YES YES YES!! '07 7.29

3日目のスタートはRed MarqueeにてThe Wombats。全然知らないバンド。甘酸っぱいポップスと聞いてやってきた。♪C ようこそ〜 E ようこそ〜 G ようこそ〜のコーラスでライブはスタート。1曲目はアカペラナンバー。楽器を手にした彼ら、パワーポップなんだけど60年代の香りがぷんぷん、切ないメロディ全開です。リバプールのバンドって感じがする。リズムが自在に変化して、美しいコーラスも映える。

続いて同行者の薦めでFermin Muguruza見る。スペインの自治州、バスクの言葉で歌うバンドなんだって。ミクスチャーっていうのかな。ホーンとアコーディオンとターンテーブルが同居してる。ポップで楽しいです。でも客席にはバスクの旗がはためいていて、シリアスなスタンスを感じさせる。基本的に男性ボーカルで、時に女性コーラスが前に出て英語でフリーダムについて歌う。男性ボーカル顔が恐いけどいい人そうだった。
 ライブ開始時にはガラガラだった客席も、最後には人で埋め尽くされていた。いいバンドなら無名でも客がつく、それがFUJI ROCKのいいところ。

その後、ちょっと時間が余ったので、全長5.5キロメートル、世界最長のゴンドラ「ドラゴンドラ」に初めて乗った! すげーアップダウンにひやひやしながらすれ違う人と手をふりあうのが楽しい。みんなほんとにフレンドリーだよな。
 上ではコミックバンドがライブしてた。西部警察のテーマ♪ちゃーちゃーちゃー、ちゃちゃちゃちゃちゃちゃー、ちゃちゃちゃ髪のー長い女が似合ーうーとかやってました。後で調べたらハッチェル特急楽団という人たちだった。ハイジがいたりパンダがいたりブランコがあったりDJブースがあったり。晴れたら気持ちいいだろうねー。帰りのゴンドラが途中で止まってひやひやしました。しーんとした空間に鳥たちの声が響き渡った。

そして小雨のぱらつくWhite Stageへ。みんながしてるタワレコのタオル、ゴミ分別の手伝いをすると貰えるんだね。分別作業は大変だった。使い捨てよりリサイクル、リサイクルよりリユースを。
 clammbon! サウンドチェックから飛ばしてました。大ちゃんの超絶ドラム。ミトの「レインコートきれいだよ」発言、そして「雨もまたいいね」って郁子ちゃん。そっちは屋根があるからな。まずは同期で「Bass, Bass, Bass」、そしてライブスタート。ニューアルバムからの曲が中心で、最近のclammbonの自信を感じさせる。郁子ちゃんのファニーなイメージが強いけど、リズム隊バキバキのタフなバンドなのだよ。震災にあった新潟に捧げますって「バイタルサイン」、涙がでた。「次はBattlesだ!」ってミトが絶叫してバイバイ。

そのBattles見る。いやーすごかった。一人一人が猛烈に巧くて8ビートだけでもかっこいいのに、リズムのアイデアで、リフのアイデアで、バトルしたり寄り添ったり。ロックってそれだけで充分成り立つんだと思い知らされた。
 ベーシストが特にアイデアマンで、ループサンプリングを巧みに使っていた。ドラマーがいつの間にか裸になってて、ギャランドゥがちょっと気になりましたが。演奏はひたすらかっこいい! あの異常に高くセッティングされたシンバルも見れた。シンバル叩くたびにウォーって歓声が。

White Stageに残ってV∞REDOMS。3台のドラムセットを向かい合わせ、EYヨのボイスパフォーマンスとノイズに乗せて、ポリリズムの嵐を響かせる。トンボみたいに羽を広げたギターを叩くEYヨ、そして目を合わせてばしっと決め打ちする3人のドラマー。Yoshimi萌えの声もちらほら。カタルシスの解放が来るようで来ないもどかしさが気持ちいい、一晩中続きそうな呪術的な演奏でした。すごくよかったんだけど前に見た時の方が即興性があったな、良くも悪くも。

そして今年のFUJI ROCKを締めくくるのは、何度目だかのThe Chemical Brothers。またしてもカタルシスが解放されそうでされない音楽。
 映像のモチーフは人間だったりブリキのおもちゃだったりアクションペインティングだったり古い建物だったりと、デジタルなイメージからかけ離れた人肌を感じされるものばかり。そのギャップが面白い。でも新しさは感じられなかったな。4つ打ちテクノに進化の余地はないんだろうか。

今年のベストアクトは該当者なし。敢闘賞をG.Love & Special SauceとClammbonとBattlesに、切ないで賞をOcean Colour Sceneに、ときめきで賞を湯川潮音ちゃんに、出会ってしまったで賞をFountains Of Wayneに、がっかりで賞を捏造と贋作に。
 アンコールのバスドラの響きを背中に聞きながら、僕のFUJI ROCKは終わりました。東京か! ここまで読んでくれた方、サンキュー。そして来年のFUJI ROCKでシーユー。