FUJI ROCK FESTIVAL '18 7.26-27

東京でも40℃を超える猛暑の年、台風が直撃しそうな今年のFUJI ROCK。いまの体調ではかなり無理がある強行軍だと思う。でも音楽を愛する者として、行かないという選択肢はない。

毎年FUJI ROCK期間中は、猫たちを動物病院に預けて健康診断とワクチン接種を兼ねる。すべてばっちり、一路苗場へ!! 新幹線にフジロッカーが増えてきた。BGMは清志郎からTune-Yardsを経てKendrick Lamarへ。越後湯沢でラーメンを食べて、シャトルバスに乗り込む。苗場は...東京と比べれば涼しいってば涼しいけど、やっぱりあちいな。ハッカ油とハーブのスプレーに、手持ち扇風機でしのいだ。
 FUJI ROCKの数ヶ月前、定宿が大きな火災にあった。事務所や食堂があった母屋は完全に焼けて更地になっていた。宿のおじさんおばさんにお見舞いと、せめてご無事だったことをご挨拶。幸運なことに、客室があった棟は残って営業するという。ありがたい。

やがていつのも仲間が集まってきた。すごいサイズのウィスキーのボトル。僕の仲間は酒の概念がおかしいな。
 みんな揃って前夜祭へ。盆踊り観て花火観て、Interactivo観るつもりが寝落ちた。年々歳を感じる。今年はZimmermanが来るんで年齢層が高いような気がした。大丈夫かいな。行きて帰れよ。

この日はメンタル的にかなりきつくて、東京に帰ろうかとも思った。っていうのは私生活でもフェスでもいまのFUJI ROCK仲間に依存していて、うまくやらないと辛い。流行りの言葉を使うならば、生産性のない人間なのだ。ってことを痛感した1日だった。

初日。雲ひとつない青空。日焼けしそう。気温は東京に比べれば涼しいけど、直射日光が強くて、母屋があった場所の更地で食べる朝食からして汗だくになった。
 支度をして会場へ。まずはOASISで腹ごしらえ。苗場食堂のとろろ飯に、もち豚屋の串を乗せた。もち豚屋さんの女の子がみんな可愛い。その中でもずば抜けて可愛い子がいた。Red Marqueeから聴こえてくるneco眠るに耳を傾けた。インストダブを聴かせる演奏力と親しみやすさはさすがだな、Never Young Beachからゲストボーカルを招いた曲も気持ちよかった。

そのままRedでミツメ。前に観た時はサラサラな、スカスカなイメージで、それが気持ちよかった。この日のミツメはタフなギターバンドに変貌してて、でも清涼感はそのまま維持、極めて快適な演奏だった。またRedでLet's Eat Grandma、2人の女の子が楽器取っ替え引っ替えして、ドリームポップと呼ぶにはエクスペリメンタルなサイコーのユニットだった。ルックスもいい。
 Redのバンドを3本見てる間にもち豚屋さんに3回通って、毎回ずば抜けて可愛いお姉さんに当たった。「あの...可愛いデス」って言ったら「あはは、ありがとうございます!!」って最高の笑顔をくれた。否定しないところが可愛いって言われ慣れてる。

肉ばっかり食べるのもアレなんで、苗場食堂できりざい飯。なんと前にやついいちろうさんが並んでらして、僕が気づいたら向こうから話しかけてくれた。穏やかなオーラで素敵だった。木陰は風が気持ちいい。遠くからはグッドなミュージック。端的に言うなれば極楽。前を行き来するボランティアのお姉さん、品があって整った顔立ちと巨乳と荷車の組み合わせが最高に良かった。
 次のお目当てはまたRedでTune-Yards。Kendrick Lamarと並んで今年楽しみにしてたバンド。

Tune-Yardsかっこよかった...。クリエイターとして、パフォーマーとして、ミューズとして、間違いなくSt. Vincentと並んでこれからの音楽を引っ張る人だ。日本人には難しいのかな、お客さんは外国人が多くて、日本ではなかなか体験しない盛りあがりだった。
 Merrill Garbusはボーカル・ウクレレ・キーボード・サンプラー・ルーパー・そのほかいろいろ、ベーシストとドラマーを従えて、アルバムのアフロビートを踊りやすい4つ打ちにして攻めてきた。ソウルフルなボーカルの力強さも相まって、それでも失わないミューズ感、グルーヴ感、喜びの表出。感動した。

Redを離れて山奥のField Of Hevenへ向かう途中で気がついた、荷物わすれてんじゃん。心折れたけど荷物は無事で、サカナクションをちょっとだけ観れた。いいバンドだな。個性的なエレポップと抽象的な歌詞で、ちゃんとヒットチャートに入るだけの力がある。
 HevenではMarc Ribot’s Ceramic Dogをちょっとだけ。腕利きのトリオがエッジの効いたインプロビゼーションを繰り広げて、ぜんぜん枯れてないなあ。さくら組のピザをもぐもぐ。

Hevenと言えば東山食堂の顔馴染みのお姉さん、僕にだけ特別に濃いハイボールを作ってくれる。「あーっきたーっ!! 去年あんたベロベロやったやんかー、いまあたしがベロベロやねん」。確かにベロベロだった。えーっそのペースに付いてかなきゃなの!? 明日は僕がベロベロになる約束をした。

最後はハナレグミ。声のいいボーカリストってパブリックイメージは間違ってないけど、清志郎以来のリズムのいいボーカリストだと思ってる。Super Butter Dogのファンクと、アメリカのルーツミュージックって意味でのフォークを経て、オリジナルなソウルを築きあげた。“オリビアを聴きながら” のレゲエバージョンでは、昔のフォーク・シンガーみたいに歌詞を読んでシンガロング。”オアシス” に “今夜はブギー・バック” のラップパートを乗せて踊らせた。
 アンコールは “光と影” 。ここまでは計算内。もう一度出てきて弾き語りで “さよならColor” に “Peaple Get Ready “を混ぜてきた。呆然。

2日目に続く。