FUJI ROCK FESTIVAL '08 7.25

今年も行ってきましたFUJI ROCK。アンチフジの皆さんごめんなさい。僕にとってはFUJI ROCKの3日間がリアルで、残りの362日間は生活というウスノロでしかありませんので。

木曜日は所用で前夜祭に行けず、苗場音頭を踊っているだろうY.N.さんとT沢さんを恨めしく想いながら就寝。当日は4:30に目が覚めてしまった。遠足前の小学生か! 同行するやましんと初対面のI井さんと東京駅で集合。毎年7時台の新幹線に乗ればシャトルバスにスムーズに乗れたのに、学習しておんなじこと考えたんだね、バス1時間半待ちでした。みんなふざけた格好で疲れた顔してるのがおかしかった。
 待ち時間にかかってたのは清志郎のナンバー。やっぱりFUJI ROCKには清志郎がいなくちゃ! スタッフの粋なはからいに感謝。苗場の山についたら涼しい風、遠くから聴こえてくるよバスドラム。テンションあがる! いつもの宿のおばちゃんにどーもどーも、そして前夜祭組と、バイクできたヌカタシと合流していざ会場へ。

今年の1発目は原田郁子。ピアノ弾き語りでソロアルバムの曲を歌う。髪型がかわいかった。遠くのステージから爆音が聴こえてくる中で、なんともしなやかで集中力のある、いつもの原田郁子でした。お喋りしてるみたいにふわふわと揺れるグルーヴ、叩くように弾くピアノのなぜか優しい響き、限りなく透明で力強い歌声、指先まで神経が行き届いた優雅な振舞い。音楽を愛し愛されてる人だな。
 クラムボンの曲は「チャームポイント」。そして「いい曲は歌い継がねばならないのだ」と言って「いかれたBaby」。反則だろそれは。泣きそうによかった。「清志郎さんと共作した新曲をやろうかな、清志郎さん早く帰ってきてなんていいません、ゆっくりね」って新曲を歌ってバイバイ。非常に余韻の残る、素敵なステージでした。

次はくるりかLittle Tempoかで迷って結局Little Tempoに行く。夏だしね。スティールパンが転げ回る涼しいダブバンド、だと思ってたんだが! いつのまにかヤンキーレゲエバンドになってた。お客さんがタオルを振り回す系のステージでした。でも「温泉物語」って曲はタイトルそのまんまの気持ちいいナンバーで、後半に行くに従ってゆったりいい感じになってきました。

続いてJason Falkner。大好きなSSW。8ビート一本やりでも曲がよければ素敵なライブは成立するんだなあ。発売当時話題になった、1stの懐かしい曲もいっぱいやってくれました。客層が全体的にナード臭くて、特に2列前の男の子のタコ踊りは気持ち悪かった。やっぱりそういうファン層なんでしょうか。多分に近親憎悪なのだが。
 スペシャルゲストとしてくるりが登場。FUJI ROCKならではだな。ギター3本でどれが岸田のギターかわかんなかったけど、ベースは佐藤に代わって断然よくなりました。元のベース氏は写真係をしてた。

そのままヘヴンでmice parade。ちょっとエスニックの要素も入った男女ボーカルのポストロックバンド。あのレコードの清潔感をライブで実現していたのは驚いた。特にドラムがタイトで気持ちよかったです。その上をアコギのアルペジオとヴィブラフォンが駆け回り、ベースとキーボードがドローンを作り出す。静かな展開から高揚感溢れる演奏へ、メリハリが効いてました。意外とタフでロックなバンドだ。ただベーシストのサングラスはあれでいいのか気になりました。
 最後にスペシャルゲストとして原田郁子が登場。使ってないマイクが1本立ってる時点で、原田郁子が出ることは想像がついたんですが。郁子マイクのボリュームが小さくて、あの魔法の歌声があんまり響かなかったのが残念。

そして今年の大事件、My Bloody Valentine。ほんとに来るのかってとこから大事件。木曜日にリハやってたよって聞いても信じられない。巨大なグリーンステージは、人いきれでもやがたって異様な雰囲気に包まれていました。同行者は耳栓をして前の方へ、僕は怖かったんでちょっと後ろでその時を待つ。出たー! マイブラだった! すげー音でボーカルが殆ど聴き取れない。やがて噂の痙攣の運動が始まって、いつまでも離陸しない飛行機みたいな轟音を...20分ぐらいやってたのかな。体の芯まで伝わる波動と風圧を感じた。ドラムのColmが辛そうな顔をして、Yoshiki失神かと思った。観客は揺らぎに身をまかせてただ呆然。終わってからも呆然。しばらく三半器官がおかしくなりました。伝説を観た。
 これ以上何かを観る気になれなくて、1日目はお終いに。宿でなぜか少女マンガの話で盛り上がる。そうそうBilindaは今でもキュートでした。2日目に続く。