DIARY
2019年8月
8月7日 SIDE-A フジ -すべての人の心にフジロックを-
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細野晴臣さん「戦争放棄なんて、奇跡的なことなんだ。笑っちゃうくらい。よくそんなことが書かれたなと思うわけ。だからこそなくなったら二度とつくれない。だって非現実的だから。だからこそ、絵空事でもなんでもいいけど、その文面は残しておかないといけない」。
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また日記の間があいちゃった。FUJI ROCKに行ってきました。熱いレポートはこちらから。ぜひ読んで欲しい。特に在宅でYouTube中継で平沢進さんを観てた層に。あとはなんだ、その後片付けやなんやかんやで時間が過ぎていった。
世の中でもいろんなことが起きた。最近よく書いてるけど、このサイトはそもそも決して政治的じゃなかった。第二次安倍内閣以降、ほんとにヤバいことが立て続けに起きて、記録せずにはいられないんだ。いまは戦前なんだよ。また長文になるよ。
もうひとつ痛感してること。人は人と対面で話し合わないと、ほんとに気が狂う。僕の人生は孤独に過ぎる。
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23日。新しい病院の日。遠くて朝早い予約なんで睡眠時間2時間。体調悪くて病院行くために早起きしたのに、別のところが痛くなって七転八倒。結局キャンセルした。
ワタナベスグルさんのZINEのために記事を書いた。iPhoneでコピーしてMacBookにペーストできるの、どういう仕組みかわかんないけどスーパー便利だよな。内容はまた細野晴臣さんについて。基本800字、ギリで4000字って依頼に3987字書いちゃった。
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24日。FUJI ROCK前日。西日本は梅雨明けなのか。関東は本当に気が滅入り、布団から出られないほどがっつり梅雨だった。出掛ける支度しなきゃなのに猫を揉んでた。猫あるある → あくびの連鎖。
午後は体のメンテナンスに行った。夕暮れ間近の夕暮れ団地で野良猫にあった。
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夜の方が調子がいいし、割といい感じに酔っ払った。しかし翌朝また早起きして、絶望と孤独と対峙しなければならないのだ。めんどくせーな。
FUJI ROCKは前夜祭から本番3日半でビールが6万リットル売れる。ほかにも酒がいっぱいある。頭おかしい。それにしても、こんなにも不安で迎えたFUJI ROCKは初めてだ。もちろんFUJI ROCKそのものには期待でいっぱい、この5日間のために残りの360日を生きてるくらい。過酷な天候も承知のうちだ。心配は同行者とうまくやっていけるかっていう。
猫が並んで寝てる。いつもみたいに川の字で休む時間ですよと。
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25日。結局遠足の前の小学生状態でなかなか寝付けずに寝坊した。急いで猫を預けに行った。動物病院に猫を預けて健康診断とワクチン接種と目の治療をお願いして、その足でFUJI ROCKへ。待ってろよ苗場!! 片道4kmの山道を歩きまわるサバイバル。でもビールをたらふく飲むから痩せない。
この日は前夜祭。の、レポートはこちら。
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26日。FUJI ROCK初日。中村佳穂さん → ポセイドン・石川さん / 南壽あさ子さん → NST & The Soul Sauce meets Kim Yulhee → Original Love → Toro Y Moi→ TYCHO → Thom Yorke Tomorrow’s Modern Boxesを観た。
この日のレポートはこちら。
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27日。FUJI ROCK2日目。rei harakamiさんの命日だ。伝説の嵐の天神山は知らないけど、台風が直撃して苗場史上では一番過酷な天候だった日。
朝、台風でテントが飛ばされないようにオフィシャルからアナウンスが出た。でも実際に酷かったのは雨だった。FUJI ROCKでは、視界の確保と危険の回避のために傘の使用が禁止されてる。登山用の雨具に当たる雨粒が痛いほどの豪雨の中、ただ濡れ鼠で過ごした。しずかちゃんがよく冷えた生ビールを、ジャイ子があったかいコーヒーを持ってきたらジャイ子と結婚してしまうかも知れない。
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川の様子の動画があちこちに転載された。この状況でライブ観て踊ってるこいつらはどんだけ音楽好きなんだと思った。人のことは全然言えないが。
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観たのは蓮沼執太フィル → キセル → Unknown Mortal Orchestra → Courtney Barnett → clammbon → George Porter Jr. & Friends → American Football → Death Cab For Cutie → 君島大空さん。
この日のレポートはこちら。
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28日。FUJI ROCK3日目。大滝詠一さんの誕生日だ。オフィシャルが「フジロックは本日も予定通り開催いたします」ってあえて宣言する程度にはあれ。
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スカート→渋さ知らズオーケストラ→ The Paradise Bangkok Molam International Band → Interactivo → HYUKOH → 崎山蒼志さん → 平沢進+会人 → James Blake → G&G Miller Orchestra feat. トータス松本を観た。
この日のレポートはこちら。
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在宅でYouTubeで観てた層には平沢さんが大人気だったみたいだ。始まる前に、とある人気ツイッタラーが「平沢進がフジロックに...宮崎駿がコミケにいるらしい、くらいの『すごい』の気持ちがある」ってツイートして、すごく嫌だなって思ったのね。
ネットユーザーにとっては平沢さんはTwitter芸人であり、Twitter素人の中に平沢さんがいることは、コミケの中に宮撫xさんがいるようなもんかもしれない。でもFUJI ROCKはツイッターランドじゃない。「世界」の「音楽」の才能と愛好者が集まる森なんだよ。平沢さんもその一人として粛々とライブするだけ。
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僕は平沢さんの大ファンで、アルバムぜんぶ聴いてるしライブにもよく行ってる。だからこそ、アイデアマンの平沢さんがアウェイで何をするのか期待しすぎてた。東京でのライブとそれほど変わらなかった。ここで求められてるのはそれじゃないんです師匠。
始まる前は超満員で、ちょっとした映像チェックにいちいち大歓声があがるほど盛りあがってた会場は、ライブが始まると肩透かしをくらって、後ろの1/3くらいごっそり帰っちゃったの。そこYouTubeに映ってなかったでしょう。絶賛するYouTube組は、そもそも平沢さんのライブを観るのが初めてで驚いたんじゃないか仮説。
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その後にやったJames Blakeは配信が中止になっちゃったけど、普段のライブとフェスで演奏をぜんぜん変えてきた。殆どダンスミュージックだった。日本人では、電気グルーヴなんかはFUJI ROCKをモノにしてフジロッカーにめちゃくちゃ愛されてるよね。あれはすごいことだったんだなと。
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ハーFUJI ROCK終わっちゃった!! 次のFUJI ROCKまで一番遠い日。
FUJI ROCKにSEALDsの奥田愛基さんが出た時、「音楽に政治を持ち込むな」って息巻いてた人たちはどんな音楽を聴いてるんだろう。音楽は生活。政治も生活。古い労働歌には施政家への抗議もあった。勉強不足だと思う。
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29日。FUJI ROCKの最終日を最後まで観ると新幹線に間に合わないんで、次の月曜日の朝までいるんである。FUJI ROCKロスと猫に会いたい気持ちとないまぜになりながら帰宅。東京は信じがたいほど暑かった。
この日のレポートはこちら。
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僕的ベストアクトはCourtney Barnett。同行者や現地で会った人たちの間ではSiaとThe CureとJanelle MonaeとHiatus Kaiyoteの評判が高い。どれも観なかったな。
Janelle Monaeの時はToro Y Moi観てたし、Siaの時はDeath Cab For Cutie観てたし、Hiatus Kaiyoteの時はInteractivo観てたし、The Cureの時はJames Blake観てたし、どれを観るかは体力と天候と賭けであって悔いはない。
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来年はオリンピックでサマソニがなくなって、FUJI ROCKが8月に入る。
オリンピックとフジロックをセットで観に来る外国人が増えるだろうね。それを見越して洋楽のブッキングが増えるといいな。ヘッドライナー、Billie Eilishはどうかね。基本涼しくて、台風一過はめっちゃ暑くなるだろうね。いろいろ読めない。
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30日。猫の甘えが酷いのは、しばらく預けてたからかと思ったけどよく考えたら通常進行だった。獣医さんが驚くほど人懐っこいのはメイで、本質的に寂しがりなのはチャイだな。帰ってきてからひとときも離れようとしない。メイに朝晩目薬をしなきゃなんだけど、嫌がらないいい子だ。人がするおおよそのことを嫌がらない。
久しぶりに絵を描いた。23日に書いたワタナベスグルさんのZINEの、細野晴臣さんの記事につけるお薦めアルバム。マッキーで描いてPhotoshopで色をつけた。これが思いのほか受けて気を良くした。特にとり・みき先生にいいねを貰ったのは嬉しい。
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31日。ちょっ体感気温43℃って...。カキ氷さくさく食べて体のメンテナンスを受けて、Charlotte Lovers@西永福JAMへ。暑いんでアフガニスタンの音楽を聴きながら。ところがカブールの方が東京より涼しいんである。
イロメガネさんのリリースイベント。バンド4組の中で、アコギ弾き語りのCharlotteは光ってた。彼女のいいところは楽曲の良さ、特にコードのセンスが抜群なところ。優しい歌声でアコギを弾き語りしても、スピリットはロックなところ。もちろんお人柄も。この日もいいライブだった。初のアコースティック音源をゲットした。
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この日の出演者ぜんぶ素敵だった。特に気に入ったのは、ハローエンドロール。女子3ピースバンド。このバンドも曲がいい。若いバンド、みんな上手いよね。超実力派だった。特に僕はベース弾きなんで、ベーシストのよく歌うベースラインが気に入った。
そして主催者のイロメガネさん。この日はバンド編成だったけど、基本SSWみたい。やっぱり曲がいい。音楽への言葉の当て方にセンスを感じた。ステージはエモかった。表現に対する、そしておそらく人生に対する向き合い方が、とても真摯なんだろうな。この日に公開された新曲 “tictac”。
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1日。FUJI ROCKの疲れが抜けない (祝祭感も抜けない) 。午後に起きた。また障害者福祉センターのフィットネスプログラムに行けなかった。寝落ちたり猫といちゃいちゃして終わった。手袋形のペットブラシ気にいるかなと思ったら、2匹ともメロメロよ。お薦め。
猫はこたつで丸くなる。寒さに弱い生き物なのだ。そして夏はだらっとしてる。暑さにも弱い生き物なのだ。この猛暑で野良ちゃんたちが心配。あったかいとこ、涼しいとこを見つける天才ではあるけども。
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RitomoさんのCD “我が春” が届いて、ファンからも感想を募ってたんで張り切って書いた。原文は1023字になっちゃったんで抜粋する。
まず驚いたのは、シンプルなメロディの繰り返しであること。洗練されたひとつのメロディを何度も転調して物語を引き立たせる。凡百のソングライターなら、大仰なサビをつけて泣かせにくる。淡々とした展開と編曲で、心にするっと入り込むバランス感覚やばい。歌詞は重たいけれど、ドロドロしないで乾いてる。お涙頂戴じゃなく、意志の強さを感じる。誰でもやむを得ない事情で大切なものを失う経験があり、もっと大きく言えば生きる苦悩そのものとそれに対峙する勇気を、この曲は歌ってる。ってこと。
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2日。ギブソン社が売れなかったギターをキャタピラで粉砕する動画を見た。新オーナーが運気を変えるために作ったそうだけど、見るに耐えない。寄付でもすれば新しい才能が生まれたかも知れない。楽器は大切にしようよ。
体感気温45℃。スニーカーの底が溶けるほどには暑いですね。ぎがもえか@高円寺U-hAへ。彼女も客観的に文学的な言葉を紡ぐ達人だ。リリースされたばっかりのミニアルバムも愛聴してるけど、ライブではその表現力もひとしお。バンド編成でのライブを重ねた経験か、声の優しさはそのままに、声量と伸びがすごく良くなった。世界観と音楽がより届きやすくなったと思う。音のあぶくをつかまえるように聴いた。
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でだ。ぎがさんがMCで最近Beach Boysにはまってるって言うんだよ。きゃのんの新曲 “菫雨” がBrian Wilson的だってhajimepopちゃんと盛りあがってて、これはぎがさんときゃのんのために、俄然Beach Boys入門CDセットを作りたくなってきた。
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3日。予期せず時間ができた。あっと驚くできごとがあった。騙されてるだろうか。
実に10日ぶりくらいに鬱っぽい。バナナを食べてご機嫌になった。ちょろい。猫はもともとご機嫌だけどちゅ〜るを与えたら有頂天になった。ちょろい。
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映画「この世界の片隅に」が初めてテレビの地上波で放送されたらしい。Twitterのトレンド1位に、世界でも2位になった。視聴率は8.6%。まだまだ届いて欲しい。
こんな記事が出た。「『この世界の片隅に』地上波初放送 のんの声に『素晴らしい』絶賛の声」。能年玲奈さんがいまのんちゃんとして大活躍をしてることを知らない人がまだまだ多いのを痛感する。どんどん広まって芸能界のくねくねを突き破って欲しい。町山智浩さん「『この世界の片隅に』に隠された悲しみについて」。
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The 1975のこと「ざ・いちきゅうななごー」って読んじゃう。Les 5-4-3-2-1を「れすごーよんさんにーいち」って呼んでた頃と変わんねえな。
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4日。体のメンテナンスを受けて、田中ミズホワンマン@東新宿真昼の月夜の太陽へ。暑いんでミャンマーの音楽聴きながら。ヤンゴンの気温は27℃なんだよね。
ドレスコードは去年と同じアロハ...去年買ったのがどうしても見つからず、酷暑の中歩いて専門店で買ってきた。けど会場にアロハ来てる人5人くらいしかいないぞ。
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入った途端に田中らしいホスピタリティを感じた。飾り付けられた店内、お手製のおにぎりとコーヒー。突発性難聴を乗り越えて、準備にどれだけ尽力したんだろうか。
第一部はミュージカル。ダンサーと俳優の友達と3人の舞台。他愛のない恋愛ものなんだけど、映画泥棒をパロディにしたイントロから、アドリブだらけの展開、軽快なタップダンス、真昼の月夜の太陽のブッキング親方、川染さんが役に入り切りすぎちゃった衝撃のオチまで、作り込まれた部分と偶然の魔法を味方につけて、笑いすぎたしのめり込んだ。
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第二部はバンド編成でのライブ。本人Vo, Ag、Pf、Eg、Bs、Dsの5人編成。安定したいい演奏。アッパーで元気な曲を書くイメージで、それはもちろんそれとして楽しく聴いた。人生経験を重ねてきた深みのある曲にエモみを感じた。歌いながら投げたサインボール受け止めた。”灯り” はもちろん田中の歌だしみんなの歌だけど、曲を書いた経緯から僕の歌だと思ってる。ありがたいことです。歌詞の深みはもちろん、メロディラインも素敵。
アンコールは生声で “帰る場所”、ダブルアンコールはバンドメンバーと共に。この祝福されたライブを終わらせたくない気持ちは、田中もみんなも一緒だったと思う。
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田中は最高のエンターテイナーで努力家だ。そして愛に溢れている。そんな田中がぜんぶ詰まった夜だった。田中に難があるとすれば、可愛いところだ。人柄的に可愛いのはもちろんいいこと。ルックスも可愛いからそういうブッキングをされたり、そういうシーンに組み込まれたりする。せっかくの実力で勝負できる舞台に、早く立ってほしいなと思う。
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5日。新しい病院の通院日。遠くて朝早いんで2時間睡眠4時半起き。京王と小田急はある区間並走しており、京王の方がずっと早くずっとすいててずっと安くて夏も冬も空調が適切なんだが、人はやむを得ず小田急に乗らなくてはならない時がある。
病院を3軒たらい回しにされて、この日みたいに4時半起きの日もあったりして、検査結果次第では4軒目に回されるか、あるいは治療法がないという。
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帰ってきて寝込んで気づいたら夜だ。ここんとこ、あいちトリエンナーレの「表現の不自由展」をめぐるあれこれに心を痛めている。後でじっくり書く。
この国はもうダメだと思う。北欧にでも脱出したいけど物価が高いから、タイとかどうかな。チェンマイあたりで。本当に下見に行く必要性を感じ始めてる。
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6日。いままで手に持ってたはずなのに失くなるものってあるよねえ (哲学的な話じゃなくて目薬のフタがない) 。多摩動物公園がトレンドに入っているのに、誰もユキヒョウや「夜の動物園」の話をしてない。オタクの聖地巡礼場所にでもなっちゃったかな。
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広島原爆投下の日。記念式典での松井一實市長の平和宣言の一節が重い。「男女の区別さえ出来ない人々が、衣類は焼けただれて裸同然。髪の毛も無く、目玉は飛び出て、唇も耳も引きちぎられたような人、顔面の皮膚も垂れ下がり、全身、血まみれの人、人」。「不寛容はそれ自体が暴力の一形態」。
安倍晋三は今年も核兵器禁止条約には触れなかった。中日新聞の社説、「小さな声を大きな力に 原爆忌に考える」。
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「『ヒロシマが全滅です』原爆の一報を伝えたのは14歳の少女だった。あの日彼女が見たものは」。「高畑勲のバトン継ぎ...奈良美智が語る反核と『原爆の図』」。1995年のDavid Bowieの言葉。「1945年の広島への原爆投下以来、黙示録のプロセス、つまり終末的観念は私達の意識に完全に組み込まれた。そこには道徳的権限は全く見当たらず、信頼されうる真の戒律は崩壊したようだ」。
一方で加害者としての日本を知ること、お金と時間があるならば中国の抗日戦争記念館を見学することもお薦めしたい。ネットで調べてもいい。
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午後になってFUJI ROCKレポートとこの日記を書き始めた。書き終わるのはきっと明日の午後になるだろう。遅筆なんである。
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SIDE-Bに続く。
8月7日 SIDE-B 宇宙大シャッフル
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宇宙大シャッフルが必要だ。さくらももこさんも忌野清志郎さんももうこの世にいない。こんな未来を想像しただろうか。くだらないことで笑っていたかった。
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世の中のことを。「のん 26歳の今も『牙をむく』」。「芸能界はもう、のんの様なケースを出しちゃいけない」。のんちゃんって天才についての記事が目立ってきた。
日本のアニメの黎明期から活躍して、カリオストロの城の躍動的なアクションを描いた大塚康生さんのドキュメンタリー「飄々 -拝啓、大塚康生様-」が上映される。細馬宏通さん「『羅生門』から『赤毛のアン』へ -高畑勲の演出が音楽にもたらすもの」。
村本大輔さん「あの時の悲劇はこの先の喜劇に」。アメリカでスタンドアップコメディに挑戦した記録。「ジャニーズの暗部に触れないメディアの罪 少年たちへの『性的虐待』という事実」。吉本、ジャニーズ、秋元康、芸能界の三大暗部に注目が集まってる。Patti SmithのInstagramが非常にいい。さすがRobert Mapplethorpeのジャケットでデビューしただけのことはある。
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「天文学者も数日前まで気付かず 直径約130メートルの小惑星が地球とニアミスしていた」。「天の川銀河の最古の星々を特定『宇宙最古級』」。100億年前に別の銀河と衝突していたこともわかった。「イルカがクジラを育てる」、母親が寛容だったのではと。
「Prison In Indiana Accepts Shelter Cats And They Change Prisoners」。刑務所でシェルターの猫を受け入れ始めたことで、囚人の様子に変化が起きた話。みんな優しい顔になってるし、何より責任を取る方法を学べる。
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「橋下徹氏、京アニ放火事件で青葉容疑者へ『一人で死んで欲しい』」。京都アニメーションの火災は悲惨な事件だったけど、世の中には悲惨な死を遂げている人がたくさんいる。オタク層を取り込みたい政治家の道具にされちゃたまんない。橋下徹の言葉は最低だ。安倍晋三の対応もだよ。斎藤環さん「あらゆる援助希求の声を封殺する呪いの言葉が、『他人に迷惑をかけるな』。多くの家庭で幼児期から刷り込まれるこの素朴な道徳原理は、犯罪率を下げる反面、他者に助けを求める行為も抑圧する。なぜならこの国では他者を頼る=迷惑行為だから。『一人で死ね』はその発展形にすぎない」。
家族についての名文。「『家族』の自由について」。「『中学受験は親の腕次第』それ、幻想です」。教育虐待についての記事。「あなたのため」の名分のもとに過度なしつけを行って、自己肯定感が低い大人に育ち人生に計り知れない負の影響を与える。
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「おじさんの自撮りはやはりNGか? 同世代から「誰得?」との批判も」。僕は言葉の所在に責任を持つために、顔も名前も晒す。インターネットを民間に開放した時の一番の失敗は、匿名性にしたことだ。「注意力は呼吸法で高められる -認知心理学の手法で実証-」。
「『お礼をしたい』14年前に仙台駅で僕を助けてくれた、片腕のJR職員さんを探しています」。ちょっといい話を。いやいやかなりいい話を。
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「表現の不自由展」について。「あいちトリエンナーレあすから「不自由展」「政治性」で規制の作品」。こんな展覧会が始まった。「美術界では近年、政治性などを理由に作品の撤去、改変が度々起きている。今回は、それらの経緯の解説と併せて展示し、来場者に表現の自由を問いかける」。噛みついたのは名古屋市長の河村たかし。「『少女像』河村名古屋市長発言、問われる公権力による制約」。これにウヨが乗った。
小田嶋隆さん。「例の少女像の展示によって心を傷つけられている人は、もしかして、地球上に特定の民族が住んでいることそのものに心を傷つけられ得る人間なんではなかろうか。他者の尊厳を踏みにじった歴史に直面することが、自国民の尊厳を踏みにじると考える人たちの自尊心は、他者の尊厳を踏みにじることによってしか防衛できない何かなんだろうか」。
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「慰安婦問題の少女像 きょうかぎりで芸術祭展示中止へ」。「慰安婦像などを並べる『表現の不自由展』に批判殺到。政治家も反発、市長は視察へ」。
「『表現の不自由展』中止に 少女像作品めぐり抗議が殺到」。慰安婦像の撤去だけじゃなくて、展覧会そのものが中止になった。署名活動が始まった。「愛知トリエンナーレ『表現の不自由展・その後』での作品撤去・中止をしないでください」。「名古屋市長、関係者に謝罪要求 少女像展示で」。お前が人が築き上げたものを破壊したんだ。お前こそ謝れ。慰安婦像は「戦時中だからってレイプが肯定されませんように」って願ってるんだよ。
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大友良英さん。「芸術祭ディレクター経験者として津田さんの苦渋の決断は理解できるし、どうかそのことで彼を責めないでほしい。暴力は本当に恐いし、実際にふるわれてしまったらなすすべがない。アートも音楽もそのくらい無力な存在であるからこそ、その火を絶やさない方法をみなで丁寧に考えていければと願うばかりだ」。
ナスカの痴情ェさん。「『表現不自由展』に公費が支出されていることに関し、『補助金交付の決定にあたっては事実関係を精査して適切に対応したい』とコメントした菅官房長官が、反社会的存在関連から法令遵守やガバナンスに疑問が呈せられる吉本興業に国費100億円が支出されることには同じことを言わないのは覚えておきたい」。
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「あいちトリエンナーレ『表現の不自由展・その後』中止について」。「名古屋市長が表現の自由を守るどころか、誹謗中傷や脅迫など言論の自由を封殺させる動きを助長」。「テロ予告行為に...警察が役割を果たせないとすればそれは法治国家としてあるまじき事態」。「大村知事『河村市長の主張は憲法違反の疑いが極めて濃厚』県には『京アニ放火』に言及した脅迫メールも」。「維新の会は表現の自由を認めない方々なのか。憲法21条を全く理解していないと思わざるをえない。戦後民主主義の原点ではないか」。かなり踏み込んだ発言だ。
ここまでのまとめがある。「あいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」をめぐって起きたこと」
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川上未映子さんのInstagramから「表現の不自由展」について賛同できる意見。Brian Enoの言葉。「そもそも芸術や文化というのは、個人が『かなり極端でどちらかというと危険な感情を体験するための安全な場所』を提供するもの」。
「あいちトリエンナーレ2019、国内外の参加アーティスト72組が声明を発表。『芸術祭の回復と継続、自由闊達な議論の場を』」。「私たちが求めるのは暴力とは真逆の、時間のかかる読解と地道な理解への道筋です。個々の意見や立場の違いを尊重し、すべての人びとに開かれた議論と、その実現のための芸術祭です」。
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さらにめんどくせえ政治の話を。日韓関係について。「韓国は『敵』なのか」。声明と署名運動。とてもわかりやすい文章だった。僕は署名しました。「山本太郎、『韓国死ね』と叫ぶ聴衆に『冷静になろうぜ』『文化的交流があれば気持ちも変わるかも』」。経済成長をしたいなら、輸出管理強化をして日韓関係を悪化させるんじゃなくて、年6兆円の輸出先である韓国との関係改善をするべきだって話。安倍晋三が韓国死ねって言って一時的に支持率があがっても、長期的にはマイナスだよと。
いい話もある。「いま、韓国を旅して感じたこと」。日本で「#好きです韓国」というハッシュタグが流行っていることを韓国のメディアが伝えている。
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吉本興業について。「吉本興業はいつから、どのようにして『国策企業』にまでなったのか」。「『吉本興業事業概要資料』の『官公庁 取り組み事例』の項目を見ると、経済産業省や内閣府、法務省、外務省、観光庁、国土交通省から消費者庁まで、もはや日本の中枢にどっぷり入り込んでいるのがわかります」。「維新や安倍官邸とズブズブ...吉本興業『癒着と利権』の闇」。「維新の選挙には、吉本の芸人が応援に駆けつけるのが恒例になっている。4月の衆院補選の最中に来阪した安倍首相が吉本新喜劇の舞台に立ったのも、維新側のお膳立て」。「渦中の吉本興業に『クールジャパン』で巨額の税金が注ぎ込まれていた」。「吉本興業に、多額の税金が投入されている」。「『クールジャパン機構』が、吉本興業がかかわる事業に多額の出資を繰り返してきた」。「吉本問題、官邸との『ベッタリ関係』と上層部が辞めぬ理由」。「大崎会長は、安倍総理のブレーンとなって、沖縄の基地移設反対の県民感情を『目くらまし』しようとした。安倍政権の沖縄政策の『先兵』として動いたわけです」。
「クールジャパンの大失敗!AKB48秋元康と安倍晋三の癒着で税金500億円がアイドルに消えた?」。こいつもいろいろやらかしてるぞ。
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「入管による外国人への人権軽視の長期拘留が続く」。署名運動「法務大臣と入管庁は、非正規移民の長期・無期限収容をやめてください。ハンストを無視せず、恣意的な収容行政をやめてください」。「自民党・石崎徹衆院議員に『外国人女性買春疑惑』」。前の日記で紹介した、秘書だった方に暴行した議員だ。「制御しきれぬ福島第一 汚染水の水位下がらず理由も不明」。それでもアンダーコントロールで運動会はやる。まとめ記事「アメリカ有名メディア『貧困の原因は個人の素行じゃない。日本を見ろ。みんな真面目なのに貧困すごい』」。もっともなことを言われてる。ほんとなんでかね。
「戦後憲法裁判の記録を多数廃棄 自衛隊や基地問題、検証不能に」。「歴史的な憲法裁判の検証が不可能になった。裁判所の規定は重要裁判記録の保存を義務づけ、専門家は違反の疑いを指摘する」。「自衛隊に一審札幌地裁で違憲判決が出た長沼ナイキ訴訟や、沖縄の米軍用地の強制使用を巡る代理署名訴訟をはじめ、合憲違憲などが争われた戦後の重要な民事裁判137件中118件の記録を全国の裁判所が既に廃棄処分していたことがわかった」。東京新聞も続く「戦後憲法裁判の記録を多数廃棄 自衛隊や基地問題、検証不能に」。
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「亡き父は晩年なぜ『ネット右翼』になってしまったのか」。しみじみ。バカになるということ。大友良英さん。「ネットもテレビも子どもの喧嘩を見ているみたいでうんざりするなあ。勇ましい言葉や活字に生きがい見つけちゃう前に、赤塚不二夫とか水木しげるとか手塚治虫とかの古典をもう一回読んでみたらいいのに」。
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楽しい音楽の話題。忙しい人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2019/8/2を。
The MetersやThe Neville Brothersの中心人物、ニューオーリンズのファンクを引っ張ったArt Nevilleが亡くなった。81歳。その数日後にFUJI ROCKで盟友George Porter Jr.を観れたのは感慨深い。Woodstock 50が紆余曲折の末に開催2周間前に正式に中止された。東京オリンピックも今から中止にしてもいいんだぜ。経済的な犠牲が大きすぎる。この気温だったら選手の命も危ないし、体を鍛えてない観客の命も危ない。
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David Byrneのネット番組 “David Byrne Presents” が、意外なアーティストにカバーされた作品集を公開した。たくさんのミュージシャンが参加したドキュメンタリー映画 “天才たちの頭の中 -世界を面白くする107のヒント” が日本で公開される。Wireのドキュメンタリー映画が制作される。
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BRUTUSの最新号に「聴き手に寄り添う『共感』の歌詞の時代に区切りがつき、最近のシンガーソングライターは、より文学的な歌詞を紡ぎ出す。 折坂悠太、崎山蒼志、長谷川白紙、柴田聡子の詞を読む」が掲載された。
8月16日 SIDE-A いまは戦後で戦前
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また日記の間隔があいちゃった。世間的な基準から言えば非常に暇なはずなのだ。問題は僕は病気療養中で思った通りに時間が使えないこと、そのわりにやりたいことが多すぎること。特にライブに行き過ぎてること。SNSに依存しすぎてること。自分の音楽活動を3年もしてない。残りの人生を数えて気ばっかり焦る。
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7日。前の日から21時間かけて膨大な日記とFUJI ROCKレポートを書いて...佐川急便来なかったな。荷物待ちのタイミングも心を揺るがす。生活リズムの狂いが鬱の要因になる。お腹すきすぎてご飯たべる体力がない。猫が腕の中にいるのが心の救いだろうか。
浅間山が噴火した。過去に何度も大きな災害を起こしてる火山だ。天明の大飢饉でググれ。中継動画を見て引いた。
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エレクトリックリボンのあおいちゃんが実はミスiDを受けてて、この日の投票に敗者復活がかかってた。僕はポイントを投げるくらいしかできないんで投げたけど...受かったのは本人が92000ポイントも自分に投資した女の子。財力勝負なのか。
特別に枠をもうひとつ作って、みんなに支持されたあおいを入れて欲しかった。
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「表現の不自由展」にまつわる話が続いてる。後述する。わはは、トリエンナーレに毎年行く人 "Eight Days A Week" みたいだな。
エスパー米国防長官ってスプーン曲げできるかな。
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8日。映画「この世界の片隅に」が連続上映1000日を迎えた。大変なことだ。どんだけ愛されてるんだよ。僕も何度も観に行ったけど。
もしまだ観てない方、テレビでしか観てない方がいたら劇場で体験して欲しい。圧倒的な情報量が表現にリアリティを注ぎ込み、感動につながる映画なので。
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障害者福祉センターのフィットネスプログラムと、体のメンテナンスを休んじゃった。でもスパリブ持って飲みのイベントには行くんである。エレクトリックリボンの蒲田のビアガーデンでの公演。蒲田はかつて勤めていた懐かしい街だ。
ビールをたらふく飲み、肉を喰らい、ライブを観た。エリボンはいつもライブの雰囲気がいいな。心地よく酔った。司会のお兄さんとのやり取りも絶妙だった。物販列に、たまたまビアガーデン居合わせた女の子が並んでて、「めっちゃ顔ちっちゃかった!! めっちゃ話を広げてくれた!!」って感動してた。
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9日。FUJI ROCKの荷物がまだ片付かず、ゴミ屋敷になってる我が家を眺める。太陽はそろそろかぶせネタがスベってることに気づいたらいい、くらいには毎日暑い。冷房の温度を下げたら猫がひっついてきて返って暑い。
フジファブリックの志村正彦さんが亡くなって10年。いろんなミュージシャンが “若者のすべて” のカバー動画を公開したせいか、夏が終わる気がしてるけど死ぬほど暑い。
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長崎の原爆忌。安倍晋三のスピーチは数日前の広島のコピペだった。当然核兵器禁止条約には触れなかった。
猫にモテすぎる。この数%でもガールにモテたい。
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10日。夢の中でお告げを聞いて、締切を過ぎた原稿に一文を追加した。それがあるとないとでは大きく違うので。
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久しぶりに笹生実久@堀之内timeTokyo。。相変わらず美しかった。
大仰なメロディを極力排して洗練された楽曲は、いわゆるJ-POPの華美さとは遠い洋楽のSSWの佇まい。深い歌声も日本のキンキンした音楽と違って、とても好きだ。
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対バンのSuzuki Tomomiさんもそういう意味では通底してるかも知れない。飄々としたMCと高い音楽性が両立した楽しいステージ。
Ramonesの "I Believe in Miracles" をエレピ弾き語りで演奏したのには驚いた。
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そして初めて拝見したシミズリエさん。そもそもは彼女が主催して毎年やっているイベントなんだそうだ。
これもまた無駄を削ぎ落として、でもポップに楽しめる快適な音楽だった。ベースとドラムスを従えたコンパクトなバンド編成も心地よかった。最後は3人のコラボで、シミズさんとSuzukiさんの共作曲を。
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猫!! 毎晩ひっついてくるけど暑くないの!? パパは暑いよ!! 細野晴臣さんの “熱帯夜” を聴く。東京じゃ今頃 アスファルトもとろけて 街を流れる河...。
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11日。くどいけど暑い。夏も冗談が過ぎる。かねこ "きゃのん" きわの@大久保ひかりのうま。ひかりのうまを訪れるのも久しぶりだった。谷口マルタ正明さんも後藤ユニちゃんも元気そうだった。
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この日のきゃのんは初めての箱で緊張してたせいか、MCがますます快調だった。彼女は頭が良すぎて、言葉が飽和して文脈をなさなくなるのだ。あれが計算だったらすごい。
セットリストが大幅に変わった。生ピアノだからってこともあるだろうけど、最近書いてる曲がほんとうに素晴らしい。飄々とテンションコードを使いこなし、不思議なベースラインに乗って、流麗に演奏する。”アメリカンチェリー” のとろけるようなピアノソロが特に美しかった。ギターの曲も巧みで楽しい。ぜんぶよかった。
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終演後、ここんとこ会話に飢えてたこともあって、マルタさんに人生相談やら愚痴やらいろいろ聞いてもらってしまった。ユニちゃんがそっと桃を差し出してくれた。
細野さんが心の師匠なんで、ユーモアと客観性を持たないポピュラーミュージックを奏でる人は勉強不足だと思う。僕はSSWシーンが好きだと思われてる節があるけど、ぜんぜん違うんだよ。僕が特に好きなSSWは金があったらバンド編成でやって欲しいと思ってるし、そのパトロンになれないのがもどかしい。アンサンブルの素晴らしさ!!
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12日。ほぐし水の中身って水なの!?
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3本立ての夢を見て3本覚えてるくらいには浅い眠りと悪い目覚めだった。最後の夢は、地球に小惑星がぶつかって、なんやかんやで日本がアジア大陸とつながって、みんな仲良くなりましたってお話。
「日航機墜落事故から34年」。もう知らない人も多いだろうね。520人が亡くなった。坂本九さんを知らない人も多いだろうね。日本の音楽がまだ世界に通じてた頃のお話。
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猫の写真が減ってるのは部屋が汚いからで、夕方に客人が呼べるまでになんとかした。NくんとLさんがやってきて、そうめんと酒。いろんな音楽を聴きながら、楽しく酔っ払った。ここんとこ飲んでばっかりだな。
FUJI ROCKの思い出話から最近聴いてる音楽、もっとプライベートな話まで、何を話したかは内緒です。3人ともいろいろある。いろいろあるからまた会おうって約束した。
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13日。猛暑で部屋にこもって不健康な生活をしているな。前の日に楽しすぎた反動で鬱に突入した。メイはそういうのよく察する。頭の中がもじゃもじゃして、ネット眺めたり寝込んだり。
猫たちが飯から帰ってきて満足げにゲフー。いまさらだけど、導線的にご飯出す場所かえようかなとも思ってる。
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amiinAのmiyuちゃんが第一志望の大学に合格した。amiinAは頑張り屋さんだ。あれだけ完成度の高い芸能活動をして、2人とも現役で大学に合格してる。お祝いにハーゲンダッツを食べた (僕が) (なぜ) 。
ペルセウス座流星群がピークだ。
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14日。前の日に食わないで作業した結果、体重が大台を割った。でもこれ不健康なやつだから。雨上がりの猛暑は蒸すなあ...。
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Nick Lowe@Billboard Live Tokyoへ。Billboard Liveは数年前からアサヒビールと提携始めちゃって、美味いビールを出さなくなったのよな。
ライブが悪かったことのないNick Lowe、この日もサイコー。髪は白くなっても曲の良さ、声の張り、グルーヴは枯れることがない。アコギ弾き語りであそこまで表情豊かな演奏はなかなかない。エフェクターはもちろん、ギターを替えることもピックを使うこともない。本人の肉体から湧き出る音楽。ストロークでも親指の腹と爪とカッティングで聴かせる。
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選曲もずるかったな。”Cruel To Be Kind” ”(What's So Funny 'Bout) Peace, Love, and Understanding” あたりは当然やるとして、アンコールはなんと “Alison” だった。NickがプロデュースしたElvis Costelloの曲だ。
本人は相変わらず飄々としてリラックスした雰囲気だった。ライブも佇まいも長い友達みたいに、シニカルなユーモアを交えてご機嫌だった。次はバンドも連れてきたいって。そう言えばRy CooderがギターでNick Loweがベースのデュオも観たことがある。良かった。
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願わくばあのクラスのポップス神を、日本の若い子が気軽に観れる箱ができること。Billboard Liveじゃ高いもんね。それだけで日本のポップスは成長すると思う。
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15日。また明け方までもそもそ作業してた。台風きてるしうちにいた。フェーン現象で、新潟では40.7℃になったらしい。関東は気温は (比較的) 低いけど、湿度があって気圧がさがってメンタルにきた。
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終戦の日。8月くらいは戦争に思いを馳せないと、また次の戦争の危機がやってくる。何度も書いてる通り、水木しげる先生の「総員玉砕せよ!」は、「はだしのゲン」とはまた違った戦争の記録として、必ず読んで欲しい。
先の大戦では、戦争孤児にとって終戦の日からが地獄の日々だった。そして被害だけでなく加害の歴史も学ばなくてはいけない。後述する。
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村本大輔さん。「終戦とは戦いと争いの終わりのはず。しかし戦後74年、韓国とは今も争い韓国のことを想う同じ日本人まで攻撃の標的。アメリカからは戦闘機やミサイルを買い続け大人には『核の抑止力』を語りながら子供には『アンパンチは暴力だ平和的解決を』と謳う。来年こそは全て終戦してますように」。
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渋谷の「ねこがかわいいだけ展」、新宿の「みんなイヌみんなネコ展」、藤岡みなみさんのタイムトラベル専門書店utoutoが始まった。「高畑勲展」も行きたい。もちろん海外の作家の美術展や観たい映画がたくさんある。
お祭り行きたいな。ソースせんべいとか食べたい。
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Rising Sun Festivalの初日の中止が決まった。ナンバガ組は息をしてるか。そう思うとFUJI ROCKの2日目はよく決行したな。川が氾濫する寸前だった。
出演予定だった中村佳穂さんは都内からネット配信でライブをするという。
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16日。9時間寝て6時に起きた。もたもた作業して外出。電車の中でハッカ油が目に入って死ぬ思いをした。
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タイムトラベル専門書店utouto presents「満ちかけるじかん」@青山月見ル君想フ。
客入れの音楽がRy Cooderだった。藤岡みなみさんと青木慶則さんを中心としたバンドが、それぞれのオリジナル曲とカバー曲を織り交ぜて、utoutoの世界観を歌い繋いでく。
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"メトロポリタン美術館" から "タイムマシンにお願い" につながる流れは想像できたけど、E.L.O.の "Twilight" を入れてくるセンス。一番グッときたのは「ドラえもん のび太の宇宙小戦争」の主題歌 "少年期"。選曲した青木さんは同世代で、僕らにとって神曲なんです。
そしてutoutoのなかいかおりさんによる絵本の読み聞かせと、比留川香さんによる文房具紹介、人気店のベーグルからみなみさんのVJに至るまで、utoutoならではのこだわりに心が踊った。なかいさんのファンになった。絵はもちろん、お話素晴らしい。
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サマソニのYouTube配信はアーカイブあるのかな。The 1975とWeezerとSnow Patrol観たい。それから中村佳穂さんのRSR中止残念ライブ配信。
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SIDE-Bに続く。
8月16日 SIDE-B 確かに、戦争があった
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戦争と表現の不自由展の話を。「相模原の男性が語り続ける 慰安婦への加害の記憶」。慰安所の管理をしていた方の証言。実情を語る方がどんどん減っている。
「今さら聞けない『慰安婦』問題の基本を研究者に聞く なぜ何度も『謝罪』しているのに火種となるのか」。「現在の慰安婦問題における日韓の対立関係の原因は、性暴力に対する認識の差」。「ナショナリズムの争いではなく、一人ひとりの人権侵害の問題」。
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「戦地であったがゆえの凄惨な性暴力とコミュニティからの孤立 日本軍による中国人性被害者の知られざる実態」。
「まずは日本という枠組みから一歩踏み出し、一つの空間、一つの歴史、一つの利益から解放され、俯瞰的な視点に立つこと。そしてナショナリズムのフィルターを外すこと。そのために、戦争に対する正しい知識を自分から積極的に調べて、身につける」。
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「ベトナムの日本軍『慰安所』フランス軍の文書で初めて確認」。「日本軍は真珠湾攻撃で太平洋戦争を起こす1年3ヵ月前にベトナムを占領し、すぐに慰安所を設置した」。「日本軍が戦争当時、侵略した場所ごとに慰安所を設置して運営したことが改めて確認された」。
「『従軍慰安婦はデマ』というデマ」。「軍が選んだ業者が金を貸すかわりに女性を慰安所で使役する『人身売買』」。「業者が酒席の世話係などとだまして連れていく『誘拐』」。「官憲や業者が脅迫や暴力で強制連行する『略取』」。
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「終戦記念日に「少女像」について考える」。「日本では終戦記念日のこの時期、『被害者としての日本』を取り上げることで戦争の悲惨さが語られています。しかし今の時代は自国の被害とともに他国の被害についても『共に悲しむ』ことができるかどうかが問われていると思います」。
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「『ガソリン持ってお邪魔する』少女像に脅迫FAX送った疑いで男を逮捕」。逮捕はよかったけどそれまでの経緯が残念すぎる。津田さんは頑張ったよ。慰安婦像は「レイプが肯定されませんように」って願ってるんだよ。
「『サリンとガソリンをまき散らす』など脅迫メール770通、愛知県が被害届提出『表現の不自由展』巡り」。「県内の小中学校、高校、保育園、幼稚園にガソリンを散布し着火する」。「県庁職員らを射殺する」。「計約5500件の抗議の電話やファクス、メールが届いている」。なにやってんだよ。
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「大村氏、大阪吉村知事の発言に『はっきり言って哀れ』」。「憲法21条の表現の自由についてまったく理解していないのではないか。公権力を持っている人がこの内容はよくてこの内容はだめだとずっと言っている。日本維新の会は表現の自由はどうでもいいと思っているのではないか」。かなり突っ込んだ指摘。
「『女性・戦争・人権』学会があいちトレエンナーレ2019について声明」。「今回の脅迫行為を非難するとともに『平和の少女像』の展示に対する政治的圧力に強く抗議し、河村市長と菅官房長官の発言撤回を求めます。『表現の不自由展・その後』が再開されることを求めます」。こちらもかなり突っ込んだ指摘だ。
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「少女は何を待つのか 彫刻家が込めた多様な意味」。
「ベトナム戦争で犠牲となった子を抱く母を形象化した百五十センチほどのこの像は、その姿から『ベトナム・ピエタ』とも呼ばれる。韓国軍による民間人虐殺を謝罪し、被害者たちを慰める思いを込めてこの像を制作したのは、韓国の彫刻家であるキムウンソン、キムソギョン夫妻。ふたりは、『あいちトリエンナーレ2019』の『表現の不自由展・その後』に出品されながらも、日本への『ヘイト作品』などとの非難をうけ展示中止に追い込まれた『少女像』の制作者でもある」。
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「飢餓、自殺強要、私的制裁 戦闘どころではなかった旧日本軍」。「当時は、徹底的にいじめ、痛めつけることで強い兵士を作ることができると考えられていました。加えて、私的制裁が古参兵にとってガス抜きの役割を果たしていた」。
「南の島で家族奪われ苦しみ今も 南洋戦を生き抜いた人たちの国に問う闘い」。「軍人軍属は補償60兆円、民間人はゼロ円の差別」。「戦争では一番弱い人が一番苦労する。その一番弱い人達で国は成り立っている。我々の被害を認めながら国が補償しなくてもいいというのはおかしい」。
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「戦場のむごさを見る」。「作家の保阪正康さんが、特攻機の整備兵だったという老人のことを述べている。突然訪ねてきた彼が語ったのは、飛び立つ日の特攻隊員の姿だった。失神する、失禁する、泣きわめく。きれいなことを言って飛んでいった人もいたが、ほとんどは茫然自失だった。『それを私たち整備兵が抱えて乗せたんです』」。
「特攻は日本の恥部、美化は怖い」。「特攻は日本の恥部。命慈しむ日本の文化に反する。命中率99%でもだめ。志願建前でも実際は強制。本人が望んでいない死を要求し、死なせる。こんなものは軍事ではない。自己陶酔でしかない」。
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「毒ガス製造、加害の悔恨」。「広島には『加害』の歴史もあった」。「私は戦争によって人間の面をかぶった鬼になってしまった」。「中国人を殺すことに後ろめたさはなかった」。「日本は戦争で何をしたか。学ばねば過ちは繰り返される。私は学ぶ。鬼から人間に必ず戻ってみせる」。
「『戦災孤児の半数は餓死 証明書ないと食べ物ももらえず』海老名香葉子さんが語る『戦後ゼロ年』」。「15日は終戦記念日。でも、戦争で親を亡くし、頼るものがなにもない戦災孤児にとっては、そこから先も、生きるための闘いが続いた」。
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「2019年8月9日 長崎市長・田上富久『長崎平和宣言』」「原爆は『人の手』によってつくられ、『人の上』に落とされました。だからこそ『人の意志』によって、無くすことができます。そして、その意志が生まれる場所は、間違いなく、私たち一人ひとりの心の中です」。
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SIDE-Cに続く。
8月16日 SIDE-C まだFUJI ROCKの面影が
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世の中の話を。アンナ・カリーナの「アンナ」が20年ぶりにリバイバル上映される。20年前は僕の生活の中にまだ恋愛があった。スクリーンの中のアンナ・カリーナに当然のように恋をした。
観たい映画がたくさんあって、機会を逃し続けてる。ライブは日時が決まってるけど、映画は期間中にいつでも行っていいから、スケジュール帳のプライオリティが低くなる。
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完全版ピーナッツ全集 (全25巻) が刊行される。翻訳は谷川俊太郎さん。驚くべきことに、ピーナッツの全作品が日本語で読めるのはこれが初めてだそうだ。
文藝別冊「総特集 ゆうきまさみ」が刊行される。インタビューや安彦良和さんとの対談、レア作品の再掲ほか。手塚治虫さんのアニメ「海底超特急マリン・エクスプレス」がYouTubeで配信されてる。これ小学校の図書館にビデオがあって、繰り返し観たなあ。
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8月9日は世界猫の日、写真の保存がはかどった。「世界の街ネコを旅する」。真似したい猫のための部屋作り「Man Builds Realistic Tree In Living Room For A Cat」。
南極大陸で90メートルの穴を掘り、気候変動を調べている方について。この穴に氷の塊を投げ入れると、不思議な音がする。
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「慶應の女子大生が『アイヌ語』のユーチューブを始めた理由」。「先祖が使ってきたアイヌ語を使って生活することができれば、それだけでとても幸せなんです。そんな環境を、自分の代では難しいかもしれないけど、自分の子どもや孫の代で実現できればいいなと思っています」。
「例えば、子どもが水をこぼした時、日本語では単に叱ったり、『あらあら』と思うだけでしょうが、アイヌ語だと『そこに水が飲みたい神様がいたんだね』と表現するんです。あらゆる事象を人間ではなく神の意思だと考える価値観が表れています」。
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楽しい音楽の話を。忙しい人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2019/8/9を。
WondermintsのNick Waluskoが亡くなった。まだ若い。Brian Wilsonバンドの主要メンバーでもあった。
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細野晴臣さんの50周年を祝うイベント「細野さん みんな集まりました!」の詳細が発表された。展覧会「細野観光1969 - 2019」が開催される。また、”HOSONO HARUOMI compiled by OYAMADA KEIGO” にレア音源 “黙って聴け” が収録される。
8月28日 SIDE-A 人間は原則として、自分が大事にされていなければ他者を大事に思いやることはできない
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「人間は原則として、自分が大事にされていなければ他者を大事に思いやることはできない」。最近出会った言葉だ。川崎市の知的障碍者福祉施設で、19人を殺害した犯人に向けられた。犯人は僕ととても似ている人物なんだろう。僕は犯人以上に誰にも大事にされてない。他者を大事に思いやることができず、しばしば傷つけてしまう。
いまは、死んだら遺産が弟に渡ってしまう、という事実が僕を生に引き止めてる。だから早く遺言書を書く。すべて慈善事業に寄附する。動物のお骨と一緒に入れる墓を買う。
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子供の頃から隅っこにいて、大事にされることはなかった。唯一の味方だった父は12歳の時に亡くなった。高校生まで暗黒時代が続いて、変わり者だらけのSFCでようやく友達らしきものができた。でもいま繋がっている人は1人もいない。
明らかに憎悪の対象になったのは、鬱病を患って仕事を辞めてからだ。人は誰かと話をしたり、たまには食事でもしないと気が狂う。もともと群れをなして生きる動物だからね。孤独の行き先をネットに求めて、ことごとく失敗して47歳になった。
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ここ最近もネットのトラブルが続いた。猫以外のすべてが怖い。自分も怖い。
生きるのが下手過ぎる上に人生がハードモード過ぎて、悲しいという感情すら生まれてこない。自分が傷つくのと同じかそれ以上に人を傷つけるのは辛い。僕に人生は難しすぎた。早く終わらせて消えてしまいたい。
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トラブルのいくつかについては言いたいことがある。人は生きていれば残念ながらおじさんかおばさんになる。という事実に気づいてない人が多い。かくいう自分も気づいてなかった。おじさんやおばさんをそれだけの理由でdisる人は、そのまま自分に返ってくる。
僕は年配者と仲が良かった。評判の悪い団塊世代もバブル世代も、数%の確率で爆発的に面白い人がいた。同じようにdisられる年下のゆとり世代や10代20代にも爆発的に面白い人がいる。いま面白くなくても化ける人もいる。
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僕は10代の頃に、当時60歳を超えていた現代芸術論の教授が、友達みたいに接してくれたのがとても嬉しかった。よく一緒に飲みに行った。年上の人からいろいろ教わったからこそ、逆に下の世代の表現も受け入れて尊敬できる。温故知新だ。
若い頃に「若さを謳歌してる私たちの世界に、おじさんやおばさんは入ってこないで」っていう考えだった人は、いつまで経っても自分の青春時代の音楽しか聴かず、新しい表現を知ろうとしない。同世代の80%が米津玄師さんを知らず、99%がBillie Eilishを知らない。そしておそらく聴いても理解できない。
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森泉岳土さんのツイート。「友人と『真面目ってバカにされやすいけど、大事だよね』という話で意気投合。僕は『真面目』の反対って『不真面目』ではないと思っている。真面目に『不真面目』できるからだ。ではなにかというと、『舐めてる』ってことになると思う。人を、仕事を、文化を舐めてる人が目に入ると我を失いそうになる」。
音楽を舐めてる人、表現文化全般を舐めてる人と出会うと、僕はトラブルを起こすみたいだ。音楽を愛してないのに音楽に関わってる人なんでだろう (なんでだろう) 。
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そしてまた誰も読まない日記を書くのだ。SIDE-Bに続く。
SPECIAL THANKS : AATA-sun, Ritomo-sun
8月28日 SIDE-B ライヴ・リヴ・ライヴ
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17日。予想最高気温37℃...。それでもひっついてくる猫氏。
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amiinAのバーベキューオフ会の写真がタイムラインに流れてきた。どんな得を積んだらあんなに楽しそうなイベントに参加できるんだろうか。僕には先約があった。
amiinAちゃんとバーベキューしたいし、プロデューサーの齊藤州一さんと音楽の話をしたいし、なによりamiinAファンの友達が欲しかった。また企画してください。
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まずはカウンセリングへ。待合室にあるチンプイを読み始めたらきっと止まらなくなるな。1ヶ月ぶりのカウンセリング。大学の心理学科の研修を兼ねたカウンセリングを受けてるんで、夏休みがあるんである。遠くFUJI ROCKの話から我が孤独その後の話まで。FUJI ROCKでやっぱりずいぶん元気をもらってきたな。森の中で音楽を聴くこと。
この翌日にトラブルに見舞われる間の悪さがいかにも僕らしいなと思う。
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夜はあーた改めAATA主催イベント@新代田crossingへ。あーちゃん企画に間違いはないとわかっていながらサイコーで、素敵な時間を過ごさせて貰った。
あーちゃんは最初に登場。ますますソウルフルに振れてた。キレのいいアコギのカッティング、甘くも力強さをつけてきたボーカル。9月3日に入魂のアナログシングルが出て、その日をもって晴れてAATAになるのに、なんでかそのシングル曲をやらないという。あーちゃんは努力家だけど、ホームでリラックスしてる印象だった。
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対バンは初めましてのチヂマツミキさん。普段はドラマーとデュオで活動してるという。1曲目が「悲しい」って言葉で始まったんで、悲しい系SSWなのかと早とちりした。やわらかな声、おおらかで懐の深いミュージシャンだった。MCでは朗らかにコロコロと笑う。
繰り返すコード進行に載せた曲が多かった。例えば4小節の繰り返しで、Aメロからサビまで行っちゃう。そのあとに憎い味付けをして聴かせる、みたいな。バンドだとどんな演奏になるのか気になった。また観に行こう。
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トリはさわひろ子さん。思えば、あの壮絶なワンマン以来に拝見するさわさんだった。夏に疲れ果てて青い魚と出会う物語に沿って、ステージは進。
“真夜中” みたいなアップテンポな曲でも、古き良き日本語の美しさが光る。”ドラゴン” は荒々しく気迫に満ちていた。新しい曲も素敵だった。”潮騒” で本編が終了、”海里” は聴けないのかと思ったら、アンコールで歌ってくれた。この日のサポートは坪光成樹さん。アコギ1本とルーパーとエフェクターで、ここまでいろんな景色を表現できるのか。2人のコンビをまた観てみたい。
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18日。猫に指をちゅぱちゅぱ舐められて起床。前日より気温は低いとはいえ、34℃の中を歩き回った。爆冷房+首掛け扇風機+ハッカ油=最強。
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まずは恵比寿に出現したタイムトラベル専門書店utoutoへ。本を2冊とZINEを2冊と「縄文の香り」の香水とブローチとレターペンとなかいかおりさんの絵を買った。時計モチーフのとても繊細な絵。僕は時間の概念や時間にまつわるあれこれが大好きなので。
なかいさんは浴衣姿が素敵だった。比留川香さんは荷物を持ってくれたり文房具の丁寧な説明をしてくださった。藤岡みなみさんと4人で写真撮って貰えばよかったな。
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夜はmayuluca@西武柳沢ノラバーへ。
mayulucaさんは10年? 15年? くらい追いかけてるSSW。ここ数年はノラバーでのライブが多くて、とても居心地のいいお店なんだけど、例えば体調不良でキャンセルするとキャンセル料が発生するのだよね。この頃はまだ元気だったんで、ほんとうに久しぶりに予約を入れた。ドレスコードはブルー。青い服が見つからなくて、ジーンズの青で許してもらおうかと思ったら、出掛けにFUJI ROCKの目の覚めるような青いシャツを発見した。
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ノラバーは完全生音。相変わらずまろやかな歌声と、それによく似合ったギターの音の良さを満喫した。暑い日に涼むようなゆったりした隙間のある音楽。”出発” にはじまり、mayulucaさんの音楽史がわかるようなセットリスト。この日は特に言葉が響いた。「この世界のそれぞれの片隅」を描くミュージシャンだ。月の歌が2曲あることを思い出した。いま配ってる月の曲のMix CDにmayulucaさんの曲を入れればよかった。「花を貰うのは好きだ」みたいなツイートがあったので、花を差し上げた。僕も花を贈るのは好きだ。
もうひとつの楽しみ、ノラバーのご飯は麻婆茄子ととうもろこしご飯、採れたての豆苗の味噌汁が特に美味しかった。丁寧な味付け。
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ナンバーガールの野音でのライブを野良聴きしてた人がすごい数いたみたい。ナンバガは大好きだけど、リアルタイムでライブ観てたんでそこまでの情熱はないな。
この日の夜に、とても大切に思っている若いミュージシャンを傷つけてしまった。
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19日。Neneh Cherryのチケットを取ってたんだけど...Billboard Liveだからかなりお高いチケットだったんだけど...落ち込んで寝込んでた。行きたかった、という気持ちよりも自分が他者の心をおもんばかることができずに深く傷つけてしまった自責の念の方が遥かに強い。ほんとうに生きるのが下手すぎる。
ソールドアウトが心配で早くチケットを取る。チケットを取ることで、その日まで頑張るモチベーションになる。結果無駄にしてしまうことも多い。
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20日。相変わらず自責の念から落ち込んで、飯が喉を通らず寝込んでた。この日は特に暑いなとおもったらヒーターが入ってた。いつから!?
富士そばのタピオカ漬け丼は意外と美味しいらしいけど、これと東京タピオカランドがブームの終焉に決定打を打った感は強い。
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21日。Robert Moogの誕生日。毎月の健診の日。主治医に「ダイエット頑張ってますね」って言われた。落ち込んでここ数日食べてなかっただけだよ。
駅前の定食屋。言葉の変化には寛容な方だと思ってるんだけど、「よろしかったでしょうか」は受け入れられない。言いやすさといった利便性や、言葉遊びといったユーモア起源ではなく、明らかにバイト敬語を考えた人物の無教養、バカだからだろうな。「やらしかったでしょうか」と問われたら「もっとやらしいのお願い」と言いたい。
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dodoのなんもしとうないTシャツでオシャレタウン渋谷へ。渋谷駅のリニューアルを設計した安藤忠雄から建築士免許を剥奪するべきだ。
タイムラインには、僕がグラストンベリー、コーチュラと並んで憧れるフェスこと「三井ビルのど自慢」の話題が。もう社会人になって自分の若さに疑問を持つ年齢の女性たちが、アイドルの歌をキラキラに歌うアンピバレンツ。
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イロメガネ@渋谷SANKAKUへ。7月にできたばかりってお店。
本人のギターが安定してるんで、サポートギタリストが自由なソロを聴かせてくれた。トーキングブルースみたいに言葉を詰め込むリズム感、声のピッチが彼女の感情の起伏をエモーショナルに表現していた。表現が真摯であるということは、彼女自身が真摯なのだ。”ブラックバードを歌って” って曲はRCサクセションの “イエスタディをうたって” を意識してるのかと思ったら、まったくの偶然だそう。翌日のツイートに鬱って単語が出てきて、彼女自身とても考えて悩む方なのかなと思った。それだけ歌ってるときが楽しいのかな。
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対バンで特に気に入ったのが山田萌さん。最初の歌は東京生まれ東京育ちの気持ちを歌ってた。とても珍しい。"Tokyo, Round and Round" くらいしか知らない。共感して聴いた。次の曲は “世界経済” ってタイトル。これも珍しい切り口。経済と平和についての歌。言葉や視点の鋭さに対して、楽曲や演奏はすごく美しい小曲の佇まいで、決して大仰にならないのがいい。で、淡々と演奏しているようでコードワークが凝りまくってた。
とても考えられて作り込まれた表現だけど、ご本人はパンクがお好きだそう。
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そして仲邑美咲さん。キーボードとアコギを駆使して、とても重たいテーマを歌う。お母さんがピアノの先生だけど、弾き語りはギターの方がやりやすいとか。言葉の重たさを垂れ流しにせず、グルーヴに乗せて音楽に昇華するミュージシャン。演奏力も楽曲のクオリティも抜群だった。僕はかなりライブを観ている自負があるのに、ときどきこういう才能に出会って海の深さに己を知る。
和光大学出身。なるほど。Death Cab For CutieやRadioheadがお好き。なるほど。
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22日。やっぱり自己嫌悪で寝込み、障害者福祉センターのフィットネスプログラムと面談をキャンセルしちゃった。いま一番信頼している方。夜は頑張って起き出して、かねこきわの@早稲田RiNenへ。自己嫌悪の原因にちゃんと謝るために。
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きゃのんはRiNenがとてもよく似合ってる。4月のバンド編成のライブ以来だって。RiNenでのきゃのんは演奏が安定してる。声にも緊張が感じられなかったのは風邪をひいてたせいもあるのかな、とても素直に声が出てた。ピアノやギターも良かった。
きゃのんのMCのはっちゃけ具合が好きで、でも情報量が多すぎるんで「MCが面白いSSW」ってイメージを抱かれかねないなと思ってた。この日は風邪のためにMCは殆どなしで、きゃのんの音楽の素晴らしさがそのまま伝わったんじゃないかな。荒井由実さんの “少しだけ片想い” のカバーがまたよく似合ってた。
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対バンは中田真由美さん。5年くらい前によく聴きに行ってた。あんなに素晴らしいミュージシャンを聴きに行かなくなっちゃったのは、きっと当時僕がなにか失礼をしてしまったんだろう。ふたりとも優しく受け入れてくれてほっとした。
アジアの香りのする裏声を使った独特のコブシを持ったシンガー。曲の作り方も言葉のチョイスやストーリー、楽曲の展開にアイデアが詰まってて大好き。当時やってた “Smile Again” や “ミタイ” が聴けて、やっぱりいいなあ。アンコールで演奏したアップテンポなナンバーにはなんでかきゃのんがダンサーで入って、やっぱり情報量の多い子だわ。
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23日。うーむ。annasekaiさんの予約を入れてたんだけど、やっぱり精神的に無理でごめんなさいして寝込んでた。
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24日。悩みが深いが故にカウンセリングに通い、悩みが深いが故に体調的にカウンセリングに行けない。どれだけこの日を待ったか。そしてその日は何も解決しない。つまりカウンセリングをキャンセルした。
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夜は久しぶりのmue@吉祥寺MANDALA2へ。
mueさんの記憶によると4年ぶりだそう。相変わらず美しく、まろやかな声だった。おそらく出発点はボサノヴァにあって、まっすぐでコブシがない声がすっと心に届く。mueさんの周りには不思議な民族音楽がたくさんあって、ほとんどトロピカルミュージックな小笠原民謡も伊藤多喜雄さんと共演しても、まっすぐに歌う。ピアノを弾いたり変則チューニングをしたり、凝ったことを試しつつ、また言葉はそれ相応に重みがあるんだけど、それでもポップであろうっていう姿勢が好き。とても穏やかで心が明るくなる音楽だ。なんと、嵐の天神山を経験してからFUJI ROCKに懲りてるそうだ。
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対バンはなんとpocopenさん。あのsakanaのpocopenさん。相変わらずちょっとスモーキーな琥珀みたいな声で、遠い国の物語を紡いでいた。彼女の音楽世界、旅の世界は続いていくのだなあ。最高だった。amiinAに曲を提供してくれないかしら。ギターのプレイがいい意味で熟れてて、特にベースラインの作り方が印象的だった。
ソロアルバムを購入したんだけど、お喋りする時にさすがに緊張したよね。
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そして初めましてのに角すい。女性ツインボーカルのユニット。1人はボーカルに徹して、曲を書いている方はピアノを弾きながら。その掛け合いのアイデアが面白かった。
ジャズが基本にあるんだけどプログレ的な展開もあって、カンタベリーっぽいな。リズム隊のサポートは素直にリズムを刻むだけじゃなくて、効果音的に音楽世界を引き立たせる演奏だった。折坂悠太 (合奏) のメンバーでもあるそう。
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帰り道、風がちょっと涼しかった。何年経っても思い出してしまうな。
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25日。猫「下僕よ、お主のズボンを温めておいたぞ」「そういうのは冬にやれ」。ほどほどに暑い日。昔の東京の夏ってこんな感じだったよねって日。
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昼はずみをワンマン「夜は息ができる」@渋谷gee-geへ。
前回のワンマンは、手描きのアニメーションと弾き語りが交互に出てくる構成だった。自宅での個人作業の積み重ねと、独りきりでの演奏。とても素晴らしいライブだったけど、すべてはずみをさんの中で完結してた。この日はバンド編成、ピアノとドラムが入ってとても外に開けた表現だった。それが出来る自信が見えた。表参道で髪を切った話も自虐的にしてたけど、前のずみをさんだったらなかった発想だろう。どの曲もバンドで活き活きして、少しづつ扉を明けていることを頼もしく感じた。
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彼女も風邪気味だったけどその気配は見せず、独特の鼻にかかった声は表情豊かで、ファルセットも入ってきてひっくり返る瞬間が気持ちよかった。
楽曲も言葉遊びが上手で、それを音楽に乗せるメロディメーカーでもあって、でも言葉遊びに頼らなくても伝えたいことが伝えられるようになったように感じた。”グラスホッパー” って曲を書いたことが、彼女にとってとても大きかったんじゃないかな。
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久しぶりにPied Piper Houseに行ってレコーヨ爆買い。大滝詠一さんのギターが展示されてた!! 渋谷タワレコでは、鈴木慶一さんがプロデュースした原田知世さんのアルバムを試聴してたら、後ろからキャンペーンに来てた知世さんに覗き込まれてびっくりした経験がある。ドギマギした。1992年、知世さん25歳、僕20歳の頃の話。
CHAGE and ASKAからASKAが脱退したことを把握。ってことはCHAGE1人でチャゲアスを名乗るの? 安藤裕子さんと組んでCHAGE andになればいい。
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夜はKERA@Billboard Live Tokyoへ。
ビッグバンドジャズのアルバム第二弾 “LANDSCAPE” のリリースライブ。KERAさんのお父さんはジャズミュージシャンだったのだ。お父さんの病気がわかった時、KERAさんはジャズのアルバムを作ろうとした。でもなぜか秋元康がプロデューサーについて、秋元がジャズ路線を却下した。秋元も酷いけどポニーキャニオンも酷い。秋元ごときにKERAさんほどの言葉が紡げると思ったのか。KERAさんのジャズをお父さんに聴いて欲しかった。
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ライブは、ガチなジャズファンが聴いたら違うって言うかも知れない。でも僕はKERAさんの粋でエスプリが効いてロマンティストなところが大好きなんだ。アカデミズムとくっついたあのバンドより、ナゴムが好きだった。
世界観も歌声もトークもKERAさんで、Long Vacationの延長にあった。バンドメンバーは、伏見蛍さん、坂出雅海さん、佐藤真也さん、ファンファンほかロック畑の人々。
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”シリーウォーカー” はナゴムに捧げられた。瀧さんのこと、亡くなった方、病気をした方もいて、ノスタルジーに浸りたくはないけどナゴムについて考えざるを得なかったって話してた。昔の実家を処分する時に子供の頃の写真をいっぱい見たそうで、かつて愛していた犬に捧げた “ケイト” 、お父さんに捧げた曲もあった。
“見上げてごらん夜の星を” を歌った時は、後ろのカーテンが開いてパーッと夜景が見えた。KERAさんのソングライティングやカバーのセンスには、根っこにジャズを聴いて育った経験があるのかも知れないな。
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この日の夜はさらなるダメージを受けることになった。
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26日。何事も成し遂げなかった日。オフ会0人の彼はいまごろ何してるのかな。僕もそっち側の人間だから。
虫が苦手になったのはいつからだろう。小学生時代の毎年の合宿で、自然観察の班はいつも動物班で虫を追いかけてた。いま思えば女子の多い植物班か気象班にすればよかった。純粋だったんである。気象班は天体観測から地学まで扱っていて、適性的にもよかった。動物班で別にウサギとか触れるわけじゃないし。ひたすら虫だった。
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27日。矢野顕子トリオ@BLUE NOTE TOKYOへ。
夏の恒例、Yano Akiko - Will Lee - Chris ParkerのBLUE NOTEライブも11年になるそうだ。相変わらずサイコーだった。普通に考えてあの3人のプレイが間近で観れるのスゲー。相席の3人が若きドラマーで、釘付けになってた。トリオのアンサンブルはもちろん、仲の良さそうなMCというかコントも見どころ。あっこちゃんは本当に世界を舞台に音楽してるんだな。”いろはにこんぺいとう” で始まったライブは "When We’re In Space" 、カバーをはさんで “Home Sweet Home”。Will Lee「トーキョーはホームだ、コンフォタブルでセーフティで...」って語り出すと伊福部昭さんの “ゴジラ” に繋がる展開。
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Will Leeのベースがメインのメロディを奏でる “Prayer”、Chris Parkerの圧倒的なソロ、Young Rascalsのカバー “How Can I Be Sure”。本編最後は “東風” あっこちゃんのバージョンから本家YMOのバージョンにアレンジが展開していった。つまり、細野さん、幸宏さんのリズムセクションをWill Lee、Chris Parkerが完コピするという。
アンコールは “ラーメン食べたい”。猛烈にラーメン食べたくなったよ。画家としても一流のChris Parkerの描いた猫の絵を買ったら、サインと握手をしてくれた。また来年の夏にあのトリオに会えますように。
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ところでBLUE NOTEやBillboard Liveに女の子連れてくるおじさんは、いわゆるパパなのかね。僕も若いミュージシャンにああいうライブを観せてあげたいよ。
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28日。鈴木慶一さんの誕生日。#もし自分でフェスを開くなら呼ぶアーティストはこの8つ ってタグが流行った。Vampire Weekend feat.Rostam, The 1975, Billie Eilish, Afrocubism, David Byrne, Paul Simon with Ladysmith Black Mambazo, Peter Gabriel with Youssou N'dour, amiinAを選んだ。Peter Gabrielっていまライブやってんのかな。
九州北部は西鉄も止まるほどの豪雨だそうだ。西鉄も止まる、の感覚がわからない。関東で言うなら京急も止まるくらいかしら。
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SIDE-Cに続く。
8月28日 SIDE-C 夏休みはもう終わり
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世の中のことを。「アマゾン熱帯雨林、記録的なペースで火災発生」。「アマゾン森林火災、原因は『過剰な伐採』と専門家」。アマゾンで3週間以上も極めて大規模な火災が続いてる。森林が負のスパイラルに陥っているって指摘もある。シベリアでも7月末から大規模な山火事が続いてる。
「海面埋め尽くす軽石の群れ太平洋を漂流 グレートバリアリーフの再生に期待」。海底火山でできた軽石の浮島に若くて元気なサンゴや微生物がついて、グレートバリアリーフの死滅した珊瑚礁を再生させるかも知れない。で、こういったことは地球の歴史の中で何度もあったかも知れない。
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夏休みの終わりを前にして春名風花さん。「毎年この時期になると『無理して学校に行かなくて良いんだよ』というツイートがタイムラインに溢れます。一見優しい言葉に見えますし、緊急対応としても間違いではありません。でも、『学校に行かなくてもいいんだよ』と言うメッセージは、本来、いじめている側にかけるべき言葉です」。
連投を要約すると、いじめられてる側には誰にも邪魔されずに勉強する権利がある、いじめてる側はその権利を邪魔してるんだからお引取り願う。正論すぎる。
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「『握手』でいじめ、なくなるの?」って記事に斎藤環さん。「いじめに対してこういう腐れ指導をするな。加害者と被害者を平等に扱うな。必要なのは 1:加害者の謝罪 2:加害者の処罰 3:被害者の納得 が最低ラインだ。『指導』は一切不要。加害者への事情への配慮なんて高級なことは百年早いわ」。
同じく斎藤環さん、自身の「2030年「ひきこもり長寿社会」到来で財政難か大量衰弱死か」って記事に、「20年前に『ひきこもり100万人』を予見したものの責任として断言するが『ひきこもり1000万人時代』は確実にやってくる。なぜなら毎年確実に増え続けているのに、減る理由が何一つないから。問題はそれが20年後か30年後かという点のみ」。
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「宇宙空間で初の犯罪容疑? NASA飛行士、口座不正侵入か」。「『痴漢防止ハンコ』販売 シヤチハタが開発」。痴漢の犯人の手にハンコを押すと、消えないインクで印がついて、犯人特定に繋がる。ほかの犯罪にも使えそう。
ギター好きの犬のYouTubeチャンネル。
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日韓関係のことを。「日韓関係の悪化は長期的には日本の敗北で終わる」。「繰り返される日本の政治家の歴史修正主義的発言の裏には...植民地主義丸出しの韓国・朝鮮に対する差別意識が」「『歴史戦』は日本の外から見れば明らかに日本の劣勢であり、長期的に見れば勝ち目のない戦い」。
「韓国のベテラン議員が解説する朝鮮半島の今」。「保守層の言う通りにするならば結局『戦争しよう』ということにしかならない。戦争したら保守層は生き延びるのか? 日本も生き延びる? みな死にます。だから戦争を抑制する方向に進まなければならない」。
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「GSOMIAが韓国の『切り札』となる理由」。「トランプ米大統領が執念を燃やす朝鮮半島の緊張緩和から、日本は『置いてけぼり』状態になりつつある。GSOMIAが再延長されず北朝鮮の内部事情を探るチャネルを失う状況に陥れば、外交上の大失策となる致命的な判断ミスを招きかねない」。
「GSOMIA終了に伴う韓国大統領府の談話を全訳してみた」。うちの老獪なボスとその取り巻き、メディアと信者たちが申しわけない、としか言いようがない。「『大統領演説に日本は感謝もない』韓国高官が破棄釈明」。「文氏は光復節の演説で、歴史認識問題をめぐる日本批判を抑え、『日本が対話と協力の道に出れば、我々は喜んで手をつなぐ』と関係改善を呼びかけていた」。
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「過去の戦争責任を忘却しきった日本」。古賀茂明氏。「危惧するのは、過去の戦争責任を忘却しきったような日本のムードが世界の人々との間に溝を生むのではないか。韓国に『無礼』と反発すればするほど、世界からは『日本は過去に目を閉ざそうとしているのでは?』と見られる」。
「『平和の少女像』作家が中止後初、表現の不自由展会場を訪問」。「ベトナム戦争時の韓国軍による民間人虐殺を題材にした『ベトナムピエタ』という作品もあり...過ちの記憶を残すことで反省を促すことは、明るい未来には必要だ」。「終末はこのように来る 徐京植」。「芸術に対する権力の干渉は人間の感性そのものに対する干渉である。…何が『美』で何が『醜』かといった基準まで権力が押し付けることになる。このような光景を私達はかつて日本で、ドイツで、世界の至る所で繰り返し目撃したはずではないか」。
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いい話も。「住民680人の島に300人の韓国人が訪れて起きたこと 大分の離島、大入島の温かさ」。「『(彼らの) 母国語でもてなしたい。ささやかだけど、喜んだ顔が見たい』。数十人の島民が月に2回、公民館に集って実践的な会話の練習に励んでいる」。
何度も書いてるけど、世界的に見て隣の国と仲のいい地域はそんなにない。だからこそ隣人との関係は気をつけなくちゃいけないのに、安倍政権は自身の問題から目をそらして支持率をあげるために嫌韓を押し出して、赤坂飯店で飯をおごってもらったメディアもそれに便乗して、国を挙げて泥沼に飛び込んでる。
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音楽のことを。忙しい人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2019/8/22を。あるいはバラク・オバマ前米大統領の今年の夏のプレイリストを
Lil Nas Xの “Old Town Road (feat. Billy Ray Cyrus) ” が更新し続けてたBillboard連続No.1記録19週を、Billie Eilishの “bad guy” が止めた。Billie Eilishにとって初めてのシングルNo.1。フックのない曲だけど聴いちゃうよね。電子音楽の歴史をたどるインタラクティブ・マップ「Ishkur's Guide to Electronic Music」。これ僕ぜんぶひっくるめてテクノって呼んじゃうんだよな。ちゃんと勉強しよう。
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細野晴臣さんの50周年記念公演が開催される。また、ドキュメンタリー映画「NO SMOKING」が公開される。予告編はこちら。ピーター・バラカンさんの名著「魂 (ソウル) のゆくえ」が30周年記念でリニューアルされる。大友良英さんがのんちゃんに書いた手紙が公開された。山口一郎さんがゲリラストリートライブをしてツイッターへの投稿を促した。大橋裕之さん原作、岩井澤健治さん監督のアニメーション映画「音楽」の主役を坂本慎太郎さんが演じる。FUJI ROCKで写るんですで写真を撮り、誰かに渡すカメラリレーのレポートが公開された。フジロッカーにはフジロックとフジロックロスしかない。
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