DIARY 2019年3月


3月5日 猫のように生きたい

ツイッターにはいろいろ無駄な機能があるけど、1人がたくさんのアカウントを持てるのはほんとに困る。つまり人の表と裏の醜さに触れる機会がこのところ非常に多い。そしてそれに少なからずダメージを受け、相手の思うつぼなのだ。
 そういう人が、オフネットで恋人や友人たちにそんな顔をおくびもみせずに生きてることにも忸怩たる思いがある。「君の」恋人や大切な人が、ネット上で陰湿ないじめをしてるかもしれないんだぜ。僕は実名・実顔で自分の言葉に責任持ってる。

なぜ誠実に生きられない人がこんなにもいるのだろう。生物学的にも社会学的にももっと研究が進んでいい課題だ。みんなラブ&ピースがいいでしょう。猫は優しいな。なんでみんな猫のように生きないのだ。

26日。この眠気は花粉症の薬だろうか。丸一日寝込んだ。KURE55-6は魔法だな。

27日。猫の海の中で溺れる夢を見た。起きたらほんとに猫に溺れてた。
 美人女子大生カウンセラーさんと憩いの時間。IQ3でサボテンと同程度のバカチンについてはサボテンですねと、あとは久しぶりに穏やかに楽しいお喋りができた。小田急の売店がぜんぶセブンイレブンになったのは大変好ましい。

藤岡みなみさんが時空の狭間から時折出現させるタイムトラベル書店、utoutoの初めてを目撃した。井の頭公園駅の前にそれは当然のようにあった。
 特に気になった本とレターセット、トートバッグを買った。本は毎晩少しづつ読んでる。レターセットは誰に手紙を書こうかな。トートバッグはおしゃれで丈夫、世界中に言いたいのは、トートバッグの良し悪しを決めるのはアナログレコードが入るかどうかだ。ばっちり入る。ただ...飲み物わすれてた。うとうとうにゅう飲みたかった。

夜は小川剛@吉祥寺曼荼羅へ。
 柔らかい歌声と柔らかいガットギターで心の奥のむずがゆいところに迫ってくる。がっちりしてるのに優しい関西人、の人柄がそのまま音楽になってる。
 対バンの白倉新之助さんはピアノでバラードなのに、強いポップネスを感じた。岩崎けんいちさんは抽象的に創造的に弱者に寄り添った。曲がJohn Lennon的なのはコードに対するメロディの当て方だろうか。アンコールは全員で “生活の柄” 。白倉さんも岩崎さんも、小川さん同様つきあうごとに新しい引き出しが見つかりそう。

28日。障害者福祉センターのフィットネスプログラムに行けずに丸一日寝込んだ。
 毎年書いてるけど、春は苦手な季節。花粉症と抗アレルギー剤による副作用、気圧の乱高下、一番好きな季節が終わる無念、また年を重ねる焦燥、そして何ごとを成し遂げることもなく新年度を迎える後ろめたさ。

#自分自身を創り上げた日本のバンド10選 ってハッシュタグが流行った。はっぴいえんど、Moonriders、Carnation、World Standard、Flipper's Guitar、スピッツ、Fishmans、くるり、Clammbon、ceroを挙げた。
 #自分自身を創り上げた海外のバンド10選 はThe Beach Boys、The Beatles、Kraftwerk、10cc、Penguin Cafe Orchestra、Talking Heads、XTC、Prefab Sprout、Blur、The Sea And Cakeを挙げた。

とても10に絞りきれないんで思いついた順。あれもこれも入れ忘れてる。自分を創り上げたのはいま好きなバンドと違って、思春期にのめり込んだバンドだ。でもほんとうに自分を創り上げたのは、自分が参加してたバンドだよね。
 Talking HeadsとBlurはカバーした。Velvet UndergroundやYo La Tengo。Ronettesの “Be My Baby” をRamonesっぽく演ったり。またバンドしたいな。

YouTubeで音楽巡りしてたら興奮で眠れなくなった。ちゃんと朝起きて夜寝て、音楽巡りしてる時間の何割かを自分の音楽に割きたい。
 小西康陽の言葉で一番納得したのが、「音楽は買う時が一番楽しい」ってこと。そういう意味ではサブスクリプション使ってるユーザーの方が音楽愛は純粋かも知れない。Spotifyを使いこないしたい。ライブ映像観たくてYouTubeに行っちゃうんだよね。

1日。悪夢を見て、その悪夢より酷い我が現実を思い出すいつもの朝。
 体のメンテナンスと、CHVRCHESのライブに行かずに丸一日寝込んだ。CHVRCHESのライブは翌日の予定を鑑みて、体力的にセーブしたところがある。とは言えそうとう高いチケット代を無駄にした後悔がある。

日本アカデミー賞で細野晴臣さんが最優秀音楽賞を受賞した。プレゼンターは去年最優秀音楽賞を受賞した鈴木慶一さん。
 細野さんは叔母さまが映画会社に勤めてて、物心つく前からハリウッドのサントラ盤を聴いていた経験が音楽の根っこにある。細野さんのサントラ盤になってない映画音楽がたくさんあって、コンピレーションどこか出さないかな。

慶一さんは49年のつきあいの中で、初めて細野さんと握手したそうだ。授賞式の前に「もし取ったら一緒に細野ウォークしましょう」って提案したら「冗談が通じない場所もあるよ」って。北野武監督がヨーロッパの映画祭でコメディアンとして躓く真似をしたら、まじで心配されたことを思い出した。
 僕の神様2人の握手の場面はあまりにも美しかった。

2日。エレクトリックリボンのいちご狩りバスツアーに参加。もうすぐ47のおっさんがいちご狩り楽しみで早起き緊張して眠れないってどないやねん。

タイムラインを見たら、エリボンのメンバーもボンクラさんも遠足の前の日は眠れないタイプで笑った。それでも遅刻なしで全員集合。もらった旅のしおりにはNAMUの文字が。ここに何を書けばいいんだろう...。
 バスの中は自己紹介タイムやお菓子の差し入れで長閑な雰囲気。メンバーが歌ってるのにゲームしてる人とかハッシュタグ追ってる人ばっかり。それを突っ込むメンバー。エリボンとボンクラさんはこのなれ合いの雰囲気が好き。

最初に到着したいちご畑。花がきれい。カエルもいた。いちごはもちろんあまあまのうまうま。糖分が先の方に集まってるっていうのを痛感した。食べ放題30分って短いな!! と思ったけどいちごばっかり30分食べるのはさすがに飽きるな。
 そして食べ放題のお店へ。みんな原価を取ろうとお寿司や焼肉に群がりたらふく飲んだ。メンバーが各テーブルを回ってサービスしてるのに、ボンクラさんたちここでも慣れすぎてあんまり構ってやれなかった。食べるのに必死!!

そして岩下の新生姜ミュージアムでライブ。1時間の持ち時間をたっぷり堪能した。来たら岩下の新生姜ファンになってしまう新生姜ミュージアムすごいな。
 帰りのバスでもメンバーが歌ったりお喋りしたり、寝かせる気がない。アイドルは楽器を演奏しないけど歌い踊るわけで、1時間のライブは相当体力を消耗すると思う。プロ意識を見た。運転手さんもボンクラさんで、前面のLEDにエリボンの画像が次々と表れる。愛に溢れたイベントだった。めちゃくちゃ楽しかったです。みなさんありがとうございます。

5年くらい前までは、アイドル文化をバカにしてたし嫌いだったんだよ。エレクトリックリボンとの出会いはほんの偶然で、それをきっかけにNegiccoamiinAを追いかけるようになった。こういうラブ&ピースもあるんだなって。3組に共通してるのは曲がいいことと性格がいいこと。やっぱり根っこは音楽と人だ。

3日。プリンターと格闘する日だと思ってたのに、サポートセンターに問い合わせたらあっという間に解決しちゃった。ひなまつり、男系家族出身者としては何をどうしていいかわからないひなまつり。相変わらず気圧の乱高下で丸一日寝込んだ。

4日。Rainy DaysとMondaysはalways get me downよのう。我が家の会話「アイラービュー!!」「にゃー!!」「アイラービュー!!」「にゃー!!」。

荒木玲奈@高田馬場四谷天窓へ。
 セミプロ女性SSWシーンによくいる陰湿な自慰行為みたいな人、ルーツはなにかと思ったらCoccoさんだ。Coccoさんは天才だしロックの文脈で勝負してるんだよ。もっと昔の中島みゆきさんや森田童子さんや山崎ハコさんも、カウンターとしての客観性を持ってたから風通しがいいんだよ。

青天の霹靂のようにあらわれた玲奈さん、別格に良かった。洒落たコードワークと心地いいギターのカッティング、表情豊かな温かい歌声。描く光景は切なくて目が眩むほど。重い気持ちもちゃんと表現に昇華されてた。これが音楽の楽しみじゃないだろうか。初めてのCDの初めてのリスナーになれた。また一味違う洒落たサウンドが心地よかった。
 玲奈さんもっと耳の肥えたリスナーに聴いてほしいな。

帰宅したらThe ProdigyのKeith Flintの訃報が。49歳自殺。シーンの最前線に居続けること、そのフロントマンであることの苦悩は計り知れない。

5日 花粉症と喉の風邪。また丸一日寝込んで、夜中になって日記を書き始めてる。

細野晴臣さんの新作 “HOCHONO HOUSE” が届いた。これはすごいと!! これはすごいと!! ここ10年以上「しみじみいい」アルバムを作ってきた細野さん、前作 “Vu Ja De” はユーモアに溢れて、今作は衝撃的にいい。
 “HOCHONO HOUSE” は単に “HOSONO HOUSE” を今のスタイルでリメイクしたわけじゃない。細野さんが辿った半世紀以上に渡るポップミュージックの変遷が記録されてる。それがたまたまオリジナルの “HOSONO HOUSE” と再会する瞬間もあって、今の演奏と歌声の深みを痛感させられる。この神様にはいつまでたっても誰も追いつけない。

世の中のことを。くらもちふさこさんの名作「いつもポケットにショパン」の朗読劇を酒井麻衣さんが演出する。「よつばと!」の原画展が開催される。
 はやぶさ2号の着陸映像が公開された。オシドリ夫婦のオシドリはときどきパートナーを替えるって雑学があるけど、「パートナーが生きてるかぎり、つがいが解消された事例は見られなかった」って研究報告が発表された。

Twitterが凍結した『児童の性的搾取』アカウント、4割が日本のもの」。これも大事だけどヘイトアカウントも凍結してくれよ、やってることがばらばらだ。
 「タレント小島慶子さんを支えた先生のコトバ」。「悩むのは生きている証拠。悩まないということは、考えることも、自分を変えることもやめるということ。悩むのを諦めた時に人は老いる」。「お金を稼ぐために働かない勇気を持て! サティシュ・クマールが考える、ローカル経済を実現するために必要なこと」。

音楽のことを。忙しい方はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2019/3/1を。
 さっきも書いたけど、The ProdigyのフロントマンKeith Flintが亡くなった。「マイ・フェア・レディ」で有名な映画音楽家、ジャズピアニストAndre Previnが亡くなった。戦争などによって住む場所を奪われて難民生活を余儀なくされている子供たちのために、Queenが楽曲を提供した。世界中からこの曲のリップシンク画像を募集してMVを制作する。

タワーレコード40周年サイトで柴那典さんの連載が始まった。1回目「ポップの予感」。非常に読み応えがある。ロンドンのラジオ局が放送した細野晴臣さん特集の2時間番組がアーカイブ公開された。アンビエント・エレクトロニカ期が中心。 “はらいそ” と “Philharmony” がアナログとSACDでリマスター再発される。そういえばアメリカで5枚アナログ化される話はどうなった?

3月18日 SIDE-A 辛いことは自然に起きるので意図的に楽しいことを考えないとバランスが取れない

日記の間があいちゃった。ひたすら寝込んでた。

チーム病弱、特に精神系の治療を受けてる層にとって3月は一番辛い (次が梅雨) 。気温差が激しいこと。気圧が不安定であること。花粉が舞うこと。年度が変わっても生活が軌道に乗らない焦り。それに加えて僕は年齢も無駄にひとつ重る。冬が好きで暑さが苦手で生ぬるい空気が寂しくもある。
 生きてるだけで超絶偉い。自分を責めない。タンパク質を摂る。

性格免許証って性格テストが流行った。「山下スキルさんの性格を端的に表すと『世知辛い社会に合わない優しい人』です」。愛情と芸術のポイントが高い。詳細をみると、常識からの外れ具合とラブ&ピースがずば抜けてた。
 恋愛免許証っていうのもやってみた。「山下スキルさんの恋愛を端的に表すと『良い人だが、報われず友達止まり』です」。知ってる。愛情と純粋がフルゲージであることにご注目頂きたい。そんなものには需要がないのだろうか。

孤独診断もやってみた。
 「一般レベルで言えば寂しさメーターの針が振り切れるぐらいの強さです。もし世の中の明るく清々しく生きている人の脳内に、『あなたが普段感じる寂しさ』を一晩だけでも移植することができたら、『心の問題はただの甘え』だと言い出す人ですらもその日から黙るでしょう。あなたは日々を脳内という戦場で生きているようなもので、よくなんとか頑張っていると感心するレベルです」。

また、あなたの寂しさは、自分が悪いとか、迷惑をかけてはならないなどと押し込めていく方向に出ます。寂しさのやり場に困っている様子がうかがえます。
 家庭問題、恋愛や結婚の問題、社会生活、人間関係、あなたの寂しさは多岐に渡っており、これらは無関係ではなくお互いに影響しあっています
」。

不遇や不運による寂しさ
愛や情熱を注ぐ対象がない寂しさ
愛されたり甘える場所がない寂しさ
人と心を深くつなぐことができない寂しさ
がすべて満点だった。

人はとても醜い生き物だ。まったく信じるに値しない生き物だ。と感じるに至ったのは生まれや経歴よる。人を信用できないって生きていく上で相当なハンディキャップだ。ぜんぶ自分で背負って自滅することになる。
 山田ルイ53世さんは7年間の引きこもりを経験して、インタビュアーが「その7年間がいまの山田さんを作ったんですね」って綺麗事にまとめようとすると、「その7年間は無です」って応える。僕の19年間も「無」なんだ。

人生50年という言葉について最近考える。僕はもうすぐ47になる。父は享年40歳。母は享年54歳。遺伝的にも持病的にも精神的にも体型的にも、そろそろお迎えが来る。
 誠実に生きて誰にも愛されなかった人生。なにごとも成し遂げなかった人生。ついでみたいに生きた人生だった。

ピエール瀧さんがコカインの使用で逮捕された。
 僕にとって瀧さんは楽器を持たずともミュージシャンで、それはBezがBezであるように、Mike LoveがMike Loveであるように、瀧は瀧だった。だから「アムステルダムで大麻じゃなくて日本でコカインか」って驚きだったんだけど、世間では「あの温厚そうな性格俳優が」って驚きで受け止められているみたいだ。

薬物依存は犯罪だけど、病気っていう側面もある。彼に対する世論が、僕の鬱病に対する偏見や侮蔑や罵倒や嘲笑と重なる。
 「なぜ薬物使用疑惑をスクープにしてはいけないのか」。関連記事はこちら。「これでいいのか? 芸能人と薬物報道 専門家からあがる疑問の声」。「動機や経緯を邪推して安易な反省を求めたり、過剰にセンセーショナルな形で報道したりするようなことは、治療を遠ざけるだけでなく、違法薬物使用に関する誤解や偏見を強めることにも」。

ソニー・ミュージックレーベルズが販売自粛を決めた。いやいやいや、レーベルがするべきことはアーティストを守ることだ。
 「電気グルーヴ自粛は、本当に正義なのか? 日本の音楽業界と民意の温度差を考える」。「一度違反しまった人を徹底的につるし上げる風潮や、民意を踏まえず当事者意識の欠落が思考停止を生む。理解の範疇を超えた物事を理解しようともせず、否定し、マイノリティをぶっ叩く」。署名活動がある。「電気グルーヴの音源の出荷停止、在庫回収、配信停止を撤回してください」 。

テレビ局や映画会社も出演作の自粛を決めてる。「ALWAYS三丁目の夕日」のテレビ放映が中止になって、代わりにかかる「インディ・ジョーンズ最後の聖戦」には、オーバードーズで亡くなったリバー・フェニックスが出てる。
 「あまちゃん」の再放送も自粛された。再放送は三陸鉄道リアス線開通祝いのためにあった。番組が連帯責任 (これも軍隊の発想だ) を負う必要はないし、自粛で誰も得をしない。大友良英さん「あまちゃん自粛は何も解決しない」。

日本の入管がオーバーステイの外国人を何年も収監したり、命に関わる状態でも病院に引き渡さないことが問題になってる。つまり日本では人を見殺しにしても無罪放免。泥酔させて強姦した男が無罪放免になった。ヘイトスピーチもセカンドレイプも無罪放免。オリンピックを買収しても無罪放免。国家が統計を捏造しても無罪放免だ。
 かたやオーバーステイした側は例えるなら死刑か終身刑、コカイン吸引も異常な社会的制裁を受けてる。どう考えてもバランスがおかしい。

舛添要一がおそらく瀧さんを養護する意味で、「品行方正な人間から面白い表現は生まれない」的なことを言ったそうだ。これも果てしなくピント外れで、問題をややこしくするなよと思う。上岡龍太郎さんが「女は芸の肥やし」と言った落語家に、「あなたがセックスするとなぜ落語が面白くなるのか説明してください」って詰め寄ったエピソードがあるそうだ。その点で上岡さんに同意するする。
 それと、いま瀧さんや電気グルーヴが置かれている状況はまるで関係ない。既に生まれている表現物が大切にされてないから憤ってるのだ。そして個人の責任で鑑賞する自由が奪われてるから問題なのだ。

さよならポニーテールが、電気グルーヴの “” をカバーした。素晴らしい解釈、素晴らしい演奏だと思った。電車の中でこれを聴いて思わず涙が流れた。とてもスマートで音楽的な問題提起の仕方だ。

そして気になるのは電気グルーヴの略称は「電グル」じゃなくて「電気」!!!

ここ数年で、細野晴臣さんに関する話題が急激に増えてきて嬉しい。若い人の認知が、はっぴいえんどから知識としてのYMO (聴いてない) 、そこから40年飛んで “悲しみのラッキースター” が異様に人気っていうのはどうかと思う。
 トロピカル時代やNon-Standard / Monad時代や "omni Sight Seeing"、世間的な評価が著しく低いハウス時代も "N.D.E." は大好きだし、Swing SlowやTin Panも聴いて欲しい。Sketch Showは、細野さんがリードボーカルを取る曲があればもっとよかった。そのあたりはむしろ海外での評価が高まってるみたいだ。

"HOCHONO HOUSE" にすっかりのめり込んで、11年前に作ったきりメンテナンスをしてなかった細野さんのベストCDを作り直した。CD4枚組+提供曲1枚。それとは別に入門編 of 入門編1枚。欲しい方がいらしたらさしあげます。

"HOCHONO HOUSE" を聴き倒した耳で "HOSONO HOUSE" を聴くと、こっちのかっこよさにも悶絶する。同じ器に入ってる別の美意識としてどっちも楽しんでる。
 「細野晴臣が語る、『HOCHONO HOUSE』完成後の新モード『音楽の中身が問われるようになる』」。前編はこちら。「50周年イヤーに生まれ変わる『HOSONO HOUSE』」。ライブレポート「細野晴臣、『HOCHONO HOUSE』制作体験とルーツを体現した音楽世界」。Japan Time「Haruomi Hosono reworks a modern classic with 'Hochono House'」。

デビュー50周年企画として、秋に六本木ヒルズで「細野観光1969-2019」なる展覧会が開かれる。その記念公演やドキュメンタリー映画制作も決まってる。アジア・フィルム・アワードで最優秀音楽賞を受賞、「万引き家族」が最優秀作品賞を受賞した。
 Yellow Magic ChildrenなるYMOのトリビュートライブがあって、事前アンケートで人気曲1位は細野さんの “Mad Pierrot” だった。いままであんまり陽が当たらなかった曲、星野源さんがカバーしたみたい。以下、”Lotus Love” “Wild Ambitions” と細野曲が並んだ。細野さんはプロデューサーとしてアルバムのバランスを取る曲を書いてたんで、ブーム当時のアンケートだったら入らなかったと思う。”Simoon” や “Cue” や “Pure Jam” や “Gradated Grey” や "The Madmen" や “Hi-Tech Hippies” が入ってもいい。

SIDE-Bに続く。

3月18日 SIDE-B 眠りのMarch

6日。美人女子大生カウンセラーさんと憩いの時間。楽しくお喋りができた。3月に卒業しちゃうんで4月からは大学の職員の方が担当になる。顔あわせした。おばちゃんだった。僕はおじちゃんですが。モチベーションが多少下がりそう。

あーた企画「アンテナショップ」@新代田Crossingへ。
 各都道府県のミュージシャンと食べ物を紹介するシリーズの第1回は群馬県。東京からの出演者はあーちゃんとかねこきゃのん。群馬県からの出演者はきえさんと市川優希さん。あーちゃんが「ダサい奴は出さない」って豪語した通り、素晴らしいイベントだった。群馬のお酒や味噌や蒟蒻を堪能しながら開演を待つ。

最初に登場したきゃのんは、ギターもキーボードもボーカルも安定して、ソングライターとしての天才性にプレイヤーとして追いついてきた、怪物ぶりが伝わりやすくなったと思う。“長い風邪” はオケに合わせて唐突に踊りだして、さすがきゃのんと思った。
 そして群馬からきえさん。ライブ経験がまだ少ないそうで、緊張で落ち着かない様子。でも一声歌いだしたら会場全体がふっと息を飲んだ。声量・声質・ピッチ・リズム、すべてが素晴らしい。天性の「歌心」のあるシンガーだった。恐ろしいな。

あーちゃんは楽曲もボーカルもギターも、この距離で観れるレベルのミュージシャンではない。最初からすごかったけど、その後の伸びが果てしないな。もうすぐめちゃくちゃに売れるんで、いまはその勇姿をただ瞳に耳に焼き付けておく。
 トリは群馬から市川優希さん。怪物3人のあとでやりにくそうだったけど、それ以上にステージ慣れして安心のライブだった。バラードに定評があってさすがのクオリティ、アップテンポなナンバーも王道で気持ちよかった。

終演後のお喋りは冗談の応酬。空気を読んでタイミングで勝負する大喜利だった。僕の好きな笑いは、とり・みきさんや小林賢太郎さんや和牛みたいに、少し考えて含み笑いするタイプなんで、入る隙間がなかった。ネタを練り込むより、話術、勢いで笑わせた方が1兆倍モテるのだな。なにより素晴らしいライブ後で、もっと音楽の話をしたかった。
 自分の音楽をなんとかしよう。いま公開してるやつをブラッシュアップして、新曲の構想が6曲分ある。あの不完全な音源を世に出すのは良かったのか悪かったのか、自分が納得するまで出さなかったら何も出せない。

中嶋春陽さんが JUJU “ミライ” のMVに出演した。あまりに大人びててどれがハルちゃんかわかんなかった。主役だよ!! 15歳の頃から彼女を見てるからな。このまま売れちゃえ。

7日。障害者福祉センターのフィットネスプログラムと、体のメンテナンスの用事があったんだけど、気圧の急降下でだるくてキャンセルしちゃった。猫の後ろ頭をなでると「あー」ってひっくり返って、お腹は綿あめよりやわらかい。
 毎日夜のテンションが朝にくれば充実した人生を送れるのにな。朝の眠気を夜に、夜の覚醒を朝に持ってくれば幸せなのにな。

8日。amiinAmiyuちゃんの17歳の誕生日、0時0分0秒におめでとうメンションを贈るタイプのおじさんです。やり遂げた感。この日も寝て過ごした。花粉光環が観測された。もう災害でしょう。しかも人災だ ( >д<)、;’.・

9日。この日も寝込んでた。たった2駅先のtime Tokyoで、SuzukiTomomiさん企画、あーちゃんも出演するライブイベントがあったのに行けなかった。ごめんなさい。

10日 この日も寝込んでた。サトウトモミさん入魂のワンマンライブ「サトウの日」行けなかった。ごめんなさい。

東京大空襲の日。写真集「空襲1945」。「父母奪った東京大空襲、元孤児語る 親戚宅でも厄介者に」。「『親と一緒に死ねばよかったのに』と言われた時を思い出す」。「新聞が報じなかった、本当の被害。東京大空襲から74年」。「300機以上のB29によって首都は焼き尽くされ、10万の命が奪われた。大本営発表もメディアも、その被害の実態を伝えることはなかった」。

11日。東日本大震災の日。思い出すのはNHKのニュース画像をUstream中継してくれた中学生と、それを自身の責任で拡散したNHK広報アカウントだ。中学生は成人して、NHKの中の人は飛ばされただろう。でもあのおかげで多くの人が情報を得ることができた。彼と当時のNHK広報さんに会ってみたい。
 あの年は3回福島に行った。最初は津田大介さんが企画したガレキ撤去のボランティアとライブ。2回目は大友良英さんたちが企画した復興ライブ。3回目は救援物資を車にいっぱい積んで送り届けた。その時の様子

Yahoo!が例年の #検索は応援になる って企画をやった。検索は宣伝になる。どこかZOZOTOWNのお年玉に近い嫌らしさを感じてしまう。もっとスマートで確実な支援の仕方はほかにもあって、それは支援したい人なら自分で調べてるはず。
 14時46分に黙祷はしたけど、8年前のこの時間、ほとんどの被災者の方にまだ命はあった。そのあとの大津波、そして「震災関連死」で亡くなられた方のこともまた思う。

地震の時も寝込んでた。何万枚のCDとレコード、本や皿が全く落ちなかった。当時の猫たちと布団に入ってネット中継に見入った。
 “東北” 梅津和時さん。仙台出身の梅津さんが震災後すぐに作曲した名曲。サックス奏者の梅津さんが初めて歌ったんじゃないかな。この演奏を生で観ました。梅津和時さん、おおたか静流さん、久米大作さん、太田恵資さんの演奏はこちら

5日ぶりに外の空気を吸って、かねこきゃのん、クララズ@高円寺U-hAへ。

毎月新曲を公開するって抱負を立てたきゃのん、1月と2月の曲作りはギリギリだったけど、3月の新曲はもうできちゃった。”椿” 。椿の花と猫がおじいちゃんを取り合う三角関係の歌。大人びたアーバンソウルな2月の “長い風邪” と打って変わって、可愛くてキャッチーなポップソングだった。僕は大好き。
 クララズはアコギで淡々と。イギリスの空気を感じて大好き。「イギリスって言われることもアメリカって言われることもありますね」。そうなんだ。Teenage Fanclubが "Howdy!" で変貌したような、あるいはThe Byrds的なアメリカ感はあるかも知れない。コンビニの酒の棚が発泡酒とストロング系ばっかりで、いやいや美味い酒を大事に飲めよ。

12日。やっぱり寝込んでぎがもえかさんのライブに行けなかった。ごめんなさい。

Hal Blaineの訃報。時代的に仕方ないけど、去年からThe Wrecking Crew界隈の訃報が続く。タイムラインでは世界の老若男女の音楽家はもちろん、思想家からマンガ家までHal Blaineの話をしてた。みんな彼らの演奏で音楽の喜びを教えてもらったんだ。動画 ”On Drums: Hal Blaine” 。Web Vandaの特集「We Love Hal Blaine 追悼ハル・ブレイン」。

13日。この日も寝込んでた。週に1度の憩いの時間、美人女子大生カウンセラーさんとの面談をキャンセルしちゃった。カウンセラーさんはあと2回で卒業する。残された貴重な機会であった。その後の病院も当然行けず、薬が切れるとますます体調が悪くなる。
 誰かが、インターネッツはスクールカースト底辺層の輝ける場所だったのに、tiktokのせいで乱されたみたいなことを言ってた。確かにメンヘラや陰キャを嘲笑するネタが非常に多い。しかしその昔には、そもそも逃げ場がなかったのだよ。

14日。寝込んで障害者福祉センターのフィットネスプログラムと面談をキャンセルしちゃった。このままだと引きこもり癖がつく。夜は頑張ってannasekaiおーたけ@じぇーむず@高円寺U-hAへ。

annasekaiさん。毎回圧倒される。果てしなくおおらかで宇宙みたいな人だ。コロコロ笑いながら、強い決意を持って生きたいように生きる。そして歌う。考える。この日はギターもキティちゃんキーボードもトイ楽器の類もなくて、全曲ピアノでの演奏。”やおよろずのかみさま” ですべてのお客さんの頭の上で鈴を鳴らす、あの時間が好き。
 「世界」を名乗る彼女はやがて世界を変えるだろう。その端っこに僕もいたい。彼女がレコーディングで滞在した高知のミレービスケットの美味しさも特筆もの。

おーたけ@じぇーむず。ちゃんと観るのは久しぶりだ。僕の視点の変化かも知れないけど、ギターのやたら上手いミュージシャンってイメージから、彼女の表現したい音楽と世界観の中にギターが上手くはまり込んだ印象。本人ととても近いノンフィクションな歌、その表現の機微の巧みさ。エモーション。
 彼女がきゃのんと仲がいいっていうのも不思議なようで納得できる。それは例えるならJohnとPaulだ。限りなくフィクションな才能と限りなくノンフィクションな才能。

15日。田中ミズホ@東新宿真昼の月夜の太陽へ。
 電車の中で、SIDE-Aで紹介したさよならポニーテールの “” を聴いた。涙をこらえて、だめだ涙腺崩壊。メロスは新宿駅がわからぬ。京王新宿→新線新宿→初台→新宿線新宿三丁目→副都心線新宿三丁目→東新宿にようやくたどり着いた。

一番手のASUCAさん、なんで一番手なのってくらい素晴らしかった。声量がありながら暑苦しくない、繊細さも持ち合わせたボーカルと、ソウルフルな楽曲のクオリティに圧倒された。そしてお客さんを巻き込むフレンドリーなステージング。楽しかった。
 彼女が温めたステージを、2番手3番手も引き継いで、どんどん大きくなってくように感じた。3番手のナガトモユリさんも今後チェックしたいミュージシャン。

そして4番手に登場した田中ミズホ。ワンマンより緊張してるっていいながら臨んだステージ、本人がどう感じてるかは知らないけど、鬼気迫る説得力があった。”消えてゆく” から “帰る場所” へのバラードが特に刺さったなあ。
 久しくセットリストになかった “ひとりじゃない” を歌ったのは、スキルさんが観に来るからだって言ってくれた。もうね、娘のように歳の離れた田中に人生相談してるの僕。

トリは新潟の男性無為の所為さん。藤井隆さんみたいな飾らない風貌で、ほどよく乾いた楽曲を歌いあげる。左右違ったシャツを縫い合わせた衣装は「新潟で流行ってるの?」ってからかわれたそうだけど、下北の古着屋で買ったそうだ。
 たぶんご自身に近いながらも客観性のある音楽世界とその演奏は、もっと世の中に広がっていい。この素晴らしいイベントの締めくくりにふさわしかった。東京に拠点を移す気持ちもあるという。ぜひまた拝見したい。

タイムラインにジブリdisを見つけた。僕はジブリなんて影も形もない頃、松本零士さんが世間を牛耳っていた時代から宮撫xさんや高畑勲さんのファンだったんで、ジブリ映画を観もしないで軽薄なマス文化だって決めつけられると非常に腹が立つ。
 どんな文化でも、「知ろうとしない」ことについて腹が立つ。知った結果肌に合わなかったらもちろん仕方がない。僕にも嫌いなものがたくさんある。ただ、本質を読み取るのに前提知識が必要だったり、時間がかかる文化もあるのだよね。

16日。連日寝込んで行けなかった病院、週に3日半しか開いてない特殊な経営形態なんで、この日を逃したら薬の切れ具合が本当にやばい。体を引きずって行った。その足で美容院へ。帰ってきて寝込んだ。
 時間がありあまる日々で暇は喜びかといったら、結局何をすることもできずに時間ばかりすぎて焦っているって意味で、あの頃より「忙しい」心境にあるかも知れない。

佐藤伸治さんの20年目の命日か。アルバムごとに爆発的な進化をしていた彼ら、もしもに意味はないけど佐藤さんがご存命だったら何を歌っていたかな。

17日。自分のために時間が使えるはずだったんだけど。やっぱり寝込んでた。

18日。腐れ縁と焼肉→ケーキツアーの約束をしてたんだけど。ごめんなさいしてやっぱり寝込んでた。夜になってこの日記を書き始めてる。
 内田裕也さんの訃報。僕ははっぴいえんど史観なんで、ほとんど聴いたことがない。政見放送はかっこよかった。口の前に指でV字を作って歌うとステレオになると思ってた。あるいはあがた森魚さんの “俺の知らない内田裕也は俺の知ってる宇宙の夕焼け” くらいのもんです。樹木希林さんが亡くなって半年後だね。

SIDE-Cに続く

3月18日 SIDE-C 脳が春めく - Hal Blain

世の中のことを。

高畑勲展 - 日本のアニメーションに遺したもの」が東京国立近代美術館で7月に開催される。「つげ義春のサブカル漫画がフランスで『芸術』と呼ばれるまで」。手塚治虫先生の「アポロの歌」が初単行本化される。「生」と「性」を描いた神秘的な傑作とも言われるし、性に溢れるマンガ界への怒りとも言われる問題作。ゴッホがコレクションしていた膨大な浮世絵作品を、ゴッホ美術館が無料オンライン公開した。
 「『パイの日』に考える数学」。「人類が世界を捉えるために編み出した思考法を学ぶこと。つまり数学を学ぶことは文化史を学ぶことでもある。それが不要というのは、悪しき近視眼的発想であり、歴史修正主義のひとつに他ならない」。もうひとつ、「『円周率の日』に数字を無限に並べて計算してみたら...美しい」。

林雄司さん「フランス人はおフランスと言わない! 世界はどこもけっこう同じ」。林雄司さんがまともなことを書いている。人種の差はないと同時に個人の多様性があるって話。同じ林雄司さんのプープーテレビ「腹太鼓をエレキにする」も。
 「日本初の同性婚訴訟 原告になったのはどんな人たち?」。「大津いじめ自殺、元同級生らが法廷で語ったこと」。「クラスメートの元同級生は『僕が (同じことを) されている立場なら、笑いが取れるのでおいしいと思う。屈辱だけだったと思っていない。(一連の行為で) 身体的、精神的に傷つけた認識はない』と述べた」。こういう奴が強姦して「同意があると思った」って言ったり裁判官になって「俺もそう思うから無罪」って言うのかもね。同じ問題を違った視点から小島慶子さん「『私なら嬉しい』は落とし穴」。

鬱について「『漠然とした目標』が負の連鎖を引き起こす : 研究結果」。「これまで鬱病患者は、未来をイメージするときなどに、過剰一般化をすることが知られていた。それが、最近の結果から日々の目標の設定にも影響することがわかった」。
 「東日本大震災8年 非常用袋を再点検 家族構成に合わせ選択」。

うんざりする政治のことを。

ゼロから分かる安倍政権の統計不正問題」。「統計不正は国家の基盤を揺るがす大問題」「統計というのは近代民主国家における礎であり、これが信用できなくなったら民主国家としては終わりである」。

東京新聞の望月衣塑子記者を支援する署名をネットで集めた中2、誹謗中傷に『子どもが何か意見しちゃいけないんだと感じた』」。「首相の改憲理由『日替わりメニューのようだ』志位氏」。「よく安倍さんは自衛官の子どもが悲しむから9条に自衛隊を書くんだと言いますが、子どもさんが一番悲しむのはお父さんが戦争で亡くなることじゃないですか。そういうことを阻んできた、自衛隊員の命をも救ってきたのが9条2項ではありませんか」。
 「麻生一族の炭鉱徴用残酷史...慰霊碑に『朝鮮人』の字も刻ませなかった」その続編。「慰霊碑には『朝鮮人』という字さえなかった。当時麻生セメント側と交渉を行って慰霊碑と納骨堂を用意したが、麻生セメント側では最後まで『朝鮮人』と刻むことを拒否した」。

福島第一事故の対応に最大81兆円 シンクタンクが試算」。「81兆円の内訳は、廃炉・汚染水処理で51兆円 (経産省試算は8兆円)、賠償で10兆円 (同8兆円)、除染で20兆円 (同6兆円) 」。「辺野古に活断層の可能性」。「あの」NHKも報じた。
 「緊急搬送が必要な患者を救急車に乗せることを拒む東京入管 現地情報まとめ」。「体調不良訴えたクルド人男性を救急搬送せず 東京入管」。「13日午後になってから病院に連れて行かれ、診察後に入管で面会した東城弁護士によると『脱水症状と言われたようだが、車いすに乗り、突っ伏したまま署名もできないほど衰弱している』」。日本は貧しくなるからこれからの日本人は海外に移民したり出稼ぎに行く必要があるわけで、その相手国の入管や雇用先が日本みたいだったら地獄だ。

アウシュビッツは『史実』と訴え 博物館、『捏造』主張の高須氏に」。博物館とはアウシュビッツ・ビルケナウ博物館のこと。高須クリニックは大口のスポンサーだから報道できないメディアが多い。そもそも高須クリニックが恐怖を煽ってボロ儲けした「包茎」は日本人に珍しくないし危険性もない。
 「JOC竹田恒和会長、退任の意思 五輪招致で買収疑惑」。でも引責辞任じゃなくて、任期を終えて円満辞任すると、任期の延長はしないってことらしい。竹田恒和が逮捕されたら、ピエール瀧さんと同じようにオリンピック自粛でいいんですよね。

楽しい音楽のことを。忙しい人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2019/3/8を。

SIDE-Bに書いた通り、俗にThe Wrecking Crewと呼ばれるスタジオセッション集団の中心人物で、ドラマーのHal Blaineが亡くなった。40曲のBillboard No.1を演奏し、20世紀で最も偉大なドラマーと呼ばれた。90歳。そのプレイについてはWe Love Hal Blaine 追悼ハル・ブレインに詳しい。
 サーフギターの王様Dick Daleが亡くなった。81歳。”Misirlou” や “Pipeline” が有名。タランティーノ監督の映画「パルプ・フィクション」で ”Misirlou” が再注目された。

Myspaceが、2003 - 2015年にアップロードされた楽曲をすべて消失してしまった。MySpaceってまだやってたんだ。消えた5000万曲の中には貴重な音源もあったみたい。The Flaming Lipsが “The Soft Bulletin” の20周年を記念した公演をする。このアルバム出た時にめちゃくちゃ感激して興奮して、でも当時のおじさんたちにぜんぜんわかってもらえなかあった。新しい音楽、新しい表現に敏感でいたい。そのためには古い音楽、古い表現に触れることが大切だな。

FUJI ROCKが出演者第2弾を発表した。代表日高さんのインタビューには、電気グルーヴへのメッセージやRed Hot Chilli Pipersの話題もある。岸田繁さんの青春時代のプレイリスト。Gotchさんの青春時代のプレイリスト。僕もこんなの聴いてた。なんだかんだでいまでも好き。岸野雄一さんのプロジェクトが新聞記事になった「ディスコでよみがえる80年代 障害者の自己表現支える地活センター」。

Twitterで、#平成の邦楽30枚 というハッシュタグが流行った。僕も選んでみた。

H1 細野晴臣 / omni Sight Seeing
H2 The Flipper's Guitar / CAMERA TALK
H3 高野寛 / AWAKENING
H4 ヤン富田 / Music For Astro Age
H5 小沢健二 / 犬は吠えるがキャラバンは進む
H6 電気グルーヴ / DRAGON
H7 Doopees / Doopee Time
H8 fishmans / 空中キャンプ
H9 Cornelius / FANTASMA
H10 Double Famous / Esperanto
H11 Carnation / Parakeet & Ghost
H12 中村一義 / ERA
H13 rei harakami / red curb
H14 ムッシュかまやつ / 我が名はムッシュ
H15 ECD / 失点 in the Park
H16 Sakerock / 慰安旅行
H17 nujabes / Modal Soul
H18 忌野清志郎 / 夢助
H19 くるり / ワルツを踊れ
H20 鈴木慶一 / ヘイト船長とラヴ航海士
H21 相対性理論 / ハイファイ新書
H22 clammbon / 2010
H23 木下美紗都 / それからの子供
H24 cero / My Lost City
H25 スコットとリバース / スコットとリバース
H26 蓮沼執太フィル / 時が奏でる
H27 ayU tokiO / 恋する団地
H28 ラブリーサマーちゃん / LSC
H29 CHAI / PINK
H30 amiinA / Discovery
H31 細野晴臣 / HOCHONO HOUSE

奇しくも細野さんに始まり細野さんに終わった。傑作がたくさんリリースされた年があって、平成を象徴するアルバムを網羅できなかった。なんてったって宇多田ヒカルさんが入ってない。スピッツ、aikoさん、星野源さん、奥田民生さん、ナンバーガール、andymori、Original Love、たま、JAGATARA、チャットモンチー、ハナレグミ、初恋の嵐、竹村延和さん、山本精一さん、tofubeatsさん、北園みなみさん、石橋英子さん、スカート、折坂悠太さん...。

3月26日 SIDE-A 音楽が聴けない

家で音楽を聴くことができない。

郊外に住んでて体力もないのに、ライブに通いすぎてるってことはあると思う。音楽を浴びすぎて体力も精神力も消耗して、家で音を出す気にならないんだ。それでもこの街に越して、2013年までは買ったCDをちゃんと聴いて、毎週Ustreamでラジオ放送をしてた。かけてたのはほとんどニューアルバムからの選曲だ。

いま僕の部屋には封も切ってないCDが何万枚単位である。そのまま売るべく山と積んで、でもいまさらCDなんて買い手がつかないし整理するのもめんどくさい何千枚の山もある。CDが可哀想だなと思う。

この街に越した2010年から2013年までどんな生活をしてたんだろうか。いまよりは幸せだった気がする。この部屋に遊びに来てくれる人もいっぱいいた。いまはいない。

19日。片渕須直監督の、74年前の実況ツイートがまた始まった。戦争と地続きの未来。語呂合わせでミュージックの日だそうだ。僕のサイトのプロフィール欄に膨大な「好きなミュージシャンリスト」がある。あなたが載ってるかも知れない。

柴山一幸さんのライブの予約をして、結局布団を出れなくて行けなかった。こんなに人をダメにするのに布団って合法なんだよね。
 さとうもかちゃんがお薦めしてたBeverly Kenneyの “It's Magic” がサイコーすぎた。何枚か買った。これも未聴山脈に収まるのか。

20日。抗鬱剤を貪り食って内科へ。いつもの検査のほかに、多汗について相談して、ホルモン系の血液検査を受けた。結果は次回。
 気温は21℃まであがった。春や夏が好きだって言った方が印象がいいのは知ってる。でも病的に暑さが苦手で秋や冬が好きで、それを主張すると怪訝な目で見られるのも多様性の問題だよなあと思う。

美人女子大生カウンセラーさんとの穏やかな時間。女子大は卒業式みたいで、袴姿のガールがいっぱいだった。
 「山下さん山を越え谷を越えて成長したんじゃないですか」。山を越え谷を越えたら前に進むけど、僕の印象は波を越えてる感じなんだ。溺れないようになんとか波をやり過ごして、でも自分がいる場所は変わらない。4年間のセッションを論文にして学会で発表するそうだ。珍しい人生がたまに誰かの役に立つ。

はにわオールスターズの50年祭のチケットを買ってたけど体力的に行けなかった。sugar meさんの結婚に少なからずショックを受けた。なにがどうなるでもないがな!!

21日。吉村かおり@東新宿真昼の月夜の太陽へ。
 多摩川がすごい水量で青々としてた。動画撮ればよかった。1年間続いた「亀といい男女」シリーズの最終回。今回の対バンはイツロモリさん率いるコカリク-4D。疾走ピアノロック対決だった。初めて拝見したイツロモリさんの楽曲は、エバーグリーンな王道のようで捻りが効いてた。大好物です。コカリク-4Dの演奏もタイトで快適。

吉村かおりさんのバンドの方が少し年下なのかな。勉強させてもらいますって姿勢を見せつつ、コカリク-4Dの演奏にあてられて荒くれ仕様。誰にでも楽しめる痛快さの中に光る吉村さんのちょっと意地悪な瞬間、音楽に選ばれた言葉を操る職人ぶりが気持ちよかった。
 この日、名盤 “新未来” に続くアルバム “nai-nai” がリリースされた。もうね、スゲー!! こんな人がいるんだよって言って回りたい。トレーラー映像がある。

22日。田中ミズホのライブの予約を入れてたのに、この日も寝込んでた。田中には悩みを聴いてもらってる義理もある。なにを思うでもなく足の指ポキポキしてた。

23日。体のメンテナンスに行く体調にない。この日も寝込んでた。大学時代に毎日のように遊んでた友達が夢に出てきたけど名前を思い出せなかった。ボケる気まんまん。
 夢と現が混ざりあって脳がバグを起こしてる状況を楽しんでるような、つまりはものすごく寝てるのに脳は疲れてる。夜は1℃まで下がった。

24日。前の日の振り替えで体のメンテナンスに行く予定だったけど、またしてもごめんなさい。ヘッドギアみたいなのつけて、夢の中で聴いたり作った音楽を音声ファイルに吐きだせないものか。MIDIにできたらなお素敵。
 子供はシラフであのテンションなわけで、(僕ははしゃぐ子供じゃなかったけど) 加齢と共に気力も体力も加速度的に削がれる。このまま寝たきりになるんじゃないか。

25日。どうせ出かけられないだろうってもう予定を入れなかった。
 街なかで見かけた有名人ランキング断トツ1位は楳図かずおさんってツイートがあった。それ、気づいた有名人ランキングではないか。僕の断トツ1位は片桐はいりさん、50メートル先から片桐はいりが通りますよってお顔だから。もう少し整っ...個性の薄い方だと気づいてない可能性が高い。片桐はいりさんとすれ違う時は、大昔のCMソング「ハイリハイリフレハイリホー」って歌が頭の中に流れる。

26日。なんとか体のメンテナンスに行けた。アップルカードが話題になった。わかったことは「かっこいい」「アメリカのみ」。
 50過ぎの人が、40代を若く感じる、60代も70代からしたら若いに違いない、もしかして一生若いんじゃないかってツイートしてた。これ負け惜しみじゃなくてそうなんだよね。若い頃は40代女子とかあり得なかったけど、いまぜんぜんいける。向こうがいけるかは知らない。泉重千代さんが「好きなタイプは年上」って言った話があってだな。

DOMMUNEで5時間電気グルーヴ縛りのDJ放送をしてる。地上波を抑えてツイッターのトレンド1位、世界のトレンドでも4位、46万人が観た。これが民意だ。そういえば何日か前に、電気の “虹” のバリエーションだけでDJする夢を見た。

SIDE-Bに続く。

3月26日 SIDE-B ヒップホップはモーツァルトに勝る

世の中のことを。バッハの誕生日の3月21日、Googleのトップページに、入力したメロディにAIでバッハ風のハーモナイズをする機能が公開された。非常にクオリティが高くてびっくりした。常設してほしい。
 ユリ・ゲラーさんが「超能力でEU離脱止める」って言ってる。頑張ってください。

猫はいつから日本にいるの」。平安時代からって思われてたけどもう1000年前、紀元前2世紀からいたかも知れない。「マレーグマも『顔まね』、驚きの社交スキル」。霊長類の一部やイヌくらいしか知られてなかった行動だそう。単独生活のクマにこれほどの社会的能力が見つかったのは意外なんだって。
 乳首が取れても乳首の周りのイボイボが乳首予備軍で乳首になるんだって。昔、整形手術で乳首が取れたって裁判沙汰になった女優さんがいたね。

同窓会嫌いのハライチ岩井が仕方なく会った昔の同級生にイラついた理由」。金儲けや名前が売れたことを自慢したい人が行くところにやむを得なく行って、「その価値観を持っている大人がいることに、僕は単純に驚いた」。
 「NGT山口さん、調査結果に不満『私が言ったこと書いていない』」。秋元康のアレのアレ、記者会見中に山口さん本人が次々とツイッターで反論して、それを元に記者から質問が殺到して、運営が焦ったらしい。

音楽の話を。忙しい人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2019/3/22を。
 Scott Walkerが亡くなった。おおよそオルタナティブとポップの狭間にいるミュージシャンたちが影響を受けた人物として名前があがる。弔意を表したミュージシャンは僕が確認した範囲でDamon Albarn、Peter Gabriel、Beck、Andy Partridge、Thom Yorke、Alex Turner、Brian Enoなど。David Bowieが存命なら当然そのリストに加わっただろう。Scott WalkerがDavid Bowieに送った誕生日メッセージの話

音楽アプリ「エンデル」がアルゴリズムとして初めてメジャー・レーベルと契約した。ユーザーに合わせた楽曲を自動生成するアプリで、ワーナーと20枚のアルバム契約を結んだ。スイスの研究チームが、チーズにヒップホップ、クラシック、ロック、テクノ、アンビエントを聴かせた。どのチーズもマイルドになって、「フルーティーさと香り、味において、ヒップホップを聞かせたチーズが他のサンプルよりも強いもの持っている」そうだ。

amiinA 2ndワンマン大成功。そのライブから浮かび上がるamiinAが創造する世界とは」。Venus PeterとDebonaireが2マンライブをする。鈴木慶一さん、服部隆之さん、村松崇継さんが「題名のない音楽会」に出演して映画音楽について語る。慶一さんっていまそういう括りなのかよ。