DIARY
2019年9月
9月4日 カオナシ
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孤独のあまり求めてばかりのカオナシは、映画の中では生き方を見つけられないまま。僕も見つけられないまま47歳になった。
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29日。障害者福祉センターのフィットネスプログラム、結局8月は1回も受けられなかった。暑いのはダメだ。ほんとダメ。伸ばしに伸ばして貰ってた面談だけ受けた。いま唯一信頼してる方だ。
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夜はサトウトモミ@下北沢BAR?CCOへ。毎日音声日記を聴いてるせいか、久しぶりって感じはなかったけど、実はずいぶん久しぶりなトモミさんのライブ。
ゴリゴリにベースを弾いてるのに運指がエレガント、オケを使った曲では激しく踊ってるのにボーカルも安定してる。穏やかなお人柄の奥に感じられる、真っ直ぐに生きる強い意志も含めて、僕にとってトモミさんはロックスターだ。
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演奏は、ベースがメインにフィーチャーされてるんでとってもグルーヴィー。去年、ラジオ番組の企画で毎週曲を作って発表してたのはほんとうに凄いことだ。緻密にアレンジされて打ち込まれた曲。1曲が短いってことはあるにせよ。
あの1年があって、ソングライターとしての幅が広がったように思う。聴いてすぐにわかるサトウトモミ節はあるけど、いろんな楽曲が並んで、アルバムを聴いてもこの日のライブみたいに長尺な演奏を聴いても、決して一本調子にはならない。
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ただ、ルックスも声も可愛らしいんで、アイドルともミュージシャンともつかないブッキングに組み込まれることが多いのが残念だ。アイドルイベントならアイドルイベントの楽しみ方があるんだけど。って意味で、この日も対バンがキツかった。
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30日。なんにも予定を入れてない日。ひたすら寝てた。最近すごくよく寝るんだ。疲れが溜まってるのかな。
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金子國義さんのアトリエ兼自宅を解体した人の、この絵は価値があるのかな、捨てちゃったってツイートが流れてきた。
魂が込められた絵が何枚も捨てられたことも辛いけど、その素晴らしい作品群が誰にも守られなかったこと、そしてその事実をツイッターで知ることも辛い。ただ世の中には「お絵描き」に意味を見いださない人々が相当数いて、解体業者さんを責めるのは筋が違う。
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ラピュタやってたみたい。ハァ、空から女の子が降ってこないかな。何度も書いてるけどロードショー当時は夏休み映画だったのにガラガラだったんだよ。宮撫x映画はアヴァンギャルドなものだった。
ところでバルスはロシア語、ウズベキスタン語、トルクメン語でユキヒョウのことらしい。多摩動物公園にいるユキヒョウ。
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31日。全国ののび太くんがドラえもんに泣きついているだろうか。カツオくんがマスオ兄さんに泣きついているだろうか。宿題が終わっても終わらなくても、ほんとのこと知りたいだけなのに夏休みはもう終わり。俺の夏休みは永遠に終わらない (いろんな意味で) 。今年の夏は大雑把に楽しかった。FUJI ROCKが充実してたのが大きい。
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精神科に行ってその足でカウンセリング。前の美人女子大生とのカウンセリングは憩いの時間だった。美人で女子大生であるってことを抜きにしても、阿吽の呼吸で話が進んだ。
今の方に替わってから、行くたびに鬱が酷くなる。ひとつはなかなか話を理解してくださらないこと、もうひとつは筋は理解しても感情を理解してくださらないこと。
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人は人と会って話をしたり、たまには食事でもしないと気が狂う。ということを体験したことがない人には理解してもらえない。ヒトは群れをなして生きる動物だ。僕は家族に捨てられた人間だから。前の方は「孤独」という概念を理解してくださった。
それから表現文化に対する想い。僕は音楽を舐めてる状況に出くわすとムッとする。音楽は言葉よりも先にあって心を結びつけ、類人猿の中でホモ・サピエンスだけが生き延びた要因のひとつと言われている。いまは音楽の置かれている地位が不当に低い。
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Aマッソってお笑いコンビを初めて知った。掘りがいがありそう。
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1日。防災の日。亡くなった祖母は関東大震災の記憶があった。
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amiinAいいだの、中嶋春陽さんいいだと言ってたらロリコン認定された。僕は条例に気をつけるタイプのロリコンです。「安心です!!」。隣のピューロランド帰りの女子高生2人がTikTok撮ってた。危うくおじさんも映り込んでしまうぞ。
#邦ロック好きと繋がりたい ってタグでラブサマちゃんを挙げてた人、洋楽聴いてみればいいのにね。ラブサマちゃんの音楽はいい意味で日本人離れしてる。
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かねこきわの、Ritomo、田中ミズホ@高円寺U-hAへ。
この世代で僕が気にしてる、タイプは違えど音楽の天才、タイプは違えどユーモアの持ち主、タイプは違えどクレバーな3人を一度に観てちゃった。音楽に良し悪しがあるかはわかんないけど好き嫌いは確実にあって、大好きなタイプの違う3人のミュージシャンの演奏を聴けたこと、大好きなタイプの違う3人のミュージシャンが仲良くしてること、すごく幸せな時間だ。嬉しい機会に立ち会えた。
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きゃのんは風邪をひいていて、前のライブではとにかく声を出すのが辛かったそう。いたわってたせいか、聴く側にはとても素直な発声におもえたけど。
今回は咳は出るものの声を出すのは苦じゃない。「喉におじさんを飼ってます」っていいながら、えへんえへんしつつのステージ。その咳払いをなんでマイクに通すのかな。途中で気づいたみたいで「学習しました」。はよ気づけ。
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相変わらずテンションコードを使いまくったギター、どんどん展開していく心地よさを満喫した。とにかくコードのセンスとハーモナイズのセンスがずば抜けている。
いま毎月新曲を発表していて、その中の “椿” や “マダムにはならない” はすっかりライブの定番曲になった。ちょっと前までは定番は “アールグレイ” だった。
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それを差し置いてもいい曲がどんどん生まれてる。毎月の曲、どれもクオリティが高いし、自分に課せたハードルがいい方向に向かってるように見える。
後半は静かめのセットリスト。あんまり派手なソロもせずに推敲されたアレンジだった。あージャズだなあ。きゃのんにBlossom Dearie聴かせてみたいなあと思ったら、大好きでもう聴いてますってそれはそうか。
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Ritomoさんは相変わらずの安定感。ギターもボーカルも危なげのないステージ。”up 'n' down” や “MONO” といったソウルナンバーを。こないだのラジオ、「Ritomo 240秒の隙間」では生演奏で “up 'n' down” を披露して、放送時間内に間に合うのかどんどんテンポアップして、あれはほんとに珍しくRitomoさん焦ってるなあと思った演奏。
本人はソウルっていう意識があんまりないみたい。新しいソウルは聴いてるだろうからって、Marvin GayeとLinda Lewisを聴かせようとしたら、Linda Lewisのアルバムはもう差し上げてたのだった。ボケてる。
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この日の3人の中では一番若いそうだけど、17歳からのキャリアが着実にあって、大人びたステージだ。明るいステージをするきゃのんと田中をどう思うのか興味があった。すごく楽しんでるみたいでそれが嬉しかった。
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田中は寒暖差アレルギーを持っていて、鼻におじさんを飼っていた。サラサラの鼻水だったのに、鼻炎薬を飲んだら鼻水そこにいるのに出てこなくなったって。
最初はアップテンポに始まって、だんだんシリアスに。佐賀出身の田中、こないだの北九州の水害で、親戚が被災したそうだ。お兄さんがレスキュー隊なんだって。電話も通じない中で、お母さんは田中からのLINEだけが連絡手段で、それがすごく心強かったみたい。そんなMCから “こんなことしか”。
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“灯り” はやっぱり僕にとって特別な曲だ。ギターのリフが歌メロと絶妙に絡み合って、でも演奏するには難しそう。どんどんよくなってる。”帰る場所” ではまた水害の話をして、故郷を想って作った歌ですと。いつもの通り “笑顔の理由” で終わった。
アンコールは “ほんとはね” 。MCでしてた、電車の中でぐいぐい押し込んでくるおばさんの話を、コールアンドレスポンスに織り込んできた。田中のステージはいつも演奏や歌いまわしを完璧に作り込んでくる印象だったんで、フレキシビリティに驚いた。
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帰りの電車でツイッターを開いたら、3人がタイムラインで仲良さそうにしてた。ほんとうの友情になってくれたら嬉しい。こういうブッキングや人脈を温めて欲しいな。
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2日。悪夢を見てその悪夢が現実だった。受かってた院試をふいにしたのは、ほんとピタゴラスイッチみたいな奇跡の事故の連続で、院を出たあとの人生設計もそれなりにできてたんだ。猫がないてると思ったら寝言だった。猫も悪夢を見てうなされてたみたい。
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Mixcloudに細野晴臣さんとThe Beach Boysの入門編ミックスをあげた。ほかにもいくつか上げてるんで、よかったら聴いてみてください。アドレスはこちら。
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タイムラインを開いたら、ウイグル人虐殺の話題で溢れてた。パヨク、ウイグル人を虐殺してる中国と仲良くしろとか草wwwみたいな。パヨク、ウイグル人もチベット人も中国人も北朝鮮人も韓国人も香港人も日本人も人権が守られるべきだと思っているよ?
1日が日曜日だったんでこの日から2学期、学校が辛い子供を慮るツイートも多かった。僕は子供の頃、学校も辛かったけど塾の夏合宿 (1ヶ月もある) も辛かったな。
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台風13号の名前「レンレン」は、香港で少女の名前ってよくわかんない。少女がレンレンならばあさんになってもレンレンでしょう。幼名ってこと? アメリカに来てるハリケーン「ドリアン」とのギャップすごい。アジアに次に来るのは「カジキ」。
台風の名前はアジアの各国がいくつか提案したリストがローテーションで使われてる。大きな被害を出した台風の名前はリストからはずされる。日本が提案したのはぜんぶ星座の名前。それにしてもカジキって...。
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最近ほんとうに眠気が酷い。お昼にラーメンを食べたら眠くなって、赤子のようにおねむになって、起きたら夜だった。君島大空さんのライブを予約してた。もうとっくに始まってて、僕は多摩市でパジャマを着てた。無念すぎる。
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3日。Al Jardineの誕生日。あーた改めAATAカバーワンマンライブ「color」@新代田crossingへ。前の用事を済ませた時に多摩市はゲリラ豪雨で、AATAに渡す手紙が濡れてしまった。雨の日はいつもレイン。
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AATAに改名して初めてのシングルのB面でHONNEの “Day 1” をカバーしてる縁で、ずっとやってみたかったカバーライブに挑んでみたという。得意のギターを持たないでボーカルに徹したあーちゃん、もちろん自分の曲とは違ったアプローチで、それぞれの曲のよさを生かした表現力に圧倒された。
ギターサポートはムラタトモヒロさん。とにかく綺麗な音色と安定のプレイでソロもばっちり決めていた。だからあーちゃんは安心して歌に専念できたんだろう。
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“Don’t Know Why” “Moon River” “I Wanna Be Loved By You” “So Far Away” “Sir Duke” ”If I Ain't Got You ” ...邦楽は "東京ブギウギ" “真夏の果実” “ベルベット・イースター” “くちばしにチェリー” “エイリアンズ” "琥珀色の街、上海蟹の朝" ...特に洋楽のカバーがほんとかっこよかったな。
ホームなのに緊張してたみたいで、疲れ果ててた。本編終了後アンコールまで立ち上がる気力もなく、シングル曲 “Airport” 、終演後にハッピーバースデーの合唱でケーキ登場。レコードを抱えたあーちゃんのイラストだ。そしてあーたとわかのこけし。
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お客さんみんな笑顔に溢れてて、とってもいい雰囲気のライブだった。ギネス何パイント飲んだかわかんないな。ムラタさんとあーちゃんがグルーヴの捉え方の話をしてて、そういう意味でもAretha Franklin聴いて欲しいし、絶対Laura Nyro好きだろ、と思った。
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4日。今日も予定はなし。いや部屋の掃除をしなきゃなのはわかってるんだけど!! たまっていた事務作業など粛々とこなした。猫が甘えてる。
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世の中のことを。ずっと行きたい高畑勲展について伊藤ガビンさん。
「やっと高畑勲展行ったんだけど、鳥肌立ちっぱなしの内容でした。これはアニメーション興味ない人も行ったほうがよいですね。目の前の制作環境を理詰めで果敢に更新していった戦いの記録でした。アニメーションやマンガ、映画を『展示』する時には、基本的には『メイキング』にしかなり得ないんだけど、これは最良のメイキング展のひとつ。『絵を描かない』監督ゆえの、めちゃくちゃ濃密な制作過程が溢れてねえ。美大生とかは、ちょっと時間があいたから行く、とかじゃなくて、『今日は開館から閉館までいるぜ』くらいの勢いで見に行くといいと思いましたよ。真面目にみたら、そのくらい時間かかると思う」。
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「早世した静岡の画家 スペインでの個展に驚きの31万人」。「人に指差された顔…それでも街を歩きたい 偏見残る社会に望むこと ウーマン村本と考える『見た目問題』」。
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香港のことを。「香港警察が8月30日朝に逮捕した黄之鋒氏と周庭氏が同日夜、保釈された」。「どれほど私たちを逮捕し、起訴しても、私たちは、私たちの戦いを続けます」。「 (国際社会は) 香港の状況に注視し続け、民主主義のために闘い続ける香港の人々を支持して欲しい」。
香港が本当にやばい。そしてそれは遠からずこの国の姿だろう。
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「香港 容疑者引き渡し条例改正案 撤回を正式表明 行政長官」。
周庭さん。「条例の撤回は喜べません。遅すぎました。この3ヶ月間、8人が自殺。3人が警察の暴力によって失明。2人がナイフを持つ親北京派に攻撃され、重傷。1000人以上逮捕。100人以上起訴。怪我した人は数えきれないです。私たちは、5つの要求を求めています。これからも戦い続けます」。
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周庭さん。「林鄭月娥は一方で、改正案を撤回する、対話をしたいと言いながら、政治的弾圧、警察による逮捕、デモ隊への攻撃を、毎日起こしています。改正案が撤回された今も、香港人は引き続き暴力的な弾圧の下で生きています。だから、私たちは反抗しないと、香港はますます住めない場所になってしまうのです」。
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音楽のこと。NME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2019/8/30を。
9月10日 しずかちゃんって女の子の友達いないのかしら
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僕が人と別れたりこじれる理由について話した。ひとつは音楽や表現文化について舐められた時、もうひとつは動物や子供が大切にされなかった時だなって明確にわかった。それ自己同一化だって言われてもさ、動物や子供の傷は癒えないじゃん。
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夏が終わりそうで終わらない。Carnation "The End Of Summer"。僕のなにかひとつを信じて欲しい。
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8日。Freddie Mercuryの誕生日。生きてたら73歳か。ツイッターのトレンドの「感情ぐちゃぐちゃ」ってなに。僕はいつも感情ぐちゃぐちゃですが。
また障害者福祉センターのフィットネスプログラム受けられなかった。最後に行ったのは7月だよな。去年から少しづつ積み上げてきた運動の成果、体力そのものや具体的な筋肉と自己肯定感のためのダイエットを、この酷暑ですべて失った気がする。
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AATA “Airport (ESME MORI Remix)” を何度か聴いた。昨今のアナログブームで、CDのマスタリングのままアナログ化しただけのレコーヨがやまほど出てるけど、あーちゃんのレコーヨはちゃんとアナログの音がしてて嬉しい。
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PYON2の別動ユニット、ぴょんズ@高円寺CLUB LINERへ。
PYON2はいま活動停止中で、ボーカルギターのかみやあいのちゃんとドラムのちぇるさんがぴょんズとして動いてる。ちぇるさんは写真家をやったりアイドルをやったりもしてるのかな。CLUB LINERは初めて行く箱。店員さんが怖かった。
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あいのちゃんの曲の良さ、不思議な作りと構成はどこからきてるのかってずっと思ってたけど、押韻のルールとはまた違った、彼女の可愛らしい声がよく響く、あるいは心地よく歌えるフレーズを口ずさんで作ってるのかな。サビは作詞と作曲を同時にしてるか、作詞が先じゃないかなって気がしてきた。
そのあいのちゃんのソロとは違って、ドラムが入ると当然バンド感が出る。気持ちよく聴けた。もちろんPYON2の鉄壁のバンドサウンドと比べるとちょっとたどたどしくはある。JUDY AND MARYの “Cheese “PIZZA” ” のカバーが2人によく似合ってた。
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対バンは、1人オケを使ってコミックソングを歌う方がいて、それも面白かった。主催者やほかのバンドは轟音シューゲイザー系。極めて快適。大好物。スピーカーにへばりついて聴いた。むしろなんでその中にぴょんズとコミックシンガーが呼ばれたんだろうか。
DJもエクスペリメンタルで大好きだった。テクノをベースにアナログシンセ (モジュラーシンセ?) で色を乗せていく。僕ももう少し機材に強くなりたいな。あいのちゃんの周りには面白い才能が溢れてる。追いかけてこ。
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6日。うーむ睡眠が下手だ。猫、その距離から飛び乗ってくるとこっちのダメージでかいぞ。まだあちいとか。体感気温38℃とか。とうぶんハンディ扇風機を手放せない。紆余曲折の末、首掛けタイプに落ち着いた。理由はかっこいいから。
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ぎがもえか、towel、APONTIME@下北沢mona recordsへ。
最初に登場した湾岸ソルティは、今で言うところのシティポップバンド。メローに始まって夏らしいセットリストへ。曲が良かった。パーカッションがいるのもいい。ベーシストが昔のマンガに出てきそうなもじゃもじゃ頭とヒゲとメガネで、そのファッションのコンセプトはなに? と思った。
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ぎがちゃんはすごい創作意欲で、入魂のミニアルバムのあとなのに新曲が何曲か増えてた。ぎがちゃんを観始めてそんなに長くはないんだけど、その間にも作風がずいぶん変わった。初期の “檸檬” みたいな優しくて穏やかな感じだけじゃなくて、楽曲も歌い方も幅が広がってエモーショナルになった。
サナトリウム文学に出てきそうな佇まいで、美しい映像的な世界を歌うのは相変わらず。でも懐古趣味じゃなくて確かに今の時代に響く表現だ。リズムに独特の揺らぎがあって、それにあわせて声にも揺らぎというか、声量での表現の幅が広がった。バンドと組んで活動してた成果だろうか。初めて聴いた満月の歌はロシア民謡みたいな展開で、ルーツはどこにあるんだろう。とっても稀有なミュージシャン。胸がほくほくする時間だった。
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そして京都からやってきた男性SSWいちやなぎさん。美しいハイトーンボイス、ちょっとスモーキーで口腔内の響きを活かしたような独特の発声だった。なにしろその声と歌いまわしが武器だし個性だった。で、ミディアムテンポな映像的な楽曲を歌う。曲も素晴らしい。弾き語りのCDを買ってしまった。最高だった。
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towelはフロントマンの生形拓人さんが体調不良で、本来ドラマーの水野谷みきがリードボーカルとピアニカを演奏するアコースティック編成。ギタリスト氏はアコギでときどきリードボーカルを取る。この方もいい歌を歌ってた。ベーシスト氏はずっと親指弾き。アコースティック編成だから敢えてしてみたと。いかりや長介さんが親指で弾く人で、その話に尾ひれがついて、いかりやさんは日本で最初のチョッパーベーシストって噂があったんだよ。
曲の良さをちゃんと伝えるいいライブだった。水野谷も歌い手だからできることなんだけど。やっぱり生形さんのいる、本来のtowelを観てみたいな。
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トリは三輪卓也さんのAPONTIME。三輪さんのいい意味でのいなたさ、アメリカンでスワンプな感じが、女の子のキーボーディストと組み合わさることで、お互いに打ち消し合うことなく爽やかにまとまってた。キーボードはギターやボーカルとユニゾンしたり、コロコロ転がるニューオリンズ的なソロを弾いたり。リズム隊もばっちり完璧。全員のコーラスワークもきれいだった。三輪さんの楽曲の軽妙さが映えるバンドだった。
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ところでカレーが甘口で、僕にはすごく美味しかった。若鶏の唐揚げも食べて、テーブルに来た時からニンニクだらけでだいじょうぶかよと思ったけど、すごく美味しかった。で、案の定たべたあとに、自分からもわーっとニンニクだわ。さらにカマンベールのフライまで食べた。もちろんすごく美味しい。楽しい夜だった。
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7日。11:30開場のわたしのねがいごと。のライブの予約を入れてたのに、起きたらぜんぜん午後だった。ごめんなさい。昼間の予定をすっぽかしてしまうと夜の予定も億劫になる。夜は水野谷の、誕生日前夜飲み会だった。花束を持って颯爽と伺うつもりだった。
体が休みなさいって言ってるのもあるし、部屋の掃除をしたいのもあるし、猫とゆっくり時間を作りたいのもあるし、うちの立地的にどこに出るにも遠い。調子悪くて猫を揉んだ。うちの猫たちちゅ〜る食べるの下手すぎる。意地で部屋は掃除した。偉い。我ながら偉い。
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Shiggy Jr.がこの日でラストライブ。チケット取りそこねた。大好きだった。彼らの歴史はポップであろうとする思いと、どうしてもにじみ出ちゃう通好みな側面とのせめぎあいだったな。最強のリズム隊がいるのに、アレンジャーをつけて打ち込みにしたり。ライブの方がずっとかっこよかったんだよ。いろいろ残念。みなさんのこれからに幸あれと。
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8日。猫の重みで起きた。今川宇宙くん (彼女は宇宙くんと呼ばれるのが好きなのだ) の出演する、劇団SHOW特急「真田十勇伝 - 令和元年」@東池袋あうるすぽっとへ。非常に立派な劇場でびっくりした。
時代劇を観劇するのは初めて、開演前に用語集を頭に叩き込んだ。遠い日々の一夜漬けの記憶が蘇った。僕の知識は大阪、あれいつの陣、あれ冬の陣? いや夏の陣? のレベル。いざ舞台が始まったら、コメディタッチな導入部からだんだんシリアスな物語の骨格が見えてきた。登場人物が多いんで圧倒されたけど、みんな個性的で魅力的だった。実は演劇を観る前は、いつもストーリーを理解できるか心配になっちゃう。
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主従の縁と血縁と、そこに命をかけられるのかどうか。戦国時代に生まれなくてよかったわ。僕はヘタレなんで、命をかけられないし、ひとつのことを想えない。
ベテランたちの円熟の演技 (家康!!) 、若手たちの瑞々しい演技、大道具の転換のないテンポのいい演出、殺陣の迫力に息を飲んだ。意外な展開が続く後半にはすっかりのめり込んだ。そして切ないラストへ。で、月のシーンが一番好きだった。おじさんも甘酸っぱい想いしたいよ。演劇はいいな。自分の劇団時代の想い出も甘酸っぱい。
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夜は台風ファクサイが関東地方を直撃。緊急速報が何度も鳴って、心臓飛び出るかと思った (ちょっと飛び出た) 。関東の人は台風に慣れてないんであたふた。馴染みの野良猫たちはちゃんと隠れただろうか。2019年になっても台風の日はトレンドにコロッケ入るんだね。とりあえずベランダを片付けた。物干し竿が風で窓ガラス突き破ってきたりするらしいよ。
ツイッターを開いたらみんな眠れないみたいで、明け方までタイムラインが動いた。それだけでちょっと安心した。ファクサイと油揚げの煮浸しにでもして食べちゃって寝たい。はっぴいえんど “颱風”、細野晴臣 “Hurricane Dorothy”、Carnation “ハリケーン”。
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9日。やっと寝ついたと思ったら、隣の市の勧告解除のアラームで飛び起きた。緊急速報は重要だ。でも勧告解除を隣の市民にまで流す必要はあるんだろうか。僕は睡眠障害を持っていて、睡眠も起床も自分でコントロールできない。アラーム鳴って、わかりましたじゃあもう一度寝ますってわけにはいかない。下手すると数日をふいにするんだわ。
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ネットスーパーの配達員さんがすごい猫好きで、高齢なのに毛並みがきれいって誉められた。あたりまえじゃ。
トレンドのトップがずっと「地獄絵図」だった。交通が乱れてるらしい。そうまでして会社に行って働いて、企業の内部留保が過去最大なのに実質賃金は7ヶ月連続低下で、文句も言わずネトウヨしてるこの国の人はどMなのかな。
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ラブリーサマーちゃんが突然不思議なツイートをした。「人生に拗ねた孤独な男 幸運はいつも彼を素通りする」。カギカッコで囲われてるけど、何かの引用じゃなさそうだ。気圧の乱高下と、朝の勧告解除アラームの影響で鬱が酷い。幸運はいつも素通りする。
夜になってこの日記を書き出して、明日は朝から病院なのだよね...。
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世の中のことを。ケン・ローチ監督の新作「家族を想うとき」の予告編が公開された。松尾スズキさんがシアターコクーンの芸術監督に就任した。
小学生が夏休みの自由研究に「夏休みの宿題をやらなかったらどうなるか」ってテーマを選んだ。「清々しい朝を迎えている」。その手があったか。
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「地球中心部、地球の自転より微妙に速く回転」。冷戦時代の核実験時のデータから判明した。磁場の解明に繋がるかも知れない。「人類の北米到達、定説覆す新証拠 アイダホ州の遺跡」。人類はベーリング海峡が陸で繋がってた頃にアメリカ大陸に渡ったっていう従来の説が覆された。アメリカ最古級の石器は日本の石器とも似てる。
「アマゾンの森を燃やす人々に密着『悪人』牧場主の手口と現実」。アマゾンの大火災の原因は牧場を作るための放牧にあるそう。
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この怖いお兄さんたちは虐待されてる動物を助け出すチームなんだって。「喉が渇いたら水のグーグルマップで飲み水を探そう。各都市で動く、水を買わないムーブメント」。ペットボトルを削減しようとする試み。
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音楽のことを。忙しい人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2019/9/6を。
サブスクリプションが出てきてから、リリースって概念が変わった。日記に音楽情報を載せる時、元の記事に従って「新曲を公開した」「リリースした」って使い分けてるんだけど、事実上区別はない。
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全米レコード協会の中間報告によると、2019年上半期のレコード盤の売上は計2億2410万ドル、CDは2億4790万ドル。レコードの売上が猛烈に追い上げてるんで、今年末にはレコードの売上がCDを上回る可能性が出てきた。とは言えレコードの売上は音楽業界全体の4%、サブスクリプションが62%。
僕はぎりぎりアナログで音楽に入った世代なんで、レコードは再発見する感じ。CDにはもちろん思い入れも思い出もたくさんある。日本人は家が小さいのにフィジカルが好きだ。物に対する愛もあるし、閲覧性のよさもある。検索に引っかからない、そういえばこんなCDあったな、久しぶりに聴いてみようって出会いなおし方が好き。フィジカルで持ってたいし、配信はともかくサブスクリプションで聴けるって言われても、ファイルって形で持ってたい。いい曲ならMix CDに入れたいんだ。
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かねこきわのさんが嵐をイメージした新曲 “シトラス” を公開した。松本隆さん的な歌詞世界 (特に曲タイトルが出てくるタイミング) 、船山基紀さん的なアレンジ、歌メロ、コード感、ベースライン、かっちりした8ビート、ローファイなシンセの音、堂々のジャニーズ歌謡のようでいて、でもちゃんときゃのんの音楽だ。折坂悠太さんが “朝顔” を7inchでリリースする。ルルルルズがニューアルバムをリリースする。ハローエンドロールが新曲 “キラキラ” のMVを公開した。
細野晴臣さんがドキュメンタリー映画「NO SMOKING」についてコメントした。「自分の映画が出来上がって上映されるとは夢のようですが、同時に悪夢だとも思えます。何故生きている間にこんなことになったのかといえば、今年になって50年も音楽生活を続けてきたせいでしょうか。このような映画を自分で作ることはできません。製作陣の熱意があってこそ実現したものであり、自分も観客のひとりとして見ることになります。しかし到底客観的な評価などできるはずもありません。どうか見た人が少しでも得ることがあるように、と祈るばかりです」。玄人受けしてるとある中学生ミュージシャンについて、例えば大滝さんはそれを40年前50年前にやってたから世界と共鳴してたし、クリエイティブだったんだよって思ってしまう。新しいことがいいこととは限らないけど、崎山蒼志さんなんかは同世代に響く表現をしてる。もっと簡単に言うなれば、中学生が春一番の汽車に乗って山菜弁当美味しいな、なんて歌を歌うのなんかやだ!! いきなりステーキ食いてえとか思っててほしい。っていうのはイメージの押しつけなんだろうな。
9月16日 SIDE-A HI, HOW ARE YOU
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日々、圧倒的な情報量に押し潰されてる。
聴いていない (聴けていない) CDが目分量で3000枚くらいあって、DL音源もそれなりにあって、心の大きな重みになってる。いまの精神状態だと、家では静かに過ごしたい。でも習慣は変えられなくて、気になる新譜が出るとついつい買っちゃう。
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現状では孤独から少しでも遠ざかる手段がTwitterしかない。タイムラインに音楽へのリンクを張っている人がいるじゃん、それを聴くために部屋でかかっている音楽を一時停止するのが億劫だってこともひとつある。タイムラインにへばりついてるのはよくない。やりたいことが何もできなくて、自己嫌悪に陥る悪循環だ。
Twitterがなかった頃、自分の音楽を作っていたし、買った音源は何度も聴き返していたし、インプットとアウトプットができてた。いまほど極端に孤独でなかったってことも大きい。いまはほんとうになにも生み出してなくて、劣化したTwitterからも離れられない。
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楽しいことを考えたい。けど流れてくるのは悔しいニュースばかり。日本語が通じることと女の子が可愛いこととマンガが面白いことしか誉めるところがない日の沈む国。外国語を勉強して外国人の友達を早めに作ろう。
人生そのものにくじけそうなままこの歳になったけど、無理のない範囲でくじけない方向に意識を持ってこう。
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10日。多汗症の検査結果を聞きに都内の総合病院へ...行けなかった。午前中しか外来診察を受け付けてなくて、僕の生活パターンじゃ行くの無理なんだ。大学病院って場所にいい想い出がないのも大きい。所詮モルモットであり。
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前田敦子さんが28歳に見えないと話題ですが、がネタツイになった。原田知世さんや石田ゆり子さんやYUKIちゃんやaikoさんや新垣結衣さんや荒木飛呂彦先生や草野マサムネさんやデーモン小暮閣下がいるフィールドだ。逆の意味で最強なのはアナゴさん27歳。
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CLOW@下北沢440へ。
久しぶりのCLOWさん相変わらず素晴らしかった。言葉とメロディの関係が定石から外れてて、一文が長いにもかかわらず、その言葉の寂寥感と棘の心境に集中して、ぐいぐい引き込まれる。それは歌の力であり揺らぎの力であり、有り体に言えば音楽の力なんだろう。
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初期から演奏してる”Good Night” に始まり、”みんな同じ恋の歌ばっかつまんない” みたいな曲が新しい曲と同じだけ力を放ち続けてるのは、彼女には歌い始めた時から確固たる世界があったんだろうなと思う。
それはもちろん成長を否定しているわけではない。その鋭い視点で新しい切り口を見つけて音楽にしていく、スタイルが出来上がっているということ。息をもつかせぬ充実した時間だった。潔い生き方をしてるんだろうなと思った。
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対バンの爽さんは、同い年で同じ札幌の出身という。彼女の方が一般的ないわゆるJ-POPのスタイルに近い。彼女の力は、ビブラートの強い歌の訴求力と、コードのアイデアかなと思った。メロディがこうあって、コードがそっちに進むかっていう不思議な動きをして引きつけた。最後は2人で椎名林檎さんのカバーを。
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帰ってきた多摩シティはどしゃ降りであった。でだ。もう過ぎたと思った台風15号の爪痕が想像を遥かに超えていることを、恥ずかしながらこの夜に知った。
この酷暑の中で停電と断水が続いていて、冷蔵庫もクーラーも使えず、コンビニが閉店しているために食べ物も飲み物も手に入らず、電波も入らないので車のラジオがない人はなにが起きているのかもわからない。
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知らなかったのは報道されてなかったからで、政府は内閣改造をしてたんである。おおよそ災害のタイミングにあたったら、対策を先に取る。就任したばかりの大臣のもとでは迅速な対応ができないからだ。そしてその面々は安倍内閣犯罪者一覧みたいだった。
Twitterで被災者の方々の声が直接届いてやっと知った。この日から数日間、現地の情報を受け取り拡散し、リツイートしまくった。でもそれは責任を伴う作業で、もし情報が間違っていたらっていう恐怖との闘いでもあった。
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「安倍官邸が『大きな被害は出ない』と甘く見ていたことが判明 それでも菅長官は『迅速かつ適切な対応だった』と開き直り」。
停電の復旧に2週間、災害からの完全復旧の目処は立っていない。非常災害対策本部の設置はおろか、関係閣僚会議すら開かれず、それでも支持率はあがっていく。
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11日。いわゆる9.11。世界が変わった日は9.11じゃなくて、その前の疑惑の大統領選で父ブッシュが勝った日だと思っている。あの時ゴアが勝っていたら、その後の世界はどうなっていただろうか。ひょっとしたら 9.11も起きなかったかも知れない。
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もろもろ用事を済ませて、Frankie Valli & The Four Seasons@昭和女子大学人見記念講堂へ。この日も天候が荒れて、調布駅で停電にあった。世田谷線の風景。
会場は映画「ジャージー・ボーイズ」のヒットの影響か、若い人の姿が目立った。
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ライブ、とんでもないものを観た。音楽ってスゲーってものを観た。
本人とにかく声がよく出る。特に高音の伸び。”Sherry” みたいな曲も原曲キーで当時より迫力を増して歌いあげる。バラードはますます深みを増してるし、かと思えば激しいシャウトをしてみせる。独特の声質もちゃんとキープしてる。仕草や発言がいちいちイケメンだった。85歳バリバリ現役イケメンジャジーボーイだった。
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そして名曲アフター名曲。”Can't Take My Eyes Off You” だけじゃないのだよ。オリジナルにハッと驚くカバーを織り交ぜる余裕も見せた。Young Rascalsの “Groovin’” とかね。バンドはやたら上手くて熱かった。無理なくコンテンポラリーにアップデートしたアレンジ、いかしたソロ回し。
何代目かのThe Four Seasonsのコーラスももちろんばっちり。ダンスが今っぽかった。照明もVJも今っぽかった。オールディーズ感まるでなし、コンテンポラリーなポップロックの理想形だった。最初はおとなしく聴いてた観客も中盤から総立ちシンガロン、ライブハウスで酒飲んで踊りながら聴きたかったな。当時の音源より断然この日のライブ盤聴きたい!! 超一流に触れるってこういうことだなきっと。
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ところで、男性は女性を見るときに最初におっぱいに目が行くって記事を読んで、そんなことないよって思いながら一日意識してたら、やっぱり最初におっぱい見てるわ。
漫談家街裏ぴんくさん。知らんかっためちゃくちゃ面白い。
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12日。起きてまず飛び込んできたのはDaniel Johnstonの訃報。58歳。素晴らしいミュージシャンだったし、イラストレーターとして彼の作品に触れてる人も多いはず。僕も彼のTシャツをよく着てる。ミュージシャンズミュージシャンとして、彼の影響を受けたフォロワーは数知れない。
そして重度の発達障害と躁鬱病を持っていて、その「奇行」の伝説の数々に、同じく精神に障害を持つ者として関心があった。悲しみと同時に、よくぞここまで生き延びてくれた、ありがとうって気持ちが大きい。
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とにかく彼が大好きだった、ということです。これを期に、私家版Daniel Johnstonベストを作ろうかなってツイートしたら、結構反応を頂いた。作りますね。彼の音楽をいろんな人に聴いてもらいたい。
かつてDavid Bowieはこう言った。「Daniel Johnstonは、Syd BarrettやBrian Wilsonの偉大な伝統を受け継ぎ、溢んばかりのポップを素晴らしい悲しみの感情と結び付ける。彼はアメリカの宝だ」。ほんとにそう思うよ。
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またしても障害者福祉センターのフィットネスプログラムに行けなかった。
午後にもひとつ用事をすっ飛ばして、夜にはCHEAP CREAMのericaの生誕祭に行くつもりだった。ericaにはもう誕生日プレゼントを差しあげてたので、ericaの愛猫のココスのために用意したプレゼントが、いまも寂しくテーブルの上にある。布団にくるまって闇が過ぎるのを待った。猫は優しいなあ。
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13日。相変わらず抑鬱状態が酷かった。薬を貪り食った。
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くっだらねえツイートだけしてたい。けど劣化を極める政治や、台風の被災地の方々や、ヘイトを受けるコリアンの方々に胸を痛めるのも僕で、自分を切り売りはできない。切り売りしてる人すげーなーとは思うけど尊敬はできない。
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家にいるのにおうち帰りたい。旅に出たいのに家でゴロゴロしたい。また午後の用事をすっ飛ばして、夜にはJacob Collierのチケットを取って楽しみにしてた。行けなかった。
「自分をこの世で最も大切で大好きな人として扱ってくださいね。大好きな人が疲れて休んでいたら、ダメだもっと頑張れ、なんて言わないですよね。でも、自分にはしてませんか? もっと自分を甘やかしても大丈夫」ってツイートが流れてきた。僕は自分を甘やかしてるけど、自分を好きだからじゃなくて楽だから。もっとやれるはずだって焦ってる。だらけてる自分を好きにはなれない。
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14日。世間的には「涼しい日」とされた。25℃を超えたら「夏日」なんですよ。クーラー入れてよ。外国人の薄着を嗤う日本人の皮膚感覚の方が狂ってる。半袖半ズボンで首に扇風機かけて汗だくの屈辱。
2周間ぶりのカウンセリングへ。この日は悩みを上手に話せてすっきりした。楽しく過ごせたのはamiinAの話をしたからだな。新しいカウンセラーさんと少しずつ噛み合わせていくしかない。前の方は阿吽の呼吸すぎた。あれを誰にでも求めちゃだめだ。
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夜はそのamiinA定期公演「Odyssey -mia-」@青山月観ル君想フへ。
まずmiyuちゃんが出てきてキーボード弾き語り。”Signal” とオリジナル曲 “さよなら私の17才”。これがいい曲だったの!! 17歳の日常の光景や、高校生活を終える想いを歌いこんだ、彼女にしか書けない曲。いつものパワフルな発声とはまた違った優しい声も魅力的だった。音源化して欲しいな。その時はamiちゃんドラムで。僕がベースで入りたいけどファンに怒られちゃいそう。ベース練習しよ。放置してるギターとウクレレも練習しよ。
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対バンはシューゲイザーアイドルと、雅楽のエッセンスが入ったハードロックアイドルで、それは本人たちの趣味趣向なのか大人にやらされてるのか、つまりアイドルになりたかったのかシンガーになりたかったのかわからなかった。
いわゆる笑顔で楽しいアイドル像とは違うんだけど、ファンはアイドル向けのコールを入れてくる。6/8拍子みたいな曲にも入れてくる。amiinAの好きなところのひとつは、アイドル然としてない世界観と音楽を、本人たちが楽しんで受け入れてるところ。それからファンも余計なコールを入れてこないところなんだ。
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amiinAは ”overture” からいきなりの “Jubilee” 、”magic” はSerph Remixバージョン。”RunBlue” で盛り上げての ”illumina” がよかった。後半はシンガロンの名曲 “Caravan” “Signal” “Canvas” で攻めて “Drop” で締める。熱いセットリストだった。
ボーカルがますます良くなってた。だんだん大人になっていく2人、このまま人生の旅路を征くピュアなamiinAでいて欲しい気持ちと、どこまで成長しちゃうんだろうって期待が入り混じった。2ヶ月ぶりに観て、2人に忘れられてないか心配だったけどだいじょぶだった。よかった。非常にいまさらながらFUJI ROCKのカレンダーを差しあげた。amiinAは森が似合うと想うんだ。苗場の森で観たいなあ。次のライブは沖縄で、もうチケット取った!!
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amiinAが好きすぎて生きるのが辛い。どうなっちゃうんだろう俺47歳だよ。
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15日。相変わらず睡眠が下手だ。また昼間の予定をすっ飛ばした。ごめんなさい。
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夜はairezias@新宿NINESPICESへ。
完全生音ライブでのこのセッションに立ち会って、ある種の音楽の魔法に触れたんだよね。結果完全生音ライブしか観たことがなくて、本来の彼らの演奏も聴いてみたい。この日はBurgundyの主催ライブで、フロアーで完全生音ライブが3組、ステージでアンプリファイドされたライブが3組、交互に演奏した。イベントの光と影的に、生音の3組が圧倒的に面白かった。ステージのバンドでは、ペペッターズが、トリオ編成で恐怖さえ感じるようなシュールな音像を作り出してて良かった。
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生音で最初に出演したのはKAWAI JAZZ。アコギ、アコベ、パーカッションのインストトリオ。とても小さな音で、シカゴ音響派なんて言葉を思い出すような、あるいは最近のジャズの動きに通じるような音楽を奏でた。
2番目はBurgundy。ギター2本とパーカッション、ゲストにもう1人ギターとベースのバンド。本人たちが「旅団のイメージ」って言うように、旅にまつわるあれこれを歌う。裸電球1個のライトが旅の夜の火の灯りみたいで美しかった。
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aireziasはこの日は5人編成。ギター、パーカッション、笛、おもちゃの鉄琴、楽器をとっかえひっかえしながら演奏する。彼らこそ旅団だった。パーカッションのアイデアが、日本の平凡なポップスから遠く離れて、リズムの呪術性を感じさせてくれた。無国籍な音楽はハーメルンみたいに、心をここでないどこかへ連れて行ってくれた。
生楽器はもちろん、生歌のコーラスの響きとアイデアにも引き込まれた。やっぱり好きなバンドだ。
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この日一番画期的だったのは、僕がお酒を飲まなかったこと。水曜日の定期健診まで禁酒!! 帰ってきて水野谷みきのツイキャスを観た。ウクレレの即興から人生相談までシームレスに繋がる水野谷の配信は好き。
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16日。猫の発する強烈な眠み光線にやられてた。そして義務感のように誰も読まない日記を書いてる。せっかく禁酒してるのにピザ食べちゃった。夏は動けなかったんで、いろんな数値が絶望的な状況にある。取り繕っても健康状態がよくなる訳じゃないし。
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SIDE-Bに続く。
9月16日 SIDE-B ムーがヘイト特集をしたら「火星人なんて要らない」とかなるのかな
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世の中のことを。これだけは読んで、避難所などで使える多言語シート。常備してればいつでも使える。賞味期限切れの水は飲めるので台風など非常時に捨てないで。ペットボトルの水の賞味期限と消費期限について。
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写真家のロバート・フランクが亡くなった。94歳。「映画的」って言われた彼の写真、好きなんだよな。
森泉岳土さん。「誤解している人がいるようだけど、作家性というのは創り出すもの、プレゼンしていくものではなく、『隠そうとしても出てしまうもの』だ。希望あふれる結末の物語でも、世の中を呪っている作家の作品は、やっぱり呪われたように見える。それはもう無残なまでに」。
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「史上最大級の飛翔動物、新種翼竜を発見 翼開長10m」。セスナ機くらいだろうか。「褒美よりも遊びたい? ネズミはかくれんぼ好き」。「かくれんぼで遊ぶこと自体を好んでいたのではないかと推測している」。「マヌルネコを飼いたいあなたへ」。密猟や密輸の問題にも関心を持って欲しいって訴えてる。
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アマゾンの大火災が問題になってる。でも先住民たちは何千年もの間、農業のために森を焼いてきた。「先住民も長年アマゾンを焼いてきた、今との違いは」。先住民は森のことをよく理解していたし、大資本が入ってこなかった。「地中海に『失われた大陸』があった」。その残骸はイタリアの靴底やバルカン半島の山々に残されている。ムーの記事じゃない、ナショナルジオグラフィックに掲載されてる最近の研究結果だ。
「使い捨てプラスチック数年で廃止へ インド首相」。「インドは、環境に優しい代替品の開発とプラスチックの回収に取り組んでいる。世界もプラスチックに別れを告げる時がきている」。人口が爆発的に増えてる国だから効果は大きい。
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「『教育委員会は、大ウソつき』埼玉県川口市で高1生徒がいじめを苦に自殺」。「教育者として、やるべきことをやったと、胸を張って息子にいえるでしょうか。息子は、もう二度と、帰ってきません」。
いじめた側は常に守られて、大人になっても中年になっても大手を振るう。いじめられた側、僕はいまも苦しんでる。苦しんで苦しんで苦しんでる。よく有名人が、スクールカーストなんて卒業すればなくなるから耐えてって言うけど、それはまったくの嘘だ。彼らは才能があったから抜け出せただけ。スクールカーストはおおよそそのまま社会のカーストに移行する。社会のてっぺんで浮かれてる人々はいじめをしてたと思ってまず間違いない。
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音楽の話を。忙しい人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2019/9/13を。
ガーディアン誌が「The 100 best albums of the 21st century」を発表した。SIDE-Aにも書いた通り、Daniel Johnstonが亡くなった。そしてThe CarsのRic Ocasekが亡くなった。プロデューサーとしてWeezerなんかも手掛けた。
9月21日 努力か才能かってば「努力する才能」が欲しい
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孤独の辛さは、ホモ・サピエンスが本来群れをなして生活する生き物だからってことがひとつある。もうひとつ、周囲の人々にとって自分はいなくてもいい存在なのだと思い知らされるってこともあると思う。
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16日の日記に、孤独から少しでも遠ざかる手段がTwitterしかないって書いた。Twitterがなかった頃はインプットとアウトプットができてたって。
そういえばもうひとつ、ライブへの依存があった。孤独の果てでなんとか見つけた社会との微かな繋がり。Twitterとライブ通いをやめたら、ほんとうに僕は誰にとっても存在しない幽霊になってしまう。でも今週、ライブで辟易することがあって。少なくとも若い女性SSWのライブに行くのはもうやめようかな。
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こんなにも惨めな人生を送ることになるとは思ってなかった。47歳になってもまだ大逆転して、尻尾振って戻ってきた親族や知人に塩を撒いて追い返す妄想をしている。
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17日。体のメンテナンス。フェスの話題になった。僕はロックのモッシュやアイドルのミックスが苦手なんだ。音楽が好きだからこそ、音楽をストレス発散の道具に使って欲しくない。ちゃんと聴きたいし聴いて欲しい。
自分から発するなら、楽器を奏でたり歌ったり踊ったりすればいいじゃん。The Beatlesが狂乱のライブをやめて、録音の創造に走ったのもそういうことだよね。
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夜はN氏が来てくれた。僕が翌日に定期健診を控えてたんでお酒はなし、食事もちょっとだけで、音楽をかけてゆったりした時間を過ごした。ほとんど喋らなかった。それでも人がいると安心する。
ねこすたぐらむってアプリがある。猫好きがただ猫の写真をあげるSNSだ。スクロールしてもスクロールしても猫猫猫猫猫!!
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18日。定期健診でいい数値を叩き出した。昼から中華定食屋で飲んだ。「冷やし中華おわりました」。そうか...。
イヤホンの先のぽよぽよをなくしちゃった。耳からうどんが垂れてるみたいなタイプは合わなくて、アタッチメントつけるとケースに収まらなくなっちゃのよな。
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夜はCharlotte Lovers@下北沢club Cueへ。
club Cueでアコースティックのイベントを初めて観た。Charlotteは僕にとってロックスターなんだ。すらっとしたスタイルで、ミニスカートに大きなコートを羽織って。透明で柔らかいハイトーンボイスで歌っても、スピリットはロックスターなの。洒落たコードと変則チューニングを使いまくってるのに難しさを感じさせない。ポップでいい曲しかない。
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アコギ弾き語りでもここまでポップなステージができる。音がいきいきしてる。その中にJoni Mitchellの “A Case Of You” の素晴らしいカバーが入ったり。彼女はこの曲を何度も歌いこんで、どんどん自分のものにしてる。
なんと、新しいバンドSlouDanceを組むという。ビックリした!! 僕が彼女を知った時には前のバンドは解散してたんで、バンドの彼女を観たことがない。すごく期待してる。
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対バンはくるみスカイウォーカー from IRIS MONDE。普段はツインボーカルとギターとDJでエレクリックバンドをやってる。そのボーカル1人とギターがデュオで出演した。
違うんです違うんです言いながら、アコースティックセットもさまになってた。J-POP的に曲が良かった。ボーカルの表現力と可愛らしい声も良かった。インパクト勝負で “津軽海峡・冬景色” のカバーを披露する勇気。石川さゆりさんってすげーボーカリストだよ。
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アコースティックセットでできる曲が少ないのと、なにがウケるかわからないってことをしきりに話してた。MC面白かったのに笑いが起きなかったのが残念。クマの髪飾りや任天堂のキャップや真緑のサングラスや、いろいろ持ち込んで試行錯誤してた。
最後の曲のコールアンドレスポンスでようやく盛りあがった。楽しかった。
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アイドル活動しながら結婚した方がいて、画期的って言われてるのを把握した。結婚してもアイドルを続けて、みんなに祝福されてるNao☆ちゃんって先駆者がいるじゃんか。
僕もなんか告知したい。
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19日。久しぶりにGood Sleep (ぐっすり) 寝た。いい天気、折りたたみ傘いらない感じイェイ。なのにまた障害者福祉センターのフィットネスプログラムと面談をさぼっちゃった。あの場所に拒否反応が出てるな。担当の相談員さんはとっても信頼してる。フィットネスの先生と肌が合わない。動ける気候の時に動いて痩せたい。
夜は古賀小由実さんの下北沢leteでのワンマンライブを予約してた。秘密の小屋みたいなあの場所で聴く古賀さんの音楽はどんなに素敵だろうって楽しみにしてたのに、やっぱり動けなかった。ごめんなさい。ひたすら猫を抱いて布団にくるまってた。
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amiinAの沖縄ライブの翌日、バスツアーの詳細が出た。飛行機もホテルも予約した (けど翌日に、肝心のチケットを取り損ねた) 。あんなに楽しみにしてたのに...。
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20日。体のメンテナンスのあと、中田真由美@阿佐ヶ谷ハーネスへ。
ギターは必要最小限の音しか出さない演奏だった。キーボーディスト夏秋文彦さんとの編成を初めて観た。夏秋さんもたまにグリッサンドが入ったりで色を添えつつも、必要な音しかない演奏だった。鍵盤ハーモニカが見事だった。中田さん自身の鍵盤ハーモニカはアバンギャルドで、合わせてくる夏秋さんとのコンビネーションを感じた。夏秋さんはベテランとお見受けして、実力はもちろん中田さんの音楽をよく理解していらっしゃった。
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演奏が必要最小限なぶんボーカルに情報量があった。独特のコブシは日本のコブシのようでもあり、アジアの大陸のようでもあり、アフリカのようでもあった。その魅力が顕著に表れていたのが、たこ焼き美味しいっていう作ったばかりの曲で、無国籍なリズムの冒険をしてた。響きの楽しさ、耳当たりの楽しさも気持ちいい。スキャットのアイデアはどこからやってきたのかわからなかった。
意味の面でも例えば「ふたり」を「ふ・たり」と歌うことで、ふたりという存在がひとりとひとりで形成されていることを感じさせた。久しく中田さんの音楽から離れてたけど、新しいCDとこの日の演奏を聴いて、やっと追いつけたかな。
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ライブの終演後、こんな話をしたかったんで残ってた。MCで、広島の方が大きな影を背負っていることについて話されていたので、「この世界のさらにいくつもの片隅に」応援チームとしてそういう話もしたかったし、「お客様は神様です」って言葉の三波春夫さんの真意についても話してみたかった。三波春夫さんは奉納としての芸事をしていた方で、神に捧げる気持ちでなくては芸は伝わらないって言いたかったのだ。
けど終演後によそ者が入る隙間はとてもなかった。ご挨拶もできずに失礼してしまった。あの状況では新規のファンは獲得できないと思う。
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その間に、ほんとに行きたかったamiinAのチケット20時発売、がソールドアウトしたことを知って、ものすごく落ち込んだ。ソールドアウトを見越せなかったのは僕のミスだ。けどその間、内輪の話を延々聞かされてたと思うと惨めな気持ちになった。
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21日。朝から頭の中がもじゃもじゃしてた。このタイミングでカウンセリングがあってよかった。意地で行った。フラッシュバックが起きて辛い面もありつつ、頭の中が整理された面もありつつ。変わり果てた姿で無言の帰宅。
メイは年をとって目やにが目立つようになった。動物用ウェットティッシュで拭いてやる。それが僕の存在意義。うちに猫がいることで僕は生きていける。
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世の中ではラグビーの大会をやってるらしい。ラグビーと言えば森喜朗と橋下徹。
高校の時、ラグビー部が全国大会に行ったとかで学校をあげての大騒ぎになった。要するに、たかだか県大会に勝ったのだ。その間に、仲の良かった数学部は数学オリンピックで準優勝してた。もう世界に出てたのだ。二学期の始業式で表彰された。「数学部ってなに」「そんなことして楽しいの?」「キモい」って声があがった。準優勝した方は、研究者としてキャリアを積みながらも三十代で自殺した。
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伊集院光さんが、虐められてる子供たちに「学校なんて小さい世界で、大人になったらみんな自由になれるからいまは耐えて」、みたいなことを言ってたけど、それはまったくの嘘だ。前にも書いたけど、スクールカーストはそのまま社会のカーストになる。伊集院さんは才能があったから抜け出せただけ。
それが僕のラグビーの、そしてスポーツに対するイメージ。
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世の中のことを。
のんちゃんが監督・主演・脚本・演出・衣装・編集・音楽を手掛ける映画「おちをつけなんせ」が公開される。またその制作過程を追ったドキュメンタリー「のんたれ」が公開される。是枝裕和さん、片渕須直さん、桃井かおりさんがのんちゃんにアドバイスしてる。
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「全盲で美術館を楽しむ白鳥さん『見えないから大変』の言葉がしっくりこない」。「白鳥さんは、晴眼者、つまり『見える人』との対話を通じて、作品を見る」。
「普段私たちは、膨大な視覚情報にさらされているなかで、必要なものだけを無意識に取捨選択している。美術鑑賞においても同様で、作品を見ているつもりでも、実は見えていないものの方が圧倒的に多いのだ。しかし、見えない人が隣にいるとき、普段の取捨選択のセンサーがオフになり、丁寧に作品を観察し、咀嚼し、言葉で再構築しようと試みる。そのなかで、『今まで見えなかったものが急に見えた』というユニークな体験が起こる。その瞬間に私たちは、『見える』『見えない』、『助けてあげる』『助けてもらう』、という固定された二項関係を超えていくのだ」。
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「また太陽系の外から? 急接近する奇妙な彗星を発見」。恒星間天体をじっくり観測する機会が初めてやってきた。「これは、太陽系の外からやって来る、観測史上初の非常に活発な天体です」。「本当に素晴らしいのは、観測可能な期間が1年もあることです。別の恒星系を垣間見ることができるのです」。
「オウムアムアに続く太陽系外からの小天体? ボリソフ彗星」。国立天文台の渡部潤一副台長が、この天体について丁寧に説明してる。
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「今月20日に世界が変わる? 破局的な結末か生存ルートか -気候危機に立ち上がる日本の学生達」。国立環境研究所地球環境研究センターの江守正多副センター長「世界の平均気温が1度上がることにより、個々の異常気象が強くなっていると科学的に言えます」。「今のペースだと2040年前後には世界平均気温は1.5度上がってしまうというのが、IPCCの評価です」。「日本はむしろ置いていかれています」。「16歳の少女が、世界の100万人を動かすまで」。Fridays For Future運動のことが書いてある。
「コンビニから灰皿を撤去 受動喫煙被害防止へ実証実験」。「子どもから高齢者まで多くの人が利用するコンビニエンスストアでは、入り口付近に灰皿があると受動喫煙が避けられない場合がある」。
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台風災害のことを。「停電復旧向け自衛官を大幅増員へ 千葉で最大1万人」。「14日時点では計約260人だったが、16日は約3千人態勢に増やした」。停電復旧に一週間も、自衛官を260人しか投入してなかった。
「千葉の停電復旧などに予備費13.2億円の方針」。F35に1兆円、イージスアショアに6000億円、プーチンに4000億円、オスプレイに3600億円、加計学園に440億円、吉本興業に100億円、ベネッセに61億。そして千葉にはたったの13.2億。
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「政府初動対応に批判=内閣改造で『空白』」。「最初の災害対策会議は33時間余り後」。「関係閣僚会議を今回は1回も開いていない」。Facebook経由の記事もなんとか解読した。伊豆大島では台風で家が壊れたり停電したり食べ物がなかったりで、報道されてないので救援物資もない、自殺者も出てる、助けて欲しいとあった。
今日になって「首相、激甚災害の指定へ 台風15号や8月の大雨被害」。激しくいまさらだけどどうなるのか。「消費税率引き上げに関し甚大災害があった場合は延期する」ってどこかで読んだよ。
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日韓関係のことを。前にも紹介した赤旗の連載「いま振りかえる植民地支配 歴史と実態」から「戦後、日本政府がとった態度は」。「世界の流れは被害者の人権救済」。
「日本メディアはどう伝えてきたか」。「三・一運動の参加者を『暴徒』『不逞鮮人』『土民』などと呼び、朝鮮人に対する恐怖や敵対心を日本人に植え込むことになりました。権力と一体となったメディアの朝鮮報道の行き着いた先が、1923年9月、関東大震災での朝鮮人虐殺の悲劇でした」。
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「徴用工とは何か 大間鉄道のタコ部屋」。
「僅かの前借金をかたに監禁同様に現場に居住させ、過酷な労働をさせる雇傭組織で、監獄部屋とも称していたものである。労働の代償として支払われる賃金は、部屋代、食費、衣服費等と差引かれるので、前借金の返済どころか、時には借金が増加して、約定の時限までに解放される見込みが少なくなるのが実状であった。そのことが、餓えて来ると足など身体の一部を食べるといわれる蛸に似ていると言うので、『たこ部屋』と呼ばれていた」。
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「朝鮮人犠牲者追悼のウラで行われた『虐殺を否定する』慰霊祭」。「小池知事の言葉は、天災の中に人災を閉じ込めるものだ」。「知事の判断と足並みをそろえるように、一昨年から新たな『追悼式』がおこなわれるようになった。朝鮮人虐殺の『否定論』の立場をとる者たちが行った集会だ」。「虐殺の犠牲者は眠れない。96年が経過したいまでも、デマと悪罵が静穏な時間を奪う。そして、幾度も殺される」。
「A Filmmaker Set Out to Understand the Japanese Right. Now He’s Being Sued」。映画「主戦場」をめぐるニューヨーク・タイムズの記事。「映画の中でインタビューされた保守派の人々は日本政府の上層部に対して影響力を行使できる集団に属している。彼らは日本の子供たちがどう教育されるか、どのような美術品が展示可能か、日韓関係をはじめとする外交政策の重要な側面で日本がどうふるまうべきかの決定に関与している」。
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東京電力の経営陣が3.11の原発事故の責任についての裁判で無罪になった。「東京地裁『あらゆる可能性想定、原発の運転は不可能』」。「津波についてあらゆる可能性を想定し、必要な措置を義務づければ、原発の運転はおよそ不可能に」。なら動かすなよ。
「傍聴して分かった『東電の無責任体質』憤る遺族」。「反省や後悔の念は一切感じられなかった。受け答えはとても無機質で、犠牲者や遺族に申し訳なく思っている感情は全く伝わらなかった。自らの保身しか考えていないように思えた」。「事故は防げたはずだ。公判を通じて、東電が無責任体質だということが改めてよく分かった」。
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「傍聴席からはどよめき...東電旧経営陣に無罪」。内田樹さん。「僕が東電の経営者で『原発しかない』と本気で思っていたら『どんなことが起きてもシリアスな事故にならないように配慮して、国民の原発への信頼を長期的に醸成してゆく』という方針を採択しますけどね。堤防の造成コストをけちるような『せこい』ことはしません」。
「東電旧経営陣無罪判決 控訴するかどうかが焦点」。「判決は、『巨大な津波の発生を予測できる可能性があったとは認められない』としました」。2006年に安倍晋三は「原発の全電源喪失はあり得ない」と豪語していた。
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経緯がまとまった記事「東電裁判『見えた新事実』」。「東海第二原発では、運営する日本原子力発電が東日本大震災が起きる3年前からすでに巨大津波への対策を進めていたことが初めてわかった」。「東京電力の現場の担当者たちは、巨大津波への対策を進める考えだったことも明らかになった」。
蓮池透さん。「裁判所は、文言にはないが、東京電力の『安全』より『経営』、『想定外』を事実上認めた。かつ『絶対的安全性の確保までは求めていなかった』とまで開き直った。この認識の下原発が稼働している。いいのか?」「勇気ある証言をした山下和彦、酒井俊朗という部下を切り捨ててまで、自らの無罪にこだわる元東京電力幹部三人の人間性を疑う。『三権融合』のこの国ではまかり通るのか」。
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音楽のことを。忙しい人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2019/9/20を。
Billie Eilishがオンラインでのいじめに対するチャリティのために “Are your words doing damage?” の使用を無償で許可した。Amazonが、ハイレゾ/ロスレス音楽ストリーミング配信サービス「Amazon Music HD」をスタートさせた。
9月25日 鬱の波
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鬱の波がきてる。きっかけは20日の、音楽愛のないライブに立ちあったこと。
鬱の波は海の波みたいに、いろんな波長の波が重なってる。今回の波が長いもの (数年スパン) なのか短いもの (数日スパン) なのかはわからない。前に数年スパンの波が来た時は、N氏にまだかろうじて連絡が取れてたし、それ以上にK氏がメールやLINEやSkypeで相手をしてくださった。いま、まったくの孤独な状態で波を乗り切る自信がない。
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22日。annasekaiさん主催のそらにわ2019に行くつもりだったんだけど...ごめんなさい。annasekaiさんがどれだけ尽力していたか知ってるだけに胸が痛い。
体調や台風のせいじゃない、最低限のコミュニケーションを取る自信が持てなかった。奇跡的に雨にも降られずに、いい雰囲気だったみたい。動画で会場の様子が伝わってきた。本当に大変そうだったけど、来年もやってほしいな。
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寝込んでたら発達障害者のためのコミュニケーションの教室に行く夢を見た。いきなり自己紹介なんてハードルの高いことはしない。いい大人が5-6人で輪になって風船遊びをする。そこから始めないといけない。実在するなら参加したい。
夜はamiinAのamiちゃんと3776の井出ちよのさんの配信を観た。amiちゃんがRolling StonesのTシャツを着てた。前にもなにかバンドTシャツを着てた気がする。
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23日。パァーーッとしたいーパァァァーーーっと!! 今川宇宙さんの出演する晩餐ヒロックス「昔々ルーツ」の千穐楽に、花束を持って駆けつけたかったんけど行けなかった。
自分が本当にしたいことと出来てることが逆転してる。
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Negiccoのぽんちゃからいいねが来て、ちょっと元気になった。人を救ういいねがある。と思って僕はいいねを押しまくる。DJみそしるとMCごはんの配信みた。優しさと癒やししかない世界だった。
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24日。Negicco / 中島愛@Veats Shibuyaへ。
Veats Shibuyaは新しくできたライブハウス。スタッフが不慣れなのはともかく、動線がぐちゃぐちゃでやばい未来が目に浮かんだ。音響や照明はばっちりなので改善を期待したい。ネギライト忘れた...Negiccoちゃんのライブに行くたびにネギライト買ってる。
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最初に登場したのは中島愛さん。初めて観たし、そもそも “星間飛行” しか曲を知らない。かえぽの言葉を借りるなら、体全体を使って声を出してた。声に深みがあってバリエーションが広い。ロックの発声は喉で声を出すからぜんぜん違うね。
それから曲のクオリティが高かった。ずっと菅野よう子さんが書いてるのかと思ったら、作家陣は幅広いみたい。もうすぐ出る両A面シングルのたぶんリードトラックじゃない方の曲 “水槽” は、少年の目線で青春を歌った曲だそうで、「お客さんの中にも青春真っ只中な人が...」って言いかけて固まってた。この曲が深い声によくあって素晴らしかった。だんだん引き込まれていった感じかな。
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転換してNegiccoちゃん。観てるだけで笑顔になれる。親戚の子的な親しみやすさがいい。Nao☆ちゃんが結婚してもファンが病まない感じ。ボーカリストとして安定してるのはやっぱりNao☆ちゃん。声質も好き。で、ぽんちゃの髪がファサって揺れるたびにたまらなく胸がときめく。髪って毒素の排出物らしいよ。
この日発売の新曲3曲を披露。西寺郷太さんの曲はものすごく西寺郷太さんで、ミトさんの曲はものすごくミトさんで、connieさんの曲はものすごくconnieさんで、みんな最高だった。“ねぇバーディア” はライブの定番曲になった。Negiccoのライブ、もうずいぶん通ってるけど、振りやペンライトや掛け声のルールがいまだにわからないのだった。
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2組とも短いなと思ったら、アンコールが共演で3曲。\アンコール/ \ネギ!!/ っていうお決まりのコールがある。みんな2組が出てくることを見越して、中島愛さんのファンのコールを待ってた。めでたく\まーめーぐ/ \ネギ!!/ コールになった。
1曲は中島愛さんのカバーアルバムにNegiccoがコーラスで参加した “無言のファルセット”、もう1曲は中島愛さんがNegiccoに作詞提供した “硝子色の夏” (作編曲はミトさん) 、そして最後はもちろん ”圧倒的なスタイル” ラインダンスで大団円。
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タイムラインを見たら貫地谷しほりさんが一般人男性と結婚のニュースが。貫地谷しほりさんと結婚できる時点で一般人じゃないだろ。
某LINEトークルームで失言を連発してしまった。僕は見た目が非常にオタクっぽいのにオタク活動にまったく向いていないことを痛感した。それ以前にやっぱり発達障害として生きるのは辛いです。夜更しして物資補給機こうのとりの打ち上げを観た。成功ばんざい。
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Daniel JohnstonのベストCDを作る。”life is simple in the MOONLIGHT” また修正してver.2.5を作った。5月に作ったきり放置状態の細野さんのCDを発送したい。
若い人はCDプレイヤーを持ってない。けど曲を編集したいし、曲間や音質を調整したいし、サブスクリプションにない曲がたくさんあるんだよ。
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25日。寝落ちて通院と障害者福祉センターの歩く会をすっ飛ばした。体重が停滞してて、歩く会には参加したかったな。明日から早い時間の用事が続く。早寝早起きを覚えよう、いい歳なんだし。
若い人がビジネスの話をしてると、なんでそんなこと知ってるのって思う。僕は管理職の年齢になっても、会社が会議とかしてお金を儲ける仕組みをまるでわかってない。
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猫は甘え。あったかくて柔らかくて優しくて鬱陶しい。猫も田中ミズホの歌みたいに、僕のことをあったかくて柔らかくて優しくて鬱陶しいと思っているのだろうか。
草野マサムネさんは ”猫になりたい” っていうけど、猫のお仕事はこんなおじさんにスーハースーハーされたりチュッチュされることだから辛いぞ。
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小田嶋隆さん。「『きみがものの見方を少し変えるだけで、世界を変えることができるんだなあ』てな感じの、ほぼ日的なやんわりとしたお説教は、この世界の構造と体制を、現状のまま保持したいと願っている勢力を、おおいにアシストしていると思うんだなあ」。
皮肉が効いてる。1101ファミリーに対するもやもやを言葉にしてくれた。鈴木慶一さんは1101ファミリーから少しずつ距離を取ってる気がする。
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前の日記にも書いたグレタ・トゥンベリさんの活動のことを。「『よくもそんなことを』トゥンベリさん、怒りの国連演説」。
演説の全文がNHKのサイトにあるんだけどどうせすぐ消される。「トゥンベリさん (16歳)『私はここにいるべきでない。大西洋の向こう側に帰って学校に通っているべきだ。私達は大絶滅の始まりにいるのに、あなた方はお金や永続的な経済成長というおとぎ話ばかり。よくもそんなことを!』。20日、世界各地で数百万人の生徒が学校ストを行った」。
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「この女の子が、毎週金曜に『学校をサボる理由』を知っていますか?」。
「気温上昇を1.5℃に抑えることができれば、2℃上昇した場合よりも、海面上昇のリスクに晒される人口を約1000万人減らせると試算されている。2℃に到達してしまった場合には、サンゴはほぼ絶滅し、植物の16%、昆虫の18%が生息域の半分以上を失うと予測されている」。「このまま温暖化が進めば、パリ協定で各国が掲げた2030年までの温室効果ガス削減目標を全て達成できても、21世紀の終わりまでには3℃上昇する」。
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斎藤環さん。
「時に『これが正しい』という主張は孤立させられ、『こいつおかしい』という批判は唱和される。騙されまい、感心すまい、なにかの傀儡になるまいとして、すすんで『空気の傀儡』になる。これがクラス (学級) ジャパンクオリティ。真剣な発議をする女子が『あいつヤバい』とくさされて、カースト上位のヤンキーがそれを茶化して『こいつバカだー』と受けているの図、まんまスクールカーストですやん」。
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種ともこさん。
「16歳の女の子が学校を休んで、声を震わせて地球の危機を訴えている。この一つの事実の前に、ワタシ達大人は彼女の ”How dare you?” に真摯に応えて行動すべきだと思う。小さなことでいいから。自分に何ができるか考えてみる」。
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政治のことを。「小泉環境相『セクシー説明やぼ』 発言の真意問われ」。
「小泉氏は22日の記者会見で『政治には非常に多くの問題があり、時には退屈だ。気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきだ』と英語で発言。ロイター通信が取り上げるなど、海外でも報じられた」。「記者から『どういった意味で言ったのか』と聞かれた小泉氏は『それをどういう意味かと説明すること自体がセクシーじゃないよね』と返答。詳しい説明は避けた」。小泉進次郎が食った女子アナを揃えてアルゴリズム行進させたい。なんつーかな、いろいろいけ好かないけど、ちょっといいことをしたら評価が逆転するような気がするのがいけ好かない。この国にはセクシー発言の何百万倍もの問題が山積しているのだが、赤坂飯店で奢ってもらった以上書けないのかしら。
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「東電強制起訴・無罪判決 識者の視点 真実に光 裁判に意義」。「司法が科学の不確実性を裁くことができるのか、ずっと疑問だった。国の地震予測『長期評価』の信頼性を裁判所が『ない』と断言してしまっていいのか。地震の確実な予測は今の科学技術では不可能で、不確実さを前提にいかに対策を講じるかが重要だ。特に原発事業者は、万が一の事態にも備えが求められる」。
蓮池透さん「国の地震予測『長期評価』の信頼性を裁判所が『ない』と断言してしまっていいはずがない。司法にその根拠となる科学的知見がないから」。
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「原発を止めると左遷...エリート裁判官たちが抱える『大苦悩』」。
「ある裁判官が『人命と電気代を天秤にかけることなどできない』と判決文に書いた時、多くの日本人が深く共感した。だが裁判官の世界では、そうした「普通の感覚」を持つ人ほど、冷遇されてしまう」。「最高裁事務総局で勤務経験のある裁判官が、政府にとって好都合な結果を生み出し続けていることの因果関係について、矢口洪一は、こう断言している。『三権分立は、立法・司法・行政ではなくて、立法・裁判・行政なんです。司法は行政の一部ということです』。要するに、裁判部門は独立していても、裁判所を運営する司法行政部門は、『行政の一部』として、政府と一体であらねばならないと言っているのだ」。
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音楽の話を。Grateful Deadの作詞家Robert Hunterが亡くなった。78歳。グラストンベリーが来年の収容人数を増やす許可を得た。行くか...。
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細野晴臣さんのドキュメンタリー映画「NO SMOKING」のナレーションを星野源さんが担当する。星野源さんのコメント「細野さんは、定食で言うと、「特製ランチ」みたいな人です。豪華で楽しむところが多すぎて、どこから手を付けていいか悩んじゃう。生み出してきた音楽の多様性があると同時に、職人としての一本気な部分が共存している方だと思います。この映画を観ると、普段何気なく僕たちが聞いている音楽のルーツが細野さんにあることを知ることもできます。そして同時に、偉大だけどチャーミングで、信じられないくらいアーティスティックな人なんだと触れていただける映画です」。
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