FUJI ROCK FESTIVAL '18 7.28

雨の音。かれこれ起きてから30分以上、同室の人々が爆睡してるんで、Twitterくらいしかすることがない。僕もあんまり早い時間に観たいものがない。夕方はめちゃくちゃバッティングするのにな。午前中は邦楽ばっかりなんでスルーして、お姉さん巡りをする。邦楽が嫌いなわけじゃなくて、東京でも観れるバンドに体力をさくよりはKendrick Lamarにさきたいし、お姉さん巡りにさきたいということだ。
 きのうは直射日光の下で食べた朝食を、新館のロビーで。いよいよKendrick Lamarを観る。受け止めきれるだろうが。台風も心配。かといって西日本の被災地にまたいってしまうのも心配。

Hevenに登る。aviciiを追悼するモニュメントがあることに気づいた。東山食堂のお姉さんに挨拶。
 Rancho Aparte観た。まったく知らないコロンビアのバンド。コロンビアの音楽とアフロビートを混ぜたみたいな新しいグルーヴだ。政情の不安定な国の見知らぬバンドでも、ノリがよければみんな踊り出すのがFUJI ROCK。たぶんスペイン語なんだろうけど、何語かわからないコールアンドレスポンスで大騒ぎになった。

Green Stageに降りてJohnny Marrをちょっとだけ観た。今年は、Gypsy AvalonからGreen Stageに抜ける新道ができて、ずいぶん便利になった。
 The Smithで曲を書いてたのはJohnny Marrなわけで、英語がわからない僕にとってはMorrisseyを聴くよりピンとくる。ソロアルバムも好きだった。びっくりしたのがギター弾きながらチューニング変えてピッチをいじること。カポずらして転調する人はたまに見かけるけど、音が出たままスラーするの。

RedでSuperorganismを観ようとするも、スゲー人で会場に近づけなかった。今年デビューしたバンドなのにみんな耳が早いな。離脱してもち豚屋さんのお姉さんを観察。...顔ぶれが一新してた。可愛いことに変わりはないんだけど。
 時間が出来たんでところ天国へ。冷たい水で火照った足をジュワッと冷やした。気持ちいい。

むかった先はAvalon、折坂悠太 (合奏) を観に。地声と裏声を行き来する独特の発声で、日本的なコブシや “安里屋ユンタ” のカバーを歌ったり、時にヨーデルっぽかったりもした。ヴィブラフォンやウクレレ、ホーンの入った音創りもとっても好み。もちろんオリジナル曲も詩情に溢れて美しい。細野さんのトロピカル音楽の、かなり特殊な継承者と言えるかも知れない。
 少し雨が降ってきた。

White Stageに降りてユニコーンを観た。”スターな男” に始まり、”ペケペケ” や “大迷惑” が大受けしてた。「去年デビューしました」とか適当言ってるあたりはいつまで経ってもユニコーン。
 奥田民生さんの印象が強いけど、それぞれが素晴らしいプレイヤーで、バンドとしてのバランスも抜群によかった。復活ユニコーン、ちゃんと聴いてみようかな。”すばらしい日々” をやらなかったのは彼らなりの意地だろうか。そろそろ雨が本降りになってきた。

今年の目的、Kendrick Lamarのために、体力温存としてMGMTを観ないでGreenで嫌いなSkrillexに耐えた。この雨は、ゲストにYoshikiが出てきてエンドレスレインを弾いたせいだ。その選曲はないだろう。小泉政権の頃、清志郎が「小泉はX-Japanが好きなんだって!? センス悪いな、俺は大嫌いだ。本当の音楽好きは苗場にいる」って言ったんだ。日高大将はどう思ってるんだろうか。
 終わったあと、すんごいちっちゃなXコールが聞こえてきた。

嵐の中、主役のKendrick Lamarを待った。そこから先は...。
 ほら、魔法が起きた。いままで、素晴らしい音源の数々で、彼をわかった気になってた。Kendrick Lamar。やばい。呆然とした。踊りすぎた。完璧なパフォーマンス、インストを挟んだトータルな構成、ステージに現れては消えていくダンサーやギタリストたち。黒人音楽のっていうか、黒人文化のいま一番洗練されたパフォーマンスを観せてもらった。そもそも彼が出てきたとたんに雨がやんで、彼が去ったとたんに強風が吹いた時点で魔法使いだ。

この強風、テントの方々は大変だったみたい。飛ばされたり水没したり急病人が出たり。苗場の方々も含めて、助け合いがあったと聞いた。

3日目に続く。