanceってバンドを発見した。すごいいまさらだけどONE OK ROCKを初めて聴いた。いいじゃん買う買う。東京のミュージックフリークがみんなお世話になった無いCDは無いレンタルショップ、ジャニスが閉店する。萩原健太さん痩せたなあと思ったら、1年で40キロ落としたのかよ。