DIARY
2019年12月
12月7日 SIDE-A ミュージシャン音楽を愛してない問題
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最近、身近なミュージシャンと話してて、音楽を聴いて打ちのめされた経験がなかったり、音楽の果てしなく深い海を探検してみようって好奇心がなかったり、そもそも音楽の海の存在を知らないんだなって痛感することが多い。
もうひとつ、表現文化は「上手い」「下手」の勝負をする場じゃないって気づいてない人が多い。上手い下手だけで勝負したら、Daniel Johnstonが世界でこれだけ尊敬を集めてる説明がつかない。緻密でリアルな絵を描いてもまったく響かないこともあれば、チンパンジーの絵が高い評価を得ることもある。
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聴く人と演奏する人は違うみたいだ。僕は8畳間を1つ潰して何万枚のレコードやCDを詰め込んでるのにいい音楽を生み出せない。世の中に何ももたらさない。たとえ音楽業界が少し潤っても、その資金でいい音楽を生み出してくれるかは僕にはコントロールできないんだ。っていう悲しみを感じた。演奏する側になりたかった、モテるし。
だから、才能がある人にいい音楽を伝えることが音楽に対する貢献だと思ってる。最近では、AATAさん、Ritomoさんにはお薦めのCDをプレゼントしてる。で、次に会った時に感想をくれる。それを聞いて、じゃあこういう音楽を聴いたらもっと表現が豊かになるんじゃないかって考えるのが楽しみだったりもする。
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表現者にとって、未知の表現に対する興味を持つことはステップアップの基本だと思う。「その曲を聴く前には思いもよらなかったことに目を開かせてくれたり、自分の考え方を少しでも変えてくれる曲 (David Bowie)」と出会うこと。その喜びを伝えていくこと。
たぶんこの島国以外ではいまでも、いい音楽を聴いてきた人がいい音楽を作り出してると思う。いいインプットを自分の中で咀嚼していいアウトプットにする。この島国では、いいインプットがなくてもそれなりに形になってれば売れる。世界には通用しないだろうけど。驚きの、コピーのコピーじゃどんどん劣化してつまんなくなるからね。
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セミプロのライブに行くのを減らそうと思う。彼らが表現のために鍛錬を積んでるのは確かだ。で、「いまは勝負時だから」とか「今回集客が厳しくて」とか言われると、情に絆されて行ってしまう。金銭的にも時間的にも体力的にもリソースを割いて行ってしまう。もちろんライブを観てる間は楽しいよ (つまんない人もいるよ) 。
演奏する側は必ずしも完璧でなかったとしても、それ相応の充実感があるだろう。僕は観て感想を伝えて、ちゃんとした感想は日記にまとめる。それでキャッチボールが成立してるかってば、ミュージシャンからしたらたくさんの観客の感想をぜんぶ読めないわけじゃん。
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自分の表現活動したいけど、プライオリティ的に日記を書いてる時点でリソース残ってないんだ。日記1本書くのに20時間30時間かけてる。っていうのは自分に起きたことだけじゃなくて世の中のことも書いてて、それは前の戦争を体験した人々の日記がいま意味を持ってるからだ。この国が崩壊する過程を記録する必要を感じてる。もうひとつ狡い言い方をすれば、病気をたくさん持っててそもそもの体力や精神力が足りない。
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ほんの気まぐれで描いたイラストが評判良くて、ちゃんとやってみたいと思った。音楽にももう一度向き合ってみたい。ほんとうはインプットとアウトプットのバランスが取れてるのがベストだし、インスピレーションを与えあって表現文化は発展してきた。でも観に行くミュージシャンにインプットする気がないならそれ無理じゃん。ちゃんとインプット・アウトプットしてる表現者と関わりたい。
表現者がインスピレーションを与えあって成長してきたっていうのは、現代美術史を紐解けばわかる。音楽ならば、"Rubber Soul" を聴いたBrian Wilsonが "Pet Sounds" を作って、それを聴いたPaul McCartneyが "Sgt. Pepper's" を作ったみたいなことだ。それがなければBeatlesはいつまでもBuddy Hollyの真似事をしてただろう。
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特にセミプロSSWシーンって、女性は音楽が悪くても可愛いければ集客できるわけ。男性はどんなに音楽が良くても動員に苦戦してる。女性ミュージシャンとやり取りをしてると威嚇いいねがつく。男性ミュージシャンとのやり取りにはつかない。
聴いてる側も音楽を愛してないんだ。若くて可愛い女の子とお喋りするためにライブハウスに行ってる。音楽を聴きに行ってる僕は招かれざる客なのかも知れない。あるファンがミュージシャンに、「紅白やレコ大に出なさい」ってしきりに話してたの。僕は紅白やレコ大をおおよそ面白いと思わないんで、「中村佳穂さんみたいなブレークの仕方もありますよね」って言ったら「ああ、なんかマニアックな人でしょ」って一瞥された。
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響くには受け止める側のセンスと才能も必要だ。双方が共振した時に、芸術は完成する。前に、映画館でスマホを見ている若者が増えてるって記事を紹介した。ストーリーが難しかったり「YouTuberの動画より長い」って感じると飽きてスマホを開いちゃう。その難しさや長さの壁を越えたところに表現文化の喜びがある。
ある音楽関係者にそんな話をしたら、「ほとんどのSSWは音楽なんかより自分が大好きでしょうがないんだよ、自分勝手で自分のことしか考えてないからいまの立場を築けたんだよ」。深く納得すると同時に、日本の音楽に未来はないなと思った。
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失望して帰ってきてタイムラインを開いたら、鈴木慶一さんが頭脳警察観てROTH BART BARON観てCosmo Sheldrake観て「ドクター・ホフマンのサナトリウム」観てた。優勝です。こういうところが慶一さんの信頼できるところだ。もちろん作り出す音楽も素晴らしくて、それはインプットをちゃんとしてるからだ。
目指すところが音楽なら、ガールズとしてコレクションされてる場合ではない。
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SIDE-Bに続く。
12月7日 SIDE-B Life is Live
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26日。寝てない自慢をするなれば寝てない。うはは、おそと寒い!! 体のメンテナンスを受けてAnni Hung / Four Pens / 君島大空@渋谷O-nestへ。
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最初に登場したのは君島大空さん。合奏形態ではWWWXでのROTH BART BARONとの2マンや、嵐のFUJI ROCKでのRookie A Go Goを観てきた。音の洪水だった。けど独奏形態を観るのは初めて。
アコギにエフェクトをかけてピッチを変えたり逆回転する演奏はJohn Faheyみたいだった。流麗な早弾きとエフェクトの組み合わせがオルタナだった。でもただ尖ってるだけじゃなくて、音楽的に必然のある演奏だった。
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そんなギタープレイとハイトーンボイスが組み合わさると、繊細で壊れてしまいそうな絶妙なバランスの上に成り立った美しい音楽になる。ボーカルは細かいビブラートがちぎれてしまいそうだった。あのボーカルを古いボーカリストはどう評価するんだろうか。
最初に “蘇州夜曲” を演奏したのも印象的だった。よく似合った選曲。対バンのFour Pensに日本語が堪能なメンバーがいて、普段は楽屋で隅っこの方にいるそうだけど、和気あいあいと過ごしたみたい。
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続いてFour Pensが登場。たぶん4,5年前にも一度観てる台湾のバンド。アコギの男性とキーボードの女性とボーカルの女性のトリオだ。そしてバンドの初期からカラーを決めてるのが鉄琴の存在。キーボーディストかボーカリストが演奏する。キーボーディストはピアニカも演奏してた。トイトロニカ的な感じかな。
ボーカリストはタンバリンを叩いたりフィンガースナップしたり、リズムのバリエーションとバランスが良かった。MacBookも置いてあって、何かしら音を出してたと思う。
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ギタリストはバンドの屋台骨、安定した確実なプレイで支えて、その上を漂うキーボーディストの音色のセンスが素晴らしかった。ボーカリストは声が美しくて伸びやか、それに絡む男女2人のハーモニーやユニゾンが楽しげだ。南の島のバンドなのに北欧の香りがして、結果として世界のどこにもないバンドになってた。
Clammbonの “シカゴ” をオリジナルな解釈でカバーしてた。ギタリストはユーモアの人で、キーボーディストは佇まいが原田郁子ちゃんに似てて、ボーカリストはひたすら美しい。Mix CDを差し上げたら、「思い出した、5年前にも別のを貰ったよ、好きな音楽をシェアするのはクールだ」って言ってくれた。
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Anni Hungさんは今回が初来日でノーチェックだった。台湾の女性SSW。奇をてらわない普通にいい曲を演奏する、そのよさは世界のスタンダードになり得るレベルだった。
淡々とステージを進行するんだけど、MCの日本語をスマホで読み上げるお茶目さもあって、柔らかい佇まいの可愛らしい女性だった。声が透き通っててギターも安定の演奏。
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友達の猫のことを歌ったって曲、サビのmiao miaoが可愛かった。Four Pensのギタリストが参加して一青窈さんの “ハナミズキ” のカバーも披露した。
最後の2曲は変則チューニングでまたしても名曲を披露して、初期のJoni Mitchellを思い返した。あとで話した時にJoni Mitchell知らないって言ってて、スペルをメモしてた。興味持ってくれるといいな。アンコールはFour PensとAnniさんのコラボでお互いの曲を1曲づつ。美しい女性3人に囲まれたギタリストが羨ましい。
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「忙しい」は言い訳にならない、プライオリティの問題だってほんとだよなあ。
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27日。9時に目覚ましをかけて13時に起きた。精神科の通院、障害者支援センターの歩く会と面談をキャンセルしちゃった。ポストBjorkとも呼ばれる北欧ポップの新星AURORAのチケットを取ってたんだけど、それにも行けなかった。残念すぎる。才能が爆発する瞬間を目撃したくて、9月にJacob Collierのライブに行けなかったこともまだ悔やんでる。
部屋の掃除を途中までした。途中でやめたのは市指定のゴミ袋が尽きたから。っていう時点でどれだけ汚かったか想像がつくと思う。
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猫の島 青島のアカウント、前は人気の美猫の紹介が多かったんだけど、最近仲間に打ち解けられない猫や、いじめられてご飯にありつけない猫の紹介も始めて、胸が痛いしフラッシュバックすることもある。猫の世界も大変だよね。
夜は溜まってたラジオをタイムシフトで2本聴いた。2本ともメールが読まれて嬉しい。どっちもパーソナリティーさんの反応がよかったのも嬉しい。のんちゃん最近ほんとうに引っ張りだこだな。2年くらい、ブログの内容が自室でのファッションショーだった時期がある。こんな才能を放置してたのは大きな罪。
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28日。寒い。大貫妙子さんの誕生日。前の日に行けなかった精神科へ。何度も書いてるけどこの街に引っ越してきてググってたまたま電話が繋がったクリニックで、主治医が信頼できない。ほかの患者さんのことをペラペラ喋るし、軽薄でケラケラ笑ってる。オープンダイアローグを知らなかったくらい勉強不足で、いろんな意味で相談相手にならない。ただ転院する手続きが面倒なのと、予約がいらないんで通い続けてる。
治りたい、このトンネルから抜け出したい気持ちは強くある。時間を確約できる体調だったら遠くの病院に行きたい。
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定食屋に入ってお腹空き過ぎてどれから食べていいかわからなかった。基本的に好きなもは後に取っておくタイプなんだけど、一番魅力がないものは熱すぎてもうちょっと待ちたいとか、天ぷらは好きだから取っておきたいけどサクサクのうちに食べたいとか。結局基本に戻ってお味噌汁を一口飲んだ。
SOLEILバージョンの “ハイスクールララバイ” を聴いてたら突然「もじもじ問いかけた瞬間に夕陽が落ちてきた」ってフレーズがグサっときた。原曲ではなんとも思わなかった。松本-細野コンビすごいしSOLEILすごい。
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障害者福祉センターのフィットネスプログラムに久しぶりに行けた。偉い。痩せる。何度も書いてる通り、ここは体育の授業とは違って出来なくても殴られたりしないんだけど、やっぱり体を動かす場に行くのは億劫になる。
藤原麻里奈さんって車持てるほど稼いでるのか。って昭和の時代は大学生がみんな車を持ってたそうだけど。
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小沢健二さんの “So kakkoii 宇宙” は “犬” と “LIFE” のいいとこ取りで、2020年を直前にした今と対峙してて、僕は大好き。長谷川白紙さん、崎山蒼志さん、君島大空さんとオザケンがいる今が好きだ。高野寛さんの新作も含めよう。
僕はフジロッカーなんで「どしゃぶりの雨の中で騒ごう / フジロックみたいに / 関係ないよ格好よくても変でも」って歌詞を最初に聴いた時は泣いてしまった。大切なキーワードや合言葉がたくさん隠れてて、でもそれが内輪受けじゃなくていまのこの世界の普遍に昇華されてる。このアルバムについて語るときりがない。
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夜は菊池万博@西荻窪artrionへ。
大いなる宇宙annasekaiさんとの絵本うたユニットばんぱくとあんなで知って、万博さんも大いなる宇宙だわって感じてずっとライブを観たかった。Beatlesを中心としたブリティッシュロックのカバーを一人多重録音で公開してて、味のあるプレイヤーだし音楽への愛がひしひしと伝わってきたんだ。
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想像以上に素晴らしいショーだった。特に気になってた “配達の仕事” って曲、配達員についていろんな視点で描くのは文学的だと思ってたんだけど、実はミュージカルが好きで、いろんなキャラクターが彼について語ってるイメージなんだって。なるほど。
黒っぽいブルーズの側面もあって、それもBeatlesやStonesを経由して受け取って自分なりに解釈した黒さだという。The Whoの、特にKeith Moonのファン。ジャングルやドラムンベースを初めて聴いた時、Keith Moonのフィルだって感じたことを思い出した。音楽を好きな人の音楽を聴くのは大きな喜びだ。
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対バンのストールンシネマさんは、見るからに線が細くてマニアックに音楽を吸収してる方って印象を受けた。出てくる曲はスタンダードな名曲ばかり。でも中には変態性もあって、例えば橋から飛び降り自殺する人を写真に収める趣味の歌なんかもある。イギリスのミュージシャンが好きそうなブラックユーモアだ。
シネマを名乗るだけあってすごく映像的だった。シネマって名付けてから映画を観るようになったそうで、散々観た結果たどり着いたのが一周回ってマーベル映画なんだって。その地平に行ってみたい。
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そして田中さとるさん。一発声が出た瞬間に引きつけられた。美しい真っ直ぐなハイトーンボイス。ビブラートをかけたハイトーンボイスは最近多いけど、この声はないなあ。
で、ギターのコードも洒落てる。3人とも洒落てる。聞いたら洒落たコードで進行していった方が運指がしやすいらしい。僕はギターほとんど弾けないんで、そういう発想はなくてびっくりした。美しい歌声と繊細な音楽は、ストールンシネマさんと「Jonsiですね」って話してたんだけど、実はファイナルファンタジーのサントラを聴いてきたという。そういう経路のヨーロッパなのか。
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29日。George Harrisonの命日。うつ伏せになってスマホ見てたら猫が背中に乗って身動きできなくなった。そのまま猫、背中で寝た。ゴロゴロ言ってる。ご機嫌ならまあいいか。去り際に静電気ばちっ。
インプットしたい情報が多すぎて結局目詰まりしてる。アウトプットも目詰まりしてるな...丁寧に生きよう。ぽんちゃがゴンちゃん知ってるの胸熱。フジロッカーなのかな。
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電車に乗ってたらAmazonの配達員から何度も電話がかかってきて、留守電に「この番号に返事ください」って吹き込んであったんで、かけたらAmazonの代表に繋がったんだよ。で、本人確認やらなんやらして、結局「どの荷物のことかわからない」と。出品者を評価するなら一番悪い出品者はAmazonだ。
出品者といえば「アマゾンの制裁で会社を潰しかけた36歳の告白 月500万円の売上がアカウント停止後に凍結」って記事が話題になった。税制の抜け道を利用して112億ドル稼ぎながら所得税ゼロ還付金1億ドルなのも有名だし、うーんAmazonに依存するのは人としてどうなのかな。音楽と猫のことを考えて心を落ち着かせよう。
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夜はずみを / 田中ミズホ@高円寺U-hAへ。
一番手のずみを、打ち込みのクオリティが非常に高くなってて驚いた。いいトラックメーカーを捕まえたな。あるいは短期間でここまで成長したのかな。そして新曲の言葉の巧みさ。もともと持っていた韻の踏み方の面白さはそのままに、心情描写のための映像描写、風景を描くことで心理を浮き出させる言葉の世界に浸った。映画をいっぱい観てるそうで、そういうところも影響してるのかも知れない。特に恋愛の歌のリアリティが増した。
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作曲家としても、初期のいわゆるJ-POP然とした曲作りから、親しみやすさはそのままにずみをのメロディだって思わせる大きな個性を手に入れた。そんであのくすぐったいような独特の歌声。自分の音楽を追求してるなあ。
衣装もどんどん洗練されて、東京に1年半いるとこうも変わるのかと思った。初めて "グラスホッパー" って曲を聴いた時にものすごく驚いて、でもそれからの新曲がみんないい。いろんな人に聴いてもらいたいと思う。
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田中は毎回ステージを作り込んでくる。ブレのない安定感がある。アドリブもありつつの、歌いまわしや演奏は毎回きっちり完全な形で出してくる。彼女が演劇をやってたことと関係があるのかも知れないな。
発声も演劇に由来するのかも。ちゃんと鍛えてるから届く歌が歌える。楽しいコミックソングから心の深淵を覗き込むようなシリアスな曲まで使い分ける。”灯り” はスゲー名曲だ。僕はこの曲にコンテンポラリーなソウルのセンスを感じてて、そういうところが田中的には鬱陶しいかも知れない。
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っていうのは田中にはSIDE-Aに書いた、音楽のインプットとアウトプットの話をしてたんだ。それをどうも、僕が古いものを聴けって言ってるように捉えてるのかな。
古くなくてもいい、例えばBillie EilishやFKA twigsやJanelle Monaeみたいに、リアルタイムに生まれてくる音楽に回答してくことは表現者の責務だと思うんだよ。古い音楽、ルーツについても出てきた時は新しい鮮度を持ってた訳で、それに時間差で回答してもいい。つまりコピーのコピーじゃつまんない。オリジナルに回答する力がある音楽家だと思う。
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さらにもう一組日々かりめろ。ギタリストとパーカッショニストの男女デュオ。
主に女性ギタリストがボーカルを取るけど、パーカッショニストがリードボーカルを取る曲もある。MCもパーカッショニストで、彼がリードしてるのかな。白髪交じりのおじさんだと思ったら年下でびっくりした。ギタリストもいまどき見ない昭和なパーマとファッションが馴染んでる。いなたいグルーヴですごくよかった。ディープサウスな感じ。
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この日の出演者はみんな地方出身を押してくる。日々かりめろにも「里山はあの頃のままあります」的な曲があった。東京者としては、バブルの時代に長渕剛みたいなのが「死にたいくらい憧れた花の都大東京」って土足で踏み込んできて、ITバブルの時代に堀江貴文みたいなのが「ちょっおかしくないですか」って土足で踏み込んできて、地価があがって原住民は相続税が払えなくなって去るのみ、街は迷宮に改造されてもう故郷の痕跡はなにもないんだ。っていう悲哀を歌えるのはMoonridersくらいしかいない。
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日々かりめろの曲はみんな手拍子で歌える。カホーンもシンバルもバシバシ叩く。カホーンの中にはブルース・ブラザーズのミニカーがあった。わかってらっしゃる。
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だいぶ飲んで帰った。Marvin GayeはNat King Coleになりたい人だったのか。「この世界の (さらにいくつもの) 片隅に」のクレジットの確認が来たんでながめてたら、細馬宏通さんのお名前を発見した。
New OrderのO.A.に石野卓球さんが決まって喜んでたら、そのために開場・開演時間が30分早まるって連絡がきて、マジかってなった。
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プリンターのトラブルで徹夜になった。何度も書いてるけど印刷はプロフェッショナルな作業で、そもそも家庭用プリンターを売るのはどうなのか。毎回ネットプリントでセブンイレブンに走ったほうがトータルなコストパフォーマンスがいいような気がする。
サポートセンターが午前10時にならないと電話受付をしない。万策尽きて、すごい出遅れてアンタッチャブルのサプライズ復活を観た。切れ味そのままで面白い。時間つぶしにアンタッチャブルの動画を漁った。これが一番好きだな。
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30日。11月30日問題っていうのがあって、つまり洋邦問わず魅力的なミュージシャンがこの日に示し合わせたように東京でライブするんだ。みんな困惑してた。僕は迷わずamiinAを選んだ。苗場に行ってる方々も楽しそうだけどな。
前日徹夜だったんでカウンセリングはごめんなさい。2時間だけ寝て青山月見ル君想フへ。千代田線が新車の香りだった。月見ルは月があるのとフードがあるのとWi-Fiがあるのとカウンターのお姉さんが可愛いのがいいな。
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対バンの開花は、アカペラから始まってコーラスアレンジが素晴らしかった。曲もよくて下品な音を使わないのも気に入った。メンバー構成は6人組で、中学生が4人、高1がひとり、高3がひとりっていう不思議なバランス。中学生のメンバーはまだ声や顔が出来てない。ルックスもボーカルも高3の娘が圧倒的だった。みんな成長してアレンジャーの意図通りのコーラスになったら恐ろしいことになる。
もう一組の対バンはハードなのに4人中2人がメガネ。心地よく聴いたけど苦悩のうめき声が限りなくあえぎ声っぽくてこれ大丈夫なのかよと思った。
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amiinAは攻めたセットリスト。アルバム最後の “Discovery” を最初に持ってきた。アルバム “Discovery” はループになってて、最後のタイトル曲は1曲目の静かなピアノインスト “zion” に繋がるんだ。ってことは1曲目が静かに終わる。Wonder Traveller!!! OKINAWAの雪辱のために、沖縄に行くまで前の振付は封印して新しい振付にしたという。
「いつもなかなか聴けない曲をやります」と言って、定番の ”Jubilee” や ”Signal” の合間に “monochrome” や “cosmos” を。”Canvas” で大団円かと思いきやの “Atlus”。
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ボーカルがシャープしててっていうのは決して下手なわけじゃなくて、amiinAの歌詞世界が描き出す人生の旅立ちのもどかしさを表現してた。プロデューサー齊藤州一さんの作り出したイメージが、詞にも曲にもサウンドにも振付にも衣装にも込められてて、amiinAの2人はやらされてる感なくその世界を表現する強い意志を持ってる。
とにかく観てて胸が高鳴るよ。観客の振りも腕を挙げる動作が多くて、踊ってるうちに恍惚の世界に連れてってくれる。魔法のユニットだし魔法のプロジェクトだ。客電がついてもアンコールの拍手が鳴り止まなかった。
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amiinAの2人に、レコードとポータブルレコードプレイヤーをプレゼントしてみた。アイドルには可愛いアクセサリーやコスメやお菓子をあげた方が喜んでもらえることくらい知ってる。そういう機会はいつでもある。彼女たちをミュージシャンとして尊敬してるが故のチョイスだ。詳細な聴き方マニュアルも書いた。かなりチャレンジングだけどどうかな?
彼女たちが聴いてくれて気に入ってくれて、NegiccoのMeguちゃんがアナログに興味を持ってDJ Meguとしての活動を始めたみたいに、何かが起きないかなと思ってる。
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ふぉー多摩村さむい!!
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12月1日。非常に久しぶりにぐっすり (Good Sleep) 寝た。いわゆる暦の上ではディセンバーなのだ。
やっぱり音楽と猫のことを考えるのが一番しあわせ。つまり好きな音楽かけて猫を抱いてるいま最強。
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さわひろ子@東京ゲストハウス王子ミュージックラウンジへ。
半年前のワンマンで声が殆ど出なくなっちゃって、それでも最後まで歌い通して「同じメンバー同じ場所でリベンジします、皆さんを招待させてください」と。雪辱を晴らすような素晴らしいライブだった。けど決してやり直しではなくて、そのぶん進化したさわひろ子さんを観せてくれた。1曲めが始まった瞬間からこれはいいライブになると思った。はらかなこさんPf.、横山渉さんBa.、まぁびぃさんPer.のバンドがすごくいいのは言わずもがな。
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水滴や色水、落ち葉や枝を使った幻燈に照らされた真っ白な衣装の4人。「夜明けの晩」に閉じ込められたわたしの物語を紡ぎながらライブは進む。さわさんの声の柔らかさと強さと優しさ、全身を使った表現力が溢れかえってた。躍動感と母性を感じさせるぬくもりのコントラストが見事。普遍的な作曲力と、言葉や曲の良さがちゃんと届く歌。これがさわひろ子ですってライブだった。
アンコールでは大きなモニターが現れて、”玉響” のMVをお披露目。さわさんの表情がとってもよく映ってた。バイオリニストのあすなさんが登場してHappy Birthday、消せない花火を吹き消そうとするさわさん。締めはクリスマスの歌。幸せな時間だった。
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ナスカの痴情ェさん。「自分の好きな曲を選択し『マイ・ベスト』と銘打って好きな子に届ければ思いは届くと、20世紀、多くの男子中学生男子高校生の屍体の山を築いた『カセットテープ』を発明した奴は地獄に落ちて欲しい」。これ47歳になってもCDでやってるわ...最近はCDプレイヤー持ってない女子が多くて悲しい。プレイリストじゃ響かない。
最近美術展に行けてないなあ。いい絵を観たい。フランシス・ベーコン展やってるの!? と思ったらポンピドゥーセンターだってさ。
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2日。前の日から喉に痛みがあったんだけど、完全に風邪ひいた。風邪薬飲んで一日寝込んでた。精神的にはぜんぜん楽。風邪は鬱の10000倍楽。ただ薬で眠くなる。
聴き逃してたラジオを聴いた。すごく面白い指摘があった。メール書いてみた。
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3日。知り合いにこの日誕生日の人の多さ。風邪まずまず。昼間の用事はごめんなさいして体調を整えて夜に臨んだ。
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月刊今川宇宙お誕生日会にして最終回。まずはなんで月刊をやめるのかの12分の手紙の朗読から。要約すると、23歳というのは宇宙くんにとって特別な年齢だった。っていうのは幼い頃にガチ恋した二次元キャラの設定が決まってなくて、宇宙くんの中では23歳だったってこと。それと比べていまの自分はどうかってこと。
いろんな表現活動をしてきたけど、いまは演劇にやりがいを感じていて、焦点をそこに合わせて結果を出したい。バンドとイラストはやる。それ以外のリソースは演劇に回すってこと。「頑張るって柄じゃないけど頑張ってみるよ」と。
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過去との決別だし未来の選択だし、でも宇宙くんは宇宙くんだからね。かっこいいなと思った。意志を尊重したいし応援したい。次の舞台、劇団大人の麦茶の「やっと味がする。」チケットはこちらから。ゲストは小林司さん。穏やかそうな方だった。ファンが作ったZINEが素晴らしいクオリティだった。
終わった頃にたかしUNDERSTANDがやってきて音楽談義。最初はブリティッシュとアメリカンどっちなのみたいな軽いところから、SIDE-Aに書いた音楽を聴かないミュージシャンの話。人間関係の話。たかしは「宇宙くんは聴いてこなかったタイプと思うよ」と。そうかも。でも僕は、少なくとも吸収する意欲と柔軟性は強くあると想う。
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4日。風邪まずまず。猛烈に眠いが...出掛けねば。もろもろ用事を片付けて、Manu Katche@東京COTTON CLUBへ。
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Manu Katcheはコートジボワールとフランスのハーフのドラマーで、Peter Gabrielの “So” 以降のすべての楽曲やStingの一連の作品、ジャズ畑でも活躍した。シンガーとしても素晴らしいアルバムをたくさん出してる。
Billboard LiveやBLUE NOTE TOKYOに初めて行った時もびびったけど、COTTON CLUBもビビった。まず入口がわかんない。ヒューガルデンやギネスがあるのが嬉しい。食事ももちろん美味しかった。
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さてライブだよ。ドローン音からシンバルロール、大胆なタム回しから8ビート叩くだけでスゲー良いグルーヴでかっこよくて笑っちゃった。とにかくフィルが多くて、でも同じフィルは叩かない。アイデア豊かでバラエティ豊かで的確。時に繊細で時に豪快。
ジャンルとしてはエクスペリメンタルなジャズファンク。独特のリズムのハネがあってとっても気持ちいい。っていうのは練習の賜物なんだろうな。肉体的な鍛錬で出来上がった音楽の喜びだ。同期を使っててボーカルも基本同期、ちょっとしたフレーズを歌うくらいで基本ドラムに徹した。スネアのチューニングが高くてシンバルをたくさん並べてた。
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バンドはEg,、Key,、Ba,。ギターとキーボードは現代的な色を添えるくらいの感じで、Manuのリズムの癖を知り尽くしたベーシストが大活躍してた。61歳になっても新鮮な音楽を演奏してることに希望を感じた。
もっと神経質な方かと思ってたけど、大きく手拍子を煽って盛り上げたり、終始笑顔で楽しそうに演奏してたのが印象的だった。MCのたびにハンドマイクで前に出てきて喋るサービス精神もあった。ソロがまた本当に楽しそうで、ドラムって楽器が好きなんだな。Ringo Starrみたいにフィルで揺らぐドラマーも好きだけど、豪快かつ的確なManuのドラムかっこいいわ。気持ちいいリズムは体にいい。
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いま61歳で、“So” のリリースは1986年だから20代だったってことだよね。成し遂げたものが違いすぎる。プレイヤーとして脂が乗ってる時期ってあると思う。僕が10代の頃にブートで散々聞いた “So” のツアーの演奏と比べて、この日生で観た迫力ある演奏は決して衰えてなかった。今年のライブのオフィシャル動画があった。2分54秒あたりからがアツい。ドラムソロはこんな感じ。
ところでManuのドラムはヤマハ製だった。日本のミュージシャンはなかなか海外に行けないけど、楽器はどんどん海外に行ってるなあ。シンセサイザーやピアノはもちろん、ドラムもヤマハなんだーって。
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無性に冷奴が食べたくなって帰って食べた。タイムラインにはU2に行った人がたくさん。”The Joshua Tree” は好きでよく聴いたな。チケット取れなかったんだ。でもManu Kache観れてよかった。
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5日。空気が乾燥してる。加湿器頑張れ。また障害者支援センターのフィットネスプログラムを休んで寝込んでた。風邪治んないな。基礎体力がない。タイムラインに来年の告知が増えてきた。新しいPARCOが予想に反して楽しそうだ。
こないだ文学フリマで頒布したワタナベスグルさん編集のZINE「希釈2019」のネット販売が始まった。ぜんぶ読んだけど方向性がバラバラなようでいて通じるところがあって面白かった。ついでみたいに僕も寄稿してます。ぜひ!!
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6日。相変わらず空気が乾燥して喉が渇く。ニュースで復元不可能とされてるデータも世界最悪級の流出と言われてるデータも、僕が昔勤めてた会社が関わってるぽい。
なんとCHAIとamiinAのライブがバッティングしてる。迷わずamiinAに行きますが。相変わらずやるべきことが目詰まり起こしてるんで、とりあえず猫を揉んだ。
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「お前が非モテなのは顔でも金のせいでもなく人格のせい!」って記事を読んだ。「イジメっ子はモテる。これはクラスカースト下位の陰キャとして灰色の青春を送った非モテなら誰もが分かってる話だろう」。「『イジメ行為はそれ自体が女性に性的魅力を感じさせる』ということだ。これもクラスカート最下位の陰キャキモ男として、陽キャの暴虐に熱を上げる女子を見ていた非モテなら誰もが分かってる話だろう」。
ただの僻みじゃなくて、研究結果に基づいたコラムだ。そしてイジメっ子≒スポーツマン≒ヤンキーと言えるだろう。
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その続き。「『男性の人格においてモテ・非モテを分けるのは暴力性である』に対する補遺」。「女性達は本人が自己申告するフェミニスト度 (男女は平等であるべきという信念) が高いほど『男女平等的な態度をとる男性』を志向すると思われていたが、実際はフェミニスト度が高いほど性差別的な男性に魅力を感じていたことが明らかになった。このように、人間は性愛において主観における自己認識は客観的現実と符号するとは限らないのだ」。
そうなんだよ。本当に誠実な男はモテないし出世もしないの。
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主観と本心の違いについて、マクドナルドにどんなメニューが欲しいかアンケートを取るとサラダって返ってくるけど、実際にサラダは売れないって例を挙げてた。誠実な男性がいいっていいつつ、実際はイジメっ子やスポーツマンやヤンキーが勝つ。僕はマックに行かないでモスに行ってこだわりサラダを食べる。
それからよくタレントが、イジメに悩んでる子供たちに「スクールカーストなんて小さな世界、大人になれば開放されるよ」って言うけどそれも間違い。タレントは才能があったから抜け出せたんだ。おおよそスクールカーストのまま人生は進んで行く。
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7日。寒いし風邪治んないけど頑張ってカウンセリングに行った。カウンセラーさんの都合や国民の祝日や僕の体調で、下手すると1ヶ月くらい穴が空いちゃうから。
SIDE-Aに書いたこと、自分のリソースの分配について考え直す話をした。いま部屋が致命的に汚いし、Mix CDをくださいのメールをそうとう長いことお待たせしてるし、ましてや自分の表現にとてもたどり着けない。プライオリティを見直しますと。言いながら延々日記を書いてるわけだけど。この日記は表現とは違うんだ。
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SIDE-Cに続く。
12月7日 SIDE-C 中村哲医師のこと
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「アフガニスタンで銃撃された中村哲医師死亡」。「アフガニスタンで長年、農業用水路の建設など復興に携わってきた医師の中村哲さんが4日、東部ナンガルハル州を車で移動中に何者かに銃撃され、病院で手当てを受けていましたが、死亡しました」。「事件の発生を受けて、タリバンは声明を出し、『今回、ジャララバードで起きた事件について関与を否定する。日本のNGOはわれわれの土地でこれまで復興支援に取り組んできており、攻撃の対象にしたことは一切ない』として、犯行への関与を否定しました」。
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「中村哲さんはアフガニスタンで農地の再生などに取り組んでいる福岡市のNGO「ペシャワール会」の現地代表の医師です。福岡市出身で35年前、パキスタンのペシャワルに赴任したのをきっかけにパキスタンと隣国のアフガニスタンで医療支援を行ってきました。16年前からは干魃で苦しむアフガニスタンの人たちを助けようと用水路の整備など、農地の再生にも取り組んできました。こうした活動が評価されて中村さんはアフガニスタン政府から名誉国民に認定され、ことし10月、市民証が授与されました」。
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「中村さんは、2003年には『アジアのノーベル賞』とも言われるフィリピンのマグサイサイ賞を贈られました。また2009年には『福岡市市民国際貢献賞』を贈られ、中村さんは授賞式でアフガニスタンの状況について、『干魃が難民化を招き治安が悪くなっている。医療活動以前の問題だ。水と食べ物があればほとんどの病気が予防できるので、干ばつ問題に取り組んできた』としたうえで、『治安の悪化で一時的に活動ができなくなるかもしれないが、現地での仕事は続けていきたい』と話していました」。
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「中村さんは、紛争が絶えないアフガニスタンから逃れた難民の支援にも力を尽くし、2003年にはアジアの発展に貢献した人や団体に贈られるマグサイサイ賞を受賞しています。授賞式で中村さんは『戦争反対と言うと、直ちに反米的だなどと言われる世の中でも、素直に私たちの平和への思いを評価してくれたことが非常にうれしかった』として喜びを述べていました」。
この事件を受けて、アラビア語のナカムラのハッシュタグで、アフガニスタンの方々が中村さんへの感謝の言葉と日本に対する謝罪の言葉をツイートした。
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「中村哲さんに聞いた アフガニスタンという国で、9条をバックボーンに活動を続けてきた」。「日本は、軍事力を用いない分野での貢献や援助を果たすべきなんです。現地で活動していると、力の虚しさ、というのがほんとうに身に沁みます。銃で押さえ込めば、銃で反撃されます。当たり前のことです。でも、ようやく流れ始めた用水路を、誰が破壊しますか。緑色に復活した農地に、誰が爆弾を撃ち込みたいと思いますか。それを造ったのが日本人だと分かれば、少し失われた親日感情はすぐに戻ってきます。それが、ほんとうの外交じゃないかと、僕は確信しているんですが」。
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「日本の憲法、ことに憲法9条というものの存在も大きいと思っています」。「昨年、アフガニスタンの外務大臣が日本を訪問しましたね。そのとき、彼が平和憲法に触れた発言をしていました。アフガンの人たちみんなが、平和憲法やとりわけ9条について知っているわけではありません。でも、外相は『日本にはそういう憲法がある。だから、アフガニスタンとしては、日本に軍事活動を期待しているわけではない。日本は民生分野で平和的な活動を通じて、我々のために素晴らしい活動をしてくれると信じている』というようなことを語っていたんですね」。「ある意味『美しき誤解』かもしれませんが、そういうふうに、日本の平和的なイメージが非常な好印象を、アフガンの人たちに与えていることは事実です」。
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「インタビュー : アフガン復興を支える NGO『ペシャワール会』現地代表・中村哲さん (朝日新聞2016年01月30日付) 」。
「1980年代から90年代は医療支援でしたが、今は灌漑事業が中心です。お医者さんがなぜ用水路を引くのですか?『農業の復興が国造りの最も重要な基盤だからです。2000年からアフガニスタンは記録的な干魃に襲われ、水不足で作物が育たず、何百万という農民が村を捨てました。栄養失調になった子が泥水をすすり、下痢でいとも簡単に死ぬ。診療待ちの間に母親の腕の中で次々に冷たくなるのです』」。「『医者は病気は治せても、飢えや渇きは治せない。清潔な水を求めて1600本の井戸を掘り、一時は好転しました。しかし地下水位は下がるし、農業用水としては絶対量が足らない。そこで大河から水を引き、砂漠化した農地を復活させようと考えたのです。合言葉は『100の診療所より1本の用水路』でした」』。「『まずは食うことです。彼らの唯一にして最大の望みは『故郷で家族と毎日3度のメシを食べる』です。国民の8割が農民です。農業が復活すれば外国軍や武装勢力に兵士として雇われる必要もなく、平和が戻る。『衣食足りて礼節を知る』です』」。
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「『ヒーロー』の出現を待望しないこと」。安田菜津紀さん。
「思えば私自身、取材中『どこの国から来たんだ?』とシリアから逃れてきた人々に尋ねられ、『日本だ』と答えると、歓迎されることが多々ありました。日本は攻撃を加えない国だから、と。けれども今、そんな私たちの『強み』が揺らいでいるのでは、と中村さんは警鐘を鳴らしていたように思います」。「同時に、思うのです。私たちに残された宿題とはなんだろうか、と。それは限られた『すごい人』、つまりヒーロー、ヒロインを待望しない、ということではないかと感じます」。「中村さんをはじめ、共に活動してきた方々の功績は計り知れません。だからこそ『すごい人がまた出てきて、すごいことをしてくれるように』と他人任せであっていいのだろうか、と改めて思うのです」。
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「中村哲さん死亡 憲法の理念を体現した」。
「政府が人道復興支援を名目に、自衛隊を派遣するためのイラク特措法を成立させた後は、活動用車両から日の丸を取り外した。米国を支援したことで、テロの標的になるという判断だった。現地での活動は続けた。『活動できるのは、日本の軍人が戦闘に参加しないから。九条はまだ辛うじて力を放ち、自分を守ってくれている』。2013年、本紙の取材にそう語っている」。「2018年には、アフガニスタンから、日本の民間人としては異例の勲章を受けた。緑化のための用水路建設や、長年の医療活動が高く評価された。国連難民高等弁務官として難民支援に貢献し、先日亡くなった緒方貞子さんとともに、日本が目指すべき国際貢献の姿として、その光を長く記憶にとどめたい」。
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「こんなバカな政権はない。憲法に従う義務はあるが、政権に従う義務はない」。
「日本の政権については、こんなバカな政権はない。向こうではみな権力に対して従順でない気風がある。対照的に日本人ほど権力に弱い国はないと感じる。現政権がアフガニスタンに出現したとするなら、もう何十回か暗殺されている。その点が日本との違いだ。個人的なことをいうと憲法に従う義務はあるが、政権に従う義務はないと考えている」。
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「U2『命奪っても誇りは奪えない』公演で中村氏追悼」。
「U2は、12月5日のさいたまスーパーアリーナ公演にて、アフガニスタンで銃撃されて亡くなった日本人医師・中村哲を追悼。ボノは4曲目の “Bad” の演奏中に語りはじめ、前夜のショーは素晴らしかったが、この夜は特別だと語っています。『今夜は乗り越えたい。 “transcend” をどうやって翻訳したらいいのかわからないけど、気持ちはわかる。このスポーツアリーナを大聖堂に変えてみよう』」。「バンドの呼びかけで観客が一斉にスマートフォンのライトをともして、中村さんの死を悼みました」。「『一瞬でいい、皆の思いを寄せよう。偉大なる中村哲医師に。ピース・ジャパン、ペシャワール会。偉大な、寛大な国が生んだ、偉大な1人の人間、中村哲医師を追悼して』」。「バンドはその後、Simon and Garfunkelの “The Boxer” をカヴァー。その後に “Pride (In the Name of Love) “ を演奏し、バンドは通常のセットリストに戻ります」。 “Pride (In the Name of Love) “ はそもそもマーティン・ルーサー・キング・ジュニアに捧げた曲だ。
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SIDE-Dに続く
12月7日 SIDE-D 臨界点
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世の中のことを。「地球が『臨界点』超える危険性、気候科学者が警鐘 『私たちに残された時間がどれほど短いか、人々はわかっていません』」。地球は緊急事態にあると、気候科学者らが警鐘を鳴らしている。複数の地球システムが連鎖的に『臨界点』を超えることで、地球全体が後戻りできなくなる可能性があるという。
「地球システムが崩壊すれば...気温は5℃上昇し、海面は6〜9m上昇し、サンゴ礁とアマゾンの熱帯雨林は完全に失われ、地球上のほとんどの場所が居住不可能になる世界だ」。「臨界点はずっと先のことだろうと思われてきましたが、すでに差しかかりつつあるのです。恐ろしいことです」。
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「エジプトで発見、ライオンのミイラはなぜ珍しいか 何百万の動物をミイラにした古代エジプトで、ライオンはこれまで1体だけだった」。前の日記に、猫は崇拝の対象だったから大きな猫としてライオンもミイラ化したのかしらとか適当なこと書いちゃった。
「古代エジプトでは、ライオンは太陽とファラオ、つまり生死を司る最も強力な要素と結びついていた。やがてエジプトが乾燥し、群れが南へと移動した後も、ライオンはエジプト文化において特別な存在であり続けた」。「ライオンが1つの神に強く関連づけられることはなかった。トキがトト神、ジャッカルがアヌビス神と結びつけられたのとは対照的だ」。「特定の神や崇拝対象との結びつきがないことこそ、他の動物に比べてライオンのミイラの発見が極端に少ない理由かもしれないとも語る」。
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「若者や女性に多い 顔の表情でネコの気持ちわかる人 ネコの気持ちがわかる『キャットウィスパラー』は存在することが最新研究でも判明」。
「ネコの顔の表情から気持ちを読み取れる能力をもつ人、巷間で『キャットウィスパラー』と呼ばれる人々が、確かにいることがわかった」。「ネコの表情を撮った短い映像を2-20本見てもらい、ネコの機嫌が良いと思うか悪いと思うかを回答してもらった。20点満点で、結果は平均11.85点。つまり、確率的にはまぐれ当たりよりも少し良い程度だ」。「被験者の約13%は、ネコの感情を読み取るのが非常にうまく、20本の映像のうち15本以上正解した人がいた。若い人、女性、動物医療に従事経験がある人ほど得点は高かった。現在ネコを飼っているかどうかは、ネコの気持ちがわかる能力と関係ない」。簡易テストを受けてみた。正解率87.5%だった。僕はキャットウィスパラーらしい。
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「深刻な感染症、森林破壊のせいで増加 マラリア、ライム病、ニパウイルス…新たな感染症が流行するおそれも」。インドネシアで大火災があって木が実をつけられなくなり、それを食べるオオコウモリがほかの土地に飛び去った。このとき病原菌も森の外に出た。
「年間40万人以上の死者を出すマラリアは、蚊が媒介するマラリア原虫による感染症で、長い間、森林伐採と深く関連していると言われてきた。多くのウイルスが、森の中では宿主に害を与えず共存しているのは、その動物たちがウイルスとともに進化してきたからだ。しかし人間は、森林に進出したり、森林環境を変えたりすることによって、意図せず病原体の宿主になってしまうことがある」。
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「謎の断層を発見、既存の海底ケーブルを流用で 既存インフラで海底観測網を一気に広げるかもしれない画期的な手法」。海底の断層地図は穴だらけ。どこに断層があるかわからない。ところがいまあなたがこの日記を読んでる光ファイバーケーブルで調べられる。「今や、光ファイバーケーブルは地球をぐるぐる巻きにしている」。
「光ファイバーケーブルにレーザーパルスを連続的に発信することで、ケーブルのそばで起きた振動を検知、地震が発生した場所を特定したり、新しい断層構造を発見したりできる」。「この手法では、2m間隔で地震計を設置したのと同じ情報を得ることができます。空間分解能は現在の100倍以上になるでしょう」。
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たらればさん。「『現実では会えないからせめて夢に出てきてほしい』という恋歌は昔からたくさん詠まれてるけど、小野小町先輩の『いとせめて 恋しき時はむばたまの 夜の衣をかへしてぞ着る』=会いたくてたまらないので寝間着を裏返して寝る (と自分が好きな人の夢に出る言い伝えがあった) は、可愛すぎて悶絶する。待ってない。行く。出てくるのを待つんじゃなくて、出る。こういうところ大好き (すみませんちょっと編集した)」。なおあ、小野小町先輩は男である。
「映画『E.T.』のE.T.と大人になったエリオットが再会。エリオットは映画と同じ俳優ヘンリー・トーマスが再び演じています」。Xfinityが感謝祭にあわせて作ったCMが話題になった。ヤバいこれ泣くやつ。スピルバーグは関わってるのかな?
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「『タッチ』の南ちゃんは本当は何者だったのか」 。非常に面白かった。30年以上タッチという作品とあだち充先生を誤解してた。「『タッチ』を語る時によく引用される話だが、あだち充には同じく漫画家の兄がいる。彼の才能を見いだし、彼の庇護者となったのはその兄である」。「なぜあだち充がそれほどまでの決意で『弟が死に、兄が生きる』物語を描いたのか、柏葉英二郎という兄に劣等感を持つ弟を登場させたのか、なぜ聖書のカインとアベルのように兄弟の物語を繰り返し描いたのか、それは彼以外にはわからない」。
「『未来のアラブ人』として育てられた少年は、フランスで漫画家になった」。世界的ベストセラーになったマンガの作者は吾妻ひでお先生のファンだった。
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「エヴァ制作のガイナックス社長、声優志望少女の裸撮影『芸能人としての訓練』」。「声優を目指して所属契約をしていた10歳代後半の少女に『芸能人として撮られるための訓練だ』と言って裸の写真を撮ったほか、『足がむくんでいるからマッサージをする』などと言って体を触った疑い」。ガイナックスって会社はめんどくさい。NHKだけ「現在の『エヴァンゲリオン』の続編は別の会社が制作しています」って注意書きを入れた。
「サンタの歴史 : 聖ニコラウスが今の姿になるまで ギリシャから北欧を経て世界に広まったサンタクロースの歴史」。モデルの人物は3人の幼い少女を売春婦から救って、結婚するときの持参金にできるように借金を抱えた父に金をこっそり届けたらしい。もうひとつはバラバラ殺人にされた3人の少年を生き返らせたらしい。それは信憑性どうなの。
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「スマホを捨てよ、旅に出よう」。春名風花さん。前の日記に書いた、映画を観る時間の長さと話の難しさに耐えられなくて映画館でスマホを観ちゃう人の話。
「『作品の見方が分かっていない』人が増えたんじゃないかなあと。映画や演劇の中にどっぷり入るのではなく、『あーこういうあらすじなんだなー』って、誰が出ててああしたとかこうしたとか、記号としての情報を手に入れに来ているだけじゃないのかなーと」。「俗世との連絡手段を絶つことで、はじめて観客は二時間の旅に出ることが出来る。こんなに大勢の人たちと同じ夢を見ることが出来る、このチケットは、そのための切符なんですよ。これから映画館や劇場で起こることを、登場人物と一緒の世界で味わってこそ、映画館や劇場に行く価値がある」。「あなたたちは旅に出る切符を買ったのに、一歩も旅に出ないまま家に帰ってしまっている!!って事に、まず気づいて欲しいです」。
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「衆院法制局が見解 ひきこもりの引き出しビジネス『犯罪に該当する可能性が高い』」。
これも前の日記から続く話題。「逮捕監禁罪ですとか暴行、傷害に該当する可能性が高いので、現行の刑法を厳格に適用していただくことが考えられる」。「引き出し屋といわれている業者が、自立支援の施設だけではなくて、精神科の病院と結託している。自立支援を拒否したりすると、病院に無理やり連れていくというやり方をしている。施設と病院の密接な関係があることを述べさせていただく」。「本人が、支援を拒否する権利はあるのではないか。嫌がっているのに無理やり連れて行く、監禁する、そして無理やり就労させる。これらを拒否する権利を否定しているのが、引き出し業者」。
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斎藤環さん。「引き出し屋はしょせん裏稼業なので、まっとうな確定申告はしていないに決まっているから、高額の初期費用のクーリングオフに応じないなら国税局に告発して潰すという方法もあります」。やり方はここ。
「日本の司法の現場では『家族』と『業者』の同意があれば、拉致監禁をしてもお咎めなし、が普通」。「あなたの親に悪意と行動力さえあれば、あなた自身も拉致される可能性がある。警察に逃げても相手にされない。警察は『親』と『夫』の言葉を常に優先する」。
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「ひきこもり『自立支援施設』職員らを刑事告訴 監禁後、精神病院で身体拘束『言い知れぬ恐怖に襲われた』」。
「高橋さんは監禁された後、精神病院でオムツをつけられ、身体拘束を受けた上に50日間入院させられたという。『悪質な業者と精神病院は、現在も白昼堂々、深刻な人権侵害を行っている』と訴えている」。「高橋さんは『拘束初日は、排泄物の処理すらしてもらえず放置され『とんでもないところに来てしまった。これから自分は何をされるのか』と、言い知れぬ恐怖に襲われた』と振り返る。その後もほとんど何の治療行為もないまま、50日にわたって入院させられたという」。「弁護団長を務める宇都宮健児弁護士は『病院は施設と結託し、施設側の指示に従わせる目的で男性を長期間入院させた。犯罪なのはもちろん、医療従事者としてもあるまじき行為だ』と批判する」。
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斎藤環さん。「理由があれば合法的に成人の行動を制限できる職業は、警察官と精神科指定医くらい。高い倫理性が求められる職業だが、実際にはこのように濫用されている。この件に関与した医師の指定医資格は剥奪されてしかるべき」。「あけぼのばし自立研修センターの拉致監禁行為をサポートしていた精神科病院は成仁病院とのこと。院長はなんと『春日武彦』氏」。
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「アマゾンの制裁で会社を潰しかけた36歳の告白 月500万円の売上がアカウント停止後に凍結」。
「はじめは何のことかまったく訳がわかりませんでした。僕が、どの商品が著作権を侵害しているんですか、権利者はだれですか、と尋ねても、答えはないし、こちらが今後はすべての商品で相乗りをやめます、という改善策を出しても、それでは不十分だ、という答えが返ってきたんです。アマゾンは最初から僕のアカウントを閉鎖するつもりで、のれんに腕押しの対応でした。汚いやり方だ、と思いました」。「アカウント閉鎖を判断するのは『全知全能の神』であるアカウントスペシャリストであり、個人名はない。連絡する電話番号もない。永井が私に見せてくれた長々とつづくメールのやり取りを読んでも、こうした状況を打開するのは、ほとんど不可能にみえた」。
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「三菱電機 新入社員自殺『死ねと言われた』上司を書類送検」。
「三菱電機の新入社員の男性が上司からのいじめを訴える趣旨のメモを残して自殺し、警察がこの30代の上司を自殺を教唆した疑いで書類送検していたことが分かりました」。「三菱電機をめぐっては、新入社員の男性がいじめや嫌がらせが原因で自殺したとして、おととし、両親が東京地方裁判所に提訴したほか、兵庫県豊岡市の工場に勤務していた子会社の男性社員について、ことし10月、過労による労災が認められています」。
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「ショッピングサイト決済時だけ偽画面 クレジット情報を盗む」。「カード情報を盗まれても買い物ができているので被害に気付きにくいが、エラーメッセージが出るなどした場合、注意してほしい」。漠然とした注意だな、怖い。
「Excelにスクリーンショットを貼り付ける仕事で鬱病になった話」。「仕事があるだけありがたいと思え」「こういう存在は会社側は困る」「鬱は甘え」「これだから理系は」的なコメント群を読んで、この国が没落する理由がよくわかった。
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SIDE-Eに続く。
12月7日 SIDE-E Decade
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楽しい音楽の話をしよう。忙しい人は、僕のチョイスとは違うけどNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2019/12/6を。
年間ベストアルバムが発表される時期になってきた。BBC Radio 6 Musicの「6 Music Recommends Albums Of The Year 2019」。TIME誌の「The 10 Best Albums of 2019」。Warp Records系のオンラインショップBleepの「Top 10 Albums of the Year 2019」。Consequence of Soundの「Top 50 Albums of 2019」。Pasteの「The 50 Best Albums of 2019」。Stereogumの「The 50 Best Albums Of 2019」。Rolling Stone誌の「The 50 Best Albums of 2019」。
さらに、Guardian誌の「The 20 best songs of 2019」。The Wire誌の「2019 Rewind: the year in underground music」。ディケードベストアルバムを発表する年でもある。Rolling Stone誌の「2010s Music Decade List Aggregate」。ぜんぶひっくるめて各誌のディケイドベストアルバムをポイント化して集計した「2010s Music Decade List Aggregate」。
Brit Awardsの新人賞候補のライブ映像が公開された。Beabadoobee “She Plays Bass”、Celeste “Strange”。Joy Crookes “Don't Let Me Down”。受賞したのはCeleste。
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Woodstockと同じ1969年に開催されてStevie Wonder、Sly and The Family Stone、Nina Simone、B.B. King、The Staple Singersなどが出演したHarlem Cultural Festivalのドキュメンタリー映画「Black Woodstock」が制作される。Billie Eilishが “everything i wanted” のドキュメンタリー映像を公開した。また、次のアルバムは実験的な内容になると発表した。Gorillazのドキュメンタリー映像「Gorillaz: Reject False Icons」のトレーラー映像が公開された。ブルーノートレコードの新しいドキュメンタリー映画「ブルーノート・レコード ジャズを超えて」の本編クリップ映像4本が公開された。
12月29日 SIDE-A awake mind into ideal naked Avalon
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また日記の間隔があいた。最近日記を書くのに40時間くらいかけてる。
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政治の話題の新聞切抜きが多い。2つの理由がある。ひとつは、先の大戦で世論が歪んでいく様子を記録した日記が歴史の貴重な資料になっているので、僕がこの国が滅びる様子を記録しておくことが後世の人々の参考になればと思ってること。
もうひとつは、世の中が歪んでいく時にそれについて語ろうとせず沈黙していることは、国の腐敗やあるいはマイノリティへの差別に加担しているのと同罪だと思ってること。忙しいはずの政治家たちはどの時間を割いてこれほどの悪事を働いてるんだろうか。
音楽と猫と女の子の話だけしたいよ。
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発達障害にとって「忙しい」ってことは、プライオリティの管理ができないってこと。そしてなにかを始めるのに精神統一のためのMPが必要で、1日のターン数が限られてること。来年はプライオリティを考え直して楽器もう一回やりたいし、楽器で作曲できるようになりたい。楽曲にコードをつけるって作業を頭の中でしてるんで、どうしても不自然になっちゃうんだ。イラストもちゃんとやりたい。
もうこの病気になって20年になる。自分の人生そのものの意味について焦りも感じてる。アウトプットをしたい。
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最近の大事件は、僕が盲信してたアイドルユニット、amiinAが現体制での活動終了を発表したこと。amiinAはポピュラーミュージックの新たなる地平を開拓してた。音楽、コンセプト、タレント性、どれをとってもほかに類をみないクオリティとオリジナリティだった。アイドルって枠組みを飛び越えて、目指すところがTIFじゃなくてFUJI ROCKなのもよかった。世界に通用するグループだし世界を見据えてたと思う。
今年はリリースがなかったけど、去年一番聴いたアルバムはKendrick LamarでもChildish GambinoでもSt.Vincentでもなく、amiinAの “Discovery” だった。
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amiinAのアンセム “Canvas” 。ライブではこれをみんな泣きながら歌う。松本素生さんが提供した "Jubilee" 。この曲はもうひとつのアンセムだね。ライブの演出も凝っていた。"◯△□" 。メンバーの手前に半透明のスクリーンを立てたライブから。そして僕の一番好きな曲 “sign” 。斎藤州一作詞 小林清美作曲 Serph編曲。躍動感とサウンドのクオリティの高さ。大谷たらふさんのアニメーションのPVも素晴らしい。
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プロデューサー斎藤州一さんの確固たる世界観。愛だの恋だの歌わずに旅の歌を、それは人生の旅だったり人類の進むべき旅を歌う。そして北欧の音楽のいいところを取り入れた音楽観。それを衣装や振付で表現するスタッフの皆さん。なにより圧倒的なエネルギーですべてを放つ2人の力。こんなユニットないよ。
もうひとつ、2人が素直で可愛いんだ。中学-高校と男子校に通ってスクールカーストの底辺にいて、思春期の6年間で女の子と話した総時間30分くらいの僕にとって、30年遅れてやってきた青春だった。実際に共学に通ってクラスにあんなに素敵な女の子がいたら、一言も口をきけず名前も覚えられなかったと思うけど。そういう想いの象徴として2人がいた。
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こんなショックな活動終了は生まれて初めてだ。僕の音楽観に大きな影響を与えたMoonridersが無期限活動休止を発表した時も、The Flipper’s Guitarが突然の解散をした時も、なんとも思わなかった。
今年の夏のバーベキューイベントやWonder Traveller!!! OKINAWAに行きたかったな。amiinAのライブはもちろんamiinAファンの友達を作りたくて、斎藤さんはじめ中の人とお話がしたくて。こないだmiyuちゃんが単独出演するミュージカル仕立てのクリスマスライブがあって、その終演後にファンの方々と初めて飲んで連絡先を交換して、これから一緒に応援しましょうって話した次の日の発表だった。
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僕とamiinAとの出会いは、2018年1月8日、新代田Feverだ。鈴木慶一さんが毎年正月に、自分たちのバンドと旬の若手バンドと注目しているアイドルグループの3マンライブを企画してて、この年の対バンはamiinAとトリプルファイヤーだった。
2018年の日本アカデミー賞最優秀音楽賞は鈴木慶一さん、2019年の最優秀音楽賞は細野晴臣さんだった。僕の心の師匠から心の師匠へトロフィーが渡った。僕はamiinAの2人にレコードプレーヤーを差しあげた。それは鈴木慶一さんがamiinAを教えてくれたお返しに、これからamiinAの2人に少しづつレコードを差しあげて、いい音楽を伝えたかったから。2人をただのアイドルだと思ってたら、普通に可愛いコスメとか差しあげる。
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amiinAっていうプロジェクトと出会えて、音楽を含めた表現文化全般を愛するものとして、とても幸せでした。そして、2人の全力のパフォーマンスはもちろん、オフステージで見せる穏やかで朗らかな素顔にも心が洗われました。
こんなにも素敵なamiinA、現体制で終了することに、2人もスタッフのみなさんも悩んで苦しんだと思う。でもそうして決めたことだからこそ、その決断を尊重してこれからも応援します。まずは活動終了の5月3日まで、残されたライブを大切に観て、2人のエネルギーに負けないくらい応援する。そしてみんなの次の扉を見届けられたら。
そうさ飛んで 揺れて 触れて 泣いたままのリプレイ
弱虫の僕らは 今も答え探して
“いつか” “またね” “じゃあね” なんてさみしすぎるから
裸足のままかけて キオク振りほどいて
つまづいてころんでも 向かえ掴め光
さよならさ 後悔も さよならさ 昨日も
さようならさ 未来へ さよなら リフレイン
航路は続いて 全てを乗せてく
時のオーケストラ 暗闇を抜けて
雨のち晴れ 風よ吹いて
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SIDE-Bに続く。
12月29日 SIDE-B 抜け殻
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8日。John Lennonの命日。「テレビが伝えるロックンロール死んだ日」。忌野清志郎さんの歌う “Imagine” 。オノ・ヨーコさんの追悼の言葉。
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2日半かけて日記を書きあげた。あったかな日曜日。風邪をひいて寝込んでた。喉から鼻にいって頭痛がした。ライブに行く約束をしてたAATAさんごめんなさいだ。
外に出られる体調じゃないんで、もそもそ部屋のゴミを片付けた。市指定のゴミ袋60リットル13袋分の可燃ゴミと膨大な段ボールを捨てた。ものすごく暇なはずなのに忙殺されて、ずっと部屋の掃除どころじゃなかった。
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ウーマンラッシュアワーがTHE MANZAIに出演した。
村本大輔さん「年に一度の漫才を終えて」。「おれはずっと不思議なんだ。お笑い芸人が漫才で笑い用いて社会語ると叩かれて、ワイドショーで笑いなしで社会問題を語る方が叩かれない。どんなものでも最後は笑いにすんのが芸人なのに」。
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9日夜、水野谷みきがバーテンを務めるバッキンガム宮殿へ。基本的に常連さんが演劇の話をしてる店で、僕は独りで行くんで聞きながらな飲む感じ。水野谷お手製の餃子は、レンコンを使って歯ごたえがさくさく美味しかった。
水野谷が成人式の着付けの話をした。あれは流れ作業で、手を十字に挙げていると綿を詰めたりタオルを詰めたり寸胴に見えるように体型を整えるんだと。着物は寸胴の方がきれいに見えるからね。で、知らないうちにブラを取られてるそうだ。って話に反応した。二十歳のノーブラかー。ノーブラの響きだけ強くなれる気がしたよ。楽しく酔って終電で帰宅。多摩村さむい...。
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10日。風邪薬で眠い。年内にやるべきことをリマインダーに整理して、あとは寝込んでたかなあ。この寝込んでる時間の存在も、多忙の要因のひとつなんだ。
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11日。猫から致死量の眠み物質が。新しいMacが発表された。みんなメモリ1.5TBすごいって言ってるけどすぐに過去の笑い話になるよ。僕が初めて買ったMacはメモリを8MBに増設して周りの失笑を買った。HDDも200MBに増設して、そんなの一生使い切らないよって言われた。
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AATAレコ発ワンマン@渋谷SANKAKUへ。電車の椅子が燃えるように熱い。そして外は雨で凍えるように寒い。
SANKAKUはあっという間にぎゅうぎゅうになった。バンドはKey.、Ba.、Dr.。あーちゃんは殆どギターを弾かないでハンドマイクで歌に徹した。打ち込み中心のアルバム “BLUE MOMENT” のサウンドを再現するように、ギターレスで同期を使ってアルバムの曲順に演奏した。とっても充実して安定してかっこよかった。ギターも巧いのに敢えてボーカルだけで聴かせる。確かなバンドとの信頼関係あってこそだ。
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最後のリード曲 “Blue Moment” だけはギターを弾いて。アンコールは本番で失敗したからもう一度やっていい? の “Day1” と、”Sway” をアコギで。
アフターパーティーはわかちゃんが用意したピザやデブが大好きなメニューが並んでお酒は飲み放題で、天国か。でも18:30スタートのライブのあとだったんでおじさんたちが食べ尽くして、わかちゃん追加を買い出しに行ってた。赤が出てないといいけど。
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CD Journalにロングインタビューが掲載された。かなり赤裸々な記事でびっくりした。音楽性の変化について、「お客さんが『あーたには絶対にソウルやファンクが合う』って言っていろんな音源をくださったりして、たくさん教わりました」って一節があった。あれスキルさんのことだよって。
可愛いポップな世界からかっこいいソウルシンガーに転向して、名前も変えてレーベルも移籍して、いまJ-WAVEのパワープッシュに選ばれてタワレコでも売り切れ続出、彼女がこのまま売れたら彼女の人生にいい影響を与えられたのかなと、僕も生きてて何かしら価値があったのかなと思う。
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楽しかった。あーちゃんは観るたびにどんどん進化して、それは努力の賜物なのだよね。
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12日。またしても障害者支援センターのフィットネスプログラムと面談に行けなかった。面談は11月に一度も行けなくて、伸ばしに伸ばした先月分だったんだ。相談員さんはいま一番信頼している方。僕の浪費癖を客観的に数値化して、死ぬまでに必要な財産を計算しましょうって話を1年以上もしてるのになかなか実現しない。
頭の中がもじゃもじゃした。サヴァのパスタを食べた。寒いんでデロンギを全開にしたら、猫が膝から降りてデロンギの前にひっついて、結果としてもっと寒い。何事も成し遂げなかったなあ、生きていただけで偉い日としよう。
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13日。宇宙人の歌う声色やハーモニーは、その宇宙人の暮らす星の大気や重力の中で聴かないと美しさはわからないって夢を見た。科学的にどうかは知らんし寝ぼけてる。もろもろ用事をこなして、紺野メイさんのバンドあみのずのファーストワンマン@吉祥寺シルバーエレファントへ。
iPhoneの地図はたまにぜんぜん違うとこへ連れていく。凍える吉祥寺で30分迷った。
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あみのずはシューゲイザーであった。紺野さんからシューゲイザーですよって聞いてたんだけど、アコギを爪弾くイメージだから、My Bloody Valentineみたいに轟音にかき消されそうな甘いボーカル担当なのかと思ってた。いやいやエレキギターを豪快にストロークしてた。Eg,、Ba,、Dr,の3ピースバンドで、紺野さんのギターが完全に演奏をリードしてた。ベースは手数の多いプレイ、ドラムスはちょっとルーズな感じでかっこよかった。
紺野さんのボーカルは弾き語りの時と変わらない、透明で空にぽーんと投げ上げるような発声、歌詞も恋愛にまつわることだったり、世界観は紺野さんのもの。
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3曲演奏してセットチェンジ、アコギとかホーンとベースのアコースティックコーナーへ。穏やかな世界もまたすごくよかった。2回目のセットチェンジで轟音に戻って、最後の2曲というところで新しいギタリストが登場。新しいギタリストはソロを弾いたりリフを弾いたり、紺野さんはリズムを弾いて轟音を鳴らしてこれがまたバランスがいい。
アンコールではTシャツを着た4人が登場して、これからはこの4人であみのずですっていう決意表明みたいだった。客席にお母さんがいらして、とてもほんわかしたライブだった。
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満足の帰宅。デロンギの前にポテッと落ちてた猫たちをワシワシなでた。
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14日。草野マサムネさんのbot。「とくに男はね。いわゆるスポーツ新聞に書いてあるようなスポーツの話とかギャンブルとか車とかあとエッチな話とか、そういうことを興味がない時でもコミュニケーション術として話したりするのってすごい耐えられない」。
ほんとそれな!! ゲスな男の世界苦手。
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おそろしく暇なはずなのにいつも何かに追われて忙しい。心が狭いなと思う。
表現者をフォローしてると、表現者はいつも表現してその告知をしてるのだよね。そうすると僕は受け入れるしかなくなる。ここんとこずっと続けてる、ミュージシャンは音楽を聴いてないし愛してない、の話。
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miyuちゃんこと中野美優さんが出演するFujikawa Musical Produce クリスマスコンサート2019@県民共済みらいホールへ。
ミュージカル仕立ての二部構成のコンサート。第一部はおじいちゃんの幽霊が家族を1964年の東京オリンピックから2020年の東京オリンピックに誘い、往年のヒット曲を歌う。バックバンドはKey,、Ba,、Dr,の3ピース、ホーンが入ればまたなあ。美優さんは “UFO” と “ひみつのアッコちゃん” をソロで。僕は普段ポピュラーミュージックのボイストレーニングを受けた歌を聴くことが多くて、それはそれでもちろん大好きなんだけど、いわゆる声楽をやってる方の歌は芯があって聴き応えがある。
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二部は、出演者の中に「ライオンキング」に出演していたメンバーも多いということで、ライオンキングメドレーを。アフリカの音楽を西洋楽理で解釈したような、それは例えばアメリカ大陸で白人音楽と黒人音楽が融合したようなもんで、民族音楽好きとしてすごく楽しめた。有名な「心配ないさー」が出てきた。
で、クリスマスメドレー。素晴らしいの一言。そうそうたるメンバーの中で、美優さんいいパートをたくさん貰って輝いてた。ドレスも素敵。姿勢もいいんだよな。ヨーロッパ文化圏の方々が歌が上手いのは、教会っていう定期的に歌を歌う場があることも大きいと思った。
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amiinAのファンとして、今年の夏のバーベキューイベントに行けなかったこと、そしてなによりWonder Traveller!!! OKINAWAが中止になったことはほんとうに残念で、それはamiinAの2人と仲良くなりたいって気持ちもあるけど、一緒にamiinAの応援ができるファンの友達を作りたいって気持ちが大きかったんだ。
この日、美優さんのファン4人と桜木町で飲んで連絡先を交換して、これから一緒に応援しましょうって話をした。その2日後に、SIDE-Aに書いたamiinA現体制での活動終了が発表された。美優さんのこのステージが終わるのを待ってたんだと思う。無念。
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楽しかったはずなのに鬱に陥って眠れなかった。なにかを予見してたんだろうか。
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15日。眠れないまま朝を迎えた。抗鬱剤を貪り食った。天気も気圧も安定してるのに鬱が酷い。猫が見守ってた。
理由のひとつはMix CDをいろんな人に配りたいってこと。誰も欲しいって言ってないのにね。焼いても焼いても終わらなくて、クリスマスのCDもあったんで焦ってしまった。もうひとつは音楽をめぐるちょっとしたすれ違いだ。ばんぱくとあんなの絵本歌い聴かせコンサート行けなかった。ごめんなさい。
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星野源さんとティム・クックさんの楽しそうな食事の写真が流れてきた。何を話したんだろうか。そしてGershon Kingsleyの訃報。”Popcorn” や東京ディズニーランドで使われてる “Baroque Hoedown” の作曲者。学生時代、モンド文脈でPerry & Kingsleyのアルバムがリバイバルブームになった。僕はモンドどっぷりだったんで、ソロも追ったな。
さらに追い打ちをかけたのがAnna Karinaの訃報。世界で一番好きな女優さんだ。「女は女である」「気狂いピエロ」、背伸びしてヌーヴェルヴァーグ映画をかじってたのは、アンナ・カリーナが素敵だったから続いたんだ。理想の女性は素晴らしい映像体験をもたらしてくれた。困ったな...お酒飲みたくなってきた。Anna Karina "Sous le soleil exactement" この曲を聴きたくてサントラ探したな。
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イナバのタイカレーを食べた。評論家がなんか言ったってイナバのタイカレーより美味いカレーはそうそうないし、マルちゃん正麺より美味いラーメンはそうそうない。
年賀状を書いて発注した。最近の気分がそのまま反映された鬱々とした内容で、年の初めから気が滅入るようなものを書いてしまった。
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16日まで徹夜して、Mix CDを焼いてレーベルを印刷して34人に送りつけた。
主に細野晴臣さんの50周年私選ベスト5枚組。星野源さん、小山田圭吾さんがそれぞれ2枚組のベストを組んで、だぶり曲がないんで4枚組。僕のも本編は4枚組。2人よりいい選曲が出来た。っていうのは権利関係がややこしくて正攻法ではいいベストが組めないんだと思う。レコード会社を何度も移籍してるし、共作者が亡くなってたりもするので。
1971-1978 Tokyo Shyness Boys
Chattanooga Choo Choo / 細野晴臣
Hurricane Dorothy / 細野晴臣
泰安洋行 / 細野晴臣
風をあつめて / はっぴいえんど
暗闇坂むささび変化 / はっぴいえんど
風来坊 [1993 Remix] / はっぴいえんど
福は内鬼は外 / 細野晴臣
東京ラッシュ / 細野晴臣 & イエロー・マジック・バンド
Yellow Magic Carnival / TIN PAN ALLEY
"Sayonara", The Japanese Farewell Song / 細野晴臣
ろっかばいまいべいびい / 細野晴臣
夏なんです / はっぴいえんど
恋は桃色 / 細野晴臣
東京Shyness Boy / 細野晴臣
Black Peanuts / 細野晴臣
Chow Chow Dog / 細野晴臣
ありがとう / 小坂忠
相合傘 / はっぴいえんど
北京ダック / 細野晴臣
Worry Beads / 細野晴臣 & イエロー・マジック・バンド
はらいそ / 細野晴臣 & イエロー・マジック・バンド
1978-1985 Every minute, Every second
Picnic / 細野晴臣
Sports Man / 細野晴臣
Chaos Panic / Yellow Magic Orchestra
The Endless Talking / 細野晴臣
Androgena / 細野晴臣
Pietro Germi / 細野晴臣
L.D.K. / 細野晴臣
The Image Of Paradise / 細野晴臣
Cue / Yellow Magic Orchestra
Gradated Grey / 灰色の段階 / Yellow Magic Orchestra
Simoon / Yellow Magic Orchestra
The Madmen / Yellow Magic Orchestra
Return Of Body Snatchers / F.O.E
Hum Ghar Sajan / 細野晴臣 & 横尾忠則
Lotus Love / Yellow Magic Orchestra
Wild Ambitions / Yellow Magic Orchestra
Nokto De La Galaksia Fervojo / 細野晴臣
1989-2003 I Follow The Peacocks
Andadura / 細野晴臣
Omukae De Gonsu / 細野晴臣
Ekot / Sketch Show
Voo Doo Surfer / swing slow
Honey Moon / 細野晴臣
Heliotherapy / 細野晴臣
Good Morning, Mr. Echo / swing slow
Arizona Analyzer / HAT
Roochoo Gumbo Y2K [Mix On The Beach] / Kalabisa
Aero / 細野晴臣
Orgone Box / 細野晴臣
Flowers / Tin Pan
コント: ポンポン蒸気 / 細野晴臣, 岡田崇, 東榮一
Pom Pom Joki / Harry & Mac
日本の人 / HIS
Cue [LIVE] / Sketch Show
Pleocene / 細野晴臣
2005-2019 Lucky Star of Sorrow
The House of Blue Lights / 細野晴臣
ラムはお好き? part 2 / 細野晴臣
Body Snatchers / HARRY HOSONO & THE WORLD SHYNESS
悲しみのラッキースター / 細野晴臣
ローズマリー、ティートゥリー / 細野晴臣
Image & Collage [万引き家族] / 細野晴臣
薔薇と野獣 / 細野晴臣
恋は桃色 / 細野晴臣
住所不定無職低収入 / 細野晴臣
Rescue / HASYMO
CHOO CHOO ガタゴト [アメリカ編] / 細野晴臣
Yume-Miru Yaku-Soku / HARRY HOSONO & THE WORLD SHYNESS
Unsung Song / 細野晴臣
天気雨にハミングを / 細野晴臣
Ain't Nobody Here But Us Chickens / 細野晴臣
Good Good / 小泉今日子 & 細野晴臣
Miracle Light / HARRY HOSONO & THE WORLD SHYNESS
バナナ追分 / 細野晴臣
Oblio / 細野晴臣
Sportsmen [LIVE] / Yellow Magic Orchestra
Stella [LIVE] / HARRY HOSONO & THE WORLD SHYNESS
はらいそ [LIVE] / HARRY HOSONO & THE WORLD SHYNESS
Songs Of Harry!
Puzzle-Riddle / 太田莉菜
東京ラッシュ / 森高千里
赤道小町ドキッ / 中川翔子
ハイスクールララバイ / SOLEIL
天国のキッス / 松田聖子
七夕の夜、君に逢いたい / Chappie
The Last Letter / Bread & Butter
ただいま / 星野源
ほうろう / 小坂忠
しらけちまうぜ feat.小沢健二 / 東京スカパラダイスオーケストラ
Sticky Music / Sandii & The Sunsetz
終りの季節 / 矢野顕子
心のアンテナ [Haruomi Hosono Original Mix] / 中川翔子
ガラスの林檎 / 松田聖子
Siam Paradise / 少女隊
Lull In A Rain / Everything Play
宵待ち雪 / 裕木奈江
風の谷のナウシカ / Priscilla Ahn
Sunday Girl / YUKI
Sea Change / 高橋幸宏
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いまは殆ど無視されてる1989年から2003年にまる1枚を割いた。この辺が僕が細野さんにどっぷりはまった時期なんで。
徹夜作業が終わって肩の荷が下りて、一眠りして起きたら、amiinA現体制終了のお知らせがタイムラインに流れてきた。思いはSIDE-Aに書いた通り。激しく動揺した。
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17日。寒くて猫たちがぎゅうぎゅう。かしぶち哲郎さんの命日。タイムラインにかしぶちさんの名曲が並んだ。’やっぱりMoonridersかしぶち派は多いな。あの6人の個性とバランスが奇跡だったと思う。Controversial Sparkもあの5人が奇跡。はちみつぱいはメンバーが流動的なのがいいな。
僕の好きな曲は “Frou Frou” “花のイマージュ” “Listen To Me Now” あたり。
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18日。睡眠障害。内科の診察と障害者支援センターの歩く会をさぼってしまった。
ラブサマちゃんが卒論に焦ってた。9割書き上げたところでWordがクラッシュ、ゼロから書き直して8万字書かなきゃかと思ったら4万字で助かったと。っていうか卒論ってそんな無計画に書くものなのかな。それはエッセイではなかろうか。
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今川宇宙の夢日記@神田THE SHOJIMARUへ。
久しぶりのワンマンだ。相変わらず圧倒的な演奏力、宇宙くんのボーカルは癖がなくてすごく好き。そのぶん歌詞に個性があって、その天才性は松本隆さんにつながるなと思った。”ルビーの指環” をカバーしてた。ほかのイベントのBGMでも松本隆作品が目立つ。言葉の乗せ方や世界観、都市生活者の心情を描くところ。カバーといえばお父さん西郷輝彦さんの “ねがい” って曲がかっこよかった。作曲はラブサマちゃんのおじいちゃん、いずみたくさん。
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オリジナルの新曲もどんどん溜まってきて、そろそろ新しい音源が聴きたい。宇宙くんの芝居に集中したい意志を尊重しつつ、時間はかかるかもしれないけどいい曲だらけなんで。
ライブはたかしUNDERSTANDが “恋人がサンタクロース” を歌ったり、相変わらず緩いステージ進行。ゲストのほげちゃんは禁断の多数決のボーカルだ。やっと把握した。
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だいぶお酒を飲んだ。ただの酔っ払いおじさんだったな。調子に乗って宇宙くんにメンション送りまくって後悔してる。
夢日記のライブは間違いなく楽しくて、お客さんもいい人ばっかり。宇宙くんのファンはオタク感がない。僕が一番オタクだ。宇宙くんは自分のファンをシャイだって言ってたけど、シャイなりに紳士淑女で知性を感じる。世界観に共鳴してるのがわかる。東伊豆先生が僕のMix CDにすごく反応してくださるのがいつも光栄。
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多摩村に降り立ったとたんにむせ返るような冬の匂いがした。
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「この世界の (さらにいくつもの) 片隅に」の公開が迫って話題でもちきり。「この世界の片隅に」が完璧な映画過ぎたんで、若干の不安もある。でも原作にあったあのシーンやこのシーンが入ったら、ますます深みが出るとも思ってる。なんといっても片渕須直監督の才能と根気を信じてる。
天覧上映もあったりでしばらくは混みそうなんで、時期をみてベストポジションで観る。たぶんまた何度も劇場に足を運ぶことになるだろうな。メガネを作り直したのはこの映画のためでもあった。
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で、これは何度書いたかわかんないけど、「風の谷のナウシカ」は映画より原作が100倍いい。映画版の強引なクライマックスを削った (さらにいくつもの) 版を作って、その続編として原作のその後の果てしない物語を綴ったVol.2、Vol.3を作って欲しい。宮撫xさん絶対にやりたがらないから、庵野秀明さんで。
歌舞伎のナウシカはいつまでやってるのかな。観てみたい。
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amiinA@渋谷O-Westへ。
活動終了発表後初めてのライブだし、主催ライブだ。MCの比嘉奈菜子さんが出てきてamiinA愛を爆発させてた。対バンの原田珠々華さんは “Canvas” をカバーしてた。3776はアヴァンギャルドさはそのままにずいぶん大人びた。
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amiinAはなんとこのタイミングで、1曲目に新曲 “rainbow” をぶち込んできた。びっくりした。スゲー!! 最初のMCで「湿っぽくなりたくない」って言ってったのがとってもamiinAらしいし、その強い意志が斎藤さんはじめスタッフさんにも共有されてたし、ファンにもすぐに伝わった。泣き言は言わない潔さ。そして新曲はこれだけじゃなさそうなことを匂わせた。初めての生誕祭も決まってまだまだ攻めるぞ。
ライブもアッパーなセットリストで、とても終りを迎えるグループとは思えないますます進化したパフォーマンスを観せてくれた。”sign” をやってくれたのが個人的に嬉しい。ファンの盛り上がりもすごかった。
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終わったあと手紙を渡した。5枚も綴ってしまった。読んでくれたらいいな。寂しいか寂しくないかったらめちゃくちゃ寂しいよ。でもこれからも彼女たちを応援したいと思わせるのに充分なステージだった。amiinAってそれだけの存在だった。最高に楽しかった。
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20日。おそろしく暇なはずなのに忙殺されてる。でも寝込んでた。病気で体調が安定しなくて寝込んでる時間がものすごくあるのだよな。
猫がちゅ〜るを好きすぎて袋をかじっちゃうんで、あぶないなと思ってちゅ〜るやり器みたいなの買ったんだけど、これ失敗買物だったな。普通におさらであげるのが一番いい。
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ビートたけしさんが紅白歌合戦に歌手として出場して “浅草キッド” を歌うそうだ。”嘲笑” じゃないんだ。
たけしが昔漫才師としてめちゃくちゃ面白かったって言っても若い人は信じないだろうな。鶴太郎がアツアツおでんをやるリアクション芸人だったって言っても信4っっj5.92%減と急減し、1899年の統計開始以来初めて90万人を下回った。出生数が死亡数を下回る人口の『自然減』も51万2千人と初めて50万人を超え、政府の対策にもかかわらず少子化・人口減が加速している」。
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「先進国でも日本は突出 ひとり親の『働いても貧困』」。「今年は与党で、未婚のひとり親を支援する税制改正が議論になりました。結婚していたひとり親に比べて損をする制度を見直そうという動きです。両者の格差是正も大切ですが、底流にあるのは、ひとり親家庭に貧困が多い問題です。世界でみても特殊な日本の労働状況も潜んでいます」。「日本のシングルマザーは男女の賃金格差、正社員と非正規の賃金格差という『二重の格差』の中で働いているため」。「シングルマザーの労働時間は、非正規でも、働き盛りの成人男性とほぼ同じです。すでに十分な時間働いている。就労促進による自立支援は限界がある」。
「別れた父親から養育費を受け取っている母親はおよそ4人に1人だけです。欧米では、別れた親が養育費を払わない場合、行政が介入し徴収したり、行政が立て替えたりする制度があります。日本では国レベルの制度はなく、基本的に『親任せ』です」。
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「さよならテレビ 社内は抵抗、でも撮った報道の『恥部』」。「『さよならテレビ』。そんな挑発的なタイトルのドキュメンタリー映画が公開される。テレビ局内にカメラを向けたのは、現役の局員だ。視聴率至上主義がニュース番組にも持ち込まれ、広告を出すスポンサーなどの要望に応える『是非ネタ』のニュースをつくっている赤裸々な姿。正社員の労働時間を削減するため、非正規社員が報道の現場に増えていることも映し出される」。
「普段はカメラを向ける側のはずのテレビ局員の抵抗感は想像以上に大きかった。報道フロアで日々のニュースを発信するデスクらから『取材拒否』に遭い、撮影中断を余儀なくされた」。
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内田樹さん。「テレビは『もう終わり』だと思います。民放はすでにビジネスモデルとして破綻し始めましたし、NHKは政権の広報機関になりました。テレビを蘇生させるためには中の人たちが危機感をもって、根本的な刷新を試みるしかないけれど、それを決断するだけの勇気のある人がもう上層部にはいない。民放は広告出稿の減少→制作コストの削減→コンテンツの劣化→広告出稿の減少という『負のスパイラル』に入っています。問題は『コストの削減』と『コンテンツの劣化』の間にほんとうは因果関係がないということことです。それに気がついていないのが危機的なんです」。
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「人種差別的投稿で罰金30万円 迷惑行為防止条例違反、川崎」。「人種差別的なツイッター投稿で在日コリアン女性の名誉を傷つけたとして、川崎区検は27日、神奈川県迷惑行為防止条例違反の罪で、藤沢市の池田茂幸氏を略式起訴した。川崎簡裁は同日、罰金30万円の略式命令を出した」。「起訴状によると、2016年6月から17年9月、川崎市の在日3世崔江以子さんに対する嫌悪の感情を満たす目的で、ツイッターに「民族性モロ出しの小賢しさはムカつくぜ」などと4回投稿した、としている」。
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「ライムスター宇多丸のお悩み相談室300『私は在日韓国人です。数年前から日本でのヘイトに怖いと感じるようになり、日本から出ていく選択をしようと思っていますが、おかしいでしょうか?』」。
宇多丸さんの回答。「まず、言うまでもなく...。おかしいのはアリサさんじゃなくて、あなたにこうまで言わせてしまった日本社会であり、日本人たる我々のほうですよ。ただただ申し訳ないし、情けない」。「なぜかと言うと、たとえば我々には、最悪の『前科』があるからですよ。普段であれば差別的言動にもしっかり嫌悪感を抱くであろう良識ある人たち、要は我々のようなフツーの人々でさえ、知らず知らずのうちに世の中の空気に飲み込まれ、『義憤に駆られて』集団的暴力に加わりかねないのだ、ということ」。「目の前の差別的言動を許さない、流さない、というのはもちろんだし...その手の発言を公の場でたれ流したような政治家なんかが改めて当選などしないよう、しっかり参政権も駆使していかなきゃいけない。性差別などと同様に、ね」。
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「日本人が韓国の反日デモでフリーハグをしてみた」。
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「グレタさんが香港デモ支持、中国紙『危険なPR』と批判」。「スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんが香港のデモを支持するような発信をしたことに、中国メディアがかみつき、『危険なPR行為だ』と警告した」。「共産党機関紙・人民日報系の環球時報は16日、『危険なPR行為だ』とする記事を掲載」。「『火炎瓶は環境汚染だ』との中国ネットユーザーの声を引用しつつ、『香港の反政府抗議者は世界の注意を引くためにグレタを利用している』などと批判した」。
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SIDE-Dに続く。
12月29日 SIDE-D DECADE
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楽しい音楽の話を。忙しい人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2019/12/13を。20日、27日分は公開されていない模様。
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SIDE-Bにも書いたけど、”Popcorn” やディズニーランドのエレクトリカルパレードで使われてる “Baroque Hoedown” で知られるGershon Kingsleyが亡くなった。僕の青春時代にモンド文脈でリバイバルがあって、のめりこんだんだよ。2020年度「グラミー賞 特別功労賞生涯業績賞」が発表された。Iggy Pop、Roberta Flack、John Prine、Isaac Hayes、Public Enemy、Chicago、Sister Rosetta Tharpe。20代から自覚なく始まる聴力低下のテスト。まじか。13000Hzあたりから聴こえない。
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年末、十年期末で年間ベストがたくさん発表された。ピッチフォークの「The 50 Best Albums of 2019」、「The 100 Best Songs of 2019」。「The Best Rock Albums of 2019」、「The Best Electronic Music of 2019」、「The Best Experimental Albums of 2019」、「The 20 Best Music Videos of 2019」、「The Best Music of 2019: Pitchfork Readers’ Poll Results」。ぽつぽつとCHAIがランクインしてる。ビルボード誌の「The 50 Best Albums of 2019: Staff Picks」。ガーディアンの「The 50 best albums of 2019: the full list」、「2019 in African pop: 10 must-listen tracks」、「50 new artists for 2020」。民族音楽好きには嬉しい。探せばほかのチャートも出てくるだろう。NPR局の「BEST ALBUMS OF 2019」、「BEST SONGS OF 2019」。SPINの「The 10 Best Albums of 2019」。ニューヨーク・タイムズの「Best Jazz of 2019」。SoulTracksの「The Best Cover and Tribute Albums of 2019」。カヴァー曲を扱うCover Meの「The Best Cover and Tribute Albums of 2019」、「The Best Cover Songs of 2019」。ぜんぶ見るのがめんどくさい。100以上のメディアのベストアルバムをポイント制にして集計した「2019 Music Year End List Aggregate」。Lana Del Rey食わず嫌いしてるな。ちゃんと聴いてみよう。
Tracey Thornの2019年プレイリスト。The Jesus And Mary ChainのWilliam Reidの2019年プレイリスト。uDiscoverJPのオールタイムクリスマスジャズプレイリスト。
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JET SETのサイトで「アーティスト・DJが選ぶ2019年ベストディスク!」が公開された。アメリカで「シティポップとFuture Funkの台頭」なる動画が公開された。もうすぐ日本語版字幕がつく。世界の政治が不安定なこの時期に、欧米では知られてなかったバブル期の日本の「来なかった未来」を描く音が求められてること、ノスタルジックと「懐かしい」の違いなど、興味深い話題がいっぱい。Toro y Moiの台頭やBeckの新作にも繋がる。
「配信サービス普及でも売上げ急増 レコード完全復活の謎に迫る」。「日本ではまだCDのほうが売れています。それでもレコードの売り上げはすごい勢いで伸びていて、今後日本でもレコード盤を出すアーティストは増えていくだろうと思っています。売り上げがこれほど伸びた理由は、やはりデジタルのカウンターカルチャーという側面が大きいのではないでしょうか」。「大判の美しいジャケットやブックレット、歌詞カード、ボーナストラックなど、レコードはクリエーターが表現したい世界観を耳と目で共有できるのが魅力です。外ではスマホ、家ではレコードで楽しむという感覚でしょうか」。
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