DIARY 2015年2月


2月1日 さよならインターネット、25年めの脱却

1990年にインターネットに初めて触れて、かれこれ25年になる。1993年にWebブラウザーができて、1994年に日本での商用利用が始まった。なにかが動き出す混沌に興奮した。楽しかった。そして1998年にこのサイトを立ちあげた。
 いまの日本のインターネットには、楽しいこともあるけど、憎悪も満ち溢れてる。いいかげん疲れてきたなって。

僕はあんまりテレビを見せてもらえない家に育って (それは感謝してる) 、一人暮らしを始めてから狂ったようにテレビを見た。部屋に帰って灯りをつけて、猫をかまってテレビをつけた。独りの部屋が、少しだけ社会と繋がって人格を持ったような気がした。2008年にテレビが壊れて1ヶ月くらい放置した。で、気づいた。テレビいらないや。雛壇芸人の雑談を聞くともなしに数時間。なにやってたんだろうって。
 それと同じことを、いまインターネットに感じてる。心ない人の汚い言葉に動揺して傷ついて。いらないや、なにやってたんだろうって。先月のトラブルも一因としてある。その辺の想いは、1月20日の日記に書いた。そんで28日に、距離を置こうって書いた。数日間距離を置いてみたら、やっぱり精神衛生的によかったんだ。

このサイトはまだまだ飽きるまで続けます。InstagramやLINEやSkypeやSound Cloudも続ける。
 twitterは鍵をかけて潜行してる。糸井重里さんがずいぶん前に、ブロックの上手な使い方について書いたの、やっとピンときた。有吉弘行さんの言葉を借りるなら、twitterは「バカに発見され」てしまった。必要のない機能も増えた。自分にとって心地いい環境を構築できないなら、twitterなんてやってる意味がない。しばらく様子見だ。
 SNS以降のわくわくするサービスが出てきたら、また飛びつくだろう。僕はいま、コミュニケーションメディアの新しい形を云々することにあんまり関心がない。受け身の姿勢で待つともなしに待つ。25年ぶりに、リアルが面白い。

2月2日 地球は丸い

きのうはN氏とFくんがやってきて、おじさん3人で鍋会。久々の来客で掃除頑張った。ルンバがすぐに「終わりました!!」って顔をする日もあるけど、妙に仕事熱心な日ってあるね。
 まだ陽のあるうちからビールを開けてピエンロー。妹尾河童さんが日本に紹介した、中国南部の白菜鍋だ。塩とゴマ油と一味唐辛子で食べる。鍋3杯ぶんたいらげたってことは一人まるまる1杯、どう考えても食べ過ぎた。その辺にあるレコードをどんどんかけて、人生や社会の話から果てしなくくだらない雑談まで。楽しかった!! 泥酔した!! やっぱりリアルに人と会うのはいいな。嫁が欲しい (無理だ...) 。「日常」として会える誰かが欲しい。uh-ah!!

今日は訪問看護の日。ネットを離れてリアルに生きるように、まずは音楽を楽しめるように、当面の方向を設定した。でで、看護師さんの事業所では街の清掃のボランティアや、ウォーキング大会や、バンド活動もしてるらしい。ぜひ参加したい。

イスラム国での人質事件は最悪の結果になった。ニュースに愕然とした。海外のメディアでは、安倍総理がイスラム国を逆なでしたことに対する批判も強い。「他国の新聞をたくさん読み考えると、世界が丸く見えてくる。日本が世界ではない (奈良美智さん) 」。
 お花畑として危惧してるのは2つ。冷戦崩壊後の宣戦布告のない戦争では、いま危機にある日本人を自衛隊は救出できない。にも関わらず、今回の事件を言い訳にして、改憲や海外派兵の法整備を進めてしまうこと。それによって、日本の本土がテロの標的になること。もうひとつは、「オカミに従ってれば大丈夫」「自己責任論」「クソコラグランプリ」「テロのせいでアニメが見れない」って言ってる平和ボケの人々は、実際に血を見ないと危機を感じないってこと。

できることは、外交努力しかない。ここ数週間で、交渉するルートがないことがよくわかった。内田樹さんの記事。「ムスリムもキリスト教徒も仏教徒も平和的に共生できる精神的な基盤が日本にはある。この宗教的寛容に基づいて二つのグローバル共同体を架橋する『仲介者』となることこそ、日本が国際社会に対してなしうる最大の貢献だと私は思っている」。
 9.11の時に、僕も似たようなことを書いた。「アメリカの都合とイスラムの都合がぶつかって報復合戦をしている今、第三国としては止めに入るべきじゃないかと思います。世界中がイスラム原理主義になって欲しくはないけど、世界中がディズニーランドになって欲しくもない」。アメリカの従属国として、当事者になってる場合じゃない。

音楽の話をしよう。
 Aphex Twinの「Rhubarb Orc. 19.53 Rev」がSound Cloudでダウンロードできる。Passion Pit、Ringo Starr、原田知世がニューアルバムを出す。Kanye Westの新曲「Only One」にPaul McCartney参加。Phoebe Ryan「Mine」好きなタイプのエレポップ。Todd Rundgrenの弾き語りライブ「It Wouldn't Have Made Any Difference / Can We Still Be Friends / A Dream Goes On Forever」。ラブリーサマーちゃんと芳川よしの「Starlight」。ずるいくらいキラキラ輝いてる。ラブリーサマーちゃんは新しい素晴らしい才能で、「よしよし、サマー!」をぜひ手に入れたい。

弾き語るお姉さんを邪魔する猫。しょうがない、猫はしょうがない。骨のおもちゃを持て余す犬。動物と暮らしてると毎日なにかしら事件が起きる。

2月3日 この支配からの!! 中退

インターネットからの卒業、というより中退。休学かも知れない。英断だったと思う。すごく調子いい。僕は頭の真ん中に山脈があって、ウルトラマンみたいにとんがってんだよ。それがたいらになってきた。自律神経と関係あるみたい。
 相変わらず毎日映画を見てる。それから、このサイトを絵で埋める前に古いテキストのリライト。主旨を変えない範囲で表記ぶれを直したり、個人名や死語を削ったり。読み切りのブログじゃなくて続き物の日記にしたいんで、流行語はできるだけ使わないようにしてるんだけど、久しぶりに読み返してみるとやっぱりあるもんだ。

きのう、「イスラム国の事件から日本が学ぶことは、自衛隊は海外で危機にある日本人を救えない、外交努力をすることだ」って書いた。菅義偉官房長官は今日、「イスラム国と交渉する気は『全くなかった』」って言った。えっ意味がよくわからない。交渉する気がなかったなら何してたの。岸田文雄外相は「この事件が特定秘密保護法の対象になり得る」、高村正彦副総裁は「後藤さんは蛮勇と言わざる得ない」と。安倍首相は、改憲して自衛隊を派遣するし、報復をすると言っている。平和主義の放棄に、世界が驚いてる
 挑発し、放置し、隠蔽し、侮辱し、改憲し、報復する。

それでも政治批判は許されない、オカミの言うとおりにしていれば大丈夫だと思っている人たち、これを読んでください。想田和弘さんが中心になって、「自粛という名の翼賛体制構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明」の賛同者を募ってる。
 ヨルダンの日本大使館の前では、二人の人質を追悼する集会が行われた。ここ日本では、イスラム圏出身のお相撲さん大砂嵐関に心ないdisが浴びせられて、追悼のツイートを削除するに至った。

このサイトは、心に音楽を宿す人々の日常を綴りたい。決して政治的な話をしたい訳じゃない。こんな話題は今日でおしまいって毎日思ってる。でも次の日には、また悲しいことが起きる。

ハイ!

フランスで「All You Need Is Love」のフラッシュモブがあった。ビーグルと赤ちゃんの友情。猫マンガ家のうだまさんが、猫のための民間資格、「キャットケアスペシャリスト」を目指す。連載を読んでよさそうだったら、僕もやってみようかな。
 明日は段ボールゴミの日。雪の日以来見かけなかった近所の猫が、大声あげながら道を渡ってた。元気そうだった。
 満月と木星!!

2月4日 音楽と猫と女の子のことだけ考えてたい

カウンセリングに行った。自分で言うけど最近がんばってるな。話したことは、悲しすぎる世界に心を痛めてること。ネットからの脱却が効果を見せ始めてること。カウンセリングを受けて一瞬で苦しみが抜けるではないけど、言葉にすると客観的に考えられる。

ネットからの脱却はまだ模索してる。特にtwitterの使い方。人について世界について考える時に、思考が偏らないようにバランスよくインプットしようとしてたんだ。自分と違う考えの人や、自分と違う性格の人を取り込もうとしてた。でもいまの僕にそれは負担だった。

きのう、知り合いのツイートに「ちがうよ」を言ったら、数時間に渡って感情的な反論のレスが飛んできて、ほとほと参った。タレントさんの好き嫌いの話。どーうでもいい。どうでもいいけど、僕の「ちがうよ」が彼のプライドを刺激したんだろう。
 僕は芸術が好きなんで表現者にひかれるけど、過剰な自意識を傷つけてちゃってうまくいかない。ギラギラしたエキセントリックな人とつきあうのは僕には難しい。無為に友達を増やすより、本当に大切な人と深く関わる方が人生豊かになる。辺境の六等星として、静かに暮らすのが楽だな。みたいな話もした。

道草晴子さんの「みちくさ日記」を読んだ。統合失調症の方の描く実録マンガ。僕の病気は違うけど、僕のマンガだと思った。狂気と表現のバランス感覚は、吾妻ひでお先生の実録マンガに匹敵すると思う。続きが楽しみ。

辺野古基地に反対する抗議活動が、海上保安庁の過剰な「警備」によって、いつ死者が出てもおかしくない状態にある。twitterの情報を頼りに、抗議活動をしてる方々にお米を送った。ちゃんと届くかまだわからない。確認できたらここにも送り先を載せるよ。
 僕らののうのうとした暮らしは、沖縄の方々の犠牲の上にある。

こんな時間にイチゴ食べちゃった。デロンギの前にいた猫がおふとん入ってきた...あったかい。もう寝よう。
 明日は大雪になりそう。

2月5日 すべての言葉はさよなら

雪が溶けて僕たちは春を知る。
 これから明日にかけて大雪って予報もあるけどさ。明日は億劫な用事がひとつ。明後日からは夢のような用事が4日続く。今日は眠くてひたすら寝てた。気圧だろうか薬だろうか。

若い男性のセックス離れって記事を読んだ。若者の◯◯離れ。問題の原因を若者にしておけば新聞のボリュームゾーンに受ける。不況も少子化も労働環境の悪化もぜんぶ、お金の若者離れだ。
 中高生くらいの男子はたぶんいまでもアニマルで気持ち悪い。中高生くらいの女子は縁がないんでわかんない。でもこの記事が指摘してる、20代くらいの男性は恋愛に対してピュアと思う。「初恋のきた道」みたいな恋がしたい。女性向けのあざとい恋愛コラムに戦慄を覚えてる (覚えてなくてもモテないし、そもそも僕は若者じゃない) 。

Frank Zappaが「Beatlesみたいに平和や反戦の歌を歌わないんですか?」って聞かれて「今おれはデンタルフロスの歌を歌ったんだが、お前の歯は綺麗になったか?」って答えたって都市伝説があるんだけど、これ結構根が深い話みたい
 そもそもAl Goreの元嫁Tipper Goreが、80年代の中頃にけしからん歌詞を取り締まる運動をした。それについてAP通信がミュージシャンにインタビューを取ったら、Zappaが「私はデンタルフロスについての歌をかいたが、誰かの歯が綺麗になっただろうか? (I wrote a song about dental floss, but did anyone's teeth get cleaner?) 」ってコメントをした。結局Tipper Goreは全米レコード協会に圧力をかけて、今でも「未成年に不適切」なレコードにティッパーステッカーっていうシールが貼られてる。Beatles関係ない。そんでZappaかっこいい。

Ron Sexsmithの新譜が出る。プロデュースはJim Scott。Ron Sexsmithは最近数日に一度くらいのペースで、自宅でカバーを歌ってYouTubeにあげてる。芸名が不謹慎な彼のレコードにシールは貼られるだろうか。スウェーデンのDeath And Vanillaの1stが出る。古き良きSF映画音楽みたいですごく良いんだけど、フィジカルで出さないかしら。
 clammbonが久しぶりにシングルを出す。ストリングスアレンジ菅野よう子。CDとHMV限定のアナログでカップリングが違うみたい。

きのう書いた、辺野古基地に反対する運動をしてる方々への支援物資の話。905-2171 沖縄県名護市辺野古キャンプシュワブ前テント 山城博治様宛で届くみたい。ゆんたくるーっていう学生団体が窓口。足りないのは単一電池、ドリップ式コーヒー、インスタント焼きそば、インスタントラーメン、米、紙コップ、紙皿、炭、栄養ドリンク。

また匿名の罵倒がきた。きのうの日記に「無為に友達を増やすより、本当に大切な人と深く関わる方が人生豊かになる」って一文を加えた。ほかに言いたいことは500もあるけど、きっと届かないだろう。

2月6日 「末代まで呪ってやる」の末代って俺かよ

政権批判をするとイスラム国の支持者扱いされる国。海外の新聞、見出しを翻訳ソフトに突っ込むだけでいいからチェックしてみて。

自信を持って買った猫のおもちゃが届いた。遊ばない...。と思ったら隣の部屋にくわえていって、すごいテンションで遊びはじめた。じっと見てるとだめみたい。そうだよね。気に入ってくれてよかった。

匿名がきくメールフォームを廃止して直メールにした。言いたいことがあるなら堂々と言って。タイムラインと僕の抑えめな言葉から妄想して、一方的に断罪するのは卑怯の極みです。その裏にある事情をちゃんと書いたら大変なことになるよ。
 今日は、ぜんぶのファイルにアクセス制限かけてみたりはずしてみたり。悩んで作業して1日が終わった。外出は断念した。きのう自分で書いた通り、本当に大切な人のために時間を使わなきゃだね。

もし渋谷か新宿に行く方がいらしたら、TOWER RECORDでラブリーサマーちゃんと芳川よしの「よしよし、サマー!」というCDを買っておいてくださいませんか。店舗限定取扱い商品で、たぶんすぐ売り切れちゃうんです。

2月7日 僕の目は猫の目

昼前に起きて猫と遊ぶ。おやつをあげたりおもちゃを取りっこしたり。こういう時間が大切なんだ。Instagramに猫の写真を連投した。おやつを食べて口の中をお掃除してるとことか、おもちゃを見あげて集中してる顔とか。たいがい諄い。
 みなさんの反応をみると、圧倒的にチャイの写真が人気だ。メイの黒目がちのぱっちりした瞳は、タキシードの毛の色に隠れて、iPhoneと僕の技術じゃうまく撮れない。元気だからよく動いてシャッターチャンスを逃すこともおおい。でも基本静かで、困ったときにしか声を出さない。チャイはいっつもひとりごと言ってる。返事してやると満足げな顔をする。

午後はマッサージへ。あの店は落ち着く。今日で100回めですって。もうそんなになるのか。担当のお姉さんがお茶目で、ほっこりした気分になる。行き帰りのバスも楽しい。

きのうの日記でお願いした「よしよし、サマー!」買って頂きました。よかったー。ありがとうございました。
 結構おおきく店頭展開してたみたい。その予算があるなら全国流通を...。レコードストアデイにも感じるんだけど、地方在住者や病人にとって、そういうプレミア感は困る。Paul Wellerも転売屋を儲けさせるだけだって怒ってたね。街のレコード屋さんがまだ機能してた時代にやるべきだった。

むかない安藤銀紙をむかずにチョコレートを食べる。安藤さん、この芸風で理系のインテリってギャップが好き。総集編のフリートークも気が利いてる。落ち込んだ時、プープーテレビにはずいぶん助けられてる。テンションの低い笑いが救える分野ってある。

昔ファボりすぎるとアカウントが凍結する「ファボ死」って伝説があった。僕21万ファボしてるけど死んでないから大丈夫だよ。

2月8日 日常

外はそぼ降る鈍色の雨。バスに乗って美容室へ。先週縮毛矯正してもらったんで、1週あけて今度はカラーリング。見せる相手もいないけど、自分をメンテナンスするのは気持ちいい。担当のお姉さんがお茶目で、ほっこりした気分になる。お茶を飲んでお喋りしてる時間も楽しい。髪を洗ってもらう首筋や耳の感触とお湯の音も好き。
 マッサージのお姉さんには夫子が、美容室のお姉さんには一緒に暮らす彼氏がいるんだけど。心の潤いを繋いで生きる!

相変わらず毎日映画を観て、古い日記のリライトしてる。やってることは死語と個人名の修正なんだけど、読み返すうちに自分でも忘れていた光景を思い出して夢中になる。港区に引越した2003年は、毎日のように飲み歩いてたんだな。その翌年、2004年はいまよりも鬱が苦しそうで、でもときどき外出する余裕があった。
 また人に会いたいし街に出たい。多摩市に住んでると、電車っていうハードルが大きいんだ。徐々に出るよ。徐々に出る。

画像をアップロードするとそれに合わせて曲を作ってくれるサイトを発見した。端からドットを読み込んで音に変換してるんで、イメージ通りの曲ができる訳じゃないけど、いろいろ試したくなる。
 文化庁メディア芸術祭の新人賞を取ったSlime Synthesizerぜひ触ってみたい。粘性のある液体を触ると音に変わる。触覚と聴覚 (と視覚) の出会い。音の冷たいエロティシズムが美しい。

penguincafe + corneliusがコラボレーションEPを出す。意外なようで必然の出会い。昭和の人に、マヒナスターズの息子とSimon Jeffesの息子が共演するよって言っても信じないよね。ギターの極意は顔芸だってビデオ (1 2 3) 笑った。彼、元の顔もいい味だしてる。
 カナダの中学生が、ロケット型の気球を宇宙に飛ばした。材料はホームセンターで揃えたんだって。GoProで撮影した映像が美しい

きのう今日と、世界にも僕個人にも、記録しておかなきゃいけない悲しい出来事が起きなかった。こういうどうでもいい日常を残したいんだ、ほんとうは。意見したり危機を伝えたりじゃない、普通の日々が記号として蓄積されていくのが面白いんだよ。

2月9日 大寒町

今朝は寒くて起きた。明日の朝はもっと冷えて、でも春が近づいてるんだって。僕は冬が大好きなんで、まだまだ続いて欲しい。今日も映画を観て、日記のリライトを続ける穏やかな日。振り返るに2005年頃は感情の起伏が激しかったな。もっと脳を休めておくんだった。
 今日は訪問看護師さんがやってきた。担当のお姉さんがお茶目で、ほっこりした気分になる。5日の日記に書いた「夢のような4日間」の3日め。明日またマッサージの予約を入れてる。恋に繋がりようのない、でも楽しいお喋りの時間。週に何度かは安らぎをください。

今年のグラミー賞が発表された。
 BeckがAlbum Of The YearとBest Rock Album、Sam SmithがRecord of the yearをはじめ4冠、Aphex TwinがBest Dance/Electronic Album、St.VincentがBest Alternative Music Album、Robert Glasper ExperimentがBest Traditional R&B Performance、Chick Corea TrioがBest Jazz Instrumental Albumを受賞。Aphex TwinやSt.Vincentが取るもんなんだ、グラミー賞って。Princeが、「皆さんアルバムって覚えてますか? 大事なものなんです」ってスピーチして、大きな歓声と拍手を浴びたそうだ。僕もまだ、「アルバム」を聴きたい。

猫の顔マッサージの動画を見て、うちの猫で試してみた。鼻先から眉間へ、こっちはフェイシャルマッサージ。すごく良かったみたい!! すっごく良かったみたい!! ずうっとゴロゴロ言ってた。

悲しいニュースが流れてこないのは100%いいことなのか。海外のマスメディアでは、イスラム国の事件に対する日本政府のずさんな対応について、検証が続いている。日本のマスメディアにオカミから規制がかかってるかは知る由もない。ただ政権批判に対する「自主規制」と、マーケティング的な理由での「編集方針」はあると思う。
 蔓延してる「自己責任論」については小田嶋隆さんのこのコラムや、もう少し強く言うならネトウヨから炎上ライターとも呼ばれてるエンジョウトオルさんのこのコラムを。後藤さんや湯川さんを糾弾する感覚が、僕にはわからない。「翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明」に賛同が集まっているのが救いだ。

2月10日 真冬のサマーウォーズ

毎日映画を観てる。もともと映画が好きで、5年前までは渋谷から徒歩圏内に住んでたから世界の名画を観る機会があった。多摩に引っ越す時にDVDラックを買って、それに併せて安売りしてるDVDを大量に買ったんだ。まだ観てない名画を家で徹底的に観てやろうと思って。でも殆ど封を切らないまま今年になっちゃった。
 2月にネットからの脱却を決めて、twitterとこの日記と、ごく僅かを残してネットに向かう時間を削った。その時間を溜まってたDVDの消化にあててる。古いもの、新しいもの、海外の映画、日本の映画。ラブストーリーや冒険映画、ファンタジー、ドキュメンタリー、音楽映画、実験映画。いろいろ観た。枯れ果てた心にするする入ってきた。

いまさら「サマーウォーズ」観た。前知識がなんにもない状態でディスクを入れて、没頭して呆然となった。ちょうど今、僕が欲してる映画だった。名家の大家族とサイバーテロっていう結びつきそうもない題材が絡み合っていた。以下軽いネタバレあり。
 僕自身はサラリーマンの子だけど、家系図を辿ると名家の隅の隅にいるんだよ。親戚のこと、わからないとWikipediaで調べてる。でもこの映画のセリフで言うなら「昔はよくあった」血筋にあり、なにより15年も無職をやって一族の恥さらしだ。両親を亡くして、今の山下家の代表は絶縁状態にある弟。ちょっと前にでっかい屋敷に住む家長的なおじちゃんが亡くなって、僕は体調が悪くてお葬式に行けなかった。だから侘助と佳主馬を併せ持ったスタンスにある。

もうひとつ共感できたのは、ちょっと前までSNSに依存して、いまその距離を測りかねてるってこと。現実のネットワークも仮想のネットワークもなくしてる。「いちばんいけないのは独りでいること」。
 「現実と虚構の区別がつかない」って常套句があるけど、この映画の気持ちよさは「現実は虚構の積み重ねの上にできてる」って描いてることかも知れない。栄は黒電話で現実のネットワークを駆使するけど、家紋っていうアバターでもある。家族それぞれが現実での知恵をインターネットに持ち込んで、集合知として機能する。現実と虚構のどっちも否定してる今の僕にとって、現実と虚構のどっちも美しく描いてるってことが、すごく新鮮なファンタジーだったんだ。男子校出身の42歳独身として、高校生の先輩との恋っていうのも新鮮な眩しさだった。

ストーリーも設定も突っ込みどころ満載で、強くお薦めはしません。
 現実は酷く醜い。虚構は悪意に満ちている。細田守監督もそれを痛感してるからこそ、気恥ずかしいくらいに肯定してみせたし、僕にもいま響いたんだと思う。「バケモノの子」楽しみ。

2月11日 暴力暖房列車

カフンカフン ( >д<)、;'.・

今日はいまのルーチンのなかで一番億劫な用事。いつも駅までバスに乗るところを徒歩で行った。僕は本当に偉いな。誉めてあげなくちゃいけないね。
 何が億劫にさせてるのか。それは電車の暖房だ。みんなあの温度差にどうやって対処してんの。僕は自律神経のコントロールが出来てないせいか、暴力的に暖房の効いた電車に乗ると滝のような汗をかく。降りたら降りたで汗が冷えてものすごく寒い。風邪をひく。特に座席の下から温めるタイプはだめだ。尻が低温火傷する。そもそも人は、外気にさらされても大丈夫な防寒をして出かける。電車が混んでたら人いきれで外気よりそうとう暖かいはずだし、荷物を避けてコートを脱ぐのも一苦労だ。鉄道会社には弱暖房車の導入を強く要求する。

猫のおもちゃが枯渇して、6日の日記に書いたのと一緒に注文した「けりぐるみ」が届いた。細長いぬいぐるみで、抱きついてけって遊ぶ。教えるでもないのにけるける。何が彼らをそうさせるのか。喜んでくれたならよかった。
 それから立派な爪研ぎ。レコードラックが爪研ぎにちょうどいい角度になってて、飾り棚のレコードジャケットで爪を研ごうとするんだ。まめに切ってやってるんで、いまんとこ実害はないけど。でもね。届いてじゃじゃんって見せてやった。彼らが気に入ったのは箱の方だった。いまはチャイのマットとして活用されてる。ときどき研いでる。

凍った湖の上に、氷のストーンヘンジを作った人たちがいる。美しさに息を呑む。業績が悪化してるマックがバレンタインのキャンペーンをしてる。店頭で「ハッピーバレンタイン」って言うとサンデーチョコレートをくれる。カップル限定で!! 潰れればいいのに。
 Beatlesの公式YouTubeチャンネルで「A Day In The Life」のPVが公開された。こんな映像あったのか!!

2月13日 ドラマティック

_(:3 」∠)_ きのう今日、ひたすら寝てた。気圧のせいかな。

精神障害者の特定支援事業が云々で、事業所のお姉さんがやってきた。お茶目で好ましいお姉さんだった。最近、恋愛に発展する可能性がゼロのお姉さんと接点が増えた。こういう潤いは心にいい。
 役所に提出する資料を作るために半生を話したら、30回ぐらい「エエー!!」って驚かれた。「そんなことがあるんですか...」「緊急連絡先なしですか...」。珍しい人生だって自覚はあったんだけど、プロの方をそこまで驚かせるとは思わなかった。心を病んでいる方は、みんなそれなりに劣悪な環境を体験してるのかと思ってた。ドラマ化したらいいのに。救いのかけらもないけど。...これからどうなっちゃうのかな、俺。

歓びをわかちあう誰かが欲しい。本当に大切な友達。恋愛もしてみたい。いままでの恋愛体験は、「この人オランウータンみたいなのになに恋愛とか言っちゃってんの、まあいいか私動物好きだから」で動物扱いだったり。サークルクラッシャーのターゲットだったり。特にサークルクラッシャーについては、女性不信とその後の仕打ちで男性不信にも繋がった。つまり事実上、恋愛経験は「ない」に等しい。42歳までないと、さすがにもう「ない」。
 辛い記憶は曖昧にしておいちゃいけない。言葉にして整理する。それがこの日記だ。断片的な感情のかけらが頭の中を漂ってる状態から、客観的に考えなおすことで、思い出す頻度も減る。で、楽しそうな日記より辛そうな日記の方がアクセス数が断然おおい。どこかで晒されてるんだろうね。

世界的に「報道の自由」が大きく侵されている。その中でも日本は61位にまでさがった。地震の前の年、2010年には10位だった。あの地震で、何かが大きく変わってしまった。日本のマスメディアだけを見てたら、世界で何が起きてるのかわからない。わからないまま集団ヒステリーで「自己責任論」の亡霊が88%の支持を集める。
 本当に危険なのは、右傾化よりも集団化なのかも知れないよ。

TTPで著作権法違反が非親告罪化されそうだ。サザエポンが問題になった時に、赤塚不二夫さんは「でもオレ、ほんとはこういうの大好きなんだよ」と言い放った。文化ってそういうことじゃない?
 少し救われるニュースは、渋谷区が同性カップルに、結婚に相当する証明書を発行する条例案が出されたことだ。まだ「案」で、可決されるかはわかんないよ。でも今のこの国で勇気ある一歩だと思った。

泥棒猫と気にしない猫のコントみたいなやり取り。
 I Am Robot And Proudが、生演奏でのセルフカバーアルバムを出す。The Wombatsがニューアルバムを出す。前作大好きだった。氷で作った楽器だけで演奏するノルウェーのバンド。寒そうだけど美しい。透明である、とは。

2月14日 Blue Valentine's Day

今日は...Blue Valentine's Day.

中国のネット民が考えたバレンタイン撲滅計画が粋だ。映画館の奇数番号シートを買い占めて、隣同士座れないようにしようっていうもの。初めて実施された去年は、上海でそれなりに効果があった。ネットで資金を集めて、余ったら福祉方面に寄付するんだって。兵庫県では「いままでバレンタインにチョコを貰ったことがなかった」っていう67歳の男性が、スーパーで板チョコ2枚を万引きした。悲しすぎる。情状酌量の余地がある。能年ちゃんが奈良美智さんの描く女の子の顔真似をして、それに対して奈良さんが「元気が出てきました!」と返した。
 僕も、もちろんデートの予定なんてないけど、ひょっとして郵便でチョコが届いたりしないかなって妄想してた。1階の郵便受け見てきた。泣いてない!! 男はいくつになってもロマンティストなんだよ。

ところで、やせてた頃に買ったジーンズ、試しに履いてみたら...入った。おととしの秋から去年の夏にかけて26kg太って、9月から意地になって15kg落とした。まずは外面の醜さを克服しよう。内面がついてくると信じたい。

悲しい知らせは聞きたくない。でも届いてしまう。安倍政権のブレーンでもあった作家の曽野綾子氏が、11日付産経新聞に書いたコラムが問題になってる。大雑把に、「移民はやむを得ないけど住む場所はわけよう、南アフリカでは黒人と同じマンションに住む白人が困ったそうだ」って内容。(ほかにも突っ込みどころ満載) 。こういう論客が政権のブレーンになって、本も売れてるという事実。
 このコラムについてロイターがトップで報じた。「安倍首相のアドバイザーがアパルトヘイトを称賛してる」って。海外での批判の輪はどんどん広がってる。日本の新聞はまだ報じない。毎日新聞だけが「NPO法人や南アフリカ駐日大使が抗議してる」っていう切り口で伝えてる。報道の自由度61位ってこういうことだ。

アメリカでは、国連大使が後藤健二さんたちの功績を称える演説をした。日本政府は日本人の人質について、「蛮勇」とまで発言してる。でもアメリカ人の人質については、すぐに弔慰の表明をした。中国が小笠原諸島でサンゴの密猟をしたことに対しては大騒ぎしたけど、辺野古基地の工事でサンゴが破壊されてることは殆ど報じられない。みんな日米同盟という名の「貢献」に必死すぎ。

BjorkがMoMAで回顧展を開催する。トレーラー映像が公開された。日本でもやんないかな。入院中の飼い主に会うために、家を抜けだして病院に行った犬の話。手話のLINEスタンプができた。
 Sheena & The Rokketsのシーナさんが亡くなった。鮎川誠さんとシーナさんは「会った瞬間にソウルメイトだとわかった」という。添い遂げたロック夫婦。合掌。

2月15日 風が吹く

なんにも用事がない日曜日。窓の外を吹く風の音を聞きながらゴロゴロ。メイがお腹の上に乗って気持ちよさそうに寝てた (写真) 。日記のリライトの続き。主な作業は個人名を消すことだけど、もう名前を見ても顔を思い出せない人がちらほらいた。イニシャルにしちゃうんで、未来の僕はもっと思い出せないだろう。それでいい。ほんとに会いたい人とは繋がってるし、また会う運命の人にはまた会える。
 今夜も映画観て寝る。

アメリカで、イスラム教徒の男性が「私はテロリストじゃない」って目隠しをした状態でフリーハグをした。 I trust you. Do you trust me? Give me a hug. 写真を撮る人、遠目に眺める人。大気中から飲水を集める竹の塔が公開された。エチオピアで実証実験するために資金を集めてる。世田谷区長が同性カップルを認める施策を検討してる。
 犬が猫のご飯を食べないように、高いところに猫のご飯をあげたら、猫が犬のためにわけてあげる映像。猫、優しい。血の繋がりのない仔猫をあやす大人猫。仔猫ぐでんぐでん。猫、優しい。そんで甘えん坊。

2月16日 雨と雪

カフンカフン ( >д<)、;'.・
 低気圧が近づいて、不安感に襲われてる。9月から16kg痩せたけど、鬱病と比べたらダイエット超楽勝。明日の多摩市はみぞれ混じり、最高気温3℃ってまじか。

とは言え、長いスパンでは病状は安定してきたと思う。きっかけはいろいろある。ひとつは映画を殆ど毎日1本観てること。最初の1本を観るまでに5年くらいかかった。その間にドキュメンタリー映画を何本か観たけど、心を揺さぶる劇映画を観るのが怖かった。枯れた心が動き出して、ゆとりができた。
 音楽も聴けるようになってきた。やっと「2014年の」新譜の山を崩してる。新しい音楽を受け入れられるのは嬉しい。でも僕の好きな音楽は、いつまで経ってもMartin DennyとPaul SimonとBeatlesとBeach BoysとKraftwerkとBrian EnoとTalking Headsの組み合わせで出来てる気がする。

10日の日記に「サマーウォーズ」を観たことを書いた。きのう観たのは「おおかみこどもの雨と雪」。ぐいぐい引きこまれて、終わったあと呆然とした。...すごいもん観てしまった...。映画から離れてる間、特にアニメーションを観ない間に、こんなに進化してたんだな。
 「時をかける少女」はよく出来た青春SF、「サマーウォーズ」は記号としての家族が大きな鍵になってるけど、前作の延長上にある。細田守さんは「おおかみこどもの雨と雪」で、表現者として天井を突き破ったんじゃないか。まだうまく言葉にできない。もう何度か観よう。家族が物語の中心に据えられて、次の世代が育ち、成長していくこと。どんな辛苦にも「花のように」笑ってる母親は、理想化されすぎてるかも知れないけど、細田映画に通底する爽やかさと肯定感に溢れて、重いテーマを素晴らしい娯楽作品に昇華してる。夏に公開される「バケモノの子」は父子もの。どう出てくるか...震えて待つ。

読売新聞の世論調査では、安倍内閣の支持率が58%に上昇したそう。琉球新報の世論調査では、辺野古基地の移設強行を80%が反対して、政権支持率は18%。どっちの数字も信じるなら、独立運動が起きてもおかしくない。独立したら即移住だな。
 この国では原発を動かして、海外に売り出す動きが止まらない。アメリカでは廃炉の方向だそうだ。理由は「電力自由化に伴う価格競争が激しくなる中、シェール革命で火力発電のコストが安くなり、原発の優位性が低下。風力発電にも押されているためだ」。わかりやすい。合理的。利権以外に根拠が見えない原発推進と、電波で感情的な反原発運動が噛み合わないこの国を憂う。

明日の18:27:00頃、我が多摩市を中心にして-7.9等のイリジウムフレアがあるそう。イリジウム衛星のアンテナに太陽が反射して、サーチライトに照らされたくらいのダイナミックな光が見える。気になるのは天気だね...。箱が好きで、頭を突っ込みすぎる猫。楽しそう。

僕のメール環境に致命的なエラーがあるかも知れない。SPAMフィルターで弾かれちゃうのはサーバーまで辿って全部チェックしてるんだけど、そこまで届いてないメールがある。返事こないなあって方がいらしたら、ほかの連絡手段を試してみてください。

2月17日 緊張してる

_(:3」∠)_
 去年の12月7日にふるさと探訪をした。これなんだったかって、実はモデルをさせて頂いたのだ。福島の被災地で知り合った、写真家で音楽家の本田宗一郎さん (本名) がこの春大分に拠点を移すということで、その前に「もう一度会っておきたい人」の展覧会をする。場所は新宿Place M、会期は16日から22日までの12時から19時まで。

でで、20日の夜にパーティがあるんでいかがですかって声をかけて頂いた。パーティ...。大勢の知らない方に会うのは1年3ヶ月ぶりだ。いまからものすごく緊張してる。名刺を作ってみたり、自己紹介代わりのコンピレーションCD焼いてみたり、とにかく落ち着かない。プリンターがピーピー エラー音を出してますます焦る。そもそも素人に自宅で印刷させようって発想が間違ってるんじゃないか。そんなタイミングで睡眠薬が切れた。眠れないってこんなに辛いのか。
 これを機会に少しづつ人前に出ていこうと思ってる。1年以上もごぶさたしてるライブハウスやバーに顔を出したい。その前に始めたかったこと、あんまり進んでない。大丈夫かな...。

我が家のチャイは、頭なでてやろうと手をあげると避けようとする。なでてやると安心する。ハンドシャイって言うらしい。叩かれたり不用意な扱いを受けたことがある子がなる。チャイが3歳までどんな人生を歩んできたのか知らないけど、ひょっとしたら虐待されてたのかも知れん。忘れさせるくらいめちゃめちゃ愛してやる。メイは拾った冬の寒い日に死んでいてもおかしくなかったのに、誰に対しても警戒心のかけらもない。それもどうかと思う。
 悲しいツイートを見た。雨の日に見かけた猫の首輪の電話番号に電話したら、飼い主らしき人に「1年前に捨てたとが、まだ生きとるはずなか!!」って言われたって。その猫はどんな辛い1年を送ったんだろう。拾った方が、幸福の「福ちゃん」って名づけて、いまゆっくり慣れさせてあげてるみたい。

宮撫xさんがラジオに出て、いまの社会について語った。リテラの記事によると、フランスの襲撃事件について「異質の文明に対して、崇拝しているものをカリカチュアの対象にするのは、僕は間違いだと思う」って話したあとで、安倍政権の改憲路線や百田尚樹氏の戦争賛美、歴史修正主義者について強い言葉で批判した。右派の産経読売では、フランスの襲撃事件の話しか報じてない。で、3誌とも、宮浮フ「普vの字が間違ってる (文字コード的なアレだろうか) 。
 北陸新幹線のルートにある「中池見湿地」は、生態系の豊かさも学術的な価値も、世界的にみてすごく貴重な場所だそうだ。ルート変更を望む声が国際的に高まっている。

僕のイベントにも出演してくださったミュージシャンのMELODY KOGAさんが、最近注目を集めてる。細馬宏通さんと共演しましょうって話し合ってる様子をtwitterで眺めてる。実現したらいいな。ラブリーサマーちゃんをフォローしたら、ヘビーな鬱持ちだった。「日本一とは言わないまでも市街局番が042の地域の中では一番くらいに泣き虫だと思う」。あと君、部屋汚いな。ヤマハがデザインした球体型ドラムと2人用マリンバがかっこいい。
 Lesley Goreが亡くなった。Quincy Jonesがプロデュースした「It's My Party」が大ヒットしたアイドルシンガー。でも真価はそのあと。Jack NitzscheやBob CreweやWrecking Crewのメンバーと作った「California Nights」や「Magic Colors」はソフトロックの名曲だ。残念。

2月18日 52Hz

世界一孤独なクジラの話を読んだ。CNNGIZMODOに記事がある。クジラは仲間を求めて歌を歌う。でも彼の歌は仲間と周波数が違う。52Hzで歌うから名前は52。返事をしたクジラはいない。届かない歌。こういう話に僕は弱い。
 彼を探すドキュメンタリー映画を撮るプロジェクトが立ち上がった。「なんて孤独なんだって意気に感じる人もいれば、孤独を楽しんでると思う人もいる。彼は人の心を揺さぶる存在なんだ。中には今のテクノロジーとソーシャルメディアに囲まれた暮らしに対する警鐘だって言う人もいる。かつてないほど人は人とつながって、絶えずコミュニケートしてるのに、実は誰も相手の話を聞いてない、気にすら止めていない、っていうね」。

ほぼ日で「40歳は、惑う」って特集をやってる。いろんな人の40代が見えてくる。「子供たちが独立した」なんて人もいる。糸井重里さんと宮沢りえさんの対談が深い。糸井さんは「ぼくにとって40歳は暗いトンネルに入ったみたいでとてもつらかった」っていう。宮沢さんは「まだまだ、新しい引き出しを探すために苦悩する時間にいる」「試練はごほうびだと思ってるんです」「苦しみとか悲しみを知っている人のほうが、豊かな気がするんです」っていう。2人はお互いの話をよく聞いて、自分の言葉で話す。
 僕はいまでも、能年ちゃんかわいいとか、楽して逃げ出したいとか、棚ボタで人生バラ色に変われ!! って思ってる。まだ何も始まってないし、始まるとも思えない。20年...30年出遅れてる現実を突きつけられた気がした。鬱病と向き合うのも、体重を30kg落とすのも、人とは違う苦難ではあるんだけどさ。

2日続けて眠れないまま、極寒のみぞれの中を出かけた僕はほんとうに偉いな。みんな誉め讃えないといけないね。頑張ったんで食パンくわえたガールとぶつかってフラグ立てたい。
 カウンセリングで、交流の幅を広げるより本当に大切な人と深くつきあいたいってこと、それからいまさっきの40代の焦りの話をした。先月末の閉塞感から脱出する方策をいくつか立てて、効果は出てる気がする (きのうきょうは眠剤や天候のせいで最悪だったけど) 。行き掛けに、春に向けて咲く花を見つけた。帰りに病院。生活リズムがなってないから薬のペースに誤差が出て、飛び込みで行かなきゃな時もある。薬がないから出られない、出られないから薬がない、のサイクルに陥ると抜け出せないから。アモキサン75mg、レキソタン15mg、ブロチゾラム0.5mg、ベンザイン10mg、サインバルタ60mg。それがいま。

震災以降、日本のあり方に脅威を感じていて、政治的なことを考えたり言葉にすると気が滅入る。この日記の方向性も明らかに変わった。内田樹さんが、The Daily Beastの曽野コラムについての記事を翻訳した。海外のメディアの関心は、アパルトヘイト称賛のコラムそのものから、この問題について日本のメディアが報じないことに移ってる。報道の自由度61位。来年はもっと下がるだろう。
 「政府のスタンス」に流されて、追求されると激昂する籾井勝人NHK会長。渡邉恒雄氏やももクロやEXILEに会う時間はあっても、翁長知事に会う時間はない安部総理。ワインとディナーで手懐けられるメディアと忠実な羊としての国民。The Wall Street Journalは、安倍政権がいまさら第二次大戦の歴史認識を偏向しようとしてることが、日米関係にヒビをもたらすって書いてる。

映画「はじまりのうた」の音楽ってNew RadicalsのGregg Alexanderなんだね。大昔ロック・クルセイダーズってクロスレビューサイトに、New Radicalsは一発屋かもしれないけど、忘れた頃に程よく枯れて帰ってくるって書いた。その通りになった。あの連載、ほかのレビュアーの教条主義的なところに、若かった僕は反発してたな。
 SparksのライブにAlex Kapranosが客演。SparksとFranz Ferdinandはコラボレーションアルバムを作って、ジョイントツアーをする。俺得か!! 日本にこないかな。Brian Wilsonのニューアルバムのトレーラーが公開された。サイコーかよ。Kishi Bashiのスタジオライブが素晴らしい。Bon IverのS.Careyの新曲「Neverending Fountain」。2歳の子供がDJプレイしてる。僕のDJの100倍かっこいい。20万種類のSEが手に入る「soundsnap」のこと。Sam SmithはNeil Sedakaに似てる。Boy Georgeって線もある。

村上春樹風tweet Makerってアプリが面白い。ツイートを分析して村上春樹さんっぽい名言をたくさん作る。開くたびに感銘を受けて連投しちゃう。「僕は時々思うのだけれど、美しく魅力的な寿司を見ることは人生における大きな喜びのひとつだ」「ラブリーくん、東京を救う」。
 今日はちゃんと寝よう。

2月19日 むりよ、だってパーティに着ていくドレスがないもの

ガチョウ島耕作

エンガチョウ島耕作

そういう訳で (17日の日記) 明日は1年3ヶ月ぶりに知らない人の前に出る。パーティ...。10年くらい前はうちでしょっちゅうやってたのにな、いわゆるパーティに最後に参加したのはいつだったか思い出せない。ものすごく緊張してる。Wall flower lives...。

みぞれから一夜あけた今日は太陽が照りつけて、西向きの僕の部屋は暑いくらいだった。月曜日の最高気温20℃って出てるけどどういうこと? こうも気温差があると体調崩す。ずっと冬がいい。頑張って出かけた僕はほんとうに偉いな。みんな誉め讃えないといけないね。億劫な用事を終えて、変わり果てた姿で無言の帰宅。
 最近風呂場にBluetoothスピーカー持ち込んで歌ってる。カラオケ行きたいな。佐藤伸治さんのモノマネが出来ます。

南アフリカ永住の日本人より曽野綾子さんへ」ってブログが話題になってる。すごい説得力。僕もちゃんと世界を観たい。

Blurのニューアルバムが出るらしい。ほんとかよ。ロンドンのフェスにもクレジットされてる。Helen Merrillの来日公演がある。失礼ながら現役で歌ってるとは知らなかった。高いな...デエトとかで行きたい。デエトとかで行きたい (二度言った) 。Iggy Popがイビザで主演映画の撮影中に野良猫を助けたらしい。パンク!! 9月から意識不明の状態が続いてる朝本浩文さんのためのチャリティライブがある。
 細野晴臣さんのあんまり振り返られることのない名曲「Andadura」。洗練された打ち込みに乗せて、世界を旅するみたいに曲調が変化していく。ゲストボーカルはAmina Annabi。細野さん自身、この頃のことどう思ってるのかな。「omni Sight Seeing」ってアルバム、高校時代に死ぬほど聴いた。みんなは坂本龍一の「Beauty」を聴いてた。
 大雪の中を帰ってきた猫。不思議な生き物のワイルドサイド。パンダの「抱っこしてー」サイコーかよ。

くだらないこと書いてるけど緊張してんだよ。きのうの日記はアクセスが少なかった。孤独なクジラの話は読んで欲しいな。

2月21日 展示物としての私

そういう訳で (17日の日記) 本田宗一郎さんの写真展に行ってきた。たいがい諄いが大勢の知らない方に会うのは1年3ヶ月ぶり。パーティー的なイベントに出席したのは...もういつぶりか思い出せない。ものすごい緊張して家を出る前にウィスキー半分あけた。僕も撮って頂いたので、その時と同じジャケットで出かけた。
 展覧会は、本田さんのお姉さんが亡くなったという個人的な体験に基づいた生と死の物語「smokin'」、携帯で撮影した東京のラッシュアワー「# FUCKING CITY」、東京を離れる前にもう一度会っておきたい友人を撮った「3時」という三部構成。フィルムにこだわった緻密な画面と、本田さんの感情が溢れた視点が素敵な写真たちだった。「3時」、もっとたくさんの方を撮ってるのかと思ったら、バンド仲間や大切なお友達10人程度で、その中に混ぜて頂いて光栄。

そしてパーティーの始まり。写真家や、写真好きの方々に囲まれて最初は戸惑ったけど、思ったよりすぐに打ち解けた。そして麗しき女性たち!! 写真家の黒田明さんは、「自分はデジタルで撮ることがおおいけど、フィルムでいい写真が撮れた時は銀塩が沸き立つみたいな感覚がある」と仰った。そんな感覚味わってみたい。写真は「数撮ることですよ」と。恥ずかしながら、猫の写真を何枚かお見せした。「愛情が写ってる、いい顔してる」と誉めて頂いた。どんどん撮ろう。
 やがて「3時」のモデルになった方々の紹介。本田さんと僕は震災後に福島に行った時に知り合った。あの日 津田大介さんに誘って頂かなければ、バスで隣り合わせなければ、という偶然の出会いだ。最後は本田さんがギターを持って歌った。雄々しく優しい歌声。楽しいお酒と、久しぶりに人前に出た心地いい緊張感で酔った。寝過ごして気づいたら終点...。タクシーに5000円くらい払った...。

今日は疲れが出て、体のメンテナンスに出かけた。気持ちいい陽気、一年中これくらいがいい。この街は猫がいっぱいいるけど、鹿とかもいたら楽しいのにな。帰ってひたすら眠る眠る。猫を枕にするとゴロゴロがよく聞こえる。西の空に三日月と惑星たち。

Audrey Hepburnの着物姿。ちゃんとしてる。美しい。Kaitlyn Aurelia Smithっていう新人のミュージシャン、ミニマルでトライバルですごく気に入った。Blurの新譜は本当に出るらしい。シングル「Go Out」の地味さ。でも紛れも無いBlurのサウンド。ChvrchesがJustin Timberlakeの「Cry Me A River」をカバーした。Lauren Mayberry可愛いな。The Residentsのドキュメンタリー映画のトレーラー映像
 元CaravanのDave Sinclairとclammbonがビルボードライブ東京で共演する。観たい!! FUJI ROCKに岡村靖幸、Rideが出演。今年のFUJI ROCKは動くぞ。Predawnの教会ライブがDVDになる。三浦友和さんが旧友 忌野清志郎さんについて語ってる。いい話。さだまさしさんがU-30限定ライブをする。パブリックイメージに隠された優れたSSWぶりが若い人に伝わるといい。Original Loveの新曲「ラヴァーマン」聴いた。もうベテランの域なのになにこの瑞々しさ。

芸能人はなんで「熱愛」と「破局」しかないんだろう。もっとこう、ささやかな愛を育んでもいい。

2月22日 うちは毎日が猫の日

にゃんにゃんにゃんで猫の日。うちは毎日が猫の日だ。久しぶりのパーティーの疲れで今日も猫と寝込んでた。明日からがんば (らない) 。
 引き出しを漁る猫...バレた!! エステみたいに掃除機を楽しむ猫。これできれば家の猫毛がずいぶんきれいになる。

政治の話は気が滅入るんで、最近は意図的に避けてる。けど「両親によれば、戦前も『なんか世間がきな臭いな』程度だったのが、いきなり満州事変が起こり、あとは一気に戦争になだれ込んだ。国民に有無を言わせない法律は可決済で、暴力が肯定化された (山猫さん) 」って言葉は重い。戦争への足がかりがどんどん組まれていく。
 「歴史に盲目な者は未来にも盲目だ (Richard Von Weizsacker) 」

Count Basie楽団、Duke Ellington楽団、Quincy Jones楽団を渡り歩いて、Miles Davisにも影響を与えたトランペット奏者、Clark Terryが亡くなった。94歳。
 忌野清志郎 with Booker T. & the MG.'s, Memphis Horns and Jim Horn, そして家族たち「ぼくの目は猫の目」。にゃあ君が好きだよ!!

2月24日 春

心の春は気配すらないけど季節は春に向かおうとしてる。一番素敵な季節がもうすぐ終わる。キリッと冷えた空気がもやもや生ぬるくなっていく。カフンカフン ( >д<)、;'.・

日曜日から月曜日へ、風呂で猫に覗かれながら「おささらナイト」を聴くのが習慣。かかる曲かかる曲、僕が選んだんじゃないかってツボを突いてくる。藤岡みなみさんとは感性の深いところで共有するサムシングがあると勝手に妄想してる。風呂あがりにパジャマ着るのもめんどくさくて、全裸でゴロゴロしてたら猫に乳首噛まれた。
 月曜日は訪問看護さんの来る日。ほっこりお喋り。夜はN氏が来てリンゴつまみながらジンをあおった。心地いい音楽につい飲み過ぎた。居間からお布団に這っていった。今日はマッサージへ。あんまり考えたくないけど体重が戻りつつある。気候もいいんで歩いて帰ってみた。夜はもう聴かなそうな音源の整理。つまりはありふれた日常なんだけど、それ相応に達成感があった。

今週は久しぶりにライブに行くつもり。Contrary Paradeと、初めましてのやまはき玲さん。人いきれに耐えられるかな...。体調が良ければHostess Club Weekender行きたかった。St.Vincent、Tune-Yards、Belle and Sebastian...。

皇太子様が「謙虚に過去を振り返るとともに、戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に、悲惨な体験や日本がたどった歴史が正しく伝えられていくことが大切であると考えています」って発言した。海外では安部総理の歴史観への批判として報道された。自民党の山崎拓元幹事長は「戦前の軍国主義に回帰しつつある。誰かが止めないといけない」、古賀誠元幹事長は「戦後70年の今年、手遅れになる前に、もう一度立ち止まって考える必要がある」。身内にバランス感覚持ってる人がいて安心した。
 辞任した西川公也農相の後任、林芳正議員は当て逃げと相手のドライバーへの暴行の過去がある。

福島第一原発の建屋から放射能を含んだ雨水が海に流出していた。たまっていた水には1リットルあたり放射性セシウム2万9400ベクレル、β線を出す放射性物質5万2000ベクレル検出された。東京電力は去年の4月までに把握してたらしい。去年7月に採取した地下水からはストロンチウム90が500万ベクレル
 普通の企業が環境を汚染したら犯罪だ。完璧に頭おかしい。

Robert GlasperのニューアルバムはJoni MitchellやRadioheadのカバーが中心になるみたい。Winterってシューゲイザーバンド、来月出るデビューアルバムのトレーラー可愛くていいな。日々自宅でカバー音源を録音してるRon Sexsmith、今度はPaul Simonの「Mother And Child Reunion」だ。毎回選曲が憎い。
 3年前に一緒に暮らしてた女性を見つけたオオカミの群れが犬みたいに甘える仔猫がにゃあにゃあ言ってる画像観てたらうちの猫が返事した。

ハーゲンダッツの「きなこ黒みつ」と「みたらし胡桃」はおもちが入って伸びるらしい。これ絶対美味いやつだわ。ハラヘッツァ。ここで耐えて寝なくちゃグー。

2月25日 私の存在価値、と灰色の階段

いつも考えてること。人間として、群れを作る生物として、責務を果たしてないなってこと。人間の群れに勤労って形で貢献してるでもないし、生物としてDNAの連鎖ができるでもない。空気を吸ってほかの生き物の命を頂戴して、自分の存在価値がないってこと。

糸井重里さんの「40歳は、惑う」特集は、「いまの仕事では自分の力量を発揮できて万能感に溢れてる、でもその輪の中だけではいられなくなるのが40歳だ」って話を切り出してる。僕は仕事で万能感に溢れてるどころか、自分の輪があるのか、自分の輪を探す気力が湧いてくるのかすらまだわからない。彼らの苦悩と僕の苦悩はまったく相容れないものだと思った。
 人生に20年...30年出遅れてるとして、20年後、30年後に万能感に辿り着けるとは到底思えない。ましてや42歳無職鬱病で、暗くて不細工で要領悪くて、家庭を持つ可能性はゼロだ。友達に子育ての大変さを聞かされても、その苦悩を僕にはわからない。それ言われちゃうと返す言葉はなんにもない。子供できなくてすみませんだ。

人間として、生物としての責務を果たす日は僕にはやってこない。けど、今日カウンセリングを受けて、「最近は具体的にやりたいことが見えてきましたね」って言ってもらえた。映画を観るとか絵を描くとか音楽と向き合うとか、ネットを離れてリアルに人と会うとかそんなこと。20日のパーティーをクリアして、真っ暗闇からのブレークスルーはあったと思う。
 精神障害者作業所の見学に行くつもり。近所に猫しか友達 (写真) がいないのはまずい。いま唯一月1ペースで会ってるN氏は、片道2時間かけて来てくれてるんだよ。問題は、具体的にやりたいことが見えてきても体調が回復した訳じゃないんで、自分の時間がますます取れなくなっちゃうこと。スケッチブック、まだ開いてない。

ハイッ。

自民党憲法改正推進本部事務局長の礒崎陽輔氏が、「憲法改正を国民に1回味わってもらう」ってドラッグの売人みたいなことを言ってる。9条ばっかり取り沙汰されてるけど、ほんとに怖いのはどういうことか、「日本はアジアの次の独裁国家になるのか?」っていう海外メディアの記事を内田樹さんが翻訳した。「国民が従うべき六つの義務」の、反自由主義的な、独裁的な草案は、日本国民が自身の自由をみずから進んで手放すように欺けられてるって内容だ。9条は放棄してもいいって論調だけどそこはどうかな。
 アムネスティの年次報告書に、ヘイトスピーチや従軍慰安婦や特定秘密保護法についての日本政府の対応が、「引き続き国際人権基準から遠ざかった」って書かれた。そうだよね。

ハイハイッ。

Tim Burtonプロデュース、Danny Elfman音楽の2本の映画、「アリス・イン・ワンダーランド」と「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」を、オーケストラの生演奏で全編上映する。東京国際フォーラムAだって。すげえなあ。1969年にイギリスで放送された、子供たちに前衛音楽を体験させるテレビ番組。楽しんでる子、?マークの子、明らかに怪訝そうな子。もう何度も紹介してる、Ron Sexsmithが自宅でカバー演奏するシリーズ、今日は「Here Comes The Sun」だった。George Harrisonの誕生日だ。
 机から手を離そうとすると「ダメ」ってする猫が可愛い。猫はなんだって可愛い。

午前二時にハラヘッツァ。ここで食べないで寝る勇気。

2月27日 やっぱり猫が好き

きのうは久しぶりにライブを観に行った。数年前までは週に何本も観てたのにね。体を壊してからも何度か観たけど体調的に100%音楽に集中できなかった。やっぱりライブはいいなって思えたのはいつ以来だろうな。
 台湾のSSW柴郡猫さんの主催で、大好きなContrary Parade、ツイキャスで気になってたやまはき玲さん、そしてchocolatreが出演。なにより重い足を運ばせたのはイベントタイトルが「やっぱり猫が好き」だったからにほかならない。楽しいはずのイベントでも、気圧の急降下があると億劫になっちゃう。雨の中がんばって出かけた僕は偉い。

お酒と美味しいおつまみで開演を待つ。最初に登場したやまはき玲さんはピアノガールひとちゃんを連れてのステージ。丸い歌声に心がどんどんほぐれていく。すらっとした手足が歌詞の世界を綴って、心象風景に引き込まれた。かと思えばMCではドラマの「やっぱり猫が好き」の細かすぎて伝わらないモノマネを披露するお茶目さ。
 Contrary Paradeはたなかまゆさんのソロユニットだけど、初めてバンド編成で観た。まゆさんはやっぱりバンドをやりたいのだな。最後の「マーチ」ではみんなでソロ回し、客席にコーラスを煽る。大合唱...とはいかなかったけど僕は歌ったよ。ポップアフターポップ、すぐに口ずさみたくなるメロディと、柔らかい歌声が描く空の色、こんなに痛快なポップスがもっともっと売れちゃえばいいのにな。

chocolatreさんはまったくのノーチェックだったピアノトリオ編成のバンド。バンド名から勝手に可愛い系かなと思った。確かにボーカル・キーボードさんは可愛らしい佇まいだけど、カラフルな味付けでザクザク刻んでいく演奏、そんでリズム隊がぶっとくてグルーヴィー!! たくましい。純粋に音の快楽を追求するライブバンドだった。
 そして柴郡猫さんが登場。スティール・パンを含むバンド編成で、アコギやエレキウクレレを持ち替えながら歌う。MCは殆ど日本語。うまい!! 演奏は最近よく聴いてる台湾インディーズシーンを反映した、楚々とした乾いた音。そこにスティール・パンが加わるとまろやかさが出る。アンコールではカホーンがドラムセットに座り、ポップにタフに。台湾のライブハウスめぐりしたいな。次はContrary Paradeのワンマンに行く約束をしちゃった。今度の日曜だ、早いな。

Bjorkのツアーにも参加したハング奏者のManu Delagoのアルバムが楽しそう。SoundCloudで試聴できる。音色が打ち込みによく合って、ボーカルも好み。元BattlesのTyondai Braxtonがソロアルバムを出す。懐かしいな。ここで試聴できる。エクスペリメンタルな印象。Brian Wilsonの伝記映画「Love & Mercy」のトレーラー映像が出た。Brianのキモさがよく出てる配役だと思った。何度も紹介してる障害者福祉施設「しょうぶ学園」のバンド、otto&orabuの演奏がniko andのCMに使われてる。ドキュメンタリー映画のクラウドファンディングやってる。
 そして...The Alan Parsons ProjectのChris Rainbowが亡くなった。ソロが大好きだった。タイムラインに流れる喪失感。僕にとっての1曲は「Ring Ring」、理想的な、完璧なポップソングだ。

ドキュメント「猫が友達になる瞬間」よく撮ったな。

21世紀の世界の良心と言われる言語学者のノーム・チョムスキー氏が安部首相を強く批判してる。単なる安部批判じゃなくて、歴史修正主義者たちがどうして出てきたか、サンフランシスコ講和条約の背景をすごくわかりやすく話してるな。

2月28日 おじさん

若い頃は、「おじさんになると若い頃の気持ちを忘れちゃうんだろうか」って思ってた。覚えてるさ。覚えてる上で「あの頃は自分もおじさんになるってイメージできてなかった」ことを知る。

26日に雨が降ったおかげできのうきょうは空が綺麗だった。明日も雨らしい。布団干せばよかった(´-`).。oO
 我が夕暮れ団地の裏には公園として整備された森がある。今日は散歩に出かけた。去年がほんとに不本意な一年で、今年は動きたいんで体力つける。その手段が散歩ってあたりに限界が伺える。散歩進んで2歩さがるくらいの散歩で、でも息あがった。数ヶ月前まで寝たきりだったことを思うとだね。プールに行きたいな。市民プールにスライダーがあるのか。おじさんは子供たちをかきわけて独りで滑るよ。それから生活リズムだよね。寝たい時に寝て起きたい時に起きるのはこの星に生きる物としてだめな気がする。自転のスピードとBPM合わせていこう。

タイムラインに「好きなアーティストが好きなアルバムをつくった歳を調べるとメンタルに悪い」ってツイートが流れてきた。42歳。若い頃に大成功してドラッグに溺れて、フォロワーに支えられて復帰作を出したりする年齢だ。Brian Wilsonのソロが46歳。「Who's gonna die first?」39歳。「Long Vacation」32歳。うわー!! みうらじゅんさんが自分と同い年のDylanを聴くってことをしてたな。
 ロックを初めて聴く赤ちゃんの映像を観た。

Kraftwerkはライブ中なにをしてるのか。観客が手元を盗撮した映像が流れてる。観てはいけないものを観てるような...意外とちゃんとライブしてるんだな。インディー・フォーク姉妹Lily & Madeleineの新曲「Blue Blades」相変わらず美しい。SAKEROCKがオリジナルメンバー5人で解散する。彼ららしい決意表明だ。
 老舗CD店が店頭販売をやめる理由。4年前から仕入れ条件がかわって、どんなに売り上げても黒字にならないらしい。何度も書いてるけど「レコードショップの店頭」っていうのは閲覧性に優れたメディアで、新しい音楽に出会う場だ。twitterのトレンドワード見てると、人間という生き物を何万年も支えてきた音楽は、この国では滅亡の危機にあるんだなって思うよ。

「Star Trek」でMr.Spockを演じたLeonard Nimoyが亡くなった。世代じゃなかったけど、深夜放送で観て世界観の深さに呆然とした。
 現代美術のコレクターでもあった。奈良美智さんが思い出をツイートした。「ベンチに腰掛けてスポックのことを想っている。20年ほど前、家に呼ばれてご馳走してもらった。家の中をおもちゃの汽車が走っていた。たくさんの現代美術コレクション、彼自身の写真作品を嬉しそうにみせてくれた。楽しかった」。