THE BEACH BOYS
BRIAN WILSON

ボーカル、ベースとキーボードを担当。
 1942年6月20日、元作曲家の父Murryと、元ピアニストの母Audreyの長男としてうまれる。暴力的な父の威圧から逃れるように音楽にのめり込んで、やがて自身のバンド、Pendletonsを結成。Pendletonsは62年にThe Beach Boysという有り難くないバンド名を与えられてデビュー、Brianはバンドのリーダー、作曲家として多くのヒット曲を生み出した。63年からはプロデューサーとして、ジャズのハーモニーとロックのグルーヴ、クラシックのダイナミズムを融合した、先鋭的で芸術的なサウンドを創り出した。またボーカリストとしても、明るいサウンドに切なく青い影を落として、音楽に陰影と奥行きを与えた。

66年にはロック史上の最高傑作アルバム「Pet Sounds」を発表。それをさらに発展させたアルバム「SMiLE」の製作途中にパラノイアに陥り、第一線から引退。以来、狂気の世界をさまよいながらも、バンドとはつかず離れずの関係を続けていた。70年代後半からは精神科医Eugene Landyの治療を受けて、88年に本格的に音楽活動を再開。しかし92年になるまで、ブライアンの財産を狙うLandyのマインドコントロール下に置かれていたとされている。現在はLandyから逃れて、精神的にも安定してきたように思う。ロックビジネスの波に翻弄されならが自分の音楽を追求した波瀾の半生、そしてパラノイアの中から生まれた内省的な音楽。いかにもロックファンのメンタリティをくすぐるBrianの存在は、伝説として過剰に崇拝されているような気もする。

Let's Go To Heaven In My Car 1987年3月

映画「Police Academy 4」のサウンドトラックからのシングルカット。Gary Usherとの共作による、目まぐるしく変わるリズムが楽しいポップソングだ。Aメロは未発表曲「Water Builds Up」から借用。C/W曲「Too Much Sugar」はしょーもない。どちらもオリジナルアルバム未収録。

Living Doll 1987年

バービー人形のおまけのソノシートとして発表。悲しくなるほど細かい仕事。Gary Usherとの共作によるアップテンポなポップスで、クオリティ的には辛い。

Love And Mercy 1988年7月

アルバム「Brian Wilson」からの先行シングル。C/W曲「He Couldn't Get His Poor Old Body To Move」はNHKみんなのうたに似合いそうな曲。

Brian WILSON

 1988年7月

Eugene Landyの呪縛下で製作されたファーストソロ。全盛期の完璧な音楽は期待するべくもないが、廃人同然と言われていたブライアンがアルバムを発表したという事実だけでありがたがられた。
 穏やかに盛り上がる「Love And Mercy」はWilcoやBMX Banditsもカバーした大名曲。Jeff Lynnと共作した超ポップ「Let It Shine」、幻の名盤「SMiLE」に真っ向から向かい合った大作「Rio Grande」、Gary Usherが関わったソウルフルな「Walkin' The Line」、Brianらしいバラード「Melt Away」なんかは、低迷期の作品と並べれば奇跡的にいい。力強いメロディといきいきしたボーカルには胸が踊る。残念なのは、久々のレコーディングでシンセが珍しかったようで、重ねすぎて音をくぐもらせてしまったこと。ブライアンの無邪気なアイデアは、この当時のマスタリング技術では再現不可能だった。このアルバムの真価がようやく明らかになったのは2000年のリマスター盤リリース後のこと。コーラスとベースラインの素晴らしさが際立って名盤度3割増し。旧盤をお持ちの方には買い換えを強くお薦めする。

Folkways Various Artists 1988年9月

Woody Guthrieへのトリビュートアルバム。ブライアンは「Goodnight Irene」で参加している。ひねりのない単調なサウンドが、シンプルなメロディを活かしきれてない。

Melt Away 1989年1月

アルバム「Brian Wilson」からのセカンドシングル。C/W曲の「Being With The One You Love」はアルバムのアウトテイクで、小洒落たメロディの小品。

She's Out Of Control Various Artists 1989年11月

映画のサウンドトラックに新曲「Daddy's Little Girl」を提供。ゆったりした穏やかな作品。これもぱっとせず。

For Our Children Various Artists 1991年5月

エイズの子供たちへのチャリティアルバム。ブライアンは新曲「Country Feelin's」を提供。動物の鳴き声が入ったそれなりに楽しい作品。

Sweet Insanity

 未発表

うやむやのうちにお蔵入りになってしまった幻のセカンドアルバム。未発表の理由は、被害妄想路線の歌詞をレコード会社が受け入れなかったため。最近になってマスターテープが行方不明になったとか、Brianがこの時代を振り返りたがらないといった噂も出てきて、正式に発売される可能性は極めて低くなった。代表曲は2004年の「GETTIN IN OVER MY HEAD」で再演さてれいる。

未完成作品なのでアレンジ面では練れていない部分も多いが、楽曲はポップでわかりやすくてかなりのクオリティだ。ファーストアルバムと比べても遜色ない。聴きものは力強い「Spirit Of Rock'n Roll」、子守歌のようなバラード「Rainbow Eyes」、トロピカルな「Do You Have Any Regrets」などなど。「Spirit Of Rock'n Roll」にはなんと、Bob Dylanとのデュエットバージョンまである。60年代からDylanには畏怖の念を抱いていたようで、Brianの緻密なバッキングトラックにDylanのぶっきらぼうな歌い方は正直あわないのだが、Rockの魂を歌ったこの曲にDylanを招いたBrianの気持ちは汲みたい。過去の作品をコラージュしてラップに仕上げた「Smart Girl」は、リズムトラックが情けなくてかなりしんどい。

ブートはたくさん出ているけれど、最終形に近いということと音質のよさで上の写真の「Sweet Insanity Sessions」をお薦めしたい。レジに持っていきにくいジャケットではあるが、「Sweet Insanity」全12曲のほかにバージョン違いやレアトラックをめいっぱい詰め込んだお買得商品。
 また、2000年には未完成音源をゲットしたブート業者がなんと自力でアルバムを完成させてしまった。右の写真の「Sweet Insanity millennium edition」がそれ。いじりすぎてる嫌いもあるが、聴きやすいアルバムに仕上がっている。おそろしい世の中だ。

still i dream of you
RARE WORKS of Brian Wilson

 1993年

Brianの60年代のプロデュース作品を集めた企画盤。権利的にやばかったらしく、現在は廃盤。入手困難。
 全盛期のBrianの力みなぎる名演揃いで、なにより山下達郎やLouis Philippe、Wondermintsもカバーした幻の名曲「Guess I'm Dumb」が聴けちゃうのが嬉しい。日本語による詳細な解説もある。2002年に同じ主旨で権利関係をクリアした「The Brian Wilson Productions」、2003年に「Pet Projects: Brian Wilson Production」がリリースされたが、この2枚には入ってない音源がたくさんある。なんとかしてください。
 Brianのプロデュース作品としては、このほかにThe Honeys、American Springの作品集がCD化されている。どちらも当時のBrianの奥さん、Marilyn Wilsonが参加した女性コーラスグループ。

Trios Rob Wasserman 1994年

ベーシスト、Rob Wassermanの企画アルバム。曲ごとにゲストを呼んでトリオを結成するというもので、Brianは娘のCarnyと参加、Robと共作した「Fantasy Is Reality / Bells Of Madness」を演奏した。プロデュースはDon Was。

Till The Night Is Gone Various Artists 1995年4月

Doc Pomusへのトリビュートアルバム。BrianはDriftersの「Sweets For My Sweets」で参加。Spector風の力強い演奏でなかなか楽しい。このアルバムは、名演が詰った隠れた傑作。

For The Love Of Harry Various Artists 1995年

Harry Nilssonへのトリビュートアルバム。BrianはModern Folk Quartetの「This Could Be The Night」で参加。バリバリのSpectorサウンドが痛快。Brianは99年のソロツアーでもこの曲を取り上げている。

Pulp Surfin' Various Artists 1995年7月

サーフィンもののオムニバスアルバム。BrianはAndy Paleyと共作したロマンティックなサーフインスト「In My Moondreams」を提供。まずまずの出来。

DO IT AGAIN 1995年7月

アルバム「I JUST WASN'T MADE FOR THESE TIMES」からの先行シングル。C/Wの「This Song Wants To Sleep With You Tinight」は、この時期に珍しい歌ものの新曲。いわゆるAndy Paley Sessionの一曲だ。ぜんまい仕掛けの穏やかなサウンドに、暖かいコーラスが気持ちいい。

"I JUST WASN'T MADE FOR THESE TIMES"

 1995年8月

Rolling Stones、Bob Dylanからから若手バンドまでを手掛ける名プロデューサー、Don Wasのプロデュースによるセルフカバーアルバム。Brianの半生を描いたドキュメンタリー映画のサウンドトラックで、映画のクライマックスシーン、復活を果したBrianのスタジオライブ演奏を収録したもの。

リメイクに名盤なしとは言うけれど、これは奇跡的に名盤だ。Don Wasの功績は、Brianをシンセから引き離したこと、そしてリラックスさせて楽しませたこと。Donは個性的なサウンドを持ったプロデューサーではないけれど、シンプルで味のある演奏を引き出すのがうまい。同名の映画は、作曲家Brianの偉大さを一般の人にも伝えたい、という思いからDonが自ら監督をかってでたもの。したがって収録曲も作曲家Brianに焦点を絞った渋い選曲で、60年代後半からの一般に低迷期といわれている時期の作品が中心になっている。Donの的確でツボを得たプロデュースを受けて、楽曲の魅力を再発見できるようになった。
 残念な点がひとつ。収録曲のうち「Still I Dream Of It」だけは当時のデモテープのままなのだ。ドキュメンタリー的な視点に立てば、当時のBrianの心情がこもったデモバージョンは魅力的だが、日の目を見なかった幻の名曲だけに、この機会にちゃんとした形で録音してほしかった。

Orange Crate Art

Brian Wilson And Van Dyke Parks    1995年10月

幻の傑作「SMiLE」の作者、Brian WilsonとVan Dyke Parksの30年ぶりの共演アルバム。実質はVan Dykeのソロアルバムで、Brianはボーカリストとして参加した。

かつては少年のようなファルセットコーラスを聴かせていたBrian。70年代なかばにドラッグの影響で声を潰してからは、陰影をたたえたハスキーヴォイスが魅力的ではあった。でもBrianのコーラスに魅かれる向きには不満もあった様子。このアルバムでは、今の声質を生かしたぶ厚いコーラスを聴くことができる。Van Dyke自身も味のあるボーカリストだけど、敢えてBrianを起用したかいがあったというものだ。
 アルバムの世界観は完全にVan Dykeのもの。といっても、SMiLEの裏テーマだった「アメリカ」を、独りで掘り下げてきたのがVan Dykeだ。このアルバムにBrianを起用したのは、彼なりに「アメリカ」への音楽の冒険をやり遂げた実感があったからではないか。このアルバムは、Brianの復活であると同時にVan Dykeの復活でもあった。60年代の二人の作品のような、子犬がころげまわるような楽しさはない。でもこれはこれで涼やかで穏やかで気持ちいい。「SMiLE」をスキップして辿り着いた、ここが正しい着地点なのかも。

LANDYLOCKED

 未発表

95年頃のBrianは、Andy Paleyとの共作、Don WasのプロデュースによるBeach Boysのニューアルバム、というあまりにも魅力的な企画に取り組んでいた。しかし誰もが予想していたとおり、この話題はいつの間にかフェイドアウトしてしまった。
 このアルバムは、当時のデモテープを収録したブート盤だ。Andy Paley Sessionについては、いろいろ噂はあったものの音源がなかなか出回らなかった。ところが99年になってまず「SESSIONS 1996」というタイトルで発売され、その直後に音質のいい「LANDYLOCKED」が出たため、多くのマニアは両方買うはめになった。リリースラッシュは現在も続いているが、音質的に大きな改善は見られない。ちなみにタイトルは、70年代の幻のアルバム「LANDLOCKED」と、Eugene Landyを閉め出してのびのびとセッションしたよ、というダブルミーニングになっている。タイトルを思いついたブート業者の小さなガッツポーズが見える。
 肝心の内容だが、まずまずといったところ。ホーンをフィーチャーしたシンプルなサウンドで気持ちいいのだが、Brianのボーカルが辛い。「Brianの悲劇」愛好家の方々は、「Imagination」より遥かに出来のいい本作が闇に埋もれるなんてやっぱりBrianは可哀想だと言うかもしれないけど...。正式発表されたロマンチックな「This Song Wants To Sleep With You Tonight」はやっぱり素晴らしい。未発表曲では、Beach Boysが参加した穏やかな「You're Still A Mystery」、ソウルフルな3連バラード「Soul Seachin'」、過去の作品を引用したポップな「Slightly American Music」が楽しい。何曲かは2004年の「GETTIN IN OVER MY HEAD」で再演さてれいる。

THE WILSONS

THE WILSONS   1997年9月

Brianの娘、Carney WilsonとWendy Wilsonのユニット。最初はBrianを含む3人のユニットと言われていたが、結局Brianはゲスト扱いで4曲のみの参加だった。
 Carol King書き下ろしの「Monday Without You」はわくわくするポップソング。Brianは「Woo Wee Woo」のコーラスで快調に参加している。「Miracle」は親子共作の大仰なバラード。「'Til I Die」は自作のカバーで、プロデュースも担当。Brianにしては最近のサウンドにも目を配っていて、特にエンディングのコーラスは新鮮だ。ただWilsonsとして「'Til I Die」をカバーする必然性が感じられない。一番の聴きものはラストの「Everything I Need」だ。Tony Asherとの共作、演奏にはHal BlaineやCarol Kayeも参加して、「Pet Sounds」を思わせる素晴らしい仕上がりになった。ただHal Blaineによると、共同プロデューサーのJoe Thomasが後から無駄な音を足して駄目にしてしまったそう。あのいやらしいギターとかだろうか。
 CarneyとWendyは90年にChynna PhillipsとのユニットWilson Phillipsで大ヒットを飛ばしている。が、Chynna抜きのこのアルバムはさっぱり売れなかった。ジャケット恐いしね。ってことじゃなくて声が薄味なんですね、この2人は。サウンドが90年から進化していないのも問題だった。後日談としてそのWilson Phillips、2004年にPeter Asherのプロデュースでカバーアルバムを発表した。Brianも「In My Room」にピアノとコーラスで参加している。

Songs without wordS Various Artists 1997年10月

イージーリスニングのレーベル、Windham Hillからリリースされたソングライターによるインストロメンタル作品集。Brianは美しいピアノの小品「This Isn't Love」を提供。

CHRISTMAS SPIRIT Various Artists 1997年

通販で発表されたクリスマスのオムニバスアルバム。ブライアンは「Joy To The World」、いわゆる「もろびとこぞりて」で参加。Joe Thomasのセンスと思われる、糖分過剰気味のキラキラシンセが邪魔だ。胸キュンコーラスをアカペラで聴きたい。

your imagination 1998年5月

アルバム「Imagination」からの先行シングル。C/Wのアカペラバージョンは、オリジナルバージョンからバックを抜いたStack-O-Vocalsもの。日本盤のアルバムにも同じトラックが収録されている。

Imagination

 1998年6月

ファースト・アルバムから10年。そしてEugene Landyのマインドコントロールから脱して初めてのオリジナル・アルバム。
 雑誌のアルバム評を読んでみると必ず書かれているのが、このアルバムの楽曲の素晴らしさについて、そしてサウンドの凡庸さについて。それほど楽曲は素晴らしく、そしてサウンドはしょぼい。Joe ThomasのプロデュースはいわゆるAOR路線、スリルのかけらもないアルバムになってしまった。特に甘ったるいギターが、優等生気取りのこそばゆいいやらしさを醸し出している。前年にBrianがプロデュースしたThe Wilsonsの「Everything I Need」が、全盛期の仲間を起用しながらもコンテンポラリーな美しさを漂わせていただけに、この仕上がりはやっぱり期待外れ。
 というのが、枝葉末節にばかり目がいくマニアとしての感想。10代の僕、目の前にある無数の娯楽の中でポップスに魅かれていった頃の僕は、このアルバムの持つ嘘のない解放感、説得力のあるポジティブさを素直に認めたかも知れない。

Music For Our Mother Ocean 3 Various Artists 1999年

環境問題系オムニバスアルバムの3作目。BrianはBrian Setzerと「Little Deuce Coupe」を演奏している。クレジットには相変わらずJoe Thomasの名前があるが、Joe得意のチープなシンセサウンドではなく、ギターが炸裂する力強い演奏に仕上がっている。
 リードボーカルはSetzerとBrianが交替交替で担当。Brianの声もちゃんと出ていて、いやいや負けてない。

Tammy Wynette...REMEMBERED Various Artists 1998年

他界したカントリーのシンガー、Tammy Wynetteへのトリビュートアルバム。Brianは、Tammyの生前に録音された「In My Room」のデュエットバージョンをベースに、バックトラックを新たに録りなおした作品を提供した。共同プロデュースはJoe Thomas。

LIVE AT THE ROXY THEATRE

 2000年5月

ベッドに沈む苦悩のアーティスト像から一転、今を生きるお茶目なエンタテイナーぶりを披露して、世界中(のごく一握り)を震撼させたツアーの集大成。芸能生活37年にしてやっと理想のバンドを手に入れたBrian、ますます絶好調の様子。ボーカルよれても気にしない。MCも軽やかに、グレートなナンバーを次から次へと繰り広げる。
 今回のワールドツアーを通じて、ようやく自分の音楽が理解される時代が来たと悟ったのか、日本公演の時よりもヒット曲が減ってマニアックな選曲になっている。アレンジも変わってアカペラパートが増えた。特に目を引くのが、Barenaked Ladiesの「Brian Wilson」のカバー。あの「Lying in bed like Brian Wilson did」のフレーズをBrian自身が歌った。さらにメドレーで「'Til I Die」につなげるあたりも憎い。まさにBrianがベッドにこもっていた時代に、人間の儚さについて歌った名曲。元祖音響派とも言えるオルタナバージョンのニュアンスを加えて、若僧どもよ耳かっぽじって聴きやがれと言わんばかりだ。
 思い入れのない人が聴けば、いろいろとアラもみえてくるだろう。あのライブ会場の空気を吸った皆様にだけお薦めしたい逸品。

20 CHRISTMAS STARS III Various Artists 2001年11月

スーパーのコンピに新曲「On Christmas Day」を提供。後にミックスをかえてアルバム「What I Really Want For Christmas」に収録。

Pet Sounds Live

 2002年6月

35年たって世界が「Pet Sounds」に追いついた。いや、まだまだ追いついてない。気づきはじめたんだ。そしてそのタイミングで、Brian Wilsonは最高のバンドを手に入れた。いける! いけた! Brian Wilsonはようやく自分のトラウマである「Pet Sounds」と対峙して、再現ライブをすることで才能が衰えていないことを証明した。
 ヘッドフォンの中で、あるいはスピーカーの前で胸ふるわせたあの音像が、ホールのサイズに拡大され、空気の波になって確かに響き渡った。圧倒だった。完璧だった。タイトル曲「Pet Sounds」が、フュージョン風に展開をする部分を除けば。でも生の演奏であること、「Pet Sounds」の美しさを損なわずに21世紀に持ち込むことに成功したことを、ちょっとした茶目っ気でアレンジしてみせたのだ。
 で、なんで星を4つあげないかというと。「Caroline,No」で完璧な組曲が完成した後に、日本盤だけのボーナストラックが1曲入ってるんだ。悪い出来じゃないが、あまりにも無粋だ。輸入盤で買いましょう。

Party At The Palace Various Artists 2002年7月

バッキンガム宮殿で行われた、エリザベス女王即位50年記念コンサートのライブ盤。Brianは、The Corrsと「God Only Knows」を、Cliff Richard、Emma Bunton、Atomic Kittenと「Good Vibrations」を演奏している。プロデューサーはGiles Martin、さらにGeorge MartinやPhil Ramoneも名前を連ねる。
 ほかの出演者はQueen、Paul McCartney、Elton John、Eric Clapton、Rod Stewart、Tom Jones、Phil Collins、Bryan Adams、Ozzy Osbourne、Steve Winwoodなど

The Brian Wilson Productions

 2003年2月

ブライアンの60年代〜70年代のプロデュース作品を集めた企画盤。The Honeysの音源が多くてバラエティに富んでるとは言いがたいが、これまで権利的に限りなく黒に近いグレーだった作品を堂々と聴ける。Glen Campbellの「Guess I'm Dumb」は入ってる。

Pet Projects:
Brian Wilson Productions

 2003年2月

その続編なのか、選曲が違う企画盤。いまはこちらの方が手に入りやすいようだ。やっぱりThe Honeysの音源が多い。そしてGlen Campbellの「Guess I'm Dumb」入ってる。

MAYOR OF THE SUNSET STRIP Various Artists 2004年3月

映画のサウンドトラックに新曲「Rodney On The ROQ」を提供。Andy Paleyとの共作なので、「GETTIN IN OVER MY HEAD」セッションのアウトテイクかも知れない。でもロック史上の名曲たちの中でも遜色なく、ドゥワップっぽくてなかなかの快作。

GETTIN IN OVER MY HEAD

 2004年6月

Joe Thomasと決別して、何世代も若い理解あるバンドを手に入れたブライアン、最初のオリジナルアルバムがこれ。ジャケットはPeter Blake! ゲストにPaul McCartney、Eric Clapton、Elton Johnが参加! Carl Wilsonの生前のヴォーカルも収録!
 で、ふたを開けてみたらAndy Paley Sessionと「Sweet Insanity」、2枚のボツアルバムの曲を再演しただけだった。幻の名曲たちを堂々と聴けるのは嬉しい。実に嬉しい。音楽的な理由じゃなく政治的な理由でお蔵入りになっただけに、セレクトされた楽曲のクオリティは高い。のだがやっぱり散漫な印象は否めない。豪華ゲストの参加も統一感のなさに拍車をかけている。再演曲に比べると新曲のクオリティが低いのも気になった。Carl Wilsonが「Smiley Smile」をリリースした時の言葉を借りれば、ホームランを期待されてる時にバントした感じ。ただそういった裏事情を気にしなければ、それなりに聴けるポップアルバム。続く怪作の影に隠れてしまったか。

Brian Wilson presents SMiLE

 2004年9月

「Pet Sounds Tour」で世界中の喝采を浴びたBrian Wilson。その次に続くものは...。「SMiLE」。実は「Pet Sounds Tour」が成功しても、彼のパラノイアの決定打になった「SMiLE」に立ち向かうつもりはなかったそうだ。最初はほんのリクエストから数曲。あの頃は繋がらなかったユーモアのパズルが...繋がった。

かくして「SMiLE Tour」が組まれ、「Pet Sounds Tour」に勝るとも劣らない高い評価を得る。そのスタジオ録音盤がこれ。「世界一有名な未完成アルバム」として伝説に埋もれていた「SMiLE」を、37年目にして「完成」させてしまった勇気。その偉大さについ萎縮してしまいがちだが、聴いてみた感想は「ああ、僕は単純にこの人の作るメロディやサウンドが好きなんだなー」っていうもの。そう思えたことがとても嬉しかった。
 収録曲の「Mrs. O'Leary's Cow」は、地水火風をテーマした組曲の火のイメージで、66年のセッションでは全員おもちゃの消防帽をかぶってレコーディングされた。ただこの曲をレコーディングした直後に隣のスタジオが焼け落ちたり、ロス全体でも火災件数が激増して、Brianを悩ませたそう。2004年のこのバージョンではグラミー賞の最優秀ロック・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞を受賞。なんとBrianがグラミー賞を取るのはこれが初めて。皮肉なもんです。

このアルバムが予定通り発売されていたらポップスの歴史は変わっていた、なんて言われるけれど、それはわからない。実際「SMiLE」が幻に終わって、Beatlesが「Sgt.Pepper's」で当てて、ジミヘンが「サーフミュージックは終わった」と叫んで...という歴史の中に僕たちは生きている。
 でも意外と売れたんじゃないかという気もする。Van Dyke Parksの不思議な歌詞は当時のサイケデリックな風潮に合っているし、サウンドにはディズニー映画のような多幸感がある。ただ、時代に衝撃を与えるアルバムと長年聴き継がれるアルバムは違って、例えばBeatlesなら何度も聴きたいのは「Sgt.Pepper's」じゃなくて、「Rubber Soul」だったり「The Beatles」だったりする。「Pet Sounds」は21世紀の音像をもリードしているけど、「SMiLE」はあくまで1966年当時の最新モードで、その是非よりもとにかく完成したこと(それも恥ずかしくない形で!)を喜びたい。

Wonderful 2004年9月

「SMiLE」からのシングルカット。アナログのみ。カップリングは「Wind Chimes」。

On A Holiday 2004年12月

「SMiLE」からのシングルカット。カップリングは「Roll Plymouth Rock」。

Good Vibrations 2005年2月

「SMiLE」からのシングルカット。ソロシングルとしては自己最高の28位を記録。カップリングは「In Blue Hawaii」。

Mrs.Oleary's Cow 2005年5月

「SMiLE」からのシングルカット。

Good Vibrations 2005年6月

「SMiLE」からのシングルカット。アナログのみ。カップリングは「Our Prayer」と「Good Vibrations」のライブバージョン。

Our Prayer (Freeform reform) 2005年6月

「SMiLE」からのシングルカット。次第にダンサンブルになっていくRemixバージョン。アナログのみ。

What I Really Want For Christmas

 2005年10月

「SMiLE」に続くアルバムは、ぐっとリラックスしたクリスマスアルバム。Beach Boys時代にも2枚のクリスマスアルバムに挑んでいるものの、クオリティ的にはこっちの方が断然上。
 ボーナストラックを含めた15曲のうち、オリジナルは5曲。1曲はBeach Boysのセルフカバー。1曲は2001年にアメリカのスーパーのコンピのために書き下ろしたもので、みんな必死になって音源を手に入れたもんだが、そうですか普通にアルバムに収録ですか。あとの1曲が完全な新曲。タイトル曲は暖炉が似合いそうな静かで優雅なバラード、もう1曲はJimmy Webbとの共作。うーんこっちはどうかな。この頃のBrianは演奏は素晴らしいものの、作曲能力の面で疑念が持たれていた。それを間もなく払拭する訳だが。

Walking Down They Path Of Life 2005年11月

2005年に「SMiLE Tour」の中で演奏されていた新曲。ハリケーンカトリーナ被災者支援チャリティ目的でスタジオ録音してシングルカット。Brianのピアノを中心にゴスペル的展開を見せる。10$バ−ジョンと50$バ−ジョンがあり、50$払うとBrianのサインがついた。私が持ってるのは10$バージョン。すいません。メドレーで「Love & Mercy」の新録バージョンへ。

What I Really Want For Christmas 2005年12月

同名アルバムからのシングルカット。カップリングは「We Wish You A Merry Christmas」とアルバム未収録の「Brian's Christmas Message」。

Deck the Halls 2005年12月

アルバム「What I Really Want For Christmas」からのシングルカット。

Under God Various Artists 2007年1月

詳細不明。「Believe In Yourself」を提供。

NEW MUSIC FROM AN OLD FRIEND Various Artists 2007年2月

タイトル通り、往年の名作曲家が代表作と新作を披露する。BacharachやCarole Kingなども参加した好盤。Brianは「God Only Knows」と、なんとBurt Bacharachと共作した新曲「What Love Can Do」を披露。切ないメロディの佳曲。プロデュースはPhil Ramone。2009年にはアルバムのタイトルを「What Love Can Do」に代えて再発された。

ARCTIC TALE Various Artists 2007年7月

映画のサウンドトラックに新曲「Live Let Live」を提供。なんとVan Dyke Parksとの共作。この曲は歌詞を変えて、次のアルバム「THAT LUCKY OLD SUN」で再演される。

THAT LUCKY OLD SUN

 2008年9月

待ちましたBrianの純粋なるオリジナルアルバム。全曲新曲のアルバムは「Imagination」以来10年ぶりではないか。その間に「Pet Sounds」の再演、「SMiLE」の完成という大事業があり、でも新曲のクオリティは疑問視されていた。ふたを開けてみれば、もうソロ最高傑作なんじゃないかと。こんなに凄いものが出てくるなんて想像もつかなかった。

「THAT LUCKY OLD SUN」は堂々の組曲で、人がトンネルから抜け出る瞬間を捉えたアルバムだ。新曲でも「SMiLE」が作れちゃうんだよ、しかもずっとポップにダイナミックにね! っていうBrianの絶好調ぶりが伝わってくる。今までのソロアルバムにはどこかしら残念な部分があった。あの「SMiLE」だって、伝説のプレッシャーをはねのけて素晴らしいアルバムに仕上がってたけど、曲は1966年に書かれたものだった。「SMiLE」がアメリカに対する愛憎溢れるオマージュだったとすると、この「THAT LUCKY OLD SUN」は彼が生まれ育ったカリフォルニアへのオマージュであり、彼自身の半生記でもある。
 At 25 I turned out the light
 Cause I couldn't handle the glare in my tired eyes
 But now I'm back, drawing shades of kind blue skies

プロデュースはもちろんBrian自身、Scott BennetとDarian Sahahnajaが好サポートをしている。エンジニアはMark Linett。作詞にVan Dyke Parksも関わっている。一生聴けるアルバム。

Midnight's Another Day 2008年

「THAT LUCKY OLD SUN」からのシングルカット。アナログのみの発売。B面は「That Lucky Old Sun / Morning Beat」。

That Lucky Old Sun: AOL Sessions 2009年5月

「THAT LUCKY OLD SUN」の何曲かをスタジオライブで再現。ネット配信のみの発売。

What Love Can Do 2009年8月

同名コンピレーションアルバムからのシングルカット。2007年の「NEW MUSIC FROM AN OLD FRIEND」と同じ音源。ネット配信のみの発売。

Curious George 2: Follow That Monkey! Various Artists 2010年3月

同名サウンドトラックにJoe Jonesのカバー「California Sun」を提供。

They Can't Take That Away From Me 2010年8月

アルバム「Reimagines Gershwin」からの先行シングル。ネット配信のみの発売。

Reimagines Gershwin

 2010年8月

「Pet Sounds Live」「SMiLE」で過去に落とし前をつけ、「THAT LUCKY OLD SUN」で再び才能の爆発を見せたBrianの次のプロジェクトは、George Gershwinのカバーアルバムだった。ジャズシンガーとしての老後への布石、あるいは何度目かの創造性の枯渇を予感させる話題だったが、アルバムを聴いたらその心配は全く無用だった。
 幼少の頃「Rhapsody in Blue」を聴いたのが音楽への目覚めと語ったBrianにとって、Gershwin作品に対峙することは相当な勇気であったと思う。そしてGershwin作品を現代に「Reimagines」することに成功した。

アルバムはその「Rhapsody in Blue」のアカペラでサンドイッチされた、アメリカンポップスの玉手箱。ジャジーなサウンドもあれば、ボサノヴァにアレンジされた「'S Wonderful」、60年代ポップスやソウルのテイストもある。「SMiLE」「THAT LUCKY OLD SUN」の延長にある故郷への慕情であり、Brianらしい斬新なアイデアが随所に見られる。なにより音に深みがあり、Brianのボーカルが若々しくて瑞々しい。エンジニアAl Schmittの貢献も大きいとは思うが、Brian Wilson自身が枯れない男であることを証明してくれた。聴きこんでも聴き流しても気持ちいい好盤。
 「The Like In I Love You」と「Nothing But Love」は、Gershwinのスケッチを元にBrianとScott Bennettが補作した新曲。アルバムはBillbordジャズチャートで1位を記録した。2012年にリリースされた日本盤にはボーナストラックを1曲収録。

Listen to Me:Buddy Holly Various Artists 2010年9月

Buddy Hollyのトリビュートアルバムに「Listen to Me」を提供。

IN THE KEY OF DISNEY

 2011年10月

2枚続けてのカバーアルバムのリリースは、ディズニーレコードとの契約の時に折り込み済みだったという。そのディズニーからのオファーで制作された、ディズニー映画の主題歌集。「カリフォルニアからアメリカンドリームを描いた二人の天才の邂逅」っぽい触れ込みだったが、前作「Reimagines Gershwin」と比べると若干モチベーションが下がってる気がする。
 選曲はいわゆるディズニークラシックにこだわらず、最近の映画からElton JohnやRandy Newmanが作った楽曲も収録、古典映画からも知られざる挿入歌を選んでいる。と言ってもBrianが特別ディズニー通というわけでもなく、Paul Mertensがブライアンのサウンドに合った楽曲を絞り込んだ模様。

聴きどころは、映画「ポカホンタス」から力強いシャッフルに仕立てた「Kiss The Girl」、映画「ライオン・キング」からElton Johnのナンバーを穏やかにカバーした「Can You Feel The Love Tonight」、「SMiLE」的なアレンジがディズニーの世界観とフィットした「Heigh-Ho / Whistle While You Work / Yo Ho (A Private's Life For Me) 」、「Surfer Girl」を書くインスピレーションになったという映画「ピノキオ」からの有名な「When You Wish Upon A Star」を、コーラスのベッドで包み込んだ甘い演奏などなど。
 日本盤にはボーナストラックが2曲収められて、映画「わんわん物語」からの小曲「Peace On Earth」はシンプルなコーラスが美しい仕上がり。

Bridge School Benefit
Various Artists 2010年10月

1986年から続くベネフィットアルバムアルバムの25作目に「Surfin' USA」のライブバージョンを提供。

GOD ONLY KNOWS
Various Artists 2014年10月

BBCのチャリティシングルとして、The Beach Boysの楽曲「God Only Knows」がカバーされた。参加メンバーはMartin James, Bartlett, Pharrell Williams, Emeli Sande, Elton John, Lorde, Chris Martin, Florence Welch, Kylie Minogue, Stevie Wonder, Eliza Carthy, Nicola Benedetti, Jools Holland, Brian May, Jake Bugg, Katie Derham, Lauren Laverne, Gareth Malone, Alison Balsom, One Direction, Zane Lowe, Jaz Dhami, Paloma Faith, Chrissie Hynde, Jamie Cullum, Baaba Maal, Danielle de Niese, Dave Grohl, Sam Smith, そしてBrian Wilson。これだけの大スターが歌い繋ぐビデオも感動的だ。プロデュースはEthan JohnsとKen Nelson。C/Wはインストバージョン。

THE ART OF McCARTNEY
Various Artists 2014年11月

Paul McCartneyのトリビュートアルバムに「Wanderlust」を提供。生涯のライバルへ向けた渋い選曲と壮大なハーモニー。

The Right Time 2015年4月

アルバム「NO PIER PRESSURE」の先行シングル。配信のみ。

NO PIER PRESSURE

 2015年4月

純粋なソロアルバムとしては「THAT LUCKY OLD SUN」以来7年ぶり。とは言え、2枚のカバーアルバム、そしてThe Beach Boysとしての傑作アルバム「THAT'S WHY GOD MADE THE RADIO」を制作して、ますます創作意欲に溢れるBrianの今が聴ける。
 再編Beach Boysとしての新作が企画されるもMike Loveの賛同を得られず、Jeff Beckとの共演アルバムが企画されるもJeffが自分を活かしきれないとして制作中止。結果生み出されたのは、若手ミュージシャンを大勢招いて、作風としては「THAT'S...」の延長上にある1枚。

共同プロデュースと殆どの曲の共作に、「THAT'S...」で久しぶりのタッグを組んだJoe Thomasを招いた。Joe Thomasとの共作ではかつて「Imagination」という、名曲揃いでもサウンドが安っぽいアルバムを制作したことがあるが、「THAT'S...」や今作ではアレンジをBrian Wilson自身が全て手がけて、サウンド面でも成功している。
 ゲストはBeach Boysの盟友Al Jardine、David Marks、Blondie Chaplin (!!なぜBeach Boysの再編に彼は呼ばれなかったのだろう、今作のプロモーションライブにはRicky Fataarも参加している) 。そして何世代も若いミュージシャンたち。セッションは実現しなかったものの、Frank OceanやLana Del Reyにもコンタクトを取っていた。

楽曲はAl JardineとDavid Marksを招いたポジティブな「The Right Time」や、「Whatever Happened」に圧倒的な安定感がある。でもこれだけ若手を起用したBrianの想いはすぐに伝わってきた。かつてBoysだったBrianも70代になり、確かに渡されるバトンを感じた。
 Sebu (from Capital Cities) がボーカルだけでなくプログラミングにも参加した「Runaway Dancer」や、Nate Ruess (from Fun.) が参加した「Saturday Night」にはコンテンポラリーな輝きが、She & Himが参加した「On The Island」にはトロピカルな楽しさが、Peter Hollensが参加した「Our Special Love」には圧倒的なハーモニーがある。

残念なのはこのアルバム、13曲のオリジナルバージョンでよかったんじゃないか。1曲目の「This Beautiful Day」から「The Last Song」へ続く構成、そこにMark Ishamのトランペットが映えるインスト「Half Moon Bay」をそっと置く良心、PVも制作された大名曲「One Kind Of Love」に現れたBrianの真摯さがもっと伝わったんじゃないか。
 18曲のデラックスバージョンは、冗長に思えた。2曲の旧作の弾き語りや、「Summer Means New Love」に歌詞を乗せた「Somewhere Quiet」は別の形で発表できなかっただろうか。そして残りの3曲は...正直クオリティが落ちる気がした。という訳でオリジナルバージョンにプレイリストを組み直して楽しんでいる。