FUJI ROCK FESTIVAL '07 7.28

2日目はField Of Heavenにて、Panorama Steel Orchestraから。原田芳宏を中心に、35人のスティールパンマンが並ぶ姿はまさにヘヴン。ヤン富田一派とは違って、ただ楽しく踊るスティールパン。ドラム缶の原型をとどめたスティールパンを初めて見たが、ベース用なんだそうです。「I Want You Back」や「Over The Rainbow」といったスタンダードから、エキゾチック路線も交えてバラエティに富んだステージ。客席をプカプカと浮かぶシャボン玉がなんとも美しい。しかしスティールパンはこの熱でチューニング狂わないんだろうか。
 やがてポツポツと小雨が降り始めた。この日の降水確率60%。現実から目をそらしていたみんなもついに諦めて雨具を着始めた。僕も着た。ラム酒ロックが旨い。

そして萌え萌え湯川潮音ちゃん。天使の声のアカペラからスタート。そのスカートの丈は! 一言歌うたびにぴょこんと跳ねる生足は! おじさん目線で申し訳ないが、おんなじ生き物ですみませんと言いたくなる神々しさでした。「雨あがった〜!」そういえば雨があがっている。なんという潮音オーラ。
 演奏はギターに桜井芳樹、ユーフォニウムに権藤知彦を迎えて、初期のアシッドな雰囲気もあったりして音楽的にも素晴らしかったです。タップダンスというか、足音のSEを使ったパフォーマンスも素敵だった。

潮音ちゃんのおかげで雨もあがったので、Avalonの丘に登って次に何を見ようか迷ってたら、Upendra & Friendsの演奏が始まった。ネパールのバンド。打ち込みに口琴や打楽器や、胡弓みたいな弦楽器が乗る。チープで気持ちいい。KORGのキーボードは海を渡ってこんな音楽を奏でているんですねえ。
 Red Marqueeまで降りてLily Allen。を見ようと思ったんだがすげー混雑。向かいの木陰で遠くから聴きました。ホーンと打ち込みが利いた心地いいポップロック。実に楽しそうに歌う。今年はスカの要素を取り入れたバンドが多いように思うんだけど、スカって流行ってるんでスカ?

またもRed Marqueeで、G.Love & Special Sauce。やべーかっこいいよ! 歳を重ねてますます巧くなってきてる。ブルースにヒップホップを載せるアイデアで出てきた彼ら、もうそんな次元を遥かに超えて、最高のライブバンドに成長していた。顔はのんちんに似てるのに、口元はラクダに似てるのに、充分かっこいい。
 ラップにFUJI ROCKを折り込んだり、突然のブレーク、そしてブルースハープソロ! もうメロメロです。スライド奏法や、ソロ回しも決まってる。なんてバランスのいいバンドだろう。ただブルース弾き語りみたいなのはやらなくなっちゃったのかな。FUJI ROCKはお祭りだから。

Green Stageに戻ってまさかのIggy & The Stooges。G.Loveの後なんで頭の切り替えが必要。Iggyいきなり裸です。巧いかっていうとそうでもないが、いい歳して轟音ロックを奏でてるおじさんは素敵よ。ドラムが木魚みたいで笑ったが、リフのかっこよさで見せるタフなバンドだ。
 ふと気がつくと、モッシュゾーンが大騒ぎになってる。それを後ろで見ている女の子たち爆笑。「Thank you! Take it easy!」を連発してる。いい人だ。ああそうか、客がステージにあがってるんだ。スゲー! セキュリティに降ろされてる。「Thank you, Tokyo punks!」だってさ、かっこいい。

この日のトリはBeastie Boys。もっと攻撃的なイメージを持ってたんだけど、音のセンスはキュートだな。ニューアルバムがインストっていうのも納得がいく、アイデアに溢れたトラックメーカーです。ターンテーブルあり、バンドでロックありファンクありで彼らの多才ぶりを見せつけられた。しかし一曲が短いな。もっとつなげて盛り上がりたいのに。3日目に続く。