DIARY 2020年2月


2月7日 SIDE-A 言葉の洪水を前に

2020年、年男は生まれ変わりの年にしよう、これから人生の大逆転をしようと誓ったけど、なかなかうまくいかないことが続いて、早くもくじけそう。
 ダイエットは頑張ってる。運動を続けて食事に気をつけて、体重は落ちてないけど体脂肪率は落ちてる。できてないのが自分のアウトプットをすることだ。

いまや唯一のアウトプットの日記も言葉の洪水すぎてもはや誰にも読まれない。もっとコンパクトにまとめたいと思いつつ、だらだら時間は過ぎて書くべきことに溢れる。政治や社会のことに触れなければだいぶコンパクトになるんだ。でもそれは信念的にできなくて。
 言葉以外の表現したい欲が目詰まりをおこしてる。かれこれ10年くらいこんな気がする。情報過多だ。

僕は孤独からくる強迫観念で、フォローしてるすべてのツイートを読んでる。表現者をフォローしてるとタイムラインのコンテンツは告知、告知、告知の雪崩だ。告知してる方は告知に夢中で告知の日時を必ず間違える。こんどは訂正、訂正、訂正の雪崩に飲まれる。
 「私を見て!!」の承認欲求の洪水に溺れ、スクロールしてもスクロールしても告知だ。スタッフを食べさせなくちゃいけない責任はわかる。けど正直辟易する。

告知の雪崩に飲み込まれてるうちに、僕は僕自身の表現ができなくなっちゃう。ずっと考えてる「ミュージシャン音楽を愛してない問題」のひとつのヒントかも知れない。
 表現文化が好きな人は告知の雪崩に溺れて、表現なんかより自分が好きでたまらない人が表現できる。

文筆家はやっぱり告知が上手いな。読ませる告知をする。俺も告知してやりたいけど告知することがないんで告白をしてみようか。愛の告白を。

25日。なんだかんだで2時間睡眠 (寝てない自慢) のわりにハードスケジュール (遊びの用事) 。で、起きてタイムラインを辿ったら告知の洪水に飲み込まれて、危うくライブに遅刻しそうになった。
 告知のしすぎが集客を遮ることがある。

amiinA@代官山UNITへ。
 イベントはとっくに始まってて、amiinAの出演時間にぎりぎり間に合った。受付らしい場所が見つからなくって階段を降りてったらそのまま会場に入っちゃった (あとで精算した) 。

会場に入ってすぐに前の方にずるずる潜り込んで3列目へ。ほんとは "Jubillie" の「傷だらけのBOY 夢見がちなBOY」のところでmiyuちゃんに指さされる位置をゲットしたい傷だらけで夢見がちなUNCLEだ。
 この日はとっても「伝わる歌」を歌う日だった。ここんところ主催ライブやワンマンが続いたんで持ち時間的には短かったけど、そのぶん充実してた。

"Caravan" から始まっていきなり盛り上がって次が "Avalon" でまた盛り上がった。そこから聴かせる曲が続いた。"illumina" や "リフレイン" がセットリストに入るのは珍しい。後半は "Jubillie" で盛り上げて "Canvas" で大団円。
 終演後の物販コーナーにセットリストを書いた黒板があるんだけど、そこにmiyuちゃんのイラストが入る。いつもなにを描いてるのかよくわかんない。この日は自分でもわかんないと思ったのか、「チョコパン」って書いてあった。チョコパンだそうです。

代官山HENRY'S BURGERで食べたハンバーガー47年の人生で一番美味かった。これが牛肉の味ならほかのハンバーガー屋さんはなんの肉使ってるんだ。
 その足でOriginal Love主催「LOVE JAM vol.5」@Zepp DiverCityへ。これがもう日本のロック史に残るだろう素晴らしいライブイベントだった。

出演はOriginal Love / Cornelius / 中村佳穂という夢のような布陣。3組とも狂おしいほど好き。このセットが組まれた時点で成功は半分約束されたようなもんだった。
 入口でおめあてを聞かれて口をついてOriginal Loveって応えちゃったけど、中村佳穂さんにすればよかったかな。主催者Original Love、世界を股にかけるCorneliusと比べて、全国流通のアルバムを1枚出しただけの中村佳穂さんは分が悪いと感じた。

とうぜん1番手はその中村佳穂さんだと誰もが思っただろう。スクリーンにCorneliusの "Mellow Waves" ツアーのロゴが映っても、映写テストだろうって。そのままスクリーンが降りてCorneliusバンドの演奏が始まった。
 "Mellow Waves" ツアーを観るのは実は5回目。前の日2時間睡眠だったこともあって、正直立ったまま寝てた。

バンドメンバーはいつもの堀江博久さん、大野由美子さん、あらきゆうこさん。"Mic Check" から始まって、"Mellow Waves" の曲を中心にしたセットリスト。VJと完璧に同期された構築された世界。
 "Count Five or Six" では観客にカウントさせる演出で盛り上げる。"Star Fruits Surf Rider" はライブのアンセムとして20年以上定着した。最後は "あなたがいるから" 。

その構築された世界を完璧に覆したのが2番手の中村佳穂さん。フジロックでも爆発してたけどその比じゃなく爆発してた。人は半年でここまで成長するのか。
 まず田島貴男さんが出てきて「次の子はまじでトチ狂ってる」と紹介。

いつもピアノの即興でその日のライブに出た感慨を歌う佳穂さん、この日はいきなりマイクスタンドからマイクを取って、ハンドマイクで新曲と即興パフォーマンスをした。
 「音源聴いて予習してきた方ごめんなさい、ぜんぜん違うことします!!」。ジェスチャーで即興についてくるバンドもすごい。

例えばDownってジェスチャーすると演奏がカームダウン、Upってジェスチャーすると勢いをましていく。渋さ知らズオーケストラのような、Date Course Pentagon Royal Gardenのような。それが難しくなくポップソウルに着地する奇跡。
 "Count Five or Six" によく似た演出で、佳穂さんが叫んだ数だけリズムを刻んでジャンプして曲に戻る。最後は72回ジャンプしてた。それだけで若さを感じた。72回のカウントを飽きさせないリズムのバリエーションにも驚かされた。

バンドは学生時代にいろんな対バンをして、おかしい人を集めてきましたって。
 本人がヴォーカル・キーボード、もうひとりキーボード、ギター、ドラムス、シンベとマニピュレーターがいて、このマニピュレーターくんがすごく歌える。ゲスト出演した田島貴男さんとスキャットバトルできるくらい歌える。

彼女を一躍有名にしたアルバム "AINOU" からの曲はもちろん、その後配信リリースされたシングル "LINDY" が好き。佳穂さんの可愛らしさがとてもよく出てる。
 天性のグルーヴで楽しそうに演奏する、笑いながら歌うその笑い声もグルーヴに組み込まれてる。とにかく喜びの放出をするライブだった。

田島貴男さんを招いて "きっとね!" セッション、デュエットだけじゃなくて田島さんギターソロもアツい本気モードだ。
 田島さんは「トチ狂ってるって言ってごめん」って謝ったあと、頭で考えるんじゃなくてフィジカルに音楽を表現できるミュージシャンだって言い換えた。そう、まさにその通り彼女の中にソウルが宿っている。

田島さんを見送って "接吻" を一節歌って怒涛の本編へ。レア曲 "My Blue" を弾き語ったのは客席の高野寛さんへのプレゼントだろうか。"AINOU" で大団円。

Original Loveはとにかく踊らせる完璧なファンクバンドだった。彼らも去年のFUJI ROCKのセットリストに近い。序盤から "Million Secrets Of Jazz" でアゲる。
 もう大ベテランの超絶上手いバンドをバックに田島さんがジャジーなギターを弾きまくり、ときどき木暮晋也さんが轟音ギターで前に出てくる。

ボーカリストとしても声がよく出て耳をつんざくばかり、単に声量だけじゃなくて言葉のリズムへの乗せ方が日本人のレベルじゃない、清志郎に続いて日本から出てきたソウルのノリを歌えるシンガーかも知れない。それこそフィジカルで自然に体が動く。
 50歳を過ぎてまだ成長してるのは驚きだ。すごい努力をしてるんだろうな。Mick Jaggerが50歳で酒もドラッグもやめて毎日8km走り出したことを思い出した。

バンドがいったんはけて中村佳穂さんを招き入れて2人で "The Best Day of My Life" セッション。ここでなんと田島さんがイントロを間違える肩に力の入り具合。佳穂さん「ですよねですよね耳コピした音と違ってどう出たものか迷った」って笑ってた。それくらい佳穂さんと対峙するのが田島さんにとってもプレッシャーなんだ。もちろん仕切り直しの演奏ではばっちり決めてた。
 田島さん「娘みたいな年齢のミュージシャンに打ちのめされるとは」って嬉しそう。

そしてもうひとりのゲスト、小山田圭吾さんを招いて「知り合って30年だけど初めて」共演したのは "Orange Mechanic Suicide" の初期バージョンだった...胸熱。Original LoveがRed Curtainだった頃、Flipper's GuitarがLollipop Sonicだった頃の曲だ。
 小山田さんはギターを演奏してリードボーカルを取ることはなかったけど、30年前に舞台袖で聴いた曲をどんな思いで弾いたのかな。

小山田さんがはけてから畳み掛けるように "Let's Go" "The Rover" 。ずるいわ。
 全出演者がステージに戻ってアンコールあるなと思わせて「また来年」。本日の公演は終了しましたのアナウンスがあっても手拍子やまず。3組ともこれからも熱心に追いかけることになるだろう。中村佳穂さんのヤバさには世界が気づけ!!

日本のロック史に残るライブイベントを観た。カメラが入ってなかったのがつくづく残念。高野寛さんがアツいライブレポートを書いた。
 イギリス一辺倒だった僕がソウルに目覚めたきっかけはOriginal LoveとGrand Fathersかもな。彼らもイギリスからアメリカに音楽性をシフトして、それに着いてく形だった。

26日。久しぶりにヘビーな鬱。抗鬱剤を貪り食って猫を揉んだ。

パラサイト 半地下の家族」を観に行った。韓国のブラックコメディ映画。これはパルムドール取るわ!! 面白かった!!
 ネタバレなしじゃ何も書けないけど、ユーモア、スリル、サスペンス、韓国の社会の特に貧富差を見事に描いてた。とにかくぐいぐい引き込まれた!! 観終わって「映画観たーって」感じる映画。

最初はコメディタッチで始まって、主人公の女の子が可愛いななんて笑えるシーンがいっぱいでほのぼの観てた。だんだん手に汗握るスリルが入り込んできて、ギリギリで見つからないとかギリギリで逃げ出すとか、最後はサスペンスものになって最初のノリとはだいぶちがったテンションで終わる。
 あくまで娯楽映画だけど、作家性やメッセージ性は確かにあった。監督自身は「解釈の網をすり抜ける魚になりたい」と。

吉祥寺でふらっと入った沖縄料理屋さんがすごい美味しかったけど、それ相応の値段でビビりつつ平然を装った。
 konore@吉祥寺NEPOへ。konoreさんのソロを観に行くのは久しぶりだ。konoreさんのイントネーションはko↑nore。ス↑キルとおんなじ。マサルとかサトルとかシゲルとか。

吉祥寺の駅から結構歩く初めて行くライブハウスの、ブッキング担当の方のさよならイベントだった。ライブハウスにちっちゃいお子さんがいていい雰囲気。
 対バンはいい意味でヌケ感があって、どういうスタンスで観ていいのかよくわからなかった。直前はノイジーなギターとドラムスのデュオで、ドラマーがスネアを破かないか心配になった。君島青空さんみたいな細々途切れるビブラートは流行ってるんだな。

Konoreさんは文句なくかっこよかった。時々しか拝見してないけどキーボード弾き語りをやってみたり、ノイズをやってみたり、ソロ名義ではなにが出てくるかわからなかった。ポップな側面を観せるのに長けてわかりやすくなったように感じた。
 ギターの上手さと表現力は言わずもがな、ボーカルもキュートだ。文学的な歌詞と耳に残るポップなメロディの素晴らしい楽曲。タイトなリズム隊に同期が色を添える。

"chinese butter" やthe rooms時代の "チアチアゴー" といった古い曲をもってきた。"chinese butter" は最近になってEPに収録されてMVも作られたり、いまになって売り出してる感じ。
 友達の結婚式のために作ったっていうハッピーな曲、恥ずかしそうに演奏してたけどすごく良かった。ああいう路線を開拓して欲しいな。

帰宅して口さみしくて、韓国のりをむしゃむしゃ食べ始めたらやめられなくなった。

27日。寒い。江戸アケミさんの命日。第62回グラミー賞の日。断片的に流れてくる情報に目をやった。

2日続けて映画。「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」観てきた。この映画自体がそもそも20年以上前に、ジョニー・デップとバネッサ・パラディ主演の娯楽大作として企画されたものの、洪水でセットが流されたり、キャストが亡くなったり、資金難に陥ったりで長い間頓挫してたんだ。
 完成しないことで伝説になってた映画が、だいぶ規模を縮小してよくも悪くも完成してしまった。その執念に恐れ入る。

物語も映画撮影のシーンで始まる。映画内映画、妄想と狂気と宗教と時間がメタに絡み合い、男は結局ドン・キホーテだっていう映画だった。長い間この企画に固執したテリー・ギリアムもドン・キホーテだ。
 全編これでもかって言うほどのテリー・ギリアム節で、僕はサイコーって興奮したけど万人受けはしないかも知れない。タイムラインで言及してた人は鈴木慶一さんだけで、やっぱりサイコーって描いてた。

夜はかねこきわの@高円寺U-hAへ。
 家でギターの練習しようとしてチューニングしてたら、6弦を弾きながら5弦のペグを回してたとかで、当然音が変わるはずもなく回しすぎて弦を切った、弦を替えたことがないし替え方もわからないんでおーたけ@じぇーむずのギターを借りましたと。おーたけも自分のギターの弦を切られちゃたまんないと、二人羽織でチューニングしてた。いきなり情報量が多い。きゃのんはキャラがおかしいしルックスが可愛いし、情報量が多すぎるからリスナーの耳がなかなか音楽の良さに向かないところがある。

久しぶりに "癖" から始まるセットリスト。そして去年毎月発表してきた曲たちを。ギターも歌もすごく安定してきたなあ。得意の口ラッパや口ギターソロを披露してた。キーボードに移ってからは "哀しい予感" はじめ全体的に音数が多くて、細かいグリッサンドを入れてきたり流麗なジャズみたいな世界だった。全曲歌詞が飛んでたけど。日々の暮らしで思うところあったらしく、"マダムにはならない" をババーにはならないに歌い替えてた。
 U-hAでのきゃのんはいつも魔法。自由が許されるからのびのび演奏できる。きゃのんの音楽の良さが伝わるライブだった。

おーたけはパッと見て美人になったなあって。痩せたんだそうだ。ギターの上手さは言わずもがな、ボーカルの表現力が抜群によくなって、時にシャウトするようにうたったりマイクから離れて生声を聴かせたり、音楽の良さ、曲の良さが伝わってくるライブだった。おーたけの曲の良さを指摘する人が少なすぎる。ギタリストではなくてアーティストおーたけをみんなに気づいて欲しい。
 きゃのん&じぇーむずの曲を2曲披露して、1曲はきゃのんが前に出て踊ってた。きゃのんはほかの曲でも後ろで踊ってたらしい。あの2人が仲いいのは面白いな。"津軽海峡・冬景色" のハードブルーズカバーがめっちゃかっこよかった。

多摩村は完璧にスノー。夕暮れ団地は積もってた。寒かった...。

28日。Robert Wyattの誕生日にしてどんとさんの命日。夜中に積もってた雪は雨に変わって溶けたみたい。今度は猫が暑い。書き物をして夜はRitomo@高円寺U-hAへ。

Ritomoの曲は16小節のフレーズを転調で繰り返してくパターンが多い。無駄なフレーズがない。そして単調さを感じさせない編曲と演奏だ。この日はソウルフルな曲が多かった。スキャットのかっこよさやブレークの間合い、体にグルーヴが染み込んでる。
 そしてあの文学的な歌詞世界の発想の元は、身近なことや生活にあったとしても、ぐいぐい引き込まれるストーリーテラーだ。この日は対バンもよくて、楽しい夜だった。

水ゐ涼さんは、原マスミさんみたいに瑞々しくてキレのある声と丸くて優しい声が同居して、とてもきれいな音のピアノを奏でる。ピアノも丁寧に編曲されて、メロディとユニゾンしたりアイデア豊かだった。
 ソロの曲は透明に歌うファンタジックな世界、かつてのバンド時代の曲は激しくシャウトするように歌う。幅の広いミュージシャンだ。買ったCDのクレジットを見たらエンジニアが君島大空さんだった。

西山小雨さんは、ちょっと鼻にかかった心地いい歌声で歌う。ウクレレを持ってきたそうだけど全曲ピアノ、水にまつわる歌を集めたセットリストだった。
 息を飲むほどの緊張感とゆるさとのコントラストが見事。テーマからはずれたアンコールの "自転車コロコロ" って曲が軽快で特に心地よかった。

多摩村はどしゃぶりだ。

29日。この日は頑張りどき。「精神病院に4年閉じ込められた彼女の壮絶体験」って記事を読んだ。この中で、彼女は開放された今について「何よりいちばんの幸せは、家族や友人と自由に連絡が取れることです」って語ってる。僕は隔離こそされてないけど、「自由に連絡が取れる家族や友人」がそもそもいない。やっぱり異常な状況なんだと思う。
 既婚者と生涯未婚者では平均寿命が8年違う。孤独はそれほどストレスフルだ。まして自分が生まれ育った家族親族からものけものにされ、友人知人からも罵倒を受けて孤立している僕は、発狂せずによく保っているなと思う。信じられるパートナーが切実に欲しいけど、恋愛ってどうすればいいのかわからない。

僕はかつて誰でも知ってる電機メーカーに勤めてた。もし辞めなかったらって考えることがたまにある。あの頃はまだクリエイターへの夢が燻ってて、会社の名前で取ってきた案件を下請けに回すだけの仕事に焦ってた。当時、取締役の娘さんとお見合いをした。なぜか気に入ってもらえた。でも当時交際していた女性がいたんでお断りした。あのまま出世コースに乗っていたら、安倍政権とも親しい会社で美味しい思いをしてたかも知れない。
 Facebookを一瞬でやめたのもそういうことだ。特に慶応出身の人々は人生順風満帆のままこの年齢になって、「パンがないならケーキを食べればいいのに」的な、安倍晋三や麻生太郎と話しているような感覚に辟易した。フィクションでは多くのヒールは心に闇を抱えてるけど、安倍晋三も麻生太郎もなんだか楽しそうだ。

自己肯定感!! (たまに叫ばないと) 。内科へ。4週間ぶりの医者に「痩せました?」って言われた。体重は変わらないけど体脂肪率は着実に落ちてる。痩せてモテる。
 で、僕はマスクをしてる人が苦手なんだ。っていうのは口元で人を判別するみたい。マスクしてる人に声をかけられても誰だかわからない。子供の頃にピエロが怖かったみたいに、素顔がわからないと表情が読めない怖さもある。写真撮る時もマスクしてる人の美意識がわからない。チェキ撮ってもらう時にマスクしてる人がいて、それは流石に外してもらった。コロナウイルスにマスクあんまり関係ないらしいよ。これについてはあとでちゃんと書く。

気温は18℃まであがって、日向じゃ暑いくらいだ。劇団大人の麦茶「やっと味がする。」千穐楽観劇@下北沢スズナリ。面白かった!! 泣いた!!
 今川宇宙くんの迫真の演技に打ちのめされた。特に最後の一言の重みと表情。終幕の一瞬を託されてた。カーテンコールでそのまま泣いてたな。男はいくつになっても女の子の涙に弱い。普段オフステージで話してる宇宙くんとまったく別人で呆然としちゃう。

大人の麦茶の脚本は、上手に伏線を回収して予想もつかない方向にストーリーが展開して目が離せない。最後にすべてが繋がった時に心地いい感動が押し寄せてくる。伏線を回収することがいい台本の絶対条件じゃないけど、大人の麦茶はそれぞれに魅力的なキャラクターがそれぞれの事情を抱えて、そういう落とし所に持ってくるかって納得させられる。
 宇宙くんは最後に「全部私が悪いんです」って言う。僕は結局みんないい人だったんじゃないかと思う。

お話は、タクシー運転手の社員寮の一室だけで展開する。舞台転換一切なし。ただ秘密の屋根裏部屋があって、その視点の切替が見事だ。宇宙くんは基本ずっと屋根裏にいて、みんなの様子を見ていろんなことを感じる。もちろん演劇だから、それぞれの登場人物に大きな転機となる事件を描くわけだけど、そういう瞬間を切り取って「生きるってこういうことだよな」って思わせてくれる。
 たかしUNDERSTANDのギターはPink Floyd的で、ギターのトーンが演劇のトーンのかなりの部分をリードしてた。

終演後、宇宙くんと話をした。劇が終わった直後の興奮が僕にも宇宙くんにもあって、うまく喋れなかったな。
 プレゼントで失敗をやらかした。用意してたのはUSB充電の可愛いカイロだった。これを充電済み加熱済みでポンと手渡すつもりだった。面会は劇場前なんで冬なら寒いはず。前の日の気温だったら正解だったと思う。この日に限って気温18℃でカイロ渡されたって...。もうひとつ、可愛いのは中身で、カバーして温度を調整して使うんだ。でも渡す時に可愛い本体を見せないと意味がない。手渡したら「あっつ!! なにこれあっつ!!」って...。

そのまま下北に残って、SlouDance@下北沢CLUB251へ。
 2回目のライブでバンドの方向性が定まってきた。すごくタイトなシティポップって感じ。今でいうシティポップじゃなく、本来のニュアンスに近い。洒落てるのはCharlotteのセンスの良さだ。Charlotteはギターを持たずにハンドマイクでボーカルに徹してた。とてもいい歌だった。美しい声と時に見せる色気と。キーボード、ギター、ベース、ドラムの編成。リズム隊がすごくタイトで上モノがすごくカラフル。

対バンのNew York DollsのTシャツを着たロックンロール姉さん、KANEKO REBECCAさんもかっこよかった。ハードだったりポップだったり、通る声でがなりたてるでもないのに確かにロックだった。バンドも手練れのおじさまたちで快適だった。

30日。この日も暑かった。障害者福祉センターのフィットネスプログラムに出た。今年に入って全通!! 偉いな!!

電車での隣のおばさんたちの会話。
あの人、心を病んでるらしいよ
こわ〜い
きも〜い
縁切ろ
 親戚や知人たちと同じだ。これが一般人の感覚なんだってことも痛感した。

あの人、心臓病らしいよ
こわ〜い
きも〜い
縁切ろ

あの人、白血病らしいよ
こわ〜い
きも〜い
縁切ろ

あの人、癌らしいよ
こわ〜い
きも〜い
縁切ろ
おなじことだ。

そして亡母の誕生日なんで両親の墓参り。のあと日本一有名な鯛焼き屋、浪花家総本店@麻布十番で鯛焼きと甘酒を頂いた。美味い!! 運動したぶんのカロリーは帳消しだな。
 サトウトモミさん主催企画プレサトウの日@下北沢Bar CCOへ。出演は数日前にも観たかねこ "きゃのん" きわの森山あこさん、トモミさん。楽しい夜だった。

この日のきゃのんは三編みにした髪も衣装も可愛かった。声質と部屋の鳴り、PAとの相性がいいと思った。本人も歌いやすかったって。アコギのチューニングは相変わらずあやふやだけどプレイは安定してた。"椿" に始まりアップテンポなナンバーが続く。
 キーボードに移ってからは足をラックに乗せたりお行儀が悪いところが見えちゃった。ペダルを長く踏んでるからあの優雅なリバーブが出るんだな。トモミさんが "哀しい予感" を気に入ってこの日のブッキングになったそう。最後はオケで "バッドエンドの主人公" を。歌詞が伝わる完成度の高いライブだった。

森山あこさんはフランスの詩を高田渡さんが和訳して曲をつけたナンバーから。少女みたいな声から深みのある声まで、ギターはもちろんの安定感で、引き込まれるライブだった。
 実話だっていう別れの歌が2曲。別れたばっかりの時と相手の結婚を知った時の曲。本人が言うほど恨み節じゃなかった。お味噌汁を白い具だけで作ったら、おばあちゃんが「男も女も料理も色気が大事よ」って言ったことがきっかけで作ったっていう "グランマ" すごくよかった。この日初めて会社をズル休みしたそうで、ズル休みの歌もよかった。

トモミさんは東京に来て10年、新人サトウトモミの気分で臨んだそう。自分の音楽はなんなんだろう、テクノポップでもないしって考えて、ロックだって気づいたんだって。僕がずっとサトウトモミはロックスターだって言ってたじゃん!!
 彼女はいままで完成度の高い作り込まれたライブをやってて、それは変わらずなんだけど、はみ出すロックな部分が見え隠れしてた。ボーカルもベースもちょっとだけ暴れてた。はみ出した部分が僕はとても嬉しかった。最後はアコースティックコーナー。ピアニストの演奏に合わせて2曲を披露した。

31日。酷い目覚め。電車で聞いたおばちゃんの噂話が気になってたことと、翌日来るはずの知人と連絡が取れないこと。それは僕へのプライオリティが低すぎるってことだ。
 昼間の予定をキャンセルしちゃった。美容院だった。もうかなり髪が伸びて限界なんだよ。夕方まで寝込んで掃除を始めた。ぜんぜん終わらないで月をまたいだ。2月と言えば年の瀬同然、気がつけば今年も終わって年老いて死んで、ビッグクランチで宇宙終わるぞ。なんとか片付けて風呂に入って寝床についたのは午前5時だった。

オジー・オズボーン、猫の爪の除去手術に反対するキャンペーンに賛同」。「爪の除去手術については猫に慢性的な痛みをもたらしてしまう可能性が問題視されているほか、猫の行動に制限がかかってしまう可能性も指摘されている」。猫の爪よりソファーや壁紙が大事な人は猫と暮らすべきじゃない。

1日。この日も冬らしくない天気。かつてある音楽評論家が、僕がメールの返事を欲しがることについて、「返事が書けない事情を想像しない山下は頭がおかしいしもう自分に関わってくるな」って人格の全否定をしてきた。
 その理論によれば、知人が突然文盲になった可能性や、盲人になった可能性や、息をしていない可能性までも想像できない僕がすべて悪く、そんな山下の人格は全否定していいことになる。人間はたかが干し椎茸ごときで自己肯定感を失ってしまうものだ。

体のメンテナンスを終えてバスに乗ったら知人から連絡が来た。「遅くなってごめんドアの前にいます」と。約束の時間はまだ先だ。いろいろおかしい。
 まったく歓迎する気持ちになれないままN氏、I氏、L氏を招いてピェンロー鍋。中国山西省の料理だ。問題の干し椎茸で出汁を取って白菜を大量に投入、豚肉と鶏肉を入れてゴマ油を入れて、いい塩と一味唐辛子だけで食べる。これが美味い。食べてるうちに気分も晴れてきた。しこたま酒を飲んだ。

知人が帰ってTwitterを開いたら「トレンドのShangri-la、電グルのことかと思った」ってツイートが散見された。電気グルーヴの略称は「電気」なのでしっかりしてほしい。
 そして毎週見かける #日曜日だし邦ロック好きな人と繋がりたい っていう鎖国してるハッシュタグ、元ネタはなんなの。

2日。20200202。日付が回文。上手に眠れなかったし酷い鬱だ。
 つげ義春先生がフランスのアングレーム国際マンガ祭で特別栄誉賞を受賞したってニュース。つげ先生御年82歳わざわざフランスの授賞式に出向いた。江口寿史先生も一緒にいらっしゃったみたい。

夜は頑張ってAATA presents "to BLUE MOMENT" vol.1@渋谷SANKAKUへ。
 完全にブラックミュージックに指針を振ったイベントだった。最初に登場したkukatachiiはファンクバンド、男性ボーカル、キーボード、ベース、サポートドラムの編成。ボーカリストのハイトーンボイス、ファルセットが美しい。歌う時にこめかみを抑えるポーズを取る。「あなたの風邪は頭痛から」みたいでちょっと笑っちゃったけどかっこいいバンドだった。リズム隊は重心が低くて上モノは高くて、そのコントラストがよかった。

二番手のTAKOPEOはフリースタイルラッパー。シンガーソングライターファンを前に戸惑ってる風だった。編成はDJと2人、DJがなにをやってるのかよくわかんないけどいろんな音を1人で出してた。スクラッチ用のターンテーブルがあるのだね。ときどきやらかして音が止まったりしてた。
 フリースタイルにこだわるのは歌のフォーマットに収まりきれない想いがあるからだよと。ロマンティストだな。2曲で元恋は魔物のギタリストが参加、甘いギターとのコラボレーションも楽しかった。

AATAは1曲アコギを弾いただけで殆どハンドマイク。キーボード、ベース、ドラムスのバンド編成でアルバム "BLUE MOMENT" からの曲を演奏した。アルバムの音の再現を目指した前のワンマンより生音の感覚で、これくらいのバランスが気持ちいい。特にリズム隊が生々しくて好きだ。PAは新代田Crossingの方だそう。で、キーボーディストはレーベルメイト。彼らのレーベル名Kissing Fishは、佐藤奈々子さんの名盤から取ったと思う。
 AATAのソウル路線は、楽曲やトラックの良さは言わずもがな、ウィスパーヴォイスに色気が出てきた。お団子ヘアだった頃からずいぶん遠くにきたなあ。MCになるとひらかなのあーたが顔を出すのはご愛嬌。ハー音楽っていいよね。楽しいイベントだった。

3日。Buddy Hollyの命日。あの悲しい事故がなかったら音楽の歴史はどうなってたかと思うよ。起きて掃除。ルンバをiPhoneでコントロールできるIoTっていうの? 楽しくて居間の荷物を片付けてわざわざ寝室に戻って寝室からルンバを起動してる。
 この日記を書き始めた。これって日記なんだよ、毎日書こう。

節分だ。恵方巻にシモネタを持ち込むなって、そもそものルーツがシモネタなんだから。僕はたぶん一生やんない。
 豆まきも掃除がめんどくさいからやんない。と思ったら、コノコネコノコmioさんは、猫のカリカリをまくんだそうだ。後で知った、その手があったか。年男は高幡不動で豆まきをさせてくれるんだそうだ。大観衆に豆をまきたい気持ちもあったけど、日記をなんとかしたい気持ちが勝った。

中嶋春陽さんが細野晴臣さんの "福は内 鬼は外" を聴いてた。さすがハルちゃんわかってる。"HOCHONO HOUSE" のバージョンもよろしく。
 菊池万博さんのBeatlesカバーリクエストシリーズ、僕のリクエスト "It's All Too Much" を大きくフィーチャーしてくれた。かっこいい!!

Googleに代わる「検索する度に植樹できるエコな検索エンジン」Ecosiaというものを知った。紹介記事はこちらEcosiaはこちら。僕は完全にこれに切り替えた。

4日。Karen Carpenterの命日。Carpentersの偉大さ、「ブライアン・ウィルソンと比較される完璧主義者のリチャードの功績」って記事を読んだ。ロックやパンクやプログレやヘビメタが売れてた1970年代に、あのテイストの音楽を1億5000万枚売った。
 比較されたBrian Wilsonは、いまThe Beach Boysを名乗ってる人々が、残虐なトロフィーハンティングのパーティーに出演するのをやめさせる署名活動を始めた。

体のメンテナンスをうけてずみを@下北沢MOSAiCへ。
 MOSAiCにずみをが立つことにまずびっくりした。「ガールズコレクション」に出てたけど私浮いてるなって気づいたらしい。音楽じゃなくてルックスで勝負してる自称シンガーソングライターや、そういう商売をしてるライブハウスや、それに群がる客たちを心から軽蔑してる。ずみをや田中ミズホをU-hAに紹介したのもそういうことだ。自分で気づいたずみを偉い。ライブハウス武者修行を始めたのも本当にあっぱれ。で、たまたまMOSAiCの空いてる枠に入れてもらったみたい。

バンドの中に弾き語り独りですごく緊張してた。1曲目はオケを使って2曲目から弾き語り、演奏が走ってた。MCで「ものすごい緊張してます」って言った途端に自分で受け入れられたみたいで、そこからいい演奏をした。
 とにかく曲がいい。音楽的にいいし、歌詞の内容が言葉遊びのセンスを残しながらどんどん哲学的になってきて、特に恋愛描写にリアリティと深みが出てきた。そして唯一無二のあの声、鼻にかかったちょっと恥ずかしいような声。一度化けたけどまた化けてとんでもないことになると思ってる。

対バンは微妙だった。イベントサークルの中にいたボーイッシュな女の子サイドボーカルがサークルクラッシャーみたいだったバンド。学生時代は居場所がなくて音楽に救われたけど、人前で歌うなんて考えられなかったっていう男性を中心にしたバンドは、モデルさんみたいなスレンダー美人がいて、サウンドチェックの時に彼女がフロントマンなのかなと思ったら、一生懸命アルペジオ弾いてた。どういうスタンスなのか興味を持った。
 あとは、すごく上手いんだけど残念ながらドラマーがパーク・マンサーそっくりで、ボーカルがフラットしてるバンド。リズム隊は重いんだけどとにかくボーカルの下手さが僕の下手さに似てて、同族嫌悪を感じ始めた頃にギタリストがノイズを奏でるバンド。

帰りの空、ムーンがビューティホーでワンダホーだった。帰ったらヤフオクで落としたレコーヨが届いてた。ヤッター!!
 隣で猫が寝息を立ててる幸せ。

5日。久しぶりに7時間寝れた。なんでかな、毎日ぐっすり寝たい。大傑作テープコラージュを作る夢を見た。明晰夢だったんでなんとかこの音を夢の外に持っていけないかと。アイデアだけ活かして作ってみるか。

タイムラインで親しくしている方が、Paul. Simonソロの素晴らしさに気がついた。日本以外の国では若者が聴いてる。ヒット曲もたくさんある。日本で聴かれない理由は2つあって、S&Gのイメージが強すぎて保守的なフォークファンに嫌われたこと、中村とうようがdisりまくって聴かず嫌いが激増したこと。
 Paul SimonはS&Gの前はロックンロールをやってて、だからフォーク出身じゃなくて時代に寄せてのフォークだった。新しい音楽が大好きなんだ。もうひとつ、彼はメロディーメーカーで哲学者のイメージだけど、リズムの達人でもあるしユーモア大好きだ。結局優れた表現の根底にあるのはユーモア。

Instagramにあなたの最初のカメラはなんですかって質問があった。OLYMPUS XA2ってカメラをお小遣いで買って旅行先で失くしたことを思い出した。カメラより写ってたはずのみんなの写真が惜しかった。その中の1人はその数年後に亡くなってしまった。
 これもタイムラインの話題から連想したこと。ライブハウスのロッカーはなんでレコードが入るサイズにしないんだろうか。レコード屋からライブハウスにハシゴする人いっぱいいるでしょう。物販でレコード売ってたりもするよね。終演後だと売り切れちゃうんで開演前に買って、ぎゅうぎゅうの人混みの中をずっと持ってるの辛い。デリケートな商品だし。

ケラリーノ・サンドロヴィッチさんがNo Lie-Senseのレコーディング風景の写真をアップした。ゲストは高野寛さんと緒川たまきさん。ソリトンSIDE-Bのコンビだ。
 震度10の地震が来るっていうメールを開いちゃいけません、情報を抜き取られますってメールが拡散された。SPAMへの警戒を装ったそのメールこそがSPAMだ。拡散してる情弱がたくさんいることも確認。2020年になってもチェーンメールだよおっかさん。

いろいろ片付けたいことがあったのに、ダルダルして頭ん中がもじゃもじゃして、寝込んだり猫と遊んでた。今日はオトコのコの日だから頑張らないでいいことにした。ハーゲンダッツと柿ピーむしゃむしゃ食べたけどトクホのお茶と一緒だから実質0カロリー。

今日のやる気の無さ、むしろかっこいい。俺かっこいい。

6日。障害者福祉センターのフィットネスプログラムを受けた。今年に入って皆勤。偉いな。もちろん痩せてモテるためである。
 そして面談を受けた。カウンセリングが事実上機能してないので悩みごともいろいろ。相談員さんが乗ってきた話題はそっちだったか。そうですよね普通に考えて。人格を全否定してきた音楽評論家さんよ。生きるのはめんどくさいねえ。ハァおっぱいおっぱい。

寒い。考えたくないけど花粉きてる気がする。そっちはどう?
 猫と僕の間で面白いことが起きたんだけど面白く書ける気がしない。諦めた。猫ってパーソナルスペースの感覚が違うからやたら近くてそわそわする。寝落ちてアウシュヴィッツ行きの汽車に乗せられる夢を見た。抗鬱剤を...22:30か...日記の続き書かなきゃ...。

amiinA...新潟だと...3月20日...試されてる。ごめん行けない...ギュウ農...ギュウ農なあ...さすがに僕が行くところとは思えない。
 味噌汁の袋を開けて具をゴミ箱にかけようとしてた。だいぶ疲れてる。

7日。生活リズムというものが...ここ最近夢見が悪いな。抗鬱剤を貪り食って猫を吸う。江口寿史先生がパッケージデザインしたイヤホンが出る。といっても江口寿史先生の描くような女の子が耳元で歌ってくれるわけではない。
 なんだかんだで時間が取れなくて3ヶ月ぶりの美容室へ。カラーリングと縮毛矯正とカット、軽く3時間はかかる。黙々とSNS見てた。髪がすっきりしたと同時に相対的に顔がでかくなった。その足で定食屋へ。この店は女性アルバイトをおっぱいの大きさで採用してるのではないかと思っていたがそうでもないようだ。帰宅して猫であったまった。

#とろねこチャレンジっていう企画が始まった。ハッシュタグをつけて寝てる猫の写真をTwitterかInstagramに投稿すると、保護猫譲渡の活動に寄付されるそうだ。
 「孤独死、40-50代が2割の衝撃 不安定な雇用影響か」って記事を読んだ。「この中で『働き盛り層』とされる40代が159人、50代が392人と合わせて全体の18・4%にのぼったことについて、河合教授は『衝撃的だ』という」。「衝撃を受けた」河合克義・明治学院大学名誉教授 (社会福祉学) は社会福祉の実情を知らなさ過ぎる。47歳独身としてごく当たり前の統計と思う。そして僕も遠からずここにカウントされる。

SIDE-Bに続く。

2月7日 SIDE-B 新型コロナウイルスわかっていること

新型コロナウイルス肺炎に関する、6つの『意外な事実』」。
中国で、新型コロナウイルス肺炎の感染者、死者が増え続けている。WHOは1月30日、ついに緊急事態宣言を出した。中国で感染は武漢を越えてほぼ全土に広がり、都市の封鎖も行われている。中国における感染者数は1万7205人、死者数はで計361人となり、2002〜2003年シーズンに流行したSARSを超えたと報道されている」。でも!!
1. 国内では流行が認められる状態ではない
2. 喉の痛み、下痢が比較的少ない
3. 心配すべきは子どもより大人
4. 「感染力が高い」「致死率が高い」は事実ではない
5. 「マスクで感染が防げる」わけではない
6. 「新型コロナウイルス特有の予防法」は存在しない

日本でほとんど報道されぬ米インフルエンザ8000人超死亡の大流行」。
 「中国本土で死者数400人、感染者が2万人を超えた新型コロナウイルス。国境封鎖に乗り出した国も出てくるなど、その大きな広がりが世界を揺るがせている。その一方、アメリカでは新型肺炎よりも問題となっているウイルスがある。インフルエンザだ。CNNによると、少なく見積もっても全米で1500万人が感染し、14万人が入院、今シーズンだけで8200人以上の死者を出しているという。インフルエンザは今も猛威を振るっており、感染者数はさらに増える見通しだ」。

新型コロナウイルスを最も早く警告した医師の死に、中国メディア『勇敢だった、胸が痛む』」。
 「武漢市中心医院の医師、李文亮氏が7日未明、新型コロナウイルスによる肺炎のため死去した。これを受け、中国メディアの環球時報は同日、李医師に敬意を表する社説を掲載した」。「李氏は昨年12月、最も早くこの危険な感染症を警告した8人の医師の中の1人であった。今になってわれわれは李氏の専門的な観察眼にとりわけ敬服しているが、当時は重視されるどころか、訓戒処分された。そのため、この件は社会に反省をもたらすための見本となった」。

日本ではどうなっているのか。「東京オリンピック中止か、新型肺炎対策でIOCとWHOが協議」。
 「ドイツメディアの報道によると、国際オリンピック委員会が世界保健機関と連絡を取り合っていることをDPA通信が報じたそうです」。「これは新型コロナウイルスによる新型肺炎対策の一環で、あと半年に迫った東京オリンピックについて『感染症対策は、安全に大会を開催するための重要な要素』としています」。「なお、新型肺炎の発生を受け、サッカーやバスケットボールのオリンピック予選トーナメントが中国から移転済み」。理由は深刻だけど、東京オリンピックが中止になるのは喜ばしい。

新型肺炎の指定感染症に 患者の強制入院や就業制限などが可能に」。
 「政府は28日、中国を中心に感染が拡大している新型コロナウイルスによる肺炎について、感染症法に基づく『指定感染症』と検疫法の『検疫感染症』に指定する政令を閣議決定した。施行は2月7日。施行後は、患者の強制入院や就業制限、入国者への検査指示などができるようになる」。

症状ない人の感染『想定外だった』厚労省、調査拡大へ」。「中国・武漢市から帰国し、症状がない人で新型コロナウイルスの感染が30日、確認された。対応にあたる厚生労働省は『想定していなかった』として、感染の可能性がある人の調査対象を広げる方針を決めた」。
 奈良美智さん。「『想定外』? 厚生労働省だったら『チフスのメアリー』とか知ってるでしょ? 信じられないずさんさ」。1900年代初頭に、腸チフスの無症候性キャリアだったメアリー・マローンという女性の事例だ。

新型肺炎『緊急事態の一つ、改憲の実験台に』伊吹元衆院議長」。「自民党の伊吹文明元衆院議長は30日の二階派会合で、新型コロナウイルスの感染拡大について『緊急事態の一つの例。憲法改正の大きな実験台と考えた方がいいかもしれない』と話した。自民党がまとめた改憲四項目の一つである緊急事態条項の導入を念頭に置いた発言。同条項は、大規模災害時に内閣に権限を集中させ、国民の権利の制限を認める内容」。
 望月衣塑子さん。「緊急時を理由に権力に都合よく憲法を変えようとする。その手に乗るまい」。

武漢からの帰国者支援した内閣官房職員、飛び降り自殺か」。
 「新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中国・武漢市から帰国した日本人が滞在する埼玉県和光市の国立保健医療科学院で、帰国者の受け入れ業務を担当していた内閣官房職員の男性が1日に死亡した、と県警が明らかにした。建物から飛び降りた可能性が高いとみて調べている」。

7日現在、新型コロナウイルスを「新コロ」と呼ぶ人が観察されている。

世界的にはこんなことに。「新型コロナウイルス 世界に広がる東洋人嫌悪」。
 「新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、各地で中国人、ひいては東洋人全般に対する差別的言動が広がっている」。「ウイルス拡散以上に懸念されるのが、新型コロナウイルスにかこつけて、中国人、ひいては東洋人全般に対する差別的行為が広がることだ。ドイツではまだそれほど酷い被害を聞かないものの、大手シュピーゲル誌が、真っ赤なケープにガスマスクを身につけた東洋人男性の写真と『コロナウイルスMade in China』というタイトルの扇情的なカバーを使用」。「ウイルス拡大の一要因はグローバリゼーションにあるとの同誌の指摘に、『本当の脅威はウイルスやグローバリゼーションではなく、無知と人種差別だ』というドイツ人の声もあった」。

新型肺炎、各地で広がるアジア人差別 NYで暴行被害」。
 「米ニューヨークの地下鉄の駅では男がマスクをつけたアジア系の女性に暴行を加える事件が発生した」。「アジア人が事件に巻き込まれても、その情報は広まらない。アジア人は従順で気が弱いと思っている」。「移民に寛容なイメージの強い隣国カナダも...人種差別的な書き込みや学校でのいじめなども報告されているという」。「仏高級ブランド『ルイ・ヴィトン』の公式アカウントがSNSに掲載した日本人女優の広告には『コロナウイルスか?』といった差別的なコメントが多数寄せられた」。「アジア人だからと侮辱され、公共交通機関から蹴り出される。これは冗談やネット上のヘイトではなく、現実に起こっていることだ」。「中国の経済・軍事力の成長がアジアの隣国や西欧諸国を不安にさせる中で、新型コロナウイルスが中国本土の人に対する潜在的な偏見をあおっている」。

SIDE-Cに続く。

2月7日 SIDE-C 募って入るが募集はしてない

世の中のことを。「つげ義春さんに特別栄誉賞 仏アングレーム漫画祭」。
 「欧州最大規模の漫画の祭典、第47回アングレーム国際漫画祭の授賞式が1日、フランス南西部アングレームで開かれ、『ねじ式』や『無能の人』などの作品で知られるつげ義春さんが特別栄誉賞を受賞した」。「つげさんは授賞式で会場総立ちの拍手を受け『大変光栄です』とあいさつした。漫画祭ではつげ作品の展覧会が開かれ、フランスの映画刷新運動ヌーベルバーグをけん引したジャンリュック・ゴダール監督になぞらえ『漫画界のゴダール』と紹介された」。

岸野雄一さん。「代理店がバーターで持ってきたバッタもんを、クールジャパンと称して海外に売りつけるのをやめ、きちんと国内の優れた文化に目を向けてすくい上げないと、文化的にもますます孤立していくばかりだな」。日本のマンガ文化を牽引したのは手塚先生とつげ先生だと思ってる。マンガ好きとしてつげ作品を読まなくちゃって背伸びをした中学生時代には正直わかんなかった。今ではもちろん尊敬してます。
 その手塚先生をAIでトレースするという。「AIの手塚治虫『新作』27日に キオクシアが制作」。AI美空ひばりと同様、死者への冒涜だし新作じゃないよな。別人格のデビュー作だ。で、ドラえもんに機械が手塚先生の作風を学習してオリジナル作を描く話がある。

映画『ザ・ケーブ』が描く、シリアの窮状と勇敢な女性医師 内戦下で人々を救おうと奮闘する医師を追う、アカデミー賞候補のドキュメンタリー」。「人道に反する罪に対する、わたしたちの証言です。シリアで実際にあったことであり、今も起こっていることです。世界中の人たちがアカデミー賞を知っています。この映画が広く知られて、多くのみなさんに見てもらえれば、シリアの真実が世界に伝わるでしょう」。
 マリアンヌ・フェイスフルの伝記映画『Faithfull』が制作される。監督はイアン・ボノート。フェイスフル役はルーシー・ボイントン。細野晴臣さんの活動50周年を記念して、映画「銀河鉄道の夜」が上映される。

奈良美智さんの #真夜中の写真整頓。奈良美智さんが過去の作品を発掘してアップロードした写真をまとめたもの。「非常に興味深い。生物に関する世界の書籍の挿絵や図解など15万点以上が無料ダウンロード可能に」。アーカイブはこちら
 「LEGO社は66年に及ぶ恐るべき痛みに終止符を打つべく、『アンチLEGOスリッパ』を開発しました」。LEGOを踏んで痛い思いをするのは靴を脱ぐ東洋人だけだと思ってた。本国でも深刻な問題だったんだな。

西アフリカ古代人のゲノムを解読、民族拡大の定説に一石『アフリカの人類集団の移動の歴史に光をあてる発見』と研究者」。
 「8000年前であれ3000年前であれ、シュム=ラカ遺跡に埋葬されていた人々は、現代のカメルーン西部の集団とも、かつてサハラ以南の全域にバンツー語を広めた人々とも関連がなかったのだ。彼らの遺伝子はむしろ、中央アフリカの狩猟採集民のものに近い。すなわち、現代アフリカ人の約3分の1が話すバンツー語は、シュム=ラカ遺跡がある地域から農耕文化の伝播とともに広がっていったという、人類史のなかでも有数の民族移動に関する定説は覆されることになる」。

あなたの精神を壊さないこと、もし壊れたときにどうするかということ」。「幡野広志の、なんで僕に聞くんだろう」より。
 「墓場まで持っていく悩みへの回答。相談者、周囲の人間関係とそれぞれの人たちの思考や行動まで先回りした遠い所と現在の状況を行ったり来たりしながら丁寧な答えを導く幡野さんに脱帽でした。未来の選択が、都度娘さんの幸せに繋がるように願わずにはいられませんでした」。

くっだらねえ政治のことを。望月衣塑子さん。「桜を見る会招待者問題。廃棄したと主張する以上、ログ確認は必要な手順のはず。内閣府は廃棄していないのでは?」。

『桜』名簿廃棄記録開示しないのは『国家機密漏えいの危険増すから』菅氏、国会で
 「菅義偉官房長官は27日の衆院予算委員会で、首相主催の『桜を見る会』の招待者名簿の電子データ廃棄記録を開示できない理由について、『同じシステムを国家安全保障局も利用しており国家機密漏えいの危険が増す。確認は不正侵入の検証などの範囲内で行う』と述べた。また『廃棄の時期は各省庁の判断に委ねられている』として、野党側の開示請求に応じる必要はないとの考えを改めて示した」。

これに対して「安倍総理が嘘つきだってことは機密ではない。みんな知ってる」。「『フルシチョフは馬鹿だ』と批判した男が逮捕されて、死刑を言い渡された。判決理由は『国家の重要機密を漏洩した罪』と」。「『ブレジネフを誘拐した。身代金を払わないとブレジネフを返すぞ』ってのも有りましたね」といった反応があった。

安倍首相、『募っているが募集はしていない』桜を見る会参加者で答弁。野党もツッコミ、Twitterでは大喜利に」。確かに大喜利は起きたけど元ネタより衝撃的なのがない。頭は痛いが頭痛はしてないという認識。発見した秀逸なネタ。
自由民主党であるが、自由でなく民主的でもない
さよならだけどさよならじゃない (やまだかつてないWink)
夢だけど夢じゃなかった (となりのトトロ)
忘れようとしても思い出せない顔 (赤塚不二夫作品より)
戦闘しているが戦闘行為ではない (自衛隊派遣の答弁より)

『募集』と『募る』の違いはどうでもいい」。
 「前提としてはっきりしているのは、『桜を見る会』への出席者が、最終的に、政府なり内閣府なり首相なりの責任において、『選定』され、『招待』された人物であるということだ」。「このことはつまり『選ばれ』『選定され』『評価検討の上、ふさわしい人物として招待され』た名誉ある『招待客』は、断じて『広く募』ったり『募集』したりした『チケット購入者』とは別枠の人間だということだ」。「というのも、募集に応じて応募した人間はどこからどう見ても『選ばれた人』ではないからで、とすると、『安倍事務所の募集に応募して会に参加した後援会のメンバー』は、言葉の正確な意味において絶対に『招待客』ではあり得ないからだ」。

桜を見る会再論 内田樹さん」。
 「首相は『自分は論理的に思考しないので、『論理的にあり得ない』ことがあっても別にそれが不思議だと思わない。言葉の語義はわかるけれども、それが含意しているコノテーションはわからない』という『おのれの知性が普通の人よりも不調である』という主張によって有罪性を免れようとしている」。

首相が『うそつき』と激しく非難 桜見る会に絡み、野党議員を」。
 「首相は、黒岩氏が首相に助言した秘書官を指さし大声で注意したのを受け『秘書官が答弁のアドバイスをすることはある。怒鳴るのは異常な対応だ。人間としてどうかと思う』と批判。夕食会で高級すしが出されたとの誤った情報を黒岩氏が流したとして『事実でないのに事実であるかのような流布を行ったことに責任を感じた方がいい』と語気を強めた」。
 望月衣塑子さん。「質問の意図ずらし。理解不能な日本語重ねる首相に嘘つき呼ばわりされたくはない。桜疑惑で国民は嘘に嘘を重ねてるのはわかってるし、呆れてる」。人間としてどうかと思う、もこいつにだけは言われたくないな。

『桜』巡り どうしたの首相、『強弁』『感情的』に...それでも消えぬ疑問 連続3日の衆院予算委」。
 「3-5日にあった衆院予算委員会では、『桜を見る会』の不自然さをめぐる野党の追及に対し、安倍晋三首相がつじつまを合わせるように強弁したり、感情的になって声を荒らげたりする場面が目立った。安倍事務所が主催した前夜祭などを巡る疑問は、国会序盤の首相出席の論戦でも消えていない」。「個人の契約を理由に収支報告書に記載しないことが許されるなら、後援会の親睦会などは記載しなくていいことになり、制度の根幹が揺らぐ。政治活動を明らかにするという法の趣旨から外れる脱法行為だ」。

伊方原発の重大インシデントで『臨界』はあり得ずとも、軽視してはいけない決定的な理由」。
 蓮池透さん。「PWRの制御棒は、いざというとき放っておいても重力で落下するのでより安全だ (受動的安全性) 。制御棒駆動軸と制御棒クラスタの連結部に何らかの吸着や接着が起きた? 真相は全く不明。受動的安全性を覆すもので極めて深刻なのに。牧田氏の警鐘」。

処理水の放出 既成事実化は不信深める」。
 「2018年8月に、浄化済みとされていた放射性物質が処理水に残留していたことが発覚した。東電は残留を把握しながら積極的に公表せず、情報公開の姿勢に批判が集まった。東電は放出する場合は再浄化するとしているが、安全の根拠を明確に示す必要がある」。「量に対する不安もある。昨年10月末時点で処理水に含まれるトリチウムは約856兆ベクレルだ。事故前の福島第1原発の基準だと、年間総放出量の上限の40年分に近い。漁業関係者だけでなく、韓国も懸念を訴えているのが実情である」。

安倍政権が前代未聞の禁じ手人事 側近の検事長を定年延長」。
 「『まさか本当にやるとは』-。さすがに驚きと怒りの声が上がっている。安倍政権は1月31日、2月7日に定年退官する予定だった黒川弘務・東京高検検事長の定年を8月7日まで半年間、延長することを閣議決定した」。「検察庁法は、検事総長の定年を65歳、その他の検察官の定年は63歳と定めている。国家公務員法は、1年を超えない範囲での勤務継続を認めているが、定年が延長されるのは、異例のこと。黒川検事長は、2月8日に63歳の誕生日を迎える。検事長が定年を超えて勤務を続けるのは戦後、初めてのことだ」。

前代未聞の人事を発令してまで定年が延長されたのは、黒川検事長が安倍官邸と極めて近いからだ。安倍政権は、官邸に近い黒川検事長を検察トップである検事総長に就け、検察組織を官邸の支配下に置くつもりだ」。「これまでも安倍政権は、積み上げてきた人事のルールを破って、NHKや内閣法制局を支配下に置いてきた。とうとう検察まで支配下に収めようとしている。もはや、この国は三権分立が成り立たなくなりはじめています」。

『事実上、安倍政権の指揮権発動』法曹界が黒川検事長の定年延長に反発」。
 「黒川氏は官邸との距離が極めて近く、浮上する数々の疑惑を『穏便』に処理することで『官邸のお庭番』とも揶揄されていた。自民党ベテラン議員はこう話す。『官邸にとっては、甘利明氏とURの問題など、疑惑をうまく処理してくれていた黒川氏の存在は本当にありがたいもんだよ』」。「検察内では、官邸のあまりにひどいやり口に、稲田検事総長に頑張れという声が高まっている。官邸に逆襲するためにバンバン、事件をやって検察の威信を見せつけるべきだという人も多い」。

小田嶋隆さん。「安倍首相は、質疑の中で、野党議員がアドリブの質問を発すると『事前通告にないのでお答えしかねる』と、居丈高な態度で回答を拒否するのだが、調べてみると、事前通告云々は、与野党の国対委員長が議事進行の円滑化のために『申し合わせ』ているに『慣例』に過ぎない」。「つまり、質問側が回答側に質問内容を事前通告する慣習は、議事進行を円滑化している一方で、本来なら自由闊達な議論の場であるはずの国会の質疑を、『事前に準備した台本』に沿った『官僚作文朗読劇場』ないしは『国会芝居』に堕落させている元凶としての一面を備えている」。
 「とすれば、首相は、仮に唐突な質問に対して咄嗟の受け答えが思い浮かばない場合でも、質問者をなじるのではなく、『申し訳ないがいまのご質問は事前通告の中になかったため、十分な準備ができていない。なので回答できない』と、一歩引いた態度で対応すべきなのではなかろうか」。

五輪は国家を挙げた電通の金儲けの祭典、国民は搾取されるな」。
 「その時、電通の石井直社長が社員に向けたメールで訓示を出している。ある電通役員から入手した内容はこうだ。『電通は次期東京オリンピックで、売上高1兆円を達成する』。今回の五輪は電通が金もうけをするための『商業五輪』だということを象徴する発言だ」。「日本では自民党をクライアントとし、現政権の政策プロモーションを担う。招致前にIOCに提出された立候補ファイルの中では、約8000億円と試算されていた。『世界一コンパクトな五輪』『復興五輪』などと、低予算で開催されることが強調されてきたのだ。しかし新国立競技場の建設や予想される酷暑への対策で右往左往。会計検査院の調査によると、支出費用の見込みは3兆円規模に膨れあがった。また税金による五輪関連の予算もすでに従来の見積もりの5倍以上を支出している」。

改正案18歳未満との交際『真剣』以外は処罰対象 大阪」。
 「大阪府が、2月議会に提出する府青少年健全育成条例の改正案の全容がわかった」。「条例は18歳未満とのわいせつ行為を禁じているが、現行では、脅したり、ウソをついたりしていなければ、処罰の対象外だった。改正案では、性的欲望を満たすことだけを目的としたわいせつ行為を禁じ、真剣交際以外はすべて違反となる」。真剣交際の判断は誰がするんだろうか。

『歴史的な罪の重荷を背負っている』独大統領の演説全文」。「ミュエルとレガ、イダとビリは人間でした。そして、このことも、ここで言っておかなければなりません。加害者もまた人間だったのです。彼らはドイツ人でした。殺人をした人たち、殺人を計画したり、それに協力したりした人たち、そして黙って規則に従った多くの人たち。彼らはドイツ人でした。600万人のユダヤ人の産業的大量殺人、人類史上最悪の犯罪、それは私の同国人たちの手によって行われたのでした。5千万人をはるかに超える人々の命を奪った恐ろしい戦争は、私の国から生まれたのです」。
 「アウシュビッツの解放から75年後、私はみなさんの前にドイツの大統領として立っています。私は歴史的な罪の重荷を背負ってここに立っています」。「悪の精神は新しいかたちで現れるものです。未来への答え、そして私たちの時代が抱える問題への新たな解決策として、反ユダヤ主義や人種差別主義、権威主義的思考を提示してきます。私たちドイツ人は歴史から一度にすべてを学んだと言えたらよいのですが、実際はそうではありません。憎しみが広がっている時に、そう言うことはできません」。

小沢健二さん。「NYCのお洒落ホテル。部屋の電話の『議員に電話』ボタン一発で、宿泊客は自分の選挙区の国会議員公用番号に電話できる。喋り方の手引きには『__と申します。__議員に__について__してほしい』と丁寧に、秘書は賛否の数を議員に渡すので手短に、と。『投票は民主政のほんの一部にすぎない』という感覚」。

民主主義政治が根付いてる国々のお話。

SIDE-Dに続く。

2月7日 SIDE-D ベッドルームの夢

楽しい音楽の話を。忙しい人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2020/1/312020/2/7を。

第62回グラミー賞が発表された。受賞リストはこちら
 なんと言っても目を引くのがBillie Eilishだ。主要4部門を含む6部門で受賞した。主要4部門を独占したのは39年ぶり史上2度目、女性としては初、最年少記録だそうだ。僕はBillie Eilishを去年夢中になって聴いたし社会現象にもなったけど、クリティック的にはそんなに高くないと思ってた。Billie EilishとFinneas O’Connellのすべてのスピーチ。授賞式の間ずっとチュッパチャップスを舐めてたのはほっこりエピソード。

Vampire Weekendがベストオルタナティブアルバム取った。最高傑作は前作で (やっぱり取った) 今作は評価低いみたいだけど僕は好きだよ。 "Harmony Hall" はベストロックソングを逃した。Gary Clark Jr.が取った。Elvis Costello & The Impostersがベストトラディショナルポップボーカルアルバムを取った。
 The Chemical Brothersベストエレクトロニック/ダンス・アルバムとベストダンス・レコーディングは生涯功労賞みたいなもんだな。もっと若い人にあげなよ。

グラミー賞授賞式のパフォーマンス、Billie Eilish、Alicia Keys、Ariana Grande、Gwen Stefani & Blake Shelton、Tyler, The Creator & Charlie Wilson & Boyz II Men、Camila Cabello, Ben Platt, Cyndi Lauper, Gary Clark Jr & Common、H.E.R.、Rosalia、Lil Nas X & Billy Ray Cyrus, BTS, Mason Ramsey, Diplo, Young Thug & Nas、Demi Lovato、John Legend, DJ Khaled, Meek Mill, Roddy Ricch, Kirk Franklin & YG、Lizzo、Jonas BrothersGary Clark Jr., The Roots
 Usher、Sheila E、FKA twigsのPrinceトリビュート

2020年のロックの殿堂入りアーティストが発表された。Depeche Mode、Nine Inch Nails、Whitney Houston、The Notorious B.I.G.、The Doobie Brothers、T. Rex。いまさらながらNMEが選ぶアルバム・オブ・ザ・イヤー2019
 ウェブ上でシンセを学べる無料サイト「Learning Synths」の日本語版が公開された。和音、音階、リズム、曲構成など、作曲の基礎を無料で学べる。

David Byrneのブロードウェイ・ショーDavid Byrne’s American Utopiaをスパイク・リーが映画化する。The PoguesのShane MacGowanのドキュメンタリー映画が制作されている。プロデューサーはジョニー・デップ。世界の16の島国の音楽のドキュメンタリー映画「大海原のソングライン」が公開される。

 「ピエール瀧の早すぎる復帰が波紋 音楽活動に需要はあるのか?」なる記事が公開された。損害賠償金額を囃し立てた割に復帰して働いて返そうとすると早すぎるって人は、自分の矛盾に気づいてるんだろうか。ケラリーノ・サンドロヴィッチさん。「俳優活動は知らないが、音楽活動には需要あるに決まってるじゃん。まず石野からの需要」。

2月18日 SIDE-A 被告人の陳述

僕は躁鬱病と高機能広汎性発達障害っていう診断を受けてる。高機能広汎性発達障害っていうのは非常に広い概念で、調べてみてもよくわかんない。わかんないなりに自分では、そのなかのアスペルガー症候群に相当するんじゃないかって思う。よく侮蔑のニュアンスで「アスペ」って呼ばれるやつだ。
 先天的に高機能広汎性発達障害があって、その合併症として鬱病を発病したんじゃないかって思ってる。

僕が真面目過ぎること、人の言葉を真に受けちゃうこと、すぐに傷ついちゃうこと、自己肯定感を持てないこと、想像力の欠如から嫌われて絶縁されちゃうこと、運動ができなくて殴る蹴るの「教育」を受けてきたこと、ほかの精神障害と比べても社会復帰がものすごく難しいこと、こうして誰にも届かない独り言を綴ってること。
 だいたいアスペルガー症候群で説明がつく。そしてどんどん孤立していく。

僕を罵倒して絶縁してきた幼児から今に至る元知人たち、実弟や親族や歴代の恋人たち、力づくで「教育」しようとしてきた教師たち、「普通」になれない僕に苛立って困惑してきた亡母。例えば僕が、「足がない」といった目に見える形の障害者だったら同じことをしただろうかって考えるよ。
 想像力の欠如については、すごいことを言ってきた音楽評論家がいる。僕が30通くらいメールを書くと1通くらい返事をくれた。もう少しくれてもいいんじゃないか、僕は悩みごとについて相談をしててアドバイスが欲しいんだって言ったら...。

「自分は余命半年って宣告されたことがある。原因不明の病気で、同じ症例が世界に10人もいない。当然保険の対象にならないから治療費が湯水のように消えていく。自分の診察結果はヨーロッパの研究機関に送られてる。あなたの悩みなんて虫ケラみたいなもんだ。それでも悩んでると言って返事を求めてくる。あなたの『想像力の欠如』は異常だ」、と。
 僕には普通がわからない。無理だわ。出会った人すべてに「あなたは世界に10例もない奇病で余命半年ですか」って聞いて回るしかない。

「察する」についてもわからない。僕の「言葉を真に受ける」とは、例えば「バナナ一房300円」ですって言われて、そうですかって300円を支払ってバナナを手にしたとする。その途端、「実は500円だったのにそれを察しない酷いやつだ、窃盗犯だ」って言われてるみたいな感覚なんだ。
 その噂が周りに流れ流れて村八分にあうようなことがたくさん、ほんとうにほんとうにたくさんあった。その結果いま、孤独の極北にいる。生きていてすみませんだ。

社会一般で認められた「大人」が怖いし、大人になれなかった自分も怖い。それでも誰かと関わりたい。
 僕が若い人が好きだったり自分も若くありたい気持ちは、年齢相応に身につけるべきことを身につけてこなかったり、乗り越えるべきことを乗り越えてこなかった焦りと罪悪感でもある。それは、47歳にもなって再就職できなかったり家庭を持てなかったり、健全な友人関係や恋愛関係を築けなかった、っていう大事業もそうだし、日常のほんの些末なことでもそう。まだハゲてる場合ではぜんぜんないんだ。

猫が好きなのも、そういう不安を忘れさせてくれるからだと思う。猫たちはほんとうに甘えん坊でかまってちゃんでダラダラしてて、それが赤ちゃんの時だけじゃなくて老猫になってもそんな感じなんだ。動物ってこんなにだらしなくても許されるんだって安心感がある。そしてこんなクズみたいな僕を頼って甘えてくれる。
 犬には社会性がある。犬に対してもコンプレックスがある。飼い犬は人間の家族の一員としてちゃんとしてるなって。僕は犬にはかなわない。

いまでもパートナーがほしい。でもどうやって心を通わせていいのかわからない。アスペルガー症候群に加えて、中学・高校と思春期に男子校に通ってたこともこじらせる原因だったと思う。6年間で同世代の女子と会話した時間は、トータルで30分もない。
 バブル期に浮かれた名門校のスクールカーストの最底辺にいて、サークルの先輩に「お前はダサくて内向的で、うちの学生として他校生に紹介したくないから交流会に出るな」って言われちゃったんだ。言った本人はそのなんとか連盟って交流会で出会った女性と結婚して、幸せに暮らしているそうだ。

生きていればときに素敵だなって思う女性に出会う。素敵な女性に彼氏がいるのは当然だと思う。矛盾してるようだけど、そんな素敵な女性とつきあえる男性がいるってことが、同じ男性として「想像」できない。どこのUMAだよと思う。
 以上被告人の陳述でした。

SIDE-Bに続く。楽しい話をしよう。

2月18日 SIDE-B 音楽と猫

8日。チャイはよく喋る猫だ。一通り言いたいことを言って満足して、体を擦り寄せてゴロゴロ喉を鳴らす。

前の日記で紹介した、手塚治虫先生の作風を学習するAIについて、「ドラえもん」にそっくりのエピソードがある。ツイートしたら思いのほか反応があった。
 手塚先生をAIで再現したマンガが出たら、悲しいけど読んでしまうと思う。でもそれは「手塚先生の新作」ではない。別人格のデビュー作だ。AI美空ひばりと同様、元ネタの名前を名乗って発表することは冒涜だ。藤子F先生がどういうお考えだったかは知らない。

去年、SuperorganismのOronoさんが星野源さんのラジオに出演した時の書き起こしを読んだ。書き起こした人は、Oronoさんがリスナーに「ちゃん」付けされたことに怒ってるところに焦点を絞ってる。
 「その日本のそういうなんだろう? もうジェンダーとかさ、いろんなボックスがあるのを、そういうのを思い出させてしまう。そういうのを。それで『ちょっとダメじゃん!』ってなっちゃうの。まず、そこを言わせてほしい」。

でもOronoさんが言いたかったのはその後だと思う。
 「自分はそうやって人をハッピーにさせたいとか、有名になりたいとか、そういうのでは全くやっていない。自己満足だけでやっているから。自分がハッピーだったらそれでもう終わりだから。こういうメッセージを読んでも『ああ、もっとがんばらなきゃ!』とかは特に思わない。すごい感謝はしていますけど、別にそれが理由でやっているわけじゃない」。

自分たちの音楽を聞いて、自分が好きなことにもっとがんばっていこうとか、そういう風に思うのは素晴らしい。けどそこで、『Wow! Such a cool music! I’m following them on instagram!』って。そこで終わるのはすごい自分は嫌なの」。
 「『この人、大好き!』とかそこで終わってほしくない。もっとそれを超えるようなところに行ってほしい。『この人よりいいものになるぞ!』みたいな感じで」。

sora tob sakanaってアイドルグループが主催するサーキットイベント「天体の音楽会 Vol.3」に行った。sora tob sakanaってグループ名はいいな。サラリーマン時代に空撮の写真を見せられて、これになにか合成したい、なにが飛んでたらいいと思う? って聞かれて魚って答えたんだ。失笑だったし不採用だったけど。
 最初のお目当てはamiinA@渋谷O-East。ぎりぎりの時間に着いてリストバンドの交換がO-Westでちょっと戸惑った。なんとか前に行けて、最前列の上手のウーハー前へ。

amiinAはこの日も全力のステージ。"overture" からいきなりの "Jubilee" へ。歌詞に出てくる「傷だらけのボーイ夢見がちなボーイ」のところでmiyuちゃんがお客さんを指差す。これ指されたいんだ、傷だらけのアンクル夢見がちなアンクルとしては。一度だけ指してもらったことがある。ステージのサイズによるけど45°くらいのところが指しやすいのかな。
 最初の方、ボーカルを含めた高音がこもってるのが気になった。結構致命的にこもってた。"Jubilee" の途中で改善した。なにがあったんだろうか。

次の "Legacy" は珍しい選曲じゃないかな。sora tob sakanaと対バンした時にやった曲ですって。"Breath" も珍しい。amiinAは名曲しかない。"Avalon" に熱くなって "Canvas" でシンガロン、"signal" に飛び跳ねた。
 この日は2人がほんとうに楽しそうに歌ってるのが印象的だった。相対的にamiinAのファン率が少ないんで、終演後にゆっくりお喋りできたのもよかった。急遽もう1本ライブが増えるかもって。その時はバレンタインのプレゼントを持ってこよう。ハァやっぱりamiinAが狂おしいほど好きだな。5月からのロスが恐ろしい。

そしてO-Westでラブリーサマーちゃん。最初に観たのは彼女がまだ高校生の頃で、実にたどたどしいアコギの弾き語りだったけど強く印象に残った。それからことあるごとにライブを観て、どんどんよくなってプロフェッショナルなロックンローラーに成長した。
 この日はギター2本、ベース、ドラムスのバンドを従えて、本人はたまにギターでソロを弾くくらい、ほとんどハンドマイクでボーカルに徹してた。そのボーカルも身のこなしもロックスターだった。

ほんとか嘘かわかんないけど、イベントの主催者と円山町ですれ違ったのが出演のきっかけで、外には出るもんだと思いましたって。大学の卒業も決まったみたい。僕は彼女が一介のミュージックフリークなところが大好きだし、信頼できる。好きなことを突き詰めてる。ほんとにイギリスのバンドを観てるみたいだった。このまま行って欲しいな。
 "あなたは煙草 私はシャボン" "青い瞬きの途中で" と初期の名曲を立て続けに演奏して、ステージに熱気を残したまま去っていった。かっこいい。

そして崎山蒼志さん。サウンドチェックからかっこいい。去年のFUJI ROCKでは、まだ「なんで自分がここにいるんだろう」「なんでこんなに人が集まってくれるんだろう」的な初々しさがあったけど、この日は完全にプロの顔と佇まいだった。自信に溢れて身のこなしもかっこよかった。両方観れてよかった。まだ高校生だよ。
 トレードマークのアコギの強烈なストロークだけじゃなくて、ダンエレクトロのエレキギターにエフェクトをかけてロングトーンの演奏をしてたのもびっくりした。

オケを使って "むげん" を諭吉佳作/menとデュエットしてるようなパフォーマンスや、1人のステージでサウンドへのこだわりも見せた。
 とにかくお客さんがいっぱい入って盛り上がってたのも印象的だ。アイドルのイベントでアウェイなのに。sora tob sakanaとは2マンライブをやったことがあるそうだ。ラブサマちゃんが「何度でも観たい」ってツイートして絶賛してた。とても鋭利な表現で、でもずっと聴いていたい心地よさがあった。音楽っていいなって思えるライブだった。

そのあとsora tob sakanaのバンドセットでのライブがあって、すごくよかったそうだけど、疲れてたんで帰ってきちゃった。どうしてもケンタッキーが食べたくて食べた。

9日。手塚治虫先生の命日、そしてCarol KingとBarry Mannの誕生日。うちから東横線方面はアクセスが悪いんで早起きだ。

岩田由記夫さんがこんなツイートをした。
 「今が辛い方へ。辛さはいつ迄も続かないと信じるのが大切です。自分で言うなら15歳迄が極貧、病弱、弱視など辛さの極みだった。16歳になる前に家を出て一人暮らしを始めた。それから後は15歳迄より辛い事は少ない。今では辛かった事も良い思い出だ。誰でも必ずそうなれるから辛さと向き合うのが重要だ」。

これは嘘だ。こういうことを言う人は多いけど、聞こえてくるのは「成功者」の声だけだってことに気づいて。僕はもうすぐ48歳、どんどん辛いことが降り掛かってくるし、死ぬまでこうだと思ってる。その中で、今年は自分の中のポジティヴィティを育てたい。
 TikTokで流行った「だいじょうぶ大人は楽しいぞ」っていうのも大嘘。映画レオンの「大人になっても人生は辛い?」「ああ辛いさ」が真実だ。インターネットって辛い人の受け皿だったと思う。「インスタ映え」あたりから傾向が変わって、TikTokに「陰キャ」や「メンヘラ」を嗤うネタが多いのには違和感と嫌悪感がある。

春名風花さん。「『生きていれば良いことあるよ』とは、ぼくは言いません。つらいことはたくさんあるから。でも、明日は誰にでも平等にやってきます。この先あなたと出会うはずの運命で、あなたと出会えるのを待っている人はたくさんいます。ぼくもそのうちのひとりです。たくさん生きてください。また会いましょう」。これが誠実な言葉だ。
 さらに続く。「生きて欲しいと思うのは、僕のわがままです。現実に何も救えないのに、生きて欲しいと思うのはわがままです。でもみんなが一日でも長く僕のわがままを聞いてくれて、そしていつか『お前のせいでこんなに長生きしちゃったじゃないか!』って言いに来てくれたら嬉しいです」。

えほんうたユニットばんぱくとあんな@ニジノ絵本屋へ。
 菊池万博さんとannasekaiさんの活動は追っていて、でも子供向けのばんぱくとあんなを僕でも楽しめるだろうかって不安があった。ぜんぜんの杞憂だった。子供のファンがついてて、お店の方の「あと5分です」の声に「もう待ちきれないよ!!」ってお返事してて、2人の世界がちゃんと子供たちに伝わってることにまず感動した。とても難しいことだ。

登場して場を和ませる工夫、隅から隅まで検討に検討を重ねて試行錯誤を積んだパフォーマンスなんだってことが伝わってきた。2人が交互にギターを弾いて、美しいハーモニーやおもちゃの楽器や体全体を使って絵本の世界を伝えていく。とても丁寧に作り込まれたステージに引き込まれた。子供たちも夢中になって観てた。最後はみんなで体操、ちょっとしたいたずらがあって僕は見事に引っかかって笑った。
 子供に本や絵や歌の楽しさを伝えるというのはとっても重要で貴重な活動だ。どんどん広がってくといいな。

移動。総武線の中で、金髪モヒカンのおにいちゃんがでっかいカービィのぬいぐるみを持ってた。どういうシチュエーションだろうか。

10日。アカデミー賞の授賞式。こないだ観た「パラサイト 半地下の家族」が作品賞を取った。非英語圏の映画、アジアの映画が作品賞を取ったのは初めて。アカデミーとパルムドールを両方受賞したのは1955年の「マーティ」以来だそうだ。歴史的瞬間だ。監督賞、脚本賞、国際長編映画賞も取った。韓国の貧富差を要素として描きつつ、エンターテイメントに徹してこの評価。ほんとうに素晴らしい映画だった。
 ソン・ガンホが主演男優賞にノミネートもされなかったは残念。ソン・ガンホの怪演が光る映画でもあった。

監督のスピーチ、「まだ私の映画がアメリカの人たちに全然見られていなかった時、いつもリストに私の映画を入れてくれていたタランティーノにも感謝を」に、タランティーノがピースで応える一幕にもグッときた。
 そして若い頃から座右の銘にしてたのはスコセッシの「The most personal is the most creative」って言葉。それを聞いて顔をくしゃくしゃにするスコセッシの動画も流れてきた。会場はスタンディングオベーションだ。

作曲賞は「ジョーカー」のHildur Guonadottir。僕が大好きなmumのボーカルだった方。紹介記事がある。スピーチ全訳
 主題歌賞は「ロケットマン」のElton John。EminemやRandy Newmanのパフォーマンスもあった。Eminemは貫禄が出てきた。映画ファンはRandy Newmanのソロ活動が辛辣なブラックユーモアであることをどれだけ知ってるんだろうか。Billie Eilishは亡くなった映画人を追悼するコーナーで "Yesterday" を歌った。

起きた時は快調だと思ってたのに、理由もなく気分がふさぎ込んで布団にこもって寝込んでた。理由は鬱病ってば鬱病なんだけど。こんな時に猫たちはほんとうに優しい。2匹でペロペロ舐めて看病してくれた。
 行けなかったのは田中ミズホのライブ。なんだかんだでご無沙汰しちゃってるな。

Twitter Japanが「メディアリテラシーの向上のため」に日本青年会議所とパートナーシップを結んだ。
 津田大介さん。「『リテラシーの理解やモラルを高めるのに役立つ』と、Twitter Japanお墨付きのJCメディアリテラシー確立委員会のタイムラインを見にいったら全ツイート8件のうち、3件が高須院長、1件が産経新聞だった。メディア・リテラシーとは...」。「JCは学校教育の歴史教科書採択に対する圧力運動とも深い関係にあるわけだけど、JCの『メディアリテラシー確立委員会』さんはまず、同団体内にある『国史教育委員会』の展開する歴史修正主義に基づいた資料をファクトチェックした方がいいと思うぞ」。

HOM55さん。「日本青年会議所 (JC) が公開している資料を見たら、歴史修正主義のロイヤルストレートフラッシュというレベルの凄まじさだった。南京事件の否定、従軍慰安婦の否定、真珠湾攻撃の『奇襲』の否定等々、ネット国士たちの主張を一通り網羅。これをJCが小中学生対象の歴史授業として展開してるって正気?
 小田嶋隆さん。「ツイッター運営のクソ野郎どもが腐った味噌の詰まったアタマで考えるなかにおいて、気づいたポイントが、つまりは、現政権の中枢がまるっきりのJCマインドでできあがっているという事実だったわけで、つまりバカはバカなりに風に乗ったつもりでいるということだわな」。

Twitter『聞いていた運用と違う』日本青年会議所の問題リツイートに苦言、『メディアリテラシー』めぐり炎上」。「Twitter Japanと日本青年会議所がパートナーシップを結んだと2月10日に発表した件で、Twitter Japanが政治について情報発信するアカウントなどに批判が集まっている」。「今回の事態を受け、Twitter Japanは『日本青年会議所には運用改善の要望を伝えているが、このまま見直されないのなら当初の約束通り提携していくのかは検討しなければいけない』とした」。
 Twitter Japanががぜんぜん知らなかった、調べてもいなかったのか、それとも炎上したから火消しのために安倍みたいなごまかしをしてるのか、僕は後者だと思う。

11日。緒川たまきさんの誕生日。早寝早起きのできなさよ。

たかしUNDERSTANDの生誕祭「たかし祭り」@神田THE SHOJIMARUへ。
 たかしが自分でオファーしたたかしの好きなバンドしか出ないイベント。たかし張り切ってた。最初に登場したのは東京やんちゃボーイズ。役者さんのバンドで組んで半年だそうで、初々しい演奏だった。ドラマーがスティックすっぽ抜けちゃったり。みんなイケメンでアイドル的なファンがついて、小さな子供がサイリウムを振ってた。最後の曲はたかしがギターでゲスト参加。彼らの存在がたかしを演劇界に結びつけたらしい。

次に登場したBINJUは一転してめcでゃくちゃかっこいい女性6人組バンド。ボーカル3人体制で華やかなフロントマンと時々エレキを弾く子と地味なアコギの子。フロントマンは演奏中に香水をつけたり、演歌で使うカーッてパーカッションを叩きそうで叩かないみたいな小芝居をして、楽しませ方を心得てた。ステージ用の派手な化粧を落とした顔が整っててドキドキした。もう2人はたまに弾くギターよかった。コーラスワークも見事だった。
 演奏は主にキーボード、ベース、ドラムのトリオが担う。すげえグルーヴだった。リズム隊のヘヴィーな演奏はもちろん、メガネのキーボーディストがでかい音で煽ってた。

つづくせのしすたぁはたかしが追いかけてる福井のご当地アイドルデュオ。この日のたかしは27歳の誕生日って設定で、同世代くらいって言ってた。
 脚立に乗って煽ったりフロアに降りて煽ったり、曲もいいし歌もしっかりしてるし客いじりも上手い。普段はもっと破茶滅茶なライブをしてて、あんなにちゃんと歌うのは珍しいそうだ。夢中になって観た。「おまえらアイドルの現場に来たことないだろう、今日だけドルオタになれ、お前の親から貰ったイエッタイガーがあるだろう!!」ってパワーワード出てきた。親から貰ったイエッタイガー。言われるがままにイエッタイガーって叫んだ。結局イエッタイガーってどういう意味なんだろうか。

トリは今川宇宙の夢日記。みんなたかしUNDERSTANDの衣装、デニムベストに赤いバンダにサングラスで、UNDERSTANDSですって出てきた。衣装のせいかいつもより熱い演奏だった。"魔女っ子アヤちゃん" のあとたかしが「みんなそろそろ宇宙ちゃんの顔が観たいんじゃないの」ってサングラスを外すように促したんだけど、宇宙くんはそのタイミングを自分で決めたかったみたいで「そういうのめっちゃやりにくい」って返してて笑った。
 この日発売のミニアルバム."プールのあとの4時間目" から "白い箱庭" をやるはずだったけど、宇宙くんが "人間宣言" やりたいって、たかしと東伊豆先生がひゃらさんの譜面を見ながら "人間宣言" を弾いて無茶振りに応えてた。

"ルビーの指環" はたかしボーカル、小芝居なしで今日はたかし祭りなんでたかし歌いますって。リハもやったし。後半は "地球やだ" "麦芽100パー" 還暦組の抜群の演奏を前に宇宙くんはカリスマ性すら感じさせた。動員記録でぎゅうぎゅうの会場がますます熱くなった。本編終了後ハッピーバースデーがあって、たかしに宇宙くんからイラストのプレゼント。いいなあ。たかしめっちゃ嬉しそうだった。アンコールはミニアルバムにも入ってない新曲 "遠吠えと三角形" いい曲だった。たかし設定上の27歳の抱負は、「お酒濃いめでって頼まないでダブルでって頼む、せこいのはやめる」。
 早めに始まったイベントってこともあって、終わった後みんな残って飲んだり食べたり。宇宙くんのファン「宇宙戦士一同」のみなさんとお話できたのが嬉しかった。

12日。前の日のたかし祭りの写真がアップされてて、最前にいた僕が写りこんでた。僕って頭頂部スッカスカなんだね。びっくりして自撮りして觀念した。白髪を気にしてる場合ではぜんぜんなかった。むしろ真っ白くなった方が目立たない。去年悩みすぎたのかなあ...いつ終わるとも知れない裁判もあるし。

僕のルックスはコンプレックスの塊だけど、特に頭にはずっと悩まされてきた。まず異様な癖毛。髪のプロの床屋さんや美容師さんがびっくりするような。これが子供の頃にいじめられた大きな原因のひとつだった。そして絶壁。スカッと絶壁だ。さらに頭頂部が尖ってる。このままハゲきるかいっそスキンヘッドにしても見るに耐えない頭の形だ。
 健康な生活をして髪を取り戻す!!

ぽんちゃが「わたしの癒しショートカット女子たちの写真をください」ってツイートした。ぽんちゃ!!っていう模範解答はたくさん寄せられてるようなので、中嶋春陽さんを推した。「顔の輪郭もタイプです!」ってレスがきた。嬉しい。

クレイジーソルトが大好きなんだけど年齢的に塩分の摂りすぎが気になる。クレイジーソルトのソルト抜き、香辛料だけを売ってくれないかな。ニーノ・カルーソ展やってるの知らなかった、と思ったら京都かだいぶ遠いな。
 敢えてヒーターをつけずに寒い部屋で毛布にくるまる遊びをした。体調が悪い。気圧か...。寝落ちて午前5時に7時間前のタイムラインを見た。こういう生活が髪に悪いのだ。

13日。酷い目覚め。気温の異常な上昇と気圧の異常な降下で体調を崩して、今年に入って皆勤していた障害者福祉センターのフィットネスプログラムをさぼっちゃった。決意が一度崩れると持ち直すのがなあ。今週だけ今週だけ!! 多摩村は19℃まであがった。
 夜の予定も行けなかった。水ゐ涼さんのライブ。ごめんなさい。お隣からタマネギを炒めるいい匂いがしてきた。

友達の娘さんが超有名な方々とミュージカルに出演する。主演で上白石萌音さんとダブルキャスト。相手役はのんちゃんと乃木坂の伊藤理々杏さんのダブルキャスト。
 子供の頃は「スキルと結婚する」って言ってたのにな。ワンマンライブもするらしい。Eテレ関係でこの豪華キャストってチケット取れないパターンではなかろうか。Billie Eilishのチケットもご用意できませんでしたのお知らせ。

槇原敬之さんが麻薬所持で逮捕。でも見つかったのは2年前だという。いろいろ疑問が残る。最初に作品回収になったのってマッキーが前に捕まった時じゃなかったっけ。その前はそんなことはなかった。この件についてはあとで記事を紹介する。
 朝は地獄だけど夜になると楽しくなってくる。ここで寝ないと明日また地獄になる。その繰り返しを半世紀近く続けてきたわけだ。

14日。気持ちを切り替えて本気出して頑張る所存。
 タイムラインを開いて告知の洪水に溺れそうになるの、最近は告知の告知が流行ってるからってのもあるな。「明日の20時に素敵なお知らせがあります」果てしなく知らんがな!! 行きたいライブや映画や舞台や展覧会が多すぎる。今年の抱負のひとつはアウトプットを増やす、だったのにまだなんにもできてない。圧倒的に時間が足りない。

体のメンテナンスへ。いつも大きな公園を抜けて丘の上まで結構な距離を歩いてくんだけど、心が折れてタクシー使っちゃった。痩せたって言われたんで心を入れ替える。
 その足で高野寛@三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONへ。高野寛さんは30年来の憧れのミュージシャンだ。実は最初にヒット曲 "虹の都へ" を聴いた時は、「ねるとん紅鯨団」の間に流れるMIZUNOのスキー用品のCMソングで、スキー場でもガンガンにかかってて、軽薄なリゾートポップスだと思ってた。

それがケーブルテレビでデビュー前の田島貴男さんや遊佐未森さんとの特番を観て認識が変わって、"虹の都へ" が入っている "CUE" ってアルバムを聴いてみて、サイケデリックで非常に実験的な内容に驚いたし、「虹の都」って言葉の指す意味も理解した。
 当時は古舘伊知郎氏に「歌うメンズノンノ」と呼ばれて、パブリックイメージとのギャップに苦しんだんじゃないかと思う。

大変素晴らしいライブだった。いま高野さんはMacBookとギターで1人でライブしてる。世の中からは忘れられちゃったけど、いまでも瑞々しくてアイデアに富んだ素晴らしいポップソングを書いて演奏してることを若い人に知ってほしい。YMOの "CUE" Hirth Martinezの "All Together Alone" 坂本九さんの "上を向いて歩こう" はっぴいえんどの "風をあつめて" のカバーはどれも斬新な解釈で、リアルタイムなセンスの良さに圧倒された。
 MacBookの打ち込みのセンスも新しいけど「言われたことしかやらない相棒」で自由に演奏したいって、ギター弾き語りのコーナーがまた素晴らしかった。ファズのかかったギターの音が美しかった。

"夜の海を走って月を見た" は珍しいピアノ弾き語り。ピアノで聴くと、Todd Rundgrenの影響がわかりやすい。GRAPEFRUIT MOONのピアノは中村佳穂さんがレコーディングやPVに使ったものだ。で、高野さんは中村佳穂さんの師匠でもある。
 アルバム "City Folklore" からの曲を中心に、後半は初期の代表曲を演奏。"夢の中で会えるでしょう" シンガロンで大団円。

アンコールでは二大ヒット曲 "虹の都へ" と "ベステンダンク" を披露して、客席から元LA-PPISCHのtatsuさん、原田郁子さんが飛び入り出演。原田さんは「下北沢にいたら高野さんから『今日の会場にピアノあるよ』ってメールがきた」そうだ。リハもなくまったくのぶっつけで "美しい星" を演奏した。
 終演後のサイン会、30年のファン歴の中で接触は数回だからめちゃくちゃ緊張した。僕が作ったMix CDをさしあげた。ジャケットにのんちゃんの写真を無許可で使ってて、そういえば高野さんはのんちゃんに曲提供をしたんだってあとから気づいて冷や汗が出た。

印刷会社に発注した名刺がださい (私のデザインが) 。やむを得ず翌日はこれで通して、もう一回作り直さなきゃだなあ...。

15日。あんまり寝てない。僕の寝てない自慢は忙しいとか必要とされてるとかじゃなくて、異常に要領が悪いゆえなんだ。
 1ヶ月ぶりのカウンセリングへ。前のカウンセラーさんとは楽しくて頭の中が整理されて次のことに進めたんだけど、今の方は年配で気負ってしまって話し難い。そこを突いて質問してくるからますます辛い。ので主治医とも相談して替えて頂けないか、という話を今のカウンセラーさんとした。話しにくい話題の極みだろう。

夜はTikTokで見つけて17LIVEでファンになった坂本櫻さんのライブに行った。ライブ慣れしてなくて正直危なっかしいところもたくさんあったけど、すごく楽しかった。
 まず圧倒的なソングライティング力。ジャズのコードをポップに聴かせるセンスは、ヒットメーカーだった頃の矢野顕子さんやclammbonや中村佳穂さんを彷彿とさせる。韻を踏みながらイマジネーションを広げる作詞もすごくオリジナル。ピアノも自由で流麗、アイデアとフレキシビリティを感じた。柔らかい声はきっと人柄だなあ。

去年の11月にSSWになる決心をして今年メジャーデビューしたいそうだ。それはどうなのか。つるうちはなちゃんみたいに体の奥底から音楽の塊が命がけでぶつかってくるようなミュージシャンが20年かかったことを考えると、長い目で見たほうがいいような気もする。
 ライブはカバーからスタート。配信でもよく聴く矢野顕子さんの "それだけでうれしい" など。大学の仲間たちと作ったっていう "炊き込みご飯に失敗した" は、展開も曲風も可愛らしくてユーモアとリズムの冒険をしてた。

2部は本人が言うところのマッシュアップ、ある曲のAメロ、別の曲のBメロ、さらに別の曲のサビを歌詞的にも音楽的にもつなげちゃうみたいな実験をしてた。clammbonの "yet" も出てきた。
 終盤はオリジナル曲を。配信でもよく歌ってる "ピンクサイダー" や "アンダーグラウンド"、できたばっかりの "ユーレックサイト" は誕生石の名前から名付けたそうだ。どの曲も洒落てるのに覚えやすくて、売れちゃうかもよ。

それにしてもよく喋ってた。お喋りが好きなんだな。多くの作詞家は歌詞について語りたがらない。それは福永健人さんの言葉を借りるなら、「所在のわからない宝物を1つ抱えたなら、その全てが輝きだす」「言葉を増やすというのは手の内を明かすということである。そこには美しさを阻害するリスクがある」ってことだと思う。
 いろんなライブを観て、何度もライブして、自分のスタイルを見つけて欲しい。彼女の音楽への愛は本物で、彼女のキャラクターもとてもチャーミングだから、急いでメジャーに走って使い捨てられないといいな。

16日。久しぶりにまっとうな時間にぐっすり寝た。雨と気圧と読み返したメールにやられて、心が折れそうになりながら頑張ってでかけた。
 プレゼントの袋が傾いて中身をスーパーに落っことしてきたことに、電車のホームにたどり着いてから気がついてまたも心が折れた。スーパーに戻ったらちゃんとサービスカウンターに届けられてた。iPhoneで30年ぶりくらいに60年代ソフトロックを聴いた。あの頃の30年前の音楽だ。時間って不思議。

amiinA@青山月見ル君想フへ。
 2マンで50分の長尺。"Valkyrie" からスタートする意外な展開。3曲目の "Jubilee" ではついに「傷だらけのボーイ夢見がちなボーイ」のところで、miyuちゃんに指差して貰えた。2列目にいたんで無理かなって思ったんだけど、こないだ実はお願いしてたのだ。僕は傷だらけのアンクル夢見がちなアンクルだからさって。嬉しかった。いつもやらない曲をやりますと言ってミニアルバム "Valkyrie" から3曲、その中でも "atom" はレアだ。プログレッシブに展開する楽曲がとても力強いメッセージを放った。"Valkyrie" の曲はどれもアグレッシブで、それを最後の "in home" が優しく包み込む。"signal" で跳ねて "Caravan" でもっと跳ねて、"Canvas" でシンガロン。

心が折れそうになりながらも頑張っていってよかった。楽しかった。amiinAは間違いないわ。バレンタインのプレゼントのほかに、Billie Eilishのアルバムを持ってった。amiちゃんが "bud guy" をドラマの主題歌として聴いて気に入ったってツイートしてたから。4つ打ちで踊れてかっこいいって言ってた。アルバムを通して聴いてどう感じるか興味がある。Billie EilishはamiinAと同世代だしね。
 2人はファン全員にバレンタインのチョコレートを用意してた。小学生の時にクラスの女の子が集まって全員に配るアポロチョコも貰えないくらい最底辺だったんで、「全員」にカウントしてもらって嬉しかった。帰って食べてちょっと泣いた。miyuちゃんのサインがいつもチェキからはみだしてる問題 (amiinAあるある) 。対バンの主催者は90年代デジロック的なサウンドがかっこよかった。

17日。細野さんとルームシェアする夢を見た。緊張しすぎてムリ!! 新型コロナウイルスの話題で持ちきりだ。まじでAKIRAの2020年になってきた。マスクの枯渇が話題になってるけど消毒スプレーも枯渇してるぞ。
 この日記を書き始めた。毎日書こう、日記なんだから。王将の冷凍水餃子をポン酢で食べるの大好き。ダイニングすごい寒かった。ねこねこ。

The 1975のことを頭の中で「ザ、いちきゅーななごー」って読んでる。Les 5-4-3-2-1を「レス、ごーよんさんにーいち」って読んでた30年前からまったく成長してない。
 夜中になってAndrew Weatherallの訃報。有名なのはPrimal Screamの "Loaded" やMy Bloody Valentineの "Glider EP Remixes" だろうか。

和田ラヂヲさん。「『よくがんばったね』と言えるのよくがんばった人。『つらかったね』と言えるのはつらかった人。『やさしいね』と言えるのはやさしい人。『もうすぐ四十郎だがな』と言うのは椿三十郎」。

18日。ひたすら日記を書いてる。終わる気がしない。ねこねこ。
 菊池万博さんが僕のリクエスト、Oasisの "Hello" をカバーしてくれた。お題がOasisで、彼らはアルバムの1曲目がいつも神曲なんで、もうベタなリクエストをしてしまった。

SIDE-Cに続く。

2月18日 SIDE-C 新型コロナウイルスについて。

ニュース記事や有識者のツイートを時系列に並べます。いま問題になってるのは、たった1人の感染者のために隔離された巨大なクルーズ船、「ダイヤモンド・プリンセス」が第2の感染源になってること、そんな水際作戦を乗り越えて、日本でも流行の兆しがあること、政府の対応がいちいち後手後手なこと。
 安倍政権に国民の命を守る力も意思もないんで、自衛するしかなさそう。

新型コロナウイルスの流行で露わになった『世界の人種差別』」。
興味深いのは『中国国内では武漢出身者が差別され』『日本国内では中国人が差別され』『ヨーロッパではアジア人が差別されている』という点です。つまり地域によって、差別される対象の人々はどんどんひろくなっていっており、もはや合理的なウイルス対策とはいえない類の『対策』が目立ちます。例えば、イタリア・ローマにあるサンタチェチ―リア国立音楽院は『すべての東洋人へのレッスン中止』を発表し物議を醸しました」。

東洋人への差別意識は欧州の社会に元からあるものでしたが、現在は『コロナウイルスという大義名分のもと』堂々と差別行為が行われているというのが現状です。ただ『大義名分』に関しては、日本においても『元から中国人を快く思っていなかったところを、コロナウイルスという大義名分ができたから堂々と中国人をお断りするようになった』という側面もあるようです」。
 「いつの時代も、どの国でも人間の本質はあまり変わらないのかもしれません。だからこそ『博愛精神は平常時や平和な時だけ』なんていうことにならないように、非常事態の際の人間性が問われているのではないでしょうか。でも、何もそんなに難しく考えることはありません。ウイルスを憎んで、人を憎まず、ということです」。

新型肺炎、封鎖された武漢で一体何が起きているのか」。「武漢市金銀潭病院に最初の患者が運び込まれたのは12月29日だった。翌日にはもっと増え、それから数十人になった。1週間もしないうちに入院患者は定員を超えた。以来、同じく同病院の呼吸器科医師である夫を含め、金銀潭病院の全スタッフが過酷な仕事に耐えている」。
 「ウイルスの広がりを抑えるため、春節の旅行で封鎖前に武漢から出た数百万人の足取りが追跡され、2週間の隔離が義務付けられた。春節休暇は延長され、中国全土の人々は、できるだけ在宅で仕事をするように推奨された。団体旅行は中止、バス、電車、飛行機での国内移動も規制されている」。「先例のない厳しい対応だが、一部の専門家は称賛に価すると評価している。『迅速に対応した中国政府は信用できます』...ウイルスの封じ込めにも期待する...2003年のSARS禍に比べれば『はるかにいい対応です』と言う」。

『致死率は上昇しているように見えます。今日は私が担当する病棟だけで3人が亡くなりました』...疲れている様子がうかがえ、口調は静かで、強い悲しみと無力感が伝わった」。「ウイルスが強力になっている兆候なのかはわかりません」。「体調を崩し現場を離れる同僚が相次いでいるという。新型肺炎に感染した人もいれば、過労で倒れた人もいる」。
 「武漢の封鎖後、市民は市内の病院に殺到した。国営テレビは大混雑の発熱外来の様子を伝えた。数え切れないほどの人々が追い返され、隔離のために自宅から出ないようにと指示された。隔離できる場所も、隔離に関する正しい助言もなく、多くの家庭で新たな感染が起きた。自宅で死亡した人は公式な死亡者数には入らない可能性がある」。

先例のない医療ニーズに応えるため、中国政府は武漢に2つの新しい仮設病院を建設した。国営テレビは数十台の色とりどりの重機が建設現場の地面を掘る様子を伝えた。短期間での建設を可能にするため、6300人以上の作業員が24時間体制で作業にあたった。最初の病院火神山病院は10日で完成し、2月4日にオープンした。雷神山病院も2月6日にオープンした。2つの病院には人民解放軍の医療スタッフ3400人が配備され、ベッド数は2600床になる」。
 「これまでに明らかになった患者数と疾患の広がりのモデルにもとづき、武漢では1月25日までに約7万6000人が新型コロナウイルスに感染したと見積もっている。論文の著者らは、感染者は6.4日ごとに倍増しているとみている」。

新型コロナウイルス、不安で病院へ...『仕事休めない』が流行広げる」。「せきや発熱などの症状を自覚すると、多くの人は『仕事を休めない』と不安になりがちだ。最近では新型コロナウイルスの感染拡大が伝えられ、『早く病院に行かねば』と焦りが募るかもしれない。しかし...『そんな風潮が感染症を流行させる』と警告する」。

体調が悪くても仕事や学校に行くことが美徳で、休んだ人に罪悪感を覚えさせる風潮が背景にある」。「仕事を休ませてもらえないか、休んだら職場に迷惑がかかると忖度した人たちが、早く治したくて医療機関に駆け込んでいる」。「体調不良の人に自宅療養を許さない風潮はなぜ生じるのだろうか。背景に『自己責任論』を盾にした『不寛容ブーム』がある」。
 「感情を基に他人を敵視する『不寛容さ』は人間の本性といえる。しかし、人間は一人で生きるより多数と共同関係を持つほうがより多くの権利が持てる。理性で本性を抑えれば、各個人に最大の利益と幸福がもたらされると唱えているのです」。

新型ウイルス 国内で初の死者 神奈川の女性 ほかに3人感染確認」。
 「神奈川県に住む80代の女性が新型コロナウイルスに感染し、13日、死亡したことがわかりました。国内で新型コロナウイルスの感染者が死亡したのは初めてです。女性の義理の息子のタクシー運転手の男性も感染が確認され、厚生労働省は感染経路を調べています」。

彼女は、街ゆく人に『コロナ』と言われた。日本人が受けた差別の現実」。「すれ違いざまに言われた後、追いかけながら呼び止めて話しました。『失礼、それはどういうつもりで言ってますか?』『自分が外国で国籍を理由に侮辱されたらどう思いますか?』『家族が傷つくとも思わない?』と」。
 「相手の方はオロオロしながら最初は『なんのこと?』と知らないふりをして逃げようとしていて。歩きながら続けていると『ごめんよ、ごめんよ、お嬢さん』と謝ってくださいましたが、質問には答えてもらえませんでした。軽い気持ちで言ったのでしょうが、それが残念でした。言葉に対する責任がなければ、考えもない」。

誰もが病気になりたくてなったわけではありません。もし病気を不安に感じているのならば、情報をしっかり集めつつ、コロナウイルスで苦しんでいる方々の大変さにも思いを馳せられるはず。『自分が感染しないようにとにかく排除を』という考えの境界線を越え、想像することが大切なのではないでしょうか」。

広がる船内感染『日本の対応はカオス』下船へ政府転換」。「新型コロナウイルスの集団感染が起きている、大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号。厚生労働省は13日、船内にとどまっている80歳以上の一部の高齢者を、下船できるようにすることにした。政府の方針が変わる間に感染者が増え、乗客だけでなく、海外からも対応を批判する声が上がっている」。
 「もともと乗客には高齢者が多く、持病がある人も少なくない。持病の薬がきれて、手元にないなど船内での不安が高まっていた。高齢者らの下船の検討もされたが、ウイルス検査の態勢や、検査で感染がわかった人の搬送先や下船した人の宿泊先の確保のメドが立たず、船内に留め置かざるを得ない状況が続いていた」。

米ニューヨーク・タイムズは11日、日本政府の対応を、専門家の発言を引用して『公衆衛生の危機対応で『こうすべきでない』という教科書のような対応』と表現。乗客全員を対象とした検査を行わないことや限定的な情報開示が、乗客の不安を増幅していると指摘した」。
 「ロシア外務省...『日本の対応はカオスで場当たり的だ』と批判した。今回の問題についてロシアメディアの関心は高く...『日本政府は検疫への備えが不十分で、問題は雪だるま式に膨らんでいる』などと批判的に伝えている」。

内田樹さん。「『リスクを過大評価したせいで失われるもの』と『リスクを過小評価したせいで失われるもの』を比較したら、圧倒的に後者の方が大きいということは誰でも分かります。みんな家から出ないと消費は冷え込むし、都市機能は停滞するけれど、感染リスクは激減する。終息してから埋め合わせすればいいのに」。「新型肺炎は市中感染の段階に入ったと思うんですけれど、政府見解では国内で蔓延しているという認識ではないそうです。この『主観的願望を以て客観的情勢判断に替える』発想法は60年代には過激派固有のものでしたが...。ついに政府そのものが『過激派化』したようです」。

『日本の検疫のやり方は人権侵害だ』米メディア」。「13日付のワシントン・ポストは『日本政府が乗客に対してなぜもっと早く検査をし、下船させるための迅速な対応が取れなかったのか疑問が残る』と批判しました。そのうえで、専門家の指摘として『乗客乗員は船にいる限り感染のリスクにさらされ続ける』『日本の検疫のやり方は人権侵害だ』と批判しました」。
 「ニューヨーク・タイムズは、クルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス号』にいるカリフォルニア州の乗客のメッセージを伝えました。この乗客の女性は『冷静でいようと努めてきたが、難しくなりつつある。船に留め置かれていることで感染のリスクにさらされているようだ』という不安の声を上げています」。

みーさん。「コロナに限らずだが、熱が出ようと風邪をひこうと働くのが美徳、具合悪くても働くのが格好いい! と思うアホな考え方はいい加減捨てよう。どちらもとても格好悪いし、重症化した本人は勿論うつされる他人も大迷惑で誰にも得がない。日本人はコロナをきっかけに考え方直すべき」。

首相動静 (2月14日) 」。 死者が出た翌日にウイルス対策本部8分、宴会3時間。

新型肺炎、警戒レベル上げ見送り 政府専門家会議」。「16日に政府が開催した新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、感染の状況について『国内発生早期』から『国内感染期』に警戒レベルを上げるかどうかが焦点だったが、見送った」。「厚生労働省の幹部は『中国と接点の見えない感染者が増えているのは事実』と指摘。専門家会議が警戒レベルを上げ、検疫など水際対策や対象者が膨大になりつつある国内感染者の追跡調査などから、国内での早期発見・治療体制の強化に転換する『お墨付き』をもらう狙いがあった」。「専門家会議は警戒レベルの引き上げを見送ったが、厚労省の幹部は『いずれ患者が増える前提で、先手先手で国内対策を充実させていく』と話している」。
 先手先手とは。オリンピックを優先してるんだろうけど、いやもう僕らFUJI ROCK中止でいいですオリンピックも中止して。

『不要不急の外出は控えて』政府、感染拡大防ぐため」。
 「『自分が感染したら人に感染させるかもしれないし、広がるほど重症者が増える。なるべく自分が感染しない行動を』。会議の座長を務める脇田隆字・国立感染症研究所長は終了後の会見でこう強調し、テレワークの促進や時差出勤のほか、不要不急の外出を控えるといったことを挙げた」。

新型肺炎『感染拡大』前提に対策 政府、専門家会議受け」。「新型コロナウイルス感染症への対応で、政府は16日に初めて開いた専門家会議の議論を踏まえ、感染経路がたどれない患者が国内各地で出ることを前提とした対策にかじを切った。加藤勝信厚生労働相は『これから考えないといけないのは、重症化や死亡する事例を出さないことだ』と話す」。
 「これから」考えないといけないことなんだって。

SIDE-Dに続く。

2月18日 SIDE-D さよならニッポン

世の中のことを。「永久凍土の『急速融解』、温暖化への影響は従来説の倍も 次のIPCC第6次評価報告書の著者も参加、『今すぐ政策目標を』と研究者」。
 「気温の上昇により北方の永久凍土が融解し、温室効果ガスが発生して、地球温暖化を加速させる可能性があることは何十年も前から知られていた」。「永久凍土には氷を特に多く含む部分があって、そうしたところが融解すると、従来考えられていたより温室効果ガスが多く放出されることがわかったのだ」。

この小さな部分の融解により、永久凍土の地球温暖化への影響は、従来考えられていた規模の倍以上になる可能性があるという」。「今回の研究結果によると、その見積もりが倍になる恐れがある。これは重要だ。なぜなら、『気候変動に関する政府間パネル』が、最悪の温暖化を阻止するために、人類が化石燃料の使用をやめるべき時期を推定したときに、永久凍土の融解が十分考慮されていなかったからだ」。
 「いったん永久凍土の中の氷が解け始めたら、数日、数週間、数カ月間という速さで風景は激変する。このとき、厚い氷に覆われた地中に保持されていた大量の炭素がメタンの形で放出される。問題はこの点だ。メタンの温室効果は二酸化炭素の25倍以上もある」。

西南極、脆弱で知られる氷河から巨大氷山が分離 南極海では定期的に巨大氷山が棚氷から誕生する。ただ、今その頻度が増している」。
 「西南極に、湾へと突き出している氷河、パインアイランド氷河とその隣のスウェイツ氷河がある。パインアイランド氷河は、南極で一番早く消滅する危険があるとされる。氷河は、膨大な量の水を氷として保持している。南極の氷河がすべて海に流出すれば、地球の海面が1.2メートルも上昇すると言われている」。「この地域の岩盤は内陸に向かって低くなっており、棚氷もより厚く不安定になっている。そのため分離する氷山はますます大きくなり、最終的には一斉崩壊につながる可能性がある。この説は、海氷崖の不安定性という不吉な名で知られ、西南極全域の氷が急速に失われる引き金になるおそれがある」。

The power of introverts」。内向性についての素晴らしいTEDスピーチ。日本語訳もあります。「静かで内向的なのは正しくない、もっと外向的な人間として認められるよう努力すべきだというメッセージを、いつも受け取っていました」。「もっとも重要な組織である学校や職場が外向的な人向けに作られており、外向的な人に合った刺激に満ちているのです。さらに今の世の中に行き渡っているある種の信念体系があって、『新集団思考』と私は呼んでいますが、創造性や生産性はもっぱら何か社交的な場から生まれるのだと考えられています」。
 「単独行動したり1人で作業するのが好きな子は、はみ出し者とかさらには悪くすると問題児と見られてしまいます。教師のほとんどは、理想的な生徒は内向的でなく外向的なものだと思っています。実際には内向的な方が成績が良く知識があるにも関わらず」。

内向的なリーダーは外向的なリーダーよりも良い結果を生むことが多いというのです。内向的なリーダーは、積極的なメンバーが アイデアを出して活躍できるようにさせる一方、外向的なリーダーは、気づかぬうちに何でも自分で仕切ることに夢中になって、他の人のアイデアがなかなか活かされないようにしてしまうのです」。
 「孤独もまた大切であり、ある人々にとってそれは呼吸する空気のようなものなのです。実際私たちは何世紀にも渡って、孤独の持つ超越的な力を知っていました。それを忘れるようになったのはつい最近のことなのです。世界の主要な宗教を見ると、どの中にも探求者が現れます。モーセ、イエス、ブッダ。ムハンマド…探求者は1人で荒野をさすらい、その中で顕現や啓示を得ます。そしてそれをみんなのいるコミュニティへと持ち帰るのです。だから荒野なくして啓示はないのです」。

このTEDやそれを紹介した春名風花さんの言う通り、芸術は本来内向的な作業だ。音楽のライブを含む舞台芸術はその絶妙な線を突く。僕が半年前から考えてる「ミュージシャン音楽を愛してない問題」の大きなヒントだとも思う。

ポン・ジュノ監督×是枝裕和監督 スペシャル対談」。「社会派...というほどでもないですね。私は『映画派』でありたいです。映画そのものが与える面白さや興奮、美しさが、私にとって最優先です。映画が面白くなるためには当然、人間に対する描写が正直でなければなりません。人間をもう少し面白く、興味深く扱おうとした結果、その人が生きている時代や属している社会が自然と現れてきます。だから映画に、韓国という国や、時代の姿が現れるんだと思います」。
 「3、4年間から、韓国の映画産業が決めた労働時間に沿って制作してきました。昔のように徹夜での撮影が武勇伝になった時代は、完全に終わりました。あとは、ムン・ジェイン政権が週52時間労働という規定を作ったので、映画界もそれが適応されています。私も休みを取りながら撮影をするのが一番いいと思います」。

電気グルーヴの二の舞か、槇原敬之の全作消滅? 日本レコード会社のガラパゴス的『自粛』の異様さとは?」。「断っておくが、僕は槇原敬之の熱心なファンだったことは一度もない。また、薬物使用者へのシンパシーもない。僕は酒も煙草も白米も摂らない。だがしかし『違法薬物の使用』が理由となって、ある人物の音楽作品が社会から消されてしまうことに、なんの社会的意義もないことだけはわかる」。
 「麻薬中毒者の音楽だって、よければいいし、悪ければ悪い。聴くことによってとくに僕に害はない。都市部で歩き煙草をしている人のほうが、よっぽど迷惑だ。しかしそれで人生が台なしになった、キャリアが終わりとなった人の例など、聞いたこともない。不思議なことに」。「いまのところ、僕の手元にある盤を『燃やすから渡せ』と、取りに来た人はいない。そのうち、誰かがやってくるかもしれない…というのがあながち冗談でもないのは、この一連の行為の本質は、まさに『焚書』と呼ぶべきものだからだ。そして焚書とは、ナチスがおこなった行為であることからよくわかるように、まぎれもなく『人類の歴史上における汚点』のひとつにほかならない」。

日本のムラ社会には『頭だけ下げてればいい』として、本質的には頬かむりして『何ひとつ変えない』し、責任者も特定せずに『結局一切の責任はとらない』という企業文化風土が根強くある。政治家も同様だ。にもかかわらず『その共同体の成員ではない者』には、いつも詰め腹を切らせる。たとえば、不祥事で追いつめられた政治家の秘書はよく自殺する。なぜかこのメカニズムが、エンターテインメント作品にかかわる『アーティスト』にまで敷衍されているのが、この一連の『自粛祭り』の本質なのではないか」。
 「正義もなく、芸術への、アーティストへの敬意もない。人間としての、最低限の自然な感情の発露としての『お互い様』とかいった温かみすら、一切ない。槇原敬之の報道から透けて見えてくるのは、薄暗い『ムラ社会』の象徴としての『日本の会社特有の論理』でしかない。まるで江戸時代の身分制のアナロジーのような、気色の悪い上下関係の影だけが、薄ぼんやりと。そして言うまでもなく、そんなことばかりやってるから、会社立国ニッポンは根腐れして、日々下へ下へと沈降していくばかりだ。しかし一方、エルトン・ジョンやブルーノ・マーズは、地球中どこでも愛されて、売れ続けているのだが...」。

『ダメ。ゼッタイ。』から、『ヤバいやつは抱きしめろ』へ 孤立の病・依存症を救うには?」。「罰が有効であるというエビデンスはないのです。むしろ、罰はどうも効果がないという科学的なエビデンスは結構出てきている」。「それに人間の創造性というのは驚くべきもので、何かを罰して規制してもすぐに次のものが出てきます」。
 「規制や乱用防止のために、スティグマ化した格好でやるのが今の日本で、『薬物やギャンブルをやる奴は人間じゃない』というような啓発の仕方です」。「すると、その問題を抱えている人たちがますます地域で孤立し、孤立すればするほどますます依存行動が悪化するというスパイラルに陥ります」。

とにかく仲間はずれにして孤立させると、ろくなことが起きません。人は孤立すると悪魔に化けると思うのです」。「規制されると、反社会勢力にアクセスしなければ薬が手に入らなくなる。依存の酷い人たちは、その危険を冒してでも手に入れます」。「大麻はよくゲートウェイドラッグと言いますが、それは大麻の薬理作用によってではなく、大麻を違法化することによって、反社会勢力との道筋ができることによってだと思うのです」。
 「規制して排除すると、排除されたマイノリティたちは、余計孤立しおかしな方向に進みます。だから、『ダメ。ゼッタイ。』ではなく、『ヤバい奴は抱きしめろ』とか、『つまづいた奴を孤立させるな』などを標語にした方がいいと思うほどです」。

カズ・ヒロさんは『日本の文化が嫌になった』とは言っていない」。「第92回アカデミー賞の『メイクアップ・ヘアスタイリング賞』を2019年公開の映画『スキャンダル』で特殊メイクを担当したカズ・ヒロさんが受賞した。2年前に続いて、2度目の受賞となる」。
 「残念ながら私は日本を離れアメリカ人となっている。周りに合わせ従順であることを強要する日本の文化の中で夢を叶えるのは難しく、そんな文化の中で疲弊してしまった。だからこそ私はいまアメリカに住んでいる」。「日本の教育と社会が、古い考えをなくならせないようになっているんですよね。それに、日本人は集団意識が強いじゃないですか。その中で当てはまるように生きていっているので、古い考えにコントロールされていて、それを取り外せないんですよ。歳を取った人の頑固な考えとか、全部引き継いでいて、そこを完全に変えないと、どんどんダメになってしまう」。記事はカズ・ヒロさんの言葉を受けて、日本の「同調圧力」「上下関係」「権威主義」を論じてる。

日本社会は『助け合いにあふれている』と考える人は2%。20-30代男性4割は助け合いに拒否感も」。「日本社会が助け合いにあふれていると考える人は、わずか2%。過去1カ月の間に見知らぬ困っている人を助けたことがあるのは14%。反対に知らない人に助けを求めることが出来ると回答したのも4%と、人を助けるのもSOSを出すのも苦手な日本人の実態が、最新の調査で明らかになった」。
 「イギリスのチャリティー団体『Charities Aid Foundation』が2019年に発表した人助けランキングで日本が125カ国中、最下位だったことを受け、独自に調査した」。「知り合いに助けを求めることが出来ると回答した人は6%、知らない人に助けを求めることが出来るのは4%と、どちらも1割に満たない。こうした状況からか、『社会が助け合いにあふれている』と考える人は、わずか2%だった」。

Interplay of chronotype and school timing predicts school performance」。
 池谷裕二さんの要約。「『学校は早起き型の生徒に有利』授業を朝7時40分に開始すると朝型の生徒の成績が上がり、夕方5時20分に開始すると夜型の成績が上がり、昼12時40分に開始すると差が消えたそうです」。

くっだらねえ政治のことを。まずなんで政治の話をするべきかについて。

『左翼/右翼』の意味をはじめて知った学生と考える『政治意識』のこと」。
 「多くの学生にとって、左派は『自分の国が嫌いで、政府に文句を言う過激派』といった認識であるようだ。だから、授業で冷静に説明を受けて、左派の否定的なイメージが揺らいで驚く若者も少なくはない」。「近代の歴史を通じて、右/左の区別は錯綜しており、むしろ両者の性質が複雑に絡み合っていることが多い。時代や論点によって、右/左の内実や立場は変化するので、単純な線引きは難しい」。「そもそも多くの学生らは自分が右寄りでもなく、左寄りでもなく、中立だと信じているし、中立でありたいと思っている。だが、純粋な中立などありえず、論点や状況にしたがって、私たちは右か左に向いている」。

受講生のほぼ全員が、デモなどの社会運動と暴動の違いを知らないようだ。メディアで報道される過激な暴力シーンしか印象にないため、デモを非合法的な暴力革命と考えているらしい。デモはそもそも、道路交通法による許可申請を経た合法的な表現行為である。授業ではデモ活動とストライキの定義と社会的効果を説明しなければならないが、そこではじめて学生らは中立的な理解に達する」。「『私ひとりが投票しても、社会運動をしても、政治は変わらない』との意見もある。授業では、こうしたシニシズムに対して明確に回答しておく。それは『王様気分の世界観』ではないか。自分が王様になった気分で政治を語り、自分なりに一国が動かなければ気が済まない誇大妄想的な意識だ」。
 すごく興味深い記事。政治に無関心な人、関わってはいけないと考えてる人のことがよくわかる。無関心な人ほどよく読んでほしいけど読まれないんだろうな。

桜を見る会について。

マルチ商法勧誘に首相夫妻との桜写真 業務停止命令の会社『効果絶大』と会員に拡散」。
 「悪質なマルチ商法だとして2018年に消費者庁から業務停止命令を受けた暗号資産販売会社『48ホールディングス』の役員が、『桜を見る会』に出席した際の写真が、組織的に会員勧誘に使われていたことが、関係者の話で分かった。前日に安倍晋三首相の後援会が東京都内で開いた『前夜祭』で、安倍首相夫妻と写った写真も会員間に出回っており、会員は『写真を見せると『すごいね』となり、信用してくれた』と話している」。

質問者を攻撃、首相荒い答弁『桜を見る会』質問集中にいらだち?」。「安倍晋三首相が12日の衆院予算委員会で、荒々しい言葉とヤジで質問者を攻撃し続けた。首相が主催する『桜を見る会』問題に追及が集中することへのいら立ちからか、質疑自体を『非生産的』とけなす場面も。野党は激しく反発。識者からも疑問の声が上がる」。
 鮫島浩さん。「安倍総理の傲慢極まりない態度は国権の最高機関である国会や国民主権への侮辱だ。民主政治のルールを破壊するこの権力者の横暴はもう治るまい。ここから先問われるのはメディアの態度だ。いい加減『総理失格』と判定し退陣キャンペーンをするのが民主政治を守る公正な報道だ」。内田樹さん。「この人は総理大臣の職にあるべきではないと思います。これはもはや『失政』というレベルの話ではなく、立憲デモクラシーの基本ルールに対する積極的な『攻撃』です」。

オリンピックについて。

五輪開会式、アイヌ舞踊は不採用『はまらなかった』」。「7月24日の東京五輪開会式の演出で、アイヌ民族の伝統舞踊は不採用になった。開閉会式の総合演出を統括する狂言師の野村萬斎さんが7日、『式典の制約の中で、はまらなかった』と語った」。「シドニーやバンクーバーなど過去の五輪では先住民が開会式に登場していた」。
 菅野カズシゲさん。「EXILEとかAKBとかよしもとみたいな物ははまって、アイヌ舞踊ははまらないから却下みたいなそんな文化表現なんてクソ以下だろうよ。やめちまえそんなの」。

小田嶋隆さん。「これ、演出的にはまらなかったのではなくて、『2000年にわたり同じ民族が、同じ言語で、同じ一つの王朝...日本しかない』という政権中枢の思想にはまらなかった、ということではないのだろうか」。
 「文化的な多様性に配慮しつつアイヌの踊りを『はまるように』演出する力量がないのなら、あるいは、圧力をはねかえすだけの覚悟を持っていないのであれば、はじめから引き受けるべきではなかったのではないか。結果として、少なからぬ人々を失望させ、自分自身も恥をかくことになった」。

小田嶋隆さん。「『個人主義が増える中で、多種多様な世界をみんなで受け止めてほしい』という野村萬斎氏のコメントの意図が心底から理解できない。『多種多様』な世界や生き方を許容するのがつまりは『個人主義』なんじゃないの? 違うの? 『滅私奉公』が多様な世界なわけ?
 「五輪に関係している人たちは、なぜなのか、ことあるごとに『個人主義』への疑義を表明しがたる。もしかするとオリンピックへの熱狂を演出しようとしている人たちの心底には、この国に個人主義が蔓延することへの危機感があらかじめ共有されているということなのだろうか」。

『東京2020』有償スタッフ募集 ボランティア複雑 時給1600円、ほぼ同じ仕事なのに...」。
 「東京五輪の開幕まで24日であと半年となり、準備が加速する中、大会組織委員会が有償スタッフ約2000人を募集し、波紋を広げている。『時給1600円』の業務内容が、無償の8万人のボランティアと酷似しているため。ボランティアからは『一緒に働きたくない』という声もある」。「大会スポンサーのパソナが、組織委の委託を受け昨年十月から募集する」。

森喜朗元首相の『五輪利権』財団めぐり...今度は5億円『五輪買収』疑惑が浮上」。「東京五輪組織員会の森喜朗会長が立ち上げる『日本スポーツレガシー・コミッション』なる一般財団法人。週刊新潮は2月6日発売号で、数百億円とも目される東京五輪の剰余金の受け皿に、この財団が使われるのでは...との証言を紹介した。さらに同財団をめぐっては『東京五輪買収』という疑惑も浮上するのだ」。
 「菅義偉官房長官から話があって、『アフリカ人を買収しなくてはいけない。4億-5億円の工作資金が必要だ。何とか用意してくれないか。これだけのお金が用意できるのは会長しかいない』と頼まれた」。「広告代理店は『あのアフリカ人親子をターゲットにすればアフリカ票が取れる』とも言っていたそうです」。

東京五輪の大会スローガン決定」。「2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は17日、大会のスローガンを『United by Emotion (感動で、私たちは一つになる) 』に決めたと発表した」。
 森泉岳土さん。「この国はほんとひとつになるのが好きだな。おれを勝手に入れないでくれ。ごめんだ」。大友良英さん。「感動で一つになるって、心底嫌な言葉だなあ。そこから外れた人のことは勘定に入って無さそうだし、そもそも一つにならなくてもそれぞれが生きていける世界のほうが、いいと思うんだけどなあ」。

黒川検事長の定年延長って。

内田樹さん。「検察の人事が法律違反で強行された場合、そのような検察官が国民に遵法を要求し、違反した場合は処罰すると凄んでみせてもずいぶん説得力が減殺されると思うんですけど。それでもいいんですね?『法の支配』の終焉に検察が同意したということでよろしいんですね?

検事長定年延長 首相『法解釈を変更した結果』国家公務員法と検察庁法」。
 「安倍晋三首相は13日の衆院本会議で、黒川弘務・東京高検検事長の定年を半年延長した閣議決定は、法解釈を変更した結果だと答弁した。国家公務員法の定年制は検察官に適用されないとした人事院の1981年の国会答弁に関し、首相は『当時、検察庁法に基づき除外されると理解していたと承知している』と認めつつ、『検察官も国家公務員で、今般、検察庁法に定められた特例以外には国家公務員法が適用される関係にあり、検察官の勤務延長に国家公務員法の規定が適用されると解釈することとした』と述べた」。

内田樹さん。「法律で『してはいけない』とされたことが一内閣の解釈で『してもよい』となった。それが通るなら、国会より内閣が上位であり、政令をもって法律に代えられるという緊急事態条項が適用されたことになる。つまり、改憲はもう事実上果たされたわけです」。
 望月衣塑子さん。「黒川検事長の定年延長で過去の政府答弁との整合性問われ、安倍首相『法の解釈を変更した』法的安定性を損なう無茶苦茶な論理だ。何故、官邸は定年延長に固執するのか。これまでの所業から黒川氏でなければ、官邸に捜査のメスが入る可能性が高いと思ってるからなのか」。

東京高検検事長の定年延長はやはり違法」。や、やっぱ違法ですということを弁護士が懇切丁寧に説明してる。抜粋不能。
 望月衣塑子さん。「渡辺輝人弁護士の指摘、分かりやすい。黒川検事長の引退延長を人事院は認めてない。人事院は、法務省判断に任せたのではなく、国家公務員法の定年延長制は検察官に適用されない。だから、法務省が適切に整理し、勤務延長はできないから退職させてね、と指摘している」。

元防衛相『行政の長、私的に司法権限ある人選ぶのは...』」。
 「私が心配するのは、三権分立、特に司法は正義とか中立とか公正とか、そういうもので成り立っているんですね。行政の長が私的に司法の権限のある人をですね、選んで本当に良いのかなと。一部の私的な感情とかえこひいきとかやってしまうと、本当に行政も動かなくなってしまう。権力の上に立つ者はしっかりと、その使い方を考えていかなくてはならない」。

安倍晋三と報道について。

総理大臣と記者との会食はなぜ無くならないのか 新聞労連委員長に問う」。「多くの記者は取材先との緊張関係の中で、ぎりぎりのやり取りをしながら記事を書いています。それをチェックする私も日々が真剣勝負です。それが、ああいう会食が一回でも行われれば、全てがなれ合いで行われているように見られてしまう」。
 「検察取材とは、その多くは検察から情報をとる作業だ。これは法令順守とは別の力学でなされる。検察側が守秘義務に違反する中で情報が記者に流れるということだ。その際、トップの覚えのめでたい記者に情報を流すのは、さほど問題にならないという認識が生まれる。従って、メディアの側からすれば、トップに取り入れば取材がしやすくなる、つまり情報を得やすくなるという利点が生まれる。そして自然と、メディアは権力に取り込まれていく。それは時にニュース判断さえ狂わす」。

佐藤章さん。「森喜朗って最後までバカ貫くね。国際情勢が厳しいから安倍4選支持って『私は政治オンチです』と言ってるのと同じ。石破に『情がない』って意味不明。総裁選前のTV討論で覚えてるが近財職員の自殺に薄ら笑いを浮かべた安倍に対し石破は凄い顔で睨んでたぞ。森早く引っ込めよ」。

SIDE-Cで紹介した「国民の命を守るため、安倍内閣総辞職を-新型肺炎危機対応のため超党派で大連立内閣を」って記事が話題になった。異邦人さん。「安倍内閣が総辞職した後の首相に望むのは、最低限以下の項目です。
・憲法を守る
・公文書を改竄、隠蔽、廃棄しない
・統計やGDPを水増ししない
・税金で有権者を買収しない
・日本語で答弁する
・三権分立を理解する
・閣議決定で法律を変えない
・適正手続きを踏む

これに
・メディアを接待しない
・漢字が読める
あたりも追加したい。

NHKニュースが辻元議員の反証をカットした。内田樹さん。「NHKニュースは急速に国民的な信頼を失いつつあります。戦後ここまでNHKが信用を失ったことは僕の知る限り過去にありません。NHKの社会的信頼を築くために長く努力してきた多くの先人たちに申し訳ないと思わないのですか」。

平川克美さん。「虚偽を重ね、公文書廃棄し、身内優遇のために法律を踏みにじった首相が辞任したとして、それだけでは済まないだろう。忖度して追従したもの、違法脱法に加担したもの、虎の威を借りて威張り散らしたものたちも、法的に裁かれ、倫理的責任を追求されなくてはならない。一般論ですよ」。
 内田樹さん。「この後、政権に加担して嘘をついたもの、公文書を改竄隠蔽したもの、法律の解釈をねじまげた者たちは厳しく指弾されることになると思います。そうしないと日本の統治機構は立ち直らない。『特別なこと』をしている自覚はあったはずなんだから『上の指示で』というアイヒマン的言い訳は通しません」。

山崎雅弘さん。「第二次安倍政権下のNHKニュースは、旧ソ連や中国と同様、完全に政府広報の放送局と化している。権力者の権威保持を優先し、権力者の言い分が常に『正しい』と見えるよう事実を編集してビデオを作る。主語は常に『安倍総理大臣は』で、すべてが安倍目線と安倍都合で作られる」。

原発について。

敦賀原発の断層『生データ』無断で書き換え 日本原電」。「日本原子力発電敦賀原発2号機の新規制基準に基づく審査で、原電が、原子炉建屋直下に活断層があるかどうかの判断に必要な調査資料の記述を書き換えていた。7日の会合で原子力規制委員会が指摘して発覚した。規制委は信頼できる資料が出されるまで審査を再開しない方針」。
 「書き換えられたのは、原電が2012年に敷地内で実施したボーリング調査の結果。採取した地層の観察記録で、18年の審査会合の資料では『未固結』などとしていた記述が、この日は『固結』に変わっていた。原電の説明はなく、規制委が計900ページに及ぶ資料の中から見つけた。記述が変わった部分は少なくとも十数カ所あるという。観察記録は科学的な『生データ』で本来変えてはいけない」。

社説 資料書き換え 原発審査の根幹揺らぐ」。「看過できないのは、今回の書き換えが審査の行方を左右しかねなかった点である。規制委が活断層と判断するか否かは今後の審査しだいだが、その際にボーリング調査のデータは重要な役割を担うのだ」。
 「原発専業の原電は、4基のうち2基の廃炉が決まり、残る敦賀2号機と東海第二原発の再稼働に社運がかかる。ぜひとも運転を認めてもらおうと、活断層説が弱まるようにデータを書き換えたのではないか。そんな疑いがぬぐえない」。「悪意も意図もなかったというのなら、原電は詳しい事実関係を明らかにする責任がある」。

辺野古、70メートル超も『軟弱』地盤調査、防衛省伏せる」。「沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡り、埋め立て予定海域で防衛省の想定に反し、海面下70メートルより深い海底の地盤が『軟弱』であることを示すデータが検出されていたことが分かった。『70メートルまで地盤改良すれば施工可能』という同省の設計の前提は、根底から覆る可能性が出てきた。同省は『業者が独断で行った調査で信頼性が低い』としてこの実測データを採用せず、調査した事実すら伏せていた」。
 「B27地点には巨大な護岸が設置される。真下の地盤が軟弱だった場合、護岸が沈下したり傾いたりして基地として機能しない恐れがある。防衛省はB27地点の実測データは『信頼性が低い』として採用せず、設計変更の検討に当たっても考慮に入れていない」。

自ら『勉強不足』認めた北村地方創生相 菅氏は『らしい味がある』『まさに適材適所』」。
 「新型コロナウイルス感染症や北村誠吾・地方創生担当相の国会答弁を巡って、7日午後の菅義偉官房長官の記者会見で質疑があった。菅氏は新型ウイルスについて『来週にも緊急対応策を取りまとめていきたい」と強調した。北村氏について『北村大臣らしい味がある』『まさに適材適所』と擁護した」。味!! 味で政治されても困るんだよ。

SIDE-Eに続く。

2月18日 SIDE-E ここまで読んでくれてる人がいたら泣く

楽しい音楽の話をしよう。忙しい人はNME Japanが選ぶ今週聴くべきこの曲:2020/2/14を。

James Taylorが、脳動脈瘤で倒れた親友のJoni Mitchellが回復に向かってて、音楽に戻ってくるだろうって語った。
 Ladysmith Black MambazoのリーダーのJoseph Shabalalaが亡くなった。大好きなグループだ。壮絶な人生だったと想う。プロデューサーのAndrew Weatherallが亡くなった。僕が洋楽を聴き始めた頃に、一番新しい音を作る人だった。
 レコードの原盤「ラッカー盤」の原材料製造工場が全焼した」。この影響で「ラッカー盤」の原材料が不足し、世界中のレコード業界に影響を与える可能性がある。2008年のユニバーサルスタジオ火災でマスターテープが火災で損傷 / 破壊された19組のアーティストがわかった。Beck、Sonic Youth、R.E.M.など。

NMEアウォーズ2020、すべての受賞者・受賞作が発表された。気になるところではBest New Act In The WorldにClairo、Best FestivalにGlastonbury、Fuji Rockもノミネートされてた、Innovation AwardにThe 1975、Icon AwardにCourtney Love、Best Song In The WorldにBillie Eilish "Bad Guy"、Best Album In The WorldにLana Del Rey "Norman Fucking Rockwell"、Songwriter Of The DecadeにRobyn、Best British Solo ActにFKA twigs、Best British BandにThe 1975、Album Of The DecadeにArctic Monkeys "AM"、Band Of The DecadeにThe 1975など。
 君島大空さんが2019年ベストアルバムを発表した。

Pearl Jamがスマホを月に向けると新曲 "Superblood Wolfmoon" が聴けるアプリを公開した。moon.pearljam.comにアクセスするとなんやかんやなる。Damon Albarnが新プロジェクトThe Nearer The Fountain, More Pure The Stream Flowsでロンドン公演を行う。アイスランドの自然に触発された、ヴィジュアルを重視したパーソナルなプロジェクトだそう。Elvis CostelloがOBE (大英帝国勲章4等勲爵士) を受勲した。アナログリバイバルのドキュメンタリー映画「The Vinyl Revival」が海外でDVD化された。豪華出演陣。トレーラー映像がある。日本盤は出ないのかな。

Buena Vista Social Clubに参加したIbrahim FerrerがRy Cooderたちと作ったソロアルバム "Buenos Hermanos" のスペシャルエディションがリリースされる。

Controversial Sparkが台風で中止になったライブのリベンジ公演を決めた。大友良英さん、のんちゃん、Sachiko Mさんのユニットのんとも。Mのライブレポート。「『夢助』に込められた最後のメッセージ - 忌野清志郎」。「2020年のYMO評 エキゾ、電子音楽、ポップスの視点から3人が紡ぐ」。面白かった。YMO評にこういう視点が欲しかった。動画「坂崎幸之助が語る『君は天然色』」。"君は天然色" が松本隆さんの妹さんへのレクイエムなのは知ってたけど、サビの不思議な転調については知らなかった。オリジナルの展開いいな。で、この動画と関係ないけど大滝さんがアメ車に乗ってたのは、アメ車のカーステレオ用に作られたアメリカンポップスの音をちゃんと聴くためだったんだな。アメリカはカーラジオがチャートを動かす国だから、音質もそれに向けてチューニングされてる。